JPH1092895A - 搬送用可動機構体、搬送用リニアガイド及び搬送用ボールネジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造装置の搬送機構による搬送におい
て、搬送部の損傷を防止することができる。 【解決手段】 ナット部２の一方の端にはＮ極の磁石２
ａを取り付け、ナット部２の他方の端にはＳ極の磁石２
ｂを取り付ける。一方、ナット部２の一方の端のＮ極の
磁石２ａに対して磁力反発するように同極性Ｎ極の磁石
の磁気ストッパブロック１Ｂを取り付ける。これによっ
て、ナット部２のＮ極磁石と磁気ストッパブロック１Ｂ
のＮ極磁石との間の磁力反発によって衝突することがな
くなる。また、ナット部２の他方の端のＳ極の磁石２ｂ
に対して磁力反発するように同極性Ｓ極の磁石の磁気ス
トッパブロック１Ａを取り付ける。これによって、ナッ
ト部２のＳ極磁石と磁気ストッパブロック１ＡのＳ極磁
石との間の磁力反発によって衝突することがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、搬送用可動機構
体、搬送用リニアガイド及び搬送用ボールネジに関し、
例えば、半導体製造システムの搬送機構部における可動
部の衝突回避のための停止構造に適用し得る。

【０００２】

【従来の技術】近年、半導体製造システムの信頼性の向
上が図られている。例えば、半導体製造装置の搬送機構
部では、例えば、ウェーハなどの搬送のためのリニアガ
イドや、ボールネジなどが使用されている。図４
（ａ）、（ｂ）は、リニアガイドの外観図である。図５
は、ボールネジの外観図である。従来、搬送機構部で
は、リニアガイドやボールネジの先にストッパブロック
１、３を取り付けたりして、ナット部２、４がストッパ
ブロック１、３よりも先に行かないようにしていた。ナ
ット部２、４が、ガイド５、６から抜けるとナット部２
の中に入っているボールが外に出て落ちてしまう。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように、ボールが
ナット部２、４の外に落ちると、ナット部２、４が減速
せずにストッパブロック１、３にぶつかることが起き
る。このようなぶつかりによって、ナット部２、４の損
傷や、その搬送物（例えば、ウェーハなど）にまで衝撃
が及び、搬送物の損傷につながっていた。

【０００４】このようなことから、半導体製造装置の搬
送機構による搬送において、搬送部の損傷を防止するこ
とができる信頼性の高い搬送用可動機構体、搬送用リニ
アガイド及び搬送用ボールネジの実現が要請されてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、可動
軸に対して左右に可動し得るように取り付けられたナッ
ト部と、上記可動軸の左右の端に取り付けられ上記ナッ
ト部の可動を停止させるストッパ部とを有する搬送用可
動機構体において、以下の構成で上述の課題を解決す
る。

【０００６】即ち、本発明の搬送用可動機構体は、ナッ
ト部の可動軸方向の左端と右端とに互いに逆極性の磁性
体を取り付け、上記可動軸上の左右端のストッパ部に互
いに逆極性の磁性体を取り付けたものであって、しか
も、上記ナット部の可動軸方向の左端の磁性と上記可動
軸上の左端のストッパ部の磁性とを同じ極性とし、上記
ナット部の可動軸方向の右端の磁性と上記可動軸上の右
端のストッパ部の磁性とを同じ極性とした構造である。

【０００７】このような構成を採ることで、ナット部が
可動軸上で左に可動した場合は、ナット部の可動軸方向
の左端の磁性と可動軸上の左端のストッパ部の磁性とが
同じ極性であるため、衝突しようとしても磁力で反発し
て衝突することがない。また、ナット部が可動軸上で右
に可動した場合は、ナット部の可動軸方向の右端の磁性
と可動軸上の右端のストッパ部の磁性とが同じ極性であ
るため、衝突しようとしても磁力で反発して衝突するこ
とがない。

【０００８】従って、従来のような衝突による衝撃で、
ナット部の損傷や搬送部の損傷が起きることがなくな
る。

【０００９】また、ナット部の磁性体又は上記ストッパ
部の磁性体が、コイルに電流を流す構造の磁性体である
ことも好ましい。

【００１０】更に、上記磁性体が、電流の調節によって
磁力を調節する磁力調節手段を備えることも好ましい。

【００１１】上述の発明の搬送用可動機構体をリニアガ
イドや、ボールネジに適用することで、半導体製造装置
の搬送部の信頼性を向上させ、搬送物の損傷を軽減する
ことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施の形態を
図面を用いて説明する。本実施の形態においては、磁力
作用を利用してナット部とストッパブロックとがぶつか
らないように構成する。

【００１３】図１は、リニアガイドの外観図である。図
１（ａ）は、リニアガイドの上面図である。図１（ｂ）
は、リニアガイドの側面図である。本実施の形態のリニ
アガイドは、ストッパブロックとナット部とに、永久磁
石を取り付けて、ナット部とストッパブロックとが磁力
によって反発して衝突しないように構成する。即ち、本
実施の形態のリニアガイドは、ナット部２の一方の端に
はＮ極の磁石２ａを取り付け、ナット部２の他方の端に
はＳ極の磁石２ｂを取り付ける。一方、ナット部２の一
方の端のＮ極の磁石２ａに対して磁力反発するように同
極性Ｎ極の磁石の磁気ストッパブロック１Ｂを取り付け
る。これによって、ナット部２のＮ極磁石と磁気ストッ
パブロック１ＢのＮ極磁石との間の磁力反発によって衝
突することがなくなる。

【００１４】また、ナット部２の他方の端のＳ極の磁石
２ｂに対して磁力反発するように同極性Ｓ極の磁石の磁
気ストッパブロック１Ａを取り付ける。これによって、
ナット部２のＳ極磁石と磁気ストッパブロック１ＡのＳ
極磁石との間の磁力反発によって衝突することがなくな
る。

【００１５】これによって、半導体製造装置の搬送機構
におけるリニアガイドにおいて、搬送部の損傷を防止す
ることができる信頼性の高い搬送を行うことができるよ
うになる。例えば、ウェーハ搬送のときにもトラブルが
起こらず、限界ストロークを越えた場合でも、磁気スト
ッパブロックに衝突することが少なく、ウェーハを損傷
する恐れが少なくなる。

【００１６】図２は、ボールネジの外観図である。この
図２において、ナット部４の一方の端には、Ｎ極の磁石
４ａを取り付け、他方の端にはＳ極の磁石を取り付け
る。一方、ナット部４の一方の端のＮ極の磁石４ａに対
して磁力反発するように同極性Ｎ極の磁石の磁気ストッ
パブロック３Ｂを間隔をおいて取り付ける。これによっ
て、ナット部４のＮ極磁石と磁気ストッパブロック３Ｂ
のＮ極磁石との間の磁力反発によって衝突することがな
くなる。

【００１７】また、ナット部４の他方の端のＳ極の磁石
４ｂに対して磁力反発するように同極性Ｓ極の磁石の磁
気ストッパブロック３Ａを取り付ける。これによって、
ナット部４のＳ極磁石と磁気ストッパブロック３ＡのＳ
極磁石との間の磁力反発によって衝突することがなくな
る。

【００１８】これによって、半導体製造装置の搬送機構
におけるボールネジにおいて、搬送部の損傷を防止する
ことができる信頼性の高い搬送を行うことができるよう
になる。例えば、ウェーハ搬送のときにもトラブルが起
こらず、限界ストロークを越えた場合でも、磁気ストッ
パブロックに衝突することが少なく、ウェーハを損傷す
る恐れが少なくなる。

【００１９】図３は、電流磁気作用による磁気ストッパ
ブロックの説明図である。上述の実施の形態において
は、永久磁石をナット部やストッパブロックに取り付け
る例を述べたが、ここでは、電磁石を使用し、コイルに
流す電流で生じる磁力を利用して上述のようなナット部
とストッパブロックとが磁力によって反発して衝突しな
いように構成する。

【００２０】即ち、図３に示すように、コイル８に流れ
る電流によって磁力が発生することは周知のことであ
り、このコイル８を例えば磁気ストッパブロック１Ａ又
は１Ｂに取り付け、これに対して永久磁石をナット部２
ａ又は２ｂとすると、コイル８に流れる電流によって生
じる磁力Ｓ極８ａと、永久磁石のＳ極２１１とが反発す
る。このように、電磁石で生成した磁気ストッパブロッ
クの磁力と、永久磁石で生成したナット部の磁力とが反
発して、衝突しないようにさせることができる。

【００２１】また、電流調節回路７でコイル８に流れる
電流を変えると、コイル８で生じる磁力も変化させるこ
とができるので、ナット部の質量と衝撃の強さとを加味
して最適な磁力を生成することが好ましい。例えば、生
成する磁力を弱くすれば、ナット部との衝突のときにゆ
っくり静かに止めることも可能である。

【００２２】また、電磁石による磁力発生をナット部に
形成し、磁気ストッパブロックは永久磁石を採用するこ
ともできる。これによって、上述と同様に電磁石で生成
したナット部の磁力と、永久磁石で生成した磁気ストッ
パブロックの磁力とが反発して、衝突しないようにさせ
ることができる。

【００２３】これによって、半導体製造装置の搬送機構
におけるリニアガイド又はボールネジにおいて、搬送部
の損傷を防止することができる信頼性の高い搬送を行う
ことができるようになる。例えば、ウェーハ搬送のとき
にもトラブルが起こらず、限界ストロークを越えた場合
でも、磁気ストッパブロックに衝突することが少なく、
ウェーハを損傷する恐れが少なくなる。

【００２４】（本発明の実施の形態の効果）： 以上の
本発明の実施の形態によれば、リニアガイド及びボール
ネジのナット部とストッパブロックとに相反する磁力を
発生する永久磁石又は電磁石を配設したので、衝撃など
によってナット部とストッパブロックとが衝突しようと
しても磁力の作用で衝撃を軽減させることができる。こ
れによって、半導体製造装置の搬送機構におけるリニア
ガイド及びボールネジにおいて、搬送部の損傷を防止す
ることができる信頼性の高い搬送を行うことができるよ
うになる。例えば、ウェーハ搬送のときにもトラブルが
起こらず、限界ストロークを越えた場合でも、磁気スト
ッパブロックに衝突することが少なく、ウェーハを損傷
する恐れが少なくなる。

【００２５】（他の実施の形態）：尚、上述の実施の形
態においては、半導体製造装置の搬送機構におけるリニ
アガイド及びボールネジに対する磁気ストッパの適用を
説明したが、その他にスライドテーブルにも適用するこ
とができる。

【００２６】

【発明の効果】以上述べたように本発明は、搬送用可動
機構体の可動軸上のナット部とストッパ部とに磁性体を
配設し、しかもこれらの磁性体の反発力を利用してナッ
ト部とストッパ部とが衝突しないように構成したので、
半導体製造装置の搬送機構による搬送において、搬送部
の損傷を防止することができ、搬送物の損傷も軽減する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態のリニアガイドの外観図で
ある。

【図２】実施の形態のボールネジの外観図である。

【図３】実施の形態の電磁石による磁気ストッパ作用の
説明図である。

【図４】従来例のリニアガイドの外観図である。

【図５】従来例のボールネジの外観図である。

【符号の説明】 １Ａ、１Ｂ、３Ａ、３Ｂ…磁気ストッパブロック、２、
４…ナット部、２ａ、２ｂ、４ａ、４ｂ…磁石、７…電
流調節回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可動軸に対して左右に可動し得るように
   取り付けられたナット部と、上記可動軸の左右の端に取
   り付けられ上記ナット部の可動を停止させるストッパ部
   とを有する搬送用可動機構体において、 上記ナット部の可動軸方向の左端と右端とに互いに逆極
   性の磁性体を取り付け、上記可動軸上の左右端のストッ
   パ部に互いに逆極性の磁性体を取り付けたものであっ
   て、しかも、上記ナット部の可動軸方向の左端の磁性と
   上記可動軸上の左端のストッパ部の磁性とを同じ極性と
   し、上記ナット部の可動軸方向の右端の磁性と上記可動
   軸上の右端のストッパ部の磁性とを同じ極性とした構造
   であることを特徴とする搬送用可動機構体。