JPH1095989A - 高性能低硫黄分軽油組成物 - Google Patents

高性能低硫黄分軽油組成物

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JPH1095989A
JPH1095989A JP8887197A JP8887197A JPH1095989A JP H1095989 A JPH1095989 A JP H1095989A JP 8887197 A JP8887197 A JP 8887197A JP 8887197 A JP8887197 A JP 8887197A JP H1095989 A JPH1095989 A JP H1095989A
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oil
desulfurized
sulfur
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fraction
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JP8887197A
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English (en)
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Yasuyuki Komatsu
泰幸 小松
Naoyuki Takenaga
尚之 竹永
Ichiro Kobayashi
一郎 小林
Hajime Kubota
肇 久保田
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 硫黄分などのJIS規格を満たす範囲内での
特定間接脱硫油留分や直接脱硫油留分の配合により、デ
ィーゼルエンジンの燃料噴射装置(FIE)のポンプの
駆動部において金属部の摩耗、破損の発生しにくい新規
な高性能低硫黄分軽油の組成物の提供。 【解決手段】 1)深度脱硫軽油に、2)全極性化合物
(硫黄分+窒素分+芳香族分+酸素分 以下TPCと略
す)成分として(a)原油の常圧蒸留装置残さ油の減圧
蒸留留分を脱硫した間接脱硫油留分〔沸点180〜40
0℃、密度(15℃)0.85〜0.89g/cm3
TPC20〜50質量%〕および/または(b)原油の
常圧蒸留装置残さ油を脱硫した直接脱硫油留分〔沸点2
00〜400℃、密度(15℃)0.85〜0.89g
/cm3、TPC20〜50質量%〕を10〜25質量
%配合するTPC20〜40質量%の低硫黄分軽油組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】近年、問題となってきている深度
脱硫された、ディーゼル軽油を用いた際に、発生するF
IEの駆動部において金属部の摩耗、破損等のトラブル
をできるだけ低レベルに抑制した高性能硫黄分軽油組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全の観点から、有害な排気
ガスによる大気汚染が国際的に問題となっている。わが
国においてもそのなかのひとつであるディーゼルエンジ
ンの排気ガスによる汚染がクローズアップされ、198
9年に窒素酸化物の削減、パティキュレート規制、軽油
中の硫黄分の低減等が中央公害対策審議会から答申さ
れ、エンジンおよび燃料の両方から、大気汚染物質削減
に向けて改善が進められている。硫黄分規格の低減化は
段階的に行われ、1992年10月に0.5質量%以下
から0.2質量%以下に低減され、(EGRの装着前
硫黄による影響)さらに1997年には0.05質量%
に低減される予定である(パティキュレートラップ、酸
化触媒の実用化前)。このため、石油会社各社は軽油の
低硫黄化に向け、水添脱硫設備の新設、改造に着手して
いる。
【0003】一方、アメリカにおいては大気浄化法の改
正(1990年)を受けて、日本より早い1993年1
0月にディーゼル軽油中の硫黄分が0.2%から0.0
5質量%以下に規制されている。また、酸性雨問題が深
刻な北欧スウェーデンでは、アメリカより更に一歩進ん
でClass 1が0.001質量%以下、Class
2が0.005質量%以下といった超低硫黄分軽油が
1991年より使用されている。以上述べたように軽油
の低硫黄化は、環境保全から世界的な動きである。
【0004】ところが、スウェーデンにおいて、超低硫
黄分軽油が使われ始めた1991年1月以降ディーゼル
車の燃料噴射装置(Feed Injection E
quipment)(FIE)が早期に故障し、走行で
きなくなるというトラブルが発生した。このトラブルは
Class 1(硫黄分0.001質量%以下)、Cl
ess 2(硫黄分0.005質量%以下)といった灯
油並みの低硫黄分軽油を用いた小型乗用車の燃料ポンプ
で発生し、その数は数千台にのぼっている。スウェーデ
ンの事例では、通常ディーゼル車の燃料ポンプの最低保
証距離は10万kmであるといわれているのに対し、C
lass 2で約5000〜30000km、Clas
s 1にいたっては約3000〜10000kmで損傷
したと報告されている。
【0005】このトラブルは以下の原因で起こると推察
されている。大型トラック、バスといったディーゼルエ
ンジンのFIEでは駆動部の潤滑は潤滑油(Lub O
il)を用いることで良好に保たれている。一方、ディ
ーゼル乗用車のFIEの潤滑は、潤滑油(Lub Oi
l)ではなく、燃料自身、すなわち、ディーゼルエンジ
ンの場合、ディーゼル軽油で駆動部の摩耗を防ぐという
構造になっている。
【0006】このFIE内の金属同士の潤滑は、摩耗が
起こる金属間同士のクリアランス(Clearanc
e)が比較的小さいため、軽油の物性値で動粘度が支配
的となる流体潤滑ばかりでなく、潤滑油(この場合は燃
料である軽油)の極性化合物が支配的となる境界潤滑も
起こっている。境界潤滑が起こっている場合極性を有し
ている金属表面に、極性化合物が吸着し薄い膜を形成す
ることにより金属同士の摩耗を防いでいると言われてい
る。
【0007】スウェーデンでのFIEトラブルの原因
は、超低硫黄分軽油にすることにより、軽油中の極性化
合物すなわち、硫黄分、窒素分及び芳香族分含有量が極
度に減少したことにより(一般に超低硫黄分軽油を製造
するためには、水添脱硫装置での脱硫率を上昇させるた
め、かなり過酷な運転をしなければならず、この際副反
応の脱窒素化、芳香族の核水添反応が大幅に進行するた
め、軽油中の窒素分、芳香族分が大幅に減少することが
知られている。)、軽油の上記の境界潤滑性が大幅に減
少したためであると思われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硫黄
分の規格を満足するための深度脱硫をすることにより、
FIEのポンプの駆動部において金属部の摩耗、破損な
どのトラブルが発生しやすくなったことを解決するた
め、硫黄分などのJIS規格を満足させる範囲内で、特
定の間接脱硫油留分や直接脱硫油留分を配合することに
より、FIEのポンプの駆動部において金属部の摩耗、
破損などのトラブルを発生しにくくした新規な高性能低
硫黄分軽油の組成物を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決させるための手段】本発明の第一は、
(1)深度脱硫された軽油に、(2)全極性化合物(硫
黄分+窒素分+芳香族分+酸素分 以下TPCと略すこ
とがある)成分として(a)原油の常圧蒸留装置残さ油
を減圧蒸留した留分を脱硫した間接脱硫油留分〔沸点が
180〜400℃、密度(15℃)が0.85〜0.8
9g/cm3、TPCが20〜50質量%のもの〕およ
び/または(b)原油の常圧蒸留装置残さ油を脱硫した
直接脱硫油留分〔沸点が200〜400℃、密度(15
℃)が0.85〜0.89g/cm3、TPCが20〜
50質量%のもの〕を10〜25質量%配合することを
特徴とする全極性化合物分(硫黄分+窒素分+芳香族分
+酸素分)が20〜40質量%である、ディーゼルエン
ジンの燃料噴射装置(FeedInjection E
quipment)の金属部の摩耗、破損が発生しにく
い高性能低硫黄分軽油組成物に関する。なお、当然なが
ら、前記「および/または」の表現は、全極性化合物と
して、(a)のみまたは(b)のみを使用する場合のほ
か、(a)と(b)を併用する場合を含めるためのもの
である。
【0010】本発明の第二は、前記高性能低硫黄分軽油
組成物に、さらに極性の高い添加剤を配合した高性能低
硫黄分軽油組成物に関する。
【0011】ここで深度脱硫軽油に全極性化合物として
特定の間接脱硫油留分および/または直接脱硫油留分を
添加することによって、FIEのポンプの駆動部におけ
る金属部の摩耗、破損などのトラブルが発生しにくくな
る機構を以下に説明する。
【0012】前述のように、ディーゼルエンジンのFI
Eのポンプの駆動部の潤滑は、燃料である軽油の極性化
合物(硫黄、窒素、芳香族、酸素化合物)の含有量が支
配的である。軽油を過度に脱硫することは、軽油中の極
性化合物含有量が減少しており、このことがFIEのポ
ンプの摩耗、破損等の原因となっている。
【0013】この課題を解決する方法の一つとして、深
度脱硫軽油中に添加剤メーカー等が推奨している潤滑性
向上剤を添加する方法が考えられる。この方法によりこ
の問題を解決できるものと予測されるが、軽油中に添加
剤をフルシーズン添加するとなると莫大な添加剤コスト
がかかるため有効な手段とは考えられない。また、ディ
ーゼル軽油消費量の多くは、FIEトラブルとは無縁の
トラック類であるため、無駄な投資となる可能性がかな
り高い。
【0014】もし、TPCが高く、かつ原油の精製工程
にいて留出する基材を軽油中に配合することによって、
FIEの摩耗、破損等のトラブルを防止できたらコスト
的メリットは大変大きい。そこで我々は原油の精製工程
において留出し、かつTPCが高い基材として特定の間
接脱硫油留分および/または直接脱硫油留分を採りあげ
た。この特定の間接脱硫油留分および/または直接脱硫
油留分を深度脱硫軽油中に配合することにより、FIE
でのトラブルを減少させることが可能であるという結果
を得た。
【0015】前記深度脱硫された軽油(第1成分)は、
軽油留分を水添脱硫装置で、硫黄分が0.05質量%以
下に脱硫することにより得られる軽油留分で、水添脱硫
の条件は水素分圧30〜55kg/cm2、好ましくは
38〜42kg/cm2、触媒は一般に用いられている
Ni−Mo系、Co−Mo系等であるが、より選択的な
脱硫活性を示すCo−Mo系触媒を用いることが好まし
い。液空間速度1.5hr-1〜2.5hr-1、ガス比2
00〜300Nl・H2 /l・oil、反応温度は水添
脱硫後の深度脱硫軽油の硫黄分が0.05質量%以下の
深度脱硫軽油が得られるときの反応温度である。
【0016】水添脱硫に供される原料の軽油留分は、常
圧蒸留装置から留出される直留軽油のみでも、直留軽油
に接触分解装置から留出される接触分解軽油を全原料油
に対して1〜30容量%混合させても構わない。ここで
いう直留軽油とは沸点が180〜380℃の範囲で、1
5℃における密度が0.84〜0.87g/cm3であ
る。また接触分解軽油とは、接触分解装置から留出され
る軽油留分で沸点が180〜380℃の範囲内でありか
つ15℃における密度が0.85〜0.95g/cm2
の留分である。
【0017】本発明の第2成分(全極性化合物)にあた
る前記(a)の特定の間接脱硫油留分とは、沸点が18
0〜400℃、密度(15℃)が0.85〜0.89g
/cm3、TPCが20〜50質量%の間接脱硫油留分
である。
【0018】本発明の第2成分(全極性化合物)にあた
る前記(b)の特定の直接脱硫油留分とは、沸点が20
0〜400℃、密度(15℃)が0.85〜0.89g
/cm3、TPCが20〜50質量%の直接脱硫油留分
である。
【0019】また特定の間接脱硫油留分および/または
直接脱硫油留分の配合量は、以下の理由により10〜2
5質量%、好ましくは15〜20質量%にすることが好
ましい。 (1)特定の間接脱硫油留分または直接脱硫油留分の配
合量が10質量%以下だと、FIEでのトラブルを減少
させる度合が小さく、あまり効果が無い。 (2)特定の間接脱硫油留分または直接脱硫油留分の配
合量が25質量%以上だと、日本特有の問題である軽油
の色相および/または色相安定性が悪化し、消費者から
クレームを受ける可能性がある。 (3)前記使用量範囲や前記物性限定範囲をはずれる
と、低温流動性の指標であるP.P.(流動点)、CF
PP(目詰り点)、セタン指数がJIS規格外になる可
能性が高まる。
【0020】得られた深度脱硫軽油(第1成分)と、こ
れに間接脱硫油留分および/または直接脱硫油留分(第
2成分)を10〜25質量%配合した試料の耐摩耗性試
験法としてはHFRR(High Frequency
Receprocating Rig)やBOCLE
(Boll on Cylinder Evaluat
or)等が代表的試験法であるがこれら試験器のAva
ilavilityは低いことから、一般に潤滑油、グ
リース等の試験装置として用いられているASTM D
4172に準じて実施した。
【0021】また、主に寒冷地用に出荷されている、3
号、特3号軽油に添加されている低温流動性向上剤に関
する検討も行った結果、前記留分に加えて、ppmオー
ダーで低温流動性向上剤のような極性の高い添加剤を添
加するとFIEでのトラブルを減少させることが可能で
あるという結果を得た。
【0022】前記極性の高い添加剤としては、 ポリメチルアクリレート、エチレン−ビニルアセテー
トのコポリマー、フマレート−ビニルアセテートのコポ
リマー、アルキル化ポリスチレン、ポリオレフィン、ア
リファティックアミンオキサイド、酸化ワックスなどの
流動点降下剤、 アルキルナイトレート類、たとえばプライマリーアル
キルナイトレート(オクチルナイトレートなど)などの
セタン価向上剤、 ポリアミン類などの色相安定剤、 2,6−ジ−tert−ブチルフェノールなどフェノ
ール類、N−ブチル−p−アミノフェノールなどアミノ
フェノール類、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フ
ェニレンジアミンなどフェニレンジアミン類などの酸化
防止剤、 アルキルアミノアルキルフォスフェートなどの腐食防
止剤、などが挙げられる。
【0023】この試験では直径1/2インチのステレン
ス金属球4個を用いる。まず3個を上からみて正三角形
の頂点になるように固定し、試料(軽油組成物)を満た
し、その中央部に上から残りの1個を乗せて荷重をかけ
る。この上から乗せた球をポンプによって10分間回転
させた後回転を止め、下の3個についた摩耗痕を顕微鏡
で拡大し、直交する2つの軸〔摩耗線と平行する軸
(X)と直交する軸(Y)〕方向のそれぞれの直径を測
定し、3つの球それぞれのX、Yを足し合わせて平均し
た値を摩耗直径として摩耗量の目安とした。この摩耗直
径が小さいほど潤滑性が良好で、FIEトラブルが起こ
りにくい試料であると推定される。
【0024】
【実施例】次に実施例を詳細に説明するが、本発明はこ
れらの実施例によって何ら制限されるものではない。ま
た軽油留分及び潤滑油留分には、酸素分はほとんどない
ため、表1には記載しなかった。硫黄分、窒素分、動粘
度の測定はそれぞれJIS K 2541、JIS K
2609及びJIS K 2283に準じて行った。ま
た、芳香族分は高速液体クロマトグラフを用いて測定し
た。
【0025】実施例1 常圧蒸留装置から得られる直留軽油を原料油として水添
脱硫を行った。脱硫条件は、1)触媒:Ni−Mo系触
媒 2)LHSV:1.6hr-1 3)ガス比:250
Nl(ノルマルリットル)・H2 /l(リットル)・O
il 4)反応温度:プロダクトの硫黄分が0.04質
量%を得る温度 5)水素分圧:50kg/cm2であ
る。このような条件下で得られた低硫黄分軽油に、沸点
が180℃〜400℃、密度(15℃)が0.85〜
0.89g/cm3、TPCが20〜50質量%の原油
の常圧蒸留装置残さ油を減圧蒸留した留分を脱硫した間
接脱硫油留分を15容量%配合して行った試験結果を表
1に示す。
【0026】比較例1 実施例1と同じ脱硫条件下で水添脱硫を行った。得られ
た低硫黄分軽油をASTM D 4172に準じて行っ
た試験結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 常圧蒸留装置から得られる直留軽油に接触分解装置から
留出する軽油留分(ライトサイクルオイル;LCO)1
2容量%を混合したものを原料油として水添脱硫を行っ
た。脱硫条件は、1)触媒:Ni−Mo系触媒 2)L
HSV:1.6hr-1 3)ガス比:250Nl・H2
/l・Oil 4)反応温度:プロダクトの硫黄分が
0.04質量%以下を得る温度 5)水素分圧:50k
g/cm2である。このような条件下で得られた低硫黄
分軽油に、沸点が200℃〜400℃、密度(15℃)
が0.85〜0.89g/cm3、TPCが20〜50
質量%の原油の常圧蒸留装置残さ油を脱硫した直接脱硫
油留分を10容量%配合して行った試験結果を表2に示
す。
【0029】実施例3 常圧蒸留装置から得られる直留軽油に接触分解装置から
留出する軽油留分(ライトサイクルオイル;LCO)1
2容量%を混合したものを原料油として水添脱硫を行っ
た。脱硫条件は、1)触媒:Ni−Mo系触媒 2)L
HSV:1.6hr-1 3)ガス比:250Nl・H2
/l・Oil 4)反応温度:プロダクトの硫黄分が
0.04質量%以下を得る温度 5)水素分圧:50k
g/cm2である。このような条件下で得られた低硫黄
分軽油に、沸点が200℃〜400℃、密度(15℃)
が0.85〜0.89g/cm3、TPCが20〜50
質量%の原油の常圧蒸留装置残さ油を脱硫した直接脱硫
油留分を20容量%配合して行った試験結果を表2に示
す。
【0030】比較例2 常圧蒸留装置から得られる直留軽油を原料油として水添
脱硫を行った。脱硫条件は、1)触媒:Ni−Mo系触
媒 2)LHSV:1.6hr-1 3)ガス比:250
Nl・H2 /l・Oil 4)反応温度:プロダクトの
硫黄分が0.04質量%以下を得る温度 5)水素分
圧:50kg/cm2である。このような条件下で得ら
れた低硫黄分軽油の試験結果を表2に示す。
【0031】比較例3 常圧蒸留装置から得られる直留軽油に接触分解装置から
留出する軽油留分(ライトサイクルオイル;LCO)1
2容量%を混合したものを原料油として水添脱硫を行っ
た。脱硫条件は、1)触媒:Ni−Mo系触媒 2)L
HSV:1.6hr-1 3)ガス比:250Nl・H2
/l・Oil 4)反応温度:プロダクトの硫黄分が
0.04質量%以下を得る温度 5)水素分圧:50k
g/cm2である。このような条件下で得られた低硫黄
分軽油の試験結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】実施例4 常圧蒸留装置から得られる直留軽油に接触分解装置から
留出する軽油留分(ライトサイクルオイル;LCO)1
2容量%を混合したものを原料油として水添脱硫を行っ
た。脱硫条件は、1)触媒:Ni−Mo系触媒 2)L
HSV:1.6hr-1 3)ガス比:250Nl・H2
/l・Oil 4)反応温度:プロダクトの硫黄分が
0.04質量%以下を得る温度 5)水素分圧:50k
g/cm2である。このような条件下で得られた低硫黄
分軽油に、沸点が180℃〜400℃、密度(15℃)
が0.85〜0.89g/cm3、TPCが20〜50
質量%の原油の常圧蒸留装置残さ油を減圧蒸留した留分
を脱硫した間接脱硫油留分を10容量%、さらに沸点が
200℃〜400℃、密度(15℃)が0.85〜0.
89g/cm3、TPCが20〜50質量%の原油の常
圧蒸留装置残さ油を脱硫した直接脱硫油留分を10容量
%配合して行った実施結果を表2に示す。
【0034】
【表3】
【0035】(考察)従来の手法で得られた深度脱硫軽
油(比較例1)と、深度脱硫軽油に特定の間接脱硫油留
分を15質量%配合したもの(実施例1)の摩耗直径を
比較すると、特定の間接脱硫油留分を配合した深度脱硫
軽油の摩耗量の方が80μm(約15%)小さく、耐摩
耗性が大きく改善されたことが確認された。また、特開
平8−333586号公報記載のLCOを原料油の一部
として用いることによりその深度脱硫軽油の潤滑性が改
善されるという技術にかかる比較例3(本発明において
は13μm、約2%改善)に特定の直接脱硫油留分を配
合した実施例2および3と比較しても、実施例2(直接
脱硫油留分を10容量%配合)において、摩耗直径が4
0μm(約7%)も減少し、耐摩耗性が大きく改善され
たことが確認され、実施例3(直接脱硫油留分を20容
量%配合)においては、摩耗直径が46μm(約8%)
も減少し、耐摩耗性が大きく改善されたことが確認され
た。また、先の比較例3に特定の間接脱硫油留分を10
容量%混合し、さらに直接脱硫油留分を10容量%配合
した実施例4と比較すると、摩耗直径が56μm(約1
0%)も減少し、耐摩耗性が大きく改善されたことが確
認された。
【0036】
【効果】本発明により、潤滑性に優れかつディーゼルエ
ンジンの燃料噴射装置(FIE)の摩耗、破損等のトラ
ブルが発生しにくい高性能低硫黄分軽油組成物を提供す
ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 一郎 東京都港区台場2丁目3番2号 昭和シェ ル石油株式会社内 (72)発明者 久保田 肇 東京都港区台場2丁目3番2号 昭和シェ ル石油株式会社内 (72)発明者 伊藤 裕之 東京都港区台場2丁目3番2号 昭和シェ ル石油株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)深度脱硫された軽油に、(2)全
    極性化合物(硫黄分+窒素分+芳香族分+酸素分 以下
    TPCと略すことがある)成分として(a)原油の常圧
    蒸留装置残さ油を減圧蒸留した留分を脱硫した間接脱硫
    油留分〔沸点が180〜400℃、密度(15℃)が
    0.85〜0.89g/cm3、TPCが20〜50質
    量%のもの〕および/または(b)原油の常圧蒸留装置
    残さ油を脱硫した直接脱硫油留分〔沸点が200〜40
    0℃、密度(15℃)が0.85〜0.89g/c
    3、TPCが20〜50質量%のもの〕を10〜25
    質量%配合することを特徴とする全極性化合物分(硫黄
    分+窒素分+芳香族分+酸素分)が20〜40質量%で
    ある、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置(FeedI
    njection Equipment)の金属部の摩
    耗、破損が発生しにくい高性能低硫黄分軽油組成物。
  2. 【請求項2】 さらに極性の高い添加剤を配合した請求
    項1記載の高性能低硫黄分軽油組成物。
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