JPH1096804A

JPH1096804A - 光拡散シート

Info

Publication number: JPH1096804A
Application number: JP8249420A
Authority: JP
Inventors: Yumi Kaki; 由美垣
Original assignee: Keiwa Shoko KK
Current assignee: Keiwa Shoko KK
Priority date: 1996-09-20
Filing date: 1996-09-20
Publication date: 1998-04-14
Anticipated expiration: 2016-09-20
Also published as: JP3431415B2

Abstract

(57)【要約】【課題】光拡散シートにおいて、その光拡散面たるプ
リズム突条面を保護するとともに光拡散効果を一層向上
せしめること。【解決手段】プリズム基材２の片側表面にプリズム突
条４を複数条併設することによって光拡散面７を形成
し、該光拡散面７側にビーズ５が分散されたバインダー
樹脂６からなる透明な表面調節層３を塗設することによ
り、光拡散面７を保護するとともに、光拡散特性を調節
しうるようにし、さらに、光拡散効果を一層向上せしめ
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置や電
飾看板等の光学表示機器において、導光板と共に用いら
れ、光学表示機器の内部の光源からの光を均一に拡散し
たうえで表示部に向けて送りだすための光拡散シートに
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、光拡散シートは液晶表示装置等の
光学表示機器の内部構造部品として導光板とともに用い
られている。

【０００３】図３に示されるのは、エッジライト式の光
学表示機器の内部構造であって、光源２１と同一平面内
に、その下面にドットパターン２２を有する導光板２０
が配設されている。また、導光板２０の下方には光反射
シート２３が敷設されており、導光板２０の上面には光
拡散シート２４が敷設されている。

【０００４】ここで、光源２１から発せられた光は導光
板２０内にその側面から入射して導光板２０の内面で反
射を複数回繰り返した後、導光板２０下面のドットパタ
ーン２２によって導光板２０の上面方向に反射されて該
上面から上方へ抜け出る。また、前記ドットパターン２
２のドットの間隙を下方へ通り抜けてきた光は、導光板
２０の下面に敷設された光反射シート２３によって導光
板２０上面方向へ反射されて該上面から上方へ抜け出
る。

【０００５】従って、ドットパターン２２又は光反射シ
ート２３によって上方に反射された光は、導光板２０の
上面を透過した後、導光板２０の上面に配設された光拡
散シート２４へ入射する。そしてこの光は光拡散シート
２４によって均一に拡散された後、光拡散シート２４の
上面にある光学表示素子（図示せず）の全面に供給され
る、というものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の光拡
散シート２４における光拡散手段としては、主に光拡散
シート２４の片側表面に形成された凹凸面状の光拡散面
である。図４に示すように、この光拡散面２５は光学的
に有用な効果をもたらすように断面形状が鋸刃状にされ
ている。または図５に示す光拡散シート２６の光拡散面
２７は、その断面が波形状のものである。

【０００７】しかしながら、前記凹凸状の光拡散面を有
する光拡散シート２４は、その凹凸を構成する各突条の
厚さが１０〜５０μｍ程度と薄いものであるため、特に
断面鋸刃状の光拡散面２５（図４）を有する場合は突条
の頂点が脆いものとなる。したがって、他のシート等と
の接触によって表面に傷が付きやすくなり、この傷によ
り表示部の画面に光点が生じる等、光学的効果を阻害さ
れやすいという欠点がある。

【０００８】また、前記光拡散シート２４、２６は、液
晶表示機器（ＬＣＤ）等の光学表示機器では、前記光拡
散面２５、２７の断面鋸刃形状または断面波形状に起因
して光学表示画面上に干渉縞（縞模様）が発生する等の
問題点を有している。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点に
鑑みてなされたものであり、光拡散シートにおいて、プ
リズム突条が複数条併設されてなる光拡散面を、ビーズ
を分散せしめた透明なバインダー樹脂によって被覆し、
その表面を実質的に平坦な面に形成することにより、本
光拡散シートの重要構造部である光拡散面を構成するプ
リズム突条を保護して損傷等を防止するとともに、表面
調節層によって光の拡散効果を一層向上せしめたもので
ある。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の光拡散シートは、その一
方の面にプリズム突条が複数条併設されてなる光拡散面
を有するプリズム基材と、該プリズム基材の前記光拡散
面上に形成された表面調節層とを備えており、該表面調
節層が、ビーズと該ビーズが分散された透明な合成樹脂
製バインダーとからなり、前記表面調節層の表面が実質
的に平坦な面に形成されている。

【００１１】この構成によって、プリズム基材のプリズ
ム突条をバインダー樹脂が被覆することになるため、プ
リズム突条の頂点を保護し、また表面調節層の表面が実
質的に平坦であることも相まって、プリズム突条の頂点
の磨耗や損傷を防ぐことができる。

【００１２】かかる光拡散シートにおいて、前記プリズ
ム基材の屈折率と前記表面調節層におけるバインダー樹
脂の屈折率とが異なり、且つ、該バインダー樹脂の屈折
率とビーズの屈折率とが異なるものにあっては、プリズ
ム基材とバインダー樹脂との境界面およびバインダー樹
脂とビーズとの境界面それぞれにおいて光の屈折が起こ
るため、光は十分に拡散させられる。また、従来光学表
示画面上に生じていたプリズム基材上面のプリズム突条
に起因する干渉縞を解消することが可能である。

【００１３】なお、この場合、プリズム基材とビーズと
は屈折率が互いに同一であってもよい。

【００１４】また、前記構成において、プリズム基材の
プリズム突条の形状は、各プリズム突条の隣接斜面同士
のなす角度が８０〜１００度であれば、断面鋸刃状にも
断面波形状にも形成することができる。ここで前記角度
は、光源からの光をロス無くプリズム基材の上面方向へ
拡散させることが可能な角度である。

【００１５】とくに、プリズム突条の断面形状が鋸刃状
に形成されたものにあっては、この光拡散シートの下方
から斜め方向に入射してきた光について、プリズム基材
の上面方向への集光効率が高くなる。

【００１６】一方、プリズム突条の断面形状が波形状に
形成されたものにあっては、集光作用と拡散作用とを奏
するうえに、表面調節層の樹脂がプリズム突条のとくに
谷の部分に空気層が混在することなく完全に充填されや
すいので好ましい。

【００１７】なお、特許請求の範囲でいう鋸刃状とは、
プリズム突条の両側斜面がともに実質的に平坦面である
ことにより、複数プリズム突条の断面の頂点および谷が
ともに平坦面が交差する角部を有する形状をいう。

【００１８】一方、特許請求の範囲でいう波形状とは、
前記複数プリズム突条の断面の頂点および谷のうちの少
なくとも一方が円弧状を呈している形状をいう。

【００１９】また、前記各層に用いる素材としてはそれ
ぞれ光透過性、屈折率等を考慮して選定されている。す
なわち、プリズム基材にはポリカーボネートまたはアク
リル樹脂等を用いるのが好ましく、表面調節層のバイン
ダー樹脂にはアクリル樹脂またはスチレン樹脂等を用い
ることが好ましい。また、前記表面調節層においてバイ
ンダー樹脂と共に用いるビーズとしてはアクリル樹脂ま
たはスチレン樹脂等からなるものが好ましいが、これに
限定されるものではない。

【００２０】なお、これら樹脂の組み合わせは、上述し
たようにプリズム基材の屈折率とバインダー樹脂の屈折
率とが異なるように、および、バインダー樹脂の屈折率
とビーズの屈折率とが異なるようにすればよく、ビーズ
の屈折率とプリズム基材の屈折率とは同一であってもよ
い。

【００２１】

【実施例】以下、添付図面に示された実施例に基づいて
本発明の光拡散シートを説明する。

【００２２】図１は本発明の光拡散シートの第一実施例
を示す部分断面図である。この光拡散シート１は、プリ
ズム基材２の上面に表面調節層３を積層一体化したもの
である。

【００２３】前記プリズム基材２は、その上面にプリズ
ム突条４が複数条併設されている。このプリズム突条４
の上面に、ビーズ５が分散された透明なバインダー樹脂
６を塗工することによって表面調節層３が形成されてい
る。前記複数条のプリズム突条４と表面調節層３との凹
凸な境界面が光拡散面７を構成している。プリズム基材
２を覆うように塗設した前記表面調節層３の上表面は平
滑面に形成されている。

【００２４】前記表面調節層３のバインダー樹脂６は、
前記プリズム基材２とは屈折率が異なり、且つ、ビーズ
５とも屈折率が異なっている。なお、ビーズ５とプリズ
ム基材２との屈折率は同一であっても異なっていてもよ
い。

【００２５】前記プリズム基材２の上面に形成されてい
るプリズム突条４は断面鋸刃状であり、各プリズム突条
４の頂角８と谷角９とはほぼ同一角度に形成されてい
る。

【００２６】上述の構成を有する光拡散シート１は、プ
リズム突条４が形成されたプリズム基材２の上面を表面
調節層３が覆っており、且つ、この表面調節層３の上表
面が平坦面に形成されているため、光拡散作用を奏する
重要な部分であるプリズム突条４の面、つまり光拡散面
７、が他の物との接触等によって損傷することが防止さ
れる。

【００２７】実際にかかる光拡散シート１を使用する場
合は、導光板２０の上面に光拡散シート１を、そのプリ
ズム基材２側が対向するように載置、取着すればよい。
そうすることにより、プリズム基材２へその下面より入
射してきた光は、前記表面調節層３がビーズ５の分散し
たバインダー樹脂６の層から形成されているため、光拡
散面７よって拡散された後に表面調節層３の内部のビー
ズ５表面によってさらに拡散され、表面調節層３の上面
から出射していく。このように、プリズム基材２の上方
に出射した光は十分に拡散されたものであるため、プリ
ズム突条群に起因する干渉縞が光学表示画面上に生じる
ことが防止される。

【００２８】以下、前記光拡散シート１の構造について
詳細に説明する。

【００２９】先ず、プリズム基材２としては、光拡散性
と光透過性が要求され且つプリズム突条４を形成するた
めに加工性に優れた材質であるポリカーボネートやアク
リル樹脂等が好ましいが、とくにこれらに限定されるも
のではない。ここで、上述のポリカーボネートやアクリ
ル樹脂等からなるプリズム基材２の上面にプリズム突条
４を形成するには、周知の押出成型法及びプレス成型法
等によるのが経済性の点から好ましい。

【００３０】また、前記プリズム突条４を含んだプリズ
ム基材２の厚さは、加工の容易性、ハンドリング性等を
考慮すれば、１００〜３００μｍの範囲が好ましい。ま
た、プリズム突条４のみの高さは７〜５０μｍ程度であ
ることが好ましい。さらに、前記プリズム突条４によっ
て形成される光拡散面７の頂角８および谷角９はとも
に、光の拡散効果を考慮した場合、８０〜１００度の範
囲、特に９０〜９５度の範囲に構成することが好まし
い。

【００３１】これは、図３に示したエッジライト方式の
光源２１を用いた場合に、前記角度８０〜１００度の範
囲外であれば光拡散面において光が散逸してしまうのに
対し、前記角度８０〜１００度の範囲内では、導光板２
０上面から透過してきた光がほとんどロス無しにプリズ
ム基材２の上面方向へ拡散することが可能だからであ
る。

【００３２】次に、前記表面調節層３としては、プリズ
ム基材２との境界面（光拡散面７）によって拡散された
光が透過しうるように、透明性を有するバインダー樹脂
６およびビーズ５を用いることが必要である。さらに、
前記バインダー樹脂６は、その屈折率がビーズ５の屈折
率と異なり且つプリズム基材２の屈折率とも異なるもの
を選択する必要がある。さらに、透明性を有するバイン
ダー樹脂６としては、前記プリズム基材２と同様に、光
透過性、加工性に優れた合成樹脂を用いることが好まし
く、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂等が好まし
い。

【００３３】また、前記バインダー樹脂６と共に用いる
ビーズ５としては、光透過性、屈折率等を考慮して、ア
クリル樹脂製、スチレン樹脂製等が好ましく、光拡散性
を考慮して、５〜５０μｍ程度の粒径のものとすること
が好ましい。

【００３４】なお、前述のとおり、ビーズ５の屈折率と
プリズム基材２の屈折率とは同一であってもよいので、
両者２、５を同一材料から形成することも可能である。

【００３５】ここで、選択されうる材料の屈折率をいう
と、ポリカーボネートの屈折率は約１．５９であり、ア
クリル樹脂の屈折率は約１．４９であり、スチレン樹脂
の屈折率は約１．５５であり、ポリエチレンテレフタレ
ートの屈折率は約１．６９である。これらの材料を適宜
選択してプリズム基材２、ビーズ５およびバインダー樹
脂６に採用すれば前述の屈折率の相違を実現することが
できる。そして、とくに表面調節層３のビーズ５とバイ
ンダー樹脂６との材質選択によって表面調節層３による
光学表示画面に向けての光の拡散方向を微妙に調節する
ことが可能となる。

【００３６】また、上述のバインダー樹脂６およびビー
ズ５の混合割合は、光拡散性、光透過性等を考慮すれ
ば、１００重量部のバインダー樹脂６に対してビーズ５
を１０〜３００重量部とするのが好ましい。また、この
ビーズ５をバインダー樹脂６に分散するには周知のディ
ゾルバー方式が適当である。これにより得られた透明性
を有するビーズ分散樹脂は、周知のロールコート方式を
用いてプリズム基材２のプリズム突条４上面に塗設すれ
ばよい。

【００３７】図２に示す光拡散シート１１は本発明の第
二実施例であって、第一実施例（図１における光拡散シ
ート１）とほぼ同様の構成を有する。本光拡散シート１
１が第一実施例と異なる点は、プリズム基材１２の上面
に形成されたプリズム突条１４の形状である。したがっ
て、このプリズム突条１４から構成される光拡散面１７
の形状も、前記第一実施例とは異なっている。

【００３８】上述の本願のプリズム基材１２におけるプ
リズム突条１４の形状はその断面形状が波型を呈してい
る。すなわち、プリズム突条１４の頂点断面が円弧を描
いており、谷の断面も同様の円弧を描いている。そし
て、プリズム突条１４の隣接斜面のなす実質的な頂角１
８および実質的な谷角１９はともに、第一実施例の光拡
散シート１の頂角８および谷角９と同じく８０〜１００
度、特に９０〜９５度に形成することが好ましい。

【００３９】本光拡散シート１１は、光拡散面１７の断
面が波状、すなわちプリズム基材１２のプリズム突条２
２の頂点および谷が曲面状であるため、表面調節層１３
を形成する際にプリズム突条１２の谷部分まで空気層が
混在することなく完全に表面調節層１３のバインダー樹
脂６が充填されやすい、という製造上の利点を有するも
のである。

【００４０】

【発明の効果】本発明に係る光拡散シートは、光学表示
機器等に用いた場合、その下面から入射してきた光が光
拡散面によって拡散された後、表面調節層へ入射してバ
インダー樹脂とビーズとの境界面においてさらに拡散さ
れて光学表示画面へと供給される。したがって、光は十
分に拡散され、光学表示画面に干渉縞が映ることが防止
される。また、表面調節層のバインダー樹脂へのビーズ
の配合割合やビーズとバインダー樹脂との材料の組み合
わせ選択によって光拡散特性を調節することができる。
さらに、プリズム基材の光拡散作用を奏する重要な部分
である光拡散面７、つまりプリズム突条の面を表面調節
層で覆うことによって光拡散性を低下させることなく保
護している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光拡散シートの第一実施例を示す部分
断面図である。

【図２】本発明の光拡散シートの第二実施例を示す部分
断面図である。

【図３】光拡散シートが適用されうる光学表示機器の内
部構成の一例を示す部分断面図である。

【図４】従来の光拡散シートの部分断面図である。

【図５】従来の光拡散シートの部分断面図である。

【符号の説明】

１、１１・・・光拡散シート２、１２・・・プリズム基材３、１３・・・表面調節層４、１４・・・プリズム突条光反射シート５・・・ビーズ６・・・バインダー樹脂７、１７・・・光拡散面８、１８・・・頂角９、１９・・・谷角

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】その一方の面にプリズム突条が複数条併
設されてなる光拡散面を有するプリズム基材と、該プリ
ズム基材の前記光拡散面上に形成された表面調節層とを
備えており、該表面調節層が、ビーズと該ビーズが分散
された透明な合成樹脂製バインダーとからなり、前記表
面調節層の表面が実質的に平坦な面に形成されてなる光
拡散シート。
【請求項２】前記プリズム基材の屈折率と前記表面調
節層におけるバインダー樹脂の屈折率とが異なり、且
つ、該バインダー樹脂の屈折率とビーズの屈折率とが異
なることを特徴とする請求項１記載の光拡散シート。
【請求項３】前記プリズム基材の光拡散面における複
数のプリズム突条に垂直な断面の形状が鋸刃状を呈して
なる請求項１または２記載の光拡散シート。
【請求項４】前記プリズム基材の光拡散面における複
数のプリズム突条に垂直な断面の形状が波形状を呈して
なる請求項１または２記載の光拡散シート。
【請求項５】前記プリズム基材の前記鋸刃状断面のプ
リズム突条の頂角が８０〜１００度の範囲である請求項
３記載の光拡散シート。
【請求項６】前記プリズム基材の前記波形状断面のプ
リズム突条の隣接斜面同士のなす角度が８０〜１００度
である請求項４記載の光拡散シート。