JPH1091237A - 異常信号検出装置および異常信号源検出装置 - Google Patents

異常信号検出装置および異常信号源検出装置

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JPH1091237A
JPH1091237A JP24311396A JP24311396A JPH1091237A JP H1091237 A JPH1091237 A JP H1091237A JP 24311396 A JP24311396 A JP 24311396A JP 24311396 A JP24311396 A JP 24311396A JP H1091237 A JPH1091237 A JP H1091237A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常成分が小さい場合や突発信号の場合にも
異常信号を検出できる異常信号検出装置を得る。また、
異常信号を検出した場合に、異常信号の発生している異
常信号源の位置を検出できる異常信号源検出装置を得
る。 【解決手段】 1次元の時系列信号である入力信号に対
して遅延器の特性を模擬する適応ディジタルフィルタ12
を備え、異常検出手段13によって、正常時の入力信号に
対する適応ディジタルフィルタのフィルタ特性形成過程
におけるフィルタ特性と、異常時の入力信号に対するフ
ィルタ特性とを比較することにより、異常信号を検出す
る。また、正常時に生成されたフィルタ係数を用い、異
常検出時に正常信号を除いた信号であるフィルタカット
成分を取り出して異常を検出する。また、2つ以上のフ
ィルタカット成分から異常信号源を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプラント設
備などにおいて得られる音や振動などの1次元の時系列
信号に対して、適応ディジタルフィルタ処理することに
より得られたフィルタ特性やフィルタカット成分を利用
して、異常信号を検出する装置および異常信号源を検出
する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の異常信号検出装置において
は、まず、正常時に得られた信号をフーリエ解析し、こ
の結果をデータベースとして記憶しておく。そして、点
検時に得られた信号をフーリエ解析した結果とデータベ
ースの記憶データを比較することにより、点検時の正常
/異常を検出している。ここで正常時に得られる信号は
定常的な信号である。
【0003】次にフーリエ解析について説明する。フー
リエ解析は、一般にアナログ信号をA/D変換してディ
ジタル信号にした時系列信号を離散フーリエ変換してス
ペクトル密度分布を得る。通常、このスペクトル密度分
布は数回分平均したものを用いる。離散フーリエ変換に
ついては例えば宮川洋・城戸健一他著「ディジタル信号
処理」15版第10頁〜第20頁に記載されている。任
意の時間tにおける入力信号をx(t)とすると、時間関
数であるx(t)を周波数関数に変換したフーリエ変換X
(f)は、式1で表わされる。ここでfは周波数である。
【0004】
【数1】
【0005】実際に扱う信号はA/D変換された有限な
離散信号である。入力信号x(t)の離散信号であるxp
(p=0、・・・、N−1)の離散フーリエ変換Xk
(k=0、・・・、N−1)は、式2で表わされる。
【0006】
【数2】
【0007】ここで、p,kは整数であり、Nは離散信
号xp の個数である。離散フーリエ変換されたXk から
スペクトル密度分布Sk は、式3により求められる。
【0008】
【数3】
【0009】式3において、Re(Xk )は実部を表す
関数、Im(Xk )は虚部を表わす関数である。
【0010】次にプラント内における音を例としてフー
リエ解析による異常検出の一例を示す。図29は、例え
ばあるプラント内における正常時の音の正常信号を48
KSPSでサンプリングした波形である。図において、
縦軸は振幅で単位はPa、横軸は時間で単位は秒であ
る。図30は図29に示す正常信号を256点ごとに1
00回フーリエ変換して得られたスペクトル密度分布を
平均したものである。図30において、縦軸はスペクト
ル密度分布、横軸は周波数で単位はHzである。また、図
31はこのプラント内における正常時の音に異常音を加
えた異常信号を48KSPSでサンプリングした波形で
ある。図31において、縦軸は振幅で単位はPa,横軸
は時間で単位は秒である。図32は図31に示す異常信
号を256点ごとに100回フーリエ変換して得られた
スペクトル密度分布を平均したものである。図32にお
いて、縦軸はスペクトル密度分布、横軸は周波数で単位
はHzである。また、図33は図31において加えた異常
音のスペクトル密度であり、256点ごとに100回フ
ーリエ変換したものである。縦軸はスペクトル密度分
布、横軸は周波数で単位はHzである。この図のスペクト
ル密度分布は図30および図32とはスケールが異なる
ため、縦軸に数値は入れていない。
【0011】異常信号のスペクトル密度分布である図3
2を正常信号のスペクトル密度分布である図30と比較
すると、15KHzあたりに非常に小さい異常信号の成分
が見られ、また10KHzあたりも若干パワーが増してい
る。この差は、図33の異常音のスペクトル密度分布と
一致する。図33のスペクトル密度は異常信号生成前の
ものであり、異常信号測定時とは測定系が異なるため図
30および図32とはスケールが異なっている。
【0012】フーリエ解析による異常検出では、図30
に示す正常信号と図32に示す異常信号のスペクトル密
度分布の差の絶対値を、スペクトル密度分布を複数回測
定したときの標準偏差の2倍あるいは3倍をしきい値と
して異常を検出する。図34は図30に示す正常信号の
スペクトル密度分布と図32に示す異常信号のスペクト
ル密度分布の周波数成分毎の差の絶対値(実線361 )
と、図30の正常信号のスペクトル密度分布を複数回測
定したものの標準偏差の2倍(破線362)のグラフであ
る。図34において、縦軸はスペクトル密度、横軸は周
波数で単位はHzである。
【0013】図34で明らかなように、正常信号と異常
信号のスペクトル密度の差の絶対値(実線361 )は小さ
な値であり、異常検出のためのしきい値である標準偏差
の2倍(破線362 )と比較するとぎりぎり異常を検出で
きるか、もしくはできない程度である。特に3倍にする
と異常は検出できない。しきい値をもっと小さくすれば
異常を検出できるが、逆に正常時に誤報が出易くなる。
また、フーリエ解析では定常成分に対する解析であるた
め、突発的な異常信号には対応できない。
【0014】次に本発明のベースとなる適応ディジタル
フィルタ処理について説明する。図35は適応ディジタ
ルフィルタの基本構成図であり、161 は適応ディジタル
フィルタ処理部、162 は加算器である。以下、図35の
動作について説明する。図35において、入力された信
号xkは適応ディジタルフィルタ処理部161 において畳
み込み処理されて出力yk となる。そして、加算器162
によって目的信号dk と、出力yk の符号を反転したも
のを加算し、目的信号dk と出力yk の差として誤差ε
k を得る。その後、誤差εk は適応ディジタルフィルタ
処理部161 に渡される。上記処理を再帰的に繰り返すこ
とにより誤差εk を最小にするようなフィルタがディジ
タルフィルタ処理部161 において生成される。
【0015】次に適応ディジタルフィルタ処理部161 に
ついて説明する。kサンプル時間のフィルタ係数列をW
k とする。以下、フィルタ係数列を単にフィルタ係数と
記する。システムの評価関数D(Wk )の式4に示す勾
配∇k を用いて、式5を再帰的に繰り返すことによりフ
ィルタ係数が求められる。式5において、μは毎回の繰
り返しにおける補正量の大きさを制御するパラメータ
で、ステップパラメータと呼ばれる。
【0016】
【数4】
【0017】評価関数として瞬時自乗誤差εk 2そのもの
を用いたアルゴリズムはLMS(Least Mean
Square)アルゴリズムと呼ばれる。瞬時自乗誤差
εk 2により勾配∇k の推定量は式6で表わされる。
【0018】
【数5】
【0019】ここで、Xk はkサンプル時間における入
力信号列である。また、εk は式7で表され、式7のW
k Tk は、フィルタ係数と入力信号との畳み込みを示
す。式6による勾配∇k の推定量を用いて、フィルタ係
数を決めるLMSアルゴリズムを表すと式8のようにな
る。
【0020】
【数6】
【0021】入力信号の平均パワーの時変推定値σ
k 2と、新しいパラメータu、αを導入すると式5は、式
9と表わされる。
【0022】
【数7】
【0023】ここでLはフィルタの次数であり、L+1
がフィルタ長となる。α≠0とすることにより、入力信
号の平均パワーの時変推定値σk 2は入力信号パワーが変
化する場合にでも対応できるようになっている。この適
応ディジタルフィルタ処理は、通常は雑音除去やプラン
トのモデル推定等に用いられている。
【0024】次に本発明のベースとなる信号源検出方法
について説明する。信号源の方向を検出する方法は、例
えば大賀・山崎・金田著「音響システムとディジタル処
理」初版第197頁〜第199頁に記載されるものがあ
る。図36は2次元平面上の2個の入力センサから信号
源の方向を算出する方法について説明する図であり、29
1a,291bはマイクロホン、292 は2個のマイクロホン29
1aと291bの距離差、293 は音波の到来方向θs である。
この例では信号源として音を設定しており、入力センサ
はマイクロホンとし、信号源の音は空気中を伝達すると
仮定する。
【0025】以下、2個の入力センサ291a,291bにより
得られた信号から2次元平面上における信号源の方向を
検出する方法について説明する。図36においてθs
向から到来する平面波を、距離dだけ離れて設置された
2つのマイクロホンで受音することを考える。この時、
各マイクロホンの受音信号x1(t)とx2(t)との間には、
式10の関係が成立する。ここで、cは音速、dは距離
292 である。従って逆に、受音信号x1(t)とx2(t)の間
の時間差τs がわかれば、音波の到来方向θs は式11
により求めることができる。
【0026】
【数8】
【0027】次に、時間差τs を求める。時間差τs
受信信号x1(t)とx2(t)との相互相関関数φ12(τ)から
求めることができる。相互相関関数を定義する式12に
式10を代入すると式13となる。
【0028】
【数9】
【0029】但し、E[・]は期待値を表し、φ11(τ)
はx1(t)の自己相関関数を表わす。自己相関関数φ
11(τ)はτ=0で最大値をとることが知られている。し
たがって、φ12(τ)はτ=τs で最大値をとる。このこ
とより、x1(t)とx2(t)との相互相関関数φ12(τ)を計
算して、その最大値を与えるτを求めればτs が得ら
れ、このτs を式11に代入すれば音波の到来方向θs
が求められる。
【0030】また、図37は2次元平面上の3個の入力
センサから信号源の位置を算出する方法について説明す
る図であり、291cはマイクロホン、301 は信号源であ
る。このように一直線上に無い3個の入力センサ291a,
291b,291cにより得られた信号から2次元平面上におけ
る信号源の位置を検出する方法について説明する。図3
7において、信号源からマイクロホン291aまで音が到達
する時間をta とする。同様にマイクロホン291bまで音
が到達する時間をtb 、マイクロホン291cまで音が到達
する時間をtc とする。さらに、τbaをマイクロホン29
1bとマイクロホン291aとの音の到達する時間差、τca
マイクロホン291cとマイクロホン291aとの音の到達時間
差とし、距離の自乗が等しいとして、式14の連立方程
式を得ることができる。
【0031】
【数10】
【0032】ここで、マイクロホン間の時間差τba,τ
caは式13に示した相互相関関数により得ることができ
る。式14の連立方程式は、未知数がx、y、tの3つ
であり、式が3つあるので解を求めることができ、信号
源(x、y)を検出することができる。
【0033】また、図38は3次元空間上の4個の入力
センサから信号源の位置を算出する方法について説明す
る図であり、291dはマイクロホンである。このように、
同一平面上に無い4個の入力センサ291a,291b,291c,
291dにより得られた信号から3次元空間上における信号
源の位置を検出する方法について説明する。図38にお
いて、信号源からマイクロホン291aまで音が到達する時
間をta とする。同様にマイクロホン291bまで音が到達
する時間をtb 、マイクロホン291cまで音が到達する時
間をtc 、マイクロホン291dまで音が到達する時間をt
d とする。さらに、τbaをマイクロホン291bとマイクロ
ホン291aとの音の到達する時間差、τcaをマイクロホン
291cとマイクロホン291aとの音の到達時間差、τdaをマ
イクロホン291dとマイクロホン291aとの音の到達時間差
とすると、式15の連立方程式を得ることができる。
【0034】
【数11】
【0035】式15で表される連立方程式は、未知数が
x、y、z、tの4つであり、式が4つあるので解を求
めることができ、信号源(x、y、z)を検出すること
ができる。
【0036】次に式15から解を求める方法について説
明する。式15の連立方程式は解析的に解くことは難し
いため、例えばニュートン・ラフソン法などによる数値
解析により解を求める。ニュートン・ラフソン法は、例
えば赤坂著「数値計算」22版第223頁〜第225頁
に記載されている。まず、未知数が3つ連立方程式をニ
ュートン・ラフソン法で求める場合について説明する。
一般に、未知数を3つ含む方程式を式16とする。
【0037】
【数12】
【0038】式17は式16のn次近似(xn,yn,t
n )付近でテイラー展開を行ったものである。
【0039】
【数13】
【0040】ここで、(x−xn )、(y−yn )、
(t−tn )の2次以上の項を省略して、式18とおく
ことにより、式17は式19となる。
【0041】
【数14】
【0042】
【数15】
【0043】式19の連立1次方程式を解くことにより
補正量Δxn 、Δyn 、Δtn が求められる。求まった
補正量を式18に代入してxn+1 、yn+1 、tn+1 を求
め、更に式19に代入して次の補正量を求める。式18
と式19に初期値x0 、y0、t0 を与えて、補正量が
あらかじめ決められた値よりも小さくなるまで再帰的に
繰り返すことにより、近似解が求められる。求める解は
再帰処理が終了した時点のxn 、yn 、tn である。未
知数が4つの場合は、上記で説明した未知数が3つの場
合と同様で、未知数4つを含む方程式となる。
【0044】上記のような信号源検出方法によって信号
源を検出しようとすると、複数の入力センサで検出され
た信号の到達時間差がわからなければ求めることができ
ない。ところがフーリエ解析による異常検出方法では入
力信号からスペクトル密度分布を求めるので、入力信号
が時系列信号の形態で残っていない。このため、複数の
入力センサでの到達時間差が求められず、異常信号の信
号源の方向や位置を求めることができなかった。
【0045】
【発明が解決しようとする課題】前記のようにフーリエ
解析による方法では異常成分が小さい場合にしきい値設
定が難しいため、異常検出の際に誤報が出易くなるな
ど、異常検出が困難であるという問題があった。また、
突発的な異常信号には対応できないという問題があっ
た。また、フーリエ解析による異常検出方法では異常が
発生しているということを検出できたとしても、異常信
号の発生している方向や位置を得ることができなかっ
た。
【0046】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、異常成分が小さい場合や突発信号の
場合にも異常信号を検出できる異常信号検出装置を得る
ことを目的としている。また、異常信号を検出した場合
に、異常信号の発生している異常信号源の方向や位置を
検出できる異常信号源検出装置を得ることを目的として
いる。
【0047】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成によ
る異常信号検出装置は、1次元の時系列信号である入力
信号に対して遅延器の特性を模擬する適応ディジタルフ
ィルタを備え、正常時の入力信号に対する前記適応ディ
ジタルフィルタのフィルタ特性形成過程におけるフィル
タ特性と、異常時の入力信号に対する前記適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ特性形成過程におけるフィルタ特
性とを比較することにより、異常信号を検出する異常検
出手段を備えたものである。
【0048】また、本発明の第2の構成による異常信号
検出装置は、第1の構成において、正常時の入力信号に
対する上記適応ディジタルフィルタのフィルタ特性形成
過程におけるフィルタ特性が妥当であるかどうかを判別
する正常時フィルタ特性判別手段を備え、上記異常検出
手段で比較する正常時のフィルタ特性として、前記正常
時フィルタ特性判別手段で妥当であると判別されたフィ
ルタ特性を用いるように構成したものである。
【0049】また、本発明の第3の構成による異常信号
検出装置は、第1または第2に記載の構成において、正
常時の入力信号に対する前記適応ディジタルフィルタの
フィルタ特性形成過程におけるフィルタ特性を保存する
フィルタ特性保存手段を備え、上記異常検出手段で比較
する正常時のフィルタ特性として、前記フィルタ特性保
存手段に保存したフィルタ特性を用いるように構成した
ものである。
【0050】また、本発明の第4の構成による異常信号
検出装置は、第1または第2に記載の構成において、状
況に応じて複数の正常時の入力信号に対するフィルタ特
性を保存するフィルタ特性保存手段を備え、上記異常検
出手段で比較する正常時のフィルタ特性として、前記フ
ィルタ特性保存手段に保存した複数のフィルタ特性中
で、異常検出時の状況に近い状況のフィルタ特性を用い
るように構成したものである。
【0051】また、本発明の第5の構成による異常信号
検出装置は、1次元の時系列信号である入力信号に対し
て遅延器の特性を模擬する適応ディジタルフィルタと、
正常時の入力信号に対する前記適応ディジタルフィルタ
のフィルタ特性形成過程におけるフィルタ係数を保存す
るフィルタ係数保存手段と、前記正常時のフィルタ係数
を用いて異常検出時の入力信号から正常時の成分をカッ
トしたフィルタカット成分を得るフィルタカット手段
と、前記フィルタカット手段の出力信号であるフィルタ
カット成分に基づいて異常信号を検出する異常検出手段
とを備えたものである。
【0052】また、本発明の第6の構成による異常信号
検出装置は、第5の構成において、状況に応じて複数の
正常時の入力信号に対するフィルタ係数を保存するフィ
ルタ係数保存手段を備え、上記フィルタカット手段でカ
ットする際に用いる正常時のフィルタ係数として、前記
フィルタ特性保存手段に保存した複数のフィルタ係数中
で、異常検出時の状況に近い状況のフィルタ係数を用い
るように構成したものである。
【0053】また、本発明の第7の構成による異常信号
検出装置は、第1ないし第6のいずれかの構成の異常検
出手段を、連続して複数回異常を検出したときに、異常
検出信号を出力するように構成したものである。
【0054】また、本発明の第8の構成による異常信号
源検出装置は、第5の構成において、さらに複数のセン
サと、前記複数のセンサに基づく同一時間帯の複数のフ
ィルタカット成分を保存する手段とを備え、異常信号が
検出されたときに、上記複数のセンサに基づくフィルタ
カット成分間の時間差を算出することにより、異常信号
源の位置を算出することを特徴とするものである。
【0055】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、本発明の実施の形態1に係る適応
ディジタルフィルタ処理による異常信号検出方法につい
て説明する。図1は適応ディジタルフィルタで入力信号
を通過させるフィルタを生成する場合の構成図であり、
161 は適応ディジタルフィルタ処理部、162 は加算器、
171 は遅延器である。図に示すように、遅延器171 によ
り入力信号xk を一定サンプル時間分遅延させ、目的信
号dk とする。通常、この遅延器171 はフィルタ係数長
の約1/2の長さにあたる時間遅延させる。一方、適応
ディジタルフィルタ処理部161 に入力された信号xk
適応ディジタルフィルタ処理部161 において畳み込み処
理されて出力yk となり、加算器162 によって目的信号
k と、出力yk の符号が反転されたものが加算され、
目的信号dk と出力yk の差として誤差εk が得られ
る。その後誤差εk は適応ディジタルフィルタ処理部16
1 に渡される。上記処理を再帰的に繰り返すことにより
誤差εk を最小にするようなフィルタがディジタルフィ
ルタ処理部161 において生成される。
【0056】図2は図29に示す正常信号を通過させる
フィルタを適応ディジタルフィルタ処理により生成して
いる過程におけるフィルタ特性の一例である。図2にお
いて、縦軸はスペクトル密度、横軸は周波数で単位はHz
である。図中、実線371 は0.1秒間適応ディジタルフ
ィルタ処理後のフィルタ特性、短波線372 は1秒間適応
ディジタルフィルタ処理後のフィルタ特性、長破線373
は5秒間適応ディジタルフィルタ処理後のフィルタ特性
であり、0.1秒間、1秒間、5秒間適応ディジタルフ
ィルタ処理後のフィルタ特性を重ねて示している。
【0057】フィルタ特性は各周波数成分を通過させる
割合を示し、多少のオーバーシュートはあるが0〜1の
値となる。値が1である周波数成分は完全に通過させ、
値が0のときは全く通過させない。値が1以上の場合に
は増幅することになる。図2においてフィルタが生成さ
れて行く過程を見ると、図30の正常信号のスペクトル
密度分布において大きな成分を含む周波数から順にフィ
ルタが生成されていくのがわかる。図1に示す適応ディ
ジタルフィルタ処理部161 によって、入力信号を通過さ
せる適応ディジタルフィルタ処理を行うと、生成される
フィルタ特性は遅延器171 の特性を模擬するものとな
り、最終的には全域通過の遅延フィルタを生成する。全
域通過の遅延フィルタが生成されてしまうと、すべての
信号に同等の応答をするので、フィルタの機能は失われ
ることになる。そこで、本実施の形態では、フィルタが
生成されていく過程でのフィルタ特性を利用する。
【0058】ここで、遅延器171 は純粋な遅延特性を持
つものとしたが、適応ディジタルフィルタ処理部161 で
模擬できる特性を有するものであれば、他の特性を有す
るものであってもよく、有限長応答(FIR)を有する
任意の特性の遅延器が使用可能である。また、フィルタ
が生成されていく過程でのフィルタ特性をデータベース
として使うためには、相異なる時刻で計測した正常信号
に対して、同じ時間適応ディジタルフィルタ処理した後
のフィルタ特性にある程度普遍性があればよい。
【0059】図3は相異なる時刻に計測した正常信号に
おいて2秒間ずつ適応ディジタルフィルタ処理した後の
フィルタ特性3つを重ねたものである。図3において、
縦軸はスペクトル密度、横軸は周波数で単位はHzであ
る。また、実線381aは正常信号a を2秒間適応ディジタ
ルフィルタ処理後のフィルタ特性、短波線381bは正常信
号b を2秒間適応ディジタルフィルタ処理後のフィルタ
特性、長破線381cは正常信号c を2秒間適応ディジタル
フィルタ処理後のフィルタ特性である。正常信号a 、正
常信号b および正常信号c はそれぞれ相異なる時刻に計
測した正常信号であり、正常信号a は図29に示す正常
信号である。
【0060】図3を見ると同じ時間適応ディジタルフィ
ルタ処理した後のフィルタ特性はほぼ等しく、すなわち
ある程度の普遍性があることがわかる。図3では2秒間
適応ディジタルフィルタ処理後のフィルタ特性のみを示
したが、処理時間は2秒間でなくても、同じ処理時間が
経過したものどおしであれば、同様の結果となる。
【0061】次に、図29に示した正常信号と図31に
示した異常信号に対して適応ディジタルフィルタ処理し
たときのフィルタ特性の差異をみる。図4は図29に示
す正常信号と図31に示す異常信号に対し、それぞれ2
秒間適応ディジタルフィルタ処理した後のフィルタ特性
を重ねたものである。図4において、縦軸はスペクトル
密度、横軸は周波数で単位はHzである。また、実線391
は異常信号を2秒間適応ディジタルフィルタ処理した後
のフィルタ特性、破線381aは正常信号を2秒間適応ディ
ジタルフィルタ処理した後のフィルタ特性である。正常
信号と異常信号のフィルタ特性に差異があるのがわか
る。
【0062】図5は、図4における正常信号と異常信号
に対して2秒間適応ディジタルフィルタ処理した後のフ
ィルタ特性の差の絶対値である。図5において、縦軸は
スペクトル密度、横軸は周波数で単位はHzである。ま
た、図6は、図3に示した3つの正常信号に対して2秒
間適応ディジタルフィルタ処理した後のフィルタ特性の
差の絶対値3つを重ねたものである。図6において、縦
軸はスペクトル密度、横軸は周波数で単位はHzである。
また、実線411 は正常信号aと正常信号bに対するフィ
ルタ特性の差の絶対値、短波線412 は正常信号aと正常
信号cに対するフィルタ特性の差の絶対値、長破線413
は正常信号bと正常信号cに対するフィルタ特性の差の
絶対値である。
【0063】図5と図6を比べると、図5に示す正常信
号と異常信号との差の絶対値が、図6に示す正常信号ど
おしの差の絶対値に比べて顕著に大きな値であることが
わかる。フーリエ解析による方法では、小さな異常信号
成分に対して異常を検出することが困難であったが、上
記の適応ディジタルフィルタ処理による方法では正常信
号のフィルタ特性と異常信号のフィルタ特性の差が顕著
であるため、検出し易くなっている。これは、図1の適
応ディジタルフィルタ処理により、入力信号の成分がた
とえ小さな成分であっても、その存在によってその周波
数成分を通過させるフィルタを生成し、異なる入力信号
に対しては異なる特性のフィルタを生成するからであ
る。適応ディジタルフィルタ処理により生成されたフィ
ルタの特性をフーリエ変換して、フィルタ係数のスペク
トル密度分布を求める。
【0064】本実施の形態は、前述の如く適応ディジタ
ルフィルタが形成されていく過程でのフィルタ特性を利
用して異常信号を検出するものであり、最終的に全域通
過フィルタが形成されると異常検出能力を失うが、この
実施の形態に用いた10KHz程度の帯域の信号に対して
は、2秒程度の処理時間が適切であった。但し、この処
理時間は狭い範囲に限定されるものではなく、全域通過
フィルタが形成される時間以内であれば、有効に異常検
出が可能である。
【0065】上記の適応ディジタルフィルタ処理により
異常を検出するためには、数回分の正常信号のフィルタ
特性の平均値を正常時のフィルタ特性としてデータベー
スに保存しておき、点検時に、正常信号のフィルタ特性
を得たときと同じ時間適応ディジタルフィルタ処理した
後のフィルタ特性を得て、正常時と点検時のフィルタ特
性を比較すればよい。異常検出のためのしきい値は、0
〜1の間であらかじめ決めておいても良いし、または正
常時のフィルタ特性を平均するときに同時に計算した標
準偏差を各周波数成分毎に保存して、しきい値の基準と
しても良い。また、正常信号のフィルタ特性どおしの差
の絶対値の最大値を各周波数成分毎に保存して、しきい
値の基準としても良い。しきい値はしきい値の基準のp
(pは正の実数)倍したものを用いるようにする。いず
れを用いるにしても、0〜1の間の数値であり、設定が
し易くなる。
【0066】次に、図7に基づいて異常検出の動作を説
明する。図7は本実施の形態による異常検出を行う原理
を示すブロック図であり、11は信号入力手段、12は適応
ディジタルフィルタ手段、13は異常検出手段である。信
号入力手段11は1次元の時系列信号を入力するセンサを
持ち、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D
変換手段、A/D変換をする際にサンプリング定理を満
たすためのアンチエリアシングフィルタを含む。また、
1次元の信号を入力するセンサは、マイクロホンや加速
度センサなど1次元の時系列信号を入力するものであれ
ば何でも良い。適応ディジタルフィルタ手段12では、上
記式4〜式9に基づき、信号入力手段11により入力され
た信号xk からフィルタ係数Wk を算出する。次に異常
検出手段13において、得られたフィルタ係数Wk を比較
することにより信号の異常を検出する。
【0067】図8は本実施の形態に係わる異常検出手段
の一例を示すブロック図であり、21はフィルタ特性算出
手段、22はフィルタ特性保存手段、23はフィルタ特性異
常検出手段、24はスイッチa、25はスイッチb、26はス
イッチcである。次に、異常検出手段13の動作について
説明する。図8において、スイッチa24、スイッチb2
5、スイッチc26のON/OFFにより、正常時のフィ
ルタ特性をデータベースとして保存するときの流れと、
信号の異常を検出する点検時の流れが異なるため、両者
について説明する。正常時のフィルタ特性を保存すると
きは、図8におけるスイッチa24をOFF、スイッチb
25をON、スイッチc26をOFFとする。この構成での
正常時の処理の流れを図9に示す。信号入力手段11にお
いて信号を入力し、適応ディジタルフィルタ手段12にお
いて前記入力された信号に対してあらかじめ決められた
時間適応ディジタルフィルタ処理をしてフィルタ係数を
得る。次にフィルタ特性算出手段21でフィルタ係数のス
ペクトル密度分布を算出する。スペクトル密度分布の算
出をあらかじめ決められているn(nは1以上の整数)
回分得るまで上記処理を繰り返す。n回分のスペクトル
密度分布から平均値を算出する。フィルタ特性保存手段
22において、前記の平均値を正常時のフィルタ特性とし
て保存すると共に、点検時のしきい値の基準としてあら
かじめ決められた値を保存する。
【0068】異常の点検時には、図8におけるスイッチ
a24をON、スイッチb25をOFF、スイッチc26をO
Nとする。この構成での異常点検時の処理の流れを図1
0に示す。信号入力手段11において信号を入力し、適応
ディジタルフィルタ手段12で前記入力された信号に対し
て正常時と同じ時間適応ディジタルフィルタ処理をして
フィルタ係数を得る。この後、フィルタ特性算出手段21
において前記フィルタ係数のスペクトル密度分布を算出
してフィルタ特性を得る。次にフィルタ特性異常検出手
段23において、前記算出したフィルタ特性とフィルタ特
性保存手段22に保存してある正常時のフィルタ特性の差
の絶対値を算出する。次にフィルタ特性保存手段22に保
存してあるしきい値の基準をp倍したものをしきい値と
して、前記差の絶対値がしきい値を超えたかを調べる。
pはあらかじめ決めておく。このとき、しきい値を超え
た場合には異常、超えなかった場合には正常と判断され
る。
【0069】なお、しきい値の基準は、図9ではあらか
じめ決められた値として、フィルタ特性保存手段22に保
存しているが、標準偏差、差の絶対値の最大値のいずれ
を使用してもよく、また、2つ以上を選択して同時に異
常判定を行っても良い。例えば図11に示すように、フ
ィルタ特性算手段21においてn回分のスペクトル密度分
布から平均値を算出すると共に標準偏差を算出する。フ
ィルタ特性保存手段22で前記平均値を正常時のフィルタ
特性として保存すると共に、点検時のしきい値の基準と
して標準偏差を保存する。この場合には、フィルタ特性
異常検出手段23における正常,異常の判断は、フィルタ
特性保存手段22に保存してある標準偏差をしきい値とし
て用いることになる。また、図12に示すように、フィ
ルタ特性算手段21においてn回分のスペクトル密度分布
から平均値を算出すると共にn個のスペクトル密度分布
の各周波数毎の差の絶対値の最大値を算出する。フィル
タ特性保存手段22で前記平均値を正常時のフィルタ特性
として保存すると共に、点検時のしきい値の基準として
各周波数毎の差の絶対値の最大値を保存する。この場合
には、フィルタ特性異常検出手段23における正常,異常
の判断は、フィルタ特性保存手段22に保存してある差の
絶対値の最大値をしきい値として用いることになる。
【0070】このように適応ディジタルフィルタにより
生成される正常時と異常時のフィルタのフィルタ特性の
差の絶対値が大きな値となることを利用することによ
り、正常,異常の判断におけるしきい値が設定し易く、
また異常信号が小さな場合にも異常を検出することが可
能となる。なお、正常信号と異常信号に対するフィルタ
特性の比較はスペクトル密度の形で行っているが、フィ
ルタ係数値Wk を直接比較しても良い。
【0071】実施の形態2.図13は本実施の形態に係
わるフィルタ特性算出手段21の詳細を示すブロック図で
あり、本実施の形態では、正常時のフィルタ特性を求め
るための正常信号データが適切であるかをどうかを調べ
て確定する手段を備えている。71はフィルタの特性を算
出するフィルタ特性算出器、111 は正常時フィルタ特性
確定器である。この構成での正常時の処理の流れを図1
4に示す。
【0072】以下、正常時の動作について図14に基づ
いて説明する。信号入力手段11において信号を入力し、
適応ディジタルフィルタ手段12において前記入力された
信号に対してあらかじめ決められた時間適応ディジタル
フィルタ処理をしてフィルタ係数を得る。フィルタ特性
算出器71において前記フィルタ係数のスペクトル密度分
布を得る。スペクトル密度分布をあらかじめ決められて
いるn回分得るまで上記処理を繰り返す。n回分得た
後、n回分のスペクトル密度分布から平均値および標準
偏差を得る。次に正常時フィルタ特性確定器111 におい
て前記標準偏差があらかじめ決められたしきい値を超え
たかどうかを調べる。超えた場合には不適当としてこれ
までの処理を繰り返す。超えなかった場合には得られた
平均値がフィルタ特性として適当であるとしてフィルタ
特性保存手段22に保存する。また、必要であれば標準偏
差をしきい値の基準として保存する。異常検出時の動作
は、実施の形態1と同様であり、正常,異常の判断にお
けるしきい値の基準としては保存した標準偏差を用いて
もよいし、あらかじめ決めてある値を用いてもよい。
【0073】図15は、フィルタ特性の適当,不適当を
判断するしきい値対象が、図14に示した標準偏差とは
異なるものの処理を示す流れ図である。フィルタ特性算
出器71において、適応ディジタルフィルタ手段12で得た
フィルタ係数のスペクトル密度分布を算出する。スペク
トル密度分布をあらかじめ決められているn回分得るま
で繰り返し、n回分のスペクトル密度分布から平均値お
よびn回分のスペクトル密度分布の各周波数成分の差の
絶対値の最大値を得る。次に正常時フィルタ特性確定器
111 において前記各周波数の差の絶対値があらかじめ決
められたしきい値を超えたかどうかを調べる。超えた場
合には不適当としてこれまでの処理を繰り返す。超えな
かった場合には得られた平均値がフィルタ特性として適
当であるとしてフィルタ特性保存手段22に保存する。ま
た、必要であれば差の絶対値の最大値をしきい値の基準
として保存する。異常検出時の動作は、実施の形態1と
同様であり、正常,異常の判断におけるしきい値の基準
としては保存した差の絶対値の最大値を用いてもよい
し、あらかじめ決めてある値を用いてもよい。図14お
よび図15に示した正常時のフィルタ特性を確定する方
法はいずれの方法を用いてもよいし、または2つを同時
に用いても構わない。
【0074】このようにフィルタ特性算出手段21におい
て、正常時のフィルタ特性として適当であるかどうかを
調べ、適当であったときのフィルタ特性を採用すること
により、正常時のフィルタ特性としての信頼性が向上す
る。
【0075】実施の形態3.図16は本実施の形態に係
わるフィルタ特性保存手段22の詳細を示すブロック図で
あり、本実施の形態では、フィルタ特性保存手段22にお
いて複数個の正常時のフィルタ特性を保存しておき、点
検時の状況に応じたフィルタ特性を選択する手段を備え
ている。72はフィルタの特性を保存するフィルタ特性記
憶器、121 は状況記憶器、122 はフィルタ特性選択器で
ある。
【0076】フィルタ特性算出手段21において得られた
正常時のフィルタ特性をフィルタ特性記憶器72に保存す
る。前記正常時のフィルタ特性を保存する際に、正常時
のフィルタ特性が得られた状況を状況記憶器121 に同時
に保存する。状況とは、例えば測定位置、温度、湿度、
季節、時間、プラントの運転状態、機器の経過年数など
さまざまな状況である。保存する正常時のフィルタ特性
は各種の状況についてそれぞれ用意する。
【0077】次に異常点検時には現在の状況を得る。そ
してフィルタ特性選択器122 によって、状況記憶器121
に記憶してある状況と現在の状況とを比較し、現在の状
況と同様の状況で算出したフィルタ特性を選択する。即
ち、最適な正常時のフィルタ特性を選択してフィルタ特
性異常検出手段23に送る。
【0078】このようにフィルタ特性保存手段22に複数
の正常時のフィルタ特性を状況に応じて保存し、異常検
出時の状況に対応した正常時のフィルタ特性を選択する
ことにより、最適なフィルタ特性を使用することにな
り、異常検出性能が向上する。
【0079】実施の形態4.図17は本実施の形態に係
わるフィルタ特性異常検出手段23の詳細を示すブロック
図であり、本実施の形態では、異常検出時のフィルタ特
性が適当であるかをどうかを調べて確定する手段を備え
ている。81はフィルタ特性の異常を算出するフィルタ特
性異常検出器、131 は異常検出確定器である。この構成
での異常検出時の処理の流れを図18に示す。
【0080】図18に示す処理では、異常検出確定器13
1 において、連続した複数回の異常検出を元に最終的に
異常検出を確定している。この処理の詳細を説明する。
フィルタ特性異常検出器81において異常判定が行われ、
判定内容が異常検出確定器131 に送られる。異常検出確
定器131 において、点検した全体の判定回数と点検した
うちで異常と判定された回数を累積する。そして、累積
した判定回数がm回になったかを調べ、判定回数がm回
に満たなければ処理は信号入力手段11に戻される。判定
回数がm回になると次に異常と判定された回数がk回を
超えているかどうかを調べる。異常と判定された回数
が、あらかじめ決められた判定回数mのうちでk回を超
えなければ正常と判定し、超えた場合には異常検出を確
定する。
【0081】また、異常検出確定器131 の他の異常確定
処理を図19に示す。これは連続した異常判定回数があ
らかじめ決められたh回を超えたときに異常検出を確定
する処理の流れ図である。フィルタ特性異常検出器81に
おいて異常判定が行われ、判定内容が異常検出確定器13
1 に送られる。異常検出確定器131 において判定が異常
であったかを調べる。異常でない場合には連続異常判定
回数を0にリセットする。異常判定の場合には連続異常
判定回数を累積する。その後連続異常判定回数があらか
じめ決められているh回を超えたかを調べる。超えてい
ない場合には処理を信号入力手段11に戻し、超えた場合
には異常検出を確定する。異常検出が確定されない間は
正常である。
【0082】このようにフィルタ特性異常検出手段23に
おいて複数回の異常検出に基づいて最終的に異常検出を
確定することにより、誤報を軽減し、信頼性の高い異常
検出を行うことができる。異常検出方法は図18、図1
9のいずれの方法を用いてもよく、または2つを同時に
用いてもよい。
【0083】実施の形態5.図20は本実施の形態に係
わる異常検出手段の一例を示すブロック図であり、31は
フィルタ係数保存手段、32はフィルタカット手段、33は
フィルタカット成分保存手段、34はフィルタカット成分
異常検出手段、35はスイッチd、36はスイッチe、37は
スイッチfである。
【0084】次に正常時のフィルタ係数を保存するまで
の手順について説明する。図20に示すスイッチd35を
OFF、スイッチe36をOFF、スイッチf37をONと
する。正常時のフィルタ係数を得るため、信号入力手段
11から入力された信号を適応ディジタルフィルタ手段12
により処理してフィルタ係数を得る。得られた正常時の
フィルタ係数をフィルタ係数保存手段31に保存する。
【0085】次に異常点検時の処理について説明する。
図20に示すスイッチd35をON、スイッチe36をO
N、スイッチf37をOFFとする。図21は異常検出時
の処理の流れを示す流れ図である。信号入力手段11から
入力された信号から、フィルタ係数保存手段31に保存し
てある正常時のフィルタ係数を用いてフィルタカット手
段32により、正常時の成分を取り除く。入力された信号
から正常時の成分が取り除かれた信号をフィルタカット
成分とする。
【0086】以下、フィルタカット手段32について説明
する。図22はフィルタカット手段32を説明する図であ
り、181 はディジタルフィルタ処理部である。ディジタ
ルフィルタ処理部181 では、入力信号xk はフィルタ係
数保存手段31に保存してある正常時のフィルタ係数を用
いて畳み込み処理されて、正常時の成分のみを含む出力
k となる。一方、入力信号xk は遅延器171により通
常はフィルタ長の約1/2の長さだけ遅延された目的信
号dk となる。加算器162 により目的信号dk と出力y
k の符号を反転された信号が加算されて、目的信号dk
から出力yk を引いた信号であるフィルタカット成分が
得られる。このフィルタカット成分は正常時の成分が取
り除かれた信号なる。
【0087】上記のようにしてフィルタカット手段32に
より得られたフィルタカット成分は、図21に示すよう
に常に過去の一定時間分だけフィルタカット成分保存手
段33に保存される。フィルタカット成分異常検出手段34
では前記フィルタカット成分から2通りの方法により異
常検出を行なう。1つは、一定時間保存されたフィルタ
カット成分の標準偏差を算出してしきい値と比較する。
このしきい値はあらかじめ決めておいてもよいし、正常
時の標準偏差をもとに設定してもよい。比較した結果、
しきい値を超えた場合には異常を検出し、超えなかった
場合には正常と判断する。もう一方の方法はフィルタカ
ット成分そのものをしきい値と比較して、超えた場合に
は異常を検出し、超えなかった場合には正常と判断する
ものである。この場合のしきい値もあらかじめ決められ
た値でもよいし、正常時の標準偏差に基づいて設定して
もよい。上記の2つの方法のどちらか一方が異常を検出
すれば異常検出とする。
【0088】このようにフィルタカット成分の標準偏差
を用いることで、正常時の成分を除いた成分により異常
を判定できる。また、フィルタカット成分は実時間信号
であるため、突発的な異常信号の検出も行うことが可能
となる。
【0089】実施の形態6.図23は本実施の形態に係
わるフィルタ係数保存手段31の詳細を示すブロック図で
あり、本実施の形態では、フィルタ係数保存手段31にお
いて複数個の正常時のフィルタ特性を保存しておき、点
検時の状況に応じたフィルタ特性を選択する手段を備え
ている。91はフィルタ係数を保存するフィルタ係数記憶
器、121 は状況記憶器、141 はフィルタ係数選択器であ
る。
【0090】適応ディジタルフィルタ手段12において得
られた正常時のフィルタ係数をフィルタ係数記憶器91に
保存する。前記正常時のフィルタ係数を保存する際に、
正常時のフィルタ係数が得られた状況を状況記憶器121
に同時に保存する。前記正常時のフィルタ特性を保存す
る際に、正常時のフィルタ特性が得られた状況を状況記
憶器121 に同時に保存する。状況とは、例えば測定位
置、温度、湿度、季節、時間、点検対象機器の運転状態
や経過年数などさまざまな状況である。保存する正常時
のフィルタ係数はあらゆる状況について複数個用意す
る。
【0091】次に異常点検時には現在の状況を得る。そ
してフィルタ係数選択器141 によって、状況記憶器121
に記憶してある状況と現在の状況とを比較し、現在の状
況と同様の状況で算出したフィルタ特性を選択する。即
ち、最適な正常時のフィルタ特性を選択してフィルタカ
ット手段32に送る。
【0092】このようにフィルタ係数保存手段31に複数
の正常時のフィルタ特性を状況に応じて保存し、異常検
出時の状況に最適な正常時のフィルタ係数を選択するこ
とにより、異常検出性能が向上する。
【0093】実施の形態7.図24は本実施の形態に係
わるフィルタカット異常検出手段34の詳細を示すブロッ
ク図であり、本実施の形態では、異常検出時のフィルタ
カット成分が適当であるかをどうかを調べて確定する手
段を備えている。101 はフィルタカット成分の異常を算
出するフィルタカット成分異常検出器、131 は異常検出
確定器である。この構成での異常検出時の処理の流れ
は、図18,図19に示したものと同様である。但し、
フィルタカット成分異常検出器101 において、突発的な
異常信号の検出がされた場合には適用しない。
【0094】即ち、フィルタカット成分異常検出手段34
においても、図18に示すように、点検した全体の判定
回数のうちで、異常と判定された回数が所定回数を超え
たときに最終的に異常検出を確定する。また、図19に
示すように、連続した複数回の異常判定に基づいて最終
的に異常検出を確定する。このようにフィルタカット成
分による異常検出時にも複数回の異常検出に基づいて最
終的に異常検出を確定することにより、誤報を軽減し、
信頼性の高い異常検出を行うことができる。
【0095】実施の形態8.図25は本実施の形態によ
る異常信号源検出装置の一例を示すブロック図であり、
51は異常信号源検出手段である。信号入力手段11におい
て少なくとも相異なる2個以上のセンサに基づく入力信
号を得る。
【0096】図26は本実施の形態に係わる異常信号源
検出手段51の処理を説明する流れ図である。フィルタカ
ット成分異常検出手段34により異常が検出された場合
に、異常信号源検出手段51は、フィルタカット成分保存
手段33に保存されている複数の入力センサのフィルタカ
ット成分から、入力センサ間の時間差を算出する。そし
て、前記式10〜式19に基づいて異常信号源の位置を
算出する。
【0097】異常時にはフィルタカット成分には正常信
号の成分はほとんど含まれておらず、異常信号の成分が
多分に含まれているため、2個以上の入力センサから得
られたフィルタカット成分から、異常信号源を検出する
ことができる。上記説明では信号源として例えば音を用
いたが、信号を伝達する媒質中で伝達速度が一定であれ
ば、音以外の信号でもよく、入力センサは入力信号を入
力できるものを用いればよい。
【0098】実施の形態9.図27は本実施の形態によ
る異常検出装置の構成を示すブロック図である。この実
施の形態では、フィルタ特性による異常検出とフィルタ
カット成分による異常検出を行い、少なくともどちらか
一方で異常と判断された場合、異常を検出したと判断し
ている。即ち、異常検出手段13は、実施の形態1におけ
るフィルタ特性異常検出手段23と、実施の形態5におけ
るフィルタカット成分異常検出手段34により行われる。
このようにフィルタ特性による異常検出とフィルタカッ
ト成分による異常検出を同時に行うことにより、異常検
出性能が向上する。
【0099】実施の形態10.図28は本実施の形態に
よる異常検出および異常信号源検出装置の構成を示すブ
ロック図である。この実施の形態は、実施の形態9によ
る異常検出装置と、実施の形態8による異常信号源検出
装置を兼ね備えたものである。異常検出は、フィルタ特
性異常検出手段23およびフィルタカット成分異常検出手
段34により行われ、少なくともどちらか一方で異常が検
出されると、異常信号源検出手段51により複数の入力セ
ンサ間の距離に基づいて異常信号源が検出される。この
ようにフィルタ特性により異常が検出されたときも異常
信号源を検出することで、異常検出および異常信号源検
出の性能が向上する。
【0100】
【発明の効果】本発明の第1の構成による異常信号検出
装置は、1次元の時系列信号である入力信号に対して遅
延器の特性を模擬する適応ディジタルフィルタを備え、
正常時の入力信号に対する前記適応ディジタルフィルタ
のフィルタ特性形成過程におけるフィルタ特性と、異常
時の入力信号に対する前記適応ディジタルフィルタのフ
ィルタ特性形成過程におけるフィルタ特性とを比較する
ことにより、異常信号を検出する異常検出手段を備えた
ので、異常信号の成分が小さい場合にも異常の検出でき
る異常信号検出装置が得られる効果がある。
【0101】また、本発明の第2の構成によれば、第1
の構成において、正常時の入力信号に対する上記適応デ
ィジタルフィルタのフィルタ特性形成過程におけるフィ
ルタ特性が妥当であるかどうかを判別する正常時フィル
タ特性判別手段を備え、上記異常検出手段で比較する正
常時のフィルタ特性として、前記正常時フィルタ特性判
別手段で妥当であると判別されたフィルタ特性を用いる
ように構成したことにより、比較対象となる正常時のフ
ィルタ特性の信頼性を向上して異常検出性能が向上でき
る異常信号検出装置が得られる効果がある。
【0102】また、本発明の第3の構成によれば、第1
また第2の構成において、正常時の入力信号に対する前
記適応ディジタルフィルタのフィルタ特性形成過程にお
けるフィルタ特性を保存するフィルタ特性保存手段を備
え、上記異常検出手段で比較する正常時のフィルタ特性
として、前記フィルタ特性保存手段に保存したフィルタ
特性を用いるように構成したことにより、迅速に異常検
出できる異常信号検出装置が得られる効果がある。
【0103】また、本発明の第4の構成によれば、第1
また第2の構成において、状況に応じて複数の正常時の
入力信号に対するフィルタ特性を保存するフィルタ特性
保存手段を備え、上記異常検出手段で比較する正常時の
フィルタ特性として、前記フィルタ特性保存手段に保存
した複数のフィルタ特性中で、異常検出時の状況に近い
状況のフィルタ特性を用いるように構成したことによ
り、状況変化に追従して異常検出でき、異常性能を向上
できる異常信号検出装置が得られる効果がある。
【0104】また、本発明の第5の構成によれば、1次
元の時系列信号である入力信号に対して遅延器の特性を
模擬する適応ディジタルフィルタと、正常時の入力信号
に対する前記適応ディジタルフィルタのフィルタ特性形
成過程におけるフィルタ係数を保存するフィルタ係数保
存手段と、前記正常時のフィルタ係数を用いて異常検出
時の入力信号から正常時の成分をカットしたフィルタカ
ット成分を得るフィルタカット手段と、前記フィルタカ
ット手段の出力信号であるフィルタカット成分に基づい
て異常信号を検出する異常検出手段とを備えたので、突
発的な異常信号を検出できる異常信号検出装置が得られ
る効果がある。
【0105】また、本発明の第6の構成によれば、第5
の構成において、状況に応じて複数の正常時の入力信号
に対するフィルタ係数を保存するフィルタ係数保存手段
を備え、上記フィルタカット手段でカットする際に用い
る正常時のフィルタ係数として、前記フィルタ特性保存
手段に保存した複数のフィルタ係数中で、異常検出時の
状況に近い状況のフィルタ係数を用いるように構成した
ことにより、突発的な異常信号を検出できるとともに、
状況変化に追従して異常検出でき、異常性能を向上でき
る異常信号検出装置が得られる効果がある。
【0106】また、本発明の第7の構成によれば、第1
ないし第6のいずれかの構成において、上記異常検出手
段は、連続して複数回異常を検出したときに、異常検出
信号を出力するように構成したことにより、誤報を軽減
でき、信頼性の高い異常信号検出装置が得られる効果が
ある。
【0107】また、本発明の第8の構成によれば、第5
の構成において、さらに複数のセンサと、前記複数のセ
ンサに基づく同一時間帯の複数のフィルタカット成分を
保存する手段とを備え、異常信号が検出されたときに、
上記複数のセンサに基づくフィルタカット成分間の時間
差を算出することにより、異常信号源の位置を算出する
ので、フィルタカット成分を用いて異常検出できるとと
もに、異常信号源の位置を検出できる異常信号源検出装
置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係わる適応ディジタ
ルフィルタの構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1に係わり、正常信号を通過させ
るフィルタを適応ディジタルフィルタ処理により生成し
ていく過程におけるフィルタ特性を周波数に対するスペ
クトル密度で示すグラフである。
【図3】 実施の形態1に係わり、正常信号の相異なる
時間帯において2秒間ずつ適応ディジタルフィルタ処理
した後のフィルタ特性3つを重ねたグラフである。
【図4】 実施の形態1に係わり、正常信号と異常信号
を同時間適応ディジタルフィルタ処理して得られたフィ
ルタのフィルタ特性を重ねたグラフである。
【図5】 実施の形態1に係わり、図4の正常信号と異
常信号に対して2秒間適応ディジタルフィルタ処理した
後のフィルタ特性の差の絶対値を示すグラフである。
【図6】 実施の形態1に係わり、図3に示した3つの
正常信号に対して2秒間適応ディジタルフィルタ処理し
た後のフィルタ特性の差の絶対値3つを重ねたグラフで
ある。
【図7】 実施の形態1による異常信号検出を行う原理
を示すブロック図である。
【図8】 実施の形態1に係わる異常検出手段の一例を
示すブロック図である。
【図9】 実施の形態1に係わる正常信号の処理を説明
する流れ図である。
【図10】 実施の形態1に係わる異常検出時の処理を
説明する流れ図である。
【図11】 実施の形態1に係わる正常信号の他の処理
を説明する流れ図である。
【図12】 実施の形態1に係わる正常信号の他の処理
を説明する流れ図である。
【図13】 本発明の実施の形態2に係わるフィルタ特
性算出手段21の詳細を示すブロック図である。
【図14】 実施の形態2に係わる正常信号の処理を説
明する流れ図である。
【図15】 実施の形態2に係わる正常信号の他の処理
を説明する流れ図である。
【図16】 本発明の実施の形態3に係わるフィルタ特
性保存手段22の詳細を示すブロック図である。
【図17】 本発明の実施の形態4に係わるフィルタ特
性異常検出手段23の詳細を示すブロック図である。
【図18】 実施の形態4および実施の形態7に係わる
異常検出確定器131の処理を説明する流れ図である。
【図19】 実施の形態4および実施の形態7に係わる
異常検出確定器131の他の処理を説明する流れ図であ
る。
【図20】 本発明の実施の形態5に係わる異常検出手
段の一例を示すブロック図である。
【図21】 実施の形態5に係わる異常検出時の処理の
流れを示す流れ図である。
【図22】 実施の形態5に係わるフィルタカット手段
32を説明するブロック図である。
【図23】 本発明の実施の形態6に係わるフィルタ係
数保存手段31の詳細を示すブロック図である。
【図24】 本発明の実施の形態7に係わるフィルタカ
ット異常検出手段34の詳細を示すブロック図である。
【図25】 本発明の実施の形態8による異常信号源検
出装置の一例を示すブロック図である。
【図26】 実施の形態8に係わる異常信号源検出手段
51の処理を説明する流れ図である。
【図27】 本発明の実施の形態9による異常検出装置
の構成を示すブロック図である。
【図28】 本発明の実施の形態10による異常検出お
よび異常信号源検出装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図29】 プラント内における正常時の音の正常信号
を示す波形である。
【図30】 図29の正常信号を256点ごとに100
回フーリエ変換して平均したスペクトル密度分布を示す
グラフである。
【図31】 プラント内における正常時の音に異常音が
付加された異常信号を示す波形である。
【図32】 図31の異常信号を256点ごとに100
回フーリエ変換して平均したスペクトル密度分布を示す
グラフである。
【図33】 図31において付加した異常音を256点
ごとに100回フーリエ変換して平均したスペクトル密
度分布を示すグラフである。
【図34】 図30および図32のスペクトル密度分布
の差の絶対値と図30の正常信号の標準偏差の2倍を示
すグラフである。
【図35】 従来の適応ディジタルフィルタの基本構成
を示すブロック図である。
【図36】 従来の2つのフィルタカット成分から異常
信号源を検出する方法を説明する説明図である。
【図37】 従来の3つのフィルタカット成分から異常
信号源を検出する方法を説明する説明図である。
【図38】 従来の4つのフィルタカット成分から異常
信号源を検出する方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
11 信号入力手段、12 適応ディジタルフィルタ手段、
13 異常検出手段、21フィルタ特性算出手段、22 フィ
ルタ特性保存手段、23 フィルタ特性異常検出手段、31
フィルタ係数保存手段、32 フィルタカット手段、33
フィルタカット成分保存手段、34 フィルタカット成
分異常検出手段、51 異常信号源検出手段、71 フィル
タ特性算出器、72 フィルタ特性記憶器、81 フィルタ
特性異常検出器、91 フィルタ係数記憶器、101 フィ
ルタカット成分異常検出器、111 正常時フィルタ特性
確定器、121 状況記憶器、122 フィルタ特性選択
器、131 異常検出確定器、141 フィルタ係数選択
器、161 適応ディジタルフィルタ処理部、162 加算
器、171 遅延器、181 ディジタルフィルタ処理部、
291a,291b,291c,291d マイクロホン。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次元の時系列信号である入力信号に対
    して遅延器の特性を模擬する適応ディジタルフィルタを
    備え、正常時の入力信号に対する前記適応ディジタルフ
    ィルタのフィルタ特性形成過程におけるフィルタ特性
    と、異常時の入力信号に対する前記適応ディジタルフィ
    ルタのフィルタ特性形成過程におけるフィルタ特性とを
    比較することにより、異常信号を検出する異常検出手段
    を備えた異常信号検出装置。
  2. 【請求項2】 正常時の入力信号に対する上記適応ディ
    ジタルフィルタのフィルタ特性形成過程におけるフィル
    タ特性が妥当であるかどうかを判別する正常時フィルタ
    特性判別手段を備え、上記異常検出手段で比較する正常
    時のフィルタ特性として、前記正常時フィルタ特性判別
    手段で妥当であると判別されたフィルタ特性を用いるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1記載の異常信号
    検出装置。
  3. 【請求項3】 正常時の入力信号に対する前記適応ディ
    ジタルフィルタのフィルタ特性形成過程におけるフィル
    タ特性を保存するフィルタ特性保存手段を備え、上記異
    常検出手段で比較する正常時のフィルタ特性として、前
    記フィルタ特性保存手段に保存したフィルタ特性を用い
    るように構成したことを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の異常信号検出装置。
  4. 【請求項4】 状況に応じて複数の正常時の入力信号に
    対するフィルタ特性を保存するフィルタ特性保存手段を
    備え、上記異常検出手段で比較する正常時のフィルタ特
    性として、前記フィルタ特性保存手段に保存した複数の
    フィルタ特性中で、異常検出時の状況に近い状況のフィ
    ルタ特性を用いるように構成したことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の異常信号検出装置。
  5. 【請求項5】 1次元の時系列信号である入力信号に対
    して遅延器の特性を模擬する適応ディジタルフィルタ
    と、正常時の入力信号に対する前記適応ディジタルフィ
    ルタのフィルタ特性形成過程におけるフィルタ係数を保
    存するフィルタ係数保存手段と、前記正常時のフィルタ
    係数を用いて異常検出時の入力信号から正常時の成分を
    カットしたフィルタカット成分を得るフィルタカット手
    段と、前記フィルタカット手段の出力信号であるフィル
    タカット成分に基づいて異常信号を検出する異常検出手
    段とを備えた異常信号検出装置。
  6. 【請求項6】 状況に応じて複数の正常時の入力信号に
    対するフィルタ係数を保存するフィルタ係数保存手段を
    備え、上記フィルタカット手段でカットする際に用いる
    正常時のフィルタ係数として、前記フィルタ特性保存手
    段に保存した複数のフィルタ係数中で、異常検出時の状
    況に近い状況のフィルタ係数を用いるように構成したこ
    とを特徴とする請求項5記載の異常信号検出装置。
  7. 【請求項7】 上記異常検出手段は、連続して複数回異
    常を検出したときに、異常検出信号を出力するように構
    成したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいず
    れかに記載の異常信号検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項5において、さらに複数のセンサ
    と、前記複数のセンサに基づく同一時間帯の複数のフィ
    ルタカット成分を保存する手段とを備え、異常信号が検
    出されたときに、上記複数のセンサに基づくフィルタカ
    ット成分間の時間差を算出することにより、異常信号源
    の位置を算出することを特徴とする異常信号源検出装
    置。
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