JPH1093354A - 2段線形電力増幅器回路 - Google Patents
2段線形電力増幅器回路Info
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Abstract
るいはシステムを伴なうことなく、大量生産可能でかつ
低コスト化および小サイズ化が可能であり、また、パー
ツの性能の調整が殆ど許されない携帯ハンドセット用途
に有用な線形電力増幅器を提供する。 【解決手段】 能動帰還予備歪み線形化を利用する線形
電力増幅器。この線形電力増幅器は、予備歪み能動帰還
ドライバ増幅器および電力増幅器を含む2段増幅器とし
て構成される。予備歪み能動帰還ドライバ増幅器は、入
力電力が低下したとき、利得が増大し挿入位相が低下す
る特性を与え、この特性によって、出力電力増幅器が有
する、入力電力が低下すると利得が圧縮し挿入位相が増
加する特性が補償される。本発明によるこの2段線形電
力増幅器は、向上された線形効率を持ち、また、大量生
産が可能で、優れた繰り返し精度を持つ。外部電圧ポス
トを備えた電圧バイアス回路によって、2段増幅器が、
外部電圧にて調整され、最適な性能を得ることが可能に
なる。
Description
電力増幅器、より詳細には、予備歪み能動帰還ドライバ
増幅器および出力電力増幅器を含む2段モノリシック線
形電力増幅器に関する。ここで、この2段モノリシック
線形電力増幅器は、前記ドライバ増幅器内に能動帰還を
含むが、これは、入力RF信号に、予備歪みを加え、こ
れを増幅することによって、前記出力電力増幅器段の振
幅および位相特性を補償するような振幅および位相特性
を生成し、これによって、結合された2段増幅器の線形
出力特性が延長される。
は、衛星および地上通信システムのための送信機を含む
様々な通信システムに対するコスト、重量、サイズおよ
び統合化の複雑さを低減するための鍵となる。線形増幅
は、送信された信号の振幅および位相特性が保存されな
ければならない不定(ノンコンスタント)包絡線変調ス
キームを使用する通信に対しても要求される。線形電力
伝送を要求するこれらシステムの例としては、フェーズ
ドアレイ、衛星ダウンリンク、および、セルラー電話や
コードレス電話などの地上無線通信システムなどが含ま
れる。このようなシステムにおいては、線形効率が高け
れば高いほど、電力増幅器段、増幅器マトリックスある
いは増幅器アレイ内に結合することを必要とされる増幅
器セルの数が少なくて済み、結果として、DC変換機の
周辺ハードウエアおよびハーネスも少なくて済む。増幅
器セルの数を制限することによって、このような用途に
対する増幅器の、全体としてのサイズ、重量および統合
化の複雑さが低減され、この結果、全体としてのコスト
が低減し、性能が向上することとなる。このようなサイ
ズおよび重量の低減は、スペースクラフトの重量が重要
な衛星通信システムなどの幾つかの用途では、特に、要
望される。向上された効率を持つ線形電力増幅器は、ま
た、セルラー電話システムやコードレス電話システムな
どの地上通信システムにおいても有益であり、増幅器の
性能の向上は、結果として、蓄電池の寿命の向上に結び
つく。
ト)包絡線変調通信システムでは、伝送された情報の振
幅および位相特性を保存することは、システム性能にと
って重要である。このために、このタイプの通信システ
ムは、通常、増幅器が線形動作の領域内に入るまで、入
力電力をバックオフするための回路を採用する電力増幅
器を必要とし、このタイプの通信システムは、電力増幅
器出力検出器および可変利得増幅器を制御されたループ
にて使用することが知られている。しかしながら、増幅
器の線形性を向上するためには、増幅器の電力追加効率
(PAE)を低減するなどの圧縮のバックオフに対する
トレードオフが存在する。従来の技術では、数デシベル
だけの圧縮のバックオフの場合において典型的な線形電
力効率は、約20から50%であり、これは、電力増幅
器の飽和状態における電力追加効率が約35%から最高
80%のレンジに達するのと比べて、効率性能がかなり
落ちる。残念なことに、不定(ノンコンスタント)包絡
線変調通信システムでは、電力増幅器は線形領域におい
て動作し、また、圧縮のバックオフを必要とし、これ
は、効率をさらに劣化させる。
幾つかの技法、例えば、フィードフォワード線形化およ
び予備歪み技術が知られており、これらの技術が:IEEE
Transactions on Communication Technology,Vol.COM-
19,No.3,June 1971,pp.320-325に掲載されたH.Seidelに
よる論文“A Feedforward Experiment Applied to anL-
4 Carrier System Amplifier ”(フィードフォワード
実験のL−4搬送波システム増幅器への適用);1993 I
EEE MMWMC Symp.Dig.,Atlanta,GA,pp.155-158に掲載さ
れたA.Katz,S.Moochalla, およびJ.Klatshinによる論文
“Passive FETMMIC Linearizers for C,X and Ku-Band
Satellite Applications (C,X およびKu-バンド衛星用
途のための受動 FET MMIC リニアライザ)”;1985 IEE
E MTTSymp. Dig.,St.Louis,MO,pp.661-664 に掲載され
たA.Katz,R.SudarsanmおよびD.Aubertらによる論文“A
Reflective Diode Linearizer for Spacecraft Applica
tions (スペースクラフト用途のための反射ダイオード
リニアライザ)”;IEEETransactions on MTT,Vol.MTT-
34,No.12,December 1986,pp.1327-1332に掲載されたR.I
nada,H.Ogawa,S.KitazumeおよびP.Desantisによる論文
“A compact 4-GHz Linearizer for Space Use(スペー
ス用途のためのコンパクトな4−GHリニアライ
ザ)”;および米国特許第5,264,806 号において開示さ
れている。
ことに、従来のこれらの技術は、比較的複雑な方法ある
いはシステムを伴い、これらは、追加のハードウエアを
要求し、これらは、大量生産環境では経済的に実現可能
でなく、あるいは、非常に敏感で精密な調整を必要とす
る。さらに、これら周知のシステムの多くは、低コス
ト、小型が問題とされまたパーツの性能の調整が殆ど許
されない携帯ハンドセット用途には、実現不可能であ
る。
従来の技術における様々な問題を解決する線形電力増幅
器を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、
向上された効率を持つ線形電力増幅器を提供することに
ある。簡単には、本発明は、能動帰還予備線形化を利用
する線形電力増幅器に関する。本発明の、この線形電力
増幅器は、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器と電力増幅
器を含む2段増幅器として実現される。予備歪み能動帰
還ドライバ増幅器は、入力電力の増加に伴って、利得の
増大と、挿入位相の低減を与えるが、これは、入力電力
に伴って生じる出力電力増幅器の利得の圧縮と、挿入位
相の増加を補償し、この結果として、比較的優れた、線
形電力の可能出力および関連する電力追加効率(PA
E)を持つ2段増幅器が得られる。外部電圧バイアス部
分を持つ回路によって、この2段増幅器は、外部電圧に
て、同調されて最適な性能が得られるようになる。
下の詳細な説明を付属の図面を参照しながら読むことに
よってより良く理解できるであろう。
略ブロック図にて示されるが、ここでは、本電力増幅器
全体が参照番号20によって示される。この線形電力増
幅器20は、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22およ
び出力電力増幅器24を含むが、両方が、入力端子と出
力端子を持つ。本発明においては、この2段線形増幅器
20の効率の向上が、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器
22内に能動帰還を利用することによって達成される。
この予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22は、入力RF
信号RFinに、予め歪みを加えて増幅し、この増幅され
た信号は、電力増幅器24に供給される。結合された2
段増幅器20の出力線形特性を延長するために、この予
備歪み能動帰還ドライバ増幅器22は、出力電力増幅器
段24の振幅および位相特性を補償するように、入力R
F信号RFinの振幅および位相特性を操作する。例え
ば、入力電力によって利得が圧縮し挿入位相が増加する
特性を持つ出力電力増幅器24を補償するために、ドラ
イバ増幅器22は、入力電力が増加すると、利得が増大
し、挿入位相が低減する特性を持つように構成されて、
これによって、比較的優れた、線形出力電力の可能出力
およびこれと関連する電力追加効率が達成されてもよ
い。
れた予備歪みおよび予備増幅特性を達成するために、ド
ライバ増幅器22内に能動帰還が組み込まれるが、この
方法は、当分野において周知の一般的により複雑な、予
備歪み回路および線形化技術と比較して、幾つかの長所
を提供する。例えば、本発明によるこの能動帰還技術
は、チップサイズを実質的に増加させることなく、モノ
リシックに組み込む(集積する)ことが可能である。さ
らに、本発明による2段線形化電力増幅器20は、RF
帰還を組み込むが、これは、このトポロジを本質的に、
より安定にし、容易に自己バイアスされる。これは、ま
た、最適な性能を達成するために電気的に調整されるこ
とが可能であり、さらに、低電源電圧(つまり、2から
3Vbcダイオード降下)による動作を可能にし、蓄電池
動作の携帯ユニットに対して使用することを可能にす
る。
器22の略図が示される。予備歪み能動帰還ドライバ増
幅器22は、バイポーラトランジスタQ1 を含むが、こ
れは、入力インピーダンス整合のための入力整合ネット
ワーク26、出力インピーダンス整合のための出力整合
ネットワーク28、並びに、出力バイアスネットワーク
30を含む。これら、入力整合ネットワーク26、出力
整合ネットワーク28、および出力バイアスネットワー
クは、当業者においては、周知である。RF信号RFin
は、入力整合ネットワーク26を通じてバイポーラ電力
トランジスタQ1 のベースに供給される。バイポーラ電
力トランジスタQ1 は、複数の抵抗Rbb1 、Rbb6 、お
よびRref 、並びにトランジスタQ6 を含む電流ミラー
によってバイアスされる。トランジスタQ6 は、トラン
ジスタQ7 およびベース抵抗Rb7を含むパワーダウンエ
ミッタホロワ回路によってドライブされる。パワーダウ
ンエミッタホロワ回路は、電圧源Vpdによって制御され
る。一対のバイパスコンデンサCbyp1およびCbyp2が、
DC電源VpdおよびVcc上で利用され、高周波ノイズを
フィルタする。
Q4 によって提供されるが、このトランジスタQ4 のベ
ースは、ベース同調抵抗Rbtを通じて電力トランジスタ
Q1のコレクタに結合される。一方、能動帰還トランジ
スタQ4 のエミッタは、抵抗RfbおよびコンデンサCfb
を含む直列R−Cネットワークを通じて、電力トランジ
スタQ1 のベースに結合される。能動帰還トランジスタ
Q4 の抵抗RbtおよびコンデンサCfb、並びに、ベース
同調抵抗Rbtの値によって、ドライバ増幅器22のRF
帰還が設定される。能動帰還トランジスタQ4 に対する
エミッタ電流バイアスは、トランジスタQ3 を含む電流
源によって提供されるが、トランジスタQ3 は、トラン
ジスタQ6および抵抗Rbb6 を含むトランジスタQ1 の
ベースバイアス電流ミラー回路からの電流をミラーす
る。能動帰還トランジスタQ4 のコレクタ電流は、バイ
アストランジスタQ5 を含む第二の帰還ループを通じて
バイアスされる。より詳細には、能動帰還トランジスタ
Q4 のコレクタは、トランジスタQ5 のコレクタに直接
に接続され、トランジスタQ5 によって、能動帰還トラ
ンジスタQ4 に、バイアスが提供され、同時に、低周波
RF負荷が提供される。トランジスタQ5 のベースは、
ベース抵抗Rb5を通じて電圧源Vccに接続される。トラ
ンジスタQ2 を含む電流源は、トランジスタQ5 のバイ
アス電流Ie5を設定する。トランジスタQ4 およびQ5
のコレクタに結合された補償コンデンサCccは、低域フ
ィルタリングを提供する。補償コンデンサCccの値は、
最適の予備歪み特性が達成されるように選択される。
Q5 が飽和状態あるいは飽和近傍にバイアスされる。よ
り詳細には、トランジスタQ4 が飽和状態で動作してお
り、1のベースコレクタ接合が、順方向に強くバイアス
されている場合は、他方のトランジスタQ5 は、順方向
能動領域の飽和近傍で動作するが、ただし、このコレク
タベース接合は、順方向に軽くバイアスされる。この予
備歪み特性は、能動帰還トランジスタQ4 のバイアスの
飽和の程度、補償コンデンサCccの値、並びに、コレク
タ接続されたトランジスタQ4 とトランジスタQ5 のD
C結合に依存する。図3には、図2に示される予備歪み
能動帰還ドライバ増幅器22の、利得、出力電力Pout
および電力追加効率(PAE)のグラフが、RF信号R
Finの入力電力の関数として示される。図3において、
曲線32は、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22の利
得を、RF信号RFinの入力電力の関数として表す。曲
線34は、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22の出力
電圧Pout を、入力電力Pinの関数として表し、最後
に、曲線36は、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22
の電力追加効率(PAE)を、入力電力の関数として表
す。図3の曲線32からわかるように、予備歪み能動帰
還ドライバ増幅器22の利得は、入力電力Pinが増加す
るのに従って、増加してゆき、RF信号RFinの入力電
圧Pinがさらに高くなると、ロールオフする。一方、曲
線34および36によって示されるように、出力電力P
out 並びに電力追加効率(PAE)は、入力電力Pinが
増加すると、これに従って増加してゆき、電力レベルが
さらに高くなると、飽和に達する。
器22の利得、出力電力Pout および正規化された挿入
位相のグラフが、入力電力Pinの関数として示される。
曲線38は、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22の利
得を、入力電力の関数として表す。曲線40は、予備歪
み能動帰還ドライバ増幅器22の出力電力をRF入力信
号RFinの入力電力Pinの関数として表す。曲線38お
よび曲線40は、図3に示される曲線32および34と
類似のものである。一方、曲線42は、予備歪み能動帰
還ドライバ増幅器22の正規化された挿入位相を、入力
電力Pinの関数として表す。曲線42からわかるよう
に、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22の挿入位相
は、ある入力電力領域においては、入力電力Pinのレベ
ルの増加とともに減少するが、その後、入力電力レベル
Pinが増加すると、増加し、その後、これより電力レベ
ルが高くなると、上昇の勾配が落ちることがわかる。後
に詳細に説明されるように、予備歪み能動帰還ドライバ
増幅器22の、この利得が増大する特性と挿入位相が増
加する特性によって、出力増幅器24の利得圧縮特性が
補償される。
する典型的な出力電力増幅器24の略図が示されるが、
これは、電力トランジスタQpa1 を含む。予備歪み能動
帰還ドライバ増幅器22(図2)の出力は、入力整合ネ
ットワーク44を通じて電力増幅器24に結合される。
より詳細には、出力整合ネットワーク28(図2)から
のRF出力が、直接に、電力増幅器24のRF入力端子
に結合される。電力増幅器24のRF入力端子RFin
は、入力整合ネットワーク44に接続され、入力整合ネ
ットワーク44は、電力トランジスタQpa1 のベースに
接続される。電力増幅器24の出力RFout は、直列に
結合された出力整合ネットワーク46を通じて、電力ト
ランジスタQpa1 のエミッタから得られる。入力バイア
スネットワーク48、並びに入力バイアスネットワーク
50は、それぞれ、電力トランジスタQpa1 のベースと
コレクタにおいて接続される。様々な周知の無線携帯ハ
ンドセットに典型的な、パワーダウン制御電圧Vpdが、
入力バイアスネットワーク48に加えられる。これら入
力整合ネットワーク44、並びに、出力整合ネットワー
ク46は、電力増幅器24の性能を最適化するために使
用される。つまり、これら整合ネットワーク44および
46は、それらが接続された回路のインピーダンスを整
合して性能を最適化するように使用される。例えば、入
力整合ネットワーク44は、予備歪み能動帰還ドライバ
増幅器22の出力インピーダンスを整合するように構成
され、出力整合ネットワーク46は、電力増幅器24が
接続されるべき回路の入力インピーダンスを整合するよ
うに構成される。入力バイアスネットワーク48、並び
に入力バイアスネットワーク50は、電力トランジスタ
Qpa1 をバイアスし、これがその線形レンジにて動作す
ることを強制するために使用される。入力整合ネットワ
ーク44、出力整合ネットワーク46、並びに出力バイ
アスネットワーク46は、当業者においては周知であ
る。
力Pout および電力追加効率(PAE)のグラフが、入
力電力(つまり、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22
の出力)の関数として示される。曲線52は、電力増幅
器24の利得を、入力電力Pinの関数として表す。図6
に示されるように、この利得は、入力電力Pinのレベル
が増加すると、圧縮するが、これは、上に述べたよう
に、利得が入力電力Pinのレベルの増加とともに増加す
る予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22の利得特性によ
って補償される。曲線54および56は、電力増幅器2
4の出力電力Pout 、並びに、電力追加効率(PAE)
は、入力電力Pinのレベルが増加するとこれとともに増
加し、入力電力のレベルがさらに増加すると、飽和する
ことを示す。
力Pout および挿入位相のグラフが、電力増幅器24に
対する入力電力Pinの関数として示される。曲線58お
よび曲線60は、電力増幅器24の、それぞれ、利得お
よび出力電力Pout を表すが、これは、図6に示される
曲線52および54と類似する。曲線62は、電力増幅
器24の挿入位相を、入力電力Pinの関数として表す。
図7は、電力増幅器24が圧縮に向うと、挿入位相の勾
配が急速に増加し、入力電力Pinのレベルの増加と線形
でなくなることが示される。例えば、1dBの圧縮のと
きの出力電力(P1dB )は、23dBmとなるが、これ
は、30%の効率、および+3°の挿入位相に対応す
る。ここで、1dBの圧縮値は、電力増幅器24が飽和
状態になる直前の線形電力増幅の上限を表す。
帰還ドライバ増幅器22と、電力増幅器24が結合され
た場合の(つまり、2段電力増幅器20)の性能を示
す。図8のグラフは、結合された2段線形電力増幅器2
0の、利得、出力電力Pout 、並びに電力追加効率(P
AE)を示す。曲線64は、入力電力Pinの関数として
の2段線形電力増幅器20の利得を表し、一方、曲線6
6は、出力電力Pout を表す。曲線68は、入力電力P
inの関数としての、結合された2段線形電力増幅器20
の電力追加効率(PAE)を表す。図8は、1dBの圧
縮(P1dB )において、効率が約49%になることを示
す。図6の場合では、1dBの圧縮(P1dB )におい
て、電力増幅器24の効率は、単独では、たった30%
であった。これとの比較から、図8から、この結合され
た2段線形電力増幅器20では、1dBの圧縮におい
て、電力追加効率(PAE)が19%向上することが理
解できる。
形電力増幅器20の、利得、出力電力Pout 、および正
規化挿入位相を、入力電力Pinの関数として示す。曲線
70は、2段線形電力増幅器20の利得を、そして、曲
線72は、この出力電力を、入力電力Pinの関数として
表す。曲線70および曲線72は、それぞれ、図8の曲
線64および66と類似する。一方、曲線74は、2段
線形電力増幅器20の正規化された挿入位相を入力電力
Pinの関数として表す。図9の曲線74から、2段線形
電力増幅器20では、1dB圧縮ポイント(P1dB )に
おいて、位相線形性(挿入位相)が5°以内に維持でき
ることがわかる。図7および図11には、本発明のもう
一つの重要な特徴が示される。これら実施例において
は、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22には、トラン
ジスタQ5あるいはQ4 のエミッタの所に、能動帰還ト
ランジスタQ4 およびQ5 のバイアス特性を制御するた
めの電圧制御電流源が設けられ、これが、電力増幅器段
24と結合されたとき、最適の出力電力の効率が達成で
きるように調整される。この能動帰還バイアス同調回路
を除いては、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22につ
いての概略図のバランスは、図2に示されるのと、本質
的に同一である。このために、同一の要素には、同一の
参照番号が与えられ、詳細には説明されない。
例においては、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22
に、破線の囲み76によって示される能動帰還バイアス
同調回路76が設けられている。能動帰還バイアス電流
Ifbの調整を可能とするとともに、これと関連する予備
歪み特性を可能とするために、能動帰還バイアス同調回
路76が、帰還トランジスタQ4 のエミッタに、電流ミ
ラー結合された電流源として実現される。能動帰還バイ
アス同調回路76は、一対の電流ミラートランジスタQ
3 およびQ8 、バイアス電流Ifbを設定するために使用
される基準抵抗Rafb 、およびエミッタホロワトランジ
スタQ9 を含む。エミッタホロワトランジスタQ9 は、
ベース抵抗Rb9を通じて能動帰還バイアス制御電圧Vaf
b (つまり、同調電圧)に、結合される。エミッタホロ
ワトランジスタQ9 のコレクタは、電源電圧Vccに結合
され、バイパスコンデンサCbyp3にてバイアスされる。
電源電圧Vafb も同様にしてコンデンサCbyp4にてバイ
アスされる。後に詳細に説明されるように、能動帰還バ
イアス電圧Vafb を変動することによって、帰還バイア
ス電流Ifbが調整され、帰還バイアス電流Ifbの調整に
よって、予備歪み能動帰還トランジスタQ4 が調整され
る。
幅器22の、破線の囲み78内に示される異なる能動帰
還バイアス同調回路を持つ、もう一つの代替実施例が示
される。この実施例においては、能動帰還バイアス同調
回路78は、トランジスタQ5 に対する電流源として実
現され、電流ミラーが、トランジスタQ5 のエミッタに
結合される。この能動帰還バイアス同調回路78は、ミ
ラートランジスタQ8、およびトランジスタQ5 の電流
バイアスIe5を設定する基準抵抗Rafb を含む。能動帰
還バイアス同調回路78は、さらに、エミッタホロワト
ランジスタQ9を含むが、このエミッタホロワトランジ
スタQ9 は、ベース抵抗Rb9を通じて能動帰還バイアス
制御電圧Vafb に結合される。エミッタホロワトランジ
スタQ9のコレクタは、電源電圧Vccに結合され、バイ
パスコンデンサCbyp3にて、バイパスされる。能動帰還
バイアス制御電圧Vafb も、同様に、バイパスコンデン
サCbyp4にてバイパスされる。
同調電圧Vafb を変化させると、トランジスタQ9 のエ
ミッタを通じて流れる電流Ie5も変化し、この変化は、
能動帰還トランジスタQ4 のDCバイアスを変化させ、
この予備歪み特性に影響を与えるように調整することが
できる。より詳細には、能動帰還バイアス同調電圧Vaf
b が増加すると、トランジスタQ5 のエミッタを通じて
流れる電流Ie5が増加し、この増加は、帰還トランジス
タQ4 のベースコレクタ接合を順方向により強くバイア
スさせ、この結果、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器2
2の予備歪み特性を変化させる。図12ないし図20に
は、この能動帰還バイアス同調回路78が2段線形電力
増幅器20に与える効果が示される。より具体的には、
これら図12ないし図20は、図11に示されるよう
に、予備歪み能動帰還ドライバ増幅器22が能動帰還バ
イアス同調回路78を組み込んだ場合の2段線形電力増
幅器20の性能を、能動帰還バイアス電圧Vafb の値
が、それぞれ、高い場合、中間の場合、および低い場合
について、示す。図12、図15および図18は、それ
ぞれ、高、中、低値の能動帰還バイアス電圧Vafb が帰
還トランジスタQ4 に与える影響を示し、一方、図1
3、図16および図19は、能動帰還バイアス同調回路
78を組み込んだ2段線形電力増幅器20の、利得、出
力電力Pout および電力追加効率(PEA)を、入力電
力Pinの関数として示す。曲線80、82および84
(図13、図16および図19)は、能動帰還バイアス
同調回路78を組み込んだ2段線形電力増幅器20の、
利得を、また、曲線86、88、および90は、出力電
力を、さらに、曲線92、94および96は、電力追加
効率(PAE)を、それぞれ入力電力Pinの関数とし
て、高、中間および低値の能動帰還バイアス電圧Vafb
について示す。図14、図17および図20は、能動帰
還バイアス同調回路78を組み込んだ2段線形電力増幅
器20の利得、出力電力Pout 、並びに挿入位相を、そ
れぞれ、入力電力Pinの関数として、高、中、低値の能
動帰還バイアス電圧Vafb について示す。曲線98、1
00、および102は、利得を表すが、これらは、それ
ぞれ、図13、図16および図19に示される曲線8
0、82および84と類似する。曲線104、106お
よび108(図14、図17、図20)は、出力電力P
out を表すが、これらは、それぞれ、図13、図16お
よび図19に示される曲線86、88、および90に類
似する。曲線110、112および114は、能動帰還
バイアス同調回路78を組み込んだ2段線形電力増幅器
20の挿入位相を、入力電力Pinの関数として、それぞ
れ、高、中、低値の能動帰還バイアス電圧Vafb につい
て示す。
り、能動帰還バイアス電圧Vafb を低下させてゆくと、
帰還トランジスタQ4 のdcバイアスが、図12、図1
5および図18のバイアス電流値およびベクトルによっ
て示されるように、次第に深い飽和状態から抜けてゆく
ことがわかる。そして、帰還トランジスタQ4 が、飽和
状態から抜けてゆくとき、電力追加効率(PAE)は、
1dB圧縮ポイントP1dB において、48%(曲線9
2)から、50%(曲線96)へとわずかに増加するの
みであり、一方、曲線110、112および114か
ら、能動同調電圧Vafb を低下してゆくと、挿入位相
は、1dB圧縮ポイントP1dB において、6°から8.
5°へとわずかに劣化するのみであることがわかる。上
の説明から本発明のさまざまな修正およびバリエーショ
ンを考え付くことが可能であり、従って、本発明は、特
許請求の範囲から逸脱することなく、上に具体的に説明
された以外の実施例が可能であることを理解されるべき
である。
である。
還ドライバ増幅器の略図である。
の、利得、出力電力Pout および電力追加効率(PA
E)を、入力電力Pinの関数として示すグラフである。
の、利得、出力電力Pout および正規化された挿入位相
を、入力電力Pinの関数として示すグラフである。
幅器の部分の略図である。
よび電力追加効率(PAE)を、入力電力Pinの関数と
して示すグラフである。
よび正規化された挿入位相を、入力電力Pinの関数とし
て示すグラフである。
力電力Pout 、並びに電力追加効率(PAE)を、入力
電力Pinの関数として示すグラフである。
力電力Pout 、および正規化された挿入位相を、入力電
力Pinの関数として示すグラフである。
アス回路を持つことを特徴とする予備歪み能動帰還ドラ
イバ増幅器の代替実施例の略図である。
同調バイアス回路を持つことを特徴とする予備歪み能動
帰還ドライバ増幅器のもう一つの代替実施例である。
に対する略図である。
out 、および電力追加効率(PAE)を、入力電力Pin
の関数として示すグラフである。
out 、および正規化された挿入位相並びに電力追加効率
(PAE)を、入力電力Pinの関数として示すグラフで
ある。
b に対する略図である。
out 、および電力追加効率(PAE)を、入力電力Pin
の関数として示すグラフである。
out 、および正規化された挿入位相並びに電力追加効率
(PAE)を、入力電力Pinの関数として示すグラフで
ある。
調電圧Vafb に対する略図である。
out 、および電力追加効率(PAE)を、入力電力Pin
の関数として示すグラフである。
out 、および正規化された挿入位相並びに電力追加効率
(PAE)を、入力電力Pinの関数として示すグラフで
ある。
Claims (13)
- 【請求項1】 入力端子および出力端子を持つ電力増幅
器と;ベース、エミッタおよびコレクタを持つ電力トラ
ンジスタを持ち、前記ベースがRF入力信号RFinを受
信するために入力端子に電気的に結合され、前記コレク
タが出力端子に電気的に結合された、予備歪みドライバ
増幅器回路と;を含み、 前記電力増幅器が、その入力端子に加えられた電力の増
加の関数として減少する利得を持ち、 前記予備歪みドライバ増幅器回路が、前記電力増幅器を
補償するために、前記入力端子に加えられた電力の関数
として増加する利得を持ち、前記ドライバ増幅器回路
が、ベース、コレクタおよびエミッタを持つ能動帰還ト
ランジスタを持つ第一の帰還ループを含む、ことを特徴
とする2段線形電力増幅器回路。 - 【請求項2】 前記能動帰還トランジスタが、実質的に
その飽和バイアスポイントにおいて動作することを特徴
とする請求項1に記載の2段線形電力増幅器回路。 - 【請求項3】 前記能動帰還トランジスタのベースが、
前記ドライバ増幅器の出力に電気的に結合されることを
特徴とする請求項1に記載の2段線形電力増幅器回路。 - 【請求項4】 さらに、前記能動帰還トランジスタをバ
イアスするための第二の帰還ループを含むことを特徴と
する請求項1に記載の2段線形電力増幅器回路。 - 【請求項5】 前記第二の帰還ループが、ベース、コレ
クタおよびエミッタを持つバイアストランジスタを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の2段線形電力増幅器
回路。 - 【請求項6】 前記能動帰還トランジスタのコレクタ
が、前記バイアストランジスタのコレクタに電気的に結
合されることを特徴とする請求項5に記載の2段線形電
力増幅器回路。 - 【請求項7】 前記能動帰還トランジスタのエミッタ
が、前記入力端子に電気的に結合されることを特徴とす
る請求項5に記載の2段線形電力増幅器回路。 - 【請求項8】 さらに、前記能動帰還トランジスタのバ
イアスの外部からの電子同調を可能にするための能動帰
還バイアス同調回路を含むことを特徴とする請求項1に
記載の2段線形電力増幅器回路。 - 【請求項9】 さらに、前記能動帰還トランジスタのバ
イアスの電子同調を可能にするための能動帰還バイアス
トランジスタを含むことを特徴とする請求項5に記載の
2段線形電力増幅器回路。 - 【請求項10】 前記能動帰還バイアス回路が外部電圧
を前記同調回路に加えることを可能にする電圧ポートを
含むことを特徴とする請求項8に記載の2段線形電力増
幅器回路。 - 【請求項11】 入力端子および出力端子を持つ電力増
幅器回路と;RF入力信号を受信するための入力端子お
よび出力端子を持ち、前記出力端子が前記電力増幅器回
路の前記入力端子に電気的に結合されたドライバ増幅器
回路と;を含み、 前記電力増幅器回路が、入力電力の増加の関数として減
少する利得と、入力電力の増加の関数として増加する挿
入位相特性を持ち、 前記ドライバ増幅器回路が、入力電力の関数として増加
する利得と、入力電力の関数として減少する挿入位相特
性を持つ、ことを特徴とする2段線形電力増幅器回路。 - 【請求項12】 入力端子および出力端子を持つ電力増
幅器回路と;RF入力信号を受信するための入力端子お
よび出力端子を持ち、前記出力端子が前記電力増幅器回
路の前記入力端子に電気的に結合されたドライバ増幅器
回路と;を含み、 前記電力増幅器回路が、入力電力の増加の関数として増
加する挿入位相特性を持ち、 前記ドライバ増幅器回路が、入力電力の関数として低減
する挿入位相特性を持つ、ことを特徴とする2段線形電
力増幅器回路。 - 【請求項13】 入力端子および出力端子を持つ電力増
幅器回路と;RF入力信号を受信するための入力端子お
よび出力端子を持ち、前記出力端子が前記電力増幅器回
路の前記入力端子に電気的に結合されたドライバ増幅器
回路と;を含み、 前記電力増幅器回路が、前記入力端子に加えられた入力
電力の所定の関数として変化する所定の特性を持ち、 前記ドライバ増幅器回路が、前記電力増幅器回路の前記
所定の特性を補償するための予備歪み特性を持つ、こと
を特徴とする2段線形電力増幅器回路。
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