JPH109581A - 冷凍食品解凍装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポンプ作動音の静かな減圧式解凍装置を実現
する。 【構成】 減圧ポンプ７が作動を開始すると、解凍室２
内のみならずポンプ収納室３内の空気も減圧ポンプに吸
引されて、双方の圧力が低下するので、減圧ポンプ７の
発する騒音が、減圧ポンプの周囲に存在する空気を通じ
て解凍室およびポンプ収納室の外へ伝わりにくくなり、
運転音は減圧ポンプが解凍室外の大気圧下に設置されて
いる場合に比べて著しく静かになり、静粛性の求められ
る解凍作業現場でも安心して作動させることができるよ
うになた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、大気圧より低い圧力下
で冷凍食品を高周波加熱して解凍する、冷凍食品解凍装
置に関するものであり、さらに詳しくは、冷凍食品のみ
ならず減圧ポンプをも大気圧より低い圧力下に設置し
て、減圧ポンプの発する騒音を解凍装置周囲に放射しな
いようにし、静粛な運転が行なえるようにしたものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】大気圧より低い圧力環境下に冷凍食品を
設置するとともに高周波エネルギーを用いて解凍加熱を
行なう装置が、沸騰点が下がることにより加熱むらのリ
スクが低減して所望の解凍加熱が実現するという理由
で、近年にわかに注目を浴びるようになった。

【０００３】そしてその種冷凍食品解凍装置はコンパク
ト化が着々と進められ、家庭用電子レンジのサイズのも
のまで提案されるようになってきた。

【０００４】

【本発明が解決しようとする課題】いうまでもなく、大
気圧より低い圧力を実現するために減圧ポンプが必要と
なるが、そのポンプの発する運転音は決して静かではな
い。

【０００５】大型レストラン等の比較的騒音の大きい現
場では問題とされなくとも、一般家庭等の比較的静粛な
環境下で使用するとなれば、騒音の大きさは、やはり解
決改善しなければならない最重要問題である。

【０００６】その騒音の問題は、業務用と一般家庭用
で、必ずしも区別されるものではないが、どちらの商品
としても大きな要改善点の一つである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を
解決するためになされたもので、冷凍食品を収納する解
凍室と、この解凍室に連通して形成されたポンプ収納室
と、解凍室とポンプ収納室の空気圧力を減圧するために
ポンプ収納室に設置された減圧ポンプと、解凍室内にマ
イクロ波エネルギーを供給するマグネトロンと、減圧ポ
ンプにより減圧される解凍室内およびポンプ収納室内の
空気圧を計測する圧力センサーと、解凍室に取り付けら
れて解凍室およびポンプ収納室内圧力を大気圧に戻すた
めの大気戻し弁と、そして圧力センサーの信号を取り込
んで減圧ポンプとマグネトロンを制御する制御装置とで
冷凍食品解凍装置を構成した。

【０００８】

【作用】制御装置から減圧動作の開始命令が発っせられ
て大気戻し弁が閉鎖され、減圧ポンプが作動を開始する
と、解凍室のみならずポンプ収納室内の空気も減圧ポン
プに吸引されて、双方の圧力が低下し、減圧ポンプの発
する騒音が、減圧ポンプの周囲に存在する空気を通じて
は解凍室およびポンプ収納室から外部へ伝わりにくくな
り、運転音は減圧ポンプが解凍室外の大気圧下に設置さ
れている場合に比べて著しく静かになる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の実施例を説明する。

【００１０】図１において、１は冷凍食品解凍装置の本
体ケースであり、２はこの本体ケース１の内部に設けら
れた解凍室である。３はこの解凍室２の一部を拡張し、
解凍室２と連通した状態で形成されたポンプ収納室で、
４、５はそれぞれ解凍室内空間とポンプ収納室内空間で
ある。６は解凍室内空間に収納された冷凍食品で、７は
ポンプ収納室に収納された減圧ポンプであり、８はこの
減圧ポンプのサクションパイプ、９はエキゾーストパイ
プである。１０は解凍室２とポンプ収納室３とをマイク
ロ波的および塵埃的に隔てるフィルターであり、１１は
減圧された解凍室２の圧力を大気圧に戻すときに開動作
して解凍室２内に空気を流入させる大気戻し弁、１２は
この大気戻し弁１０の大気側開口に取り付けられた塵埃
フィルターである。１３は減圧される解凍室２およびポ
ンプ収納室３の圧力を計測する圧力センサーであり、１
４はマイクロ波エネルギーを発生するマグネトロン、そ
して１５は圧力センサー１３の信号を取り込むとともに
減圧ポンプ７、大気戻し弁１１、マグネトロン１４を駆
動制御する制御装置である。

【００１１】本発明の一実施例の構成は以上の通りであ
り、次にその動作を説明する。

【００１２】解凍室２内に冷凍食品６を収納し、ドアを
閉じる等の解凍室密閉手段を講じた後、制御装置１５か
ら解凍動作の開始の指示が出されると、減圧ポンプ７が
作動を開始して、解凍室２およびそれと連通するポンプ
収納室３内を減圧する。その際減圧ポンプ７から発生し
ポンプ収納室内空間５ないし解凍室内空間４の空気を伝
わって本体ケース１の外に放射される騒音の程度は、圧
力の低下にともなって次第に低下し、運転開始時に比べ
相当静かになる。

【００１３】減圧運転が進行し、所定の圧力が圧力セン
サー１３によって計測されると、制御装置１５はその所
定圧力が維持されるよう減圧ポンプの駆動制御を行な
う。この定圧運転の開始とともに、制御装置１５はマグ
ネトロン１４の駆動を開始し、解凍のための加熱を開始
する。

【００１４】マグネトロン１４が作動している間、解凍
室２内のマイクロ波はフィルター１０に遮られてポンプ
収納室３内へ侵入することはなく、減圧ポンプ７がマイ
クロ波に曝されることはない。また、フィルター１０に
はマイクロ波フィルターの機能のほかに塵埃フィルター
の機能をも持たせてあるので、ポンプ作動時に解凍室内
の塵埃がポンプ収納室に侵入することはない。

【００１５】そして所定の解凍加熱時間が終了すると、
制御装置１５は減圧ポンプ７とマグネトロン１４の駆動
を停止し、大気戻り弁１１を開放して解凍室２内を大気
圧に戻し、解凍された食品の取り出しを可能にする。

【００１６】このように減圧ポンプ７それ自体を解凍室
と連通した減圧空間に設置したことにより、減圧動作が
進行するに従い騒音の程度は次第に低下し、その後の解
凍動作中の運転音は、減圧ポンプが解凍室外の大気圧下
に設置されている場合に比べて著しく静かになる。

【００１７】

【発明の効果】以上本発明により、解凍加熱運転中の減
圧ポンプの作動音を静かにすることができたので、静か
な解凍作業現場への設置が気兼ねなく行なえるようにな
った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のシステム模式図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース ２ 解凍室 ３ ポンプ収納室 ６ 冷凍食品 ７ 減圧ポンプ １０ フィルター １１ 大気戻し弁 １３ 圧力センサー １４ マグネトロン １５ 制御装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 哲男 千葉県柏市新十余二３番地１ 株式会社日 立ホームテック内 (72)発明者 岩渕 康司 千葉県柏市新十余二３番地１ 株式会社日 立ホームテック内 (72)発明者 三友 明夫 千葉県柏市新十余二３番地１ 株式会社日 立ホームテック内 (72)発明者 織田 誠 茨城県土浦市神立502番 株式会社日立製 作所機械研究所内 (72)発明者 野口 泰孝 茨城県土浦市神立502番 株式会社日立製 作所機械研究所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷凍食品（６）を収納する解凍室（２）
   と、この解凍室に連通して形成されたポンプ収納室
   （３）と、前記解凍室と前記ポンプ収納室の空気圧力を
   減圧するために前記ポンプ収納室に設置された減圧ポン
   プ（７）と、前記解凍室内にマイクロ波エネルギーを供
   給するマグネトロン（１４）と、前記減圧ポンプにより
   減圧される前記解凍室内およびポンプ収納室内の空気圧
   を計測する圧力センサー（１３）と、前記解凍室に取り
   付けられて前記解凍室および前記ポンプ収納室の圧力を
   大気圧に戻すための大気戻し弁（１１）と、そして前記
   圧力センサーの信号を取り込んで前記減圧ポンプと前記
   マグネトロンを制御する制御装置（１５）とで構成され
   ていることを特徴とする冷凍食品解凍装置。