JPH109313A - 湿式クラッチ用摩擦材 - Google Patents
湿式クラッチ用摩擦材Info
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- JPH109313A JPH109313A JP16266996A JP16266996A JPH109313A JP H109313 A JPH109313 A JP H109313A JP 16266996 A JP16266996 A JP 16266996A JP 16266996 A JP16266996 A JP 16266996A JP H109313 A JPH109313 A JP H109313A
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Abstract
式クラッチ用摩擦材を提供すること。 【解決手段】 紡績糸、あるいはフィラメント糸、また
は二種類以上の繊維を合糸した混合糸などの連続した繊
維を用いて編物構造の強化形態を有する基材に、マトリ
ックス樹脂を含浸させて硬化させることを特徴とする。
Description
からの駆動を変速機に伝達するクラッチ材あるいは、駆
動を止めるブレーキ材等で、特に潤滑油中で使用できる
クラッチ材に適した摩擦材に関するものである。
動力伝達機構で使用するクラッチは、常時十分な動力を
伝達させるだけの役割をもつ一方、原動機からの駆動を
変速機に伝達するために、その変速時には、相手プレー
トと摩擦材との係合時に適度な滑りを与えられながら、
動力の遮断を行ない、変速時の衝撃を吸収し、出来るだ
け滑らかに伝達させて変速を完了させることが要求され
ている。
としては、天然有機繊維(パルプ繊維)、合成樹脂繊維
(芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維)あるいは無機
繊維(ウィスカー繊維、セラミックス繊維、カーボン繊
維等)にグラファイトあるいはセラミックなどの無機充
填材やカシューダストなどの有機充填材を添加した基材
にフェノール系樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させたペ
ーパー摩擦材が使用されていた。かかる材料は摩擦係数
が高い上に、弾性に富み、しかも多孔性であるから潤滑
油の吸収率が良いので、現在も優れた材料として広く一
般に使用されている。
つまり摩擦材係合時において大きな摩擦熱を発生するこ
とから、熱劣化により大きな損傷を受ける。この結果、
摩擦材表面が目潰れして摩擦特性の低下あるいは、摩擦
材の中層部において剥離が発生する。そこで、前述の機
能を長期に渡り安定的に果たすには、摩擦部分から、効
率良く熱を放出し、熱による損傷を出来るだけ抑制する
こと、摩擦材自体の機械的強度を十分に確保することが
望まれる。そこで、これまでは摩擦材の耐熱性を摩擦材
の気孔率あるいは、気孔径を大きくすることにより、潤
滑性能を高めて放熱性を向上させる方法がとられてい
る。
来技術にあっては、気孔率及び気孔径の向上により潤滑
油の保有量を多くでき、透過性も良くなり、放熱性(焼
けに対して)および摩擦特性は向上するが、容易に気孔
率あるいは、気孔径を大きくすると、摩擦材の強度が低
下するといったトレードオフの関係があるために摩擦材
の耐熱性の向上と機械的強度の向上を十分に果たすこと
はできず、所望の成果を得ることができなかった。
てなされたもので、循環油中での摩擦特性と耐剥離性に
優れた摩擦材を提供することを目的とする。
成するため、紡績糸、あるいはフィラメント糸、または
二種類以上の繊維を合糸した混合糸などの連続した繊維
を用いて編物構造の強化形態を有する基材に、マトリッ
クス樹脂を含浸させて硬化させることを特徴とする。
ているために編物構造を有する強化形態を形成でき、基
材自体が自然の気孔を有し、編み密度を自由に変化させ
ることにより気孔を自由に変化させることができる。
明の実施の形態について説明する。
トリックス樹脂としては、摩擦材係合時に、200〜2
50℃の高い摩擦熱を発生することから耐熱性の高いマ
トリックス樹脂を用いる必要があり、耐熱性に優れた熱
硬化性樹脂(フェノール系樹脂、メラミン系樹脂等)が
用いられる。例えば、フェノール系樹脂としては摩擦特
性に優れたメラミン変性フェノール樹脂、カシュー変性
フェノール樹脂等がある。
糸、再生セルロース繊維)、合成樹脂繊維(芳香族ポリ
アミド繊維、アクリル繊維等)、あるいは無機繊維(ウ
ィスカー繊維、セラミックス繊維、カーボン繊維等)か
らなる紡績糸、フィラメント糸、混合糸を用いて強化形
態が編物構造となる強化基材を形成している。また、厳
しい環境化(高発熱下・高面圧下)で使用される場合に
はカーボン繊維、アラミド繊維等を用いた混合糸を使用
してもよい。
特性を微妙に調整する摩擦調整剤、充填剤等)の摩擦面
への添加(10〜60重量部)も必要である。
材について説明する。この強化基材は、連続した繊維
(紡績糸、フィラメント糸、混合糸)を用いて編機によ
り、経編み、あるいは緯編みにより形成されるメリヤス
である。ここで形成したメリヤス表面を図1及び図2に
示すように、摩擦面1とし、この摩擦面に添加剤を添加
し、起毛あるいはブラッシング工程時に充填剤を表面あ
るいはメリヤス内部に混入させて、表面をならして強化
材を形成する。なお、摩擦面1は上下(表裏)の両面に
形成される。
ラッチ用摩擦材の構成比について説明する。本発明の摩
擦材は、編物構造を有する強化基材と、添加剤(摩擦調
整剤、充填剤)の混合物を摩擦面に添加した強化材に結
合剤であるマトリックス樹脂を含浸させて硬化して形成
される湿式摩擦材であって、その基材繊維は強化材全体
に対して50〜65重量部であり、摩擦面(メリヤス表
面)1に添加する摩擦調整剤(添加剤)は10〜60重
量部である。ここで、強化基材を構成する基材繊維につ
いては通常、安価な綿糸を使用するが、環境条件に応じ
て合成繊維(例えば、芳香族ポリアミド繊維、カーボン
繊維)との組み合わせによる混合糸を用いることも好ま
しい。また、添加剤は摩擦特性等を調整するもので、例
えば充填剤、摩擦調整剤として知られているシリカ、マ
イカ、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、カシューダス
ト、グラファイト等を単独でまたは2種類以上組み合わ
せて使用できる。これらの添加剤の量としては、通常無
機添加剤が10〜40重量%、摩擦調整剤が0〜20%
の範囲で添加される。
材には、マトリックス樹脂が含浸されて硬化されて摩擦
材が形成される。ここで使用するマトリックス樹脂は、
熱硬化性の樹脂であるフェノール樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂等が用いられる。使用量は強化材全体に対
して20〜50%であり、通常液状として含浸量を調整
する。含浸されたマトリックス樹脂は、180〜250
℃の温度で熱硬化されて、摩擦材が成形される。この摩
擦材はさらにフェーシング等に加工されて使用される。
較しながら説明する。
として70番手の綿糸のみを60重量部用いて経編みの
強化形態を有するメリヤスを形成し、このメリヤスに対
して40重量部の充填材を摩擦面の添加した後ブラッシ
ングにより表面に絡ますあるいは内部に混入させて強化
材(計100重量部)を形成する。この強化材にマトリ
ックス樹脂(結合剤)としてレゾール系フェノール樹脂
液を含浸し、風乾した後200℃の熱風乾燥炉で結合剤
を硬化させた。なお、硬化後のこの結合剤の含有量は3
0重量部であり、この含有量となるようにそのフェノー
ル樹脂液の濃度をメタノールで希釈し調整した。次に、
予め200℃に熱せられた一軸加圧プレス機にて必要な
厚さになるように加圧成形することで湿式摩擦材のフェ
ーシングを形成した。さらにこのフェーシングを必要形
状に切削加工して芯金3に接着した。これより得られた
湿式クラッチ用摩擦材について下記に示す評価試験を行
なう。
て、ストローキング耐久試験により確認した。試験条件
は、摩擦材面:2面、フェーシング面積:24cm2 、
オートマチックトランスミッション用潤滑油;マチック
D(出光興産製)の油温:140℃、面圧:100kg
f/cm2 にて3秒間加圧し、10秒間開放する条件で
評価を行なった。
SAE#2試験機を用いて、低発熱量条件下での初期性
能{静摩擦係数(μs)、動摩擦係数(μ1200;差
動回転数が1200rpm.時のμ)、ルースターテー
ル(μ0/μ1200比)}と高発熱量条件による耐久
性{焼けによるμ1200(動摩擦係数の低下)}を確
認した。このテストは慣性回転している回転体のエネル
ギーを摩擦材で吸収させることを繰り返し、摩擦材の表
面が摩擦熱(吸収エネルギー)で焼け(炭化あるいは目
つぶれの発生)により、初期に対してμ1200が10
%低下するまでのサイクルを焼け寿命として評価したも
のである。実験条件を以下に示す。 試験機:SAE#2試験機 慣性能率:0.02kgcmS2 押しつけ面圧:11.2kg/cm2 ATF温度:120℃ 回転数(発熱量に比例):性能試験として3000rp
m.(発熱量15cal/cm2 )、耐熱性評価として
6000rpm.(発熱量60cal/cm2)にて試
験を実施した。
図1に示し、その評価試験結果を表1に示す。
性を確認するために以下に示す工順で通常のペーパー摩
擦材を成形し、比較対象とした。基材繊維として木材パ
ルプ60重量部添加材として40重量部との混合物(計
100重量部)を多量の水中に分散混合し、湿式抄紙法
にて抄紙して抄紙体を成形した。この抄紙体に結合剤と
して上記実施例1と同様に結合剤を含浸させて加圧プレ
ス機にて成形し、湿式摩擦材を得た。
形態例における基材繊維を混合糸として表1に示すよう
な配合比とした以外は実施例1と同様とした。
配合量を表1に示すように変えた他は比較例1と同様と
した。
例における基材繊維を混合糸として表1に示すような配
合比とした以外は実施例1と同様とした。
配合量を表1に示すように変えた他は比較例1と同様と
した。
式クラッチ用摩擦材は、従来のクラッチ材(ペーパー摩
擦材)に対して強化基材に編物構造を有する強化形態を
もつことにより、十分な気孔と伸縮性を保有して優れた
摩擦特性と連続した繊維により構成されているために、
十分な剥離強度を確保できる極めて有用な材料である。
を示す斜視図。
を示す側面断面部分図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 基材繊維として紡績糸、あるいはフィラ
メント糸、または二種類以上の繊維を合糸した混合糸等
の連続した繊維を用いて編物構造の強化形態を有する基
材にマトリックス樹脂が含浸硬化されていることを特徴
とする湿式クラッチ用摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16266996A JPH109313A (ja) | 1996-06-24 | 1996-06-24 | 湿式クラッチ用摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16266996A JPH109313A (ja) | 1996-06-24 | 1996-06-24 | 湿式クラッチ用摩擦材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH109313A true JPH109313A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15759039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16266996A Pending JPH109313A (ja) | 1996-06-24 | 1996-06-24 | 湿式クラッチ用摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH109313A (ja) |
-
1996
- 1996-06-24 JP JP16266996A patent/JPH109313A/ja active Pending
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Legal Events
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