JPH1095821A - 液晶性ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

液晶性ブロック共重合体及びその製造方法

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JPH1095821A
JPH1095821A JP25445296A JP25445296A JPH1095821A JP H1095821 A JPH1095821 A JP H1095821A JP 25445296 A JP25445296 A JP 25445296A JP 25445296 A JP25445296 A JP 25445296A JP H1095821 A JPH1095821 A JP H1095821A
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liquid crystal
polymer
block copolymer
group
side chain
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JP25445296A
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Masaru Imai
賢 今井
Frings Reiner
フリングス ライナー
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、樹脂強化
剤、相溶化剤等に有用な、優れた非液晶性ポリマーの強
化効果と非液晶性ポリマーに対する良好な分散性を有
す、側鎖型液晶ポリマー部分と非液晶性熱可塑性ポリマ
ー部分とから成る液晶性ブロック共重合体、及びその製
造方法を提供することにある。 【解決手段】 熱・光開始剤を用いて光反応性のモノマ
ーを光重合させて、熱反応開始部分を有するマクロイニ
シエーターを合成し、次いで、該マクロイニシエーター
と芳香族環の数が3から5である側鎖型液晶ポリマーと
を熱重合させることを特徴とする、側鎖型液晶ポリマー
ブロック中の側鎖メソゲンを構成する芳香族環の数が3
から5である側鎖型液晶ポリマーブロックと非液晶性ポ
リマーブロックから成る液晶性ブロック共重合体の製造
方法、及び該製法により製造される液晶性ブロック共重
合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂強化剤や相溶
化剤等に有用な構造材料用の液晶ブロック共重合体、及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アラミド樹脂に代表される種々の
主鎖型全芳香族液晶ポリマーが、その剛直性、高配向性
により、高弾性率、高強度、高耐熱性が要求される高性
能構造材料に用いられている。しかしながらこれら主鎖
型全芳香族液晶ポリマーは、その強い自己凝集力によ
り、他のポリマーとの相溶性に乏しく、ポリマーブレン
ド等による他ポリマーの補強に用いるには限界がある。
【0003】また、主鎖に汎用ポリマー構造と、側鎖に
液晶発現部位であるメソゲンとを有する側鎖型液晶ポリ
マーの表示材料、記録材料等への応用に関する研究が盛
んに行われている。これらの側鎖型液晶ポリマーのメソ
ゲンは、通常二つの芳香族環もしくは脂肪族環から成
り、その液晶温度領域は概ね室温付近である。
【0004】これらの側鎖型液晶ポリマーは、主鎖部分
に汎用ポリマー構造を有し、他ポリマーとの相溶性の点
で上記主鎖型液晶ポリマーに比べ優れている。しかしな
がらこの様な側鎖型液晶ポリマーにおいても、主鎖汎用
ポリマー部分と側鎖液晶部分の分離の規模は小さく、ポ
リマーの強化剤、相溶化剤として用いるには不十分であ
る。
【0005】一分子中に液晶ポリマー部分と汎用ポリマ
ー構造の如き非液晶性ポリマー部分を持たせることがで
きれば、他ポリマーとのブレンドにおいて、液晶ポリマ
ー部分は凝集して強化相を形成し、非液晶性ポリマー部
分は他ポリマーと相溶性を有して強化相とマトリックス
相との密着性を向上させることが期待される。更に、液
晶ポリマー部分は他の液晶ポリマーと相溶性を有すると
期待されることから、非液晶性ポリマーと液晶ポリマー
とのブレンドの相溶化剤として働くことも期待される。
【0006】この様な側鎖型液晶ポリマーと非液晶性ポ
リマーとのブロック共重合体の例としては、渡辺らの研
究が報告されているが(Macromolecule
s,28巻,50〜58頁,1995年)、構造材料と
しての使用は難しく、また、その合成方法も厳密な重合
条件を必要とする為に工業生産に用いるには困難さがあ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、樹脂強化剤、相溶化剤等に有用な、優れた
非液晶性ポリマーの強化効果と非液晶性ポリマーに対す
る良好な分散性を有す、側鎖型液晶ポリマー部分と非液
晶性熱可塑性ポリマー部分とから成る液晶性ブロック共
重合体、及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点に鑑み、本発明者らは、一分子中に側鎖型液晶ポリマ
ー部分と非液晶性ポリマー部分とを有するポリマーとし
て、側鎖型液晶ポリマー部分と非液晶性熱可塑性ポリマ
ー部分とから成るブロック共重合体で、構造材料に使用
可能な液晶温度領域を有するものに着目し、その合成検
討を行った。その結果、熱重合開始部分、及び光重合開
始部分を有する熱・光開始剤を用いた2段階の重合によ
り、3個以上の芳香族環から成るメソゲンを有する側鎖
型液晶ポリマー部分と非液晶性熱可塑性ポリマー部分と
から成るブロック共重合体を得られることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、熱・光開始剤を用いて光
反応性のモノマーを光重合させて、熱反応開始部分を有
するマクロイニシエーターを合成し、次いで、該マクロ
イニシエーターと芳香族環の数が3から5である側鎖型
液晶ポリマーとを熱重合させることを特徴とする、側鎖
型液晶ポリマーブロック中の側鎖メソゲンを構成する芳
香族環の数が3から5である側鎖型液晶ポリマーブロッ
クと非液晶性ポリマーブロックから成る液晶性ブロック
共重合体の製造方法である。
【0010】また本発明は、詳しくは、得られる液晶性
ブロック共重合体の等方相転移点(Ti)が200℃か
ら400℃であり、且つ、液晶温度範囲が80℃以上で
あることを特徴とする請求項1記載の液晶性ブロック共
重合体の製造方法であり、更に、本発明の製造方法によ
り製造される、等方相転移点(Ti)が200℃から4
00℃であり、且つ、液晶温度範囲が80℃以上である
ことを特徴とする液晶性ブロック共重合体を含むもので
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は熱・光開始剤の光開始部
分により汎用モノマーを光重合し熱開始部分を含有した
非液晶性熱可塑性ポリマーを得た後に、その熱開始部分
により液晶モノマーを熱重合して得られる側鎖型液晶ポ
リマー部分と非液晶性熱可塑性ポリマー部分とから成る
ブロック共重合体の合成方法に関するものである。本発
明に用いるメソゲンモノマーは3個以上5個以下の芳香
族環より成るメソゲンを有する化1に示す構造のもので
ある。
【0012】
【化1】 (式中、Wはアクリレート基、メタクリレート基、マレ
イミド基の重合部位を、Xはエーテル基、またはエステ
ル基を、Yはエステル基、又はアゾメチン基を、Zはフ
ェニル基、ナフチル基、またはビフェニル基の芳香族環
を、mは2以上12以下の整数、nは2あるいは3の整
数を表わす。)
【0013】本発明のブロック共重合体中の側鎖型液晶
ポリマー部分は、化1に示すメソゲンモノマーが重合し
た構造のものであり、3個から5個の芳香族環より成る
メソゲン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポ
リマレイミド等の非液晶性熱可塑性ポリマー構造を有す
る主鎖、及びメチレン鎖より成るスペーサーにより構成
される化2に示す構造のものである。これら側鎖型液晶
ポリマー部分の主鎖は熱開始剤による対応するモノマー
の熱重合により容易に得られる構造のものである。
【0014】
【化2】
【0015】(式中、W、X、Y、Z、m、及びnは式
1と同様の意味を表わす。) また、ブロック共重合体中の非液晶性熱可塑性ポリマー
部分としてはPMMA、ポリスチレン等、光重合により
対応するモノマーより得られる構造のものである。
【0016】本発明に用いる熱・光開始剤は光開始部分
としてUV光で分解しラジカルを発生する部分、及び熱
開始部分として60℃程度以上の温度で分解しラジカル
を発生する部分から成るもの、例えば化3に示す構造の
ものである。化3中でXはウレタン基あるいはエステル
基、Yはアゾビスイソブチロニトリル基の様なアゾ基含
有基、あるいは過酸化ベンゾイル基の様な過酸化物基含
有基、m、nは2〜6の整数を示す。
【0017】
【化3】
【0018】合成方法としては、第1段階としてMM
A、スチレン等のモノマー、熱・光開始剤を溶媒に溶解
させ、UV光照射によりこれらモノマーを重合すること
により熱開始部分を有するPMMA、ポリスチレン等の
マクロイニシエーターを合成する。次に、得られたマク
ロイニシエーターと液晶モノマーを溶媒に溶解させ、脱
気の後に所定温度に加熱し液晶モノマーを重合する。
【0019】ブロック共重合体中の側鎖型液晶ポリマー
部分の含量は仕込時のマクロイニシエーターと液晶モノ
マーとの比を適宜変えることにより任意に変化させ得
る。この方法により得られる側鎖型液晶ポリマーと非液
晶性熱可塑性ポリマーのブロック共重合体は、化4に示
す構造のものである。
【0020】
【化4】
【0021】(式中、Wはポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、またはポリマレイミドの構造を有する主鎖
を、Xはエーテル基、またはエステル基を、Yはエステ
ル基、またはアゾメチン基を、Zはフェニル基、ナフチ
ル基、またはビフェニル基を、PはPMMA、またはポ
リスチレンの非液晶性熱可塑性ポリマーを、mは2〜1
2の整数を、nは2あるいは3の整数表す。)
【0022】この様にして得られた側鎖型液晶ポリマー
と非液晶性熱可塑性ポリマーとのブロック共重合体は、
単なるランダム共重合体に比べ液晶温度領域に対する共
重合組成の影響が小さく、側鎖型液晶ポリマー部分の含
量が低い場合でも液晶温度領域の低下は小さい。また、
他の樹脂との相溶性は側鎖型液晶ポリマー、側鎖型液晶
ポリマーと非液晶性熱可塑性ポリマーとのランダム共重
合体や主鎖型液晶ポリマーに比べ良好である。また、P
MMAとのブレンドはPMMA単体、およびPMMAと
ランダム共重合体等とのブレンドに比べ良好な力学物性
を有する。
【0023】
【実施例】次いで本発明を実施例によって更に説明す
る。
【0024】(実施例1)MMA18gと熱−光開始剤
0.88gをアセトニトリル12gに溶解させ、不活性
ガス雰囲気下でUVランプによりUV光を照射し、40
℃、3時間攪拌保持した。重合終了後溶液をメタノール
800ml中に沈澱させ、濾過、洗浄を数回繰り返した
後に真空乾燥器中30℃で減圧乾燥させた。
【0025】得られたPMMAマクロイニシエーター
2.0g、化5で示す液晶モノマー1(即ち、化1中の
Wがメタクリレート基、Xがエーテル基、Yがエステル
基、及びアゾメチン基、Zが2−ナフチル基、Arがフ
ェニレン基、mが6、nが2のもの。)10.8gをジ
オキサン100ml中に溶解させ、脱気封管し、95℃
で60時間加熱攪拌した。
【0026】
【化5】
【0027】重合終了後溶液を熱エタノール1000m
l中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄を数回
繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させた。
未反応のPMMAマクロイニシエーター、液晶モノマー
は熱エタノールに可溶で、この操作により除去される。
【0028】以上の方法により化4のWがポリアクリレ
ート、Xがエーテル基、Yがアゾメチン基、またはエス
テル基、Zが2−ナフチル基、Arがフェニレン基、m
が6、nが2、PがPMMAである側鎖型液晶ポリマー
と非液晶性熱可塑性ポリマーとのブロック共重合体1
(化6)を得た。
【0029】
【化6】
【0030】得られたブロック共重合体1は、クロロホ
ルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドに溶
解した。このポリマーの共重合組成をNMR測定により
求めたところ側鎖型液晶ポリマー部分/PMMA部分の
比はユニット比で53/47であった。また、昇温加熱
において約165℃(Tm)で溶融液晶となり、約26
0℃(Ti)で等方性融液となった。
【0031】(実施例2)PMMAマクロイニシエータ
ー1.0g、液晶モノマー1の1.0gをジオキサン1
0ml中に溶解させ、実施例1と同様な重合操作、精製
操作によりブロック共重合体1と同様の構成ユニットか
ら成るブロック共重合体2を得た。このポリマーの共重
合組成をNMR測定により求めたところ側鎖型液晶ポリ
マー部分/PMMA部分の比はユニット比で16/84
であった。また、昇温加熱において150℃(Tm)で
溶融液晶となり、245℃(Ti)で等方性融液となっ
た。
【0032】(実施例3)PMMAマクロイニシエータ
ー1.5g、液晶モノマー1の0.5gをジオキサン1
0ml中に溶解させ、実施例1と同様な重合操作、精製
操作によりブロック共重合体1と同様の構成ユニットか
ら成るブロック共重合体3を得た。このポリマーの共重
合組成をNMR測定により求めたところ側鎖型液晶ポリ
マー部分/PMMA部分の比はユニット比で1/99で
あった。また、昇温加熱において150℃(Tm)で溶
融液晶となり、235℃(Ti)で等方性融液となっ
た。
【0033】(実施例4)スチレン36gと熱・光開始
剤3.39gとをアセトニトリル24gに溶解させ、不
活性ガス雰囲気下でUVランプによりUV光を照射し、
40℃、3時間攪拌保持した。重合終了後溶液をメタノ
ール1600ml中に沈澱させ、濾過、洗浄を数回繰り
返した後に真空乾燥器中30℃で減圧乾燥させた。
【0034】得られたポリスチレンマクロイニシエータ
ー0.73g、液晶モノマー1の3.75gをジオキサ
ン30ml中に溶解させ、脱気封管し、95℃120時
間加熱攪拌した。重合終了後溶液をアセトン300ml
中に沈澱させ、濾過、アセトンによる洗浄を数回繰り返
した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させた。未反応
のポリスチレンマクロイニシエーター、液晶モノマーは
アセトンに可溶で、この操作により除去された。
【0035】以上の方法により、化4のWがポリメタク
リレート、Xがエーテル基、Yがアゾメチン基、または
エステル基、Zが2−ナフチル基、Arがフェニレン
基、mが6、nが2、Pがポリスチレンである側鎖型液
晶ポリマーと非液晶性熱可塑性ポリマーとのブロック共
重合体4(化7)を得た。得られたブロック共重合体は
クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミドに溶解した。このポリマーの共重合組成をNMR測
定により求めたところ側鎖型液晶ポリマー部分/ポリス
チレン部分の比はユニット比で73/27であった。ま
た、昇温加熱において約80℃(Tm)で溶融液晶とな
り、約243℃(Ti)で等方性融液となった。
【0036】
【化7】
【0037】(実施例5)ポリスチレンマクロイニシエ
ーター4.17g、液晶モノマー1の5.35gをジオ
キサン100ml中に溶解させ、実施例4と同様な重合
操作、精製操作によりブロック共重合体4と同様の構成
ユニットから成るブロック共重合体5を得た。このポリ
マーの共重合組成をNMR測定により求めたところ側鎖
型液晶ポリマー部分/ポリスチレン部分の比はユニット
比で35/65であった。また、昇温加熱において12
5℃(Tm)で溶融液晶となり、220℃(Ti)で等
方性融液となった。
【0038】(実施例6)PMMAマクロイニシエータ
ー2.0gと、化1中のWがメタクリレート基、Xがエ
ーテル基、Yがエステル基、及びアゾメチン基、Zが4
−ビフェニル基、Arがフェニレン基、mが6、nが2
である化8の液晶モノマー2の10.0gをジオキサン
100ml中に溶解させ、脱気封管し、95℃で60時
間加熱攪拌した。
【0039】
【化8】
【0040】重合終了後溶液を熱エタノール1000m
l中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄を数回
繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させた。
未反応のPMMAマクロイニシエーターは熱エタノール
に可溶で、この操作により除去された。
【0041】以上の方法により化4でWがポリアクリレ
ート、Xがエーテル基、Yがアゾメチン基、またはエス
テル基、Zが4−ビフェニル基、Arがフェニレン基、
mが6、nが2、PがPMMAである側鎖型液晶ポリマ
ーと非液晶性熱可塑性ポリマーとのブロック共重合体6
(化9)を得た。
【0042】
【化9】
【0043】このポリマーの共重合組成をNMR測定に
より求めたところ、側鎖型液晶ポリマー部分/PMMA
部分の比はユニット比で64/36であった。また、昇
温加熱において151℃(Tm)で溶融液晶となり、3
23℃(Ti)で等方性融液となった。
【0044】(実施例7)PMMAマクロイニシエータ
ー2.0g、液晶モノマー2の6.0gをジオキサン8
0ml中に溶解させ、実施例6と同様な重合操作、精製
操作によりブロック共重合体6と同様の構成ユニットか
ら成るブロック共重合体7を得た。このポリマーの共重
合組成をNMR測定により求めたところ側鎖型液晶ポリ
マー部分/PMMA部分の比はユニット比で33/67
であった。また、昇温加熱において148℃(Tm)で
溶融液晶となり、314℃(Ti)で等方性融液となっ
た。
【0045】(実施例8)PMMAマクロイニシエータ
ー1.0g、化1中のWがマレイミド基、X及びYがエ
ステル基、Zが2−ナフチル基、Arがフェニレン基、
mが5、nが3である化10の液晶モノマー3の7.0
gをジメチルスルホキシド100ml中に溶解させ、凍
結脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、95℃で60
時間加熱攪拌した。
【0046】
【化10】
【0047】重合終了後溶液を熱エタノール1000m
l中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄を数回
繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させた。
未反応のPMMAマクロイニシエーターは熱エタノール
に可溶で、この操作により除去された。以上の方法によ
り化4でWがポリマレイミド、X及びYがエステル基、
Zが2−ナフチル基、Arがフェニレン基、mが5、n
が3、PがPMMAである側鎖型液晶ポリマーと非液晶
性熱可塑性ポリマーとのブロック共重合体8(化11)
を得た。
【0048】
【化11】
【0049】得られたブロック共重合体8はジメチルス
ルホキシドに溶解した。このポリマーの共重合組成をN
MR測定により求めたところ側鎖型液晶ポリマー部分/
PMMA部分の比はユニット比で58/42であった。
また、昇温加熱において約130℃(Tm)で溶融液晶
となり、約343℃(Ti)で等方性融液となった。
【0050】(実施例9)PMMAマクロイニシエータ
ー1.0g、液晶モノマー3の3.0gをジメチルスル
ホキシド100ml中に溶解させ、実施例8と同様な重
合操作、精製操作によりブロック共重合体8と同様の構
成ユニットから成るブロック共重合体9を得た。このポ
リマーの共重合組成をNMR測定により求めたところ側
鎖型液晶ポリマー部分/PMMA部分の比はユニット比
で32/68であった。また、昇温加熱において約12
7℃(Tm)で溶融液晶となり、約335℃(Ti)で
等方性融液となった。
【0051】(実施例10)PMMAマクロイニシエー
ター1.0g、化1中のWがマレイミド基、X及びYが
エステル基、Zが2−ナフチル基、Arがメチルフェニ
レン基、mが5、nが3である化12の液晶モノマー
4、7.0gをジメチルスルホキシド100ml中に溶
解させ、凍結脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、9
5℃で60時間加熱攪拌した。
【0052】
【化12】
【0053】重合終了後溶液を熱エタノール1000m
l中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄を数回
繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させた。
未反応のPMMAマクロイニシエーターは熱エタノール
に可溶で、この操作により除去された。以上の方法によ
り化4のWがポリマレイミド、X及びYがエステル基、
Zが2−ナフチル基、Arがメチルフェニレン基、mが
5、nが3、PがPMMAである側鎖型液晶ポリマーと
非液晶性熱可塑性ポリマーとのブロック共重合体10
(化13)を得た。
【0054】
【化13】
【0055】得られたブロック共重合体10はジメチル
スルホキシドに溶解した。このポリマーの共重合組成を
NMR測定により求めたところ側鎖型液晶ポリマー部分
/PMMA部分の比はユニット比で55/45であっ
た。また、昇温加熱において約129℃(Tm)で溶融
液晶となり、約337℃(Ti)で等方性融液となっ
た。
【0056】(実施例11)PMMAマクロイニシエー
ター1.0g、液晶モノマー4の3.0gをジメチルス
ルホキシド100ml中に溶解させ、実施例10と同様
な重合操作、精製操作によりブロック共重合体10と同
様の構成ユニットから成るブロック共重合体11を得
た。このポリマーの共重合組成をNMR測定により求め
たところ側鎖型液晶ポリマー部分とPMMA部分との比
はユニット比で30/70であった。また、昇温加熱に
おいて約127℃(Tm)で溶融液晶となり、約330
℃(Ti)で等方性融液となった。
【0057】(実施例12)PMMAマクロイニシエー
ター1.0g、化1中のWがマレイミド基、X及びYが
エステル基、Zが4−ビフェニル基、Arがフェニレン
基、mが5、nが3である化14の液晶モノマー5、
7.0gをジメチルスルホキシド100ml中に溶解さ
せ、凍結脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、95℃
で60時間加熱攪拌した。
【0058】
【化14】
【0059】重合終了後溶液を熱エタノール1000m
l中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄を数回
繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させた。
未反応のPMMAマクロイニシエーターは熱エタノール
に可溶で、この操作により除去された。以上の方法によ
り化4でWがポリマレイミド、X及びYがエステル基、
Zが4−ビフェニル基、Arがフェニレン基、mが5、
nが3、PがPMMAである側鎖型液晶ポリマーと非液
晶性熱可塑性ポリマーとのブロック共重合体12(化1
5)を得た。
【0060】
【化15】
【0061】得られたブロック共重合体はジメチルスル
ホキシドに溶解した。このポリマーの共重合組成をNM
R測定により求めたところ側鎖型液晶ポリマー部分/P
MMA部分の比はユニット比で61/39であった。ま
た、昇温加熱において約141℃(Tm)で溶融液晶と
なり、約364℃(Ti)で等方性融液となった。
【0062】(実施例13)PMMAマクロイニシエー
ター1.0g、液晶モノマー5の3.0gをジメチルス
ルホキシド100ml中に溶解させ、実施例12と同様
な重合操作、精製操作によりブロック共重合体12と同
様の構成ユニットから成るブロック共重合体13を得
た。このポリマーの共重合組成をNMR測定により求め
たところ側鎖型液晶ポリマー部分/PMMA部分の比は
ユニット比で37/63であった。また、昇温加熱にお
いて約137℃(Tm)で溶融液晶となり、約355℃
(Ti)で等方性融液となった。
【0063】(実施例14)実施例1により得られた側
鎖型液晶ポリマーとPMMAとのブロック共重合体1.
5gとPMMA3.5gをミニブレンダーにより250
℃、5分加熱混合し、小型の金型を用いて板状の成型品
を得た。得られたポリマーブレンド成型品の引張り物
性、および曲げ物性を測定したところ、引張り強度12
80kg/cm2、引張り弾性率7.4kg/cm2、引張り伸び率
6.8%、曲げ強度1950kg/cm2、曲げ弾性率6.9
kg/cm2であった。
【0064】(実施例15)実施例1により得られた側
鎖型液晶ポリマーとPMMAとのブロック共重合体1.
5gとPMMA3.5gをミニブレンダーにより290
℃、5分加熱混合した。得られたポリマーブレンド成型
品の破断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、
ブロック共重合体はPMMAマトリックス中で0.3μ
m以下に微分散していることが確認された。
【0065】(比較例1)MMA1.6g、液晶モノマ
ー1の8.2g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.
12gをテトラヒドロフラン60ml中に溶解させ、凍
結脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、60℃で12
時間加熱攪拌した。重合終了後溶液を熱エタノール10
00ml中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄
を数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥さ
せた。以上の方法により液晶モノマー1/MMAランダ
ム共重合体1を得た。
【0066】得られたランダム共重合体はクロロホル
ム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドに溶解
した。このポリマーの共重合組成をNMR測定により求
めたところ液晶モノマー部分/MMA部分の比はユニッ
ト比で57/43であった。また、昇温加熱において1
46℃(Tm)で溶融液晶となり、218℃(Ti)で
等方性融液となった。
【0067】(比較例2)MMA2.2g、液晶モノマ
ー1 7.8g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.
12gをテトラヒドロフラン60ml中に溶解させ、比
較例1と同様な重合操作、精製操作によりランダム共重
合体2を得た。このポリマーの共重合組成をNMR測定
により求めたところ液晶モノマー部分/MMAの比はユ
ニット比で37/63であった。また、昇温加熱におい
て108℃(Tm)で溶融液晶となり、161℃(T
i)で等方性融液となった。
【0068】(比較例3)スチレン1.4g、液晶モノ
マー1 10.7g、及びアゾビスイソブチロニトリル
0.11gをテトラヒドロフラン60ml中に溶解さ
せ、凍結脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、60℃
12時間加熱攪拌した。重合終了後溶液を熱エタノール
1000ml中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる
洗浄を数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾
燥させた。
【0069】以上の方法により液晶モノマー1/スチレ
ンランダム共重合体3を得た。得られたランダム共重合
体はクロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホル
ムアミドに溶解した。このポリマーの共重合組成をNM
R測定により求めたところ液晶モノマー部分/スチレン
部分の比はユニット比で48/52であった。また、昇
温加熱において114℃(Tm)で溶融液晶となり、1
91℃(Ti)で等方性融液となった。
【0070】(比較例4)スチレン3.15g、液晶モ
ノマー1 10.7g、及びアゾビスイソブチロニトリ
ル0.17gをテトラヒドロフラン60ml中に溶解さ
せ、比較例3と同様な重合操作、精製操作によりランダ
ム共重合体4を得た。このポリマーの共重合組成をNM
R測定により求めたところ液晶モノマー部分/スチレン
部分の比はユニット比で27/73であった。また、昇
温加熱において117℃(Tm)で溶融液晶となり、1
25℃(Ti)で等方性融液となった。
【0071】(比較例5)MMA2.0g、液晶モノマ
ー2 8.0g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.
24gをテトラヒドロフラン60ml中に溶解させ、凍
結脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、60℃12時
間加熱攪拌した。重合終了後溶液を熱エタノール100
0ml中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄を
数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させ
た。以上の方法により液晶モノマー2/MMAランダム
共重合体5を得た。
【0072】得られたランダム共重合体はクロロホル
ム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドに溶解
した。このポリマーの共重合組成をNMR測定により求
めたところ液晶モノマー部分/MMA部分の比はユニッ
ト比で59/41であった。また、昇温加熱において1
46℃(Tm)で溶融液晶となり、258℃(Ti)で
等方性融液となった。
【0073】(比較例6)MMA2.0g、液晶モノマ
ー2 6.0g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.
24gをテトラヒドロフラン60ml中に溶解させ、比
較例5と同様な重合操作、精製操作によりランダム共重
合体6を得た。このポリマーの共重合組成をNMR測定
により求めたところ液晶モノマー部分/MMAの比はユ
ニット比で34/66であった。また、昇温加熱におい
て140℃(Tm)で溶融液晶となり、192℃(T
i)で等方性融液となった。
【0074】(比較例7)MMA1.0g、液晶モノマ
ー3 7.0g、及びジクミルペルオキシド0.12g
をジメチルスルホキシド100ml中に溶解させ、凍結
脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、100℃60時
間加熱攪拌した。重合終了後溶液を熱エタノール100
0ml中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄を
数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させ
た。以上の方法により液晶モノマー3/MMAランダム
共重合体7を得た。
【0075】得られたランダム共重合体はジメチルスル
ホキシドに溶解した。このポリマーの共重合組成をNM
R測定により求めたところ液晶モノマー部分/MMA部
分の比はユニット比で59/41であった。また、昇温
加熱において130℃(Tm)で溶融液晶となり、27
2℃(Ti)で等方性融液となった。
【0076】(比較例8)MMA2.0g、液晶モノマ
ー3 6.0g、及びジクミルペルオキシド0.24g
をジメチルスルホキシド100ml中に溶解させ、比較
例7と同様な重合操作、精製操作によりランダム共重合
体8を得た。このポリマーの共重合組成をNMR測定に
より求めたところ液晶モノマー部分/MMA部分の比は
ユニット比で36/64であった。また、昇温加熱にお
いて123℃(Tm)で溶融液晶となり、187℃(T
i)で等方性融液となった。
【0077】(比較例9)MMA1.0g、液晶モノマ
ー4 7.0g、及びジクミルペルオキシド0.24g
をジメチルスルホキシド100ml中に溶解させ、凍結
脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、100℃60時
間加熱攪拌した。重合終了後溶液を熱エタノール100
0ml中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄を
数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥させ
た。以上の方法により液晶モノマー4/MMAランダム
共重合体9を得た。
【0078】得られたランダム共重合体はジメチルスル
ホキシドに溶解した。このポリマーの共重合組成をNM
R測定により求めたところ液晶モノマー部分/MMA部
分の比はユニット比で56/44であった。また、昇温
加熱において130℃(Tm)で溶融液晶となり、27
2℃(Ti)で等方性融液となった。
【0079】(比較例10)MMA2.0g、液晶モノ
マー4 6.0g、及びジクミルペルオキシド0.24
gをジメチルスルホキシド100ml中に溶解させ、比
較例9と同様な重合操作、精製操作によりランダム共重
合体10を得た。このポリマーの共重合組成をNMR測
定により求めたところ液晶モノマー部分/MMA部分の
比はユニット比で29/71であった。また、昇温加熱
において126℃(Tm)で溶融液晶となり、181℃
(Ti)で等方性融液となった。
【0080】(比較例11)MMA1.0g、液晶モノ
マー5 7.0g、及びジクミルペルオキシド0.12
gをジメチルスルホキシド100ml中に溶解させ、凍
結脱気を数回繰り返した後に脱気封管し、100℃60
時間加熱攪拌した。重合終了後溶液を熱エタノール10
00ml中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる洗浄
を数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾燥さ
せた。以上の方法により液晶モノマー5/MMAランダ
ム共重合体11を得た。
【0081】得られたランダム共重合体はジメチルスル
ホキシドに溶解した。このポリマーの共重合組成をNM
R測定により求めたところ液晶モノマー部分/MMA部
分の比はユニット比で57/43であった。また、昇温
加熱において130℃(Tm)で溶融液晶となり、27
5℃(Ti)で等方性融液となった。
【0082】(比較例12)MMA2.0g、液晶モノ
マー5 6.0g、及びジクミルペルオキシド0.24
gをジメチルスルホキシド50ml中に溶解させ、比較
例11と同様な重合操作、精製操作によりランダム共重
合体12を得た。このポリマーの共重合組成をNMR測
定により求めたところ液晶モノマー部分/MMA部分の
比はユニット比で36/64であった。また、昇温加熱
において128℃(Tm)で溶融液晶となり、196℃
(Ti)で等方性融液となった。
【0083】(比較例13)PMMAをミニブレンダー
により250℃、5分加熱混合し、小型の金型を用いて
板状の成型品を得た。得られた成型品の引張り物性、お
よび曲げ物性を測定したところ、引張り強度690kg/c
m2、引張り弾性率3.2kg/cm2、引張り伸び率4.2
%、曲げ強度980kg/cm2、曲げ弾性率3.1kg/cm2
あった。
【0084】(比較例14)参考例1により得られた側
鎖型液晶ポリマー1、1.5gとPMMA3.5gをミ
ニブレンダーにより250℃、5分加熱混合し、小型の
金型を用いて板状の成型品を得た。得られたポリマーブ
レンド成型品の引張り物性、および曲げ物性を測定した
ところ、引張り強度570kg/cm2、引張り弾性率3.8
kg/cm2、引張り伸び率2.2%、曲げ強度1050kg/c
m2、曲げ弾性率3.8kg/cm2であった。
【0085】(比較例15)比較例1により得られた液
晶モノマー1/MMAランダム共重合体1、1.5gと
PMMA3.5gをミニブレンダーにより250℃、5
分加熱混合し、小型の金型を用いて板状の成型品を得
た。得られたポリマーブレンド成型品の引張り物性、お
よび曲げ物性を測定したところ、引張り強度780kg/c
m2、引張り弾性率4.6kg/cm2、引張り伸び率2.9
%、曲げ強度1130kg/cm2、曲げ弾性率3.6kg/cm2
であった。
【0086】(比較例16)主鎖型液晶ポリマーである
ベクトラ1.5gとPMMA3.5gをミニブレンダー
により290℃、5分加熱混合し、小型の金型を用いて
板状の成型品を得た。得られたポリマーブレンド成型品
の引張り物性、および曲げ物性を測定したところ、引張
り強度710kg/cm2、引張り弾性率4.1kg/cm2、引張
り伸び率1.8%、曲げ強度1030kg/cm2、曲げ弾性
率3.3kg/cm2であった。
【0087】(比較例17)参考例1により得られた側
鎖型液晶ポリマー1.5gとPMMA3.5gをミニブ
レンダーにより290℃、5分加熱混合した。得られた
ポリマーブレンド成型品の破断面を走査型電子顕微鏡に
より観察したところ、側鎖型液晶ポリマー1はPMMA
マトリックス中で5μm程度の粒径で分散しており、そ
の相分離界面は著しく剥離していることが確認された。
【0088】(比較例18)比較例1により得られた液
晶モノマー1/MMAランダム共重合体1、1.5gと
PMMA3.5gをミニブレンダーにより290℃、5
分加熱混合した。得られたポリマーブレンド成型品の破
断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、側鎖型
液晶ポリマー1/PMMAランダム共重合体1はPMM
Aマトリックス中で5μm程度の粒径で分散しており、
その相分離界面は著しく剥離していることが確認され
た。
【0089】(比較例19)主鎖型液晶ポリマーである
ベクトラ1.5gとPMMA3.5gをミニブレンダー
により290℃、5分加熱混合した。得られたポリマー
ブレンド成型品の破断面を走査型電子顕微鏡により観察
したところ、側鎖型液晶ポリマー1はPMMAマトリッ
クス中で10μm程度の粒径で分散していること、ま
た、その相分離界面が著しく剥離していることが確認さ
れた。
【0090】(参考例1)液晶モノマー1 5.35
g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.033gをテ
トラヒドロフラン50ml中に溶解させ、脱気封管し、
60℃12時間加熱攪拌した。重合終了後溶液を熱エタ
ノール500ml中に沈澱させ、濾過、熱エタノールに
よる洗浄を数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減
圧乾燥させた。以上の方法により単独重合体1(化1
6)を得た。得られたポリマーはクロロホルム、テトラ
ヒドロフラン、ジメチルホルムアミドに溶解した。ま
た、昇温加熱において157℃(Tm)で溶融液晶とな
り、270℃(Ti)で等方性融液となった。
【0091】
【化16】
【0092】(参考例2)液晶モノマー2、6.0g、
及びアゾビスイソブチロニトリル0.033gをテトラ
ヒドロフラン50ml中に溶解させ、脱気封管し、60
℃12時間加熱攪拌した。重合終了後溶液を熱エタノー
ル500ml中に沈澱させ、濾過、熱エタノールによる
洗浄を数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減圧乾
燥させた。以上の方法により単独重合体2(化17)を
得た。得られたポリマーはクロロホルム、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミドに溶解した。また、昇温
加熱において151℃(Tm)で溶融液晶となり、32
3℃(Ti)で等方性融液となった。
【0093】
【化17】
【0094】(参考例3)液晶モノマー3、10.5
g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.1gをジメチ
ルスルホキシド100ml中に溶解させ、脱気封管し、
100℃60時間加熱攪拌した。重合終了後溶液をメタ
ノール1000ml中に沈澱させ、濾過、メタノールに
よる洗浄を数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減
圧乾燥させた。以上の方法により単独重合体3(化1
8)を得た。得られたポリマーはジメチルスルホキシド
に溶解した。また、昇温加熱において約135℃(T
m)で溶融液晶となり、約360℃(Ti)で等方性融
液となった。
【0095】
【化18】
【0096】(参考例4)液晶モノマー4、11.0
g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.1gをジメチ
ルスルホキシド100ml中に溶解させ、脱気封管し、
100℃60時間加熱攪拌した。重合終了後溶液をメタ
ノール1000ml中に沈澱させ、濾過、メタノールに
よる洗浄を数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減
圧乾燥させた。以上の方法により単独重合体4(化1
9)を得た。得られたポリマーはジメチルスルホキシド
に溶解した。また、昇温加熱において約132℃(T
m)で溶融液晶となり、約345℃(Ti)で等方性融
液となった。
【0097】
【化19】
【0098】(参考例5)液晶モノマー5 11.5
g、及びアゾビスイソブチロニトリル0.1gをジメチ
ルスルホキシド100ml中に溶解させ、脱気封管し、
100℃60時間加熱攪拌した。重合終了後溶液をメタ
ノール1000ml中に沈澱させ、濾過、メタノールに
よる洗浄を数回繰り返した後に真空乾燥器中80℃で減
圧乾燥させた。以上の方法により単独重合体5(化2
0)を得た。得られたポリマーはジメチルスルホキシド
に溶解した。また、昇温加熱において約145℃(T
m)で溶融液晶となり、約370℃(Ti)で等方性融
液となった。
【0099】
【化20】
【0100】表1に実施例1〜3、比較例1、2、及び
参考例1の各ポリマーの共重合組成比、Tm、Tiの値
を、また、表2に実施例4、5、比較例3、4、及び参
考例1の各ポリマーの共重合組成比、Tm、Tiの値を
示す。また表3に実施例6、7、比較例5、6、及び参
考例2の各ポリマーの共重合組成比、Tm、Tiの値
を、表4に実施例8、9、比較例7、8、及び参考例3
の各ポリマーの共重合組成比、Tm、Tiの値を示す。
【0101】表5に実施例10、11、比較例9、1
0、及び参考例4の各ポリマーの共重合組成比、Tm、
Tiの値を、表6に実施例12、13、比較例11、1
2、及び参考例5の各ポリマーの共重合組成比、Tm、
Tiの値をそれぞれ示す。また、表7に実施例14、比
較例13、14、15、16の引張強度、引張弾性率、
引張伸び率、曲げ強度、曲げ弾性率の値をそれぞれ示
す。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】
【表7】
【0109】
【本発明の効果】本発明は、樹脂強化剤、相溶化剤等に
有用な、優れた非液晶性ポリマーの強化効果と非液晶性
ポリマーに対する良好な分散性を有する、側鎖型液晶ポ
リマー部分と非液晶性熱可塑性ポリマー部分とから成る
液晶性ブロック共重合体、及びその製造方法を提供でき
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱・光開始剤を用いて光反応性のモノマ
    ーを光重合させて、熱反応開始部分を有するマクロイニ
    シエーターを合成し、次いで、該マクロイニシエーター
    と芳香族環の数が3から5である側鎖型液晶ポリマーと
    を熱重合させることを特徴とする、側鎖型液晶ポリマー
    ブロック中の側鎖メソゲンを構成する芳香族環の数が3
    から5である側鎖型液晶ポリマーブロックと非液晶性ポ
    リマーブロックから成る液晶性ブロック共重合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 得られる液晶性ブロック共重合体の等方
    相転移点(Ti)が200℃から400℃であり、且
    つ、液晶温度範囲が80℃以上であることを特徴とする
    請求項1記載の液晶性ブロック共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法により
    製造される、等方相転移点(Ti)が200℃から40
    0℃であり、且つ、液晶温度範囲が80℃以上であるこ
    とを特徴とする液晶性ブロック共重合体。
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