JPH1090431A - 鉄片探知装置 - Google Patents

鉄片探知装置

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JPH1090431A
JPH1090431A JP8246009A JP24600996A JPH1090431A JP H1090431 A JPH1090431 A JP H1090431A JP 8246009 A JP8246009 A JP 8246009A JP 24600996 A JP24600996 A JP 24600996A JP H1090431 A JPH1090431 A JP H1090431A
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Masaru Yano
大 矢野
Michio Nakano
道雄 中野
Saechau Bichai
サェチャウ ビチャイ
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SANKO DENSHI KENKYUSHO KK
Sanko Electronic Laboratory Co Ltd
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SANKO DENSHI KENKYUSHO KK
Sanko Electronic Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部の不要磁界があっても検知動作が良好に
行なわれる鉄片検知装置を提供する。 【構成】 永久磁石1で発生させた直流磁界H中の直流
磁束と鎖交する方向に、移送帯5により被検出体Dxを
予め定められた一定の速度Vで移動させて、永久磁石1
から発生して被検出体Dxを通過した磁束が、被検出体
の移動方向に所定の距離Lを隔てて設定されている第1
の検出コイル3と第2の検出コイル4との巻線に鎖交し
て、第1,第2の検出コイル3,4で発生した第1,第
2の検出信号を個別にAD変換器13,14でデジタル
信号に変換する。前記の各AD変換器13,14から出
力された2つのデジタル信号の差信号の自己相関々係を
演算部18で演算し、演算結果が予め定められた閾値よ
りも大きい場合に鉄片探知出力信号を発生させて出力部
19に与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄片探知装置、特
に、各種繊維製品、縫製衣料品、カーペット、テキスタ
イル、フェルト、不織布、食料品、医療品、パック商品
等に混入された鉄片の探知に有効な鉄片探知装置(検針
器)に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、縫製作業中にミシン針が折れる
ことは珍しいことではなく、また、縫製作業中に使用し
た待針を抜き忘れることもある。しかしがら縫製衣料品
中に折れ針や抜き忘れた待針等の残針があった場合に
は、前記の残針が縫製衣料品の使用者に危害を与える恐
れがあるために、縫製衣料品については鉄片探知装置
(検針器)による残針の検査が行なわれることが多く、
また、各種繊維製品、カーペット、テキスタイル、フェ
ルト、不織布、食料品、医療品、パック商品等について
も、鉄片探知装置によって、製品中に混入されている鉄
片の探知が行なわれることも多い。
【0003】ところで、前記した鉄片の探知は、従来か
ら所謂、金属探知器や、強磁性体材料製部材の探知を主
目的として構成されている鉄片探知器等を用いて行なわ
れて来ており、前記した鉄片探知器としては、例えば、
永久磁石を用いて構成された直流磁界の発生部材と、前
記の直流磁界の発生部で発生させた直流磁界中の直流磁
束が鎖交する巻線を備えて構成された検出コイルとから
なるセンサー部(検針部)と、前記したセンサー部の検
出コイルに発生された検出信号電圧を増幅して、前記の
検出信号電圧が所定の閾値以上になった場合における増
幅器の出力により、可視的な表示手段あるいは可聴的な
表現手段を動作させるようにした構成態様のものが一般
的に使用されていた。
【0004】すなわち、前述のように永久磁石と、前記
の永久磁石で発生した磁束が鎖交している検出コイルと
によって構成されているセンサー部と、被検出体との両
者を接近させた状態として、前記の両者を相対的に変位
させると、前記した被検出体に強磁性体材料製の物体が
含まれていると、センサー部における永久磁石で発生し
て検出コイルに鎖交する磁束数が、被検出体に含まれて
いる強磁性体材料製の物体と、センサー部との相対的な
変位と対応して変化することにより、検出コイルには検
出信号電圧が発生するから、前記の検出コイルに発生し
た検出信号電圧が、予め定められた大きさ以上の場合
に、被検出体に強磁性体材料製の物体が含まれていると
して、表示灯、発音器を駆動させるようにする。
【0005】前記のように、従来の鉄片探知装置では、
鉄片探知装置のセンサー部と被検出体とを相対的に移動
させたときに、センサー部における検出コイルに発生し
たアナログ信号形態の検出信号電圧が、予め定められた
閾値を超えた状態により、所定の大きさ以上の鉄片が探
知された状態であるとしていたが、従来の鉄片探知装置
を用いて、例えば直径が1.2mmの鋼球の存在が探知
できるようにするためには、センサとして強力な磁界強
度の直流磁界を備えているものが必要とされるととも
に、前記した1.2mmの直径を有する鋼球が直流磁界
内で移動する際に検出コイルに生じた微小な検出信号電
圧を、所定の電圧値に迄増幅するための高い増幅度を有
する増幅器を用いて構成されている鉄片探知装置を用い
ることが必要とされる。したがって、従来の鉄片探知装
置では、検出コイルが微小な外部雑音磁界を拾って誤動
作を起こし易いということが問題になる。
【0006】前記した鉄片探知装置のセンサー部と被検
出体との相対的な移動速度を予め定められた一定速度に
した場合に、検出コイルに発生する検出信号電圧は、前
記したセンサー部と被検出体との相対的な所定の移動速
度に対応した周波数成分を有するものになるから、前記
した検出コイルに発生した検出信号電圧を、前記したセ
ンサー部と被検出体との相対的な所定の移動速度に対応
した周波数成分を通過させうる濾波器を通過させるよう
にして、外部雑音磁界による誤動作を防止することが考
えられる。しかし、前記した外部雑音磁界によって検出
コイルに発生した雑音電圧が、前記したセンサー部と被
検出体との相対的な所定の移動速度に対応した周波数成
分と同じ周波数帯域のものであった場合には、外部雑音
磁界による誤動作を防止できないことになる。
【0007】ところで、各種繊維製品、縫製衣料品を製
作する服飾付属品メーカー、アパレルメーカーでは、製
品中に各種の服飾付属品を使用することがあるが、前記
の服飾付属品が取付けられた状態の各種繊維製品、縫製
衣料品について鉄片探知装置を使用して、鉄片の探知作
業を行なった場合に、前記の服飾付属品が取付けられた
状態の各種繊維製品、縫製衣料品には鉄片が存在してい
ない状態でも、金属製の服飾付属品(ボタン,ファスナ
ー,前かんなど)が使用されていることにより、磁界中
で移動された金属製の服飾付属品に渦電流が流れて検出
コイルに検出信号電圧を発生させ、鉄片探知装置が誤動
作を起こすことがある。
【0008】それで、前記の問題が生じることがないよ
うにするために、鉄片探知装置メーカと、服飾付属品メ
ーカ、アパレルメーカ等が協議して、例えばミシンの折
れ針は直径が1.2mmの鋼球によって換算し、また、
服飾付属品は直径が最大0.8mmの鋼球によって換算
できるものとして作るようにし、鉄片探知装置の検出感
度の設定基準として、例えば前記の直径が1.2mmの
鋼球と対応して検出コイルに発生した検出信号電圧によ
り、予め定められた閾値を超えた状態にされて、所定の
大きさ以上の鉄片が探知された状態にさせ、また、前記
の直径が0.8mmの鋼球と対応して検出コイルに発生
した検出信号電圧では、予め定められた閾値以下の状態
にされて、所定の大きさ以下の鉄片が探知されない状態
とさせるようにする。
【0009】ところが、前記のように検出感度が設定さ
れた鉄片探知装置を用いて、被検出体に含まれている鉄
片の探知を行なう場合に、鉄片探知装置のセンサー部と
被検出体とを相対的に一定の移動速度で移動させたとし
ても、直流磁界の発生部材と被検出体の移動する位置と
の距離が変化すると、センサー部における検出コイルに
発生するアナログ信号形態の検出信号電圧の大きさや、
周波数成分が変化することにより鉄片の探知感度が変化
する。それで、鉄片の大きさの判別を行なうことができ
ない。
【0010】前記の問題を解決するために、本出願人会
社では、先に、直流磁界H(図2参照)の発生部材(例
えば図2中の永久磁石1)で発生させた直流磁界中の直
流磁束と鎖交する方向に、移送手段(例えば移送帯5)
により被検出体Dx(図2参照)を予め定められた一定
の速度で移動させて、永久磁石1から発生して被検出体
を通過した磁束が、被検出体Dxの移動方向に所定の距
離L(図2参照)を隔てて設定されている第1の検出コ
イル3(図2参照)と第2の検出コイルコイル4(図2
参照)との巻線に鎖交して、前記の第1,第2の検出コ
イル3,4で発生した第1,第2の検出信号を個別にA
D変換器でデジタル信号に変換し、前記の各AD変換器
から出力された2つのデジタル信号の相互相関々係を演
算して、前記した両信号が同一であると判定された場合
だけに鉄片探知出力信号を発生させるようにした鉄片探
知装置を提案した。
【0011】さて、前記した本出願人会社による既提案
の鉄片探知装置では、移送手段によって被検出体Dxを
予め定められた一定の速度で移動させて、所定の距離L
だけ離隔して配置されている第1,第2の検出コイル
3,4で発生した第1,第2の検出信号を個別にAD変
換器でデジタル信号に変換した後に、前記の各AD変換
器から出力された2つのデジタル信号の相互相関々係の
演算を行なっているが、この点について、図3を参照し
て説明すると次のとおりである。図3においてx1
(t)は、被検出体Dx中の鉄片によって前記した第1
の検出コイル3に発生した信号を関数としてモデル化し
て示したものであり、また、n1(t)は被検出体Dx
中の鉄片以外によって前記した第1の検出コイル3に発
生した信号(ノイズ)を関数としてモデル化して示した
ものであり、さらに、Y1(t)は第1の検出コイル3
からの出力信号[x1(t)とn1(t)との和信号]
を関数としてモデル化して示したものである。
【0012】また、図3においてx2(t)は、被検出
体Dx中の鉄片によって前記した第2の検出コイル4に
発生した信号を関数としてモデル化して示したものであ
り、また、n2(t)は被検出体Dx中の鉄片以外によ
って前記した第2の検出コイル4に発生した信号(ノイ
ズ)を関数としてモデル化して示したものであり、さら
に、Y2(t)は第2の検出コイル4からの出力信号
[x2(t)とn2(t)との和信号]を関数としてモ
デル化して示したものである。なお、図3中のτは被検
出体Dxが、第1の検出コイル3と第2の検出コイル4
との間隔Lを移動するのに要した時間を示す。
【0013】すなわち、前記のように、第1の検出コイ
ル3からの出力信号Y1(t)と、第2の検出コイル4
からの出力信号Y2(t)とを、次の(1),(2)式 Y1(t)=x1(t)+n1(t) …(1) Y2(t)=x2(t)+n2(t) …(2) によって表わした場合に、第1の検出コイル3からの出
力信号Y1(t)と、第2の検出コイル4からの出力信
号Y2(t)との相互相関関数は、次の(3)式によっ
て定義される。
【0014】
【数1】
【0015】前記の(3)式の積分記号に後続する第1
項に着目すると、被検出体Dx中の鉄片によって前記し
た第1の検出コイル3に発生した信号と対応する関数x
1(t)と、被検出体Dx中の鉄片によって前記した第
2の検出コイル4に発生した信号と対応する関数x2
(t)とには、遅れ時間τで最も大きな相関があるか
ら、前記の第1項が前式中の他の項、すなわち、ノイズ
が含まれている項よりも充分に大きければ、ノイズが含
まれている項を無視でき、したがって相関値によって被
検出体Dx中の鉄片を検出できることになる。
【0016】そして、鉄片探知装置における第1の検出
コイル3からの出力信号Y1(t)と、第2の検出コイ
ル4からの出力信号Y2(t)との相互相関関数につい
ての実際の演算処理は、鉄片探知装置における第1の検
出コイル3からの出力信号Y1(t)を示す時間軸上で
連続するN個の標本値と対応するデジタル値(離散値)
と、第2の検出コイル4からの出力信号Y2(t)を示
す時間軸上で連続するN個の標本値と対応するデジタル
値(離散値)とを用い、また、前記した第1の検出コイ
ル3と第2の検出コイル4との間隔Lの距離を被検出体
Dxが移動する時間中に発生するクロックパルス(標本
化周期と同じ周期のパルス)の個数jとにより、次の
(4)式に従って行なわれる。なお、前記の演算処理
は、前記のデータを一たんメモリに記憶してから行なわ
れるので、式中のk,jには負号が付してある。
【0017】
【数2】
【0018】
【発明が解決しようとする課題】これまでに説明して来
た本出願人会社による既提案の鉄片探知装置では、前述
のように、移送手段によって被検出体Dxを予め定めら
れた一定の速度で移動させ、所定の距離Lだけ離隔して
配置されている第1,第2の検出コイル3,4で発生し
た第1,第2の検出信号を個別にAD変換器でデジタル
信号に変換した後に、前記の各AD変換器から出力され
た2つのデジタル信号の相互相関々係の演算を行なっ
て、その演算結果に基づいて鉄片探知出力信号を発生さ
せるようにしていたので、被検出体Dx中の鉄片によっ
て前記した第1,第2の検出コイル3,4に発生した信
号の相関値(積和演算した値)に比べて、ノイズの相関
値(積和演算した値)が充分に小さくない場合には、良
好な鉄片の探知結果が得難いという問題がある他、移送
手段による被検出体Dxの移動が、第1の検出コイル3
側から第2の検出コイル4の方への移動だけに限られる
ために、例えば、被検出体Dxを往復移動させた状態で
鉄片探知動作を行なわせることが希望されても、そのよ
うな検知態様での鉄片探知動作を行なえないということ
が問題になり、それの解決策が求められた。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は直流磁界の発生
部材と、前記の直流磁界の発生部材によって発生させた
直流磁界中の直流磁束と鎖交する方向に、予め定められ
た一定の速度で被検出体を移動させる手段と、前記した
被検出体を通過した磁束と鎖交できる巻線を備えた検出
コイルを、前記の被検出体が移動する方向に所定の距離
を隔てて設定した第1の位置と第2の位置とに個別に配
置する手段と、前記の第1の位置に設けられた第1の検
出コイルによって検出された第1の検出信号と、第2の
検出コイルによって検出された第2の検出信号とをデジ
タル信号に変換する手段と、前記した第1の検出信号に
よるデジタル信号と、被検出体が前記した第1の位置か
ら第2の位置まで移動するのに必要とされる時間だけ遅
れた第2の検出信号によるデジタル信号との差分につい
て自己相関を演算する演算手段と、前記した演算手段の
出力に基づいて鉄片探知出力信号を発生させる手段とを
備えてなる鉄片探知装置を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の鉄片探知装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1
は本発明の鉄片探知装置の概略的な構成を示すブロック
図であり、図1において1は直流磁界の発生部材であっ
て、この直流磁界の発生部材1は被検出体Dxが移動す
る空間部分に、所定の磁界強度の直流磁界Hを発生させ
ることができるような構成態様のものとして構成される
のであり、それを、例えば永久磁石、あるいは電磁石等
を用いて構成させることができる。図1に示す鉄片探知
装置の構成例においては、直流磁界の発生部材1として
永久磁石を用いた場合を示しているので、図1について
の以下の説明においては永久磁石1のように記載される
こともある。直流磁界の発生部材1として用いられる永
久磁石は、それが一体的なブロック状の永久磁石として
構成されているものであっても、あるいは多数の小さな
ブロック状の永久磁石を組合わせた構成形態のものであ
ってもよい。
【0021】図1中に直流磁界の発生部材1として用い
られる永久磁石は、図1に示す例においては厚さ方向
(図中の上下方向)に磁化されていて、それの一方の磁
極(図1中ではN極)に面する空間に所定の磁界強度を
有する直流磁界Hを形成させることができるように、前
記した一方の磁極の部分及び側面の一部(図1中で前後
に示されている側面)を除く部分を磁路2で包囲してあ
る。前記した永久磁石1のN極側の空間内に形成される
直流磁界H内には、前記した被検出体Dxの移動方向
(矢印Xの方向)に所定の距離Lだけ離隔して、2個の
検出コイル3,4が平行に設けられる。前記した2個の
検出コイル3,4と、永久磁石1との間の空間には移送
帯5が設けられている。
【0022】前記の移送帯5は、駆動モータ(例えば減
速装置付モータ)6の出力軸によって駆動される駆動ロ
ーラ7と、従動ローラ8との間に張設されていて、前記
した駆動モータが所定の回転数で駆動回転されることに
より、予め定めた速度V(例えば毎分20メートル)で
図1中の矢印X方向(または矢印X方向とは反対の方
向)に走行する。以下の説明では、前記の移送帯5が図
中の矢印X方向に移送される場合について記載してあ
る。ところで、鉄片探知装置では、少なくとも被検出体
Dxの移動軌跡を含む空間の全体に、直流磁界の発生部
材1によって直流磁界Hを発生させることが必要とされ
る他、前記した直流磁界中の磁束密度の変化が検出でき
るような態様で検出コイル3,4を配置しておくことが
必要とされるから、前記した永久磁石1や検出コイル
3,4などは、前記の要件を満たすような構成態様のも
のが用いられていることはいうまでもない。なお、図1
中には前記した駆動ローラ7の回転軸、従動ローラ8の
回転軸等に対する軸受け、永久磁石1の固着手段、検出
コイル3,4の固着手段等についての図示説明は、図面
の煩雑化から逃がれるために省略してある。
【0023】図1に示されている鉄片探知装置では、前
記した検出コイル3としては高透磁率の強磁性体材料製
のコア3aに巻線3bを巻回した構成態様のものを使用
しており、また、検出コイル4としては、高透磁率の強
磁性体材料製のコア4aに巻線4bを巻回した構成態様
のものを使用している。前記した各検出コイル3,4と
して空心の構成形態のものが使用されてもよいことは勿
論である。図1中の矢印X方向に所定の一定の速度Vで
走行する移送帯5上に、被検出体Dxが載置されると、
被検出体Dxは移送帯5と同一の移動速度Vで、永久磁
石1によって発生された直流磁界H中を通過する。
【0024】前記した被検出体Dxに鉄片が含まれてい
ると、永久磁石1によって発生された直流磁界H中を被
検出体Dxが移動して行くときに、前記した直流磁界H
中の磁束の分布の状態が、移動している被検出体Dx中
の鉄片によって変化し、それにより検出コイル3,4に
は、前記した直流磁界H中の磁束の分布の変化状態と対
応した波形の検出信号が発生する。ところで、前記した
2個の検出コイル3,4は、既述のように被検出体Dx
の移動方向(矢印Xの方向)に、所定の距離Lだけ離隔
して配置されており、また前記した被検出体Dxは、予
め定められた一定の移動速度Vで走行する移送帯5と同
一の移動速度Vで走行しているから、前記の2個の検出
コイル3,4に、前記した被検出体Dx中に存在してい
た同一の鉄片によって発生する検出信号は、前記した2
つの検出コイル3,4間の距離Lと、前記した2つの検
出コイル3,4間を通過する被検出体Dxの速度Vとに
よって定まる一定の時間差Tを有しているものになる。
【0025】前記した検出コイル3に発生した第1の検
出信号は増幅器9に供給され、また前記した検出コイル
4に発生した第2の検出信号は増幅器10に供給され
る。前記の各対応する増幅器9,10によって増幅され
た第1,第2の検出信号は、それぞれ個別に設けられて
いる低域通過濾波器11,12によって、所定の周波数
帯域の信号だけが抽出されて、個別に設けられているア
ナログデジタル変換器13,14に与えられる。前記し
た被検出体Dxの速度Vに対応して、前記した検出コイ
ル3,4中に発生する検出信号の周波数成分が定まるの
で、前記した低域通過濾波器11,12の遮断周波数
は、検出コイル3,4中に発生する検出信号の周波数成
分に応じて決定する。例えば、被検出体Dxの速度Vが
毎分20メートルの場合に、検出コイル3,4中に発生
する検出信号の基本波成分が例えば9Hzであれば、前
記した低域通過濾波器11,12の遮断周波数として
は、例えば20Hz〜30Hzにする。前記のような遮
断周波数の低域通過濾波器11,12を使用すると、商
用電源から発生する磁界の影響が検出結果に現われない
ようにできる。
【0026】アナログデジタル変換器13から出力され
た第1の検出信号によるデジタル信号はメモリ15に格
納され、また、アナログデジタル変換器14から出力さ
れた第2の検出信号によるデジタル信号はメモリ16に
格納される。17は例えばマイクロプロセッサとランダ
ムアクセスメモリ(RAM)及びリードオンリーメモリ
(ROM)等を含んで構成されている制御部であり、ま
た、18は演算部、19は表示灯、発音器の何れか一方
または双方を備えて構成されている出力部である。前記
した演算部18では、制御部17の制御の下に前記した
メモリ15,16から読出された前記した第1の検出信
号によるデジタル信号と、第2の検出信号によるデジタ
ル信号とについて、両者間の差分値を求めてから、前記
の差分値について自己相関々係の演算を行なう。演算部
としてはデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)を
使用することができる。
【0027】次に、前記した演算の内容について(5)
〜(9)式を参照して説明する。前記した鉄片探知装置
において、所定の距離Lだけ離隔して配置されている第
1,第2の検出コイル3,4から発生する第1,第2の
検出信号中には、移送手段によって予め定められた一定
の速度で移動している被検出体Dx中に含まれている鉄
片によって発生した信号(検知対象信号)の他に、セン
サーの振動、外部の電磁界、外部磁界、等の諸原因によ
って発生する不所望な信号(ノイズ)も含まれている。
前記したノイズは、第1,第2の検出コイル3,4に同
時に発生するものA(i)と、それ以外のノイズB
(i)とに分けられる。今、被検出体Dx中の鉄片によ
って前記した第1の検出コイル3に発生した検知対象信
号をx1(i)とし、また、被検出体Dx中の鉄片によ
って前記した第2の検出コイル4に発生した検知対象信
号をx2(i)とすると、前記した第1,第2の検出コ
イル3,4に発生する信号Y1(i),Y2(i)は、
次の(5),(6)式によって表わされる。
【0028】
【数3】
【0029】そして、前記した第1,第2の検出コイル
3,4で発生した信号Y1(i),Y2(i)の差信号
Z(i)は、次の(7)式で示される。
【0030】
【数4】
【0031】前記の(7)式で示される第1,第2の検
出コイル3,4で発生した信号Y1(i),Y2(i)
の差信号(差分値)Z(i)についての自己相関は、次
の(8)式で求められる。
【0032】
【数5】
【0033】前記の(8)式において、式中のノイズB
(i)を白色雑音と考えると、前記の(8)式は、次の
(9)式で表わされる。
【0034】
【数6】
【0035】前記の(9)式は、ノイズB1(i),B
2(i)を、既述のように白色雑音であると考えた理想
状態の場合には、第1,第2の検出コイル3,4に同時
刻に入ってくる、検知対象の信号と類似した周波数のノ
イズの相関値が無視でき、検知対象信号の差分値の自己
相関値のみで表わされることを示している。ところが、
実際の鉄片探知動作時に発生する前記したノイズB1
(i),B2(i)は白色雑音ではない。しかし、検知
対象信号の差分値の自己相関値は、前記したノイズB1
(i),B2(i)の相関値よりも充分に大きな値にな
る。したがって、本発明の鉄片探知装置における演算部
18で行なわれる次のような演算、すなわち、第1の検
出信号によるデジタル信号と第2の検出信号によるデジ
タル信号との差分値を求め、前記の差分値について自己
相関関係の演算によって得られる演算結果に基づいて、
検知対象の信号を良好に検出することができるのであ
る。また、前記の第1の検出信号によるデジタル信号
と、第2の検出信号によるデジタル信号との差分値を求
める場合に、(Y1−Y2)の演算で得られる差分値に
ついての自己相関値と、(Y2−Y1)の演算で得られ
る差分値とについての自己相関値とは同一であるから、
所定の距離Lだけ離隔して配置されている第1,第2の
検出コイル3,4に対する被検出体Dxの移動方向が、
どうであっても、被検出体Dxに含まれている鉄片の検
出動作を良好に行なうことができる。
【0036】前記した演算部18において、第1の検出
信号によるデジタル信号と、第2の検出信号によるデジ
タル信号との差分値について行なわれた自己相関関係の
演算結果は、予め定められた閾値と比較されて、前記の
自己相関関係の演算結果が前記の閾値よりも大きいとき
に演算部18から出力部19に鉄片探知出力信号を与え
る。前記した閾値は、ノイズB1(i),B2(i)の
相関値と、ノイズB1(i),B2(i)の相関値より
も充分に大きな検知対象信号の差分値の自己相関値とを
判別できる値に設定される。前記の閾値の設定に当って
は、例えば既知の大きさの鉄片を被検出体としたときに
鉄片探知装置の演算部18で得られる演算結果に基づい
て定めることができる。演算部18から鉄片探知出力信
号が供給された出力部19では、前記の鉄片探知出力信
号によって、出力部19に設けられている表示灯を点灯
させたり、出力部19に設けられている発音器を鳴動さ
せたりして被検出体Dx中に鉄片が存在することを知ら
せる。
【0037】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の鉄片探知装置は、永久磁石で発生させ
た直流磁界中の直流磁束と鎖交する方向に、ベルトコン
ベア,台車など、適宜の移送手段により被検出体を予め
定められた一定の速度で移動させて、永久磁石から発生
して被検出体を通過した磁束が、前記の被検出体が移動
する方向に所定の距離を隔てて設定されている第1の位
置と第2の位置とに個別に配置されている第1の検出コ
イルと第2の検出コイルとにおける巻線に鎖交して、前
記の第1の検出コイルで検出された第1の検出信号と、
第2の検出コイルで検出された第2の検出信号とにおけ
る所定の周波数帯域の信号成分を増幅した後に、アナロ
グデジタル変換器によりデジタル信号に変換し、前記し
た第1の検出信号によるデジタル信号と、被検出体が前
記した第1の位置から第2の位置まで移動するのに必要
とされる時間だけ遅れた第2の検出信号によるデジタル
信号との差分値を求め、前記の差分値についての自己相
関関係を求めて、前記の自己相関関係の演算結果が、予
め定められた閾値よりも大きいときに鉄片探知出力信号
を発生させるようにしたから、検出コイルが外部磁界を
検出して信号を発生しても、第1,第2の検出コイルに
同時刻に入ってくる、検知対象の信号と類似した周波数
のノイズの相関値が低下するために、検知対象の信号を
良好に検出することができ、したがって、鉄片探知装置
の設置場所が外部雑音磁界の多い場所であっても、探知
の目的としている鉄片の存在を良好に検知することがで
きるのであり、また、所定の距離Lだけ離隔して配置さ
れている第1,第2の検出コイルに対する被検出体の移
動方向が、どうであっても、被検出体に含まれている鉄
片の検出動作は良好に行なわれるので、本発明によれば
既述した従来の問題点が解決された優れた性能を備えた
鉄片探知装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄片探知装置の概略的な構成を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明の鉄片探知装置の要部の側面図である。
【図3】第1,第2の検出コイルにおける信号検出状態
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 直流磁界の発生部材(永久磁石)、2 磁路、3,
4 検出コイル、5 移送帯、6 駆動モータ、7 駆
動ローラ、8 従動ローラ、9,10 増幅器、11,
12 低域通過濾波器、13,14 アナログデジタル
変換器、15,16 メモリ、17 制御部、18 演
算部、19 出力部、Dx 被検出体、H…直流磁界、
フロントページの続き (72)発明者 ビチャイ サェチャウ 東京都大田区北千束1丁目36番10号 北千 束宿舎RA35号室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流磁界の発生部材と、前記の直流磁界
    の発生部材によって発生させた直流磁界中の直流磁束と
    鎖交する方向に、予め定められた一定の速度で被検出体
    を移動させる手段と、前記した被検出体を通過した磁束
    と鎖交できる巻線を備えた検出コイルを、前記の被検出
    体が移動する方向に所定の距離を隔てて設定した第1の
    位置と第2の位置とに個別に配置する手段と、前記の第
    1の位置に設けられた第1の検出コイルによって検出さ
    れた第1の検出信号と、第2の検出コイルによって検出
    された第2の検出信号とをデジタル信号に変換する手段
    と、前記した第1の検出信号によるデジタル信号と、被
    検出体が前記した第1の位置から第2の位置まで移動す
    るのに必要とされる時間だけ遅れた第2の検出信号によ
    るデジタル信号との差分について自己相関を演算する演
    算手段と、前記した演算手段の出力に基づいて鉄片探知
    出力信号を発生させる手段とを備えてなる鉄片探知装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275295A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Hashima:Kk 検針機
JP2011122897A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Tok Engineering Kk 金属物の形状判定方法
CN111014261A (zh) * 2020-01-08 2020-04-17 陈锡德 一种用于拉链纺织的粉尘和碎铁片的回收方法
CN111562619A (zh) * 2020-04-16 2020-08-21 华北水利水电大学 一种基于恒定磁场的滑坡滑动速度和滑动位移监测方法

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JP2011122897A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Tok Engineering Kk 金属物の形状判定方法
CN111014261A (zh) * 2020-01-08 2020-04-17 陈锡德 一种用于拉链纺织的粉尘和碎铁片的回收方法
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