JPH1095594A - 建築物施工用サヤ管ジャッキ及びこれを用いた多層階建築物建設方法 - Google Patents

建築物施工用サヤ管ジャッキ及びこれを用いた多層階建築物建設方法

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JPH1095594A
JPH1095594A JP25487996A JP25487996A JPH1095594A JP H1095594 A JPH1095594 A JP H1095594A JP 25487996 A JP25487996 A JP 25487996A JP 25487996 A JP25487996 A JP 25487996A JP H1095594 A JPH1095594 A JP H1095594A
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JP
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lifting
building
pipe
floor
sheath
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JP25487996A
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English (en)
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Hiroshi Koiso
浩 小磯
Kazumi Shima
一己 島
Ryoji Matsuura
良治 松浦
Masanori Kumada
誠謙 熊田
Isao Yamakawa
績 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Doboku Kk
Toyo Engineering Corp
Original Assignee
Dainippon Doboku Kk
Toyo Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな揚程が得られ且つ安全性・作業性に優
れ、しかも低コストで施工が可能な建築物施工用ジャッ
キ及び多層階建築物建設方法を提供する。 【解決手段】 重量物を揚重するために一端が閉じられ
た揚重管と、該揚重管をその内部から持ち上げる揚重シ
リンダーと、該揚重シリンダーの下部で接続され揚重シ
リンダーの重量を支え揚重シリンダーの動作と一体化し
て前記揚重管内部を上昇下降するベース管と、前記揚重
管を納めるサヤ管とからなり、該サヤ管の外側にロック
ピンを有し、ロックの締結および解除ができる機構を有
し、該機構と揚重シリンダーを使用してサヤ管に沿って
揚重管を尺取り式に上昇下降させることを特徴とする建
築物施工用サヤ管ジャッキ、及び該ジャッキを用いたジ
ャッキアップ工法による多層階建築物建設方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、建築物施工用サ
ヤ管ジャッキ、サヤ管セット、サヤ管ユニット及びサヤ
管モジュール、並びにこれらを用いた多層階建築物建設
方法および解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】n階からなる多層階建築物の施工におい
て、第n階を最初に構築し、これをジャッキアップし、
その下に第n−1階を構築することを順次繰り返すこと
によって建築物を完成するジャッキアップ工法におい
て、構築した建築物を揚重するのに、ストロークの長い
油圧ジャッキを使用している。
【0003】このジャッキアップ工法は、例えば、建築
物を1階分だけ揚重するとき、ストロークが1階分以上
の長い油圧ジャッキを建築物の下に複数配置し、これら
を同時に制御することによって建築物を一気に1階分上
昇させる方法である。特願平5−142096号などに
この方法が開示されている。
【0004】また、ジャッキアップ工法の別のやり方と
して、建築物の廻りや建築物内部に仮設柱を設け、これ
に反力をとり、建築物を揚重する方法がある。例えば、
建築物の廻りに4本の仮設柱を設け、この上端にセンタ
ーホールジャッキを配置し、これらのジャッキと建築物
をワイヤやロッドにて接続し、建築物を引っ張り上げて
揚重する方法や、仮設柱と建築物を尺取り機構を有する
仮設物で接続し、これを尺取りさせることによって建築
物を揚重する方法などである。特願昭62−24494
1号のジャッキアップ工法は、建築物内部に仮設柱を設
置し、これに反力を得ながらセンターホールジャッキに
て揚重する方法である。特願平5−164838号のジ
ャッキアップ装置も、建築物内部に仮設柱を設置し、こ
れに反力を得ながら楔を用いたロックを使用するジャッ
キにて揚重する方法に用いられている。
【0005】これらの装置・方法を用いれば、n階から
なる多層階建築物の施工において、第n階を最初に構築
し、これをジャッキアップし、その下に第n−1階を構
築することを順次繰り返すことにより建築物を完成する
ジャッキアップ工法が実施可能であるとされ、このよう
な工法のメリットとして以下のものが挙げられている。 1)全天候で工事が可能であり、工期が短縮できる。 2)高所物流のための大型クレーンを必要としない。 3)高所作業が無くなる。 4)工事階が1階で固定されるため、部材の搬入が楽で
ある。 5)工事階が1階で固定されるため、使用するロボット
の設置・撤去が楽である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油圧ジ
ャッキをそのまま長くした従来型のものを使用して建築
物を揚重する方法では以下の問題がある。 (1)建築物の施工で必要な1〜2階分の揚程を持つも
のは、大揚程となるため油圧シリンダーやシャフトが異
常に長くなり、挫屈に弱くなる。 (2)建物からの曲げ荷重によるシリンダーやシャフト
のたわみから、オイル漏れの危険性がある。 (3)油圧系の故障、特にオイル漏れや管破裂は、油圧
ジャッキの揚力を急激に喪失させ大事故につながる危険
性がある。 (4)大型になるので作動オイルが大量に必要であり、
また、その制御のために大流量のポンプも必要となりコ
スト高である。 (5)建築物の全体または一部を持ち上げるとき、地震
や風による水平力曲げモーメントに対する対抗力に劣
る。
【0007】また、仮設柱を用いた揚重方法では、以下
の問題がある。仮設柱を建築物の外に設置する場合は、
建築物の敷地が狭く仮設柱を設置することができない所
では使用できない。仮設柱を建築物内部に設置する場合
は、仮設柱の高さが揚程以上必要であることから、建築
物の床等に仮設柱を通すためのダメ穴が必要となり、ダ
メ穴の位置や、後処理などの施工のための設計が別途必
要となる。さらに仮設柱設置の設計や施工工事が必要で
ある、などの問題があった。
【0008】そこで本発明は、上記従来工法の問題点を
解決し、大きな揚程が得られ且つ安全性・作業性に優
れ、しかも低コストで施工が可能な建築物施工用サヤ管
ジャッキ、サヤ管セット、サヤ管ユニット及びサヤ管モ
ジュール、並びにこれを用いた多層階建築物建設方法お
よび解体方法の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0010】第1の発明は、重量物を揚重するために一
端が閉じられた揚重管と、該揚重管をその内部から持ち
上げる揚重シリンダーと、該揚重シリンダーの下部で接
続され揚重シリンダーの重量を支え揚重シリンダーの動
作と一体化して前記揚重管内部を上昇下降するベース管
と、前記揚重管を納めるサヤ管とからなり、該サヤ管の
外側に上ロックピンと下ロックピンを有し、該上ロック
ピンはサヤ管と揚重管に空けられた穴を、該下ロックピ
ンはサヤ管と揚重管とベース管に空けられた穴をそれぞ
れ貫通して独立にロックの締結および解除ができる機構
を有し、該機構と揚重シリンダーを使用してサヤ管に沿
って揚重管を尺取り式に上昇下降させることを特徴とす
る建築物施工用サヤ管ジャッキに関する。
【0011】第2の発明は、第1の発明の建築物施工用
ジャッキの2基を、互いに動作方向の逆方向にサヤ管部
分で結合し、その一方を上方向に、他方を下方向に動作
させて動作距離を延長したことを特徴とする建築物施工
用サヤ管セットに関する。
【0012】第3の発明は、第1又は第2の発明の建築
物施工用サヤ管ジャッキ又はサヤ管セットの複数個が揚
重中にぐらつかないようにフレーム部材で結合されたサ
ヤ管ユニットと、建設作業中の階層の荷重を前記サヤ管
ユニットに伝える部材と揚重中に建築物がずれないよう
に柱を抑える部材からなる揚重台とからなり、該揚重台
がサヤ管ユニット上に結合されたことを特徴とする建築
物施工用サヤ管モジュールに関する。
【0013】第4の発明は、n階からなる多層階建築物
の施工において、第n階を最初に構築し、これを第3の
発明のサヤ管モジュールを用いてジャッキアップし、そ
の下に第n−1階を構築し、この操作を順次繰り返すこ
とによって建築物を完成することを特徴とする多層階建
築物建設方法に関する。
【0014】第5の発明は、n階からなる多層階建築物
の解体において、第3の発明のサヤ管モジュールを第1
層階に設置して建築物の重量を支え、第1層階を最初に
解体し、これをジャッキダウンし、第2層階を解体し、
この操作を順次繰り返すことによって建築物を解体する
ことを特徴とする多層階建築物解体方法に関する。
【0015】上記本発明のサヤ管モジュールを、建築物
の全体または一部をジャッキアップする工法に適用すれ
ば次のような成果が得られる。 (1)大きな揚程 サヤ管ジャッキ内部にはストロークの短いシリンダーが
用られているが、これを尺取り動作させることによっ
て、建築物を揚重する大揚程を得ることができる。すな
わち、内挿のシリンダ一ではなく、サヤ管と揚重管によ
るストロークがジャッキ全体のストロークとなってい
る。さらに、サヤ管ジャッキを互いに上下逆に結合させ
たサヤ管ユニットとしてジャッキ全体のストロークを長
くして使用することも可能である。 (2)シリンダ一に水平荷重がかからない サヤ管と揚重管で水平荷重を受ける構造となっているた
め、シリンダ一に水平荷重がかからない。このため、シ
リンダ一に挫屈や、建物からの曲げ荷重によるシリンダ
ーやシャフトの「たわみ」によるオイル漏れ等が起こら
ない。 (3)少ない使用油量 ストロークの短いシリンダーを使用し、使用作動オイル
が少量ですむため低コストである。さらに、コストの低
い小流量ポンプでこれを制御することができる。 (4)油圧制御のレスポンス向上 油圧系全体において少量のオイルの使用で済むため、バ
ルブ操作による油圧制御のシリンダ一の動き等の追従性
がよい。 (5)対水平荷重 構造がしっかりしたサヤ管部分に建築物からの水平力や
曲げ荷重を受けさせるため、地震や風による水平力曲げ
モーメントに対する対抗力を十分に得ることができる。 (6)狭い敷地での使用 建築物の周囲に仮設柱を設置する必要がなく、建築物の
敷地が狭くても使用することができる。また、建築物内
部に仮設柱を設置するためのダメ穴などの処理も必要と
しない。当然、仮設柱の特別な設計も必要ない。 (7)設置や撤去の手間がかからない 短いシリンダーを用いたコンパクトな装置となるため、
移動が簡単で、設置や撤去の手間もかからない。 (8)安定した施工 下から持ち上げるタイプの揚重方法なので、センターホ
ールジャッキ等を用いて建築物を吊るすタイプの揚重方
法のようにフラツキなどが無く、より安定した建築物の
施工を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。
【0017】本発明の建築物施工用サヤ管ジャッキを互
いに上下逆に結合させたサヤ管セットの複数個をフレー
ムにて剛結させたサヤ管ユニット1aと揚重台とを結合
させたサヤ管モジュールを、n階からなる多層階建築物
の施工において、第n階を最初に構築し、これをジャッ
キアップし、その下に第n−1階を構築することを順次
繰り返すことによって建築物を完成するジャッキアップ
工法に適用した場合の一実施形態を以下に示す。なお、
実際の建設においては、多数のサヤ管モジュールを用い
て同時に上昇下降動作を行いながら建築物の施工を進め
ていくが、以下の説明では1つのサヤ管モジュールを使
用して、4本の柱を有する建築物を建設する場合を説明
する。
【0018】図1は、本発明のサヤ管モジュールを構成
するサヤ管ユニット1aの説明図であり、図1(a)は
概略平面図、図1(b)は概略側面図である。図1中の
サヤ管ユニット1aは、1対のサヤ管ジャッキ2を上下
逆さまに接続したサヤ管セット4組と、その4組のサヤ
管セットを接続・固定するフレーム3からなる。
【0019】図2は、上記サヤ管ユニット1aに揚重台
4を接続したサヤ管モジュール上に、柱5と梁6を接続
した1階分の構造物を載せた状態を示している。図2
(a)は概略平面図、図2(b)は概略側面図である。
なお、図2(b)には、地上線および基礎柱50も示し
ている。
【0020】図3は、本発明のサヤ管ジャッキの説明図
である。図3(a)は概略側面図、図3(b)はA−A
線断面図、図3(c)はB−B線横断面図である。
【0021】図4は、サヤ管ジャッキの揚重管の上昇に
おける、上下ロックピン26、28を使用しての動作を
順次図示したものである。図4(a)は上下ロックピン
26、28を外し、最も縮んだ状態にしたところ、図4
(b)は揚重シリンダ一24を伸ばして揚重管21を上
昇させ、上ロックピン26をはめたところ、図4(c)
は揚重シリンダー24を縮めてべ一ス管23を上昇さ
せ、下ロックピン28をはめたところ、図4(d)は再
び上ロックピン26を外して揚重シリンダ一24を伸ば
して揚重管21を上昇させたところ、図4(e)は上ロ
ックピン26をはめて下ロックピン28を外し、揚重シ
リンダー24を縮めてベ一ス管23を上昇したところ、
図4(f)は下ロックピン28をはめて上ロックピン2
6を外したところ、図4(g)は揚重管21を上昇さ
せ、再度上ロックピン26をはめたところである。
【0022】図5は、本発明のサヤ管モジュールを1つ
用いて、1スパンのみで構成される建築物(ビル)を4
階分の建築を終え、最後の階(1階)の柱51と梁61
を接続し終えたところを示す。
【0023】本実施形態の建築物施工用サヤ管モジュー
ルは、図2に示すように、建築作業中の階層の柱のすぐ
近傍を支える揚重台4と、建築作業中の階層を揚重台4
ごと揚重するサヤ管ユニット1aとを含む。
【0024】揚重台4は、図2に示すように、建築作業
中の階層の荷重をサヤ管ユニット1aに伝える役割をす
る4本の長い鋼材と、揚重中に建築物が揚重台4からず
れ落ちないように柱をおさえる役割を有する4つ短い鋼
材とからなる。この揚重台4は、サヤ管ユニット1aと
剛結化されるように、その下部をサヤ管モジュール1を
構成するサヤ管ジャッキの揚重管21と接続されてい
る。そして揚重台4は、建築物の柱5の近傍の梁6の下
部を支える。
【0025】このように揚重台4は非常にシンプルな構
造をしているが、このことによって、簡単に揚重台4を
建築物固有の形状にすることができ、様々な建築物を同
一のサヤ管モジュール1で揚重することが可能となる。
【0026】サヤ管ユニット1aは、図1及び図2に示
すように、建築作業中の階層を揚重する4本のサヤ管セ
ット(サヤ管ジャッキ2が2本づつ対になっている)
と、これらのサヤ管ジャッキが揚重中にぐらつくのを防
ぐためにこれらを剛結するフレーム3とからなる。
【0027】サヤ管ジャッキ2は、図3に示すようにそ
の内部に、建築物を揚重するための揚重管21と、その
揚重管21が納まるサヤ管22とを持ち、さらに揚重管
21内部には揚重管21を油圧で持ち上げる揚重シリン
ダ一24と、揚重シリンダー24の下部で接続され、揚
重シリンダー24の下部を支えるべース管23が配置さ
れる。このようなサヤ管ジャッキは、2本を上下逆さま
にしてその側面で互いに接続され、これらの4組をフレ
ーム3で結合し、サヤ管ユニット1aを構成する。サヤ
管22の外側には、上ロックピン26と下ロックピン2
8があり、上ロックピン26はサヤ管22と揚重管21
に空けられた穴を、下ロックピン28はサヤ管22と揚
重管21とベース管23に空けられた穴をそれぞれ貫通
し、ロックする。また、それぞれのピンを動かし、ロッ
クの締結・解除を行えるように上ロックシリンダー25
と下ロックシリンダー27が設けられている。このよう
な上ロックピン26、下ロックピン28、揚重シリンダ
ー24を使用して揚重管21をサヤ管22に沿って尺取
り上昇・下降させることができる。このことによって、
短い油圧シリンダーを揚重シリンダー24として使用
し、大揚程を得ることができ、長い油圧シリンダーに比
べて、使用油量が少なく、シリンダーやシャフトのたわ
みによるオイル漏れや、座屈を起こすことなく、大荷重
を大揚程持ち上げることができる。
【0028】次に、本実施形態のサヤ管ジャッキの動作
について説明する。サヤ管ジャッキが上昇する動作は、
図4(a)〜(g)に従って次のように行われる。 (a)サヤ管ジャッキの最も縮んだ状態である。 (b)先ず、揚重シリンダー24を伸ばして揚重管21
を1段階上昇させ、上ロックピン26でサヤ管22と揚
重管21をロックする。 (c)揚重シリンダー24を縮めてべース管23を1段
階上昇させて、下ロックピン28でベース管23とサヤ
管22をロックする。 (d)上ロックピン26を外して、揚重シリンダー24
を伸ばし、揚重管21をさらに1段階上昇させる。 (e)上ロックピン26で揚重管21とサヤ管22をロ
ックし、下ロックピン28を外して揚重シリンダー24
を縮めベース管23をさらに1段階上昇させる。 (f)下ロックピン28でベース管23とサヤ管22を
ロックし、上ロックピン26を外す。 (g)揚重シリンダー24を伸ばして、揚重管21をさ
らに1段階上昇させ、上ロックピン26で揚重管21と
サヤ管22をロックする。
【0029】これで揚重管21は最も上に上がった状態
になる。また、この(a)〜(g)の一連の動作を逆に
行うことで、サヤ管ジャッキの下降動作を行うことがで
きる。
【0030】次に、本発明のサヤ管モジュールを用いて
建築物を揚重する方法について説明する。
【0031】先ず、図6に示すように、従来の工法によ
って建築物の基礎7、基礎柱50を構築し、次いで基礎
柱50の上に、建築物の最上階部分11並びにその下の
階の柱52及び梁62を構築する。その際、この柱52
と基礎柱50は仮接続としておく。
【0032】続いて、最上階11の下にサヤ管ユニット
1aを配置し、これに揚重台4を接続して、サヤ管モジ
ュールを構成する。この時、揚重台4と建築物の梁62
との間にはまだ隙間がある。
【0033】上記工程の後、サヤ管モジュール1の、下
方に伸びる4本のサヤ管ジャッキを、同期を取りながら
同量ずつ伸ばし、揚重を始める。少し伸びたところで、
揚重台4は最上階の床部分の梁62の柱52のすぐ近傍
にとどき、この部分を支えて最上階を揚重し始める。こ
の時、4本のサヤ管ジャッキは同期を取りながら同量ず
つ伸ばされるため、最上階が傾くことはない。さらに伸
ばして全ストロークを伸ばしきる。
【0034】次に、サヤ管モジュール1の、上方に伸び
る4本のサヤ管ジャッキを伸ばして同様に揚重する。最
上階が揚重しきったとき、最上階(n階)の下の階(n
−1階)の柱52の柱の下に、さらに下階(n−2階)
の柱を接続する。ゆっくりと上側のサヤ管ジャッキを縮
めていき、下階(n−2階)の柱と基礎柱5Oを仮接続
する。さらに縮めていくと、サヤ管モジュール1が受け
ていた荷重はすべて基礎柱50が受けるため、サヤ管モ
ジュール1は荷重がフリーになる。上側と下側のサヤ管
ジャッキをすべて縮めて大きさを最小にする。
【0035】続いて、下階(n−2階)の梁を接続し、
その上の階(n−1階)の構築を完成させる。同様の手
順で、順次n−2階、n−3階を構築していき、最後に
1階部の柱51を基礎柱50と接続した後に、サヤ管モ
ジュールを移動して撤去し、1階部を構築して建築物を
完成する。
【0036】本実施形態では、1つのサヤ管モジュール
を使用して、4本の柱のある建築物の施工について説明
しているが、さらに多くの柱を持つ建築物の施工におい
て、複数のサヤ管モジュールを用いた施工を行うことも
可能である。
【0037】また、本実施形態では、揚重台を4本の長
い鋼材と4本の短い鋼材で構成しているが、この形状を
建築物にあわせて変更することで、種々の構造を有する
建築物の揚重にサヤ管モジュールを適用することができ
る。その際、揚重台のみを変更するだけでサヤ管ユニッ
ト1aは同一のものが使用できる。
【0038】本実施形態では、n階からなる多層階建築
物の施工において、第n階を最初に構築してこれをジャ
ッキアップし、その下に第n−1階を構築することを順
次繰り返すことによって建築物を完成するジャッキアッ
プ工法でのサヤ管モジュールの使用を説明しているが、
このような作業に限らず重量物を揚重する作業であれ
ば、揚重台を適切な構造とすることにより種々の揚重作
業に適用することができる。
【0039】さらに、本実施形態は、サヤ管モジュール
を建築物の施工に対して使用した場合であるが、この施
工の手順を逆に行うことによって、建築物の解体を、ク
レーンを使用せず高所作業を行わずに実施することがで
きる。
【0040】すなわち、まず、既存の多層階建築物の1
階部分の外壁、内壁、2階部分の床を取り除き、柱、梁
をむき出しにした後、サヤ管モジュールを設置し、建築
物の荷重をかける。次に、柱、梁を1階分切断して取り
除き、ジャッキダウンしてその柱の下端を基礎柱と仮接
続する。これを順次繰り返すことにより、多層建築物の
解体を行うことができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、前述のとおり、以下の効果が得られる。 (1)大きな揚程が得られる。(2)油圧シリンダ一に
水平荷重がかからないため、シリンダーの座屈、シリン
ダーやシャフトのたわみからのオイル漏れ等が起きず、
安全性が高い。(3)使用油量が少ないため低コストで
ある。(4)油圧制御のレスポンスに優れる。(5)水
平荷重(水平力曲げモーメント)に対して抵抗力があ
り、地震や風に強い。(6)狭い敷地でも使用できる。
(7)設置や撤去に手間がかからない。(8)フラツキ
のない安定した施工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサヤ管モジュールを構成するサヤ管ユ
ニットの説明図である。
【図2】本発明のサヤ管モジュール上に、柱と梁とを接
続した1階分の構造物を載せた状態の説明図である。
【図3】本発明のサヤ管ジャッキの構造説明図である。
【図4】本発明のサヤ管ジャッキの動作説明図である。
【図5】本発明のサヤ管モジュールを1つ用いた場合の
建築物の施工の説明図である。
【図6】最上階を構築後、本発明のサヤ管モジュールを
設置した状態の説明図である。
【符号の説明】
1 サヤ管モジュール 1a サヤ管ユニット 2 サヤ管ジャッキ 3 フレーム 4 揚重台 5 柱 6 梁 7 基礎 8 2階 9 3階 10 4階 11 最上階 21 揚重管 22 サヤ管 23 ベース管 24 揚重シリンダー 25 上ロックシリンダー 26 上ロックピン 27 下ロックシリンダー 28 下ロックピン 50 基礎柱 51 1階の柱 52 最上階の1つ下の階の柱 61 1階の梁 62 最上階の1つ下の階の梁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 良治 東京都新宿区市ヶ谷田町2−35 大日本土 木株式会社内 (72)発明者 熊田 誠謙 東京都新宿区市ヶ谷田町2−35 大日本土 木株式会社内 (72)発明者 山川 績 東京都新宿区市ヶ谷田町2−35 大日本土 木株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量物を揚重するために一端が閉じられ
    た揚重管と、該揚重管をその内部から持ち上げる揚重シ
    リンダーと、該揚重シリンダーの下部で接続され揚重シ
    リンダーの重量を支え揚重シリンダーの動作と一体化し
    て前記揚重管内部を上昇下降するベース管と、前記揚重
    管を納めるサヤ管とからなり、該サヤ管の外側に上ロッ
    クピンと下ロックピンを有し、該上ロックピンはサヤ管
    と揚重管に空けられた穴を、該下ロックピンはサヤ管と
    揚重管とベース管に空けられた穴をそれぞれ貫通して独
    立にロックの締結および解除ができる機構を有し、該機
    構と揚重シリンダーを使用してサヤ管に沿って揚重管を
    尺取り式に上昇下降させることを特徴とする建築物施工
    用サヤ管ジャッキ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建築物施工用ジャッキの
    2基を、互いに動作方向の逆方向にサヤ管部分で結合
    し、その一方を上方向に、他方を下方向に動作させて動
    作距離を延長したことを特徴とする建築物施工用サヤ管
    セット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の建築物施工用サヤ
    管ジャッキ又はサヤ管セットの複数個が揚重中にぐらつ
    かないようにフレーム部材で結合されたサヤ管ユニット
    と、建設作業中の階層の荷重を前記サヤ管ユニットに伝
    える部材および揚重中に建築物がずれないように柱を抑
    える部材からなる揚重台とからなり、該揚重台がサヤ管
    ユニット上に結合されたことを特徴とする建築物施工用
    サヤ管モジュール。
  4. 【請求項4】 n階からなる多層階建築物の施工におい
    て、第n階を最初に構築し、これを請求項3記載のサヤ
    管モジュールを用いてジャッキアップし、その下に第n
    −1階を構築し、この操作を順次繰り返すことによって
    建築物を完成することを特徴とする多層階建築物建設方
    法。
  5. 【請求項5】 n階からなる多層階建築物の解体におい
    て、請求項3記載のサヤ管モジュールを第1層階に設置
    して建築物の重量を支え、第1層階を最初に解体し、こ
    れをジャッキダウンし、第2層階を解体し、この操作を
    順次繰り返すことによって建築物を解体することを特徴
    とする多層階建築物解体方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106927385A (zh) * 2017-03-13 2017-07-07 南京航空航天大学 一种可调式双导轨气动升降机构
CN110422793A (zh) * 2019-08-09 2019-11-08 东莞市鑫峰建筑机械有限公司 液压升降组件及液压顶升设备

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