JPH1089281A - ポンプ装置 - Google Patents

ポンプ装置

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JPH1089281A
JPH1089281A JP23917896A JP23917896A JPH1089281A JP H1089281 A JPH1089281 A JP H1089281A JP 23917896 A JP23917896 A JP 23917896A JP 23917896 A JP23917896 A JP 23917896A JP H1089281 A JPH1089281 A JP H1089281A
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JP
Japan
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impeller
casing
gap
elastic body
sand
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JP23917896A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Mori
則行 森
Yoshihisa Shimada
義久 島田
Minoru Tomita
實 冨田
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Kawamoto Pump Mfg Co Ltd
Original Assignee
Kawamoto Pump Mfg Co Ltd
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ケーシング内に堆積した砂や粘土な
どによるケーシング各部、羽根車と弾性体との摺動部の
摩耗を抑制できるポンプ装置を提供する。 【解決手段】本発明は、縦軸回りに回転する羽根車22
の下側を構成する側板28と対向するケーシング23の
環状の弾性体26、ケーシング23の壁部分25のうち
の少なくとも弾性体26の上面部分に、羽根車22の回
転方向に沿って該羽根車22の径方向外側に広がるスパ
イラル状の突起29を設けて、羽根車22の下側とケー
シング内面との間の隙間S内において旋回しながら滞留
し続けようとする砂や粘土Aを強制的に羽根車22の外
方へ排出させたり、旋回する流速を低下させて、隙間S
内で滞留し続ける砂や粘土Aなどによるケーシング23
の摩耗を抑制したことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦軸回りに回転す
る羽根車をケーシング内に収容してなり、羽根車の回転
に伴い、ケーシングの下側から吸込んで圧送するポンプ
装置に係り、特にケーシングを改善したポンプ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】縦形のポンプ装置、例えば深井戸などに
据え付けられる水中ポンプ装置では、縦軸回りに羽根車
を回転させてケーシングの下側から上側へ向かって水
(流体)を圧送させる構造が用いられている。
【0003】こうしたポンプ装置には、例えば図5に示
す多段式の水中ポンプ装置のように図示しない下部の水
中電動機から上方へ延びている主軸1に、筒状の入口2
aを下側に向けて円盤状の羽根車2を支持させ、この羽
根車2の周囲に該羽根車2を包囲する円筒形のケーシン
グ4を設けて、羽根車2の縦軸回りの回転でポンプ作用
を起こさせる構造が用いられている。なお、図5は上下
方向に多段に積重なるケーシング相互の組合わせによ
り、多段に配置された羽根車2を個々に一重壁でケーシ
ング4内に収容させた構造が示してある。
【0004】このようなポンプ装置では、羽根車2の入
口2aをケーシング4の下側の壁部分、例えば前段のケ
ーシング4の上部側板4bに設けた環状の弾性体、例え
ばライナーリング3内に遊嵌もしくは摺動状態で貫通さ
せてシールし、先端の入口孔2cを外部に臨ませる構造
を採用してある。
【0005】またケーシング4の上側の壁部分には、羽
根車2の外周端に在る羽根車出口2dから吐出された水
(流体)をケーシング外へ導く、吐出部、例えば案内羽
根4cが装着された吐出部4eが形成されていて、羽根
車2の回転に伴い、図5中のf1の矢印で示されるよう
に羽根車入口孔2cより吸い込まれ羽根車出口2dから
吐き出された水を、ケーシング4の円筒状の周壁部分4
aに沿って、案内羽根4c、吐出部4eから、次段の羽
根車2の羽根車入口孔2c(もしくはポンプ装置の図示
しない吐出部)へ導くようにしてある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポンプ装置
が汲み上げる水、すなわち井戸水には、様々な粒子の固
形物、具体的には砂や粘土が含まれていることは知られ
ている。こうした砂や粘土は、ポンプ装置が運転中は、
汲み上げられる水と一緒にポンプ装置の内部を通過する
が、ポンプ装置が停止すると、図5中の右側に示される
ようにケーシング4の下部の壁部(前段の上部側板4
b)において羽根車出口の付近や羽根車2の下部側面2
bと対向する部位、その周辺の部位などに堆積しやすい
(ポンプ装置内に含まれる砂や粘土Aが水より比重が重
たいため)。なお、図中Aは堆積している砂や粘土を示
す。
【0007】ところで、ポンプ運転の再開に伴い、羽根
車2の下側を構成する側板2bとこれに対向するライナ
ーリング3の上面およびケーシング4の下部の壁部(前
段の上部側板4b)との間の隙間Sには、羽根車2の回
転により、図5中のf2で示されるような羽根車2の回
転方向に沿う旋回流が生じて、隙間Sに堆積していた砂
や粘土Aを巻き込むことが知られている。
【0008】ところが、砂や粘土Aは、比重が水より重
たいために、羽根車出口付近を含む隙間Sをそのまま、
その旋回流が発生している間、旋回し続ける。このた
め、旋回する間、砂や粘土Aでケーシング4の内面をこ
すり続けるという現象が発生し、ケーシング4の内面の
各部、具体的には羽根車出口付近を含む隙間SのX部、
Y部で示す内面部分が摩耗する難点があった。
【0009】こうした摩耗は進行すると、ケーシング4
内の圧力水の漏れやケーシング4の破損につながるおそ
れがある。しかも、砂や粘土Aは、羽根車2の羽根車入
口2aとライナーリング3との間の摺接部も摩耗させる
ので、こうした点の改善が要望されている。
【0010】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、簡単な構造で、ケーシン
グ内に堆積していた砂や粘土など固形物を原因としたケ
ーシング各部や羽根車と弾性体との摺動部における摩耗
を抑制することができるポンプ装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した発明は、羽根車の下側を構成する
側板と対向する弾性体およびケーシングの壁部分のうち
の少なくとも弾性体の内面部分に、羽根車の回転方向に
沿って該羽根車の径方向外側に広がるスパイラル状の突
起を設けたことにある。
【0012】請求項1に記載の発明によると、羽根車の
回転方向に沿って該羽根車の径方向外側に広がるスパイ
ラル状の突起により、羽根車の下側の側板とこれに対向
するケーシングの壁部との隙間に生じる旋回流に抵抗が
与えられ、同旋回流の流速を低下させる。
【0013】しかも、同隙間で旋回している砂や粘土な
どの固形物は、旋回流の回転方向に外側に広がるスパイ
ラル形状の突起で案内され、ポンプとしての損失を増加
させずに上記隙間の外周側へ向けて吐出され、羽根車の
外周端の出口から吐き出される水(流体)の流れに導か
れて同羽根車から吐出される水(流体)と共にケーシン
グ外へ導かれるため、砂や粘土などの固形物が上記隙間
で旋回し続けることはなくなる。
【0014】それ故、ケーシングの壁部に堆積している
砂や粘土などの固形物を原因とした、羽根車の出口付近
を含む上記隙間のケーシング内面部分や羽根車と弾性体
との摺接部における摩耗は抑制される。
【0015】請求項2に記載の発明は、上記目的に加
え、さらに羽根車の出口付近を含む上記隙間におけるケ
ーシング内面の摩耗を一層、効果的に防ぐために、弾性
体を羽根車の外径以上で、かつケーシングが許される範
囲で可能な限り外形を大きく形成し、この弾性体の前記
下側の側板と対向する内面部分にスパイラル状の突起を
突起を設けたことにある。
【0016】請求項2に記載の発明によると、スパイラ
ル状の突起を有する環状の弾性体が羽根車の外径以上に
形成されることにより、スパイラル状の突起がもたらす
耐摩耗性の効果が一層、高められる。しかも、同弾性体
の外径は、ケーシングが許される限り大きく、砂や粘土
で摩耗し難い弾性体部分が、摩耗しやすいケーシング部
分に置き換わるので、羽根車の出口付近を含む上記隙間
におけるケーシング内面の摩耗は、一層、減少する。
【0017】請求項3に記載の発明は、上記目的に加
え、さらに隙間から吐き出される砂や粘土によるケーシ
ングの周壁部分の内面の摩耗を抑制するために、羽根車
の外周端の出口と対向する周壁部分の内面を、羽根車下
側とこれに対向するケーシングの壁部分との隙間が臨む
部位から、羽根車の上側を被っている、吐出部をもつ壁
部分に向かうにしたがい内径が増加するようなテーパー
形状で形成したことにある。
【0018】請求項3に記載の発明によると、このよう
に羽根車の外周端を被うケーシングの内面がテーパー形
状に形成されることによって、砂や粘土などの固形物が
吐き出される隙間の開放端から吐出部に向かう周壁部分
の区間には、隙間から半径方向外側ヘむかう流れ、さら
には羽根車の外周出口から半径方向外側へ向かう流れ
を、上側に在る吐出部に向かわせる上向きの流れにする
ガイド路が形成されるようになる。
【0019】これにより、上記隙間から吐き出される砂
や粘土などの固形物は、ケーシングの周壁部分の内周面
と強く当接せずに、スムーズに吐出部へ導かれるので、
隙間から吐き出される砂や粘土など固形物によるケーシ
ング内面の摩耗は抑制される。
【0020】しかも、羽根車の出口から水と一緒に吐き
出される砂や粘土などの固形物も同様にスムーズに吐出
部へ導かれるので、羽根車から吐き出される砂や粘土な
ど固形物によるケーシング内面の摩耗も合わせて抑制さ
れ、優れた耐摩耗性をケーシングにもたらす。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1から図4に示
す一実施形態にもとづいて説明する。図1は本発明を適
用した縦形ポンプ装置、例えば深井戸用の多段水中ポン
プ装置のポンプ構造を示し、図中20は上下方向に延び
る細長のポンプ部である。
【0022】このポンプ部20は、例えば下部にある細
長の水中電動機(図示しない)から鉛直方向上方に向か
って延びる回転軸、すなわち主軸21(縦軸)に、筒状
の入口22aを下側に向け、外周端に在る出口22bを
横方向に向けて複数、段状に固定された円盤状の羽根車
22と、これら各羽根車22を被う直列に並んだケーシ
ング23との組み合わせで構成されている。なお、24
はケーシング群を両端側から挟み付けるように固定する
締付バンドである。
【0023】ケーシング23のうち、最下位は例えば断
面ほぼT字形をなした筒状の吸込ケーシング23aで、
最上位は例えば軸受を具備した吐出ケーシング23c
で、中間は例えば断面逆L字形をなした筒状の中間ケー
シング23bから構成してある。
【0024】そして、これらケーシング23a〜23c
が相互に組合って、図2に示されるように回転自在な各
羽根車22の本体部(円盤状部分)を、断面が一重壁の
ほぼコ字形なした筒形で包囲してある。
【0025】各羽根車22の入口22aは、各ケーシン
グ23の下側の壁部分となる、前段の吸込ケーシング2
3a、中間ケーシング23bの上部側板25に設けた環
状の弾性体、例えばライナーリング26内に遊嵌もしく
は摺動状態で貫通させてシールしてある。但し、22e
は入口22aの先端に在る入口孔を示す。
【0026】また最上位の中間ケーシング23bを除く
各中間ケーシング23bの上側の壁部分には、羽根車2
2の出口22bから吐き出された水(流体)を次段のケ
ーシングへ導く、例えば案内羽根27aを有する吐出部
27が形成されている。なお、最上位の中間ケーシング
23bの吐出部27は、吐出ケーシング23cが兼ね
る。
【0027】また各羽根車22の本体部下側をなす側板
28と対向するライナーリング26および上部側板25
(いずれも内面部分に相当)のうち、ライナーリング2
6の上面にはスパイラル状の突起29が形成されてい
る。
【0028】このスパイラル状の突起29は、図3およ
び図4に示されるように例えばライナーリング26と一
体な複数の突条、詳しくは羽根車22の回転方向(図3
中に矢印f2 で図示)に沿って該羽根車22の径方向外
側に広がる複数の突条29aから構成されている。
【0029】こうしたスパイラル状の突起29により、
羽根車22の側板28とこれに対向するケーシング内面
との間の隙間Sで生じる旋回流に抵抗を与えるととも
に、旋回流に対して隙間Sの外周側へ向かう流れを生じ
させるようにしてある。
【0030】このスパイラル状の突起29で得られる流
体性能にて、隙間S内を旋回する砂や粘土などの固形物
Aの速度を低下させたり、隙間S内で旋回する砂や粘土
などの固形物Aを隙間S外へ吐き出せるようにしてあ
る。
【0031】また突起29を構成する各突条29aは、
ライナーリング26の上面に形成された凹部、例えばラ
イナーリング26の上面外周端から内周端に在るシール
リップ26aの基部に向かうにしたがい下がるように形
成されたテーパ状の凹部30内に収まるように形成して
あり、隙間Sの外への流れを利用して、シールリップ2
6aの柔軟性(シール性)を損なわずに、ライナーリン
グ26の上面に堆積する砂や粘土などの固形物Aを速や
かに流出させる構造にしてある。
【0032】そして、このライナーリング26の特性、
すなわちライナーリング部材がもつ摩耗がし難い特性
(ライナーリング自体がもつ本来の特性)、突起29で
得られる旋回流を外方への流れに変えるといった特性が
十分に発揮されるよう、外径が大きなライナーリング2
6を採用して、ケーシングの上部側板25にスパイラル
状の突起を形成せず、ライナーリング26自体だけで、
隙間S内で滞留する砂や粘土など固形物Aを隙間S外
(隙間開放端)へ排出させる構造にしてある。
【0033】詳しくは、スパイラル状の突起29を有す
るライナーリング26は、図2および図3に示されるよ
うに外形が羽根車22の外径以上で、かつ各ケーシング
23a,23bが許される範囲で可能な限り大きくした
ライナーリング部材が採用され、これにて砂や粘土で摩
耗し難い性質のライナーリング部分を、摩耗しやすい上
部側板25(ケーシング部材)に置き換えて、羽根車2
2の出口付近を含む、砂や粘土など固形物Aが堆積しや
すい隙間Sのほぼ全域に渡り、スパイラル状の突起29
がなす固形物Aを排除させる機能を作用させるようにし
てある。
【0034】一方、各羽根車22の外周端を被う周壁部
分23fの内面には、隙間Sが臨む最下位の内面部分か
ら上側の吐出部27側へ向かうにしたがい内径が増加す
るようなテーパー面31が形成されている。
【0035】このテーパー形状により、隙間Sの開放端
と向き合う周壁部分23fの内面下部分から吐出部27
に向かう周壁部分23fの内面上部分へ至る区間におい
て、隙間Sから半径方向外側ヘ向かう水の流れ、さらに
は羽根車22の出口22bから半径方向外側へ向かう流
れを、上側の吐出部27へ向かわせる上向きの流れに変
えるガイド路32を形成させている。
【0036】このガイド路32で形成される水の流れに
より、隙間S、羽根車22から半径方向外側へ吐き出さ
れる砂や粘土などの固形物Aが、周壁部分23fの内面
に対して、強く干渉しないようにしてある。
【0037】但し、図2〜図4中、25aはライナーリ
ング26を固定するために上部側板25に形成されてい
る固定座を示す。つぎに、このように構成された水中ポ
ンプ装置の作用について説明する。
【0038】例えば井戸の水を揚水すべく、水中電動機
(図示しない)を励磁する。すると、水中電動機で発生
する回転力が主軸21に伝わり、各ケーシング23内に
収容されている羽根車22を回転させる。
【0039】これにより、井戸の水は、水中に含まれる
砂や粘土などの固形物Aと共に、最下段に在る吸込ケー
シング23aから、最下段に在る羽根車22の入口孔2
2eに導かれる。そして、入口孔22eから吸い込まれ
て、同羽根車22の外周端の出口22bから吐出され
る。この圧力水は、上側の案内羽根27a、吐出部27
を通り、直上に配置されている次段の羽根車22の入口
孔22eへ導かれていく。
【0040】具体的には、ポンプ運転中の水の流れは、
図2中のf1の矢印で示されるように羽根車22の入口
孔22eを通り、羽根車22の出口22bから吐き出さ
れ、羽根車外周端を囲む周壁部分23fのテーパー面3
1にならって上向きに流れて吐出部27へ導かれ、次段
の羽根車22の入口孔22eへ至る。
【0041】そして、各段の羽根車22を通過する間
に、最下段の羽根車22から吸い込まれた水が順次、増
圧され、この最終的な高圧水が吐出ケーシング23c、
同吐出ケーシング23cの吐出口(図示しない)を経
て、同吐出口に接続された揚水管(図示しない)ヘ吐出
される。
【0042】これにより、井戸からの水の汲み上げが行
われる。そして、水中ポンプ装置の運転を停止すると、
汲み上げられる水(井戸水)と一緒にポンプ装置内部を
通過する砂や粘土などの固形物Aが、羽根車22の側板
28と隙間Sをなすライナーリング26の上面、及びケ
ーシング23の内底面の羽根車22の出口付近やその周
辺の部位など(ケーシング内底面全体)に堆積していく
(砂や粘土は比重が水よりも重たいため)。
【0043】ついで、水中ポンプ装置の運転を再開する
と、再び揚水が開始される。すると、羽根車22の回転
に伴い、隙間S(羽根車22の側板28とライナーリン
グ26との間)には、図2および図3中のf2に示され
るような羽根車22の回転方向と同方向の旋回流が発生
する。
【0044】この旋回流は、隙間Sに堆積していた砂や
粘土といった固形物Aを巻き込み、旋回し続ける。ここ
で、図2〜図4に示されるようにライナーリング26の
上面(羽根車22の下部側板と対向する面)には、羽根
車22の回転方向、すなわち旋回流の回転方向に沿って
外側に広がる複数のスパイラル状の突起29が設けてあ
る。
【0045】これにより、隙間S内で旋回している旋回
流の流速は、突起29によって与えられる抵抗により低
下する。そして、この流速低下により、砂や粘土など固
形物Aが摺接することによるケーシング内面、ライナー
リング内面の摩耗は抑制されていく。
【0046】またこの隙間S内で旋回している砂や粘土
など固形物Aは、旋回流の回転方向に外側に広がるスパ
イラル状の突起29で外側へ導かれて、ポンプとしての
損失を増加させことなく隙間Sの開放端(外周側)から
排出され、羽根車22の出口22bから吐き出される水
と共に吐出部27へ導かれる。
【0047】このため、砂や粘土などの固形物Aが隙間
S内で旋回し続けることはなくなる。したがって、スパ
イラル状の突起29をライナーリング26に形成すると
いう簡単な構造で、堆積している砂や粘土などの固形物
Aを原因とした、羽根車22の出口付近を含む隙間Sの
ケーシング内面部分や羽根車22とライナーリング26
との摺接部における摩耗は抑制される。
【0048】この結果、堆積物を原因とした摩耗による
吸込ケーシング23a、中間ケーシング23b内からの
圧力水の漏れやケーシングの破損を防ぐことができる。
特にライナーリング26の外径を羽根車22の外径以上
でできる限り大きくしたしたので、スパイラル状の突起
29がもたらす耐摩耗性の効果を一層、高めることがで
きる。と同時に砂や粘土で摩耗し難いライナーリング2
6が、摩耗しやすいケーシング部分に置き換わるので、
羽根車22の出口付近を含む隙間Sにおけるケーシング
内面の摩耗を、一層、効果的に減少させることができ
る。
【0049】そのうえ、周壁部分23fのテーパー面3
1で、隙間Sからの固形物Aを下側から上側へ、すなわ
ち吐出部27側が在る方向へ流れやすくしてあるので、
隙間Sから排出された固形物Aを周壁部分23fの内周
面と強く当接せずにスムーズに吐出部27へ導くことが
でき、固形物Aによる周壁部分23fの内面の摩耗を抑
制できる。
【0050】と同時に羽根車22の出口22bからの水
と一緒に吐き出される砂や粘土などの固形物Aも、テー
パー面31でスムーズに吐出部27へ導かれるので、羽
根車22から吐き出される固形物Aによる周壁部分23
fの内面の摩耗も合わせて抑制することができる。
【0051】すなわち、単に羽根車22、隙間Aから半
径方向へ水を吐き出す場合、水と共に吐き出される固形
物Aが直角方向から周壁部分23fに当接するので、図
5中の二点鎖線で示すZ部のように周壁部分23fの内
面で摩耗が生じやすいが、周壁部分23fの内面をテー
パー形状にすることによって、固形物Aが周壁部分23
fと衝撃的に当接するのが抑制されるので、同部分にお
ける摩耗が防止されるのである。
【0052】なお、一実施形態では、好ましい実施形態
としてライナーリング(環状の弾性体)を大きくして、
このライナーリングの上面だけにスパイラル状の突起を
設けた例を挙げたが、これに限らず、例えばライナーリ
ングの大きさはそのままにし、隙間をなすライナーリン
グの上面と同じくケーシングの上部側板の上面とにスパ
イラル状の突起を設けて、隙間内で同隙間の外周開放端
に向かう流れを生じさせるようにしてもよい。
【0053】また本発明を深井戸用の水中ポンプ装置に
適用したが、これに限らず、他の縦軸回りに回転する羽
根車にケーシングを組み合わせた縦形ポンプ装置に適用
してもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、簡単な構造で、ケーシング内に堆積してい
た砂や粘土など固形物を原因としたケーシング各部や羽
根車と弾性体との摺動部における摩耗を抑制することが
できる。
【0055】この結果、固形物によるケーシング内から
の圧力水の漏れやケーシングの破損を防ぐことができ、
ポンプ装置に高い信頼性をもたらすことできるという効
果を奏する。
【0056】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の効果に加え、既存の摩耗しにくい部材を活用して、羽
根車の出口付近におけるケーシング内面の摩耗を一層、
効果的、かつ有効的に防ぐことができるという効果を奏
する。
【0057】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1、請求項2の効果に加え、隙間から吐き出される砂や
粘土などによるケーシングの周壁部分の内面の摩耗を、
羽根車から吐き出される砂や粘土などによるケーシング
の周壁部分の内面の摩耗と共に抑制することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のポンプ装置の外観を示す
断面図。
【図2】同ポンプ装置の羽根車、ケーシングで構成され
るポンプ部を拡大して示す断面図。
【図3】同ポンプ部のライナーリングに設けてあるスパ
イラル状の突起の構造を説明するための図。
【図4】同スパイラル状の突起の外観を示す斜視図。
【図5】従来の縦軸回りに回転する羽根車とケーシング
とで構成されるポンプ部で問題にされている点を説明す
るための断面図。
【符号の説明】
20…ポンプ部 21…主軸 22a…入口 22b…出口 22…羽根車 23…ケーシング 24…締付バンド 25…上部側板 26…ライナーリング(環状の弾性体) 27a…案内羽根 27…吐出部 28…羽根車の下側の側板 29…スパイラル状の突起 31…テーパー面 32…ガイド路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の入口を下側に向けて、縦軸回りに
    回転自在に設けられた円盤状の羽根車と、 この羽根車を壁部で周囲から被うように設けられかつ前
    記羽根車の下側に配置される壁部分には前記入口の外周
    が嵌まる環状の弾性体を有してなるケーシングと、 前記羽根車の下側を構成する側板と対向する前記弾性体
    および前記壁部分のうちの少なくとも前記弾性体の内面
    部分に設けられ、前記羽根車の回転方向に沿って該羽根
    車の径方向外側に広がるスパイラル状の突起を具備した
    ことを特徴とするポンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性体は、前記羽根車の外径以上
    で、かつ前記ケーシングが許される範囲で可能な限り外
    形を大きく形成され、 前記スパイラル状の突起は、この弾性体の前記羽根車下
    側の側板と対向する内面部分に設けられることを特徴と
    する請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングは、前記羽根車の上側を
    被う、吐出部を有する壁部分と、前記羽根車の外周端を
    被う周壁部分とを有し、前記周壁部分の内面が、前記羽
    根車下側とこれに対向するケーシングの壁部分との間の
    隙間が臨む部位から前記ケーシングの吐出部側へ向かう
    にしたがい内径が増加するようなテーパー形状に形成し
    てあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のポンプ装置。
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