JPH1088558A - 埋設物の埋戻し材 - Google Patents

埋設物の埋戻し材

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JPH1088558A
JPH1088558A JP8240172A JP24017296A JPH1088558A JP H1088558 A JPH1088558 A JP H1088558A JP 8240172 A JP8240172 A JP 8240172A JP 24017296 A JP24017296 A JP 24017296A JP H1088558 A JPH1088558 A JP H1088558A
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大志 安部
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操 鈴木
Hideaki Hoshi
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊なミキサー等を必要とすることなく、流
動化埋め戻し工法に用いることのできる、掘削発生土を
高い利用率で利用し、所望の流動性及び強度特性を備え
た埋設物の埋戻し材を提供する。 【解決手段】 埋設物の埋戻し材は混合土1m3 当た
り、掘削発生土0.5〜0.75m3 と、セメント10
0〜300kgと添加水250〜450kgで形成し、
かつセメント1に対して水を1〜3重量部の割合で含む
ように形成したセメントミルクを配合した混合土で、且
つそのスランプフロー値が350mm以上1000mm
未満であって、一軸圧縮強度(28日後)が0.5〜
5.0kgf/cm2 の範囲にあるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は掘削発生土を利用
し、所望の流動性及び強度特性を備えた埋設物の埋戻し
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガス管、水道管、下水管等の埋設
物は、埋設された後に、埋戻し材として、多くの場合、
別の場所から採取した良質の山砂等が利用されていた。
【0003】これは、掘削発生土が埋設物の埋戻し材と
して適している場合が少ないことや、その判別基準及び
適用基準が明確でなかったことによる。
【0004】しかし、近年、天然資源である良質砂の枯
渇化、その採取による環境破壊、その運搬による交通公
害、および掘削発生土の処分地問題などの観点から、こ
れまでの埋戻し材として不適と判断されてきた掘削発生
土を有効利用しようとする動きが活発化してきており、
掘削発生土に土質改良材等を混合することにより、良質
の埋戻し材として利用する技術等も普及し初めている。
【0005】また、掘削発生土の判別基準、適用基準も
徐々に明確化されてきており、掘削発生土の性状や用途
に合わせた処理方法、利用方法も具体化されつつある。
【0006】一方、締固めを必要とする従来の埋戻し工
法にも検討が行なわれ、それに代わって、流動化埋戻し
工法が開発され、一部実用化されている。
【0007】この工法は、土砂に水と固化材を混合し、
流動性と自硬性を持たせることにより、狭隘部でも締固
め作業なしで充填させ、さらに地山と同等以上の強度を
持たせるものであり、土砂として掘削発生土の利用も可
能である。
【0008】例えば、特開昭63−233115号公
報、特開平1−312118号公報、特開平4−351
388号公報には、土砂に水と固化材を混合し、流動性
を持たせた流動化土として埋設管などの埋戻しに用いる
工法が開示されている。
【0009】また、特開平7−011667号公報に
は、ミキサー等を用いて掘削発生土に固化材と水とを混
合したスラリーを加えて攪拌し、所定の流動性を持たせ
る掘削発生土の処理方法及び、その処理装置が開示され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した流動化埋戻し
工法は、それなりの効果が期待できるが、流動化埋戻し
工法に掘削発生土を用いる場合以下のような問題があ
る。
【0011】掘削発生土を用いる場合、土質により流動
化土の強度特性が異なるため、土質ごとの固化材選定お
よび配合が必要となり、事前に掘削発生土を用いた充分
な配合試験を行う必要がある。
【0012】また、ミキサーでの混合性やポンプ圧送性
の点から、事前に掘削発生土の十分なふるい分けを行な
い、礫等を除去し、適正粒度に調整する必要がある。
【0013】したがって、掘削発生土を発生現場で即時
に処理して、再利用することは非常に困難であり、実績
は皆無に等しい。掘削発生土を一端現場外へ持出して処
理し、再利用することは可能であるが、このための費
用、手間を要するのみならず、運搬にともなう交通公害
が生じ、問題化している。
【0014】一方、掘削発生土は所定の流動性を得るた
め水を混合することが必要であるが、均質な性状を得る
ため土塊を土粒子レベルにまで細かくする必要がある。
【0015】細粒分含有率が高い掘削発生土を用いる場
合は必要水量が多くなり、また、粗粒分が多い掘削発生
土を用いる場合は材料の分離を防止するために、細粒分
を補填する必要がある。
【0016】したがって、掘削発生土を用いる場合には
工程が煩雑になり易く、また、流動化土(混合土)単位
当たりの掘削発生土の再利用率は細粒土の場合で30〜
50%、粗粒土の場合でも、40〜60%程度である。
【0017】又、上述した流動化土の製造方法では、掘
削発生土に水または泥水を混合し、土粒子が完全にほぐ
れ均一な泥水状となるまで混練した後、固化材を混合
し、均一になるまで混練することが必要であり、特殊な
ミキサーを有する専用プラントが必要となる。
【0018】本発明は、上記のような問題点の解決を図
ったものであり、特殊なミキサー等を必要とすることな
く、掘削発生土を高い利用率で利用し、所望の流動性及
び強度特性を備えた埋設物の埋戻し材を提供することを
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は混合土1m3
たり、掘削発生土0.5〜0.75m3 と、セメント1
00〜300kgと添加水250〜450kgで形成
し、かつ前記セメント1に対して前記水を1〜3重量部
の割合で形成したセメントミルクを配合した混合土で、
且つそのスランプフロー値が350mm以上1000m
m未満であって、一軸圧縮強度(28日後)が0.5以
上5.0kgf/cm2 以下の範囲にあることを特徴と
する埋設物の埋戻し材である。
【0020】埋設物の埋戻し材のスランプフロー値を3
50mm以上1000mm未満に限定したのは、350
mm未満では本発明を適用する流動化埋め戻し工法での
充填に必要な流動性が不足し、1000mm以上の場合
には材料分離の程度が大きくなりすぎ、強度がバラツク
ことによる。
【0021】また、一軸圧縮強度(28日後)を0.5
以上5.0kgf/cm2 以下に限定したのは、地山強
度並みにすることを前提としたものであり、0.5kg
f/cm2 未満では道路構造としての強度が不足し、
5.0kgf/cm2 を超えた場合には導管等の埋設物
を再掘削する場合に困難であることによる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
【0023】本発明は掘削発生土とセメントミルクを配
合した混合土による埋設物の埋戻し材で、流動化埋め戻
し工法に適した流動性と、地山強度並みの一軸圧縮強度
0.5以上5.0kgf/cm2 以下(28日後)の発
現性を付与させたものである。
【0024】セメントミルクを用いるのは以下の理由に
よる。すなわち、セメントミルクは均質な液体状である
ため、掘削発生土との混合の際に土塊を必要以上にとき
ほぐすことなく、土塊の周りを取囲むことができる。
【0025】このため、適度にほぐれた土塊が、土の細
粒分が適当に溶け込んだセメントミルクに中に均一に浮
遊する混合土を容易に得ることが可能となる。
【0026】この混合土は、液体中に密度のほぼ等しい
固体が浮遊している状態であるため、分離し難く、流動
性は添加水量が同一の流動化土と比較し高い。
【0027】したがって、掘削発生土利用率を高めるこ
とが可能となる。また、土塊をそのまま利用でき、混合
では土粒子レベルにまで細粒化する必要がないため、掘
削発生土の前処理は不要となり、混合方法および装置は
簡略化可能となる。さらに、混合土の強度が主としてセ
メントミルクにより支配され、土質の影響を受けにくい
ため、多様な土質に対応できると同時に、土質ごとの固
化材選定および配合の負担は軽減される。
【0028】本発明ではセメントミルクは混合土1m3
当たり、セメント100〜300kgと添加水250〜
450kgで形成し、かつセメント1に対して水を1〜
3重量部の割合で形成することが必要である。
【0029】セメントミルクにおけるセメントと添加水
の割合は後述する表1及び図1、図2に示すような実験
結果に基づいて限定したものである。
【0030】混合土1m3 当たり、セメント100kg
未満では混合土の強度が不足し、300kgを超えた場
合には混合土の強度が高くなりすぎる。添加水250k
g未満では混合土の流動性が不足し、添加水450kg
を超えた場合には混合土の材料分離の程度が大きくなり
過ぎ、強度も不足する。セメント1に対して水が1重量
部の割合を下回った場合、混合土の流動性が充分得られ
なかったり強度が高すぎる。セメント1に対して水が3
重量部の割合を上回った場合、混合土の材料分離の程度
が大きくなりすぎたり、強度が小さくなりすぎる。
【0031】また掘削発生土はセメントミルクとの関係
において、混合土1m3 当たり、0.5〜0.75m3
の範囲で配合することが必要である。
【0032】後述する表1に基づいて、0.5m3 未満
では混合土の材料分離の程度が大きくなり過ぎ、強度も
高くなりすぎる。また、0.75m3 を超えた場合には
混合土の流動性が不足し、強度が不足する。
【0033】次に本発明の実験結果を詳述する。掘削発
生土の混合土1m3 当たりについて、セメントミルクの
添加水とセメントとの割合(W/C)(%)を330
%、300%、250%、200%、175%、150
%、100%、90%による8区分とし、区分内で掘削
発生土の利用率を変化させて、試料No.1〜No.4
0を作製し、混合土のスランプフロー値と一軸圧縮強度
(28日後)を測定した。
【0034】表1にセメントミルクと掘削発生土の配合
条件と、その場合の混合土のスランプフロー値と一軸圧
縮強度(28日後)を示す。
【0035】スランプフロー値(mm)の測定は以下の
ようである。試験用具にスランプコーンを用いる。スラ
ンプコーンは上端内径10cm、下端20cmおよび高
さ30cmの鉄製のものを用い、適当な位置に抑えと取
っ手をつけている。
【0036】試験方法は、内面を湿布等で拭き、水平に
設置した水密性平板上に置き、試料を詰める。上端を均
した後、直ちにスランプコーンを引上げる。引上げる時
間は、高さ30cmで2〜3秒とする。
【0037】広がった試料の長径とその直角方向の径を
測定し、その平均値をスランプフロー値(mm)とす
る。
【0038】また、一軸圧縮強度(28日後)(kgf
/cm2 )の測定はJSF T 511−1990の
「土の一軸圧縮試験方法」による。
【0039】
【表1】
【0040】表1において、スランプフロー値(mm)
が1000mm以上のものは、スランプフロー値(m
m)の測定試験で、試料が平板上を溢れて測定が困難で
あったものであり、ここでは**1000mmで表示し
た。
【0041】また、本発明の埋戻し材が必要とするスラ
ンプフロー値(mm)と一軸圧縮強度(28日後)の特
性を外れたものは*印で表示した。
【0042】また、必要とする特性を外れたものに対応
する配合条件のものには★印を表示し、備考に比較例と
して表示し、必要とする特性を満足した配合条件のもの
には、備考に発明例として表示した。
【0043】表1から明らかなように、掘削発生土の混
合土1m3 当たりの利用率は75%を超えた試料No.
3の場合には混合土の流動性が不足し、強度が不足して
いる。また、50%未満の試料No.15、No.2
2、No.29、No.35の場合には流動性が非常に
大きく、混合土の材料分離の程度が大きくなり過ぎ、N
o.35の場合には強度も高くなりすぎている。
【0044】セメントミルク中のセメントに対する水の
割合が3を超えたNo.1,No.2は強度が不足し、
No.2では材料分離の程度も大きくなりすぎている。
また、セメントに対する水の割合が1を下回ったNo.
39、No.40ではいずれも強度が高くなりすぎ、流
動性も不足している。
【0045】次に表1に基づく実験結果から、単位添加
水量(混合土1m3 当たりの添加水量)とスランプフロ
ー値(SFL)(mm)の関係を図1に示し、単位セメ
ント量(混合土1m3 当たりのセメント量)と一軸圧縮
強度(qu)(28日後)(kgf/cm2 )の関係を
図2に示す。
【0046】図1、図2において、記号■、□、○、
△、▽、◇、+、◆はミルクセメントに於ける添加水/
セメント(W/C)(%)の区分で、順に330%、3
00%、250%、200%、175%、150%、1
00%、90%を示している。
【0047】図1から明らかなように、単位添加水は混
合土1m3 当たり、点線で囲まれた、添加水250kg
〜450kgの範囲が適当である。
【0048】250kg未満では混合土の流動性が不足
し、添加水450kgを超えた場合には混合土の材料分
離の程度が大きくなり過ぎ、強度も不足している。
【0049】図1において、上記したように、スランプ
フロー値(mm)が1000mm以上のものは、試験方
法において、平板上から試料が溢れ、測定が困難であっ
たものであり、符号Aで示す一点鎖線の枠内に表示し
た。
【0050】また、図2から明らかなように、単位セメ
ント量は点線で囲まれた、混合土1m3 当たり、セメン
ト100〜300kgの範囲が適当である。
【0051】セメント100kg未満では混合土の強度
が不足し、300kgを超えた場合には混合土の強度が
高くなりすぎている。
【0052】図3は本発明による掘削発生土とセメント
ミルクを混合した埋戻し材を埋設管設置溝へ埋戻し充填
した一実施の形態の模式図である。
【0053】溝1に設置された埋設管2の周りに埋戻し
材3が充填されている。埋戻し材3を構成する土塊部4
は適度にほぐれた状態で、これを取り囲むように細粒分
がセメントミルクに溶け込んだセメントミルク部5に浮
遊して散在している。
【0054】埋戻し材3は適当な流動性を保持して、埋
設管2周りに充填され、その状態でセメントミルクが固
化して一軸圧縮強度(28日後)が地山強度並みに得ら
れる。
【0055】そのために、埋設管2を再掘削する場合に
容易である。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば以下の効
果を奏することができる。
【0057】導管等の埋設物の現地で、即時に掘削発生
土を再利用できる。埋戻し材は流動性を有するので、埋
設物の埋設に締固めが不要であり、締固めのためのスペ
ースが不要であり、そのため掘削幅を狭めることがで
き、掘削発生土量を低減できる。
【0058】また、掘削発生土は発生現場で簡易に処理
され、埋戻しに利用できるので、従来のような現場外へ
の運搬、処分が不要となり、それらに要する手間、コス
トおよび交通公害を大幅に低減できる。
【0059】埋戻し材における混合土単位水量が少なく
てすむため、掘削発生土の利用率が増加する。
【0060】埋戻し材はセメントミルクの使用により、
土質、セメント、添加水による強度のバラツキが小さ
く、したがって、配合に関する技術的な負担が軽減さ
れ、また、試験費用等のコストが低減される。
【0061】さらに、セメントミルクに汎用的なポルト
ランドセメントを利用することができるので、コストが
低減される。
【0062】簡易混合による製造が可能なために製造コ
ストが低減され、また、施工能率の向上が期待できる。
【0063】埋戻し材は多くは土塊状態で存在している
ため、掘削性は掘削前の掘削発生土の性質に近く、容易
に再掘削可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単位添加水量とスランプフロー値(m
m)の関係を示す図である。
【図2】本発明の単位セメント量と一軸圧縮強度の関係
を示す図である。
【図3】本発明による掘削発生土とセメントミルクを混
合した埋戻し材を埋設管設置溝へ埋戻し充填した一実施
の形態の模式図である。
【符号の説明】
1 溝 2 埋設管 3 埋戻し材 4 土塊部 5 セメントミルク部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混合土1m3 当たり、掘削発生土0.5
    〜0.75m3 と、セメント100〜300kgと添加
    水250〜450kgで形成し、かつ前記セメント1に
    対して前記水を1〜3重量部の割合で含むように形成し
    たセメントミルクを配合した混合土で、且つそのスラン
    プフロー値が350mm以上1000未満であって、一
    軸圧縮強度(28日後)が0.5以上5.0kgf/c
    2 以下の範囲にあることを特徴とする埋設物の埋戻し
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06344328A (ja) * 1993-06-11 1994-12-20 Kitaro Uchida 速硬性流動化処理土、およびそれを用いる路床・路体急速構築方法
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