JPH1090265A - 免疫学的梅毒診断試薬の製造方法及び梅毒診断試薬 - Google Patents

免疫学的梅毒診断試薬の製造方法及び梅毒診断試薬

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JPH1090265A
JPH1090265A JP24780496A JP24780496A JPH1090265A JP H1090265 A JPH1090265 A JP H1090265A JP 24780496 A JP24780496 A JP 24780496A JP 24780496 A JP24780496 A JP 24780496A JP H1090265 A JPH1090265 A JP H1090265A
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JP
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syphilis
antigen
kda
immunological
protein
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JP24780496A
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Katsumi Yoshikawa
勝己 吉川
Tetsuya Ota
哲也 大田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗脂質抗体と抗TP抗体を一種類の検査で検
出できる免疫学的梅毒診断試薬の製造方法及び梅毒診断
試薬を提供する。 【解決手段】 カルジオリピンを含有する溶媒中で、固
相(例、ポリスチレンラテックス粒子)と梅毒トレポネ
ーマの抗原蛋白質(例、分子量47kDa、17kDa
又は15kDaの梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質、ト
レポネーマ・パリダム菌より得られた抗原蛋白質)を混
合して、該抗原蛋白質を該固相に担持させることを特徴
とする免疫学的梅毒診断試薬の製造方法、及び得られた
梅毒診断試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫学的梅毒診断
試薬の製造方法及び梅毒診断試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema Pa
llidum)により引き起こされる感染症であり、梅毒に感
染しているか否かは、血液中に梅毒に特異的な抗体が存
在するかどうかで判断される。
【0003】梅毒に感染した場合、感染者血液中に生成
する抗体は、通常、主として、カルジオリピンと呼ばれ
る脂質に対する抗体(以下、抗脂質抗体という)と、ト
レポネーマパリダム菌の抗原蛋白質に対する抗体(以
下、抗TP抗体という)である。
【0004】抗脂質抗体の検査は、梅毒の初期感染患者
で陽性を示すことが多く、また、検査費用が安価である
ため、臨床検査においては、梅毒感染のスクリーニング
検査としてよく用いられている。しかしながら、抗脂質
抗体の場合、抗原が主としてカルジオリピンであるた
め、梅毒以外の疾病(リウマチ、自己免疫疾患など)で
陽性を示すことがあり、いわゆる偽陽性が問題となる。
【0005】これに対して、抗TP抗体の検査は、抗原
がトレポネーマパリダム菌に特異的な蛋白質であるた
め、抗脂質抗体の検査の場合よりも、偽陽性が発生せ
ず、また、梅毒に特異性が高いので、確定診断にしばし
ば用いられる。しかしながら、抗TP抗体の場合、感染
中期以降の患者で陽性を示すことが多く、診断が遅れる
という欠点があり、また、梅毒の治療後においても、抗
TP抗体は長期に渡って血液中に存在するため、梅毒に
感染していないにもかかわらず、梅毒陽性と判定される
などの問題もある。
【0006】以上の理由により、現在、臨床検査におい
ては、梅毒の診断には、抗脂質抗体と抗TP抗体の2種
類の抗体検査が実施され、臨床症状と併せて梅毒の診断
が行われている。
【0007】次に、それぞれの抗体の検査法を述べる
と、抗脂質抗体の検査法は、一般的には、抗原(カルジ
オリピンを含む脂質)を炭素末に担持させ、血液中の抗
体との抗原抗体反応により生じた炭素末の凝集の度合い
を検出する方法である。また、抗TP抗体の検査法は、
一般的には、トレポネーマパリダム由来の抗原蛋白質を
動物赤血球などの担体に担持させ、血液中の抗体との抗
原抗体反応により生じた担体の凝集の度合いを検出する
方法である。しかしながら、これらの検査法は用手法で
あるため、手間がかかり、また、検査結果にバラツキが
でるなどの問題が指摘されている。
【0008】以上のように、現在、梅毒の診断には、そ
の検査操作が非常に煩雑であるという問題にもかかわら
ず、抗脂質抗体と抗TP抗体の2種類の検査を必要とす
るという問題点が存在している。
【0009】上記問題のうち、操作の煩雑性を解消する
目的で以下の検査法が提案されている。抗脂質抗体の検
査法に関しては、不溶性担体(固相)にカルジオリピ
ン、フォスファチジルコリン又はコレステロールなどを
結合させて得られた試薬と検体(血清)とを反応させ、
試薬と検体中の抗脂質抗体の抗原抗体反応により生じた
不溶性担体の凝集の程度を光学的に測定する方法が提案
されている(特表平4−503865号公報)が、操作
の煩雑性を十分に解決するには至っていない。また、抗
TP抗体の検査法に関しては、例えば、特開平4−12
2858号公報に提案されているように、トレポネーマ
パリダム由来の抗原蛋白質を不溶性担体に担持させて得
られた試薬と検体とを反応させ、試薬と検体中の抗TP
抗体との抗原抗体反応により生じた担体の凝集の度合い
などを検出する方法が開示されると共に、自動分析装置
による測定方法も開示されており、抗TP抗体測定試薬
も上市され、操作性の煩雑性に関しては改善されつつあ
る。しかしながら、梅毒の診断に抗脂質抗体と抗TP抗
体の2種類の検査を必要とするという問題に関しては、
改善又は解消されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するものであり、その目的は、抗脂質抗体と抗
TP抗体を一種類の検査で検出できる免疫学的梅毒診断
試薬の製造方法及び梅毒診断試薬を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の免疫学的
梅毒診断試薬の製造方法(以下、本発明1という)は、
カルジオリピンを含有する溶媒中で、固相と梅毒トレポ
ネーマの抗原蛋白質を混合して、該抗原蛋白質を該固相
に担持させることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の免疫学的梅毒診断試薬の製
造方法(以下、本発明2という)は、梅毒トレポネーマ
の抗原蛋白質が、遺伝子工学的手法を用いて製造され
た、分子量47kDaの梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白
質、分子量17kDaの梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白
質及び分子量15kDaの梅毒トレポネーマ表面抗原蛋
白質からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求
項1記載の免疫学的梅毒診断試薬の製造方法である。
【0013】請求項3記載の免疫学的梅毒診断試薬の製
造方法(以下、本発明3という)は、梅毒トレポネーマ
の抗原蛋白質が、トレポネーマ・パリダム菌より得られ
る抗原蛋白質である請求項1記載の免疫学的梅毒診断試
薬の製造方法である。
【0014】請求項4記載の免疫学的梅毒診断試薬(以
下、本発明4という)は、請求項1〜3のいずれか1項
に記載の免疫学的梅毒診断試薬の製造方法によって得ら
れる梅毒診断試薬である。
【0015】本発明に用いられる梅毒トレポネーマの抗
原蛋白質は、一般的には、トレポネーマパリダム菌体を
ウサギの睾丸で培養した後、界面活性剤等で抽出しカラ
ムクロマトグラフィーで精製して得られるものが知られ
ている(特開平2−234063号公報)が、トレポネ
ーマパリダム菌体より得られた蛋白質であれば、どのよ
うな方法で得られたものであってもよい。
【0016】また、遺伝子組み換え技術を利用しトレポ
ネーマパリダム菌体の表面抗原蛋白質を生産し、梅毒の
診断薬に使用することが試みられている(特表平2−5
00403号公報、特開平7−287017号公報)
が、本発明においても遺伝子組み換え技術を利用して得
られたトレポネーマパリダム菌体の表面抗原蛋白質(以
下、梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質という)も好適に
使用することができる。
【0017】上記梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質に
は、種々の分子量のものが存在することが知られてお
り、例えば、分子量47kDaの梅毒トレポネーマ表面
抗原蛋白質(Infection and Immunity 57(1),196-203(1
989))、44kDaの梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質
(Journal of Genetical Microbiology 133,1793-1803
(1987))、42kDaの梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白
質(Infection and Immunity57(9),2612-2623(1989))
、35kDaの梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質(Inf
ection and Immunity 59(10),3536-3546(1991))、34
kDaの梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質(Infection
and Immunity 57(11),3314-3323(1989))、17kDaの
梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質(Infection and Immu
nity 61,1202-1210(1993) )、15kDaの梅毒トレポ
ネーマ表面抗原蛋白質(Molecular Microbiology 4,137
1-1379(1990)) などが知られており、これらはいずれも
使用可能である。これらの中でも、梅毒トレポネーマの
主要な表面抗原蛋白質と考えられている、47kDaの
表面抗原蛋白質(以下、47kDa抗原という場合があ
る)、17kDaの表面抗原蛋白質(以下、17kDa
抗原という場合がある)及び15kDaの表面抗原蛋白
質(以下、15kDa抗原という場合がある)からなる
群より選ばれる少なくとも一種が特に好ましい。これら
の表面抗原蛋白質をコードする遺伝子はすでにクローニ
ングされ、アミノ酸配列も決定されているので、遺伝子
工学的手法を用いて生産することが可能である。なお、
これらの表面抗原蛋白質のアミノ酸配列はそれぞれ異な
っており、それぞれ全く別の表面抗原蛋白質である。
【0018】上記梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質は、
遺伝子工学的手法を用いて、梅毒菌体遺伝子からクロー
ニングされたものであれば、そのクローニング法はどの
ような方法でもよい。47kDa抗原を得るための方法
の例を挙げると、47kDa抗原のDNA配列は、前述
のように公知であるので、例えば、PCR法により47
kDa抗原に対するDNAを増幅、精製し、これを適当
な発現ベクターに組み込む。このベクターを大腸菌に導
入し、大腸菌に大量生産させる方法が挙げられる。大腸
菌から効率よく47kDa抗原を精製するには、ベクタ
ーとして特公平6−81596号公報に記載されている
ようなグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(以下、
GSTという)遺伝子を含むものを用いるのが好まし
い。この方法を用いる場合は、GST遺伝子の後に47
kDa抗原遺伝子を挿入し、大腸菌にGSTと47kD
a抗原の融合蛋白質として生産させる。十分に生産させ
た後、菌体を破壊し、リゼイドを固定グルタチオンカラ
ムと接触させることにより融合蛋白質を分離する。次い
で、この融合蛋白質を開裂させて47kDa抗原を得
る。
【0019】本発明に用いられる固相としては、従来か
ら免疫学的測定に使用されてきた固相のいずれも使用可
能であり、例えば、プラスチック製マイクロプレート、
ガラスファイバー等や不溶性粒子が挙げられる。上記不
溶性粒子としては、例えば、有機高分子粒子、微生物、
血球、細胞膜片等が挙げられる。
【0020】上記有機高分子粒子としては、例えば、不
溶性アガロース、セルロース、不溶性デキストラン等の
天然高分子粒子;ポリスチレン、スチレン−スチレンス
ルホン酸塩共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体等の合成高分子粒子
等が挙げられ、特に合成高分子粒子を均一に懸濁させた
ラテックスが好ましい。
【0021】本発明で用いられるカルジオリピンとして
は、ジフォスファチジルグリセロールの構造式をもつ化
合物であれば、動物の臓器、血液、もしくは植物などか
ら抽出し精製したもの、又は、化学的に合成したものの
いずれを使用しても差し支えなく、通常、動物の心臓よ
り抽出し精製した市販品を使用する。
【0022】本発明の免疫学的梅毒診断試薬の製造方法
は、カルジオリピンを含有する溶媒中で、固相と梅毒ト
レポネーマの抗原蛋白質を混合して、該抗原蛋白質を該
固相に担持させる。この担持の機構は物理的吸着によ
る。すなわち、梅毒トレポネーマの抗原蛋白質と固相
は、溶媒中で混合することにより荷電により容易に吸着
が起こる。
【0023】本発明の製造方法において、カルジオリピ
ンは、梅毒トレポネーマの抗原蛋白質を固相に担持させ
る際に存在しておればよく、あらかじめ、梅毒トレポネ
ーマの抗原蛋白質と混合されていてもよく、また、担持
させる際に使用する緩衝液等の溶媒に含有されていても
よい。
【0024】梅毒トレポネーマの抗原蛋白質を固相に担
持させる際のカルジオリピンの濃度は、0.1〜100
0μmol/lが好ましく、1〜500μmol/lが
より好ましい。カルジオリピンの濃度が、低くなると効
果が得られず、また、高くなると、カルジオリピンが梅
毒トレポネーマの抗原蛋白質の固相への吸着に影響を及
ぼし、逆に効果が得られない。
【0025】上記物理的吸着による反応の反応温度は、
低くなると十分に反応が進行しなくなり、高くなると抗
原蛋白質が変性し抗原性を失う恐れがあるので、0℃〜
50℃が好ましい。
【0026】上記物理的吸着による反応のpHは、低く
なっても、高くなっても、抗原蛋白質が変性し抗原性を
失う恐れがあるので、4〜10が好ましい。
【0027】本発明の梅毒診断試薬は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載の免疫学的梅毒診断試薬の製造方法
によって得られる梅毒診断試薬である。
【0028】以下、上記梅毒診断試薬の測定方法につい
て述べる。本発明の梅毒診断試薬を用いて梅毒に対する
抗体を測定する方法は、従来から免疫学的測定分野で使
用されてきた種々の方法が適用可能であるが、一方法を
挙げると、検体と本発明の試薬を混合し、検体中に含ま
れる抗体と本発明の試薬とを抗原抗体反応させ、生じた
固相の凝集の度合いを光学的手法又は肉眼により測定す
る。
【0029】上記光学的に測定する方法においては、測
定は散乱光強度、吸光度又は透過光強度を検出する光学
機器で行う。測定の波長は、250〜1000nmが使
用でき、測定方法については、公知の方法に従い、用い
る固相の粒子の大きさ又は濃度の選択、反応時間の選択
などに応じて、散乱光強度、吸光度又は透過光強度の増
加もしくは減少を測定することにより行われる。また、
これらの方法は単独で用いられても併用されてもよい。
【0030】また、上記の抗原抗体反応に際して、反応
の促進剤として、ポリエチレングリコール(特開昭58
−47256号公報)やポリグリコシルエチルメタクリ
レート(特開平4−122858号公報)などを反応系
に存在させても良い。
【0031】この免疫測定法において、抗原抗体反応の
条件は通常の場合と同様であり、反応媒体としては、各
種緩衝液が用いられる。この緩衝液は、検体中の抗体を
失活させることなく、かつ、抗原抗体反応を阻害しない
ようなイオン強度やpHを有するものであればよい。緩
衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、グリシン緩衝
液、トリス緩衝液等が挙げられる。反応時のpHは、4
〜10が好ましく、さらに好ましくは6〜8である。反
応時の温度は、10〜50℃が好ましく、さらに好まし
くは15〜40℃である。反応時間は適宜決められる。
【0032】
【作用】本発明の免疫学的梅毒診断試薬の製造方法にお
いては、カルジオリピンを含有する溶媒中で、固相と梅
毒トレポネーマの抗原蛋白質を混合して、該抗原蛋白質
を該固相に担持させるので、上記抗原蛋白質が固相に担
持される際に、同時に、カルジオリピンも固相に担持さ
れるものと考えられる。従って、得られた免疫学的梅毒
診断試薬を用いると、後述の実施例で確認するように、
抗脂質抗体と抗TP抗体を同時に検出できるものと考え
られる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明を実施例につき述べ、その
効果を具体的に説明する。以下の実施例及び比較例にお
いては次に示す緩衝液及び検体を使用した。
【0034】緩衝液 PB リン酸二水素一ナトリウム・2水和物(ナカライテスク
社製)及びリン酸一水素二ナトリウム・2水和物(ナカ
ライテスク社製)を、リン酸の終濃度が0.1M、pH
が7.4となるように精製水を加え、調製した。 GEMA/PB PBにポリグリコシルエチルメタクリレート(以下、G
EMAという、日本精化社製)を1%(W/W)となる
ように溶解させて調製した。
【0035】測定に使用した検体(血清) 抗脂質抗体陽性血清 RPR(Rapid Plasma Reagin;こ
の試薬は、カルジオリピン、レシチンを炭素末に吸着さ
せたもので、被検血清と混合しその凝集の程度を肉眼で
観察し抗体の存在を判定する試薬)テストで陽性を示
し、かつ、TPHAテストで陰性を示した血清5検体。
なお、RPRテスト試薬はRPRテスト化血研(三光純
薬社販売)を使用し、TPHAテスト試薬は、セロディ
アTPHA(富士レビオ社製造)を使用した(後述のR
PRテスト試薬及びTPHAテスト試薬も同様)。
【0036】抗TP抗体陽性血清 RPRテストで陰性を示し、かつ、TPHAテストで陽
性を示した血清5検体。 梅毒抗体陽性血清 RPRテスト及びTPHAテストの両方で陽性を示した
血清5検体。
【0037】参考例1 47kDa抗原の調製 (1)発現ベクターの調製 トレポネーマパリダム(Treponema Pallidum)継代ウサ
ギ睾丸の破砕物(常磐化学社製)より、トレポネーマパ
リダム菌体を抽出し、ゲノムDNAを抽出した。すでに
47kDa抗原のDNA配列は既知であるので、それを
もとにDNA合成装置を用いてプライマーを作成した。
前記で抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、上記のプラ
イマーを用いて、PCR法により47kDa抗原のDN
A断片を得た。次に、GSTとの融合蛋白質を発現する
ために作られたベクターpGEX−4T−3(ファルマ
シア社製)に、上記のDNA断片を挿入し、pGEX−
4T−3−47kと命名した。
【0038】(2)47kDa抗原の製造 次に、pGEX−4T−3−47kを大腸菌に導入し、
培養した。培養液にイソプロピル−β−(−)−チオガ
ラクトピラノシドを加えることにより、47kDa抗原
とGSTの融合蛋白質の発現を誘導した。十分に融合蛋
白質が発現した大腸菌を超音波処理により菌体を破砕
し、遠心分離により細胞膜、核などを除いた上清に、グ
ルタチオンセファロース4B(ファルマシア社製)を加
え、一晩放置し、融合蛋白質をグルタチオンセファロー
ス4Bに吸着させた。遠心分離により融合蛋白質が吸着
したグルタチオンセファロース4Bを回収し、これをカ
ラムに充填した。数回洗浄の後、グルタチオン溶液を流
すことにより融合蛋白質がグルタチオンセファロース4
Bから遊離し溶出した。こうして精製された47kDa
抗原−GST融合蛋白質溶液にトロンビン溶液を添加
し、47kDa抗原とGSTの結合を切断した。この結
果、47kDa抗原、GST及びトロンビンを含む溶液
が得られた。この溶液をグルタチオンセファロース4B
カラムに流すことによりGSTを除去した。さらにヘパ
リンセファロースCL−6B(ファルマシア社製)を充
填したカラムに流すことにより、トロンビンを除去し、
47kDa抗原を得た。
【0039】参考例2 17kDa抗原の調製 (1)発現ベクターの調製 トレポネーマパリダム(Treponema Pallidum)継代ウサ
ギ睾丸の破砕物(常磐化学社製)より、トレポネーマパ
リダム菌体を抽出し、ゲノムDNAを抽出した。すでに
17kDa抗原のDNA配列は既知であるので、それを
もとにDNA合成装置を用いてプライマーを作成した。
前記で抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、上記のプラ
イマーを用いて、PCR法により17kDa抗原のDN
A断片を得た。次に、GSTとの融合蛋白質を発現する
ために作られたベクターpGEX−4T−3(ファルマ
シア社製)に、上記のDNA断片を挿入し、pGEX−
4T−3−17kと命名した。
【0040】(2)17kDa抗原の製造 次に、pGEX−4T−3−17kを大腸菌に導入し、
培養した。培養液にイソプロピル−β−(−)−チオガ
ラクトピラノシドを加えることにより、17kDa抗原
とGSTの融合蛋白質の発現を誘導した。十分に融合蛋
白質が発現した大腸菌を用い、参考例1の(2)47k
Da抗原の製造の説明における、47kDa抗原という
表現を、17kDa抗原という表現に置き変える他は、
参考例1の(2)と同様に操作して、17kDa抗原を
得た。
【0041】参考例3 15kDa抗原の調製 (1)発現ベクターの調製 トレポネーマパリダム(Treponema Pallidum)継代ウサ
ギ睾丸の破砕物(常磐化学社製)より、トレポネーマパ
リダム菌体を抽出し、ゲノムDNAを抽出した。すでに
15kDa抗原のDNA配列は既知であるので、それを
もとにDNA合成装置を用いてプライマーを作成した。
前記で抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、上記のプラ
イマーを用いて、PCR法により15kDa抗原のDN
A断片を得た。次に、GSTとの融合蛋白質を発現する
ために作られたベクターpGEX−4T−3(ファルマ
シア社製)に、上記のDNA断片を挿入し、pGEX−
4T−3−15kと命名した。
【0042】(2)15kDa抗原の製造 次に、pGEX−4T−3−15kを大腸菌に導入し、
培養した。培養液にイソプロピル−β−(−)−チオガ
ラクトピラノシドを加えることにより、15kDa抗原
とGSTの融合蛋白質の発現を誘導した。十分に融合蛋
白質が発現した大腸菌を用い、参考例1の(2)47k
Da抗原の製造の説明における、47kDa抗原という
表現を、15kDa抗原という表現に置き変える他は、
参考例1の(2)47kDa抗原の製造と同様に操作し
て、15kDa抗原を得た。
【0043】実施例1 参考例1で得られた47kDa抗原を、以下の方法で不
溶性粒子に吸着した。PB溶液1mlに47kDa抗原
(蛋白質濃度:1mg/ml)を0.1ml加えた。こ
の抗原溶液0.5mlと、カルジオリピンを溶解したエ
タノール溶液(カルジオリピン濃度 10μmol/
l)0.5mlとを混合した。得られたカルジオリピン
含有抗原溶液0.5mlに、平均粒径0.4μmのポリ
スチレンラテックス(積水化学工業社製、固形分濃度1
0%(W/V))懸濁液0.1mlを添加し、室温で1
時間攪拌した。次に、牛血清アルブミン(以下、BSA
という)を1%(W/V)含有するPB溶液を5ml添
加し、更に、室温で1時間攪拌した。この液を1500
0rpmで30分間遠心分離した。得られた沈殿物に、
BSAを1%(W/V)含有するPB溶液を5ml添加
し、ラテックス粒子を再懸濁し、47kDa抗原担持ラ
テックス液からなる本発明の免疫学的梅毒診断試薬を得
た。
【0044】実施例2 実施例1における、47kDa抗原の代わりに、参考例
2で得られた17kDa抗原を用いたことの他は、実施
例1と同様にして17kDa抗原担持ラテックス液から
なる本発明の免疫学的梅毒診断試薬を得た。
【0045】実施例3 実施例1における、47kDa抗原の代わりに、参考例
3で得られた15kDa抗原を用いたことの他は、実施
例1と同様にして15kDa抗原担持ラテックス液から
なる本発明の免疫学的梅毒診断試薬を得た。
【0046】実施例4 実施例1における、カルジオリピンを溶解したエタノー
ル溶液(カルジオリピン濃度 10μmol/l)のカ
ルジオリピンの濃度を、1000μmol/lとしたこ
との他は、実施例1と同様に操作して、47kDa抗原
担持ラテックス液からなる本発明の免疫学的梅毒診断試
薬を得た。
【0047】実施例5 実施例1における、カルジオリピンを溶解したエタノー
ル溶液(カルジオリピン濃度 10μmol/l)のカ
ルジオリピンの濃度を、5000μmol/lとしたこ
との他は、実施例1と同様に操作して、47kDa抗原
担持ラテックス液からなる本発明の免疫学的梅毒診断試
薬を得た。
【0048】実施例6 ウサギ睾丸で培養したトレポネーマパリダム菌体を、超
音波処理により破砕した。破砕された溶液から界面活性
剤を用いて抗原蛋白質を粗抽出した。このようにして抽
出された抗原蛋白質をイオン交換カラム及びアパタイト
カラムを用いて精製し、トレポネーマパリダム菌体由来
抗原蛋白質を得た。
【0049】このようにして得られた、トレポネーマパ
リダム菌体由来抗原蛋白質(蛋白質濃度:1mg/m
l)を、実施例1における、47kDa抗原蛋白質の代
わりに用いたことの他は、実施例1と同様にしてトレポ
ネーマパリダム菌体由来抗原蛋白質担持ラテックス液か
らなる本発明の免疫学的梅毒診断試薬を得た。
【0050】比較例1 実施例1における、カルジオリピンを溶解したエタノー
ル溶液(カルジオリピン濃度 10μmol/l)のカ
ルジオリピンの濃度を、0μmol/lとしたこと(す
なわち、カルジオリピンを含有せず)の他は、実施例1
と同様に操作して、47kDa抗原担持ラテックス液か
らなる免疫学的梅毒診断試薬を得た。
【0051】比較例2 実施例1における、47kDa抗原(蛋白質濃度:1m
g/ml)の濃度を、蛋白質濃度:0mg/mlとした
こと(すなわち、47kDa抗原を含有せず)の他は、
実施例1と同様に操作して、免疫学的梅毒診断試薬を得
た。
【0052】検体の測定 実施例1〜6で得られた、本発明の免疫学的梅毒診断試
薬、及び比較例1、2で得られた免疫学的梅毒診断試薬
を用いて、以下のようにして検体(被検物質)の測定を
した。
【0053】生化学自動分析装置(日立7050形、日
立製作所社製)を用いて測定した。測定操作は、上記検
体20μlにGEMA/PB溶液350μlを添加・混
合し、37℃で5分間保温した。次いで上記免疫学的梅
毒診断試薬の50μlを添加・混合し、37℃で保温し
た。上記梅毒診断試薬溶液添加後80秒から320秒の
間の波長570nmの濁度変化量を該検体の反応量とし
た。この測定結果を表1及び2に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】比較例1の免疫学的梅毒診断試薬において
は、担持抗原(47kDa抗原)に対する抗体が含まれ
ている抗TP抗体陽性血清と梅毒陽性血清とは反応する
が、抗脂質抗体陽性血清とは殆ど反応しない。比較例2
の免疫学的梅毒診断試薬においては、担持抗原(カルジ
オリピン)に対する抗体が含まれている抗脂質抗体陽性
血清と梅毒陽性血清とは反応するが、抗TP抗体陽性血
清とは殆ど反応しない。これに対して、実施例1〜6の
本発明の免疫学的梅毒診断試薬においては、全ての陽性
血清に対して反応している。
【0057】
【発明の効果】本発明1〜3の免疫学的梅毒診断試薬の
製造方法の構成は、上記の通りであり、本発明により製
造した試薬を用いると、従来2種類の検査法で実施しな
ければならなかった梅毒診断を1種類の検査法で実施で
き、更に、梅毒感染初期においても、精度よく判定でき
る。本発明4の梅毒診断試薬の構成は、上記の通りであ
り、本発明の試薬を用いると、従来2種類の検査法で実
施しなければならなかった梅毒診断を1種類の検査法で
実施でき、更に、梅毒感染初期においても、精度よく判
定できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルジオリピンを含有する溶媒中で、固
    相と梅毒トレポネーマの抗原蛋白質を混合して、該抗原
    蛋白質を該固相に担持させることを特徴とする免疫学的
    梅毒診断試薬の製造方法。
  2. 【請求項2】 梅毒トレポネーマの抗原蛋白質が、遺伝
    子工学的手法を用いて製造された、分子量47kDaの
    梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質、分子量17kDaの
    梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質及び分子量15kDa
    の梅毒トレポネーマ表面抗原蛋白質からなる群より選ば
    れる少なくとも一種である請求項1記載の免疫学的梅毒
    診断試薬の製造方法。
  3. 【請求項3】 梅毒トレポネーマの抗原蛋白質が、トレ
    ポネーマ・パリダム菌より得られる抗原蛋白質である請
    求項1記載の免疫学的梅毒診断試薬の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の免
    疫学的梅毒診断試薬の製造方法によって得られる梅毒診
    断試薬。
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