JPH109821A - 画像測定装置 - Google Patents

画像測定装置

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JPH109821A
JPH109821A JP8164157A JP16415796A JPH109821A JP H109821 A JPH109821 A JP H109821A JP 8164157 A JP8164157 A JP 8164157A JP 16415796 A JP16415796 A JP 16415796A JP H109821 A JPH109821 A JP H109821A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ティーチングデータを簡単な操作で短時間で作
成する。 【解決手段】被検査物の像を光学系を介して結像させ、
その結像の光強度分布に応じた電気信号を出力する撮像
装置と、撮像装置から出力される電気信号に従って被検
査物の画像を表示する表示装置と、画像の測定すべきエ
ッジを含むエッジ位置検出領域内の当該エッジ位置を電
気信号に基づく画像処理により検出する画像処理部とを
有する画像測定装置において、画像処理部は更に、光学
系を第一の倍率にして撮像装置から出力される電気信号
に従って得られる第一の画像データを記憶し、第一の画
像データを参照してエッジ位置検出領域の位置と方向を
設定し、第一の画像データとエッジ位置検出領域の位置
と方向のデータとを含むティーチングデータを作成する
ことを特徴とする。ティーチングデータを作成するの
に、測定時の高倍率に設定する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検査物の輪郭形
状を高精度で且つ簡単に測定することができる画像測定
装置に関し、特に被検査物の測定手順と測定点の位置に
ついてのティーチングデータを記憶し、そのティーチン
グデータに従ってその後の別の被検査物の測定を行うこ
とができる画像測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像測定装置は、例えば、ステー
ジ上に置かれた被検査物の像を光学系を介して上方から
捉えてCCD等の撮像素子に結像させ、捉えた像の光強
度分布に応じた電気信号を出力するCCDカメラと、そ
のCCDカメラが捉えた撮像範囲内に設定されるエッジ
位置検出領域(キャリパ)内にある被検査物の輪郭形状
のエッジをCCDカメラからの電気信号に基づく画像処
理により検出し、エッジ座標値を出力する画像処理装置
とを備えている。
【0003】かかる画像処理装置は、光学系の倍率を上
げることにより解像度を上げて測定の精度を上げること
ができるが、倍率を上げると表示画面内に測定すべき形
状部分やエッジ部分を写し出す様に被検査物を載置した
ステージを調整する必要があり、その調整には多くの工
数がかかり困難な場合がある。そこで、複数の被検査物
について同じ測定を行う場合は、操作性の効率を上げる
ために、最初の被検査物を測定した時にそのエッジ位置
検出領域(キャリパ)を設定した時のステージの座標、
画面内のエッジ位置検出領域(キャリパ)の位置や方
向、倍率および光学系のデータ等をティーチングデータ
として記憶しておき、2番目以降の被検査物に対しての
測定は、そのティーチングデータを基に、ステージを移
動し、画面内でエッジ位置検出領域(キャリパ)を移動
してそれぞれのエッジ座標を測定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の測定装置では、ティーチングデータを作成するた
めに、操作者が被検査物が載置されたステージを移動
し、測定時の高倍率での画面内に目標とする測定形状や
測定エッジを表示させエッジ位置検出領域(キャリパ)
を設定する必要がある。そのため、測定時の高倍率での
画面内に目標とする測定形状や測定エッジを表示させる
為の装置の調整が必要であり、その調整自体に多くの時
間を要する。更に、エッジ位置検出領域(キャリパ)を
画面内のエッジ上に移動し、適切な方向に設定する必要
もあり、多くの工数を要している。
【0005】高倍率に切り替えると画面視野が狭くな
り、被検査物の測定箇所を画面内に入るように調整する
には、低倍率の画面で測定箇所の位置を確認しながらス
テージ移動させ、高倍率の画面に切り替えて更に測定箇
所が画面内に入るよう調整し、調整不調なら再度低倍率
でステージを移動して上記の工程を繰り返すという大変
煩雑な操作を行う必要があった。
【0006】第二に、被検査物が例えば温度によって伸
縮するようなフィルム状のものの場合、従来の様に撮像
の範囲内におけるエッジ位置検出領域(キャリパ)の位
置を記憶しておくだけでは次に測定する伸縮した被測定
物に対しては、そのティーチングデータを利用してステ
ージを動かしエッジ位置検出領域(キャリパ)を設定し
ても、エッジ位置検出領域(キャリパ)が測定位置から
ずれてしまい正しい測定ができないという問題がある。
この問題は特に高倍率で測定する場合に発生する頻度が
高い。
【0007】第三に、エッジ位置検出領域の位置を確定
させる為には、従来はステージを移動して実際に測定す
る時の高倍率の表示画面内に被検査物の測定すべきエッ
ジ位置を移動させる必要があり、上記の煩雑な操作に加
えてエッジ位置検出領域を測定すべきエッジ位置に移動
させる必要がある。そのためティーチングデータの作成
に長時間を要していた。
【0008】そこで本発明の目的は、上記問題点を解決
し、短時間でティーチングデータを作成することができ
る画像測定装置を提供することにある。また、本発明の
目的は、上記問題点を解決し、伸縮性のある被検査物で
あっても測定を行うことができる画像測定装置を提供す
ることにある。更に、本発明の目的は、上記目的を解決
し、比較的簡単にエッジ位置検出領域(キャリパ)の位
置とその方向を求めることができる画像測定装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、被検査物の像を光学系を介して結像させ、その
結像の光強度分布に応じた電気信号を出力する撮像装置
と、該撮像装置から出力される電気信号に従って該被検
査物の画像を表示する表示装置と、該画像の測定すべき
エッジを含むエッジ位置検出領域内の当該エッジ位置を
前記電気信号に基づく画像処理により検出する画像処理
部とを有する画像測定装置において、該画像処理部は更
に、前記光学系を第一の倍率にして該撮像装置から出力
される電気信号に従って得られる第一の画像データを記
憶し、該第一の画像データを参照して前記エッジ位置検
出領域の位置と方向を設定し、前記第一の画像データと
前記エッジ位置検出領域の位置と方向のデータとを含む
ティーチングデータを作成することを特徴とする画像測
定装置を提供することにより達成される。
【0010】更に、高倍率で測定を行う場合は、高倍率
にした時のステージ位置と画面内でのエッジ位置検出領
域の位置と方向にティーチングデータのデータを変換し
て使用する。また、被検査物がティーチングデータを作
成したときの被検査物に対して伸縮していた場合は、そ
のずれ量を画像データの比較により求め、エッジ位置検
出領域の位置と方向を修正する。その結果、測定不能に
なることを回避することができる。
【0011】更に、記憶した画像データを利用すること
で、測定したいエッジ近傍の位置をマウス等で指定すれ
ば、演算によりそのエッジの位置と法線方向のエッジ位
置検出領域のデータを求めることができる。更に、被検
査物を複数に分割し、それぞれの画像データを記憶する
ことで、任意の表示画面上で測定操作手順を作成するこ
ともできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に従って説明する。しかしながら、本発明の技術
的範囲がその実施の形態に限定されるものではない。図
1は、本発明の画像測定装置の全体概略図である。画像
測定装置は、測定機本体1と制御ユニット2から構成さ
れる。測定機本体1は、支持体3のベース部3a上に設
けられたXYステージ5と支柱部3bに取り付けられた
撮像部6とを備えている。XYステージ5上に置かれた
被検査物7は、透過照明光学系8または落射照明光学系
9により照明され、光学系12により被検査物7の像が
CCD素子を備えたCCDカメラ13に結像される。制
御ユニット2はモニタ4を備えている。
【0013】図2は、図1の画像測定装置の内部ブロッ
ク図である。XYステージ5内には、ステージ5を駆動
するモータを備えたステージ駆動部51と、そのステー
ジ5の位置を検出するエンコーダを備えたステージ位置
検出部52が設けられている。撮像部6内には図1と同
様に、光学系9と複数のCCD素子を備えたCCDカメ
ラ13が備えられている。
【0014】制御ユニット2内には、CCD素子13か
らの電気信号をデジタル信号で一旦記憶する画像データ
メモリ21、光学系9の駆動制御を行う光学系駆動指令
部22、ステージ制御部23が備えられている。これら
は、内部バス29を介して制御ユニット2の心臓部に該
当するCPU28に接続されている。26は、制御ユニ
ット2の制御シーケンスプログラムが格納されているメ
モリであり、そのシーケンスプログラムに従って、CP
U28からの指令で光学系駆動指令部22とステージ制
御部23とが制御される。27は、演算時に使用される
RAMである。更に後述する画像処理が、画像データメ
モリ21、メモリ26内の制御シーケンスプログラム、
RAM27、CPU28等により行われる。
【0015】24はモニタ4に映し出される画像の表示
データを記憶するフレームメモリであり、画像データメ
モリ21に記憶されているデータから作成された画像表
示データが記憶される。20は操作者が測定条件等を入
力する入力部で、I/O部25を介して内部バス29に
接続される。図3は、被検査物である試料7が測定され
る時にモニタ画面4aに映し出される状態を示してい
る。被検査物7の全体の画像が表示画面4a内に表示さ
れている。この例では、被検査物7には4個の比較的大
きな円形71〜74と比較的小さな円形75が設けら
れ、例えば5個の円形の直径がそれぞれ測定されるとす
る。
【0016】図4は、本発明の実施の形態の測定装置の
測定シーケンス例の全体のフローチャート図である。こ
のフローチャート内で、ステップS8及びステップS1
0〜12は必要に応じて実行されるステップであり、必
要がなければスキップされる。これらのステップの実行
/スキップは入力部20から入力される測定条件によ
る。
【0017】この測定シーケンスでは、先ずティーチン
グデータを作成する時の被検査物を表示する倍率を設定
する(S0)。この倍率は、図3で示した様に画面4a
内に被測定物7の全体が入るような低倍率に設定する。
その低倍率に光学系を設定し、CCDカメラから出力さ
れる画像の光強度に応じた電気信号に従う画像データを
取り込み、画像データメモリ21に記憶する。同時にこ
の画像が表示装置4の画面4aに表示される(S1,S
2)。
【0018】この様に、出来るだけ被測定物7の全体が
画面4a内に表示される状態にすることで、ステージ移
動を行うことなく測定手順に関するデータであるティー
チングデータの作成をすることができる。即ち、被検査
物7内の被測定形状、図3の例では5つの円、のエッジ
近傍を、画面4a上で例えばマウス等のポインティング
デバイスにより指定し、その位置を基準にして、記憶し
た画像データを利用した画像処理により、その指定した
位置から最短のエッジ位置とその位置における形状の法
線方向を演算により求め、その位置と方向にエッジ位置
検出領域を設定する。或いは、円の場合には例えば、円
内部の任意の位置をマウスによりクリックし、その位置
を囲む円の中心と半径を、同様に記憶した画像データを
利用した画像処理により演算により求め、その円の所定
の位置と方向にエッジ位置検出領域を設定する。このよ
うにして設定したエッジ位置検出領域の位置と方向は、
画像データを基準にして求められたものであり、従来の
ような画面4a内に表示させたエッジ位置検出領域(キ
ャリパ)の位置及び方向のデータとは異なる(S3,
4,5)。
【0019】この様に画像データを利用しているので、
マウス等で被測定エッジの近傍をクリックして近傍位置
指定信号を入力するだけで、簡単な演算により当該被測
定エッジの位置にエッジ位置検出領域(キャリパ)を設
定することができると共に、該エッジ位置検出領域の方
向を最も高精度にエッジを検出することができるエッジ
の法線方向とすることができる。
【0020】次に、この様にして作成したティーチング
データに従って被測定物を実際に測定する(S6〜S1
3)。その場合、ティーチングデータを作成した時と同
じ倍率で捉えたCCDカメラからの出力電気信号を使用
して測定を行う場合であって被測定物の伸縮を考慮する
必要がない場合は、上記のティーチングデータをそのま
ま使用して自動測定を行うことができる。その場合は、
ステップS13に進む。
【0021】また、更に高倍率で捉えたCCDカメラの
出力電気信号を使用して測定を行うこともできる。その
場合はステップS6の測定条件の指定の入力で設定され
る。上記の通り、記憶した画像データを参照してエッジ
検出領域の位置と方向を設定しているので、低倍率で捉
えた画像を用いて作成したティーチングデータに基づい
て高倍率でのエッジ測定を行うことができる。
【0022】即ち、低倍率で捉えた画像に対して設定し
たエッジ位置検出領域の位置と方向及びステージ位置デ
ータを、高倍率で表示した時の画像の対応箇所の画面内
でのエッジ位置検出領域(キャリパ)の位置とステージ
位置データに変換して高倍率用のティーチングデータを
求めることができる(ステップS7,S8)。そして、
この高倍率用のティーチングデータに基づいて、高倍率
で表示した被測定エッジ部分の高精度の画像信号からエ
ッジ位置を求めることができる。従って、従来の様に最
初のティーチングデータの作成時に実際の測定時の高倍
率で画面内に被測定エッジを表示させる必要はない。詳
細は後述の「高倍率での測定」で述べる。
【0023】更に、被測定物が伸縮する材料の場合は、
そのずれ量を画像データどうしの比較により求め、ティ
ーチングデータをそのずれ量分補正して自動測定を行う
こともできる(S9〜S12)。この点についても後述
の「別の被測定物とのずれの補正」にて詳述する。 [エッジ位置検出領域(キャリパ)の位置と方向]図5
及び図6は上記の演算のアルゴリズムの一例について説
明する図である。図5は、直線状のエッジEGの近傍M
Aをマウスでクリックすることで近傍位置指定信号を入
力した場合である。近傍位置MAから同心円30を拡大
し、最初にエッジEGに到達したエッジ上の点Aが、近
傍点と直線EGとの垂線32との交点である。そこで、
求めた点Aの位置データ及び垂線32の方向を示すデー
タを用いて、エッジ位置検出領域(キャリパ)CAは図
に示す通り点Aを含む点Aの法線方向の領域として設定
される。
【0024】更に、別のアルゴリズムとしては、近傍点
MAから複数の放射ライン31を延伸し、それらの放射
ライン31がエッジEGと交差した点の内、近傍点MA
から距離が最も短い交点の位置を点Aとする方法があ
る。いずれにしても、幾何学的な手法を利用して、記憶
した画像データに基づいて、近傍点MAを基準にしてエ
ッジ位置検出領域(キャリパ)CAの位置と方向(法線
方向)を定めることができる。法線方向にエッジ位置検
出領域(キャリパ)CAの方向を設定することにより、
そのキャリパ内のCCDカメラからの出力信号の変化が
最大となる点をエッジ位置と判断する信号処理において
最も高精度にエッジ位置を検出することがきる。
【0025】また、点Aと垂線32が見つかると直線E
Gが画定されるので、点Aの両側に位置する2点にエッ
ジ位置検出領域(キャリパ)を設定することもできる。
こうすることで、直線に対するエッジ位置検出領域(キ
ャリパ)の設定が1回のマウスのクリックを行うだけで
可能となる。図5のアルゴリズムは、測定されるエッジ
が曲線の場合にも適用できる。図6はその曲線状のエッ
ジEGに対してエッジ位置検出領域(キャリパ)CAを
設定するアルゴリズムを説明する図である。同様に、近
傍点MAをマウスにより指定すると、その点MAを中心
とする同心円30がその半径を拡大し最初に交差したエ
ッジEG上の点Aが、近傍点MAからの垂線との交点に
なり、その垂線が点Aでの法線となる。そこで、図6の
如くエッジ位置検出領域(キャリパ)CAが設定され
る。上記と同様に、近傍点MAから放射線を延ばす方法
でも良い。
【0026】上記のようなアルゴリズムを利用すること
で、エッジの近傍の任意の位置をマウスなどで指定する
だけで、その近くのエッジ上にエッジ位置検出領域(キ
ャリパ)CAを好適な方向をもって設定することができ
る。図7は、被測定画像が円の場合のエッジ位置検出領
域(キャリパ)設定のアルゴリズムを説明する為の図で
ある。円の場合は、三点が検出されれば円が画定するの
で、円の内部の任意の位置でマウスでクリックして指定
した点MAから任意の3方向に延びる放射線33がエッ
ジEGと交差する点E1,E2,E3を、記憶した画像
データを用いた演算で求め、これらの点を円周上にもつ
円の中心Oとその半径を求めて円を画定する。そして、
画定された円の任意の3点または4点(或いはそれ以上
の点)のエッジ位置と方向(円の法線)にエッジ位置検
出領域(キャリパ)が設定される。
【0027】図8は、被測定画像が四角形の場合のエッ
ジ位置検出領域(キャリパ)設定のアルゴリズムを説明
する為の図である。四角形の場合も、円の場合と同様に
四角形の内部の任意の点をマウスでクリックするだけ
で、次のアルゴリズムにより四辺の位置が求められる。
即ち、点MAを指定するとその点MAを中心とする同心
円37を拡げ、最初に四辺形に接続した点E1を最初の
辺上の垂線の足の点と認識し、点E1から点MAと反対
側で四辺形に接続した点E2を二番目の辺上の垂線の足
の点と認識し、更に、点E1とE2を結ぶ線と直角の方
向で四辺形を接続する点E3,E4が三番目と四番目の
辺上の垂線の足の点と認識する。その結果、四角形の四
辺が画定され、それらの点E1〜E4或いは四辺上の任
意の四点においてその法線方向にエッジ位置検出領域
(キャリパ)が設定される。
【0028】以上の如く、図5、6に示した様に、エッ
ジ位置検出領域(キャリパ)を設定したいエッジ近傍点
を指定するだけで、その近傍のエッジ位置に法線方向の
エッジ位置検出領域(キャリパ)が設定できる。更に、
他の方法として図7、8に示した通り、円や四角形の場
合はその内部の任意の点をマウス等で指定するだけで、
画像データを利用した演算によりそれらの図形を画定
し、最適の位置及び方向にエッジ位置検出領域(キャリ
パ)を設定することができる。これらは、記憶した画像
データを利用した演算処理でエッジ位置検出領域の設定
を可能にしている。これによって、測定のオペレータ
は、簡単にエッジ位置検出領域(キャリパ)を設定する
ことができる。
【0029】再び図3、4に戻り、図3に示した5個の
円71〜75の内部の任意の点MAをマウス等でクリッ
クすることでそれぞれの円が画定され、それぞれの円に
ついて4つのエッジ位置検出領域(キャリパ)CAが図
9の如く設定される。従って、これらのエッジ位置検出
領域(キャリパ)CAの位置と方向のデータを有するテ
ィーチングデータが作成されたことになる。このデータ
に従って、同一形状の別の被測定物7の像をCCDカメ
ラで捉え、エッジ位置検出領域(キャリパ)CA内にお
けるCCDカメラからの電気信号を利用してそれぞれの
エッジ位置が測定される。
【0030】[高倍率での測定(ステップS7,S
8)]本発明では、画像データを記憶したことで、低倍
率で被検査物を画面内に表示して簡単にエッジ位置検出
領域(キャリパ)の設定を行うことができた。そのよう
にして作成したティーチングデータに基づいて、前述し
た通り高倍率で捉えた画像信号を使用して高精度のエッ
ジ位置の測定を行うことができる。
【0031】ステップS6で指定された測定条件の倍率
がティーチングデータを作成した時の倍率よりも高いこ
とが判断されると(S7)、高倍率用のティーチングデ
ータに変換される(S8)。図9に示した通り、5個の
円71〜75に対してそれぞれ4ヵ所にエッジ位置検出
領域(キャリパ)CAが設定されている。図9に示した
倍率より高い倍率で例えば円71をCCDカメラに捉え
て、その状態で得られる画像信号を利用してエッジ位置
の測定を行うことで、CCDカメラの分解能が高くな
り、より高精度の測定が可能になる。そこで、例えば図
9中の一点鎖線で示した4aaを表示画面に拡大表示す
る。
【0032】その場合は、低倍率での画像データから作
成したティーチングデータから、表示画面が4aaにな
るようなステージ移動位置と、その画面内の各エッジ位
置検出領域(キャリパ)CAの位置とを演算により求め
る。例えば、低倍率での画面4aの中心点から拡大画面
4aaの中心点までの距離と角度がステージの移動すべ
き距離と角度を表す。更に、拡大画面4aaは高倍率と
低倍率の比だけ拡大されるので、その分を拡大画面4a
a内でのエッジ位置検出領域(キャリパ)CAの位置に
反映する演算を行う。そして、前記ステージの移動すべ
き距離と角度のデータ、及び前記拡大分を反映したエッ
ジ位置検出領域の位置のデータによって低倍率での画像
データから作成したティーチングデータを修正し、高倍
率用ティーチングデータとする。そして、高倍率の光学
系とした画像測定装置と前記高倍率用ティーチングデー
タとを用いて被測定物の測定を高倍率で高精度に行う。
【0033】測定を高速に行う為には、機械的な駆動を
必要とするステージの移動を最小限とするのが好まし
い。従って、例えば円71全体が画面4aa内に納まる
ことが高速測定には好ましい。しかしながら、測定精度
が優先される場合は、より高倍率が使用され円71全体
が画面4aa内に納まらない。図10は、円71全体が
画面4aa内に納まる場合の例である。この場合は、4
つのエッジ位置検出領域(キャリパ)CAが全て画面4
aa内にあるため、ステージの移動を行うことなく、電
気信号の処理だけで4つのエッジ位置検出領域(キャリ
パ)CA内のエッジ位置の測定を行うことができる。
【0034】図11は、逆に円71の一部しか画面4a
aに納まらない場合の例である。この場合は、倍率を優
先しているので、出来るだけエッジ位置検出領域(キャ
リパ)CAが画面4aaの中央部に位置する様にステー
ジ位置が設定されることが好ましい。CCDカメラの場
合、CCDの周辺部よりも中央部のほうが画像の検出の
精度が高いからである。また、光学系に設けた照明の状
態も中央部のほうがより好ましい。
【0035】[別の被測定物とのずれの補正(S9〜S
11)]本発明では、画像データを記憶したことで、テ
ィーチングデータを利用してその後繰り返し同一形状の
被検査物を測定する時、それぞれの被検査物の伸縮によ
るずれ量を検出して、最初に作成したティーチングデー
タをずれ量分だけ修正することができる。その結果、伸
縮性のある被測定物に対して高倍率で測定をする場合で
も測定不可能になることなく、修正したティーチングデ
ータに従って測定をすることができる。
【0036】図4に戻って、ステップS6の測定条件と
して伸縮補正が必要との指令が与えられていたとする
と、ステップS9にてそれが判断され、ステップS10
〜S12にて上記のティーチングデータの補正が行われ
る。具体的に説明すると、例えば、被検査物がビニール
性のフィルム等の場合は、測定時の温度によってフィル
ムが伸縮することがある。その場合、最初に作成したテ
ィーチングデータを使用してステージ移動、エッジ位置
検出領域の設定を行うと、伸縮によるエッジ位置のずれ
の為測定不能になる。
【0037】図12は、伸縮した被検査物7bを示す図
である。ティーチングデータを作成した時の被検査物7
に対して温度上昇により延びた被検査物7bは、測定す
べきエッジの位置を変動させる。従って、例えば延びた
被検査物7bでは被検査物7に対するティーチングデー
タでのエッジ位置検出領域(キャリパ)CAの位置には
円のエッジEGが位置しないことになる。更に、拡大画
面4aaになるようステージを移動しても測定すべきエ
ッジEGが画面4aa内に入らないようになる。
【0038】そこで、図4のステップS10〜S12に
示した通り、次に測定する被検査物7bの像をティーチ
ングデータを作成した時と同じ低倍率でその画像データ
を取り込み(S10)、ティーチングデータ作成時に記
憶した画像データと、前記画像データとを比較し(S1
1)、そのずれ量を検出し、ずれ量分だけティーチング
データを修正する(S12)。その結果、伸縮した被検
査物に適合したティーチングデータが作成され、その後
の測定工程で測定不能になることを回避することができ
る。また、ティーチングデータ作成時とほぼ同じ測定条
件(視野内における位置等)での画像データ取り込みが
できるため、測定のばらつきも小さくすることができ
る。
【0039】[大型の被検査物]被検査物が大型の場合
には、適切な倍率の画面に被検査物を分割した画像デー
タを複数取得して記憶する。その場合、分割した画像デ
ータの相対的位置関係のデータもその属性データとして
記憶する。そして、それぞれの画像データが表示された
画像を用いて前述した要領でティーチングデータを作成
する。
【0040】図13は、被検査物7が6つの画面41〜
46に分割されて、6つの画像データが取得され記憶さ
れた場合を示す図である。この様にして複数の画像デー
タを記憶し、順次表示させたそれぞれの画面でティーチ
ングデータを作成する。その場合、前述の通り、それぞ
れの画像データが捉えた画像の相対的位置関係を属性デ
ータとして記憶しているので、それぞれの画面上でティ
ーチングデータを作成しても、全体で1つのティーチン
グデータを作成することができる。しかも、画像データ
は適切な倍率で捉えた画像から取得しているので、所定
の解像度をもった画像データであり、ティーチングデー
タの作成の演算を適正に行うことができる。
【0041】別の例としては、例えば、図14に示した
様に画面41、45の画像を一つの画面4aに並べて縮
小表示して、例えば図13に示したLの長さを測定する
ティーチングデータの作成を行うこともできる。画像4
1と45の相対的な位置関係は属性データとして記憶し
ているのでかかるティーチングデータの作成が可能にな
る。尚、画面4a内には、一例として座標位置画面5
0、ティーチングデータ画面51、測定結果画面52も
参考として示されている。
【0042】更に、6つの画像データを利用して、図1
3の6つの画面を一つの画面内に6の画面の相対的な位
置を保って縮小表示し、その画面を使ってティーチング
データを作成することでも良い。この場合、ティーチン
グデータ作成に必要のない画像データの画面の表示を省
略しても良い。何れにしても、被検査物を複数の画面に
分割して複数の画像データを記憶しておくことで、その
後のティーチングデータの作成に適した画面を選択して
行うことができる。
【0043】[具体的操作]最後に、円を測定する場合
を例にして画像測定装置の具体的な操作について説明す
る。図3の被検査物7を例にして説明する。先ず、被検
査物7をステージ5上に置いて、光学系の倍率を適宜選
択し、画面を見ながらティーチングデータを作成するに
最適の倍率の画面を設定する。この画面は、従来の様に
測定精度に対応する高倍率である必要はない。画面が設
定されたら画像測定装置の図示しない読み込みキーと測
定すべき図形形状を指示する測定項目キー(この場合は
円測定キー)を押して、表示画像の画像データを取り込
み記憶すると共に、測定項目、その時の倍率、ステージ
位置を記憶する。この時点での表示画像は、図3の様に
5つの円が全て表示される場合もあれば、図10、図1
1の様に要部のみが表示される場合もある。操作の簡便
さ等により操作者が任意に決定することができる。
【0044】次に、円71の内部の任意の位置をマウス
でクリックする。そうすると、前述のアルゴリズムによ
り円の少なくとも3ヵ所のエッジが検出され、円が画定
される。画定された円(中心と半径)について少なくと
も3つのエッジの位置にエッジ位置検出領域(キャリ
パ)がその法線方向に設定され、エッジ位置検出領域
(キャリパ)の位置と方向のデータを含むティーチング
データが決定される。尚、この場合は、画面内の位置を
倍率で換算してステージ位置に加算した値がその位置と
なる。上記のティーチングデータの決定の工程を他の必
要な図形についても繰り返して行う。
【0045】そして、それらのエッジ位置検出領域(キ
ャリパ)を被検査物を表示した画面上に表示して(図9
の如く)、測定手順の確認を行い、適切であればその手
順をティーチングデータとして記憶する。不適切な部分
があればそのデータの修正を行う。その後、次の被検査
物をステージ5上に置いて、ティーチングデータに従っ
て自動測定を行う。その時、より高倍率での測定を行う
場合は、倍率の差に基づくステージの位置及びエッジ位
置検出領域の位置と方向のデータについて変換演算を行
い、ティーチングデータの修正を行う。更に、被測定物
が伸縮している場合は、画像データを比較してティーチ
ングデータの修正を行う。そして、その様にして修正し
たティーチングデータにより被検査物の自動測定を行
う。
【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、エ
ッジ位置検出領域の位置と方向のデータを有するティー
チングデータを作成するのに、一旦画像データを記憶
し、その画像データを利用して行うので、上記した通り
比較的簡単に短時間でティーチングデータを作成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像測定装置の外部の概略図である。
【図2】画像測定装置の内部の概略ブロック図である。
【図3】被検査物の例が表示画面に表示されている状態
を示す図である。
【図4】測定の全体のフローチャート図である。
【図5】直線のエッジ位置検出領域を設定する方法を説
明する図である。
【図6】曲線のエッジ位置検出領域を設定する方法を説
明する図である。
【図7】円のエッジ位置検出領域を設定する方法を説明
する図である。
【図8】四角形のエッジ位置検出領域を設定する方法を
説明する図である。
【図9】エッジ位置検出領域(キャリパ)CAが設定さ
れた状態を示す図である。
【図10】円71全体が画面4aa内に納まる場合の例
である。
【図11】円71の一部しか画面4aaに納まらない場
合の例である。
【図12】伸縮した被検査物7bを示す図である。
【図13】被検査物7が6つの画面41〜46に分割さ
れて、6つの画像データが取得され記憶された場合を示
す図である。
【図14】被検査物7の2つの画面41、45が並べて
表示されている画面を示す図である。
【符号の説明】
2 画像処理部 4 表示装置 4a 表示画面 5 ステージ 6 撮像装置 7 被検査物 CA エッジ位置検出領域(キャリパ) MA マウス等のポインチングデバイスによる位置指

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査物の像を光学系を介して結像させ、
    その結像の光強度分布に応じた電気信号を出力する撮像
    装置と、 該撮像装置から出力される電気信号に従って該被検査物
    の画像を表示する表示装置と、 該画像の測定すべきエッジを含むエッジ位置検出領域内
    の当該エッジ位置を前記電気信号に基づく画像処理によ
    り検出する画像処理部とを有する画像測定装置におい
    て、 該画像処理部は更に、前記光学系を第一の倍率にして該
    撮像装置から出力される電気信号に従って得られる第一
    の画像データを記憶し、該第一の画像データを参照して
    前記エッジ位置検出領域の位置と方向を設定し、前記第
    一の画像データと前記エッジ位置検出領域の位置と方向
    のデータとを含むティーチングデータを作成することを
    特徴とする画像測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の画像測定装置において、 前記画像処理部は、 当該ティーチングデータを用いて被検査物の測定を行う
    にあたり、前記光学系を前記第一の倍率より高い第二の
    倍率に設定し、該ティーチングデータのエッジ位置検出
    領域の位置データを当該第二の光学倍率にして表示画面
    内の該エッジ位置検出領域の位置データとに変換し、そ
    の変換された位置データに従って該被検査物の測定を行
    うことを特徴とする画像測定装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の画像測定装置において、 前記被検査物は移動可能なステージ上に載置され、 前記画像処理部は、 当該ティーチングデータを用いて被検査物の測定を行う
    にあたり、前記光学系を前記第一の倍率より高い第二の
    倍率に設定し、該ティーチングデータのエッジ位置検出
    領域の位置データを当該第二の光学倍率にして該エッジ
    位置検出領域が表示画面内に入るステージ座標と表示画
    面内の該エッジ位置検出領域の位置データとに変換し、
    その変換された位置データに従って該被検査物の測定を
    行うことを特徴とする画像測定装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の画像測定装置において、 被検査物の測定対象図形の全体が前記第二の倍率におい
    て該表示画面内に含まれる場合は、当該測定対象図形の
    中心が該表示画面の略中央部に位置する様に該ステージ
    座標を設定し、当該変換された位置データに従って該測
    定対象図形の測定を行うことを特徴とする画像測定装
    置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の画像測定装置において、 被検査物の測定対象図形の全体が前記第二の倍率におい
    て該表示画面内に含まれない場合は、当該エッジ位置検
    出領域が該表示画面の略中央部に位置する様に該ステー
    ジ座標を設定し、当該変換された位置データに従って該
    測定対象図形の測定を行うことを特徴とする画像測定装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1、2または3記載の画像測定装置
    において、 前記ティーチングデータを用いて被検査物の測定を行う
    にあたり、前記光学系を前記第一の倍率にして該撮像装
    置から出力される電気信号に従って得られる第二の画像
    データと前記第一の画像データとを比較し、両画像のず
    れ量に従って前記ティーチングデータの前記エッジ位置
    検出領域の位置と方向のデータ及び、又はステージ座標
    のデータを修正し、当該修正されたティーチングデータ
    を用いて該被検査物の測定を行うことを特徴とする画像
    測定装置。
  7. 【請求項7】請求項1記載の画像測定装置において、 前記の前記エッジ位置検出領域の位置と方向を設定する
    に際して、測定すべきエッジ近傍の位置を指定する入力
    信号に応じて、当該近傍位置から最短のエッジの位置を
    前記第一の画像データに基づく画像処理により求めるこ
    とを特徴とする画像測定装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の画像測定装置において、 該被検査物の測定対象図形が円の場合、該円内部の任意
    の位置を指定する入力信号に応じて該円の中心と半径を
    画定し、当該画定された円に対してそのエッジ位置の検
    出領域の位置と法線方向を設定することを特徴とする画
    像測定装置。
  9. 【請求項9】請求項7記載の画像測定装置において、 該被検査物の測定対象図形が四角形の場合、該四角形内
    部の任意の位置を指定する入力信号に応じて該四角形の
    四辺を画定し、当該画定された四角形に対してそのエッ
    ジ位置の検出領域の位置と法線方向を設定することを特
    徴とする画像測定装置。
  10. 【請求項10】請求項1記載の画像測定装置において、 該被検査物の被測定カ所を含む部分画像データを複数記
    憶し、該複数の部分画像データに従って表示される画像
    を用いて、前記のティーチングデータを作成することを
    特徴とする画像測定装置。
  11. 【請求項11】請求項1記載の画像測定装置において、 該被検査物の被測定カ所を含む部分画像データを複数記
    憶し、該複数の部分画像データに従って該複数の部分画
    像を相対的位置関係を保って表示される画像を用いて、
    前記のティーチングデータを作成することを特徴とする
    画像測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003016463A (ja) * 2001-07-05 2003-01-17 Toshiba Corp 図形の輪郭の抽出方法、パターン検査方法、パターン検査装置、プログラムおよびこれを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2013036964A (ja) * 2011-08-11 2013-02-21 Mitsutoyo Corp 画像測定装置及び画像測定方法
JP2014055864A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Keyence Corp 画像測定装置、その制御方法及び画像測定装置用のプログラム

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