JPH1088647A - 地下構造物の継手における土砂侵入防止構造 - Google Patents

地下構造物の継手における土砂侵入防止構造

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JPH1088647A
JPH1088647A JP30244596A JP30244596A JPH1088647A JP H1088647 A JPH1088647 A JP H1088647A JP 30244596 A JP30244596 A JP 30244596A JP 30244596 A JP30244596 A JP 30244596A JP H1088647 A JPH1088647 A JP H1088647A
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earth pressure
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敏朗 藤田
Shigechika Yamaguchi
重周 山口
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孝正 真坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間の使用によっても耐土圧シート碇着部
が破壊するおそれがなく、シートの取付作業も簡単な地
下構造物の継手における土砂侵入防止構造を提供する。 【構成】 耐土圧シート18の両端部18a、18′a
に固着された棒状部材19、19′をアンカーボルト2
0、20′の継手軸方向外側に係止するよう配置すると
ともに、耐土圧シート18の両端部18a、18′aを
所定の長さだけコンクリート躯体中に埋設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下水道、地下
鉄、共同溝、洞道、地下道、地下街、各種地下トンネル
など地下に構築される構造物の継手における土砂侵入防
止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の暗渠の継手には、互いに対向する
1対の筒状の暗渠の対向端部に筒状の枠体をそれぞれ碇
着させると共に、ゴム・合成樹脂等の弾性材から短筒状
に形成した可撓止水部材の両端部を、互いに対向する二
つの前記枠体の内周面にそれぞれ水密的に取り付けて地
盤の不等沈下に伴う暗渠の相対変位を吸収させると共
に、これらの暗渠間の止水を行わしめるようにしたタイ
プのものがある。
【0003】土中に埋設された地下構造物の周囲には、
外水圧に加えて土砂圧が作用する状態になっており、地
下構造物に作用する外圧は通常の場合1kg/cm2
2kg/cm2 であるが最近は取付位置が土中、高深度
になり外圧も3〜5kg/cm2 と高外圧化傾向にあ
る。
【0004】そのため、このタイプの暗渠の継手では、
例えば地盤の圧密や地震動により地盤が不等沈下して暗
渠の間に大きな相対変位を生じると、この相対変位に伴
って生じた目地材と暗渠の端面との隙間から、暗渠の周
囲の土砂が可撓止水部材の凹部に侵入してしまう。
【0005】可撓止水部材の凹部に土砂が侵入しても可
撓止水部材により阻止されるため、暗渠内への侵入等の
問題は生じないが、長時間の使用に伴なって、凹部へ侵
入した土砂は徐々に堆積して固形化するため、可撓止水
部材のくびれ部の動きを束縛するようになる。そのた
め、この状態で地盤の圧密沈下や地震動等により暗渠間
に相対変位が生じると、堆積した土砂が可撓止水部材の
自由な挙動を制約し、暗渠の相対変位に追従して伸縮す
ることができなくなってしまう。可撓止水部材が伸縮で
きないと、暗渠間の相対変位の拡大に伴って可撓止水部
材の内部応力が増し、可撓止水部材の碇着フランジ部に
応力が作用して漏水を生じるおそれがある。可撓止水部
材は暗渠とともに土中に埋設されて使用されるため、そ
の凹部への土砂の堆積状況を調べることは極めて困難で
あるため、このような問題を解決するには、可撓止水部
材凹部に土砂を堆積させないことが重要である。
【0006】この問題に対処するため、本出願人は、特
開平7−331682号公報に記載の地下構造物の継手
における土砂侵入防止構造を提案した。この土砂侵入防
止構造は、図9に示すように、1対の相対向させた地下
構造物の各端部80,80′に跨って、ゴム・合成樹脂
等の可撓性材料からなる短筒状に形成された可撓止水部
材81を装着し、該可撓止水部材81の外周側の地下構
造物間の目地空間内にゴム・合成樹脂等の弾性材からな
る環状の充填材82を挿入するとともに、該可撓止水部
材81の外周側において該充填材82の内周側の一部分
を覆うようにして、土砂を通過させずに水を透過させる
可撓性材料からなる内周側に膨出した短筒状の土砂侵入
防止用透水性シート83を地下構造物の各端部80,8
0′に跨って装着してなるものである。
【0007】この構造により、土砂圧に対する耐圧機能
は土砂侵入防止用透水性シート83により、また外水圧
に対する耐圧機能は可撓止水部材81によってそれぞれ
分離して分担される。すなわち、地下構築物にこの継手
を適応すると、目地空間部を経由し水圧を伴った地下水
は土砂侵入防止用透水性シート83を通過して可撓止水
部材81に達するが、土砂は該シート83に捕捉されて
可撓止水部材81には達せず、したがって可撓止水部材
81のくびれ部81aに土砂が堆積、固形化することに
よる可撓止水部材81の機能障害を防止することができ
る。
【0008】また、外水圧は可撓止水部材81により受
け土砂圧は土砂侵入防止用透水性シート83で受けるこ
とにより、可撓止水部材81にかかる圧力を土砂圧分だ
け軽減できるようになるため、埋設位置の高深度化に対
応するために要求される可撓止水部材81の耐圧力の強
化を最少限に抑制でき、したがって可撓止水部材81に
添加される補強材の量を最少限に止めることができるの
で、地下構築物間の相対変位に対する可撓止水部材81
の追従性の低下が抑制され、高深度における大きな相対
変位に対処することが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平7−331
682号公報記載の構造においては、土砂侵入防止用透
水性シート83はその両端の碇着部83a,83a′を
地下構造物両端部80,80′のコンクリート躯体を打
設形成するための枠体84,84′の上端のフランジ部
84a,84a′に対しボルト85,85′およびナッ
ト86,86′によって碇着するように構成されてい
る。
【0010】しかるに、枠体84,84′は薄肉の鋼材
で形成されており、断面強度が本質的に弱い上に長期間
使用する場合は腐食するおそれがある。したがって土砂
侵入防止用透水性シート83の碇着をこの枠体84,8
4′に依存する上記構造においては、長期間の使用によ
り枠体84,84′に腐食が生じた場合には強大な土圧
に耐え切れず碇着部において破壊するおそれがある。
【0011】また、上記構造においては、土砂侵入防止
用透水性シート83を枠体84,84′のフランジ部8
4a,84a′に碇着するためボルト、ナットや碇着プ
レート等枠体とは別個に取扱いが面倒な多数の碇着金具
類が必要であり、シート83の取付作業が複雑となり面
倒である。
【0012】よって、本発明の第1の目的は、特開平7
−331682号公報記載の構造における上記問題点を
解決し、長期間の使用によっても腐食によりシート碇着
部が破壊するおれがなく、シートの取付作業も簡単な地
下構造物の継手における土砂侵入防止構造を提供するこ
とにある。
【0013】また他の問題として、地盤の液状化に伴う
充填材の目地からの遊離、脱出および土砂侵入防止用シ
ートの反転の問題がある。
【0014】充填材の遊離防止策を必要とする場合は、
通常、1)地震動を受けて地盤が液状化しやすい地下2
0m程度より浅い位置、2)地下水が高く土粒子構成が
液状化しやすい地盤(細砂)に設置した継手においてで
あり、充填材が遊離する場合は地震動のうち伸び動の時
においてである。充填材には、比重の小さい単泡スポン
ジゴム、あるいは発泡スチロールが用いられる。このた
め、地盤が液状化を伴って土砂の剪断抵抗が著しく低下
すること、並びに液状化地盤と充填材との大きな比重差
から、充填材が目地空間から脱出して液状化した継手の
外周地盤へと遊離することが考えられる。
【0015】充填材が遊離すると、充填材と流動化した
土砂が入れ替わり、その入れ替わった土砂により、地震
後の継手の変位吸収性能が低下するので、流動化の可能
性のある地盤中に取り付ける継ぎ手にあっては、充填材
の遊離防止策を必要とする。
【0016】また、土砂侵入防止用シートはその端部が
固定されているため遊離して躯体から離脱してしまうこ
とはないが、充填材の浮力でシートが充填材を伴った状
態で反転現象を示す可能性があり、反転現象が生じる場
合は、地震後に於いて継手機能に支障のない位置に充填
材が収まる保証はない。そこで、このシートの反転現象
に対する対応策が必要となる。
【0017】よって、本発明の第2の目的は、このよう
な地盤の液状化に伴う充填材の遊離および土砂侵入防止
用シートの反転を防止することができる地下構造物の継
手における土砂侵入防止構造を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記本発明の第1の目的
を達成するため、請求項1記載の発明は、1対の相対向
させた地下構造物の各端部に跨って、ゴム・合成樹脂等
の可撓性材料からなる短筒状に形成された可撓止水部材
を装着し、該可撓止水部材の外周側の地下構造物間の目
地空間内にゴム・合成樹脂等の弾性材からなる環状の充
填材を挿入するとともに、該可撓止水部材の外周側にお
いて該充填材の内周側の一部分を覆うようにして、土砂
を通過させずに水を通過させる可撓性材料からなる内周
側に膨出した短筒状の土砂侵入防止用耐土圧シートを地
下構造物の各端部に跨って装着してなる地下構造物の継
手における土砂侵入防止構造において、該耐土圧シート
の両端部はそれぞれ継手の周方向に環状に延長する棒状
部材に固着されており、該棒状部材は該可撓止水部材を
地下構造物の端部のコンクリート躯体に碇着する複数の
アンカーボルトの継手軸方向外側に係止するように配置
されており、該耐土圧シートの両端部は所定の長さだけ
該コンクリート躯体中に埋設されていることを特徴とす
る。
【0019】また、請求項2記載の発明は、該充填材は
その外周面が地下構造物の端部外周面と同一平面に位置
するかまたは地下構造物の端部外周面から外側に突出す
るように配置されていることを特徴とする。
【0020】また、請求項3記載の発明は、該棒状部材
が係止する該アンカーボルトは継手軸方向外側に折曲し
た部分と、この折曲した部分から立上って該棒状部材が
係止する部分を有することを特徴とする。
【0021】また請求項4記載の発明は、該棒状部材が
係止する該アンカーボルトはその端部が継手軸方向外側
にほぼ直角に折曲しており、該棒状部材は該アンカーボ
ルトの折曲によって形成される隅角部に係止しているこ
とを特徴とする。
【0022】また、本発明の上記第2の目的を達成する
ため、請求項5記載の発明は、該耐土圧シートが該コン
クリート躯体に碇着される位置から地下構造物の端部外
周面までの長さを該位置から内周側の該耐土圧シートの
高さよりも大きくしたことを特徴とする。
【0023】また、請求項6記載の発明は、充填材遊離
防止用の糸状あるいは帯状の紐を該耐土圧シートの内周
部に穿設した孔を通して該充填材の内周面、両側面およ
び外周面にかけ渡し結ぶことによって該充填材を該耐土
圧シートの内周部に固定したことを特徴とする。
【0024】また、請求項7記載の発明は、地震の振動
期間中その振動により可撓止水部材と耐土圧シートに囲
まれた空間に生じる容積の増減に応じて、この空間への
地下水の出入りが自由になるように耐土圧シートの透水
係数を設定したことを特徴とする。
【0025】
【作用】請求項1記載の発明によれば、耐土圧シートの
両端部が棒状部材に固着されており、この棒状部材は継
手本体のアンカーボルトの継手軸方向外側に係止するよ
うに配置されているので、耐土圧シートの碇着部にかか
る引張り力は棒状部材にかかる。また、耐土圧シートは
両端部が所定の長さだけコンクリート躯体中に埋設され
ており、この部分においてコンクリート躯体に直接碇着
されている。したがって、耐土圧シートに作用する土荷
重を耐土圧シートの肉厚に比較して大きい寸法の径を有
し腐食のおそれが少ない棒状部材を介して継手本体のア
ンカーボルトに碇着して支持されるとともにコンクリー
ト躯体に直接碇着されているので、枠体に碇着される場
合に比べて碇着部の耐久性と碇着の確実性・信頼性に優
れている。
【0026】また、耐土圧シートの取付けに際しては、
コンクリート打設前に棒状部材がアンカーボルトの継手
軸方向外側に係止するように耐土圧シートを配置するだ
けでよいので、ボルト、ナット、碇着プレート等の碇着
金具を使用する面倒な取付作業が不要となり、取付作業
が極めて簡単で容易である。
【0027】また、請求項2記載の発明によれば、充填
材はその外周面が地下構造物の端部外周面と同一平面に
位置するかまたは地下構造物の端部外周面から外側に突
出するように配置されているので、継手の設置後に土圧
が作用して充填材に生ずる圧縮変位による地下構造物端
面間の間隙の発生が防止され、この間隙へ土砂が侵入す
ることが防止される。したがって、地震時における継手
の圧縮変位の吸収が侵入土砂によって阻害されることが
防止される。
【0028】また、請求項3記載の発明によれば、アン
カーボルトは継手軸方向外側にいったん折曲し、そこか
ら立上るように形成されているので、耐土圧シートのコ
ンクリート躯体中の埋設部分がその分長くなり碇着をよ
り強固にすることができる。
【0029】また、請求項4記載の発明によれば、棒状
部材はアンカーボルトの隅角部に係止するので、耐土圧
シートは引張り力ばかりでなく上向きに働く力に対して
もアンカーボルトにより支持されることになり、碇着を
より強固にすることができる。
【0030】また、請求項5記載の発明によれば、地震
時の地盤の液状化に伴い、充填材が浮力を受けて充填材
を伴った状態で耐土圧シートが万一反転することがあっ
ても、耐土圧シートの反転した外周側先端は地下構造物
の端部外周面に到達しないので、充填材は反転した耐土
圧シートにより、目地の外へ押出されることがなく、目
地内に留まることが可能となる。
【0031】また、請求項6記載の発明によれば、充填
材は充填材遊離防止用の紐により耐土圧シートの内周部
に固定され、地盤が液状化した際、充填材の継手からの
遊離が防止される。
【0032】また、請求項7記載の発明によれば、地震
の振動期間中にその伸縮動により耐土圧シートと可撓止
水部材に囲まれた空間に容積の増減が生じても、その増
減に応じて、この空問への地下水の出入りが自由なよう
に耐土圧シートの透水係数が設定されるので、地震動の
うち、縮動をうけて空間内の水圧が上昇し、可撓止水部
材が過大な水圧を受けたり、耐土圧シートが水圧上昇を
受けて反転現象を生じることはない。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかる地下構築
物の継手における土砂侵入防止構造を、コンクリートか
ら断面を円形に成形した対向する地下構築物1および
1′の継手2において適用した状況の概略を示す斜視図
である。
【0034】図1において、1対の相対向する地下構築
物1および1′の対向端部である端面同士は地下構築物
の継手2により接続されている。
【0035】図2は図1におけるI−I断面を示してお
り、この地下構築物の継手2は、地下構築物1,1′の
対向端部の内周面側の周縁に段差部3,3′が形成され
ており、筒状の枠体4,4′が段差部3,3′に沿うよ
うにして固定されている。
【0036】枠体4,4′は、端面部4a,4′aと外
周環状部4b,4′bと立上り部4c,4′cとを含む
段差部を有している。
【0037】枠体4′の形状および地下構築物1′への
取付構造は枠体4と全く同一であるので、以下枠体4等
に用いた符号にダッシュを追加した番号を付すことによ
り、枠体4′等の説明を随時省略する。
【0038】この枠体4,4′の外周環状部4b,4′
b間にはゴム・合成樹脂等から短筒状に形成された可撓
止水部材6が配設される。この可撓止水部材6は、その
中央に断面が略U字状の環状のくびれ部6aを有し、こ
のくびれ部6aの外周は外方に向かって開口する環状の
凹部6cとなっている。
【0039】このくびれ部6aの両側から延び、前記枠
体4の外周環状部4bと密着する碇着フランジ部6bが
一体的に形成されている。
【0040】符号6eは外圧に対する補強布であり、高
外圧を受ける場合に適したもので、可撓止水部材6の内
周面にそって可撓止水部材6と一体あるいは覆う状態に
取り付けられたものである。この補強布6eは可撓止水
部材6に内蔵する場合もある。外圧が小さい場合はこの
補強布6eが必要ないことは勿論である。また碇着フラ
ンジ部6bまたはその近傍を含む部分にだけ補強布6e
を設け碇着フランジ部6bに設けられたボルト挿通孔
(図示せず)の部分から可撓止水部材6の破損が生じな
いようにしておいてもよい。
【0041】この可撓止水部材6の両側に設けられた軸
線方向(図面上の左右方向)に延びる碇着フランジ部6
bは、この部分を挿通するボルト5にナット7を螺合す
ると共に、このナット7と碇着フランジ部6bとの間に
押板8を介装し、ナット7を締め付けることにより、枠
体4の外周環状部4bの内周面に密着され、それぞれ水
密的に固定されている。
【0042】可撓止水部材6の材質としては、例えば、
耐老化性、耐オゾン性さらには耐摩粍性等を勘案した
クロロプレン合成ゴム(CR)、機械的強度、高弾
性、耐久性、耐寒性等を勘案した天然ゴム(NR)、
合成樹脂として、耐薬品性を勘案した軟質塩化ビニル樹
脂、または耐薬品性および耐寒性を勘案したエチレンお
よび酢酸ビニルの共重合体(EVA)等を例示でき、特
に、ゴム製とした場合には耐圧力向上を目的に、例え
ば、ビニロンコード、ナイロンコードないしはスチール
ワイヤ等の補強コードを内蔵して用いることが望まし
い。
【0043】枠体4と可撓止水部材6との間に形成され
る空間部には可撓止水部材6の継手軸方向への膨出変形
を防止するための保護材9が設けられており、図示しな
い碇着部材により枠体4の外周環状部4bに固定されて
いる。
【0044】保護材9の素材としては、ゴム、合成樹
脂、金属、硬質の発砲体等、任意である。なお、押板8
及び保護材9は取扱い等を考慮すると周方向への複数の
分割形式とすることが好ましい。
【0045】符号16は締結用のボルト5の頭部に一端
を溶接され、その上方部を地下構築物1の軸線方向に折
り曲げて埋設されたアンカーボルトである。また、締結
用ボルト5とアンカーボルト16は溶接によらず一体的
に形成したボルトを使用することもできる。
【0046】アンカーボルト16は枠体4に碇着した可
撓止水部材6をより強固に地下構築物1の端部に固定す
るために用いるものであり、その目的に合致するもので
あれば、実施例のものに限らず、枠体4との結合方法、
形状等任意である。
【0047】符号17は、地下構築物1,1′間の目地
内に土砂等が入るのを阻止し、地下構築物1,1′間の
相対移動をある程度まで許容するためのゴム・合成樹脂
等のスポンジ体からなる環状の充填材である。充填材は
周方向に複数の分割形式とすることができる。本実施例
においては、充填材17はその外周面が地下構築物1,
1′の端部外周面と同一平面に位置するように配置され
ている。
【0048】充填材17は、埋戻し土圧による充填材1
7の圧縮量に相当する量だけその外周面が地下構築物
1,1′の端部外周面から外側に突出するようにし配置
してもよい。
【0049】充填材17としては耐久性、耐薬品性の素
材が用いられるが、その物理的弾性特性としては圧縮変
位復元性が良いことのほか、圧力〜圧縮変位特性曲線
が、平常土圧までの圧力領域では圧縮形状変化率が少な
く、それ以上の圧力領域では圧縮形状変化率が大きくな
るように、発泡倍率を適当に調整した独立気泡性のスポ
ンジゴム、発泡スチロールを使用することが好ましい。
【0050】こうした弾性特性の充填材17を使用する
ことで、継手の変位進行に伴う後述の耐土圧シート18
の水平化が起因しての充填材の圧縮反発力が耐土圧シー
ト18に作用して、耐土圧シート18への荷重増となる
要因を抑制せしめることができる。また、土圧により充
填材17に生じた圧縮変位を最小限に止めることで、充
填材17の外周部の躯体端部対面間への土砂侵入を抑制
し、地震時等の縮み変位の吸収を円滑に行わせることが
できる。なお、継手の変位進行に伴う耐土圧シート18
の水平化が起因しての耐土圧シート18への荷重増を抑
制するには、上記の弾性特性の充填材を用いることと併
せて、U状耐土圧シートの立ち上げ部18c,18′c
の高さを大きくすることが有効である。
【0051】充填材17の材質は、公知のものを用いれ
ばよく、例えば、ゴム系(NR)、クロロプレン系(C
R)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ウレタン
(U)樹脂系、ポリエチレン系等を例示することがで
き、独立気泡の発砲体(スポンジゴム、発泡スチロー
ル)が好ましい。形状は、所定断面形状のものを継手の
軸方向に数分割したものでもよく、板状の積層体を環状
に成形して用いる。充填材17の素材に求める特徴とし
ては、軽量であること、切断加工が容易であるこ
と、取付けが容易であること、外気温に左右されな
いこと、伸縮性に優れること、はみ出しがないこ
と、取付け後も崩れ落ちないこと、吸水性が小さい
こと、繰返し伸縮に耐えること等がある。
【0052】本実施例では、充填材17の内周面側かつ
可撓止水部材6の外周面側の目地空間内に位置して環状
をなすように充填材17の内周側の一部分をU字形にお
おうようにして二つの地下構築物1,1′のそれぞれの
端部に土砂侵入防止用耐土圧シート18が装着される。
【0053】この土砂侵入防止用耐土圧シート18は土
中の水を通過するが土砂は捕捉する機能を備えるもの
で、例えば耐食透水性合成織物または不織布、あるいは
織布等を芯材として防水加工・防食加工した不透水性シ
ートが使用される。土砂侵入防止用耐土圧シート18は
断面U字型に配置され、その形状変形によって伸縮機能
が与えられ、地下構築物1,1′間の相対変位により地
下構築物の端面と充填材17との間に隙間が生じ、その
隙間に外周土砂か侵入しても、充填材17の内面とその
両側面の所定長を覆うように両躯体1,1′の端面間に
またげ、その両端の所定長を地下構築物コンクリート躯
体1,1′に埋設固定した耐土圧ンート18を配設して
いることから、その隙間を通過し可撓止水部材6に達し
ようとする土砂をこの耐土圧シート18が完全に補足す
ることがてきる。
【0054】耐食透水性合成織物としては、高抗張力性
を備えた、例えばクラレ(株)製のクラフテルKSX−
600,900、東洋紡績(株)製のポリエステル繊維
を用いたカーテン部材料であるTP−1080,TP−
1050さらにはTP−1030、東洋紡績(株)製の
土木工事用キャンバスであるTERRA−PAX(商品
名)等を例示することができる。また、不織布として
は、高抗張力性を備えた、例えば、TORAYの土木工
事用不織布であるマントル(登録商標)や、樹脂製網で
ある繊維土木開発(株)製のストレッチファイバー、さ
らにはJIS G3555に規定された織金網等を例示
することができる。
【0055】透水性のシートを用いる場合は、シートを
継手の周方向に連続した環状の一枚物を使用してもよ
く、または周方向と直角方向に複数部分に分割し、その
端部の一定長さの部分を相互に重ね合せるようにして耐
土圧シートを構成してもよい。不透水性シートを用いる
場合は、シートを複数部分に分割し、端部を相互に重ね
合せ、地下水をその重ね合せた面から浸透させる方法を
とる。
【0056】耐土圧シートに少くとも土圧相当量の荷重
が作用する本発明においては、耐土圧シートにかかる荷
重を確実にコンクリート躯体に伝達し、強固で耐久性の
高い耐土圧シートの碇着機構が提供される。
【0057】本実施例においては、耐土圧シート18は
充填材17の内周側をおおうようにして枠体4の立上り
部4cに沿ってU字形に立上り、その両端の碇着部18
a,18′aは継手の軸方向に所定の長さだけ延長して
コンクリート躯体の中に埋設されており、碇着部18
a,18′aの先端部は継手の周方向に延長する環状の
棒状部材19,19′に巻きつけられ固着されている。
この棒状部材19,19′は硬質合成樹脂等の耐食性の
素材、あるいは防錆処理した鋼材等を使用することがで
きる。棒状部材19,19′も継手2の周方向に分割し
た形式で構成することができる。
【0058】締結用ボルト5,5′にはアンカーボルト
16,16′と交互に垂直に立上る棒状部材係止用アン
カーボルト20,20′が溶接されている。耐土圧シー
ト18の碇着部18a,18′aの棒状部材19,1
9′に隣接する部分にはアンカーボルト20,20′に
対応する位置にアンカーボルト挿入孔18b,18′b
が形成されておりこれらアンカーボルト挿入孔18b,
18′bにアンカーボルト20,20′が挿入されるこ
とによって、棒状部材19,19′はアンカーボルト2
0,20′の継手軸方向外側に係止される。
【0059】従って、耐土圧シート18のU字中央部に
作用した土圧荷重は、耐土圧シート18の厚さより大き
い寸法の径を有し躯体コンクリート1,1′に所定長埋
設した耐土圧シー卜の端部18a、18′aにある棒状
部材19,19′目体の引き抜き抵抗力で固定・碇着さ
れるとともに、棒状部材19,19を介してアンカーボ
ルト20,20′に伝達されるため極めて強固にコンク
リート躯体に固定されることとなる。また、耐土圧シー
ト18の碇着部18a,18′aが安定した形で躯体コ
ンクリート内に深く埋設された構造となっていることか
ら、耐久性、耐食性に問題が無い。尚、この実施例で
は、棒状部材係止用アンカーポルト20、20′をアン
カーポルト16,16′と交互としたが、耐土圧ンート
を巻き付けて固定した棒状部材の碇着度合いを高めるた
めのものであればよく、必ずしも交互でなく自由に設定
できる。
【0060】次に、上記構成の地下構築物の継手2の機
能につき説明する。
【0061】地下構築物1,1′を地下水圧が作用する
地盤に埋設しても、これらを結合している止水用の可撓
止水部材6によって地下構築物1,1′内への漏水が防
止される。可撓止水部材6には、中央にくびれ部6aが
設けられており、地下水圧に応じて可撓止水部材6に補
強材を用いるため、地下構築物1,1′の内方への大き
な膨出変形はほとんど生じない。
【0062】また、地盤が不等沈下して、地下構築物
1,1′が大きく相対変位すると、可撓止水部材6のく
びれ部6aが伸長して地下構築物1,1′の変位を吸収
する。また、可撓止水部材6が断面U字状のくびれ部6
aを有するものであるから、可撓止水部材6の地下構築
物1,1′の相対変位の吸収は主として断面U字状可撓
止水部材6の形状変形で対応できるので可撓止水部材6
自体の伸びが小さく耐久性を阻害する可撓止水部材6へ
の内部応力の発生が殆どなく、継手における変位抵抗力
が非常に小さい。
【0063】本実施例では、充填材17の内周側の一部
をおおようにしてかつ可撓止水部材6の外周面側に位置
して環状をなすように充填材17と接触する二つの地下
構築物1,1 ′のそれぞれの端部に土砂侵入防止用耐土
圧シート18が装着されているため、地下構築物1,
1′間の相対変位が生じ、充填材17の収縮により、充
填材17と地下構築物1,1′の端面との間に隙間が生
じても、土砂侵入防止用耐土圧シート18により土砂が
捕捉されて、可撓止水部材6の中央のくびれ部6aによ
り形成された凹部6cへの土砂の侵入が防止され、耐士
圧シート18に遮られることなく通過した水圧を伴う地
下水のみが可撓止水部材6に作用することとなる。した
がって、可撓止水部材6は侵入土砂によって形状変形に
拘束を受けないことから、可撓止水部材6はその柔軟性
を失うことなく暗渠間の相対変位に追随して自由に伸縮
することができる。
【0064】また、土圧を伴う土砂は土砂侵入防止用耐
土圧シート18て受け止められ、水圧を伴う地下水は可
撓止水部材6により受け止められるため、可撓止水部材
6は土砂圧と地下水圧の双方を受け持つ必要がなく地下
水圧のみを受け持つこととなり、可撓止水部材6への荷
重負担を大幅に軽減することができる。
【0065】また、内水圧を受けた場合は、可撓止水部
材6は外周方向に加圧されるが、可撓止水部材6の外周
側に位置する耐土圧シート18および充填材17によっ
て安全に支持されるので、本発明の継手は耐内圧継手と
しても有効に機能する。
【0066】また、凹状の耐土圧シート18を用いるこ
とから、地震動の伸びの過程では、シート18の水平化
傾向により、シート18が充填材17を上向きに加圧す
る様に作用することから、充填材17はその圧力を受け
て外周土砂を外向きに加圧することとなり、充填材17
の外周部で対設躯体部間への土砂侵入は無く、円滑な地
震動の吸収が可能となっている。
【0067】また、地下水がある地盤に埋設される継手
にあっては、可撓止水部材6と耐土圧シート18に囲ま
れた部分は当然、地下水で満水状態となるが、凹状耐土
圧シート18と可撓止水部材6のU字底部の方向が同一
方向にあるため、継手が地震動により伸縮動をうけた場
合、その両底部が同一方向に移動を繰り返しながらその
伸縮動を吸収することとなる。従って、継手が伸縮動を
受けても、耐土圧シート18と可撓止水部材6に囲まれ
た部分の体積変化がほとんど無く、多少の体積変化があ
っても耐土圧シート18が透水性であるため、例えば、
その体積が縮小し、上記の囲まれた部分の地下水圧が加
圧され水圧が上昇する傾向を示しても、加圧された地下
水は耐土圧シート18を通して支障なく出入りできるの
で、地震時の伸縮動による可撓止水部材6への水圧増加
は殆ど生じることなく、地震動に安全な継手となってい
る。
【0068】また、充填材17はその外周面が地下構造
物1,1′の端部外周面と同一平面に位置するか、また
は地下構造物1,1′の端部外周面から外側に突出する
ように配置されているので、継手の設置後に土圧が作用
して充填材17に生じる圧縮変位による躯体端面間に生
じる間隙への外周土砂の侵入が阻止されるため、地震動
のうち特に縮み動や地盤変動に伴う継手の圧縮変位の吸
収が容易で確実となる。
【0069】図4は本発明の他の実施例を示す部分断面
図である。この実施例および以下に述べる各実施例にお
いて図2の実施例と同一の構成部分は図2と同一符号で
示し、その説明を省略する。
【0070】図4の実施例において、棒状部材19,1
9′が係止するアンカーボルト30,30′は継手軸方
向外側に折曲した部分30a,30′aと、この折曲し
た部分30a,30′aから立上って棒状部材19,1
9′が係止する部分30b,30′bとを有する。
【0071】この実施例によれば、アンカーボルト3
0,30′が外側に折曲している分耐土圧シート18の
コンクリート躯体中の埋設部分が長くなり、その碇着を
より強固にすることができる。
【0072】図5は本発明の他の実施例を示す部分断面
図である。図5の実施例において、棒状19,19′が
係止するアンカーボルト32,32′はその端部32
a,32′aが垂直部分32b,32′bから継手軸方
向外側にほぼ直角に折曲しており、棒状部材19,1
9′はこの折曲によって形成される隅角部32c,3
2′cに係止している。したがって、耐土圧シート18
は引張り力ばかりでなく上向きに働く力に対してもアン
カーボルト32,32′により支持されることになり、
碇着をより強固にすることができる。図6の部分断面に
示す実施例においては、継手の埋設深度か浅く耐土圧シ
ート18に作用する土荷重が比較的に小さい場合など
で、耐土圧シート端部所定長を躯体コンクリートに埋設
した棒状部材19,19′の引き抜き抵抗力で賄え、特
に両棒状部材19,19′を両アンカーボルトの外側に
係止して碇着度を向上させなくてもよい場合を示してい
る。この場合、コンクリート打設時の棒状部材19,1
9′の移動防止には、躯体コンクリート1,1′に配設
される鉄筋に添え金具等を施すなどして適宜支持固定
(図示せず)することで対応する。
【0073】図7および図8は地盤の液状化に伴う諸問
題に対処するための構成を採用した実施例を示す。
【0074】図7の部分断面図に示す実施例において
は、耐土圧シート18がコンクリート躯体に碇着される
位置から地下構造物1,1′の端部外周面までの長さl
を該位置から内周側の耐土圧シートの高さhよりも大き
く形成してある。
【0075】この構成によれば、地盤の液状化に伴い、
耐土圧シート18が万一反転することがあっても、充填
材17を伴った耐土圧シート18の反転した外周側先端
(図中点線で示す)は、地下構造物1,1′の端部外周
面に到達しないので、充填材17は反転した耐土圧シー
ト18により目地の外へ押出されることがなく、少くと
も1部は目地内に留まることが可能となり、充填材17
の目地からの遊離を防止することができる。
【0076】図8の斜視図に示す実施例においては、充
填材遊離防止用の糸状あるいは帯状の紐34を該耐土圧
シート18の内周部に穿設した孔18eを通して充填材
17の内周面17a、両側面17b,17bおよび外周
面17cにかけ渡し紐の両端34a,34b′を結ぶこ
とによって充填材17を耐土圧シート18の内周部18
fに固定している。紐34は耐土圧シート18の周方向
の複数箇所にかけ渡し、結ぶことが好ましい。
【0077】この実施例によれば、充填材17は充填材
遊離防止用の紐34により耐土圧シート18の内周部1
8fに固定されるので、地盤が液状化した場合でも充填
材17が浮力をうけて耐土圧シート18から遊離するこ
とを防止することができる。またこの紐34のかけ方に
よれば、継手が伸び変位をした場合耐土圧シート18が
拡開ししても紐34が継手軸方向外側に引張られて水平
化することにより充填材を押上げることがないので好ま
しい。
【0078】また耐土圧シート18と可撓止水部材6と
の間の空間内が地下水で満水状態になっている場合に地
震が発生し目地幅が拡大すると、通常、この空間容積が
増大し、目地幅が縮小すると、空間容積は減少する。こ
の場合、耐土圧シート18の透水係数が小さいと、この
振動周期における空間容積の増減に応じて空間内への地
下水の出入りが困難となり、満水状態の空間内部が目地
拡大期には負圧傾向を示し、目地縮小期には加圧傾向と
なる。
【0079】この目地縮小期の加圧傾向は可撓止水部材
6に対して新たな水圧荷重をカロえることとなり、可撓止
水部材6が破断されたり、瀾水の原因となる。
【0080】また、この空間内部の加圧傾向は耐土圧シ
ート18とその外周側にある充填材17を押し上げる力
として作用するため、液伏化地盤に使用した場合、地震
時に於いて充墳材17の遊離現象を加速させる恐れがあ
る。
【0081】そこで、本発明の実施例においては、この
ような地震時における耐上圧シート18と可撓止水部材
6との間の空間の地震動のうち、縮時に生じる空間容積
の減量による可撓止水部材6への水圧増加を抑制し、液
状化した地盤での充填材の遊離現象を加速させないよう
に、地振動に伴う空間容積の増減に応じて空間内への地
下水の出入りが自由になるように耐上圧シート18の透
水係数を設定している。
【0082】本発明は上記各実施例のほか、特開平7−
331682号公報の図4,図7,図13,図14,図
16および図17に示す各種タイプの継手等他の継手に
も適用することが可能である。
【0083】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、耐土圧シートの両端部はそれぞれ継手の周方
向に環状に延長する棒状部材に固着されており、棒状部
材は可撓止水部材を地下構造物の端部のコンクリート躯
体に碇着する複数のアンカーボルトの継手軸方向外側に
係止するように配置されており、また耐土圧シートの両
端部は所定の長さだけコンクリート躯体中に埋設されて
いるので枠体に碇着される場合に比べて碇着部の耐久性
と碇着の確実性・信頼性に優れている。
【0084】また、耐土圧シートの取付けに際しては、
コンクリート打設前に棒状部材がアンカーボルトの継手
軸方向外側に係止するように耐土圧シートを配置するだ
けでよいので、ボルト、ナット、碇着プレート等の碇着
金具を使用する面倒は取付作業が不要となり、取付作業
が極めて簡単で容易である。
【0085】また、請求項2記載の発明によれば、充填
材はその外周面が地下構造物の端部外周面と周一平面に
位置するかまたは地下構造物の端部外周面から外側に突
出するように配置されているので、継手の設置後に土圧
が作用して充填材に生ずる圧縮変位による地下構造物端
面間の間隙の発生が防止され、この間隙へ土砂が侵入す
ることが防止される。したがって、地震時における継手
の圧縮変位の吸収が侵入土砂によって阻害されることが
防止される。
【0086】また、請求項3記載の発明によれば、アン
カーボルトは継手軸方向外側にいったん折曲し、そこか
ら立上るように形成されているので、耐土圧シートのコ
ンクリート躯体中の埋設部分がその分長くなり碇着をよ
り強固にすることができる。
【0087】また、請求項4記載の発明によれば、棒状
部材が係止するアンカーボルトはその端部が継手軸方向
外側にほぼ直角に折曲しており、棒状部材は、アンカー
ボルトの折曲によって形成される隅角部に係止している
ので、耐土圧シートは引張り力ばかりでなく上向きに働
く力に対してもアンカーボルトにより支持されることに
なり、碇着をより強固にすることができる。
【0088】また、請求項5記載の発明によれば、耐土
圧シートが該コンクリート躯体に碇着される位置から地
下構造物の端部外周面までの長さを位置から内周側の耐
土圧シートの高さよりも大きくしたので、地盤の液状化
に伴い、充填材を伴って耐土圧シートが万一反転するこ
とがあっても、耐土圧シートの反転した外周側先端は地
下構造物の端部外周面に到達しないので、充填材は反転
した耐土圧シートにより、目地の外へ押出されることが
なく、目地内に留まることが可能となる。
【0089】また、請求項6記載の発明によれば、充填
材遊離防止用の紐を耐土圧シートの内周面に穿設した孔
を通して充填材の内周面、両側面および外周面にかけ渡
し結ぶことによって充填材を耐土圧シートの内周部に固
定したので充填材は充填材遊離防止用の紐により耐土圧
シートの内周部に固定され、地盤液状化の際充填材が遊
離することが防止される。
【0090】また、請求項7記載の発明によれば、地震
による振動期間中の耐土圧シートと可撓止水部材との間
の空間容積の増減に応じて、耐土圧シートを通して地下
水が目由に出入りできるように耐土圧シートの透水係数
を設定したので、地震動をうけて可撓止水部材が過大な
水圧を受けることなく、また、液状化地盤での耐土圧シ
ートの反転傾向による充填材の遊離現象を抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる地下構築物の継手における土砂
侵入防止構造を適用した地下構築物の継手の1実施例を
示す斜視図である。
【図2】図1に示した地下構築物の継手のI−I断面図
である。
【図3】同実施例の斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す部分断面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す部分断面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す部分断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す部分断面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す部分斜視図である。
【図9】従来の継手を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1′ 地下構築物 2 継手 6 可撓止水部材 17 充填材 18 耐土圧シート 19、19′棒状部材 20、20′アンカーボルト

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の相対向させた地下構造物の各端部
    に跨って、ゴム・合成樹脂等の可撓性材料からなる短筒
    状に形成された可撓止水部材を装着し、該可撓止水部材
    の外周側の地下構造物間の目地空間内にゴム・合成樹脂
    等の弾性材からなる環状の充填材を挿入するとともに、
    該可撓止水部材の外周側において該充填材の内周側の一
    部分を覆うようにして、土砂を通過させずに水を通過さ
    せる可撓性材料からなる内周側に膨出した短筒状の土砂
    侵入防止用耐土圧シートを地下構造物の各端部に跨って
    装着してなる地下構造物の継手における土砂侵入防止構
    造において、 該耐土圧シートの両端部はそれぞれ継手の周方向に環状
    に延長する棒状部材に固着されており、該棒状部材は該
    可撓止水部材を地下構造物の端部のコンクリート躯体に
    碇着する複数のアンカーボルトの継手軸方向外側に係止
    するように配置されており、該耐土圧シートの両端部は
    所定の長さだけ該コンクリート躯体中に埋設されている
    ことを特徴とする地下構造物の継手における土砂侵入防
    止構造。
  2. 【請求項2】 該充填材はその外周面が地下構造物の端
    部外周面と周一平面に位置するかまたは地下構造物の端
    部外周面から外側に突出するように配置されていること
    を特徴とする請求項1記載の地下構造物の継手における
    土砂侵入防止構造。
  3. 【請求項3】 該棒状部材が係止する該アンカーボルト
    は継手軸方向外側に折曲した部分と、この折曲した部分
    から立上って該棒状部材が係止する部分を有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の地下構造物の継手
    における土砂侵入防止構造。
  4. 【請求項4】 該棒状部材が係止する該アンカーボルト
    はその端部が継手軸方向外側にほぼ直角に折曲してお
    り、該棒状部材は、該アンカーボルトの折曲によって形
    成される隅角部に係止していることを特徴とする請求項
    1または2記載の地下構造物の継手における土砂侵入防
    止構造。
  5. 【請求項5】 該耐土圧シートが該コンクリート躯体に
    碇着される位置から地下構造物の端部外周面までの長さ
    を該位置から内周側の該耐土圧シートの高さよりも大き
    くしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の地下構造物の継手における土砂侵入防止構造。
  6. 【請求項6】 充填材遊離防止用の紐を該耐土圧シート
    の内周面に穿設した孔を通して該充填材の内周面、両側
    面および外周面にかけ渡し結ぶことによって該充填材を
    該耐土圧シートの内周部に固定したことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の地下構造物の継手におけ
    る土砂侵入防止構造。
  7. 【請求項7】 地震による振動期間中に於いて該耐土圧
    シートと該可撓止水部材に囲まれた空間容積の増減に応
    じてその空間内への地下水の出入りが自由になるように
    該耐土圧シートの透水係数を設定したことを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の地下構造物の継手にお
    ける土砂侵入防止構造。
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