JPH1090183A - 分析装置及び分析方法 - Google Patents

分析装置及び分析方法

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JPH1090183A
JPH1090183A JP8246398A JP24639896A JPH1090183A JP H1090183 A JPH1090183 A JP H1090183A JP 8246398 A JP8246398 A JP 8246398A JP 24639896 A JP24639896 A JP 24639896A JP H1090183 A JPH1090183 A JP H1090183A
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discharge
discharge cell
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temperature
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JP8246398A
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Hideki Ninomiya
英樹 二宮
Kenji Nakamura
賢志 中村
Ryokichi Tamaki
亮吉 玉木
Kazutaka Onishi
一孝 大西
Muneo Tanaka
宗雄 田中
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Shikoku Research Institute Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Shikoku Research Institute Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
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    • G01MEASURING; TESTING
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    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/66Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light electrically excited, e.g. electroluminescence
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    • G01N21/66Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light electrically excited, e.g. electroluminescence
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分析精度が高い分析装置の開示 【解決手段】 放電セル3は,放電セル3の底面を試料
が定常流で流れる滑らかな壁面で構成し,試料に通電す
る負電極Eを排水側に配置し,放電セル3の試料の注入
口を流れる試料の液面26下に設け,放電セル3の排水
側に排水時の波の発生を防止するように,試料を滑らか
に排出する堰28を設置し,放電部位の上部壁面を極力
凹凸のない滑らかな壁面とした分析装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,分析対象試料と電
極間とで放電を引き起こし,このときの放電発光スペク
トル強度から試料中の例えばホウ素とリチウムの濃度を
分析する分析装置及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体試料の濃度測定法としては,液体の
ままで測定する滴定法,試料を気化して発光強度を測定
する発光分析法,吸光度を測定する原子吸光法,レーザ
ー光で励起して蛍光強度を測定するレーザー誘起蛍光法
が良く知られている。
【0003】滴定法は,試料を化学反応を利用して測定
対象成分に分離してその濃度を測定する方法であり,煩
雑な作業を人手によって行っている。また,発光分析法
は,試料の気化と原子を励起するために,高温のプラズ
マが必要なため,火炎或いは高周波誘導プラズマが利用
されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の
分析方法は,分析試料を採取して滴定操作或いは分析装
置により測定するため,連続測定はできなかった。この
ため,人手を介さずに連続して濃度を測定する水溶液中
の成分分析装置が望まれていた。
【0005】また,レーザー誘起蛍光法は,発光分析法
や原子吸光法と比べてきわめて高感度であり,極少量の
原子でも測定できる利点があるが,火炎或いは高周波誘
導を用いて試料を高温のプラズマにより気化すると,イ
オン化する原子が多くなり,かえって分析の精度を妨げ
る問題がある。
【0006】そこで,ホウ素原子及びリチウム原子を含
む冷却水が導入される密閉可能な容器の水面上空間に,
正極となる電極を配設し,容器の底部に,冷却水と導通
する負極となる電極を配設し,容器の水面上空間に希ガ
スと酸素の混合ガスを導入,排気すると共に,冷却水を
pH調整を行いつつ容器内に供給,排出し,正極の電極
と試料との間で放電を生じさせて,試料を気化させ,容
器の底部の透明な窓部から,放電による発光を分光器及
び光電子増培管に導いて,放電発光における二酸化ホウ
素分子のスペクトル線及びリチウム原子のスペクトル線
を検出し,このスペクトル線に基づいて冷却水中のホウ
素及びリチウムの濃度を認識する分析装置の研究が出願
人等により行われている。
【0007】この分析装置によれば,高感度で液体試料
中に含まれる測定対象物質の定量分析を行うことができ
るのであるが,放電発光部位の温度が一定とならなかっ
たり,試料容器の内面の凹凸のために,試料液面に波が
発生したり,分析試料の電気分解のために,気泡が生
じ,分析精度が不安定になったり,分析試料の電気伝導
度を一定にできなくなる場合があった。
【0008】本発明の分析装置は,このような課題に着
目してなされたものであり,分析精度をさらに良くする
ために,放電発光部位の温度を一定とし,試料の滞留に
よって液面に波が発生しない構造とし,分析試料の電気
分解による気泡の分析への影響をなくし,酸あるいはア
ルカリを一定量添加して,さらに試料の温度を一定に保
つことで分析試料の電気伝導度を一定とすることを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の請求項1にかかる分析装置は,恒温機能及
びシールド機能を有するケース内に,分析対象物質を含
む液体試料と,この試料中の分析対象物質と結合する物
質を含む気体とを,定常的に流す放電セルを設け,この
放電セルの前記液体試料が流れる底面部位に透光部を設
けると共に,この放電セルの透光部の上方部であって前
記試料の液面上方に前記試料との間で放電を発生させる
放電電極を配設して放電発光部を構成し,前記放電セル
の前記底面部位の下方に,前記放電発光を分光計に導く
光学系を配設し,前記分光計により前記試料の発光スペ
クトルを分析して,前記試料中の対象物質の濃度を分析
する分析装置であって,前記放電セルの底面は,前記試
料が定常流で流れるように滑らかな壁面で構成され,前
記放電セルの前記試料の注入口は前記放電セル内を流れ
る試料の液面下に形成され,前記放電セル内を流れる試
料中に没して試料に通電する負電極は前記放電電極より
排水側に配置され,前記放電セルの前記負電極より排水
側に,試料液面の波の発生を防止するように,下流側が
上流側より低くなる傾斜壁面か,若しくは,上部から試
料を滑らかに流出させる堰が設置され,前記放電セルの
前記放電発光部の上部壁面は極力凹凸のない滑らかな壁
面とされていることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項1の分析装置によれば,放
電セルの底面を滑らかな壁面で構成したので,放電セル
内を流れる試料に滞留が生じず,液面が平な定常流とな
り,放電距離が一定になる。また,試料と放電電極とを
放電させるので試料の水が電気分解され,試料中の負電
極から泡が生ずるため,泡による散乱により測定強度が
変化するが,試料に通電する負電極を放電電極より排水
側に配置したので,試料中の負電極表面に電気分解で発
生した泡が,光を測定する部位に混入せず,また,排水
によって泡が流れるため,泡の付着による電気伝導変化
が小さくなる。
【0011】また,恒温機能によりケースを一定温度に
保ち,試料及び混合ガスのそれぞれ温度を一定に保つこ
とにより,温度変化による電気伝導度の変化が防止でき
る。放電セルの前記試料の注入口を流れる試料の液面下
に設けたので,試料注入時の波の発生が防止され,排水
側に傾斜壁面あるいは堰を設置したので,排水時の波の
発生が防止され,放電電極と試料との間で発生した放電
発光が試料の波により散乱したり,屈折したりすること
が極力少なくなり,分析精度が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に,本発明の好ましい実施形態
にかかるホウ素・リチウム分析装置を図面に基づいて説
明する。
【0013】図2は本発明の分析装置の概略構成を示し
たものである。この分析装置1は,恒温機能を有するシ
ールドケース2内に,放電発光を起こさせる放電セル3
を備えている。
【0014】放電セル3には,液体試料及び混合ガスを
流入させる送気・送液用の配管4Aと,放電セル3から
液体試料及び混合ガスを排気・排水する排気・排水用の
配管4Bとが接続され,配管4Aの分岐部4Cには酸素
とヘリウムの混合ガスを放電セル3内に供給するガス管
路5Aが接続され,配管4Bの分岐部4Dには排気用の
ガス管路5Bが接続されている。
【0015】配管4Aには,液体試料を貯蔵する試料容
器6に向かって延びる管路7が接続され,管路7には,
第1三方バルブ8,送液ポンプ9,第2三方バルブ1
0,試料の流量調整機構11が配備されている。
【0016】第1三方バルブ8は2つの流入口と1つの
流出口を有している。第1三方バルブ8の一方の流入口
は管路7を介して試料容器6の液体試料中に通じてお
り,管路7の下端部に設けられたフィルタ6Aを介して
液体試料を吸い上げることができるようになっている。
第1三方バルブ8の他方の流入口は管路8Aを介してシ
ールドケース2の外部に配設されたビーカ12内に通じ
ており,ビーカ12の液体試料や洗浄水をフィルタ8B
を介して吸い上げることができるようになっている。ビ
ーカ12には洗浄時の純水が入れられるが,検量するス
ペクトル線を測定するときに標準試料を入れる場合,及
び分析時の測定試料を入れる場合にも使用される。ビー
カ12は別々に用意しても良く,測定試料は直接配管に
接続してサンプリングしても良い。第1三方バルブ8の
試料容器6側の流入口と,ビーカ12側の流入口の切り
換え操作の制御はコントローラ13により行う。
【0017】送液ポンプ9は,第1三方バルブ8の流入
方向が,試料容器6側或いはビーカ12側のいずれかに
なっているときに,吸引を行う。この送液ポンプ9のオ
ン・オフ制御はコントローラ13により行う。
【0018】第2三方バルブ10は,1つの流入口と2
つの流出口を有する。1つの流入口は送液ポンプ9に接
続されている。第2三方バルブ10の一方の流出口は管
路7を介して試料の流量調整機構11に接続され,他方
の流出口は管路10Aを介して試料容器6に試料を送る
ように試料容器6に通じている。第2三方バルブ10
は,コントローラ13により制御され,送液ポンプ9が
オンになっている時に,コントローラ13の命令によ
り,試料容器6側に試料を送るか,流量調整機構11に
試料を送るように開閉動作する。
【0019】試料の流量調整機構11は,放電セル3内
に流入する試料の時間当たりの流入量が設定された目標
値となるように行われる。この試料の流量調整制御は,
例えば,流量調整機構内にバルブ及び流量センサを備
え,流量センサによる検知量を設定目標値にフィードバ
ックしてバルブの開閉制御を行う方法がとられる。この
目標値設定及び目標値と検出値の減算処理をコントロー
ラ13で行っても良いが,ここでは流量調整機構11自
身がフィードバック制御回路を備える。なお,コントロ
ーラ13側で手動で調整できるようにしても良い。
【0020】配管4Bには第3三方バルブ14の流入口
が接続されている。配管4Bには負電極となるアース電
極Eが取り付けられている。第3三方バルブ14の2個
の流出口の一方はシールドケース2の外側の排水管路に
接続され,第3三方バルブ14の他方の流出口は,返送
用の管路14Aを介して試料容器6に接続されている。
第3三方バルブ14もコントローラ13により制御さ
れ,排水する場合には排水管路側の流出口を開き,試料
容器6側に返送する場合には試料容器6側の流出口を開
いて管路14Aから試料容器6側に試料を返送する。
【0021】ガス管路5Aは,放電時に試料中のホウ素
と結合する酸素と放電を安定させるヘリウムガスの混合
ガスを放電セル3内に供給するもので,上流側に流量調
節機構15及びガスバルブ16が設けられている。ガス
バルブ16は混合ガスの流入口と流出口とを有し,コン
トローラ13の制御により混合ガスの供給制御を行って
いる。ガス管路5Aには混合ガスの供給源が設けられて
いる。配管4Bには排気用のガス管路5Bが分岐してお
り,放電セル3からの混合ガスがガス管路5Bから排気
されるようになっている。
【0022】試料容器6は,試料容器6中の液体試料を
温度調整しつつ攪拌するホットスターラ17に搭載され
ている。試料容器6の下部には排水管路6Bが設けら
れ,排水管路6Bに,コントローラ13により開閉制御
されるドレンバルブ18が設けられている。
【0023】放電セル3内の上部には,タングステンか
らなる放電電極19が突設され,放電電極19には,整
流器20を介して高圧直流電源21が接続されると共
に,整流器22を介して昇圧用のトランス23が接続さ
れ,トランス23にはトリガーパルス電源24が接続さ
れている。
【0024】図1は放電セル3の部分断面構造を示して
いる。放電セル3の配管4Aの液体試料が流入する流入
口25は,配管4Aの液面26の下から試料が導入され
るように下部に開口され,流入口25の上に堰25Aが
形成されている。この実施形態では,配管4A,4Bは
放電セル3の内部に形成された方形断面の通路部3Aで
接続されている。通路部3Aは凹凸がないように滑らか
に形成されている。図5,図6は放電セル3の下流側の
構成を示している。放電セル3の配管4Bの流出口27
には放電セル3内の試料の液面26を平らに保持するた
めの堰28が設けられている。この堰28は図5に示す
ように配管4Bの下部に設けても良いが,図6に示すよ
うに配管4Bの上部に堰29を設けても良い。図5のよ
うに配管4Bの下部に堰28を設ける場合には,堰28
の上部を傾斜面にして液面26を極力平らに保つことが
できる。通路部3Aの上部には放電電極19が突出して
いる。通路部3Aの下部には透光性を有する石英窓30
が形成され,放電電極19と試料液面26との間で生じ
た放電光が石英窓30を通して光学系31に導入される
ようになっている。
【0025】この放電セル3では,底面と同じ位置に放
電発光スペクトルの観測用の石英窓30の上面が位置し
ているので,液体試料の滞留が発生しない。また,アー
ス電極を試料排水側の配管4Bに接続しているので,電
気分解で生じた気泡が石英窓30近傍の試料中に混入し
ないこととなり,気泡による光散乱が防止できる。さら
に,アース電極と試料の接触面積が広いので,泡の付着
による液体の接触抵抗変化が少なくなる。試料注入が液
面下で行えるので試料注入時の波の発生を防止できる。
排水側の配管4Bの取付傾斜を緩やかにしたので,測定
しつつ排水する時の試料の波の発生が防止できる。な
お,排水側に堰を設けても放電部位の波の発生を防止で
きる。放電空間に凹凸がないので,混合ガスの滞留もな
い。
【0026】図8は,光学系31の構成を示す。光学系
31は暗箱32内に配設されるプリズム33,集光レン
ズ34,分光器に約400nm以下の紫外線が入射する
のを防止する紫外線カットフィルタ35により構成され
る。プリズム33の反射面の一方は暗箱32の窓32A
及び石英窓30を通して放電電極19に臨んでいる。プ
リズム33の反射面の片方は,集光レンズ34,紫外線
カットフィルタ35を介して光ファイバ36に臨んでい
る。集光レンズ34の位置は放電電極下部の放電部位の
試料液面上1〜2mmの光が光ファイバに入射するよう
に調整されている。放電電極19と試料との間で放電が
生じた場合,試料中のホウ素・リチウムの放電発光は石
英窓30を介して暗箱32内に導入され,外乱光の入射
が遮断されて光ファイバ36に導かれ,光ファイバ36
から図4に示すCCDアレイ分光器37に導入される。
CCDアレイ分光器37に導入された光はスペクトルに
分光されて,CCDアレイ分光器37に内蔵されている
CCDアレイ光検出部38で検知される。CCDアレイ
光検出部38で検知された光信号は,パーソナルコンピ
ュータ39のスペクトル分析プログラムにより試料中の
物質の定量分析が行われ,出力インタフェース40及び
通信回線を介して他のコンピュータ又はプリンタに出力
される。光学系31を恒温槽内に設置することで,熱歪
みによる光軸ずれが防止される。なお,図9に示すよう
に,プリズム33を用いないで,集光レンズ34及び紫
外線カットフィルタ35を縦置きに配置し,光ファイバ
36で集光してもよい。
【0027】図4は,この分析装置1の制御系のブロッ
ク回路図を示す。この制御系はシールドケース2の外部
に設置されるもので,ケース41内に配設される。ケー
ス41は接地され,内部にコントローラ13,定電圧・
定電流電源21,トリガーパルス電源24,パーソナル
コンピュータ39,CCDアレイ分光器37,出力イン
ターフェース40を備えている。ここでは,パーソナル
コンピュータ39はスペクトル分析プログラムを実行
し,検知結果を保存するように図示しない記憶装置を備
えている。コントローラ13は,第1〜第3三方バルブ
8,10,14,ガスバルブ16,ドレンバルブ18,
送液ポンプ9,ホットスターラ17,定電圧・定電流電
源21,トリガーパルス電源24を制御するプログラム
を備えた記憶装置,CPU,及びそれぞれのインターフ
ェースを備えている。
【0028】次に,この分析装置1の動作を図3の流れ
図を用いて説明する。
【0029】先ず,分析装置1の主電源投入により,第
1ステップS1になり,シールドケース2の恒温器電
源,分光器,定電圧・定電流電源21,コントローラ1
3がオンされる。コントローラ13のオンにより初期化
が行われ,第1三方バルブ8がビーカ12側に開,第2
三方バルブ10が試料容器6側に開,第3三方バルブ1
4が排水側に開となり,ガスバルブ16,ドレンバルブ
18が閉じ,ホットスターラ17及び送液ポンプ9がオ
フになる。
【0030】ステップS2では,CCDアレイ分光器3
7及び分光器用パーソナルコンピュータ39がオンとな
り,スペクトル分析プログラムが立ち上がる。ステップ
3では測定か洗浄化の選択が行われ,測定であれば,ス
テップS4で連続測定かの判定が行われる。連続測定で
なければ,ステップS5にて,硫酸を添加した被測定試
料をビーカ12から,フィルタ8B,管路8A,第1三
方バルブ8,送液ポンプ9,管路7,第2三方バルブ1
0,管路10Aを介して,試料容器6に注入する。ステ
ップS6ではホットスターラ17をオンさせ,ステップ
S7に移行する。ステップS4で連続測定であれば,ス
テップS6にスキップする。ステップS7では,第1三
方バルブ8を試料容器6側に,第2三方バルブ10を流
量調節機構11側に開き,第3三方バルブ14の排水側
を閉じる。また,送液ポンプ9をオンさせる。ステップ
S8では恒温器温度及び試料温度のチェックを行う。ス
テップS8で恒温器の温度と試料温度が共に適正になる
まで,ホットスターラ17をオンさせ,両方の温度が適
正になったらステップS9に移行してホットスターラ1
7をオフさせる。ステップS10では,試料流量調整器
11及び,混合ガス流量調整器15において設定値の比
較を行い,適正な流量値になるまで,試料流量調整器1
1のバルブ及び混合ガス流量調整器15のバルブ調整を
行う(ステップS11)。試料及び混合ガスの流量が共
に適正になったら,第3三方バルブ14を排水側に開い
た後,トリガーパルス発生器(昇圧トランス)23にパ
ルス電圧を印可する。ステップS11の後,ステップS
12で第3三方バルブ14の排水側を開き,トリガーパ
ルス電源24からトリガーパルスを出力して昇圧トラン
ス23で昇圧化させ,放電トリガーをオンさせて高圧直
流電源21により放電を開始する。ステップS13では
高圧直流電源21の電圧及び電流が適正かどうかの判定
を行い,適正になるまで試料流量調整器11及び混合ガ
ス流量調整器15のバルブ調整を行う(ステップS1
4)。ステップS13の高圧直流電源21の電圧及び電
流が適正となったら,測定を開始する。測定開始によ
り,放電発光が石英窓30,光学系31,光ファイバ3
6を介してCCDアレイ分光器37に導入され,CCD
アレイ分光器37のCCDアレイ光検出部38に検知さ
れる。CCDアレイ分光器37にて検知された放電発光
のデータは,試料中に含まれる分析対象物質のスペクト
ル分析プログラムにより,物質のスペクトルデータとの
比較・演算により定量分析される。ステップS16で分
析が終了したら,ステップS17により高電圧直流電源
21をオフし,混合ガス流量調整器15のガスバルブ1
6を閉じる。ステップS17の後は,ドレンバルブ18
を開いて試料を廃液し(ステップS18),第1三方バ
ルブ8の試料容器6側を閉じ(ステップS19),送液
ポンプ9をオフし(ステップS20),ドレンバルブ1
8を閉じる(ステップS21)。
【0031】続いて洗浄を行う時は,ステップ22によ
り続行の選択を行い,ステップS3の前に戻る。洗浄の
時は,ステップS23により,第1三方バルブ8のビー
カ12側並びに,第2三方バルブ10の試料容器6側の
管路10Aを開き,ビーカ12の純水を注入する。純水
の注入が完了したら,第1三方バルブ8の試料容器6側
の流入口を開き,第2三方バルブ10の放電セル3側の
流出口を開き,第3三方バルブ14の排水管路側の流出
口を閉じ,送液ポンプ9のオンさせて洗浄を行う(ステ
ップS24)。洗浄終了後は第3三方バルブ14の排水
管路側の流出口を開いて純水を排水する。洗浄の後は,
再度ステップ18〜ステップ22を実行し,ステップS
22で続行せずを選択して終了する。
【0032】(試料温度の管理)なお,分析用の試料は
送液ポンプ9,バルブ8,10,14,18,配管4
A,4Bを流れるため,粘度の違いによって流量が変化
する。 又,試料を放電時の電気伝導体として利用する
ために,試料の電気伝導度が変化すると,放電電圧が変
化し,発光強度が違ってくる。液体の粘度と電解質の電
気伝導度は,液体の温度によって違ってくるために,放
電発光スペクトル測定による分析を高精度に行うために
は試料の温度を一定にする必要がある。
【0033】このため,この実施形態では,試料が流れ
る放電セル3,配管4A,4B,バルブ8,10,1
4,18,送液ポンプ9を恒温のシールドケース2に収
めている。これによって,分析時の試料温度が一定にな
る。また,分析試料はホットスターラ17によって恒温
のシールドケース2と同じ温度に暖めて分析できる。さ
らに,分析試料を試料容器6,第1三方バルブ8,送液
ポンプ9,第2三方バルブ10,試料流量調節器11,
放電セル3,第3三方バルブ14,及び配管4A,4B
を循環させて,温度が一定となった時点で測定を開始す
るので,測定精度が向上する。
【0034】(電気伝導度の管理)また,この実施形態
の分析方法では,電気伝導度を安定させるための酸ある
いはアルカリの添加量の調整を試料への注入量で管理し
ている。
【0035】酸あるいはアルカリ添加の場合に,電気伝
導度と密接な関係にあるpHで管理する場合には,一般
的なpH測定器ではpHの測定精度が±0.1であり,
精度の良いpH管理ができない。この分析装置では,電
気伝導度を一定とするために試料に添加する電解質(酸
あるいはアルカリ)の量を一定とした。
【0036】実験によると,図12に示すように,酸あ
るいはアルカリの添加で試料を0.3規定とすることで
精度の良い分析が実現できる。この条件を硫酸について
みると,1リットルの試料に対して8ミリリットルの濃
硫酸を加えればよい。
【0037】(伝導度調節のためのアルカリの適用)酸
の代わりに二酸化ホウ素及びリチウムスペクトルと干渉
のないKOHあるいはNaOHが使用できる。この場
合,廃液処理が容易となる。図13,図14はこの実験
例の検量線データを示すものである。分析試料の電気伝
導度調整にはアルカリの適用も可能であることを示して
いる。すなわち,二酸化ホウ素及びリチウムの発光スペ
クトル線と干渉しない水酸化ナトリウムあるいは水酸化
カリウムを添加しても二酸化ホウ素とリチウムのスペク
トル線強度が測定でき,試料中のホウ素とリチウムの濃
度分析が行える。
【0038】なお,本実施形態の分析装置では,ホウ素
・リチウムの分析を行ったが,この分析装置はその他の
物質の分析にも適用できるのは勿論である。
【0039】
【発明の効果】本発明の分析装置によれば,放電発光部
の温度が一定となり,放電セルに試料の滞留がなく,試
料液面に波が発生せず,分析試料の電気分解による気泡
の分析への影響がなくなり,酸あるいはアルカリを一定
量添加して分析試料の電気伝導度が調整可能となり,分
析精度が向上した。
【0040】また,本発明のの分析方法によれば,試料
の放電させるための伝導度調整のために,酸,或いは,
水酸化カリウム,水酸化ナトリウム等のアルカリのいず
れかを試料中に添加するので,二酸化ホウ素及びリチウ
ムスペクトルと干渉が生じずに試料濃度を測定でき,特
にアルカリを用いた場合には廃液処理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のホウ素・リチウム分析装置
の放電セルの部分断面図
【図2】図1のシールドケース内の構成を示す模式図
【図3】本発明の実施形態の分析装置の動作を示す流れ
【図4】図2の分析装置の制御系を示すブロック図
【図5】図1の放電セルの配管4Bの下壁部に設けた堰
の模式図
【図6】図1の放電セルの配管4Bの上壁部に設けた堰
の模式図
【図7】図2の分析装置の光学系の模式図
【図8】図2の分析装置の光学系の変形例の模式図
【図9】電極間隔と放電発光強度との相関を示すグラフ
【図10】リチウム濃度とリチウム発光強度の相関を示
すグラフ
【図11】ホウ素濃度とホウ素発光強度の相関を示すグ
ラフ
【図12】試料のpHと放電発光強度の関係を示すグラ
【図13】水酸化カリウムを添加した試料の発光スペク
トル
【図14】水酸化ナトリウムを添加した試料の発光スペ
クトル
【符号の説明】
1 分析装置 2 シールドケース 3 放電セル 4A,4B 配管 5A,5B ガス管路 6 試料容器 7 管路 8 第1三方バルブ 9 送液ポンプ 10 第2三方バルブ 11 試料流量調整器 12 純水用ビーカ 13 コントローラ 14 第3三方バルブ 15 混合ガス流量調整器 16 ガスバルブ 17 ホットスターラ 18 ドレンバルブ 19 放電電極 20,22 整流器 21 高圧力流電源 23 トリガーパルス発生器(昇圧変圧器) 24 トリガーパルス電源 25 流入口 25A 流入口側の堰 26 試料の液面 28,29 堰 30 石英窓 31 光学系 32 暗箱 33 プリズム 34 集光レンズ 35 紫外線カットフィルタ 36 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉木 亮吉 香川県高松市屋島西町2109番地8 株式会 社四国総合研究所内 (72)発明者 大西 一孝 香川県高松市丸の内2番5号 四国電力株 式会社内 (72)発明者 田中 宗雄 香川県高松市丸の内2番5号 四国電力株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】恒温機能及びシールド機能を有するケース
    内に,分析対象物質を含む液体試料と,この試料中の分
    析対象物質と結合する物質を含む気体とを,定常的に流
    す放電セルを設け,この放電セルの前記液体試料が流れ
    る底面部位に透光部を設けると共に,この放電セルの透
    光部の上方部であって前記試料の液面上方に前記試料と
    の間で放電を発生させる放電電極を配設して放電発光部
    を構成し,前記放電セルの前記底面部位の下方に,前記
    放電発光を分光計に導く光学系を配設し,前記分光計に
    より前記試料の発光スペクトルを分析して,前記試料中
    の対象物質の濃度を分析する分析装置であって,前記放
    電セルの底面は,前記試料が定常流で流れるように滑ら
    かな壁面で構成され,前記放電セルの前記試料の注入口
    は前記放電セル内を流れる試料の液面下に形成され,前
    記放電セル内を流れる試料中に没して試料に通電する負
    電極は前記放電電極より排水側に配置され,前記放電セ
    ルの前記負電極より排水側に,試料液面の波の発生を防
    止するように,下流側が上流側より低くなる傾斜壁面
    か,若しくは,上部から試料を滑らかに流出させる堰が
    設置され,前記放電セルの前記放電発光部の上部壁面は
    極力凹凸のない滑らかな壁面とされていることを特徴と
    する分析装置。
  2. 【請求項2】請求項1の分析装置を用いる分析方法にお
    いて,前記放電セル内の温度及び前記試料の温度を一定
    に保持し,前記試料に酸,或いは,水酸化カリウム,水
    酸化ナトリウム等のアルカリのいずれかを添加して前記
    試料の電気伝導度を一定に保持し,前記放電セル内に一
    定温度の前記混合ガスを流すことを特徴とする分析方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020034421A (ko) * 2000-11-01 2002-05-09 이성희 플로우 셀 구조를 도입한 암모니아가스 센서
WO2009018842A1 (en) * 2007-08-08 2009-02-12 Elan Vital (Uk) Ltd Flowing fluid analyser systems
CN102507445A (zh) * 2011-09-29 2012-06-20 北京金诺美生物技术有限公司 样品杯以及含有其的多通道光学测试系统
EP3273228A1 (en) * 2016-07-22 2018-01-24 ARKRAY, Inc. Plasma spectroscopic analysis method and plasma spectroscopic analyzer

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