JPH1094871A - ろう付用組成物の塗布方法及びその装置 - Google Patents

ろう付用組成物の塗布方法及びその装置

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JPH1094871A
JPH1094871A JP26911096A JP26911096A JPH1094871A JP H1094871 A JPH1094871 A JP H1094871A JP 26911096 A JP26911096 A JP 26911096A JP 26911096 A JP26911096 A JP 26911096A JP H1094871 A JPH1094871 A JP H1094871A
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Haruo Sugiyama
治男 杉山
Toshihiro Suzuki
敏弘 鈴木
Yasuhiko Tanaka
庸彦 田中
Akinori Ogasawara
明徳 小笠原
Yasuaki Hamanoya
保明 浜野谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラリー化されたろう付用組成物の垂れむら
や筋の発生を抑制し、簡便な工程及び設備によって被塗
布体に均一にろう付用組成物を塗布すること。 【解決手段】 バインダーを溶解したアルコール溶液中
にろう付用金属粉末とろう付用フラックスの混合粉末を
添加したろう付用組成物のスラリー15を収容する浸漬
槽13内に、被塗布体としての押出偏平管4を案内して
スラリー15に浸漬した後、浸漬槽13から略垂直に引
上げ、引上げ途中において押出偏平管4に接触する液切
り手段のローラ21によって余分なスラリーを掻き取
る。また、浸漬槽13から引上げられた押出偏平管4に
塗布されたスラリー15を乾燥手段18によって乾燥す
ると共に、焼付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ろう付用組成物
の塗布方法及びその装置に関するもので、更に詳細に
は、例えばアルミニウム合金製の熱交換器におけるフィ
ンと熱交換管等のろう付に使用されるろう付用組成物の
塗布方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム合金製フィンとア
ルミニウム合金製熱交換管とをろう付したアルミニウム
合金製熱交換器が広く使用されており、また、熱交換効
率の向上を図るために、熱交換管をアルミニウム合金製
押出形材にて形成される押出偏平管を採用している。
【0003】このように構成される熱交換器を作製する
ために、従来では被塗布体例えば熱交換器用押出偏平管
の表面にろう付接合を行うための金属粉末を塗布する方
法として、金属粉末を水又は溶剤及びバインダーを用い
てスラリーとし、それをスプレーガンで吹付けて塗布す
る方法が一般的に行われている。また、他の塗布方法と
しては、ブラシ塗り塗布方法あるいはスクリーン印刷等
の塗布方法も知られている。
【0004】しかしながら、スプレーガンを用いて塗布
する方法は、スプレーガンを被塗布体の表面に移動させ
て塗布するため塗布効率が悪く、しかもスプレーガンの
目詰まりが生じるという問題があった。また、ブラシ塗
り塗布方法あるいはスクリーン印刷等の塗布方法におい
ては、連続的に塗布するには不向きであるという問題が
あった。
【0005】また、揮発性の溶剤は有機溶媒のため毒性
が高いので、使用に慎重を期する必要があり、余り使用
されていない。また、この揮発性の溶剤を使用する以外
には、押出偏平管を予熱する必要がある。この予熱温度
が低いと、焼付けできないためにスラリーの垂れが発生
してしまい、逆に高過ぎると、付着物のはじきが起こり
塗布が困難となるという問題がある。したがって、被塗
布体の厳しい温度管理が要求されると共に、設備も複雑
かつ大型になるという問題がある。
【0006】そこで、この問題を解決するために発明者
等は鋭意研究した結果、バインダーを溶解した溶剤例え
ばアルコール溶液中にろう付用金属粉末とろう付用フラ
ックスの混合粉末を添加したろう付用組成物のスラリー
中に、被塗布体を浸漬し、略垂直に引上げて被塗布体の
表面にろう付用組成物を塗布するろう付用組成物の塗布
方法及びその装置を開発した(特願平7−256884
号)。この塗布技術によれば、簡便な工程及び設備によ
って被塗布体に均一にろう付用組成物を塗布することが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この種の塗布方法においては、上記スラリーに浸漬し
た被塗布体を引上げるときに付着したスラリーの垂れが
時々生じ、この“垂れむら”によって被塗布体の平面部
の付着状態が局部的に不均一になるという問題がある。
【0008】引上げられた被塗布体を乾燥、焼付けし
た後、被塗布体の平面部両端にフラックスの多く付着し
た“筋”が連続的に生じる虞れがある。そのため、被塗
布体例えば偏平状熱交換管の両端にフラックスの“筋”
が連続的に生じると、熱交換管をヘッダパイプにろう付
するときに、ヘッダパイプからの溶融ろうの通り道にな
り、顕著なエロージョン(溶融)が発生するという問題
がある。
【0009】塗布処理の効率を上げるために塗布速度
(引上げ速度)を上げると、スラリーの付着量が多くな
ると共に、乾燥、焼付け時にアルコールが沸騰するた
め、速度を上げることができないという問題がある。ま
た、フラックス付着量を目標範囲内に入れるには、スラ
リー濃度を低くすることが必要であり、そのためには溶
剤であるアルコールの量を多くする必要があり、コスト
が嵩むという問題がある。更には、蒸発するアルコール
の量も多くなるので、環境の悪化をきたすという問題も
ある。
【0010】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、付着スラリーの“垂れむら”及び“筋”の発生を抑
制し、かつ簡便な工程及び設備によって被塗布体に均一
にろう付用組成物を塗布できるようにしたろう付用組成
物の塗布方法及びその装置を提供することを目的とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のろう付用組成物の塗布方法は、バイ
ンダーを溶解した溶剤中にろう付用金属粉末とろう付用
フラックスの混合粉末を添加したろう付用組成物のスラ
リー中に、被塗布体を浸漬する工程と、 上記被塗布体
を略垂直に引上げる工程と、上記被塗布体に液切り手段
を接触させて余剰に付着するスラリーを除去する工程
と、を有することを特徴とする。
【0012】請求項2記載のろう付用組成物の塗布方法
は、バインダーを溶解した溶剤中にろう付用金属粉末と
ろう付用フラックスの混合粉末を添加したろう付用組成
物のスラリー中に、被塗布体を浸漬する工程と、 上記
被塗布体を略垂直に引上げる工程と、上記被塗布体に液
切り手段を接触させて余剰に付着するスラリーを除去す
る工程と、 その後の引上げ途中に、上記スラリーの焼
付けを行う工程と、を有することを特徴とする。
【0013】請求項3記載のろう付用組成物の塗布装置
は、バインダーを溶解した溶剤中にろう付用金属粉末と
ろう付用フラックスの混合粉末を添加したろう付用組成
物のスラリーを収容する浸漬槽と、 上記浸漬槽内に、
被塗布体を案内すると共に、浸漬槽から略垂直に引上げ
る被塗布体搬送手段と、 引き上げ途中に、上記被塗布
体に接触して余剰スラリーを除去する液切り手段と、を
具備することを特徴とする。
【0014】請求項4記載のろう付用組成物の塗布装置
は、バインダーを溶解した溶剤中にろう付用金属粉末と
ろう付用フラックスの混合粉末を添加したろう付用組成
物のスラリーを収容する浸漬槽と、 上記浸漬槽内に、
被塗布体を案内すると共に、浸漬槽から略垂直に引上げ
る被塗布体搬送手段と、 引き上げ途中に、上記被塗布
体に接触して余剰スラリーを除去する液切り手段と、
上記浸漬槽から引上げられた上記被塗布体に塗布された
上記スラリーの焼付けを行う乾燥手段と、を具備するこ
とを特徴とする。
【0015】この発明のろう付用組成物の塗布装置にお
いて、上記液切り手段は引上げ途中に配設されて被塗布
体に接触し、被塗布体に付着するスラリーを掻き取るも
のであれば任意のものでよいが、好ましくは液切り手段
を、上記被塗布体の引上げに伴なって回転するローラに
て形成する方がよい(請求項5)。この場合、上記ロー
ラと上記被塗布体との接触は、被塗布体の少なくとも平
面部両端とする方が好ましい(請求項6)。また、上記
ローラが上記被塗布体と接触する平面部両端との中間
に、例えば被塗布体と1mm以下の間隙を設けるか(請
求項7)、あるいは、複数の凹凸溝を設ける(請求項
8)ことにより“垂れむら”が解消できる点で好まし
い。
【0016】この発明によれば、バインダーを溶解した
溶剤中にろう付用金属粉末とろう付用フラックスの混合
粉末を添加したろう付用組成物のスラリー中に、被塗布
体を浸漬した後、被塗布体に液切り手段を接触させて被
塗布体を略垂直に引上げることにより、被塗布体に付着
される余分なスラリーを液切り手段によって掻き取りに
よって除去することができるので、被塗布体表面に付着
するスラーの“垂れむら”や“筋”を抑制して被塗布体
の表面に均一にろう付用組成物を塗布することができる
(請求項1,3,5〜8)。また、引上げられた被塗布
体に塗布されたスラリーを乾燥手段等で焼付けることに
より、ろう付用組成物の均一塗布を維持することができ
る(請求項2,4,5〜8)。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて詳述する。ここでは、この発明をアル
ミニウム合金製熱交換器に適用した場合について説明す
る。
【0018】上記熱交換器は、熱媒体の流入口1又は流
出口2を有する一対の対峙するヘッダ管3と、互いに平
行に配列されてヘッダ管3に連通する熱交換管としての
複数の押出偏平管4と、押出偏平管4の間に配設される
コルゲートフィン5とで構成されている。このように構
成される熱交換器において、ヘッダ管3と押出偏平管4
はアルミニウム合金製押出形材にて形成され、コルゲー
トフィン5はアルミニウム合金製板材を蛇行状に屈曲形
成してなり、そして、これらヘッダ管3、押出偏平管4
及びコルゲートフィン5を一体ろう付して熱交換器が構
成されている。
【0019】例えば上記押出偏平管4とコルゲートフィ
ン5とをろう付するには、図2に示すこの発明に係る塗
布装置を用いて例えば押出偏平管4の表面にろう付用組
成物(図示せず)を塗布して、コルゲートフィン5をろ
う付することができる。
【0020】上記塗布装置は、一側の中間部に被塗布体
すなわち押出偏平管4の搬入口11を有し、他側の上部
側に搬出口12を有する容器からなる装置本体10と、
この装置本体の下部に設けられる浸漬槽13と、浸漬槽
13内に押出偏平管4を案内すると共に、浸漬槽13か
ら略垂直に引上げる被塗布体搬送手段14と、引上げ途
中の押出偏平管4の両平坦面に接触して押出偏平管4に
付着する余分なスラリーを除去する液切り手段20と、
引上げられた押出偏平管4の表面に付着するスラリー1
5を乾燥すると共に、焼付ける乾燥手段18とを具備し
てなる。
【0021】この場合、上記浸漬槽13内には、バイン
ダーを溶解したアルコール溶液中にろう付用金属粉末と
ろう付用フラックスの混合粉末を添加したろう付用組成
物のスラリー15が収容されており、撹拌器16によっ
て濃度等が均一に維持されている。
【0022】上記被塗布体搬送手段14は、搬入口11
付近に位置してコイル状に卷回された押出偏平管4の供
給部17から引出された押出偏平管4を浸漬槽13内に
案内する第1のガイドローラ14aと、浸漬槽13内に
位置して浸漬槽13内に供給された押出偏平管4を上方
へ案内する第2のガイドローラ14bと、浸漬槽13か
ら略垂直に引上げられた押出偏平管4を略水平方向に案
内する第3のガイドローラ14cとで構成されている。
【0023】上記乾燥手段18は、浸漬槽13の上方に
位置して押出偏平管4の両面を乾燥・焼付けする一対の
乾燥器18aにて形成されており、浸漬槽13から略垂
直に引上げられた押出偏平管4に塗布(付着)されたス
ラリー15の過剰分が液切り手段20によって除去され
て、平衡状態になった時点でスラリー(ろう付用組成
物)の焼付けを行うように構成されている。
【0024】一方、上記液切り手段20は、図2及び図
3に示すように、押出偏平管4の両平坦面に接触して押
出偏平管4の引上げに伴なって回転する一対の例えばス
チール製のローラ21にて形成されている。このよう
に、押出偏平管4の両平坦面に一対のローラ21を接触
させ、押出偏平管4の引上げに伴なってローラ21を回
転することにより、押出偏平管4の表面に付着されたス
ラリーの余分な量を掻き取って除去することができ、押
出偏平管4の表面に“垂れむら”や“筋”が生じるのを
抑制することができる。なおこの場合、ローラ21は、
図4(a)に示すように、表面にクロームメッキ22を
施したもの、あるいは、図4(b)に示すように、表面
にバフ23を張り付けたものなどを使用することができ
る。
【0025】また、別のローラとして、図5(a)に示
すように、押出偏平管4の両端部に接触し、その中間に
間隙25を有する段付きローラ21A、あるいは、図5
(b)に示すように、押出偏平管4の全面に接触し、中
間に複数の凹凸溝29を設けた溝付きローラ21Bを使
用することができる。
【0026】ローラ形状の詳細は、例えば押出偏平管4
の幅19mm,厚さ2mm(平面部の幅17mm)のも
のである場合において、図5(a)に示した段付きロー
ラ21Aでは、押出偏平管4と接触する上段24の幅が
3mm,その間の間隙25の幅が11mm,深さ0.2
mmで、両上段24の外側には半径1.5mmで立上が
っている高さ0.8mm,幅2mmの凸部26と深さ4
mm,幅5mmの凹溝27が形成されている。このよう
に、段付きローラ21Aの両上段24と押出偏平管4の
両端部とを接触させることにより、押出偏平管4の平面
部両端に生じる“筋”を軽減することができる。なお、
段付きローラ21Aと押出偏平管との接触長さは特に規
制するものではないが、発生する“筋”の幅は2mm以
下であることから、2mm以上にしておけばよい。ここ
で、段付きローラ29Aと押出偏平管4との間隙25を
0.2mmとしたが、隙間25は1mm以下であればよ
い。その理由は、間隙25が1mm以上広くなると、押
出偏平管4に付着しているスラリーが段付ローラ29A
に接触しなくなってローラによる液切り効果がなくなる
ためである。この隙間25の下限は特に規定しないが、
間隙25が小さくなる程、液切れ後のスラリー付着量が
少なくなることから、間隙25は0.01mm以上であ
る方が好ましい。この値は塗布速度やスラリー濃度に応
じて、必要な塗布量が得られるように適宜選択すること
ができる。
【0027】また、図5(b)に示した溝付きローラ2
1Bでは、例えば押出偏平管4と接触する接触部28の
全面に幅0.3mm,深さ0.2mmのV字型の溝29
が1mm間隔で回転方向に対して約45度のクロスハッ
チング状に形成されている。また、接触部28の外側に
は角度約45度で立上がっている高さ0.8mm,幅2
mmの凸部26と、深さ4mm,幅5mmの凹溝27が
形成されている。この場合、凹凸溝29は回転方向に対
して約45度のクロスハッチ状に形成されているが、必
しもこのような形状である必要はなく、例えば回転方向
と平行であってもよい。また、凹凸溝29の断面形状
は、例えば矩形,U字型あるいはV字型等任意の形状の
ものが適用できる。また、溝が連続していない微細なピ
ット(窪み)の集合体や、それとは逆の微細な凸部の集
合体でも構わない。この溝付きローラの場合、被塗布体
である押出偏平管4の平面部の両端と接触するロール面
に上記凹凸溝29があっても、溝の幅が1mm以下であ
れば“筋”の発生は抑制できるので構わない。上記凹凸
溝29の数は特に規定しないが、凹凸溝29の総断面積
が小さくなるほど、液切れ後のスラリー付着量が少なく
なることから、ローラ長さ1cm当りの凹凸溝29の総
断面積は0.05〜5mm2の範囲にあることが望まし
い。この値は塗布速度やスラリー濃度に応じて、必要な
塗布量が得られるように適宜選択することができる。
【0028】上記のように、押出偏平管4の平面部に段
付きローラ21Aの上段24又は溝付きローラ21Bの
凹凸溝29を接触させて、押出偏平管4の引上げに伴な
って段付きローラ21A又は溝付きローラ21Bを回転
させることにより、間隙25又は凹凸溝29内に余分な
付着スラリーを取り込むことができるので、平坦状のロ
ーラ21より更にスラリーの付着量の調整すなわち目標
範囲内の付着量の制御を行うことができる。
【0029】次に、この発明のろう付用組成物の塗布方
法について説明する。まず、バインダーを溶解した溶剤
例えばアルコール溶液中にろう付金属粉末とろう付用フ
ラックスの混合粉末を添加したスラリー15を作成し、
浸漬槽13内に収容する。次に、予めコイル状に卷回さ
れた被塗布体すなわち押出偏平管4のコイル体から引出
された押出偏平管4を装置本体10の搬入口11から第
1のガイドローラ14aを介して浸漬槽13内に浸漬し
た後、第2のガイドローラ14bによって略垂直方向に
引上げる。この引上げ時に押出偏平管4の両平面部に接
触するローラ21,21A,21Bが押出偏平管4の引
上げに伴なって回転して過剰の付着スラリーは掻き取ら
れて除去され、押出偏平管4に付着するスラリーの“垂
れむら”や“筋”が抑制される。その後、乾燥手段18
によって乾燥すると共に焼付けを行う。そして、第3の
ガイドローラ14cによって押出偏平管4は垂直状態か
ら水平状態に姿勢変換された後、搬出口12から取り出
し、矯正によって整直すると共に、所定の長さに切断す
る。
【0030】したがって、上記実施形態の塗布方法によ
れば、押出偏平管4を完全に浸漬させてしまうため、表
面全域がスラリー15に覆われることにより押出偏平管
表面全面がむらなく均一に塗布することができる。ま
た、垂直に引上げると共に、一対のローラ21,21
A,21Bによって余分なスラリーを掻き取って除去す
ることにより、表裏面における付着量の差が発生するこ
とがなく、しかも、“垂れむら”や“筋”の発生を抑制
することができるので、塗布効率の向上を図ることがで
きる。
【0031】また、ろう付用組成物の付着量を変化させ
るには、スラリー15中の金属粉末とフラックス混合粉
末の添加濃度を変えることにより、容易に付着量を変え
ることができる。また、上記塗布方法によれば、押出偏
平管4を連続的に供給(浸漬)して、その表面に連続的
にろう付用組成物を塗布することができる。また、上記
塗布装置によれば、従来のスプレー塗布装置に比べ塗装
設備の簡素化及び低廉化を図ることができる。
【0032】なお、上記実施形態では、被塗布体がアル
ミニウム合金製の押出偏平管4である場合について説明
したが、押出偏平管4以外のアルミニウム合金製部材に
おいても同様にろう付用組成物を塗布することができる
ことは勿論である。
【0033】この発明で用いるろう付用組成物はろう付
用金属粉末と非腐食性フラックスの混合粉末とからな
り、上記金属粉末としては、アルミニウム合金製押出偏
平管表層と合金化して溶融し、ろうを形成するSi粉末
若しくはZn粉末,Cu粉末又はこれらを主体とした合
金粉末やこれら粉末の混合物が使用できる。また、粉末
自体が溶融してろうとなるAl−Si系合金粉末やAl
−Zn系合金粉末も適用できる。これらのものの粉末の
寸法は平均で50μm以下で、好ましくは平均で1〜3
0μmである。上記非腐食性フラックスは、LiF,N
aF,KF,CaF2,AlF3,SiF4等のフッ化物
の粉末混合物、若しくはこれらを溶融後粉末としたも
の、あるいは上記フッ化物の錯化合物、例えばKAlF
4,K2AlF5(K2AlF5・H2O),K3AlF6,K
2SiF6等の単味若しくは混合物又はこれらを溶融後粉
末としたもの等であって、このようなフッ化物系のフラ
ックスはい何れのものもアルミニウムに対して塩化物の
如き腐食性を持たない。また、これらのものの粉末の寸
法は平均で0.1〜30μm程度のもので、好ましくは
平均で1〜10μmである。
【0034】上記ろう付用組成物を懸濁する溶剤として
は、例えばイソプロピルアルコールが、ろう付用組成物
を押出偏平管表面に固着させるバインダーとしては、例
えば熱可塑性アクリル樹脂が、それぞれ良好な実施形態
として用いられる。
【0035】
【実施例】次に、この発明のろう付用組成物の塗布方法
を、液切り手段を設けない場合と、種類の異なる液切り
手段すなわちローラを用いた場合の塗布状態の影響を調
べるための実験について説明する。
【0036】 ◎実験条件 ★ろう付用組成物(スラリー15) ・溶剤 ;イソプロピルアルコール(IPA) 添加濃度59.5% ・バインダー;熱可塑性アクリル樹脂バインダー 商品名:PARALOID B−67 {Rohm and Hass Company製} 添加濃度10.2% ・金属粉末及びフラックス;金属Si:フラックス=1:2 添加濃度;30.4% ★被塗布体;押出偏平管{幅:19mm、厚さ2mm} ★塗布速度;2400mm/min ★ローラ; 表面にクロームメッキ22を施した平面ローラ(図6(a)) 表面に0.2mmの間隙25Aを有する段付きローラ(図6(b)) 表面に1.0mmの間隙25Bを有する段付きローラ(図6(c)) 表面に1.3mmの間隙25Cを有する段付きローラ(図6(d)) 表面にクロスハッチ状のV字型凹凸溝29Aを有する溝付きローラ(図6 (e)) 表面に回転方向と平行の矩形型凹凸溝29Bを有する溝付きローラ(図6 (f))。
【0037】上記条件のスラリー15中に押出偏平管4
を浸漬した後、略垂直方向に引上げ、ローラ無しの場
合、クロームメッキを施した平面ローラ、バフを張り付
けた平面ローラ,段付きローラ及び溝付きローラの場合
の垂れむら、両端の筋、スラリーの付着量についてそれ
ぞれ調べたところ、表1に示すような結果が得られた。
【0038】
【表1】
【0039】上記実験の結果、ローラ無しの場合は、ス
ラリーの付着量は目標範囲内に納めることができたが、
スラリーの垂れむらが生じ、また押出偏平管の両端に
“筋”が顕著に現われた。これに対し、クロームメッキ
を施した平面ローラにおいては、付着量が目標範囲より
少なかったが、“垂れむら”と両端の“筋”の発生はな
かった。また、間隙0.2mm及び間隙1.0mmの段
付きローラ又は溝付きローラを用いた場合には、スラリ
ーの付着量を目標範囲内にすることができ、かつ、“垂
れむら”及び両端の“筋”の発生が生じることがなかっ
た。間隙1.3mmの段付きローラでは両端の“筋”の
発生はなかったが、中央部にスラリーの垂れむらが生じ
た。
【0040】したがって、ローラ無しの場合に比べロー
ラを用いる方がスラリーの塗布を均一にすることができ
ることが判り、更に、間隙1mm以下の段付きローラ又
は溝付きローラを用いることにより、スラリーの塗布の
均一が図れるともに、スラリーの塗布量を目標範囲内に
することができることが判った。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、以下のような優れた効果が得られる。
【0042】1)請求項1、3、5ないし8記載の発明
によれば、バインダーを溶解した溶剤中にろう付用金属
粉末とろう付用フラックスの混合粉末を添加したろう付
用組成物のスラリー中に、被塗布体を浸漬した後、被塗
布体に液きり手段を接触させて被塗布体を略垂直に引上
げることにより、被塗布体に付着される余分なスラリー
を液切り手段によって除去することができるので、被塗
布体表面に付着するスラーの“垂れむら”や“筋”を抑
制して被塗布体の表面に均一にろう付用組成物を塗布す
ることができる。
【0043】2)請求項2及び4ないし8記載の発明に
よれば、引上げられた被塗布体に塗布されたスラリーを
乾燥手段等で焼付けることにより、上記1)に加えてろ
う付用組成物の均一塗布を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のろう付方法によりろう付された熱交
換器の一例を示す概略斜視図である。
【図2】この発明の塗布装置の一例を示す概略断面図で
ある。
【図3】被塗布体をスラリーから垂直に引上げてローラ
に接触させた状態を示す概略斜視図である。
【図4】この発明におけるローラの別の実施形態を示す
概略断面図である。
【図5】この発明におけるローラの更に別の実施形態を
示す一部断面側面図で、図5(a)は段付きローラの一
部断面側面図、図5(b)は溝付きローラの一部断面側
面図ある。
【図6】この発明における別のローラと被塗布体との接
触状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
4 押出偏平管(被塗布体) 6 ろう付用組成物 13 浸漬槽 14 被塗布体搬送手段 15 スラリー 18 乾燥手段 20 液切り手段 21,21A,21B ローラ 25 間隙 29 凹凸溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 敏弘 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161 日本軽金属 株式会社蒲原熱交製品工場内 (72)発明者 田中 庸彦 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161 日本軽金属 株式会社蒲原熱交製品工場内 (72)発明者 小笠原 明徳 東京都品川区東品川2丁目2番20号 日本 軽金属株式会社内 (72)発明者 浜野谷 保明 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161 日本軽金属 株式会社蒲原熱交製品工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダーを溶解した溶剤中にろう付用
    金属粉末とろう付用フラックスの混合粉末を添加したろ
    う付用組成物のスラリー中に、被塗布体を浸漬する工程
    と、 上記被塗布体を略垂直に引上げる工程と、 上記被塗布体に液切り手段を接触させて余剰に付着する
    スラリーを除去する工程と、を有することを特徴とする
    ろう付用組成物の塗布方法。
  2. 【請求項2】 バインダーを溶解した溶剤中にろう付用
    金属粉末とろう付用フラックスの混合粉末を添加したろ
    う付用組成物のスラリー中に、被塗布体を浸漬する工程
    と、 上記被塗布体を略垂直に引上げる工程と、 上記被塗布体に液切り手段を接触させて余剰に付着する
    スラリーを除去する工程と、 その後の引上げ途中に、上記スラリーの焼付けを行う工
    程と、を有することを特徴とするろう付用組成物の塗布
    方法。
  3. 【請求項3】 バインダーを溶解した溶剤中にろう付用
    金属粉末とろう付用フラックスの混合粉末を添加したろ
    う付用組成物のスラリーを収容する浸漬槽と、 上記浸漬槽内に、被塗布体を案内すると共に、浸漬槽か
    ら略垂直に引上げる被塗布体搬送手段と、 引き上げ途中に、上記被塗布体に接触して余剰スラリー
    を除去する液切り手段と、を具備することを特徴とする
    ろう付用組成物の塗布装置。
  4. 【請求項4】 バインダーを溶解した溶剤中にろう付用
    金属粉末とろう付用フラックスの混合粉末を添加したろ
    う付用組成物のスラリーを収容する浸漬槽と、 上記浸漬槽内に、被塗布体を案内すると共に、浸漬槽か
    ら略垂直に引上げる被塗布体搬送手段と、 引き上げ途中に、上記被塗布体に接触して余剰スラリー
    を除去する液切り手段と、 上記浸漬槽から引上げられた上記被塗布体に塗布された
    上記スラリーの焼付けを行う乾燥手段と、を具備するこ
    とを特徴とするろう付用組成物の塗布装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載のろう付用組成物の
    塗布装置において、 上記液切り手段が、上記被塗布体の引上げに伴なって回
    転するローラであることを特徴とするろう付用組成物の
    塗布装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のろう付用組成物の塗布装
    置において、 上記ローラが、上記被塗布体の少なくとも平面部両端と
    接触して回転することを特徴とするろう付用組成物の塗
    布装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のろう付用組成物の塗布装
    置において、 上記ローラが、上記被塗布体と接触する平面部両端との
    中間に、被塗布体と1mm以下の間隙を有することを特
    徴とするろう付用組成物の塗布装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のろう付用組成物の塗布装
    置において、 上記ローラが、上記被塗布体と接触する平面部両端との
    中間に、複数の凹凸溝を有することを特徴とするろう付
    用組成物の塗布装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001129626A (ja) * 1999-10-29 2001-05-15 Showa Alum Corp 定尺偏平管の製造装置
EP2123386A1 (en) 2003-10-20 2009-11-25 Furukawa-Sky Aluminum Corporation A resin coated aluminium flat multi cavity tube with adjusted roughness ; Method of producing such flat tube
US7722922B2 (en) * 2003-10-20 2010-05-25 Furukawa-Sky Aluminum Corp. Coating apparatus for an aluminum alloy heat exchanger member, method of producing a heat exchanger member, and aluminum alloy heat exchanger member

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