JPH1093647A - 直流オフセット除去機能を備えた受信機およびこれを用いた通信システム - Google Patents

直流オフセット除去機能を備えた受信機およびこれを用いた通信システム

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JPH1093647A
JPH1093647A JP9166272A JP16627297A JPH1093647A JP H1093647 A JPH1093647 A JP H1093647A JP 9166272 A JP9166272 A JP 9166272A JP 16627297 A JP16627297 A JP 16627297A JP H1093647 A JPH1093647 A JP H1093647A
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Akira Yasuda
田 彰 安
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本 洋 谷
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アナログ信号処理部で発生するDCオフセッ
トがじかんと共に変動しても、正確にDCオフセットの
除去を行う。 【解決手段】 受信部で受信された無線周波数信号をア
ナログ信号処理部10か増幅・帯域変換・周波数変換処
理し、その出力をAD変換部3がアナログ信号からディ
ジタル信号に変換し、変換されたディジタル信号をディ
ジタル信号処理部40が処理する受信機にあって、ディ
ジタル信号処理部40はアナログ信号処理部10で発生
した直流オフセットを検出するオフセット検出手段4
1,42と、検出された直流オフセットを保持するオフ
セット保持手段43,44とを備え、保持された直流オ
フセットに基づいて少なくともアナログ信号処理部10
において直流オフセットを補正するオフセット補正手段
20,21を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信システム
で使用可能な携帯無線端末に組込れる受信機およびこれ
を用いた無線通信システムに係り、特にダイレクトコン
バージョン受信方式およびスーパーへテロダイン受信方
式を用いたものに発生する不要な直流成分である直流オ
フセット(以下、必要に応じてDCオフセットともい
う)を除去する機能を備える小型の受信機およびこれを
用いた無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の無線通信システムの飛躍的な発展
に伴い、無線端末に対し小型化・低価格化の要求が高ま
っている。ダイレクトコンバージョン受信方式は、この
要求に答える受信方式として注目を集めている。以下、
図面を用いてダイレクトコンバージョン受信機の構成と
動作原理について説明する。
【0003】図53はダイレクトコンバージョン受信機
の基本的な構成を示す図である。ここで、受信部1のア
ンテナ2で受信された高周波信号は、アナログ信号処理
回路10において、RF増幅器11で増幅された後、2
系統に分配される。そして、ミキサ16,ミキサ17に
より、各々局部発信器18から供給される受信信号とほ
ぼ同じ周波数の搬送波とミキシングされ、直接基底周波
数帯(ベースバンド)へと周波数変換される。ここで、
局部発信器18は、ミキサ16には直接接続され、ま
た、ミキサ17にはπ/2移相器19を介して接続され
ている。従って、ベースバンドに周波数変換された2系
統の信号はお互いにπ/2の位相を持っている。この2
系統のベースバンド信号は、各々チャネル選択の役目を
するローパスフィルタ(以下、LPF―Low-Pass Filt
er―と略記する。)22,23によって不要周波数成分
が除去される。この後、ベースバンド信号は、ベースバ
ンド増幅器26,27によって所望の信号レベルまで増
幅された後、アナログ/ディジタル(以下、A/Dと略
記する。)変換器3にてA/D変換され、ディジタル信
号処理回路40を構成する検波・復調手段にて原データ
に復調される。
【0004】このダイレクトコンバージョン受信方式に
おいては、受信信号を直接ベースバンドに周波数変換す
るため、中間周波数を持たず、原理的にイメージ応答が
存在しない。従って、スーパーへテロダイン方式で必須
のイメージ除去用の急峻なフィルタが不要になるという
利点がある。また、チャネル選択用のLPF22,23
を大規模集積回路(LSI)化することが可能であり、
近年のLSIの飛躍的な進歩と共に、受信機の小型化、
低価格化を実現できる利点があった。
【0005】さて、ダイレクトコンバージョン受信方式
は小形化・低価格化には適しているが、この受信方式に
おいては以下のような問題点がある。この問題点につい
て、図54を用いて説明する。
【0006】図54(a)で、ミキサ16(または1
7)で周波数変換操作を行なうために必要な基準搬送波
が局部発振器18から供給される。ここで、ミキサ16
のローカルポート16aとRFポート16b間のアイソ
レーションは、理想的には無限大であることが望ましい
が、実際には概ね30dB程度である。したがって、ロ
ーカルポート16aから入力された基準搬送波はRFポ
ート16b側にリークされて、その一部はRF増幅器1
1の出力側で反射して反射波32となり、ミキサ16に
再入力される。あるいは、RF増幅器11を通過してア
ンテナ2へリークされて、符号34に示すように、アン
テナ2から外部へ放射された後、反射物36で反射して
アンテナ2から再入力され、反射波35となって再度ミ
キサ16に入力される。これら反射波32,35は、局
部発振器18からの基準搬送波とミキサ16でミキシン
グされることになる(セルフミキシング)。ここで、反
射波32,35は、基準搬送波と同じ周波数であるた
め、セルフミキシングによってミキサ16の出力の中に
直流出力成分(以下DCオフセット)となって表れる。
【0007】図54(b)は、このDCオフセットの様
子を周波数軸上で表した図である。すなわち、ダイレク
トコンバージョン方式では、所望波は本来DC成分を含
むベースバンド周波数帯に周波数変換されるため、反射
によって生じたDCオフセット成分7が所望波6に重畳
する形になる。この種のDCオフセットは、特に遅延検
波に於いては受信誤り率を劣化させる要因となることが
知られており、所望の受信誤り率を得るためのD(=所
望波)U(=DCオフセット成分)比(以下D/U)と
して、例えば20〜30dBを得られる程度までDCオ
フセット成分を減衰させる必要がある。しかし、局部発
振器18から供給される基準搬送波は、通常0dBm程
度もあり、これに伴って生じる反射波32,35も、本
来受信すべき所望波レベルよりも大きなレベルになるの
が普通である。そのため、所望のD/Uを得る必要上か
ら、ミキサ16の出力側でDCオフセット成分のみを除
去する手段が必要となる。
【0008】このDCオフセットを除去するために従来
から用いられていた方法としては、図53に示すよう
に、ミキサ16,17の出力に交流結合手段(以下、A
Cカップル)30,31を備える方法がある。この方法
は、DCオフセットが常時一定である場合には効果があ
るが、DCオフセットが時間と共に変動する場合には次
のような問題がある。図55(a)は、ACカップル無
しのミキサ16の出力であり、所望波108にDCオフ
セット104が重畳した場合を示している。ここで期間
101でのDCオフセット104が、時刻t’103
で、DCオフセット105に変化したとする。これは、
図54でRF増幅器11の回路の動作条件が変化した場
合に相当し、例えば、時刻t’103でディジタル信号
処理回路4からの制御信号33に基づいてRF増幅器1
1の利得を切り換えた場合に、RF増幅器11の出力イ
ンピーダンスが変化して反射量32が変動する場合など
が考えられる。
【0009】このとき、図55(a)の時刻t’103
前までのDCオフセット104と時刻t’103後のD
Cオフセット105の差分106が、DCオフセット変
動となる。このような場合に、ミキサ16の出力にAC
カップル30を施した状態を図55(b)に示す。すな
わち、上記DCオフセットの差分106の影響で、AC
カップル30の時定数に対応した過渡応答109が期間
107で生じる。この過渡応答109が収まるまでに受
信すべき信号が到来すると、所望波はDCオフセットの
影響を受け、受信特性の劣化を生じる。すなわち、AC
カップル30を用いてもDCオフセットの影響を除去で
きないことになる。さらに、ACカップル30を用いる
場合には、図55(b)に示すように、DC成分の含ま
れる所望信号に対しては、図54(b)に示すACカッ
プルの周波数特性8により所望波の一部が削除され、こ
れによっても受信特性が劣化するという欠点があった。
【0010】上述のように、RF増幅器11に対して利
得を切り換える手段をもうけることは、特にダイレクト
コンバージョン受信機においては、受信ダイナミックレ
ンジを拡大するためにしばしば用いられる方法である。
また、小形受信機においてバッテリの消耗を防ぐために
も通常行なわれる方法である。このようなRF回路に対
するバッテリセービング制御によっても回路の動作条件
の変化が生じるため、上記と同様のDCオフセット変動
が生じる。したがって、上記の様なDCオフセット変動
の影響を回避することは、小形受信機、特にダイレクト
コンバージョン受信機では必須のものとなる。
【0011】また、これまでの説明からも分かるよう
に、一般にDCオフセットの変動する速さは、ミキサ1
6へ再入力する反射波の変動する速さに対応している。
これについては、これまで図53のRF増幅器11から
の反射波32を中心に説明してきた。これに対して、図
54(a)において、アンテナ2から放射されて外部の
反射物36によって反射されミキサ16に再入力する場
合には、外部の反射物36の状態の変化する速さに対応
してミキサ16の出力におけるDCオフセット量も変動
することになる。例えば、外部の反射物36が移動車両
であるような場合には、移動速度に基づいて生じるフェ
ージングピッチと同じ速さでDCオフセット量が変化す
ることになる。
【0012】この状況を示したのが図56である。ここ
で、図56(b)の111はTDMAフレームであり、
周期的に自端末に割り当てられた受信スロット112,
116を周期的に受信している。図56(a)はDCオ
フセットを表しており、105はフェージングピッチに
対応して生じる比較的高速のDCオフセット変動であ
る。一方、113,114もDCオフセットであり、時
刻t’103でバッテリセービングもしくは利得切り換
え等が行なわれることにより変化するような比較的遅い
DCオフセットの変動分である。したがって、実環境下
でのダイレクトコンバージョン受信機では、この様な高
速なDCオフセット変動と、低速なDCオフセット変動
が混在している。このため、実用的には、DCオフセッ
トの生じる原因やDCオフセットの時間変動の違い等に
応じて、より柔軟にDCオフセット変動の影響を除去で
きるようにすることが望ましい。
【0013】また、以上に述べたDCオフセット変動に
関する問題点は、上述したゼロIF受信機ばかりでな
く、図57に示すような受信周波数を一度中間周波数に
周波数変換した後、再度、ベースバンドに周波数変換す
るいわゆるスーパヘテロダイン受信方式においても同様
に発生する。すなわち、図57は、アナログの直交復調
部を備える受信機の基本的な構成を示す図である。ここ
で、アンテナ2を含む受信部1により受信された高周波
信号は、RF増幅器11にて増幅される。この信号は、
周波数変換部12により中間周波数に周波数変換され
る。
【0014】すなわち、周波数変換部12のミキサ14
で局部発振器13からの基準信号と乗算され、BPF
(バンドパスフィルタ)15で乗算の際に生じた広域成
分が取り除かれる。この周波数変換部12により中間周
波数に周波数変換された受信信号は、この後で2系統に
分配される。そして、ミキサ16,ミキサ17で、それ
ぞれ局部発振器18から供給される中間周波数信号とほ
ぼ同じ周波数の搬送波とミキシングされ、ベースバンド
周波数帯に周波数変換(直交復調)される。ここで、局
部発振器18は、ミキサ16に接続されると共に、π/
2移相器19を介してミキサ17にも接続されている。
したがって、ベースバンドに周波数変換された2系統の
信号は、互いにπ/2の位相を持っている。この2系統
のベースバンド信号は、それぞれ、チャネル選択の役目
をするLPF(ローパスフィルタ)18,LPF19に
よって、所望チャネル以外の不要周波数成分が除去され
る。この後、ベースバンド増幅器26,27によって所
望の信号レベルまで増幅された後、A/D変換器3にて
A/D変換され、ディジタル信号処理回路4に内蔵され
る検波器で原信号に復調される。尚、RF増幅器11の
後段にイメージ除去用のフィルタが必要であるが、以後
もこのフィルタについては省略する。
【0015】図57に示す構成を有するスーパヘテロダ
イン受信機においても、上述したゼロIF受信機と同様
に動作するので、図54ないし図56を用いて説明した
DCオフセットの時間変動に伴う問題点と同様の問題点
が生じていた。
【0016】また、上記直交復調部を備える受信機やゼ
ロIF受信機においては、無線部での利得切替を行なう
必要がある。この利得切替を行なう場合の従来例につい
て、図58ないし図62を用いて説明する。図58は、
ゼロIF受信機に無線部利得切替を適用した従来例を示
している。図58において、アナログ信号処理回路10
Aは、ACカップル30,31がないことを除けば、図
53のアナログ信号処理回路10と同一の構成を備えて
いる。無線部利得切替の無線部は、例えば図58におい
ては、RF増幅器11、ミキサ16,17、増幅器2
6,27を含む前記アナログ信号処理回路10Aのこと
をいう。
【0017】図58においては、検波器36の前段のI
Q信号117を取り出して、受信電界強度の検出と比較
を行なう強度検出・比較回路37に入力している。この
強度検出・比較回路37により受信電界強度が計算され
て、基準電圧38と比較される。これにより、RF増幅
器11、ミキサ16,17、増幅器26,27に設定す
べき最適な利得が決定され、利得制御信号121が送出
される。すなわち、RF増幅器11、ミキサ16,1
7、増幅器26,27に対して、利得制御信号118,
119,120が供給される。利得切替制御は受信電界
強度に応じて、例えば図59に示す表のように、各回路
の利得を設定することにより行なわれる。図59におい
ては、無線部の利得の組み合わせによりモードAからE
までの5つの受信モードを設け、100dBの受信ダイ
ナミックレンジを確保できるようにしている。
【0018】ところが、図58に示す無線部利得切替を
行なう場合には、特にDCオフセットに関して次の様な
問題が生じる。この問題を図60および図61を用いて
説明する。図60(a),図61(a)は、図58のゼ
ロIF受信機のIQチャネルの内の一方のチャネルのみ
を示した図である。ここで、RF増幅器11の利得を切
り換えることによりミキサ16のDCオフセット出力が
変動することを説明する。図60(a)は図59でモー
ドEの状態、すなわちRF増幅器11の利得が0dBに
設定されている状態を示している。一方、図61(a)
はモードDの状態、すなわちRF増幅器11の利得は2
0dBに設定されている。図60(a)の状態から、制
御部(図示せず)から送出されたRF増幅器利得切替制
御信号118によって、RF増幅器11の利得が図61
の20dBに切り替わったとする(図59のモードEか
らモードD)。この時、局部発振器18からミキサ16
を通過してRF増幅器11により反射される量は、図6
0(a)の反射波124と図61(a)の反射波125
では異なる値となる。これは、RF増幅器11の出力イ
ンピーダンスが図60(b)と図61(b)とでは異な
る値となるからである。このとき、図60(b)および
図61(b)のいずれの場合も、ミキサ出力122には
セルフミキサシングによる直流(DC)成分が所望信号
成分123に重畳して生じる。ここで、図60(b)の
場合のミキサDC出力DCLOWと、図61(b)の場
合のミキサのDC出力DCHIGHは上記の理由から異
なった値となる。したがって、RF増幅器11の利得が
0dB(図60(b)の状態)から20dB(図61
(b)の状態)に切り替わった時点(図59のモードE
からモードD)で、ミキサ16の出力にはDCLOWと
DCHIGHの差分のDCオフセット変動が発生する。
【0019】以上のように、ミキサ16の利得が一定
(モードEからモードD切替時のミキサ利得の変化分=
0dB)であっても、ミキサ16の出力にはRF増幅器
11の利得切替に従ってDCオフセット変動が生じるこ
とになる。
【0020】以上に説明したDCオフセット出力が変化
する現象は、RF増幅器11の利得を変化させた場合に
だけ発生するわけではない。ミキサ16、増幅器26な
どの利得の変化によってもRF増幅器11の利得変化の
場合と同様にDCオフセットの変化が生じる。さらに、
利得の異なる回路では、回路単体での出力DC成分が異
なるため、このことによっても回路の利得を切り換えた
時点でDCオフセット変動が生じる。
【0021】通話中に、このようなDCオフセットの変
動が生じると、非常に高速のDCオフセット変動の補正
が要求される。この様子を図62を用いて説明する。図
62(a)はTDMAの受信タイムスロットを示す図、
図62(b)は受信タイムスロットの拡大図である。図
62(a)において符号TはTDMAフレーム長であ
る。自端末に割り当てられた受信タイムスロット126
を図59のモードEで受信した後、利得切替タイミング
129でモードDに移り、次のスロット127を受信す
ることを考える。ここで、利得切替タイミング129
で、DCオフセットはDからEへ変動する。DCオフセ
ットを補正する場合には、受信タイムスロットの開始時
間130までにDCオフセット補正を行なう必要があ
る。しかし、フレーム長Tが非常に短いシステムにおい
ては、所要の演算時間が間に合わない可能性もある。さ
らに、図62(b)に示すように、自端末に割り当てら
れた受信タイムスロット127の中で、モードA、モー
ドB、モードC、モードD、モードEの利得切替行なう
必要がある場合には、瞬時にDCオフセット補正を行な
う必要がある。瞬時のDCオフセット補正が実現できな
い場合には、図62(b)に示す様に各受信モードでの
DCオフセットA、B、C、D、Eが異なるため、これ
らのDCオフセット変動分が所望信号に重畳し、受信特
性が非常に劣化することになる。
【0022】また、従来のダイレクトコンバージョン受
信機においては、LPF18,19のLSI化が可能で
はあるが、LSI化する素子のばらつきによりカットオ
フ周波数のばらつきのため、十分なチャネル選択ができ
なかったり、必要な信号まで削られてしまうことにな
り、受信特性が劣化してしまうことがあった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来のダイレクトコンバージョン受信機においては、受
信した信号をアナログ信号処理回路で処理する際に発生
するDCオフセットにより、受信誤り率が劣化してしま
うという問題があった。また、また、スーパーへテロダ
イン受信機においても、DCオフセットの時間変動に伴
う受信誤り率の低下は問題となっている。
【0024】また、ACカップルのみによりこのDCオ
フセットを除去しようとしても、DCオフセットに時間
変動が生じた場合にはACカップルにおける過渡応答の
ためDCオフセットの影響を完全に除去できないという
欠点があった。さらには、直流の信号成分を有する受信
信号に対して、ACカップルは信号成分の一部を削除す
ることになるので、この信号成分の一部削除に伴って受
信特性を劣化させてしまう場合もあり、ACカップルを
アナログ信号処理部に設けるだけでは充分なDCオフセ
ット除去機能を発揮することができないと言う問題もあ
った。
【0025】このように受信した信号をアナログ信号処
理回路で処理する際に発生するDCオフセットによる受
信誤り率の劣化のため、このような受信機を用いるシス
テムでは良好な通話できないという欠点があった。
【0026】また、従来の直交復調部を備えた受信機に
おいては、アナログ信号処理部で発生するDCオフセッ
トによる受信特性の劣化が問題となっていた。また、D
Cオフセットを検出して、補正する方法も考えられる
が、DCオフセット検出・補正に掛かる時間が問題とな
っていた。従って、受信レベルに急激な振幅変化があっ
た場合や、受信レベルが不明な場合に必要となる無線部
の高速利得切替の際に発生するDCオフセット変動には
対応できないという問題があった。
【0027】また、LSI化するフィルタのカットオフ
周波数のばらつきにより受信特性が劣化するという問題
もあった。このように受信した信号をアナログ信号処理
回路で処理する際に発生するDCオフセットやフィルタ
のカットオフ周波数のばらつきによる受信誤り率の劣化
のため、このような受信機を用いシステムでは良好な通
話ができないという欠点があった。
【0028】さらに、DCオフセット検出を行なう場
合、検出すべきDCオフセット成分以外にDC成分を持
つ信号波が受信されると、DCオフセットを正確に検出
出来なくなる。このため、アンテナから、特に他の無線
通信システムで使用されている電波が受信されると、こ
の到来波の影響でDCオフセット検出が正確にできなく
なる可能性があった。
【0029】本発明は、アナログ処理部に発生するDC
オフセットが時間と共に変動する場合であっても、この
時間変動に追従して正確にDCオフセットの除去を行な
うことのできる受信機およびこの受信機を用いた通信シ
ステムを提供することを目的としている。
【0030】
【発明を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る受信機は、無線周波数信号を受信す
る受信部と、この受信部より入力されたアナログ信号に
対して増幅・帯域変換・周波数変換処理するアナログ信
号処理部と、このアナログ信号処理部の出力をアナログ
信号からディジタル信号へと変換するAD変換部と、こ
のAD変換部により変換されたディジタル信号を処理す
るディジタル信号処理部と、を備える直流オフセット除
去機能を備えた受信機において、前記ディジタル信号処
理部に設けられて前記受信部または周波数変換部で発生
した直流オフセット信号を検出するオフセット検出手段
と、前記ディジタル信号処理部に設けられて前記オフセ
ット検出手段により検出された前記直流オフセット信号
を保持するオフセット保持手段と、前記ディジタル信号
処理部で検出された前記直流オフセット信号をアナログ
信号に変換するDA変換部と、前記アナログ信号処理部
に設けられて前記DA変換部によりアナログ信号に変換
された直流オフセット信号に基づいて前記アナログ信号
を補正する第1のオフセット補正手段と、を具備するこ
とを特徴としている。
【0031】また、請求項2に係る受信機は、請求項1
に記載された受信機において、前記オフセット保持手段
により保持された前記直流オフセット信号の一部をディ
ジタル的に減じて前記直流オフセットを低減させる第2
のオフセット補正手段を備えることを特徴としている。
【0032】また、請求項3に係る受信機は、請求項2
に記載された受信機において、前記オフセット保持手段
に保持された直流オフセットは、前記オフセット検出手
段によりオフセットを検出する毎に更新されることを特
徴としている。
【0033】また、請求項4に係る受信機は、請求項2
に記載された受信機において、前記オフセット検出手段
により検出されたオフセットの絶対値が所定の閾値を超
えた場合に、少なくとも前記所定の閾値を超えたオフセ
ット分について前記第1のオフセット補正手段により補
正するためのオフセット振り分け手段を備えることを特
徴としている。
【0034】また、請求項5に係る受信機は、請求項4
に記載された受信機において、前記所定の閾値は、2の
べき乗であることを特徴としている。
【0035】また、請求項6に係る受信機は、請求項2
に記載の受信機において、前記オフセット保持手段に保
持されているオフセットの上位ビットを前記DA変換部
によりアナログ値に変換して前記第1のオフセット補正
手段によりオフセットを補正すると共に、前記オフセッ
ト保持手段に保持されているオフセットの下位ビットを
用いて前記第2のオフセット補正手段によりオフセット
補正することを特徴としている。
【0036】請求項7に係る受信機は、請求項2に記載
の受信機において、前記オフセット保持手段は、少なく
とも前記オフセット検出手段により検出されたオフセッ
トの初期値を保持する第1の記憶手段と、このオフセッ
トの初期値に基づいて前記第1および第2のオフセット
補正手段によりオフセットが補正された後に前記オフセ
ット検出手段により検出された時間と共に変化するオフ
セットの変動分を保持する第2の記憶手段と、を備える
ことを特徴としている。
【0037】また、請求項8に係る受信機は、請求項7
に記載の受信機において、前記第1の記憶手段に記憶さ
れている前記オフセットの初期値は、前記オフセット検
出手段により1回だけ検出されてその後は変更されない
ことを特徴としている。
【0038】また、請求項9に係る受信機は、請求項7
に記載された受信機において、前記第1の記憶手段に記
憶されている前記オフセットの初期値は、電源投入時に
検出されて設定されることを特徴としている。
【0039】また、請求項10に係る受信機は、請求項
7に記載の受信機において、前記第1の記憶手段に記憶
されている前記オフセットの初期値は、所定の期間が経
過する毎に検出され更新されることを特徴としている。
【0040】また、請求項11に係る受信機は、請求項
7に記載の受信機において、前記第1の記憶手段に記憶
されている前記オフセットの初期値は、時間と共に変化
する前記オフセットの変動分が所定の値を超えた場合に
更新されることを特徴としている。
【0041】請求項12に係る受信機は、請求項7に記
載の受信機において、前記第2の記憶手段に記憶されて
いる前記オフセットの変動分は、前記ディジタル信号処
理部に設けられた前記第2のオフセット補正手段により
補正されることを特徴としている。
【0042】請求項13に係る受信機は、請求項7に記
載された受信機において、前記第1の記憶手段に記憶さ
れているオフセットの初期値は、前記アナログ処理部に
設けられた前記第1のオフセット補正手段により補正さ
れ、前記第2の記憶手段に記憶されているオフセットの
変動分は、前記ディジタル信号処理部に設けられた前記
第2のオフセット補正手段により補正されることを特徴
としている。
【0043】さらに、請求項14に係る受信機は、請求
項1に記載された受信機において、前記信号入力部を介
して入力される受信電界強度を測定する手段と、前記受
信電界強度に基づいて前記アナログ信号処理部に複数の
利得を設定する手段と、前記アナログ信号処理部に設定
される前記複数の利得に対応して発生する複数の直流オ
フセット値を検出する前記オフセット検出手段と、前記
複数の直流オフセット値を保持する前記オフセット保持
手段と、前記アナログ信号処理部に設定された利得に対
応した直流オフセット値を前記オフセット保持手段より
読み出してその直流オフセットを補正する前記第1のオ
フセット補正手段と、を備えることを特徴としている。
【0044】また、請求項15に係る受信機は、請求項
14に記載された受信機において、前記アナログ信号処
理部は、前記信号入力部に入力される前記無線周波数信
号の少なくとも同相成分と直交成分との互いに直交する
信号を周波数変換するミキサ対と、このミキサ対の出力
である同相成分チャネルおよび直交成分チャネルにそれ
ぞれ設けられたベースバンドフィルタと、を備えると共
に、前記第1のオフセット補正手段は、前記アナログ信
号処理部で発生した前記直流オフセットを補正するため
少なくとも前記ベースバンドフィルタの前段に設けられ
ていることを特徴としている。
【0045】また、請求項16に係る受信機は、請求項
15に記載された受信機において、第1の利得値に設定
された前記アナログ信号処理部と、このアナログ信号処
理部の出力をディジタル値に変換する前記AD変換部
と、このAD変換部のオーバーフロー状態を検出するオ
ーバーフロー検出回路と、前記オーバーフロー検出回路
によりオーバーフロー状態が検出されたときに前記アナ
ログ信号処理部の利得を前記第1の利得値よりも小さな
第2の利得値に設定するように制御する制御手段と、を
備えることを特徴としている。
【0046】また、請求項17に係る受信機は、請求項
16に記載された受信機において、前記アナログ信号処
理部は、入力された無線周波数信号より発生する直流オ
フセットを検出して記憶する記憶手段を備え、前記第1
のオフセット補正手段は、1回の受信でも前記記憶手段
より読み出した第1の利得値に基づいて直流オフセット
を補正することを特徴としている。
【0047】さらに、請求項18に係る受信機は、請求
項1に記載された受信機において、前記アナログ信号処
理部に入力される前記アナログ信号を無入力とするアナ
ログ信号無入力手段を設け、前記アナログ信号が無入力
のときに前記オフセット検出手段が前記直流オフセット
を検出して、このとき検出された直流オフセット値に基
づいて前記第1のオフセット補正手段が直流オフセット
を補正することを特徴としている。
【0048】また、請求項19に係る受信機は、請求項
18に記載された受信機において、前記アナログ信号無
入力手段は、前記アナログ信号処理部に設けられた無線
周波数信号増幅器と前記信号入力部との間に設けられた
切り替えスイッチにより構成されていることを特徴とし
ている。
【0049】また、請求項20に係る受信機は、請求項
18に記載された受信機において、前記アナログ信号無
入力手段は、前記アナログ信号処理部に設けられた無線
周波数信号増幅器に並列に接続されたアッテネータと、
前記増幅器およびアッテネータの前後段にそれぞれ設け
られた4つのスイッチと、前記増幅器およびアッテネー
タの前段の接続線に設けられた5番目のスイッチと、よ
り構成され、前記信号入力部から前記アナログ信号処理
部への信号供給路は常に接続されていても、前記アナロ
グ信号処理部を無入力状態にできることを特徴としてい
る。
【0050】さらに、請求項21に係る受信機は、請求
項1に記載された受信機において、前記オフセット検出
手段は、前記AD変換部の出力の時間平均により前記直
流オフセットを検出し、前記第1のオフセット補正手段
は、前記DA変換部によりアナログ信号に変換された直
流オフセットを前記アナログ処理部で処理されるアナロ
グ信号より減じることにより直流オフセットの補正を行
なうことを特徴としている。
【0051】また、請求項22に係る受信機は、請求項
21に記載された受信機において、前記オフセット検出
手段は時分割多重接続システムでの受信スロットから前
記直流オフセットを検出し、前記第1のオフセット補正
手段は前記受信スロットより検出された前記直流オフセ
ットの検出値に基づいて前記直流オフセットを補正する
ことを特徴としている。
【0052】また、請求項23に係る受信機は、請求項
22に記載された受信機において、前記オフセット検出
手段は、過去の受信スロットより検出した直流オフセッ
トの時間の平均値を初期値として現在の受信スロットの
直流オフセットを検出し、前記第1のオフセット補正手
段は検出された現在の受信スロットの直流オフセットを
補正することを特徴としている。
【0053】また、請求項24に係る受信機は、請求項
23に記載された受信機において、前記オフセット検出
手段は、前記AD変換部から入力されるディジタル信号
を累積加算する累積加算回路と、この累積加算された信
号を除算する除算回路とより構成され、前記オフセット
保持手段は、前記オフセット検出手段の出力を所定時下
ずつ遅延させる複数の遅延回路と、前記遅延回路により
遅延させられた値に前記直流オフセットに近い程重くな
るように予め設定された重み付け係数を乗じて出力する
複数の重み付け回路と、この重み付け回路の出力の総和
をとりその値を直流オフセット値として出力する加算回
路と、より構成されていることを特徴としている。
【0054】また、請求項25に係る受信機は、請求項
24に記載された受信機において、前記複数の重み付け
回路のそれぞれの重み付け係数は、古い程軽く新しい程
重くなるように設定されていることを特徴としている。
【0055】また、請求項26に係る受信機は、請求項
24に記載された受信機において、前記複数の重み付け
回路に設定されている前記重み付け係数は、前記オフセ
ット検出手段により検出される直流オフセットにおける
時間と共に変化する変動量に応じて変化することを特徴
としている。
【0056】さらに、請求項27に係る受信機は、請求
項1に記載された受信機において、前記アナログ信号処
理部の帯域制限特性を試験するためのテストモードを備
えると共に、前記ディジタル信号処理部が、前記アナロ
グ信号処理部の前記帯域制限特性をテストするテスト信
号を発生させる発生器と、前記テストモード時に前記テ
スト信号発生器より出力される前記テスト信号を前記直
流オフセット信号に加算する加算器と、を備え、前記第
1の補正手段は、前記DA変換部によりアナログ信号に
変換された後の前記加算器の出力を前記アナログ信号処
理部の帯域制限回路の入力に供給することを特徴として
いる。
【0057】また、請求項28に係る受信機は、請求項
27に記載された受信機において、前記アナログ信号処
理部は、前記オフセット検出手段により前記直流オフセ
ットが検出され、前記オフセット保持手段によりこの直
流オフセットが保持された後に、このアナログ信号処理
部における帯域制限特性を試験することを特徴としてい
る。
【0058】また、請求項29に係る受信機は、請求項
27に記載された受信機において、前記アナログ信号処
理部は、周波数特性制御信号により前記アナログ信号の
帯域制限特性を調整できる機能を有する帯域制限回路を
備え、前記ディジタル信号処理部は、前記テストモード
時に前記帯域制限回路に供給された前記テスト信号によ
り検出した周波数特性と所望の周波数特性とのずれに応
じて、前記周波数特性制御信号を発生させる周波数特性
制御手段を備えることを特徴としている。
【0059】請求項30に係る通信システムは、音声・
画像を含む情報信号よりなる無線周波数信号を送信する
送信機と、前記無線周波数信号を送信および受信するた
めの通信網と、前記無線周波数信号を受信する受信部
と、この受信部より入力されたアナログ信号に対して増
幅・帯域変換・周波数変換処理するアナログ信号処理部
と、このアナログ信号処理部の出力をアナログ信号から
ディジタル信号へと変換するAD変換部と、このAD変
換部により変換されたディジタル信号を処理するディジ
タル信号処理部と、前記ディジタル信号処理部に設けら
れて前記受信部または周波数変換部で発生した直流オフ
セット信号を検出するオフセット検出手段と、前記ディ
ジタル信号処理部に設けられて前記オフセット検出手段
により検出された前記直流オフセット信号を保持するオ
フセット保持手段と、前記ディジタル信号処理部で検出
された前記直流オフセット信号をアナログ信号に変換す
るDA変換部と、前記アナログ信号処理部に設けられて
前記DA変換部によりアナログ信号に変換された直流オ
フセット信号に基づいて前記アナログ信号を補正する第
1のオフセット補正手段と、を具備する直流オフセット
除去機能を備えた受信機と、を備えることを特徴として
いる。
【0060】上述の如く通信システムを構成すれば、受
信機のA/D変換器の入力でアナログ信号処理回路で発
生するDCオフセットを低減できるので、信号がDCオ
フセットによりA/D変換器の入力範囲を越え歪むのを
防ぐことができ受信誤り率の劣化を低減でき、良好な通
信を行なうことができる。また、ACカップルを用いな
いので、DCオフセットの時間変化の過渡応答による影
響を受けないので、受信誤り率を劣化させることはない
ので良好な通信を行なうことができる。さらに、特にD
Cを含む低周波成分を多く含む変調方式を用いる信号に
対して誤差となるDCオフセット成分のみを除去できる
ので、受信信号の誤り率を低減することででき、良好な
通信を行なうことができる。
【0061】また、以上のように構成すれば、電源投入
時に1度だけオフセット値を記憶させることにより大ま
かなオフセットは通話開始直後であっても除去できるた
め受信誤り率の劣化を低減することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明に係る直流オフセット除去機能を備えた受信機の
好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発
明の第1実施形態に係るDCオフセット除去機能を備え
た受信機の構成を示すブロック構成図である。
【0063】図1において、信号入力部1を構成するア
ンテナ2で受信された高周波信号はアナログ信号処理回
路10において、RF増幅器11で増幅された後、局部
発振器13,ミキサ14,バンドパスフィルタ(以下、
BPF―Band-Pass Filter―と略記する)15で構成さ
れる周波数変換器202で一度中間周波数に変換した
後、2系統に分配される。そして、ミキサ16,ミキサ
17で、各々局部発信器18から供給される中間周波信
号とほぼ同じ周波数の搬送波とミキシングされ、直接ベ
ースバンド周波数帯に周波数変換される。ここで、局部
発信器18は、ミキサ16には直接接続され、また、ミ
キサ17にはπ/2移相器19を介して接続されてい
る。従って、ベースバンドに周波数変換された2系統の
信号はお互いにπ/2の位相差を持っている。この2系
統のベースバンド信号は、各々チャネル選択の役目をす
るLPF22,LPF23によって不要周波数成分を除
去される。この後、ベースバンド信号は、ベースバンド
増幅器28,29によって所望の信号レベルまで増幅さ
れた後、A/D変換器3によりA/D変換され、ディジ
タル信号処理回路40を構成する検波・復調手段50に
より原データに復調されることになる。
【0064】ディジタル信号処理回路40では、DCオ
フセット検出手段41,42により各々のベースバンド
信号に重畳されているDCオフセットを検出し、DCオ
フセット保持手段43,44にて各々のDCオフセット
を保持している。この保持されたDCオフセットはD/
A変換器5によりディジタルからアナログ信号に変換さ
れ、LPF22,23の出力に設けた第1のオフセット
補正手段24,25或は、増幅器26,27の出力側に
設けた第1のオフセット手段28,29によりベースバ
ンド信号からD/A変換器5でアナログ信号に変換した
DCオフセットを差し引くようにしている。
【0065】これにより、A/D変換器3の入力でアナ
ログ信号処理回路10で発生するDCオフセットを低減
でき、受信誤り率を低減できる。また、信号がDCオフ
セットによりA/D変換器の入力範囲を超えて歪むのを
防ぐこともでき、さらにこの歪みに起因する受信誤りを
防ぐこともできる。さらに、ACカップルを用いないの
でDCオフセットの時間変化の過渡応答による影響を受
けなくなり、受信誤り率を劣化させることはない。特に
DCを含む低周波成分を多く含む変調方式の信号に対し
て誤差となるDCオフセット成分のみを除去できるの
で、受信信号の誤り率の劣化を低減することができる。
【0066】また、ミキサ16,17の直後に第1のオ
フセット補正手段20,21により周波数変換されたベ
ースバンド信号からD/A変換器5でアナログ信号に変
換されたDCオフセットを差し引いてもよい。特に、こ
の場合は、予め所定の利得でのDCオフセットを検出保
持しておくことにより、周波数変換前での利得切り替え
などで生じるDCオフセットの変化に対して、ミキサ出
力(LPF入力)でDCオフセットをキャンセルできる
ので、LPF出力以降でキャンセルする場合に比べ、L
PFの時定数による残留DCオフセットの過渡応答を小
さく抑えることができるという特徴がある。
【0067】なお、図1中、周波数変換器12がないダ
イレクトコンバージョン受信機においてもDCオフセッ
トを除去し受信信号の誤り率を低減できるのは全く同じ
である。また、無線通信システムに、このような受信機
を用いることにより、受信信号の誤り率を低減すること
ができ、良好な通信を行なうことができる。
【0068】図2は、ディジタル信号処理回路40内に
第2のオフセット補正手段45,46を設けた第2実施
形態に係る受信機を示している。図2において、DCオ
フセット保持手段43,44で保持されるDCオフセッ
トの一部を第2のオフセット補正手段45,46で除去
するものである。これにより、アナログ信号処理回路1
0では、第1のオフセット補正手段20,21により信
号がDCオフセットによりA/D変換器の入力範囲を超
えて歪むのを防ぐ程度の大まかなDCオフセットの補正
を行ない、ディジタル信号処理回路40内では第2のオ
フセット補正手段46,47により細かなDCオフセッ
ト補正を行なうことが可能となる。よって、D/A変換
器5の精度及び第1のオフセット補正手段20,21に
よる補正の精度を緩和できるので、高価な高精度のD/
A変換器5や第1のオフセット補正手段20,21のた
めの高精度なアナログ減算器が不必要となりコストを低
減できる。
【0069】なお、DCオフセットの時間的な変化に対
しては、DCオフセット検出手段による検出を度々行な
い、オフセット検出毎にオフセット保持手段に保持する
オフセットの値を更新することにより、DCオフセット
除去を精度よく行なうことができる。例えば、受信信号
がTDMAの場合、周期的に自端末に割り当てられる受
信スロットが始まる前に行なえばよい。
【0070】また、図2におけるオフセット保持手段4
3は、図3に示すようにオフセットの初期値を保持する
第1の記憶手段47と、このオフセットの初期値に基づ
きオフセット補正後、DCオフセット検出手段にて検出
した時間とともに変わるオフセットの変動部分を保持す
る第2の記憶手段48を備えることで、DCオフセット
の時間的な変化に対応しても良い。なお、オフセット保
持手段44も図3に示されたオフセット保持手段43と
同一構成を備えている。
【0071】例えば出荷時或は、電源投入時などにアン
テナからの入力を切断した状態で、DCオフセット検出
手段にて検出したDCオフセットを初期値とすれば良
い。特に、フェージングピッチに対応して起こるDCオ
フセットなど、DCオフセットの時間的変化分がDCオ
フセット全体からみて小さい時は出荷時に一度初期値を
設定しておくだけでよい。これにより、予め第1の記憶
手段に保持されているDCオフセットを除去しているの
で、電源投入後はじめて自端末に割り当てられている受
信スロットを受信する時の受信誤り率の劣化を低減でき
る。
【0072】図2において、第1と第2のオフセット補
正手段への補正するDCオフセットの振り分けは、例え
ば図4に示す第3実施形態のように、所定の閾値Ref
1により第1及び第2のオフセット補正手段において補
正するDCオフセットを振り分ける振分手段51、52
により行なわれており、DCオフセットがあっても信号
がA/D変換器3の入力範囲を越えて歪まない値に閾値
Ref1を設定しておけばよい。
【0073】図5は、オフセット振分手段51(または
52)の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
オフセット保持手段43(または44)より入力したD
Cオフセットは、絶対値算出手段53によりDCオフセ
ットの絶対値を算出された所定の閾値と比較手段54に
おいて比較される。また、極性選択回路55により閾値
Ref1の極性を入力したDCオフセットの極性と合わ
せ、減算回路56により入力されたDCオフセットから
引き算される。入力したDCオフセットの絶対値が閾値
Ref1より大きい時は、比較手段54の出力によりス
イッチ手段SW2で減算回路56の出力が選択され、D
/A変換器5によりアナログ値に変換され第1のオフセ
ット補正手段20,21へ出力され、また、第2のオフ
セット補正手段には極性選択回路55の出力がスイッチ
手段SW1によって選択され出力される。入力したDC
オフセットの絶対値が閾値Ref1より小さい時は、比
較手段54の出力によりD/A変換器5への出力はスイ
ッチ手段SW2でゼロが選択される。また、第2のオフ
セット補正手段45(または46)にはスイッチ手段S
W1にて入力したDCオフセットが選択される。
【0074】上記のように、オフセット振分手段51お
よび52を構成することにより、入力するDCオフセッ
トの絶対値が閾値Ref1を超えた場合には、その越え
た分が、D/A変換器5を介して第1のオフセット補正
手段20,21に出力され、閾値ReF1に相当する分
が第2のオフセット補正手段45,46に出力されるこ
とになる。また、入力するDCオフセットの絶対値が閾
値Ref1を越えない場合には、DCオフセットは全て
第2のオフセット補正手段45,46に出力することが
できる。
【0075】図6は閾値Ref1が2のべき乗で表され
る値に選んだ時の図5における比較手段54の具体例で
ある。図6においては、最上位ビット(MSB)からN
番目のビットを閾値に選んだ場合を示している。比較手
段54を構成するオア回路54Aにより、入力したDC
オフセットのMSBからN番目のビットまでのN本の信
号のオアを取ることにより、DCオフセットが閾値以上
であるかどうかが分かり、複雑なコンパレータ回路は不
要となる。このように閾値Ref1を2のべき乗で表さ
れる値に選ぶことにより、オフセット振分手段51およ
び52を簡略化できる。
【0076】図7は、本発明の第4実施形態に係る受信
機を示すブロック構成図である。第1のオフセット補正
手段では、検出・保持されたDCオフセットの上位ビッ
ト分を、また、第2のオフセット補正手段では、検出・
保持されたDCオフセットの下位ビット分を除去するも
のである。したがって、上位ビットはアナログ信号処理
部10において大まかにオフセット補正され、下位ビッ
トはディジタル信号処理部40により細かなオフセット
補正が行なわれる。これにより、オフセットの振分手段
を簡略化できる。
【0077】なお、上述した第2実施形態に係るオフセ
ット保持手段の具体的な構成を示す図3において、第1
の記憶手段47はオフセットの初期値を保持して出力
し、第2の記憶手段48は時間経過に伴うオフセットの
変動分を保持して出力するように構成してもよい。この
初期値の設定方法の4つの具体例を図8ないし図12を
参照しながら第5実施形態として説明する。
【0078】図8は、第1の初期値設定方法を示すフロ
ーチャートである。出荷時にアンテナからの入力を切断
した状態で、DCオフセット検出手段41,42により
検出されたDCオフセットを初期値とする。すなわち、
図8にステップST1に示すようにアンテナ端子を終端さ
せ、ST2に示すようにDCオフセットを検出する。その
後ステップST3に示すように第1の記憶手段47に初期
値を記憶させる。温度変化や経年変化などによるDCオ
フセットの変化がDCオフセット全体から見て小さいと
きには出荷時に一度初期値を設定しておくだけでよい。
これにより予め第1の記憶手段に保持されているDCオ
フセットは除去されることになるので、通話開始時に自
端末に割り当てられている初めての受信スロットを受信
する際の受信誤り率の劣化を低減できる。図8に示され
るようなステップを工場出荷時に一度だけ行なえばよ
い。また、この第1の初期値設定方法をとる場合、第1
の記憶手段47はROMなどの読み出し専用メモリを用
いるのが適当である。
【0079】また、従来の受信機のように無線部が複数
の利得モードを有し、それぞれの利得モードで異なるD
Cオフセットを発生させるような場合には、上記と同じ
操作を利得モードの数だけ繰り返してそれぞれの利得モ
ードについてのDCオフセットを上記第1の記憶手段4
7に記憶させることにより、有効なDCオフセットの除
去が可能となる。
【0080】次に、第2の初期値設定方法は、電源投入
時にアンテナからの入力を切断した状態で、DCオフセ
ット検出手段41,42により検出したDCオフセット
を初期値とする。特に、フェージングピッチに対応して
発生するDCオフセットのように、DCオフセットの時
間的変動分がDCオフセット全体からみて小さいときに
は、電源投入時に一度初期値を設定しておくだけでよ
い。これにより、予め第1の記憶手段47に保持されて
いるDCオフセットを除去しているので、自端末に割り
当てられている受信スロットを電源投入後初めて受信す
る際の受信誤り率の劣化を低減できる。
【0081】この処理ステップは、図9に示されてお
り、ST0において電源スイッチを投入し、ステップST1
に示すようにアンテナ端子を終端させ、ST2に示すよう
にDCオフセットを検出する。その後ステップST3に示
すように第1の記憶手段47に初期値を記憶させる。以
上の処理ステップを電源投入毎に行なえばよい。この方
法をとる場合、第1の記憶手段47はRAMなど読み出
し/書き込み可能なメモリを用いるのが適当である。
【0082】また、第1の初期値設定方法と同様に、従
来の受信機のように無線部が複数の利得モードを有し、
それぞれの利得モードで異なるDCオフセットを発生さ
せるような場合には、上記と同じ操作を利得モードの数
だけ繰り返してそれぞれの利得モードについてのDCオ
フセットを上記第1の記憶手段47に記憶させることに
より、有効なDCオフセットの除去が可能となる。
【0083】第3の初期値設定方法は、所定の期間経過
後、オフセット検出手段41,42により検出されたD
Cオフセットにより随時第1の記憶手段47の記憶内容
を更新するものである。DCオフセットが温度等によっ
て変化する場合であっても、この第3の方法によれば初
期値を有効に更新することができ、常に受信誤り率の劣
化を低減できる。
【0084】具体的な処理動作としては、図10のステ
ップST1に示すようにアンテナ端子を終端させ、ST2に
示すようにDCオフセットを検出し、その後ステップST
3に示すように第1の記憶手段47に初期値を記憶さ
せ、最後にステップST4に示すように所定の期間が経過
するのを待てばよい。以上の処理ステップを繰り返し行
なうことにより、第1の記憶手段47には常に最新のD
Cオフセットの値が保持されることになり、より正確に
初期値の設定を行なうことができる。
【0085】第4の初期値設定方法としては、オフセッ
ト検出手段41,42により検出されたDCオフセット
の値が予め定められた閾値を超えた場合に、第1の記憶
手段47に記憶されている初期値を更新するものであ
る。DCオフセットは温度や経年変化により変動するも
のであり、この変動が所定の範囲内であれば、前記第2
の記憶手段48に記憶されているオフセット値を用いて
DCオフセットの補正を行なうことにより、受信誤り率
の劣化を低減することが可能であるが、所定の範囲を超
過すると、前記第2の記憶手段を用いたDCオフセット
の補正では、充分な補正を行うことができなくなる場合
があるため、これを防止することが必要になる。
【0086】この第4の初期値設定方法の処理ステップ
を図11により説明する。図11に示すように、ステッ
プST1でアンテナ端子を終端し、ステップST2でDCオ
フセットを検出する動作は他の初期値設定方法と同様で
ある。ステップST2の後で、ステップST5においてDC
オフセットが予め定められた閾値Vthを超えているか否
かが判断される。DCオフセットの値が予め定められた
閾値Vthを超えているものと判断された場合には、ステ
ップST3に進み、このDCオフセットを初期値として第
1の記憶手段47に記憶させる。ステップST5におい
て、DCオフセットの値が予め定められた閾値Vthを超
えてい内ものと判断された場合には、ステップST4に進
み、所定の期間が経過するまでなにもしないで待つこと
になる。
【0087】以上の処理を繰り返し行なうことにより、
第1の記憶手段47に記憶されているDCオフセットの
値は必要に応じて更新されることになり、より正確な初
期値の設定が可能となる。
【0088】次に、上記所定の閾値Vthの設定の仕方に
ついて図12を参照しながら説明する。いま、A/D変
換器のダイナミックレンジをVadとし、このA/D変換
器に入力される信号の最大レベルをVsig(p-p)とする。
このとき、第2のオフセット補正手段で補正できるDC
オフセットは、最大で±(Vad-Vsig)/2である。した
がって、「Vth=(Vad-Vsig)/2」とすることによ
り、この第5実施形態は最も効率的に作用することにな
る。ただし、実際には所定のマージンαを見込んで「V
th=(Vad-Vsig)/2−α」とするのが現実的である。
【0089】以上の第1ないし第4の初期値設定方法よ
りなる第5実施形態の受信機を用いることにより、特に
第2の記憶手段48に保持された、時間と共に変換する
オフセットの変動分が、ディジタル処理部40内に設け
られた第2のオフセット補正手段により補正される。な
ぜならば、第2の記憶手段48に記憶されている時間と
共に変化するオフセットの変動分は、その変化の度合が
比較的速いために、なるべく瞬時に除去する必要がある
からである。したがって、このオフセットの変動分は、
第2のオフセット補正手段によりディジタル的に除去す
ることが時間的には最も速いので有利である。ディジタ
ル的にオフセットを除去する第2のオフセット補正手段
は、アナログ的にオフセットを補正する第1のオフセッ
ト補正手段と比較して、一般的に補正できる範囲は狭い
が固定的に発生するオフセットに比べて時間と共に変化
するオフセットはの変動分は充分に小さいものと考えら
れるので、大きな問題となることはない。
【0090】また、第1の記憶手段47に記憶された無
線部の各利得モードについてのDCオフセットの初期値
については、第1のオフセット補正手段によりオフセッ
ト補正を行なう方が有効である。なぜならば、第1の記
憶手段に記憶されている固定的なオフセット値は、第2
の記憶手段に記憶されているオフセットの変動分に比べ
てその値がかなり大きいために、補正できる範囲の広い
第1のオフセット補正手段により補正した方が有効であ
る。さらに第1の記憶手段に記憶されている固定的なオ
フセット値の補正は、一度設定された後は変更されるこ
とがないか、または変更されたとしても時間的に非常に
長い周期で変更されるために、第1のオフセット補正手
段によりアナログ的に補正されても時間遅れの問題など
が発生することがないからである。
【0091】次に、DCオフセットの補正とアナログ信
号処理部の利得の切換制御を行なうようにした実施形態
について説明する。ここからの幾つかの実施形態は、受
信機の複数の利得毎にDCオフセットを検出しこれをメ
モリに記憶させてその状態毎にDCオフセットを最適に
補正するものである。
【0092】図13は、第6実施形態に係る受信機の構
成を示すブロック図であり、この第6実施形態に係る受
信機の基本構成は図1に示された第1実施形態の構成と
略同じなので、図中に同一符号を付して重複説明を省略
する。異なる点は、アナログ信号処理部10が受信部1
のアンテナ2からの無線周波数信号を受け入れる箇所に
スイッチ4が設けられている点、ディジタル信号処理部
40の受信電界強度を検出する受信電界強度検出手段5
7が設けられ、この電界強度検出手段57により検出さ
れた電界強度に基づいて利得切換制御信号58がアナロ
グ信号処理部10に出力されている。具体的には、RF
増幅器11にはRF増幅器利得切換制御信号59が供給
され、ミキサ16および17の直交復調部にはミキサ利
得切換制御信号60が供給され、また基底周波数のアナ
ログ信号を増幅するベースバンド増幅器26および27
には増幅器利得切換制御信号61が供給されている。
【0093】以上の構成に基づく第6実施形態に係る受
信機の動作を説明する。無線基地局から送信される高周
波信号はアンテナ2により受信され、スイッチ4を介し
てRF増幅器11により低雑音増幅される。このRF増
幅器11は、ディジタル信号処理部40から供給される
切換制御信号59によって利得可変な構成となってい
る。RF増幅器11により増幅された高周波信号は、周
波数変換器12において局部発信器13からの基準搬送
波信号とミキサ14によりミキシングされてからBPF
15により不要成分を除去されることにより中間周波数
信号に変換され、その出力は同相成分と直交成分との2
系統に分けられる。2系統に分けられた同相成分と直交
成分とは、それぞれミキサ16,17により基底周波数
に周波数変換される。この直交復調部の動作についても
図1に示した第1実施形態の受信機と同様であるので重
複説明を省略する。なお、このミキサ16,17にも、
ディジタル信号処理部40よりミキサ利得切換制御信号
60が供給されている。ミキサ16および17の後段に
は第1のオフセット補正手段20,21によりそれぞれ
DCオフセット成分が除去されるが、この構成および動
作についても第1実施形態の受信機と同じである。
【0094】ミキサ16および17によりベースバンド
に周波数変換された所望信号は、LPF22,23に入
力されるが、このLPF22,23は所望波以外の不要
波や隣接チャネル波を削除するチャネル選択機能や、後
段のA/D変換器3の前でアンチエリアジング機能を持
たせるために挿入されている。LPF22,23の後段
の増幅器26,27は、可変利得増幅器であり所望波を
後段のA/D変換器3に所望の電圧レベルで供給するた
めに設けられている。なお、この可変利得増幅器26,
27の利得は、前記ディジタル信号処理部40より供給
される増幅器利得切換制御信号61により可変制御され
ている。したがって、A/D変換器3のダイナミックレ
ンジが充分に広い場合には増幅器26,27は省略する
ことも可能である。
【0095】なお、図13においては周波数変換器12
のミキサ13に対して利得可変機能が無いものとして説
明したが、本発明はこれに限定されず必要に応じてミキ
サ13にも利得可変機能を持たせる構成としてもよい。
また、図13に示される第6実施形態の受信機において
は、周波数変換器12が設けられているものとして説明
したが、本発明は原理的には同相成分(I)と直交成分
(Q)の2つのチャネルを備えた直交復調部(ミキサ2
2,23)を備えていれば充分であり、周波数変換器1
2や増幅器26,27はLPF22,23の出力信号を
充分な振幅でA/D変換器3に受け渡すために設けられ
ている。したがって、A/D変換器3が例えば多ビット
の変換器である場合には、増幅器26,27は省略して
も本発明の要旨を逸脱するものではない。
【0096】上記を具現すると、図14に示す第7実施
形態に係る受信機となる。図14においては、上述のよ
うに周波数変換器12,利得可変増幅器26,27が省
略されている。また、ディジタル信号処理部40に設け
られるDCオフセット検出手段41,42とDCオフセ
ット保持手段43,44は図15(a)(b)のように
構成されている。すなわち第1の具体例を示す図15
(a)は、基準平均値補正回路62を追加したものであ
り、この基準平均値補正回路62は基準平均値保持部6
3と、加算器64とを備えている。保持部63に保持さ
れている基準平均値は変調信号成分が本来有している直
流成分であり、この場合に画一的にDCオフセットの補
正を行なうと本来のDC成分まで除去してしまうことに
なる。したがって、そのシステムで用いられている変調
方式のDC成分が既知である場合には、そのDC成分の
基準平均値を予め用意しておいてDCオフセット検出手
段41(または42)により求められたDCオフセット
からこの基準平均値を減算して正確なDCオフセットを
求めて、これをDCオフセット保持手段43(または4
4)により保持する。なお、第2の具体例を示す図15
(b)のように、A/D変換器3から入力された基底周
波数信号から基準平均値を先に減算してからDCオフセ
ットを検出する基準平均値補正回路65のように構成し
てもよい。
【0097】次に、第7実施形態に係る受信機の動作手
順について、図14の受信機の場合についてフローチャ
ートを参照しながら詳細に説明する。受信部の利得切替
モードは、図16に示す4つの受信モードを想定する。
図16では、RF増幅器11の利得を10dBと−30
dBの2通りとし、ミキサ16、17の利得を20dB
と0dBの2通りとして計4つの受信モードを設定して
いる。尚、図13の受信機に対しても、増幅器26、2
7に対する利得切替制御(制御信号61)が存在するだ
けで、基本的な動作は以後説明する操作手順と同様であ
る。本受信機は、図17に示すようなTDMAシステム
への適用が適当である。以下では、図17に示す周期T
のTDMAフレーム66で、自端末に割り当てられた受
信タイムスロット67、68のみを受信する動作を繰り
返す受信を想定する。
【0098】本発明による受信機では、アナログ信号処
理部2の各受信モードに対して発生するDCオフセット
を予め想定し保持しておき、使用する各受信モードで読
み出してDCオフセット補正を行なうことが特徴であ
る。
【0099】まず、DCオフセットを検出し、DCオフ
セット補正値として図14のDCオフセット保持手段4
3、44に格納する操作手順について、図18のフロー
チャートを参照しながら説明する。
【0100】図18のフローチャートで、始めにアナロ
グ信号処理部10をDCオフセットを測定できる状態に
設定する(ST11)。図14のアナログ信号処理部1
0で発生するDCオフセットを単体で測定するために
は、信号入力部1から外部の信号が入力されないように
する必要がある。そのためには、例えば、アンテナ2の
後段に信号入力部1の入力を遮断するような高周波スイ
ッチ4を設けておき、DCオフセット測定時にはこのス
イッチ4を「断」としておくように構成すればよい。こ
の高周波スイッチ4は、例えば、TDMA/TDDシス
テム用の受信機では、送受切替スイッチと兼用すること
ができる。また、実際の動作状態で発生するDCオフセ
ットを測定する為、アナログ信号処理部10を受信状態
とする。すなわち、アナログ信号処理部10の各回路に
バッテリーセービング機能(図示せず)が備わっている
場合には解除し、局部発振器18も動作状態として、ミ
キサ16、17に基準搬送波信号を送出するように設定
しておく。
【0101】次に、nを受信モードとして、初期値
「1」を設定する(ST12)。ここで、図16の受信
モードに従って、n=1〜4を、図16の受信モードA
〜Dにそれぞれ対応させると、n=1は、モードAとな
り、RF増幅器12に10dB、ミキサ16に20dB
が設定される(ST13)。このモードAに設定された
状態で、アナログ信号処理部2出力に発生するDCオフ
セットを、前述の図15に示した構成のDCオフセット
検出手段41(または42)により検出する(ST1
4)。この検出されたDCオフセット値は、アナログ信
号処理部10をモードAに設定した場合の「DCオフセ
ット補正値」としてDCオフセット保持手段43、44
に格納される(ST15)。引き続き、n=2、すなわ
ち受信モードBの場合について(ST17)、同様にア
ナログ信号処理部10で発生するDCオフセット値を測
定し、DCオフセット保持手段43、44に格納してい
く。
【0102】最後に、n=4(受信モードD)出のDC
オフセット値を測定し、DCオフセット保持手段43、
44に格納して終了する(ST16)。したがって、受
信モードA〜Dに対応して夫々、DCオフセット値(=
DCオフセット補正値)が得られる。このDCオフセッ
トをA〜Dとして、図16の最右列に列記した。図1
3、図14のDCオフセット保持手段43には、DCオ
フセット測定値が、図16のような形式で格納・保持さ
れている。なお、DCオフセット測定時の各受信モード
測定順序は任意に設定できる。
【0103】次に、本DCオフセット補正を採用した第
7実施形態に係る受信機の受信モードの選択・設定手順
について図14と図19とを参照しながら説明する。図
19は、受信機に最適な受信部の利得、すなわち受信モ
ードを設定するための操作手順を示す図である。受信機
の利得を所期設定する場合の問題点は、受信される信号
レベルについての情報が全く無いことである。そのた
め、信号レベルが極端に大きい場合や極端に小さい場合
には、受信電界強度測定ができず、受信機の利得を設定
できないという問題が生じる。
【0104】図19の操作手順は、受信機が受信電化強
度を測定しながら、アナログ信号処理部10の各回路に
最適な利得を設定していく手法である。ここでは、図1
6に示す受信モードA〜Dの4つの受信モードを仮定
し、受信モードA〜Dをn=1〜4に対応させて説明す
る。図19に従えば、まずn=1でアナログ信号処理部
10の各回路の利得を受信モードAに設定する(ST2
1、ST22)。その後DCオフセット補正値として、
受信モードAに対応する値(図16のA)をDCオフセ
ット保持手段43、44から読み出して、第1のオフセ
ット補正手段24、25に送出し、DCオフセット補正
の設定を行なう(ST23)。この状態で、到来信号を
受信し(ST24)、受信電界強度検出回路57で受信
電界強度を測定し検出する(ST25)。このステップ
ST25の操作手順については後述する。
【0105】以下、純モードを逐次設定しながら(ST
12、ST12)、受信電界強度検出が可能なC/N
(C:信号強度、N:受信機熱雑音)、になった時点
(ST16)で、入力信号レベルを受信する最適受信モ
ードの設定(ST28)を行う。ここで、受信モード
は、図16に示す利得の大きなモードから小さなモード
(モードAからモードD)へ順次設定しても良いし、そ
の逆であっても良い。また、高速に最適受信モードを設
定する必要がある場合には、必ずしも1つずつ順に設定
する必要はなく、1つおき、もしくは幾つかずつ飛ばし
て設定するようにしても良い。
【0106】ここで、図19のST25に示した受信電
界強度検出の方法について図20を参照しながら説明す
る。図20は、電界強度測定のための操作手順を示す図
である。本受信機において、アンテナ2の入力端におけ
る受信電界強度の絶対値を測定することは、アナログ信
号処理部2の利得を最適な値に設定するために必要であ
る。図13、図14に示す直交復調部を備えた受信機で
は、受信電界強度検出回路57でA/D変換器3へ入力
する信号電圧をディジタル演算によって計算することが
できる。この演算は、例えばIQ各チャンネルの2乗和
のルートを取ることにより容易に実現できる。
【0107】そこで、受信電界強度検出回路57で信号
電圧レベル(PAD)を求め(図20のST29)、こ
の値からアナログ信号処理部2の全利得を差し引くこと
によって、アンテナ入力端での受信電界強度(PRF
を算出することができる。すなわち、PADからRF増
幅器11の利得(R)、ミキサ16の利得(M)、さら
に、LPF22や増幅器26等のベースバンド部の利得
(B)を差し引けば良い(ST30)。なお、アナログ
信号処理部10の各回路の利得は、図17に示す自端末
に割り当てられた受信タイムスロット67、68ごとに
逐次更新されるが、各回路に設定される利得の値はその
都度メモリ等に蓄えておけば良い。
【0108】次に、以上に説明したDCオフセット検
出、受信モード選択、受信電界強度測定を適用した本受
信機の通話時の受信操作手順について説明する。本受信
操作手順は、特にTDMAもしくはTDDシステムに本
受信機を適用する場合に特に有孔である。そこで、まず
本受信操作手順が前提とするシステムのフレーム構成に
ついて説明する。図21は、TDMAもしくはTDDシ
ステムにおけるフレーム構成を示す図である。図21
で、Tが1フレーム長、67、68が自端末に割り当て
られた受信タイムスロットである。
【0109】今、タイムスロット68を受信する場合、
受信モードの設定は、1つ前のフレームのタイムスロッ
ト67で検出された受信電界強度を基にしてスロット6
8の受信前迄に行われる。つまり、スロット67で求め
た受信電界強度から後続の68の受信電界強度を予測し
てアナログ信号処理部10の受信モードを設定する。こ
れは、図21のフェージング時の受信電界強度70の変
動によって定まるフェージング周期FTが、1フレーム
長Tに比べて充分に長ければ、先行フレームの受信スロ
ット67の受信電界強度から後続フレームの受信スロッ
ト68の受信電界強度をある程度予測できることに基づ
いている。
【0110】次に、図22を参照しながら、受信操作手
順の詳細を説明する。図22は、本受信機の通話時の基
本的な受信操作手順を示すフローチャートである。ここ
で、図21の受信タイムスロットを受信することを考え
る。受信機は、電源ON(ST31)の後、初期設定
(ST32)で、DCオフセット測定(図18)、アナ
ログ信号処理部10の利得の設定(図19)を行い、受
信可能な状態となる。この後、受信スロット67にて
(ST33)、受信電界強度PRFを測定する(ST3
4)。この受信スロット67の受信電界強度から後続の
68を受信するための受信モードを設定すると共に、こ
の受信モードに対応するDCオフセット補正値をDCオ
フセット保持手段43、44から読み出して設定する。
そして、後続(ST36)の所望スロット68を受信す
る(ST37)。第7実施形態では、1スロット68の
間で受信電界強度はほぼ一定であるとみなし、設定され
た受信モードはスロット68受信中は固定するものとし
ている。
【0111】なお、アナログ信号処理部10の各回路で
発生するDCオフセットは、同じ純モードであっても、
時間の経過と共に回路の温度特性などによって微妙に変
動する。その場合には、電源ON(ST31)の直後の
初期設定(ST32)以外の時間帯でDCオフセットを
検出し、DCオフセット保持手段43の内容を更新して
おくことが必要である。電源ON時以外にDCオフセッ
トを検出する時間は、所望の受信スロット以外の時間帯
であることが必要である。例えば、バッテリーセービン
グモード時の所望スロット受信以外の時間で、所定の時
間毎、あいるは所定のフレーム毎にDCオフセット検出
を行えば良い。
【0112】次に、図17を参照しながら、ディジタル
信号処理回路40からアナログ信号処理部10へ送出さ
れる利得制御信号と、DCオフセット制御信号のタイミ
ング関係について説明する。図17で、71はアナログ
信号処理部10の受信モードを設定するための利得制御
信号、72はDCオフセットを補正するための制御信号
である。受信スロット67では制御信号値73に対応す
る受信モードで受信して、この受信モードに対応するD
Cオフセット制御は、制御信号75で行うものとする。
また、受信スロット68では制御信号値75に対応する
受信モードで受信し、この受信モードに対応するDCオ
フセット制御は、制御信号76で行うものとする。本受
信機では、受信モードは先行する受信スロット67で測
定された受信電界強度に基づいて決定される。このた
め、受信モードを設定する利得制御信号71は、受信ス
ロット67での制御信号値73から、後続の受信スロッ
ト68前にタイミングt2で制御信号値74に切り替わ
る。ここでt2は受信スロット開始時刻t3よりも前で
あれば良い。一方、DCオフセット補正をアナログ信号
処理部10で行うためのDCオフセット制御信号72
も、75から76に切り替わる。この切替タイミングt
1′は、基本的には、後続の受信スロット68開始時刻
t3の前であれば良い。従って、制御信号72が75、
76に切り替わることによってアナログ信号処理部10
での回路的不具合が発生しなければ、利得制御信号71
の利得切替タイミングt2に関わらず、t1、t1′の
いずれで切り替わっても良い。
【0113】図22を用いて説明した受信操作手順は、
図17の受信フレームの先行受信スロット67の受信電
界強度に基づき後続受信スロットの受信モードを設定す
る方法である。しかし、より実用的には、スロット68
を受信する際の受信モードは、所望受信スロット68の
受信時の受信電界強度によって決定・設定することが望
ましい。以下にこの方法について説明する。最初に、受
信スロット68の一般的な構成を図23に示す。ここで
スロット68が所望の受信スロットであり、77、78
が隣接スロット、80、81はガードタイムである。ス
ロット76は、スタートシンボル82、プリアンブル8
3、ユニークワード84、情報部分85等から構成され
ている。ここで、例えば、プリアンブル83区間で受信
電界強度の測定ができれば、その情報に基づき、このス
ロット内の情報部分85部分を受信するためのより適切
な受信モード設定が可能となる。
【0114】以下、図24を参照しながら、所望受信ス
ロット68内で受信電界強度測定を行い、受信モード設
定・DCオフセット補正を行って情報部分85を受信す
る操作手順について説明する。図24で、電源ON(S
T41)、初期設定(ST42)の操作は、図22で説
明した内容と同じである。ST43に記したn=1は、
図22の場合と異なり、現時点で既に所望受信スロット
67を受信していることを示している。この時のアナロ
グ信号処理部10の受信モードは、初期設定(ST4
2)で設定された受信モードとなっており、この受信モ
ードに対応したDCオフセット補正が行われている(S
T44)。そして、受信スロット67の先頭部分(例え
ば、図23のプリアンブル83)を用いて、現在受信し
ている受信スロットでの受信電界強度PRF′を測定する
(ST85)。そして、このPRF′に基づいて最適な受
信モードを設定し、併せてこの受信モードに対応するD
Cオフセット補正値をDCオフセット保持手段43、4
4から読み出して設定する(ST46)。その後、プリ
アンブル83以降の受信スロットを受信する(ST4
7)。後続のフレーム(n≧2:ST49)からは、受
信電界強度測定(ST45)によって設定する受信モー
ドの初期値は、1つ前のフレーム(n=1)を受信する
際に使用した受信モードに設定しておくのが効果的であ
る。例えば、n=1で図16の受信モードBで受信した
場合には、n=2での受信電界強度測定(ST45)の
初期値として受信モードBを使用すれば良い。あるい
は、n=2での受信電界強度測定(ST45)の際のA
/D変換器3の飽和を避けるという観点からは、n=1
よりも1ランクしたの利得の少ない受信モードを初期値
としても良い。
【0115】以上に説明した受信操作手順により、本発
明の受信機ではなく、アナログ信号処理部10でDCオ
フセットが発生しても、その影響を受けることなく良好
な受信性能を実現することが可能である。
【0116】ここで、図13、図14に記載されている
アナログ信号処理部10の第1のオフセット補正手段の
構成・動作について図14、図25を参照しながら説明
する。この動作を行う受信機は、特に受信スロット内で
DCオフセット補正を行いながら受信を行う場合に有効
である。図25は、ミキサ16の出力に発生するDC成
分がLPF22、23の時定数によって影響を受けるこ
とを示す図である。図25(a)は、図14の利得切替
制御信号58のタイミングを表す図であり、時刻t′で
アナログ信号処理部10の各回路に対する利得の切替が
行われる。図25(b)は、ミキサ出力(LPF入力)
のDC成分の変化を表す図であり、時刻tでアナログ信
号処理部10の利得が変化したのに伴い、DCオフセッ
ト変動86が生じている。
【0117】このDCオフセット変動86は、例えば、
図61(b)のDCHIGHと図60(b)のDCLO
Wの差分に相当する。尚、この時点では未だDCオフセ
ット補正は行っていないものとしている。次の図25
(c)は、図25(b)を入力した時の、LPF22の
出力を表す図である。ここでLPFの時定数による応答
87が生じ、出力が整定するまでに89の遅延が生じて
いる。図25(d)はDCオフセット分86の逆特性と
なっている。この図25(d)の信号でLPF22の出
力を示す図25(c)に対して補正を掛けたものが図2
5(e)である。すなわち、LPF22の時定数の影響
による遅延分89の区間は、DCオフセット補正出力は
88のようになり、正確な補正が実現できていない。
【0118】これを解決するためには、LPF22の前
段でDCオフセット補正を行えば良い。この方法によれ
ば、図25(f)のようにDCオフセット補正回路出力
は遅延89の影響なく、完全なDCオフセット補正を実
現することができる。このように、本受信機において
は、LPF22、23の時定数の影響を受けないように
するため、好ましくは第1のオフセット補正手段は、L
PF22、23の少なくとも前段(図13、図14では
20、21の位置)に設定することが望ましい。尚、こ
のことは、先に説明した図22の受信手順、つまり所望
受信スロット以外の区間でDCオフセット補正を行う場
合も同様である。すなわちLPF22、23の時定数の
影響を極力受けることのないように、第1のオフセット
補正手段はLPF22、23の少なくとも前段に設定す
ることが好ましい。
【0119】以上、図13と図14では、DCオフセッ
トをアナログ信号処理部10のみで補正する場合の構成
について説明した。しかし、本発明はこの第7実施形態
以外、すなちわディジタル信号処理回路40でDCオフ
セットを補正する構成の受信機に対しても有効であるこ
と明らかである。すなわち、図26は、図13におい
て、ディジタル信号処理回路40内に第2のDCオフセ
ット補正手段45、46を設けた第8実施形態に係る受
信機で、この部分の動作は図2を用いて説明した第2実
施形態と同様である。
【0120】さらに、図27に示す第9実施形態のよう
に、補正するDCオフセットの量を、アナログ信号処理
部10のとディジタル信号処理回路40に振り分ける方
式も考えられる。すなわち、DCオフセット振り分け手
段51、52を追加する構成を採れば良い。これについ
ても、図4に示す第3実施形態と同様の構成を採ること
によって容易に実現できる。また、受信手順について
は、これまでに説明したDCオフセット補正値の検出・
設定・補正の手順の全ての手順を、アナログ値のみでな
く、ディジタル値についても行なうようにすれば良い。
【0121】図28を用いて、ディジタル系とアナログ
系にDCオフセット補正を振り分けながら受信する受信
操作手順について説明する。ここでは、図21に示した
受信スロットを受信することを考える。受信機は、電源
ON(ST50)の後、初期設定(ST51)で、DC
オフセット測定(図18)、アナログ信号処理部10の
利得の設定(図19)を行ない、受信可能な状態とな
る。DCオフセット測定では、測定したDCオフセット
から、アナログ信号処理部2とディジタル信号処理回路
40で補正するDCオフセット成分の振り分けを行う。
この部分の構成については、図4に示す第3実施形態と
同様である。この後、受信スロット67にて(ST5
2)、受信電界強度PRFを測定する(ST53)。こ
の受信スロット67の受信電界強度から後続の68を受
信するための受信モードを決定・設定する。合わせて、
この受信モードに対応するDCオフセット補正値をDC
オフセット保持手段43,44から読み出し、アナログ
信号処理部10とディジタル信号処理回路40のDCオ
フセット補正手段に対してそれぞれ設定する(ST5
4)。尚、手順ST55からST58については後述す
る。そして、後続(ST59)の所望スロット68を受
信する(ST60)。本実施形態では、1スロット68
の間で受信電界強度はほぼ一定であるとみなし、設定さ
れた受信モードはスロット68の受信中は固定するもの
としている。
【0122】図22で説明したように、アナログ信号処
理部10の各回路で発生するDCオフセットは、同じ受
信モードであっても、時間の経過と共に回路の温度特性
などによって微妙に変動する。そのため、逐次DCオフ
セットを検出し、DCオフセット保持手段43の内容を
更新しておくことが必要である。この時、DCオフセッ
トをアナログ信号処理部10で補正するか、ディジタル
信号処理回路40で補正するかの振り分け方を逐次更新
して行くと、より柔軟に対応できる。図28中の、手順
ST55からST58は、この内容を実現するための手
順である。
【0123】まず、ST55では、設定された受信モー
ドと、アナログ信号処理部10とディジタル信号処理回
路40でのDCオフセット補正の状態で、受信動作を行
ないDCオフセットを検出する。そして、ディジタル信
号処理回路40でのDCオフセット補正量が所定の値を
越え、アナログ信号処理部10で補正した方が良いと判
断(ST56)される場合には、アナログ信号処理部1
0でのDCオフセット補正量を変更する。アナログ信号
処理部10で行うDCオフセット補正の補正量の変更
は、例えば図16の最右列のDCオフセット補正値テー
ブルの更新によって実現する(ST58)。このテーブ
ルを更新した場合には、アナログ信号処理部10の補正
量を考慮したディジタル信号処理回路40の補正量を再
度算出し設定する(ST57)。また、手順ST56
で、アナログ信号処理部10のDCオフセット補正量を
変更する必要が無いと判断される場合には、ディジタル
信号処理回路40のみのDCオフセット補正値を更新し
ておく(ST57)。
【0124】ここで、アナログ信号処理部10では、各
受信モードについてDCオフセット補正を行なっている
ため、ディジタル信号処理回路40で補正するDCオフ
セット量は、アナログ信号処理部10で補正するDCオ
フセット量よりも小さくて済む。したがって、ディジタ
ル信号処理回路40で行なうDCオフセット補正量はア
ナログ信号処理部10の各受信モードごとに対応させて
全てテーブル化しておく必要はない。
【0125】本手順のST55からST58に示したD
Cオフセット検出及び、アナログ信号処理部10とディ
ジタル信号処理回路40へのDCオフセットの再振り分
けについては、通常、毎フレームごとに行う必要はな
く、数フレームに1回の割合で行なえば良い。
【0126】以上に説明した第8および第9実施形態に
係る受信機については、図26、図27で周波数変換器
12の無い直接変換受信機においても、本発明が有効に
適用できることは明らかである。
【0127】以下、図面を用いて本DCオフセット除去
機能を備えた第10実施形態に係る受信機のバースト捕
捉時の動作について詳細に説明する。第10実施形態の
受信機に入力される受信信号は図21に示すバースト状
の信号である。TDMA通信の場合、このバースト状の
信号が定められた周期で受信される。この周期がフェー
ジングの周期に比べて十分に早い場合には、前バースト
の情報を用いて、受信機の利得設定、すなわち受信モー
ドの選択を行なうことができる(第7実施形態の一
部)。
【0128】これに対し、基地局との同期が取れていて
も、バースト周期に比べてフェージング周期が短い場合
には、前バーストの受信電界強度と現バーストの受信電
界強度は相関が無い。従って、前バーストの情報を用い
て受信モード設定を行うことが出来無い状態で、到来信
号を捕捉・受信する必要が有る。これは、バッテリーセ
ービング(以下BS)中に制御信号を受信する場合、い
わゆる「同期時バースト受信」に相当する。また、基地
局との初期接続を行う際は、まず端末の電源をONとし
て、いわゆる「非同期連続受信」を行い、基地局から送
信される制御信号を捕捉する必要がある。この場合に
は、基地局との同期も取れておらず、どの時刻に基地局
から信号が到来するかが分からない。すなわち、無信号
区間から突然出現する基地局からの到来信号を受信する
必要が有る。
【0129】本第10実施形態ではこの課題を解決し、
無信号区間からのバースト到来信号に対しても、到来し
た1バースト内で受信モードを決定し、受信情報を復調
することを可能とするDCオフセット除去機能を備えた
受信機を提供する。以下、図14に示す構成の受信機に
対して、図29から図32に示す受信操作手順を適用し
た場合の第10実施形態について説明する。なお、簡潔
に説明するため、DCオフセット補正はアナログ信号処
理部10のみで行なうようにして説明したが、ディジタ
ル信号処理回路40内でのDCオフセット補正をする場
合も、前述と同様に有効に適用可能である。
【0130】図29は本受信機のディジタル信号処理回
路40内の受信モード及びDCオフセットに対する制御
を行う制御部(図示せず)の操作手順を示す図である。
ここで、図14の受信機に対して、図16に示す受信モ
ードが設定されているものとする。また、本手順は図2
3に示すプリアンブル83の区間に終了し、受信モード
が設定された後に、ユニークワード84以降の情報を受
信することを目的としている。
【0131】制御部では次の手順により受信操作を行
う。電源ON(ST62)の後、まず、DCオフセット
をすべての受信モードについて測定し、DCオフセット
保持手段43,44に格納する(ST63)。この手順
は図18の通りである。そして受信周波数を、基地局か
らの制御信号が送信されてくる制御チャネルに設定し
(ST64)、アナログ信号処理部10の利得を最大値
に設定する(ST65)。図16の受信モードでは、モ
ードAに相当する。次に、時間を計測するカウンタをリ
セット(t=0)する(ST66)。CDW、現在の受
信モード(モードA)に対応するDCオフセット補正値
(図16のA)を、DCオフセット保持手段43,44
から読み出して設定する(ST67)。この状態で、連
続受信を行い(ST68)、基地局から送信されてくる
制御信号の到来を待つ。
【0132】A/D変換器のオーバーフローを検出した
場合には(ST69)、信号が到来したことになる。オ
ーバーフローはA/D変換器の出力する最大値のディジ
タルデータが出現することにより検出される。もしく
は、A/D変換器にオーバーフロー検出機能を持たせ
て、そのフラグが立ったときを持ってオーバーフローと
しても良い。オーバーフローが生じた時は、アナログ信
号処理部10の利得を下げる(ST72)。
【0133】例えば、図16でモードを1つ下げるので
あればモードBに移る。モードが変わる際に、制御遅延
やアナログ信号処理部10の応答による遅延により、デ
ィジタル信号処理回路40の制御回路に信号が到達する
までに遅延が生じる。この遅延区間では利得の落ちた信
号の振幅強度が正確に測定できない。そこで、予め前記
遅延時間を計算しておき、その遅延時間(t1)区間で
オーバーフロー検出を停止させておく(ST74)。も
しくは、オーバーフロー検出を制御回路で無視しても良
い。その後、再び時間カウンタをリセット(t=0)
し、オーバーフロー検出を開始する。以後、ディジタル
信号処理回路40に供給されるクロック速度で定まれる
△tの分解能で、この操作を繰り返す(ST70)。そ
して、予め定められた時間区間(t=t0)でオーバー
フローが検出されなかった場合には、最適な受信モード
が選択され、D/A変換器5のダイナミックレンジ内に
受信信号が入ったものと判断する。
【0134】以上の受信操作手順は、図23のプリアン
ブル83の期間中に終了し、この後この受信モードで後
続のユニークワード84を受信する(ST75)。ユニ
ークワード(UW)を検出できた場合には(ST7
6)、基地局から自局に対して送信された制御信号であ
るので、後続の情報部分85を受信し、この後、通常の
受信状態に入る(ST77)。なお、ユニークワードを
検出できなかった場合には、何らかの干渉波等によりオ
ーバーフローが生じたものとして、再度初期受信状態
(ST65)に戻る。
【0135】なお、オーバーフローが生じ(ST69)
て、利得を下げ(ST72)、全ての受信モードを用い
てもまだオーバーフローしている状態(ST73)は、
受信電界強度が非常に高く、受信機のダイナミックレン
ジを越えている状態である。図16の例では、モードD
(最低利得)に設定しても、オーバーフローが発生する
場合である。この状態では、到来信号の受信は不可能で
あるので、直ぐに初期受信状態(ST65)に戻しても
良いが、現時点の利得で後続の情報を受信してみて(S
T75)から初期状態に戻しても良い。
【0136】図30は第11実施形態に係る受信機のデ
ィジタル信号処理回路40内の受信モード及びDCオフ
セットに対する制御を行う制御部(図示せず)の異なる
操作手順を示す図である。この第11実施形態は、基本
的には図29と同様であり、最大利得から順次利得を下
げながら受信して行く方法である。ただし、図29と異
なるのは、アナログ信号処理部10が最大利得時でもA
/D変換器3がオーバーフローを生じない場合の手順S
T78ないしST83が挿入されている点である。
【0137】本手順は、D/A変換器5に非常に多ビッ
トのA/D変換器が使用された場合に有効である。つま
りA/D変換器のダイミナミックレンジが大きく、信号
レベルが小さい場合に、アナログ信号処理部10を最大
利得にしてもオーバーフローしない場合である。図30
で、手順ST65までは図29と同じであり、受信モー
ドは最大利得に設定されている。その後、時間を計測す
るカウンタをリセット(t=0)し(ST78)、現在
の受信モードに対応するDCオフセット補正値とを、D
Cオフセット保持手段43,44から読み第して設定す
る(ST79)。この状態で連続受信を行い(ST8
0)、基地局から送信されていくる制御信号の到来を持
つ。
【0138】手順ST81では、A/D変換器3の所定
のビットの検出、またはオーバーフロー検出が行われ
る。まず、A/D変換器3の出力の所定ビットの検出に
より、入力信号が所定レベル以上であるかどうかを判定
する。もし所定レベル以上である場合には、信号到着し
たと判定し、最大利得のまま手順ST75に行き受信動
作を行う。また、手順ST81の時点で、仮にA/D変
換器3のオーバーフローを検出した場合にも、信号が到
来したと判定したことが分かり、手順ST72以下、図
29と同じ受信操作手順を行う。なお、手順ST81で
信号レベルが所定レベル以上とならない場合には、信号
が到来していないとみなす。以上説明した図30では、
図29に手順ST78〜ST83の部分が挿入された形
になっている。
【0139】図31は第12実施形態に係る受信機のデ
ィジタル信号処理回路40内の受信モード及びDCオフ
セットに対する制御を行う制御部(図示せず)操作手順
を示す図である。図29、図30の第10、第11実施
形態では、アナログ信号処理部10の利得を最大値に設
定し順次下げていくことで最適な受信モードを選択し
た。この第12実施形態(図30)では逆に、アナログ
信号処理部10の利得を最低値に設定し順次上げていく
ことで最適な受信モードを操作する。図31で、手順S
T62、ST63、ST64は、図29と同様である。
次に、アナログ信号処理部10の利得を最低値に設定す
る(ST85)。これは、図16に受信モードでは、モ
ードDに相当する。
【0140】次に、時間を計測するカウンタをリセット
し(ST66)、現在の受信モード(モードD)に対応
するDCオフセット補正値(図16のD)を設定する
(ST67)。この状態で、連続受信を行ない(ST6
8)、基地局から送信されてくる制御信号の到来を持
つ。ここで、A/D変換器3の出力の所定ビットが立っ
たか否かを判定する(ST86)。これはA/D変換器
3へ入力される信号レベルが所定のレベル以上になって
いるか否かを判定していることになる。この判定は、△
tの分解能で、予め定められた時間区間(t=t0)で
繰り返される(ST70,ST71)。A/D変換器3
へ入力される信号レベルが不足していると判定される場
合には、アナログ信号処理部2の利得を上げる必要があ
る(ST87)。図16の例では、受信モードDをCに
移して利得を上げる。利得を上げた後は、図29の場合
と同様に、制御遅延やアナログ信号処理部10の応答を
考慮した遅延t1区間だけ、レベル検出を停止する(S
T88)。その後、再び時間カウンタをリセット(t=
0)し、レベル検出を開始する。手順ST86で、A/
D変換器3に十分な信号レベルが入力されていると判定
された時には、アナログ信号処理部10に最適の利得が
設定されているものと判断する。
【0141】ここまでの手順は、図23のプリアンブル
83の期間中に終了し、ここで決定した受信モードで後
続のユニークワード84を受信する(ST75)。ユニ
ークワード(UW)を検出できた場合には(ST7
6)、基地局から自局に対して送信された制御信号であ
るので、後続の情報部分85を受信し、この後、通常の
受信状態に入る(ST77)。なお、ユニークワードを
検出できなかった場合には、信号が到来していないとみ
なし、再度初期受信状態(ST85)に戻る。
【0142】なお、手順ST87で、アナログ信号処理
部10の利得を上げ、全ての受信モードを用いてもまだ
信号レベルが充分でない状態(ST73)は、受信電界
強度が非常に弱く、受信機の雑音レベルに所望波が埋も
れている状態であると考えられる。この状態では、到来
信号の受信は不可能であるので、直ぐに初期受信状態
(ST85)に戻しても良いが、現時点の利得で後続の
情報を受信してみて(ST75)から初期状態に戻して
も良い。
【0143】図32は第13実施形態に係る受信機のデ
ィジタル信号処理回路40内の受信モード及びDCオフ
セットに対する制御を行う制御部(図示せず)の操作手
順を示すである。図32で、手順ST63までは図29
と同じである。次の手順で、受信モードを初期モード、
具体的には最低利得の1つ上(1段階利得の高い)の受
信モードに設定する。図16の例ではモードCに対応す
る。次に、時間を計測擦るカウンタをリセットし(ST
65)。現在の受信モード(モードC)に対応するDC
オフセット補正値(図16のC)を、DCオフセット保
持手段43,44から読出して設定する(ST67)。
この状態で、連続受信を行なう(ST68)基地局から
送信されてくる制御信号の到来を持つ。
【0144】ここで、A/D変換器のオーバーフローを
検出した場合には(ST69)、受信モードを1つ下げ
る(利得を一段階下げる)(ST91)。すなわち、こ
の時は最低利得(図16では受信モードD)となる。そ
して、そのまま受信モードでプリアンブル以降を受信す
る(ST75)。これは、初期段階で(ST90)、最
低利得の1つ上(1段階利得の高い)の受信モードに設
定されていたため、オーバーフローすれば、最低利得で
受信するしか方法が無いからである。逆に、予め定めら
れて時間区間(t=t0)でオーバーフローが検出され
なかった場合には、無線部の利得が不足していると判定
され、アナログ信号処理部10の利得を上げる(ST8
7)。図16の例では、受信モードをCからBに移して
利得を上げる。利得を上げた後は、図29の場合と同様
に、制御遅延やアナログ信号処理部10の応答を考慮し
た遅延t1区間だけ、オーバーフロー検出を停止する
(ST74)。
【0145】その後、再び時間カウンタをリセット(t
=0)して、オーバーフロー検出を開始し、これ以後、
ディジタル信号処理回路40に供給されるクロック速度
により定まる△tの分解能で、オーバーフローが生じる
までこの操作を繰り返す(ST70)。そして、オーバ
ーフローが生じた場合には、1つ前、すなわち利得が1
段階下受信モードに戻して(ST91)、プリアンブル
以降の受信動作を行う(ST75)。本第13実施形態
における受信操作手順では利得の小さい受信モードから
利得を順次上げていく方式であるため、、オーバーフロ
ーが発生したら、1つ前の受信モードを最適な受信モー
ドとみなすことができるのが特徴である。
【0146】なお、手順ST87で、全ての受信モード
を用いてもまたオーバーフローしない状態(ST73)
は、受信電界強度が非常に弱く、受信機の雑音レベルに
所望波が埋もれている状態であると考えられる。この状
態では、到来信号の受信は不可能であるので、直ぐに初
期受信応対(ST85)に戻しても良いが、現時点の利
得で後続の情報を受信してみて(ST75)から初期状
態に戻しても良い。
【0147】ここで、図29〜図32に示す受信操作手
順を比較する。まず、受信モード設定までの所要時間に
ついて比較する。図31、図32は、小さな利得から大
きな利得に切替えながら受信操作を行なうため、LPF
22の時定数による過度応答の影響を受けにくい。すな
わち、利得切替前の信号の過度応答が存在しても、後続
の信号レベルの方が大きいので、このレベルを誤検出す
ることは少ない。
【0148】この様子を図33を用いて説明する。図3
3(a)は高利得から低利得に切り替えた場合のLPF
22の出力である。また、図33(b)は低利得から高
利得に切り替えた場合のLPF22の出力である。図3
3(a)の場合、時刻t′で高利得から低利得に切り替
わると、信号レベルは、91から92に変化する。しか
し、LPFの時定数の影響で、信号91は利得切替
(t′)後も93となって残り、所望信号92に重畳す
る。信号93のLPFの時定数で減衰するが、切り替え
後の97に示す区間は、この信号93の影響で所望信号
92のレベルを正確に判定することが出来ない。したが
って、所望信号92のレベルを判定を行う為には、97
に示す時間以降まで持つ必要が有る。すなわち、検出無
視区間が必要となり、所望信号92のレベル判定に97
の遅延が生じる。
【0149】これに対して、利得切替を、低利得から高
利得にする場合を示したものが図33(b)である。図
33(b)では、時刻t′で低利得から高利得に切り替
わると、信号レベルは、94から95に変化する。そし
て図33(a)と同様にLPFの時定数の影響で、信号
94は利得切替(t′)後も96となって残り、所望信
号に重畳する。しかし、所定信号95は高利得に切り替
えられた為、重畳する信号96よりも信号レベルが大き
く、レベル判定においても影響は少ない。したがって、
図33(b)は時刻t′後に直ぐに所望信号96のレベ
ル判定を行なうことができる。このように、低利得から
高利得に切り替えて判定するほうが、検出無視区間を短
くすることができる。この様に、図31、図32の手法
では、各手法で必要となっている「検出無視区間:t
1」(ST74、ST88)の遅延が短くて済む。その
ため、高速に受信モードの設定を行なうことが出来る。
【0150】これに対して、図29、図39の受信操作
手順の「高利得から低利得に切り替える方式」では、上
述のように検出無視区間は、図31、図32よりも長め
に採る必要が有る。
【0151】次に、受信形態における適性について比較
する。本受信操作手順が必要なのは、端末電源をONと
して基地局との初期接続を行う際の「非同期連続受信」
形態である。図29、図30の受信操作手順は、端末電
源をONとして基地局との初期接続を行う際の「非同期
連続受信」、またBS時の「同期時バースト受信」時の
いずれの場合にも有効である。特に、端末の電源ON直
後の「非同期連続受信」時にいつ信号が到来するか不明
な場合でも、最大利得で待っているため、オーバーフロ
ー検出により、信号の到来を判定することができる。
【0152】これに対して、図31、図32の受信操作
手順は、無信号区間でバースト到来信号を検出すること
が難しい、これは、本受信手段では低利得で信号を待っ
ているため、いつ信号が到来するか分からない状態(電
源ON直後の非同期状態)では、到来信号の有無が判断
しにくいためである。したがって、図31、図32の受
信操作手順は「非同期連続受信」時よりも「同期時バー
スト受信」時に適している。
【0153】以上説明した様に、各操作手順には特徴が
ある。すなわち、図29、図30の手順は、「非同期連
続受信」に向いており、図31、図32の手順は、受信
モードを決定する迄の時間が短くて済み、同期時バース
ト受信」の際に有効である。したがって、端末電源ON
時の「非同期連続受信」の際には、図29、図30のい
ずれかの受信操作手順を用い、「同期時バースト受信」
の際には図31、図32のいずれかの受信操作手順を用
いる等、必要に応じて適宜組み合わせて用いる方法が有
効である。例えば、図31や図32の電源ON(ST6
1)の後に、図29、図30に示す受信操作手順、すな
わち「同期時バースト受信」の手順を挿入する。そし
て、一旦同期が確立した後のBS状態では、図31、図
32の方法を用いてバースト捕捉を行なえば良い。
【0154】次に、本発明の第14ないし第16実施形
態に係る受信機について図34ないし図38を参照して
説明する。DCオフセット検出を行う場合、検出すべき
DCオフセット成分以外にDC成分を持つ信号波が受信
されると、DCオフセットを正確に検出できなくなる。
このため、アンテナ2から、特に他の無線通信システム
で使用されている電波が受信されてしまうと、この到来
波の影響でDCオフセット検出が正確にできなくなる可
能性がある。
【0155】本受信機では、この影響を防ぐために、D
Cオフセット成分を検出する時に、アンテナから信号が
受信されないようにする手段、すなわち受信信号をオフ
とする手段を備えていることが特徴である。この方法に
付いて、幾つかの実施形態を図面を用いて説明する。
【0156】図34(a)は本発明の第14実施形態を
説明するための図である。ここで、アンテナ2で受信さ
れた信号を、オフと遮断するために、スイッチ4aが設
けられている。スイッチ4aは、DCオフセット検出を
行う場合にはアンテナ2からの信号経路をオフとする。
そして、アンテナ2の入力インピーダンスと同じ値に設
定されている終端抵抗4b側に接続される。この操作に
より、アンテナ2で受信された到来信号が、アナログ信
号処理部10、ディジタル信号処理部40に送出される
ことを防ぐ。さらに、RF増幅器11の入力が、終端抵
抗4b、すなわちアンテナ2の入力インピーダンスで終
端される。これは、DCオフセット検出時と所望信号受
信時とで、RF増幅器の入力インピーダンスの値による
DCオフセット出力が変化が生じないようにするためで
ある。
【0157】図34(a)のスイッチ4aは、図34
(b)のように、MOSスイッチ、SW1、SW2によ
って容易に構成できる。この時のSW1、SW2の動作
モードが図35に示されている。すなわち、通常受信時
には、SW1がオン、SW2がオフ、DCオフセット検
出時には、SW1がオフ、SW2がオンとなるように制
御を行う。SW1、SW2のゲートには、DCオフセッ
ト検出の有無の状態に応じ、ディジタル信号処理部から
制御信号が送出され、オン/オフ動作が行なわれてい
る。
【0158】なお、スイッチ4aは、原理的にはDCオ
フセット検出を行なうよりも前にあれば良い。一般的に
は、利得を与えるブロックの前にあることが望ましく、
RF増幅器12の前段におくことが望ましい。
【0159】次に、受信信号をオフとする他の構成とし
ての第15実施形態に係る受信機を説明する。図36
は、RF増幅器11と並列にアッテネータ90が接続さ
れている例である。このアッテネータ90の入力インピ
ーダンスは、アンテナ2、RF増幅器11の入力インピ
ーダンスと同じ値、例えば50Ωに設定されている。こ
のアッテネータ90は、強電界入力時にRF増幅器11
に替わって用いられ、受信機が飽和するのを防ぐ役目を
する。すなわち、通常レベルの信号受信時には、RF増
幅器11が用いられ、所定の値よりも受信信号レベルが
大きい場合には、アッテネータ90が用いられる。この
時の図36におけるMOSスイッチSW1〜SW7の動
作モードを図37に示した。すなわち、通常レベルの受
信時には、SW3とSW6がオンとなり、SW4、SW
7がオフとなり、RF増幅器11が動作する。一方、所
定の値よりも受信信号レベルが大きい場合には、アッテ
ネータモードとなり、SW3とSW6がオフとなり、S
W4、SW7がオンとなり、アッテネータ90が動作す
る。
【0160】さらに、本構成では、SW5が設けられて
いることが特徴であり、DCオフセット検出時には、こ
のSW5、さらにSW6がオンとなり、SW3、SW
4、SW7がオフとなる。この状態では、アンテナ2か
らの信号入力はオフとなり、かつRF増幅器11は、ア
ッテネータ90の入力インピーダンス、すなわちアンテ
ナ2の入力インピーダンスと同じ値で終端されている。
このようにすれば、DCオフセット検出時と所望信号受
信時とで、RF増幅器11の入力インピーダンスの値に
よるDCオフセット出力が変化が生じないように設定で
きる。
【0161】以上の様な方法を採ることにより、DCオ
フセット検出時に、アンテナ2から何等かの電波が受信
されても、この到来波の影響を受けることなく、良好に
DCオフセット検出を行うことができる。
【0162】上記の第14、15実施形態では、DCオ
フセット成分が他の信号成分に埋もれて検出できない場
合について説明した。しかし、アンテナから受信される
到来波レベルが小さく、到来波無しとみなせるような場
合には、DCオフセット検出に影響を及ぼさない場合も
ある。このような場合のために、受信信号強度を検出す
る手段(RSSI:受信電界強度検出装置)を具備し、
到来波の受信信号強度が所定の値より小さくなったとき
には、DCオフセット検出を行なうようにしても良い。
【0163】図38は、上記の方法に関する第16実施
形態を説明するための図である。なお、図38はIQチ
ャネルの内の1系統のみを図示している。ここで、A/
D変換器3の出力は、RSSI検出手段98に入力さ
れ、アンテナ2にて受信された到来波のディジタル信号
処理部40への入力電圧が検出される。本受信器では、
この検出値が所定値よりも小さい場合には、DCオフセ
ット検出には影響が無いものとして、DCオフセット検
出動作を行なう。具体的には、前記検出値がディジタル
信号処理回路40内の復調器50で許容されるDCオフ
セット値から10dB程度低ければDCオフセット検出
には影響は無い。RSSI検出の結果、アンテナ2から
受信された到来波の受信電界強度が低く、到来波無しと
判定された場合には、DCオフセット検出手段41に対
して制御信号99を送出し、DCオフセット検出を実行
する。なお、制御信号99は、検波・復調手段50から
送出されるようにしておいても差し支えない。
【0164】図1におけるDCオフセット検出手段41
(または42)は、図39に示すように構成することが
できる。図中411は累積加算回路、412は除算回路
である。次に本発明の第17実施形態に係る受信機の動
作について説明する。
【0165】A/D変換器3の出力信号はアンテナ2か
らの入力信号をベースバンドに周波数変換し、その信号
をさらにディジタル信号に変換した信号である。この信
号は累積加算回路411に入力される。累積加算回路4
11に入力される信号はDCオフセットの重畳した変調
信号である。
【0166】累積加算回路411ではA/D変換器3の
出力であるディジタルデータを1サンプル毎に加算して
ゆく。このように入力信号を累積加算することにより、
A/D変換器3の出力信号に含まれるDCオフセット成
分のみが加算されてゆく。なぜならば、DCオフセット
以外の変調信号は、その信号を長い期間にわたって累積
加算すると、その平均値は0になるからである。
【0167】この信号を除算回路412において累積さ
れたデータの数で除算することでA/D変換器3の出力
に含まれているDCオフセットの絶対値が得られる。ま
たここで累積するデータの数を2のべき乗とすることに
より、この除算回路42はビットシフトにより非常に簡
単に実現できる。
【0168】以上のように累積加算回路411と除算回
路412を用いてDCオフセット検出手段41を構成す
ることにより、A/D変換器3の出力信号の時間平均を
算出することでDCオフセット値を検出することができ
る。
【0169】この累積加算するデータの数(積分期間)
は変調信号に含まれるDC成分が充分除去できる程度に
長くとれば正確に検出できるが補正するまでに時間差が
生じる一方、短時間で補正するために積分期間を短く設
定すればDCオフセットの検出誤差が増大するため、適
切な値に設定することが重要である。本第17実施形態
によれば、積分期間の設定は累積加算回路における加算
するデータ数を変えることにより非常に簡易に実現で
き、また設定変更も容易である。
【0170】図40は、オフセット成分を有する受信信
号を示す図である。ここで、受信信号404が受信され
た熱雑音及びDCオフセット成分を有する受信信号であ
り、元信号402は比較の為に図示してある。ここで、
(アナログ)グランドレベル405からのDC成分のず
れがDCオフセット成分406である。ディジタル信号
に変換して信号処理を行なう。図41は、この様子を説
明する為の図である。図41で、Tは1シンボル区間、
501は受信信号波形、503は(アナログ)グランド
レベルを表している。図41(a)では、1シンボル区
間Tを5サンプル(〇)してDCオフセットを検出して
いる。すなわち、このサンプルポイント504を、図1
のDCオフセット検出手段41に入力し、累積加算、除
算などの操作により、DCオフセットを検出する(50
6は、図41(a)で検出されたDCオフセット成分を
表している)。これに対して、図41(b)では、1シ
ンボル区間Tを10サンプル(〇と黒丸の両方)してD
Cオフセット507を検出している。
【0171】図41(a)と図41(b)とを比較する
と、サンプルポイントの多い図41(b)の方が、より
受信信号波形を良く近似できることは明らかである。し
たがって、DCオフセット成分についても、図41
(a)の506よりも、図41(b)の507の方がよ
り正確にDCオフセット成分を検出している。しかし、
サンプリング数を増加させると、その分ディジタル部の
信号処理が増し、演算時間、さらに消費電流が増加する
という不具合も生じる。一般に、受信信号のC/Nが良
い場合、サンプリングポイント数の大小が、受信誤り率
特性や検出されるDCオフセット量へ与える影響はより
少なくなる。従って、受信信号のC/Nの状態によっ
て、サンプリング数を適宜可変とし、不必要にディジタ
ル部の演算量を増加させること無く、良好な受信誤り
率、所望の精度のDCオフセット検出を行なうことが出
来る。ここで、C/Nの状態を把握する為には、例え
ば、ユニークワードなどの既知パターンの受信誤り率を
適宜観測すること、また、ダイバーシティーを行なって
いる受信機では、ダイバーシティーの生じ方(ダイバー
シティー切替数が少ない方が受信信号のC/Nは良い)
を観測することにより行なうことができる。
【0172】以上のようにA/D変換器3の出力のDC
オフセットを累積加算し加算したデータ数で除算するこ
とによりDCオフセットの正確な検出が可能となる。ま
た加算するデータの数を2のべき乗に定めることにより
除算回路412をビットシフトによって実現することが
可能となる。
【0173】以上の構成によるDCオフセット補正での
問題として、信号成分自体がDC成分を有している場合
である。次に、この様な場合についても有効なDCオフ
セット検出方法について説明する。
【0174】図42は、図2のDCオフセット検出手段
41にDCオフセットの基準平均値補正回路を追加した
場合の実施形態を示す図である。ここで、基準平均値6
3は、変調信号成分が本来有しているDC成分である。
変調信号成分がDC成分をもっている際には、DCオフ
セット補正を行なうと本来のDC成分まで除去してしま
うことになる。したがって、システムで使用されている
変調方式のDC成分が既知である場合には、そのDC成
分の基準平均値を予め用意しておく。そして、DCオフ
セット検出手段41で検出されたDC成分から減算回路
64で減算することにより、DCオフセット成分のみを
正確に検出することができる。ここで、図42ではこの
基準平均値をDCオフセット検出手段41の出力から減
算した。また、図43のように、A/D変換器3の出力
から基準平均値を減算する構成を採っても良い。この図
43の構成を採ると、DCオフセット検出手段41に含
まれる累積加算回路411の前に本来信号成分がもつD
Cオフセットは基準平均値を減算出来る。従って、図4
3の構成では、図42よりも演算量は増加するものの、
時間軸でより細かく本来信号成分が有するDC成分を除
去することができる利点がある。従って、高精度にDC
オフセット検出が要求される場合には、図43の構成を
採り、基準平均値63を減算する時間間隔を短く設定す
ることによって、柔軟に対応することができる。
【0175】次に、本発明のDCオフセット除去機能を
備えた第18実施形態に係る受信機について図面を用い
て説明する。図44は、本受信機が使用されるTDMA
システムのTDMAフレームフォーマットを示す図であ
る。ここで、3001,3002,3003,3004
は受信スロットに割り当てられており、3005は受信
スロット以外のスロット(例えば、3001と300
2、または3002と3003)で、受信機の状態(温
度変化等)、周囲の電波環境(フェージング)が変化し
ない場合には、これらのスロットで発生するDCオフセ
ットの量は非常に近いものと予想される。本受信機で
は、各隣接する受信スロットで検出したDCオフセット
量を、後続の受信スロット発生するDCオフセット量と
みなして処理を行なう。これにより、高速に、また限ら
れた時間内でより正確にDCオフセットを検出すること
ができ、したがって、DCオフセット補正もより高速に
行なうことができる。
【0176】図45は、このためのDCオフセット検出
手段の一構成例を示す図である。図45で、DCオフセ
ット初期値1301には、前の受信スロットで検出され
たDCオフセット値がDCオフセットの初期値としてメ
モリされている。減算回路1302では、A/D変換器
3にてディジタル信号に変換された受信信号から、この
DCオフセット初期値1301が減算されDCオフセッ
ト検出手段41に送られる。DCオフセット検出手段4
1は前述の構成であり、ここで検出されたDCオフセッ
ト値はDCオフセット保持手段43送られてDCオフセ
ットの補正に用いられる。
【0177】TDMAシステムの各隣接する受信スロッ
トで発生するDCオフセット量が全く同じ場合には、受
信信号から前受信スロットのDCオフセット値(初期
値)を減算することによって、DCオフセットは完全に
除去できる。DCオフセット量が全く同じでない場合で
も、隣接する受信スロット間では、受信機の状態、周囲
の電波環境の変化が少ない為、DCオフセット量は非常
に近い値であると考えられる。従って本構成により、前
受信スロットのDCオフセット値を初期値として使用し
ない場合よりも、より高速に、少ない演算量でDCオフ
セットの検出が出来ることは明らかである。
【0178】なお、図45で、DCオフセット検出手段
41は、前述の基準平均値補正手段を備えたDCオフセ
ット検出手段62(もしくは65)であっても良いのは
明らかである。また、各受信スロットで、DCオフセッ
ト初期値1301は、前スロットのみで検出されたDC
オフセット値でなく、より以前の受信スロットで検出さ
れたDCオフセット値を考慮して設定しても良い。
【0179】図45では、DCオフセット初期値130
1の減算をA/D変換器3の後、ディジタル部で行なっ
たが、A/D変換器3の前段、すなわちアナログ部にて
行なうことも可能である。図46は、DCオフセット初
期値1401の減算を、A/D変換器3の前段に設けた
アナログの減算回路1402で行なった場合の一構成例
である。この様に、DCオフセット初期値1401をア
ナログ部で減算する構成は、DCオフセット初期値が大
きく、予めアナログ部で減算しておかないと後段のA/
D変換器3が飽和してしまう恐れがある様な場合に特に
有効である。ここで、DCオフセット検出手段41は、
前述の基準平均値補正手段を備えたDCオフセット検出
手段62(もしくは65)であっても良い。または、図
45に示した1303としても良い。この場合には、D
Cオフセット初期値をディジタルとアナログの両方に振
り分けて減算する構成となる。
【0180】次に本発明の第19実施形態に係る受信機
について説明する。上述した侍史形態においては、検出
されたDCオフセットを次のスロットで差し引くという
方法をとっている。ここで、DCオフセット量を正確に
検出するためには、検出の期間(積分期間)が長い方が
好ましい。しかしながらフェージング等に起因するDC
オフセットの変動に追随するためには、積分期間は短い
方がよい。すなわちDCオフセットのキャンセリングの
精度と変動に対する追従性はトレードオフの関係にあ
り、適正な積分期間を選ぶ必要がある。しかしながら、
DCオフセットの変動量が大きくなったり小さくなった
りするような場合、予め固定的な積分期間を設定するこ
とが困難である。
【0181】このような問題を回避するために、この第
19実施形態においては次のような方法でオフセットの
検出・除去を行なう。すなわち、予め定められた数の過
去の各スロットのDCオフセット検出値を保持してお
き、それぞれのDCオフセット値に重み付けを施して平
均をとる。
【0182】本第19実施形態の構成を図47に示す。
図中A/D変換器3、および累積加算回路421、除算
回路422より構成されるDCオフセット検出手段42
は図2に示すものと同一であるため説明を省略する。4
3はDCオフセット保持手段であり、遅延回路431、
重み付け係数回路432、加算回路433、除算回路4
34よりなる。
【0183】遅延回路431はDCオフセット検出手段
から出力された値を1スロット分保持した後にその値を
出力するものである。したがって図中一番左の遅延回路
431−1の出力は1スロット前の検出値V1、左から
2番目の遅延回路431−2の出力は2スロット前の検
出値V2、一番右の遅延回路431−Nの出力はNスロ
ット前の検出値Vn となる。重み付け係数回路432は
入力された値に予め設定された重み付け係数値Wn を乗
じて出力する。
【0184】加算回路433は重み付け係数回路の出力
の総和をとり、その値を出力する。除算回路434は入
力された値を重み付け係数値の合計で除算して出力す
る。除算回路434で割る数aは重み付け係数値の合計
(W1+W2+…+Wn )である。
【0185】次に、第19実施形態に係る受信機におけ
るDCオフセットキャンセル装置の動作について説明す
る。Nスロット前に検出されたDCオフセット値をVn
とし(N−1)スロット前に検出されたDCオフセット
値をVn-1とし、1スロット前に検出されたDCオフセ
ット値をV1とする。これらの値はそれぞれ遅延回路4
31の出力に相当する。
【0186】またNスロット前の情報に対する重み付け
係数をWn 、(N−1)スロット前の情報に対する重み
付け係数をWn-1、 ……1スロット前の情報に対する重
み付け係数をW1とする。これらの値はそれぞれ重み付
け係数回路432に保持されている。このときDCオフ
セットの推定値Ve に相当する除算回路434の出力は
次のようなものとなる。 Ve =(Wn ・Vn +Wn-1・Vn-1+……+W1・V1)/ ( Wn +Wn-1 +……+W1) この式の分子が加算回路433の出力値すなわち除算回
路434の入力値であり、また分母が重み付け係数値の
合計(W1+W2+…+Wn )である。したがって、除
算回路434の出力値がオフセットの推定値Ve にな
る。
【0187】このように、Wn 〜W1に適当な値を設定
することで、過去の検出値を利用してより正確な推定が
可能となる。ただしWn =<Wn-1 =<……<W1であ
る。重み付け係数Wn の設定方法は ・Wn を等差級数で変化させる方法{図48(a)} ・Wn を等比級数で変化させる方法{図48(b)} ・Wn を段階的に段階状に変化させる方法{図48
(c)} 等が考えられる。Wn をすべて1(またはすべての同じ
値)とした場合が、単純に過去Nスロット分の平均をと
る方法に相当する。この第19実施形態においては、必
要に応じて過去の検出値を使って適応的にDCオフセッ
トの検出と除去を行なうことができる。
【0188】例えば、図49(a)に示すように、DC
オフセットの時間的な変動が少ない場合は、過去の検出
値と実際のDCオフセットの値はほぼ同じであると考え
られるので、すべて同じ重み付け係数を用いて積分期間
を長くとることにより、より正確な推定値を得ることが
でき精度のよいオフセット除去が可能となる。
【0189】また図49(b)に示すように、DCオフ
セットの時間的な変動が大きい場合は、過去の検出値と
実際のオフセット値が異なる可能性が大きいため、過去
のデータの係数を小さく設定することにより、時間追従
性をよくしたオフセット除去が可能となる。この第19
実施形態においては、以上説明した方法を用いることに
よって、変動に対する追従性を維持しつつ精度のよいD
Cオフセットの除去が可能となる。
【0190】また、図50に示す第20実施形態のよう
に、テストモード時に選択手段413によりテスト信号
発生器414により、例えば所定の周波数の制限波を発
生させ、D/A変換器5および第1のDCオフセット補
正手段20,21を介してLPF22、23の入力に加
え、その出力をディジタル信号処理回路40でモニター
することにより、アナログ信号処理回路の帯域制限特性
を求め、調整に用いることができる。これにより、ディ
ジタルで作られたテスト信号をアナログ信号に変換する
D/A変換器と、ディジタルで検出したDCオフセット
をアナログ信号に変換するD/A変換器とを兼用するこ
とができ、LSI化においてその規模を小さくすること
ができる。
【0191】具体的な調整は、例えば、図51に示すよ
うに、ディジタル信号処理回路40に周波数特性制御手
段415,416を設け、また、LPF22,23にカ
ットオフ周波数調整機能を備えることにより行なう。例
えば、LPF22,23を通過したテスト信号である所
望のカットオフ周波数をもつ制限波の利得が所望の利得
(例えば、−3dB)より大きいか小さいかを、周波数
特性制御手段415,416で検出してその比較信号を
制御信号としてLPF22,23に出力して、LPF2
2,23の所望カットオフ周波数にて所望の利得となる
よう制御する。これにより、LSI化した時のLPFの
カットオフ周波数のばらつきによる受信特性の劣化を防
ぐことができる。なお、LPFのカットオフ周波数の調
整はフィルタの時定数を決定する抵抗や容量、あるいは
電流を切り替えればよい。
【0192】周波数特性制御手段の一例を図52に示
す。LPFを通過して得られる信号の利得を例えば、信
号のピーク値を検出してなる利得算出手段417で所望
のカットオフ周波数での利得を求めて、それを利得Re
f2と比較手段418で比較して、その比較結果を制御
信号としてLPFにフィードバックする。また、DCオ
フセットのためLFPやA/D変換器にてテスト信号が
歪み利得検出に誤差が生じないように、LPF22,2
3のカットオフ周波数の調整は、DCオフセットの検出
・補正後に行なえば良い。
【0193】なお、上述した第1ないし第20実施形態
に係る受信機を通信システムに用いることにより、受信
信号の誤り率の劣化を低減することができ、特に第20
実施形態に係る帯域制限特性の調整ができる受信機を用
いることにより良好な通信を行なうことができる。この
ような受信機を用いる第21実施形態に係る通信システ
ムは、図示説明を控えるが、音声・画像を含む情報信号
よりなる無線周波数信号を送信する送信機と、前記無線
周波数信号を送信および受信するための通信網と、前記
無線周波数信号を受信する受信部と、この受信部より入
力されたアナログ信号に対して増幅・帯域変換・周波数
変換処理するアナログ信号処理部と、このアナログ信号
処理部の出力をアナログ信号からディジタル信号へと変
換するAD変換部と、このAD変換部により変換された
ディジタル信号を処理するディジタル信号処理部と、前
記ディジタル信号処理部に設けられて前記受信部または
周波数変換部で発生した直流オフセット信号を検出する
オフセット検出手段と、前記ディジタル信号処理部に設
けられて前記オフセット検出手段により検出された前記
直流オフセット信号を保持するオフセット保持手段と、
前記ディジタル信号処理部で検出された前記直流オフセ
ット信号をアナログ信号に変換するDA変換部と、前記
アナログ信号処理部に設けられて前記DA変換部により
アナログ信号に変換された直流オフセット信号に基づい
て前記アナログ信号を補正する第1のオフセット補正手
段と、を具備する直流オフセット除去機能を備えた受信
機と、を備えている。
【0194】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の受信機の
構成によれば、過去の受信スロットで検出したDCオフ
セットを初期値として用いDCオフセット検出を行なう
ことにより、より高速に精度良くDCオフセット補正を
実現することができる。
【0195】また、本発明においては、受信した信号を
アナログ信号処理回路で処理する際に発生するDCオフ
セットによる受信誤り率を低減することができる。また
本発明による受信機を用いることにより、受信した信号
をアナログ信号処理回路で処理する際に発生するDCオ
フセットによる受信誤り率を劣化させることなく、良好
な品質で音声、データ通信を実現することができる。
【0196】さらに、本発明によるDCオフセット除去
機能を備えた受信機においては、アナログ信号処理部で
設定される利得に応じて変化するDCオフセットを、各
利得についてメモリする手段を有する。従って、このメ
モリされたDCオフセット値を用いて、より高速に精度
良くDCオフセット補正を実現出来るという効果が有
る。さらに、無線部利得切替機能と、このメモリされた
DCオフセット値を読み出す方式により、到来する受信
レベルが不明な場合、受信レベルに急激な振幅変化があ
った場合にも、ダイナミックレンジを損なうこと無く、
高速に受信機の利得制御を行なうことができるという効
果を有する。
【0197】また、A/D変換器の入力でアナログ信号
処理回路で発生するDCオフセットを低減でき、受信誤
り率を低減できる。また、信号がDCオフセットにより
A/D変換器の入力範囲を越え歪むのを防ぐこともで
き、この歪みによる受信誤りを防ぐことができる。
【0198】さらに、ACカップルを用いないのでDC
オフセットの時間変化の過渡応答による影響を受けない
ので、受信誤り率を劣化させることはない。特に、DC
を含む低周波成分を多く含む変調方式の信号に対して誤
差となるDCオフセット成分のみを除去できるので、受
信信号の誤り率の劣化を低減することができる。
【0199】さらに、LSI化により特性にばらつきあ
るアナログ信号処理回路内の帯域制限部の周波数特性を
テスト信号により検出する際に必要なD/A変換器をD
Cオフセットをアナログ信号にするD/A変換器と共用
できるので、チップ面積を小さくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る受信機の基本的な
構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る受信機の基本的な
構成を示すブロック図。
【図3】図2のオフセット保持手段の具体的な構成を示
すブロック図。
【図4】本発明の第3実施形態に係る受信機の基本的な
構成を示すブロック図。
【図5】図4のオフセット振分手段の具体的な構成を示
すブロック図。
【図6】図4の比較手段の具体的な構成を示すブロック
図。
【図7】本発明の第4実施形態に係る受信機の基本的な
構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第5実施形態に係る受信機における第
1の初期値設定方法を説明するフローチャート。
【図9】本発明の第5実施形態に係る受信機における第
2の初期値設定方法を説明するフローチャート。
【図10】本発明の第5実施形態に係る受信機における
第3の初期値設定方法を説明するフローチャート。
【図11】本発明の第5実施形態に係る受信機における
第4の初期値設定方法を説明するフローチャート。
【図12】図11に示される第4の初期値設定方法に用
いられる閾値Vthの求め方を説明する特性図。
【図13】本発明の第6実施形態に係る受信機の基本的
な構成を示すブロック図。
【図14】本発明の第7実施形態に係る受信機の基本的
な構成を示すブロック図。
【図15】第7実施形態における基準平均値補正回路の
2つの具体例(a)(b)をそれぞれ示すブロック図。
【図16】本発明に係る受信機の利得切替モードの一例
を示す図表。
【図17】本発明に係る通信システムに適用されるTD
MAスロットを示す概念図。
【図18】オフセット補正値を保持する操作手順を示す
フローチャート。
【図19】受信機の受信モードを設定する操作手順を示
すフローチャート。
【図20】受信電界強度を測定する操作手順を示すフロ
ーチャート。
【図21】TDMAまたはTDDシステムにおけるフレ
ーム構成を示す概念図。
【図22】受信機の通話時の基本的な受信操作手順を示
すフローチャート。
【図23】受信スロットの一般的な構成を示す概念図。
【図24】受信モード設定・オフセット補正を同時に行
なう受信操作手順を示すフローチャート。
【図25】DC成分がLPFの時定数により影響を受け
ることを(a)から(f)により説明した特性図。
【図26】本発明の第8実施形態に係る受信機の基本的
な構成を示すブロック図。
【図27】本発明の第9実施形態に係る受信機の基本的
な構成を示すブロック図。
【図28】DCオフセットを振り分けながら受信する操
作手順を示すフローチャート。
【図29】受信モード・DCオフセットの制御部の操作
手順を示すフローチャート。
【図30】第11実施形態に係る受信機の制御部の操作
手順を示すフローチャート。
【図31】第12実施形態に係る受信機の制御部の操作
手順を示すフローチャート。
【図32】第13実施形態に係る受信機の制御部の操作
手順を示すフローチャート。
【図33】図29から図32の利得切替の違いを(a)
(b)で示す特性図。
【図34】第14実施形態の受信機の要部の構成を
(a)(b)で示すブロック図。
【図35】図34(b)の動作モードを示す図表。
【図36】第5実施形態に係る受信機の要部の構成を示
すブロック図。
【図37】図36のスイッチの動作モードを示す図表。
【図38】第16実施形態の要部の構成を示すブロック
図。
【図39】本受信機のDCオフセット検出部の構成を示
すブロック図。
【図40】DCオフセットを説明するための波形特性
図。
【図41】サンプル数を可変とすることによりDCオフ
セット検出精度が改善されることを(a)(b)により
説明する特性図。
【図42】本発明の受信機におけるDCオフセット検出
部の構成を示すブロック図。
【図43】本発明の受信機におけるDCオフセット検出
部の構成を示すブロック図。
【図44】本受信機が使用されるTDMAシステムの構
成を説明する概念図。
【図45】TDMAシステムに適用される受信機のDC
オフセット検出部の構成を示すブロック図。
【図46】TDMAシステムに適用される受信機のDC
オフセット検出部の構成を示すブロック図。
【図47】第19実施形態に係る受信機の要部を示すブ
ロック図。
【図48】図47に示される受信機の動作を(a)から
(c)で説明する特性図。
【図49】図47に示される受信機の動作を(a)
(b)で説明する特性図。
【図50】本発明の第20実施形態に係る受信機の基本
構成を示すブロック図。
【図51】図50の具体的な構成を示すブロック図。
【図52】図50,図51の要部を示すブロック図。
【図53】アナログ信号書留回路内の信号経路にACカ
ップルを備える従来のダイレクトコンバージョン受信機
の構成を示すブロック図。
【図54】DCオフセットが生ずることを説明するた
め、(a)ミキサの要部を示すブロック図と、(b)そ
の特性図。
【図55】ACカップルでDCオフセット除去が不十分
なことを説明する図。
【図56】DCオフセットに変動分と固定分があること
を説明する図。
【図57】従来の直接変換受信機の構成を示すブロック
図。
【図58】無線部利得切替機能を備える従来のゼロIF
受信機の構成を示す図。
【図59】無線利得切替モードを示す図表。
【図60】無線部の利得切替によりDCオフセット変動
が生じることを示す(a)ブロック図、(b)特性図。
【図61】無線部の利得切替によりDCオフセット変動
が生じることを示す(a)ブロック図,(b)特性図。
【図62】DCオフセット変動による受信特性の劣化の
発生を、(a)補正が間に合わない場合、(b)受信ス
ロット内で発生する場合、で示す概念図。
【符号の説明】
1 受信部 2 アンテナ 3 A/D変換部 5 D/A変換部 10 アナログ信号処理部 16,17 ミキサ 20,21,24,25,28,29 第1のオフセッ
ト補正手段 22,23 LPF 40 ディジタル信号処理部 41,42 DCオフセット検出手段 43,44 DCオフセット保持手段 45,46 第2のオフセット補正手段 51,52 オフセット振分手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山 路 隆 文 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 安 田 彰 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 上 野 隆 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 谷 本 洋 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 藤 本 竜 一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 堀 口 浩 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無線周波数信号を受信する受信部と、この
    受信部より入力されたアナログ信号に対して増幅・帯域
    変換・周波数変換処理するアナログ信号処理部と、この
    アナログ信号処理部の出力をアナログ信号からディジタ
    ル信号へと変換するAD変換部と、このAD変換部によ
    り変換されたディジタル信号を処理するディジタル信号
    処理部と、を備える直流オフセット除去機能を備えた受
    信機において、 前記ディジタル信号処理部に設けられて前記受信部また
    は周波数変換部で発生した直流オフセット信号を検出す
    るオフセット検出手段と、 前記ディジタル信号処理部に設けられて前記オフセット
    検出手段により検出された前記直流オフセット信号を保
    持するオフセット保持手段と、 前記ディジタル信号処理部で検出された前記直流オフセ
    ット信号をアナログ信号に変換するDA変換部と、 前記アナログ信号処理部に設けられて前記DA変換部に
    よりアナログ信号に変換された直流オフセット信号に基
    づいて前記アナログ信号を補正する第1のオフセット補
    正手段と、 を具備することを特徴とする直流オフセット除去機能を
    備えた受信機。
  2. 【請求項2】前記オフセット保持手段により保持された
    前記直流オフセット信号の一部をディジタル的に減じて
    前記直流オフセットを低減させる第2のオフセット補正
    手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の直流オ
    フセット除去機能を備えた受信機。
  3. 【請求項3】前記オフセット保持手段に保持された直流
    オフセットは、前記オフセット検出手段によりオフセッ
    トを検出する毎に更新されることを特徴とする請求項2
    に記載の直流オフセット除去機能を備えた受信機。
  4. 【請求項4】前記オフセット検出手段により検出された
    オフセットの絶対値が所定の閾値を超えた場合に、少な
    くとも前記所定の閾値を超えたオフセット分について前
    記第1のオフセット補正手段により補正するためのオフ
    セット振り分け手段を備えることを特徴とする請求項2
    に記載の直流オフセット除去機能を備えた受信機。
  5. 【請求項5】前記所定の閾値は、2のべき乗であること
    を特徴とする請求項4に記載の直流オフセット除去機能
    を備えた受信機。
  6. 【請求項6】前記オフセット保持手段に保持されている
    オフセットの上位ビットを前記DA変換部によりアナロ
    グ値に変換して前記第1のオフセット補正手段によりオ
    フセットを補正すると共に、前記オフセット保持手段に
    保持されているオフセットの下位ビットを用いて前記第
    2のオフセット補正手段によりオフセット補正すること
    を特徴とする請求項2に記載の直流オフセット除去機能
    を備えた受信機。
  7. 【請求項7】前記オフセット保持手段は、少なくとも前
    記オフセット検出手段により検出されたオフセットの初
    期値を保持する第1の記憶手段と、このオフセットの初
    期値に基づいて前記第1および第2のオフセット補正手
    段によりオフセットが補正された後に前記オフセット検
    出手段により検出された時間と共に変化するオフセット
    の変動分を保持する第2の記憶手段と、を備えることを
    特徴とする請求項2に記載の直流オフセット除去機能を
    備えた受信機。
  8. 【請求項8】前記第1の記憶手段に記憶されている前記
    オフセットの初期値は、前記オフセット検出手段により
    1回だけ検出されてその後は変更されないことを特徴と
    する請求項7に記載の直流オフセット除去機能を備えた
    受信機。
  9. 【請求項9】前記第1の記憶手段に記憶されている前記
    オフセットの初期値は、電源投入時に検出されて設定さ
    れることを特徴とする請求項7に記載の直流オフセット
    除去機能を備えた受信機。
  10. 【請求項10】前記第1の記憶手段に記憶されている前
    記オフセットの初期値は、所定の期間が経過する毎に検
    出され更新されることを特徴とする請求項7に記載の直
    流オフセット除去機能を備えた受信機。
  11. 【請求項11】前記第1の記憶手段に記憶されている前
    記オフセットの初期値は、時間と共に変化する前記オフ
    セットの変動分が所定の値を超えた場合に更新されるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の直流オフセット除去機
    能を備えた受信機。
  12. 【請求項12】前記第2の記憶手段に記憶されている前
    記オフセットの変動分は、前記ディジタル信号処理部に
    設けられた前記第2のオフセット補正手段により補正さ
    れることを特徴とする請求項7に記載の直流オフセット
    除去機能を備えた受信機。
  13. 【請求項13】前記第1の記憶手段に記憶されている前
    記オフセットの初期値は、前記アナログ処理部に設けら
    れた前記第1のオフセット補正手段により補正され、前
    記第2の記憶手段に記憶されている前記オフセットの変
    動分は、前記ディジタル信号処理部に設けられた前記第
    2のオフセット補正手段により補正されることを特徴と
    する請求項7に記載の直流オフセット除去機能を備えた
    受信機。
  14. 【請求項14】前記信号入力部を介して入力される受信
    電界強度を測定する手段と、前記受信電界強度に基づい
    て前記アナログ信号処理部に複数の利得を設定する手段
    と、前記アナログ信号処理部に設定される前記複数の利
    得に対応して発生する複数の直流オフセット値を検出す
    る前記オフセット検出手段と、前記複数の直流オフセッ
    ト値を保持する前記オフセット保持手段と、前記アナロ
    グ信号処理部に設定された利得に対応した直流オフセッ
    ト値を前記オフセット保持手段より読み出してその直流
    オフセットを補正する前記第1のオフセット補正手段
    と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の直流オ
    フセット除去機能を備えた受信機。
  15. 【請求項15】前記アナログ信号処理部は、前記信号入
    力部に入力される前記無線周波数信号の少なくとも同相
    成分と直交成分との互いに直交する信号を周波数変換す
    るミキサ対と、このミキサ対の出力である同相成分チャ
    ネルおよび直交成分チャネルにそれぞれ設けられたベー
    スバンドフィルタと、を備えると共に、前記第1のオフ
    セット補正手段は、前記アナログ信号処理部で発生した
    前記直流オフセットを補正するため少なくとも前記ベー
    スバンドフィルタの前段に設けられていることを特徴と
    する請求項14に記載の直流オフセット除去機能を備え
    た受信機。
  16. 【請求項16】第1の利得値に設定された前記アナログ
    信号処理部と、このアナログ信号処理部の出力をディジ
    タル値に変換する前記AD変換部と、このAD変換部の
    オーバーフロー状態を検出するオーバーフロー検出回路
    と、前記オーバーフロー検出回路によりオーバーフロー
    状態が検出されたときに前記アナログ信号処理部の利得
    を前記第1の利得値よりも小さな第2の利得値に設定す
    るように制御する制御手段と、を備えることを特徴とす
    る請求項15に記載の直流オフセット除去機能を備えた
    受信機。
  17. 【請求項17】前記アナログ信号処理部は、入力された
    無線周波数信号より発生する直流オフセットを検出して
    記憶する記憶手段を備え、前記第1のオフセット補正手
    段は、1回の受信でも前記記憶手段より読み出した第1
    の利得値に基づいて直流オフセットを補正することを特
    徴とする請求項16に記載の直流オフセット除去機能を
    備えた受信機。
  18. 【請求項18】前記アナログ信号処理部に入力される前
    記アナログ信号を無入力とするアナログ信号無入力手段
    を設け、前記アナログ信号が無入力のときに前記オフセ
    ット検出手段が前記直流オフセットを検出して、このと
    き検出された直流オフセット値に基づいて前記第1のオ
    フセット補正手段が直流オフセットを補正することを特
    徴とする請求項1に記載の直流オフセット除去機能を備
    えた受信機。
  19. 【請求項19】前記アナログ信号無入力手段は、前記ア
    ナログ信号処理部に設けられた無線周波数信号増幅器と
    前記信号入力部との間に設けられた切り替えスイッチに
    より構成されていることを特徴とする請求項18に記載
    の直流オフセット除去機能を備えた受信機。
  20. 【請求項20】前記アナログ信号無入力手段は、前記ア
    ナログ信号処理部に設けられた無線周波数信号増幅器に
    並列に接続されたアッテネータと、前記増幅器およびア
    ッテネータの前後段にそれぞれ設けられた4つのスイッ
    チと、前記増幅器およびアッテネータの前段の接続線に
    設けられた5番目のスイッチと、より構成され、前記信
    号入力部から前記アナログ信号処理部への信号供給路は
    常に接続されていても、前記アナログ信号処理部を無入
    力状態にできることを特徴とする請求項19に記載の直
    流オフセット除去機能を備えた受信機。
  21. 【請求項21】前記オフセット検出手段は、前記AD変
    換部の出力の時間平均により前記直流オフセットを検出
    し、前記第1のオフセット補正手段は、前記DA変換部
    によりアナログ信号に変換された直流オフセットを前記
    アナログ処理部で処理されるアナログ信号より減じるこ
    とにより直流オフセットの補正を行なうことを特徴とす
    る請求項1に記載の直流オフセット除去機能を備えた受
    信機。
  22. 【請求項22】前記オフセット検出手段は時分割多重接
    続システムでの受信スロットから前記直流オフセットを
    検出し、前記第1のオフセット補正手段は前記受信スロ
    ットより検出された前記直流オフセットの検出値に基づ
    いて前記直流オフセットを補正することを特徴とする請
    求項21に記載の直流オフセット除去機能を備えた受信
    機。
  23. 【請求項23】前記オフセット検出手段は、過去の受信
    スロットより検出した直流オフセットの時間の平均値を
    初期値として現在の受信スロットの直流オフセットを検
    出し、前記第1のオフセット補正手段は検出された現在
    の受信スロットの直流オフセットを補正することを特徴
    とする請求項22に記載の直流オフセット除去機能を備
    えた受信機。
  24. 【請求項24】前記オフセット検出手段は、前記AD変
    換部から入力されるディジタル信号を累積加算する累積
    加算回路と、この累積加算された信号を除算する除算回
    路とより構成され、前記オフセット保持手段は、前記オ
    フセット検出手段の出力を所定時下ずつ遅延させる複数
    の遅延回路と、前記遅延回路により遅延させられた値に
    前記直流オフセットに近い程重くなるように予め設定さ
    れた重み付け係数を乗じて出力する複数の重み付け回路
    と、この重み付け回路の出力の総和をとりその値を直流
    オフセット値として出力する加算回路と、より構成され
    ていることを特徴とする請求項23に記載の直流オフセ
    ット除去機能を備えた受信機。
  25. 【請求項25】前記複数の重み付け回路のそれぞれの重
    み付け係数は、古い程軽く新しい程重くなるように設定
    されていることを特徴とする請求項24に記載の直流オ
    フセット除去機能を備えた受信機。
  26. 【請求項26】前記複数の重み付け回路に設定されてい
    る前記重み付け係数は、前記オフセット検出手段により
    検出される直流オフセットにおける時間と共に変化する
    変動量に応じて変化することを特徴とする請求項24に
    記載の直流オフセット除去機能を備えた受信機。
  27. 【請求項27】前記アナログ信号処理部の帯域制限特性
    を試験するためのテストモードを備えると共に、前記デ
    ィジタル信号処理部が、前記アナログ信号処理部の前記
    帯域制限特性をテストするテスト信号を発生させる発生
    器と、前記テストモード時に前記テスト信号発生器より
    出力される前記テスト信号を前記直流オフセット信号に
    加算する加算器と、を備え、前記第1の補正手段は、前
    記DA変換部によりアナログ信号に変換された後の前記
    加算器の出力を前記アナログ信号処理部の帯域制限回路
    の入力に供給することを特徴とする請求項1に記載の直
    流オフセット除去機能を備えた受信機。
  28. 【請求項28】前記アナログ信号処理部は、前記オフセ
    ット検出手段により前記直流オフセットが検出され、前
    記オフセット保持手段によりこの直流オフセットが保持
    された後に、このアナログ信号処理部における帯域制限
    特性を試験することを特徴とする請求項27に記載の直
    流オフセット除去機能を備えた受信機。
  29. 【請求項29】前記アナログ信号処理部は、周波数特性
    制御信号により前記アナログ信号の帯域制限特性を調整
    できる機能を有する帯域制限回路を備え、前記ディジタ
    ル信号処理部は、前記テストモード時に前記帯域制限回
    路に供給された前記テスト信号により検出した周波数特
    性と所望の周波数特性とのずれに応じて、前記周波数特
    性制御信号を発生させる周波数特性制御手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項27に記載の直流オフセット除去
    機能を備えた受信機。
  30. 【請求項30】音声・画像を含む情報信号よりなる無線
    周波数信号を送信する送信機と、 前記無線周波数信号を送信および受信するための通信網
    と、 前記無線周波数信号を受信する受信部と、この受信部よ
    り入力されたアナログ信号に対して増幅・帯域変換・周
    波数変換処理するアナログ信号処理部と、このアナログ
    信号処理部の出力をアナログ信号からディジタル信号へ
    と変換するAD変換部と、このAD変換部により変換さ
    れたディジタル信号を処理するディジタル信号処理部
    と、前記ディジタル信号処理部に設けられて前記受信部
    または周波数変換部で発生した直流オフセット信号を検
    出するオフセット検出手段と、前記ディジタル信号処理
    部に設けられて前記オフセット検出手段により検出され
    た前記直流オフセット信号を保持するオフセット保持手
    段と、前記ディジタル信号処理部で検出された前記直流
    オフセット信号をアナログ信号に変換するDA変換部
    と、前記アナログ信号処理部に設けられて前記DA変換
    部によりアナログ信号に変換された直流オフセット信号
    に基づいて前記アナログ信号を補正する第1のオフセッ
    ト補正手段と、を具備する直流オフセット除去機能を備
    えた受信機と、 を備えることを特徴とする通信システム。
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