JPH1088540A - 空隙を有する舗装の掃除方法及び掃除車両 - Google Patents

空隙を有する舗装の掃除方法及び掃除車両

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JPH1088540A
JPH1088540A JP26774296A JP26774296A JPH1088540A JP H1088540 A JPH1088540 A JP H1088540A JP 26774296 A JP26774296 A JP 26774296A JP 26774296 A JP26774296 A JP 26774296A JP H1088540 A JPH1088540 A JP H1088540A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の移動速度に関係なく、確実に空隙を有
する舗装の透水能力を回復させること。 【解決手段】 車両1に設けたノズル3より舗装表面に
水を噴出して舗装の空隙に詰まったものを洗い出すとと
もに車両の舗装表面に向けて設けた吸引ノズル4により
噴出した水を回収するようにした掃除車両において、車
両の移動速度が速くなるにしたがって水の噴出圧力を高
めるとともに吸引ノズルと舗装表面の間隙が小さくなる
ように吸引ノズルの位置を調節するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空隙を有する舗装
の空隙に詰まったゴミや砂等を水圧を利用して除去し、
空隙を有する舗装の透水能力等の機能を回復させるよう
にした空隙を有する舗装の掃除方法及び掃除車両に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】舗装表層に多数の空隙を形成し、雨水が
この空隙から地下に浸透するようにした空隙を有する舗
装、一般的には排水性舗装,透水性舗装,開粒度舗装等
と呼ばれるものが近年広く施工されるようになってい
る。
【0003】ところで、この空隙は舗装完成後1年程度
でゴミや砂等により目詰まりをし、透水能力が低下して
しまう。したがって、目詰まりをしてしまったのでは空
隙を有する舗装として機能しなくなりこのような舗装の
意義がなくなっていしまうので、この目詰まりの原因と
なっているゴミや砂等を除去する方法や装置が各種考え
られている。
【0004】例えば、特公昭61−472489号公報
に示されるものは、圧力水を舗装表面にほぼ垂直に噴射
するようにして目詰物を洗掘して流出させるようにした
ものであり、特開昭63−223206号公報に示され
るものは、これに噴射した水を吸引する吸引装置を組合
せたものである。また、より洗浄能力を効果的なものと
するものとして特開平4−113240号公報や特開平
4−324658号公報に示されるようものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来から行
われているこのような方法は一定の条件下においてはそ
れなりの効果があるが、掃除車両より水を噴出して移動
しながら掃除作業(機能回復作業)を行う場合につい
て、車両の移動速度が重要な要件となることについての
認識が欠けていた。
【0006】すなわち、一般に供用されている道路を掃
除する場合には、掃除作業に伴う交通規制を最小時間に
する必要があり、そのためには作業時の掃除車両の移動
速度を可能な限り速くして行うことが望ましい。
【0007】したがって、掃除車両の移動速度を速くし
て掃除作業を行えばよいのであるが、水の吐出圧力を一
定のままで移動速度を速めたのでは車両の移動速度が速
くなるにしたがい掃除結果が不完全なものとなることが
わかったのである。
【0008】すなわち、ある一定面積の舗装面を掃除す
るためにはある範囲の量の水を舗装面に向けて噴出する
必要があることと、掃除車両の移動速度を速めるにした
がってノズルからの噴出圧力を高める必要があることが
種々実験した結果わかった。また、この必要とする水の
量も舗装面の空隙の詰まり具合や、詰まっている土砂の
種類等によっても左右されることがわかった。したがっ
て、掃除車両の移動速度を速めた場合には、それにした
がって噴出ノズルから噴出する水の圧力を高める必要が
あるのである。すなわち、噴出ノズルの口径を一定とし
た場合には水の噴出圧力を上昇させる必要がある。
【0009】一方、水の噴出量を多くすると一定時間に
舗装面に溜る水の量が増える。水を回収するための吸引
ノズルを一定の高さにしておくと、吸引ノズルが水中に
位置してしまうことになるが、吸引装置の性質上吸引ノ
ズルが水の中に入ってしまうと水の吸引能力が極度に低
下してしまう。したがって、掃除車両の移動速度を遅く
して水量を多くした場合には、遅くした速度に応じて吸
引ノズルが路面から遠ざかるように高さを調節する必要
がある。後述する実験結果に示すように、掃除車両の移
動速度を速めるにしたがって水の噴出圧力は上昇させる
が、単位面積当たりの水の吐出量の合計は移動速度が遅
いほど多いのである。
【0010】また、噴出ノズルより舗装面に向けて水を
噴出する場合には、噴出した水が舗装面に対し垂直より
やや前方に当たることが望ましい。掃除車両の移動速度
が速くなると噴出ノズルからの水は車両の移動速度分後
方に向いてしまう。したがって、車両の移動速度が速く
なっても噴出ノズルからの水が舗装面に垂直よりやや前
方に当たるようにするためには、車両の速度に応じて噴
出ノズルの路面に対する向きを調節する必要がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明にかか
る空隙を有する舗装の掃除方法は、車両に設けたノズル
より舗装表面に水を噴出して舗装の空隙に詰まったもの
を洗い出すようにした掃除方法において、車両の移動速
度が速くなるにしたがって水の噴出圧力を高めるように
し(請求項1)、また請求項1に加え車両の舗装表面に
向けて設けた吸引ノズルにより噴出した水を回収するよ
うにした掃除方法において、車両の移動速度が速くなる
にしたがって吸引ノズルと舗装表面の間隙が小さくなる
ように吸引ノズルの位置を調節するようにし(請求項
2)、また請求項1又は請求項2に加え車両の移動速度
が速くなるにしたがい、ノズルより舗装表面に噴出され
る水の角度が、垂直方向に対し車両の進行方向に向かっ
て大きくなるようにした(請求項3)ものである。
【0012】また、この発明にかかる空隙を有する舗装
の掃除車両は、車両に設けたノズルより舗装表面に水を
噴出して舗装の空隙に詰まったものを洗い出すようにし
た掃除車両において、車両の移動速度が速くなるにした
がって水の噴出圧力を高めるようにし(請求項4)、請
求項4に加え車両の舗装表面に向けて設けた吸引ノズル
により噴出した水を回収するようにした掃除車両におい
て、車両の移動速度が速くなるにしたがって吸引ノズル
と舗装表面の間隙が小さくなるように吸引ノズルの位置
を調節するようにし(請求項5)、また請求項4又は請
求項5に加え車両の移動速度が速くなるにしたがい、ノ
ズルより舗装表面に噴出される水の角度が、垂直方向に
対し車両の進行方向に向かって大きくなるようにノズル
の向きが変わるようにした(請求項6)ものである。
【0013】
【作用】掃除車両の移動速度を速めるにしたがって水の
噴出圧力を高める。水の噴出圧力を高めると、それだけ
ノズルから一定時間に噴出される水量が増加することに
なる。したがって、車両の移動速度が速くなっても、路
面の掃除に必要な水量が噴出ノズルから舗装面に向かっ
た噴出されることになり、空隙の掃除が確実に行われる
ことになる。
【0014】一方吸引ノズルの高さを、掃除車両の移動
速度が速くなるにしたがって路面から低くなるように調
節すると、速度を速めた結果単位時間当たりの水の吐出
量よりも移動速度のが大きいために結果として路面上の
水位が下降しても、水位の下降に伴って吸引ノズルの路
面との隙間が必要以上にあいてしまうことが防止でき、
常に100%の吸引能力を発揮できることになる。
【0015】また、水の噴出ノズルの向きを車両の移動
速度が速くなるにしたがい、ノズルより舗装表面に噴出
される水の角度が、垂直方向に対し車両の進行方向に向
かって大きくなるようにすることにより、噴出される水
が車両の速度に影響されることなく常に路面に対して垂
直よりやや前方に当たるようになる。
【0016】
【発明の実施の態様】次に、この発明に係る空隙を有す
る舗装の掃除車両の一実施例を図面に基づいて説明す
る。そしてその次に、この掃除車両を用いてこの発明に
係る空隙を有する舗装の舗装方法について説明する。
【0017】[実施例1]1は自走式の掃除車両本体で
あり2運転席である。3は水を舗装表面に向けて噴出す
るための噴出ノズルであり、この噴出ノズル3は舗装表
面に向けて配設してある。4は舗装表面や空隙内のゴミ
や砂や水等を吸引して回収するための吸引ノズルであ
る。また、掃除車両1には水タンクやごみタンクを備え
ておいてもよく、あるいはこれらは別の車両に設けてお
いてもよい。また、掃除車両1を自走式とせず、他の車
両等によって牽引するようなものとしておいてもよい。
【0018】噴出ノズル3から水を噴射するための給水
ポンプや、吸引ノズル4から水を吸引するための真空ポ
ンプは掃除車両1の原動機により直接駆動してもよく、
あるいは駆動原を電動機としてもよい。いずれにして
も、噴出ノズル3からの水の噴出圧力が車両の移動速度
により変化するようにしておく。一方、吸引ノズル4の
位置も車両の移動速度により変化するようにしておく。
また、噴出ノズル3の角度も車両の移動速度により変化
するようにしておく。
【0019】車両の移動速度によりこれらを変化させる
にはどのような方法によってもよいが、車両の移動速度
を各種の公知方法により検出し、この結果により給水ポ
ンプの吐出圧力,噴出ノズル3の角度,吸引ノズル4の
位置等を適当な方法により制御すればよい。また、給水
ポンプの吐出圧力を変更する代わりに、噴出ノズル3の
口径を変化させて圧力を変化させたり、または噴出ノズ
ル3から全量噴出されずに一部は給水タンクに戻るよう
にして噴出ノズル3からの噴出圧を変化させるようにし
てもよい。
【0020】[実施例2]次に、この発明にかかる空隙
を有する舗装の掃除方法を上述した掃除車両を用いて説
明する。
【0021】車両1を自走させながら噴出ノズル3から
水を噴出しつつ吸引ノズル4により路面上の水及びゴミ
や土砂等を吸引回収する。より具体的には、まず任意の
透水試験方法等により舗装路面の透水量試験を行い空隙
の詰まり具合を調べる。このデータに基づき、掃除車両
1の移動速度が最低速度(例えば10m/min)の場
合に必要とされる噴出圧力を決定するか、またはその路
面で実際に掃除作業を行い機能回復状況を確認する。
【0022】この必要とされる噴出圧力は、空隙率や空
隙の詰まり具合、あるいは空隙に詰まっている土砂等の
性質等によっても左右されるものであり、機械的に決定
できるものではなく、掃除作業を行う路面により変化す
るものである。
【0023】そして、この最低速度時の必要噴出圧力が
決定したならば、後は掃除車両1の速度を速めるにした
がって噴出ノズル3からの水の噴出圧力を高めればよ
い。なお、次に示す実験例よりわかるように、必要とさ
れる噴出圧力は速度変化に対し直線的に高くなるように
すればよい。
【0024】一方、吸引ノズル4は掃除車両1の速度が
速くなるにしたがい吸引ノズル4の下端が路面に近づく
ように変化させる。要は、吸引ノズル4の下端が路面上
に溜った水に没しない範囲でできるだけ水面に近い位置
にあることが望ましいが、この調節は車両の移動速度が
速くなるにしたがって吸引ノズル4を下降させるように
しておけばよい。より厳密に吸引ノズル4の位置を調節
するためには、路面上の水面位置を検出するような装置
を設けて、これにより吸引ノズル4の高さを調節しても
よい。
【0025】また、掃除車両1の速度が速くなるにした
がい噴出ノズル3を車両1の進行側に向けるようにし
て、噴出ノズル3から噴射された水が結果として舗装路
面に対し垂直よりやや前方に当たるようにする。この調
節量はノズルの形式や噴射角度等により異なるものであ
り、またそれほど厳密な調整を必要とするものではな
い。なお、噴出ノズル3を掃除車両1の中央部に設け、
吸引ノズル4を掃除車両1の前後に設けて掃除車両1の
前進時にも後退時にも作業が行えるようにした場合に
は、噴出ノズル3は前後両方向に変更できるようにして
おくと都合が良い。
【0026】[実験例]次に、各種路面に対して作業速
度を変更して掃除作業を行った場合の機能回復試験結果
を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】試験条件は次のとおりである。まず、空隙
の詰まり状況は次のとおりである。 A:砂質土系の空隙詰まりであり、事前の現場透水量試
験結果は900cc/15sec程度である。 B:粘性土質系の空隙詰まりであり、事前の現場透水量
試験結果は200cc/15sec程度である。 C:工事車両による赤土の空隙詰まりであり、事前の現
場透水量試験結果は600cc/15sec程度であ
る。 なお、新設時の現場透水量試験結果は、一般的には10
00〜1200cc/15sec程度である。
【0029】機能回復評価は、現場透水量試験で作業の
前後に明確な差が見られた場合(上記B及びC)、又は
試験目視で明確な差が確認できた場合(上記A)を「良
好」として、「不良」,「やや良好」,「良好」の三段
階で評価した。なお、使用したノズルは異物通過径1.
4mm、噴出角15度である。
【0030】上記試験結果より明らかなように、作業速
度を速めるにしたがって噴出圧力を高めないと機能回復
評価が「良好」とならないことがわかる。また、A,
B,Cのいずれの路面状況においても、必要な噴出圧力
はy=ax+bの関係で変化させればよいことがわか
る。なお、yは必要とされる噴出圧力、xは車両の移動
速度,cは車両の移動速度を最低速度とした場合に必要
とされる噴出圧力、aは路面に応じて変化する係数であ
る。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、この発明にかかる空
隙を有する舗装の掃除方法によれば、車両の移動速度が
速くなるにしたがって水の噴出圧力を高めるようにした
ので、掃除車両の速度を速めても確実に掃除作業を行う
ことができ、したがって掃除時間の短縮が図れる。また
車両の移動速度が速くなるにしたがって吸引ノズルと舗
装表面の間隙が小さくなるように吸引ノズルの位置を調
節するようにしがたので、吸引ノズルが水没しない範囲
で常に最適な位置となり、したがって路面上に溜ってい
る水をゴミ等とともに確実に吸引することができる。そ
して、ノズルより舗装表面に噴出される水の角度が、垂
直方向に対し車両の進行方向に向かって大きくなるよう
にしたので、車両の移動速度を速めても常に水が路面に
対しほぼ垂直よりやや前方に当たるようにすることがで
きる。
【0032】また、この発明に係る空隙を有する舗装の
掃除車両によれば、上記掃除方法が簡単に行える効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る空隙を有する舗装の掃除車両の
一実施例を示した側面図である。
【符号の説明】
1 車両 2 座席 3 噴出ノズル 4 吸引ノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に設けたノズルより舗装表面に水を
    噴出して舗装の空隙に詰まったものを洗い出すようにし
    た掃除方法において、車両の移動速度が速くなるにした
    がって水の噴出圧力を高めるようにしたことを特徴とす
    る空隙を有する舗装の掃除方法。
  2. 【請求項2】 車両に設けたノズルより舗装表面に水を
    噴出して舗装の空隙に詰まったものを洗い出すとともに
    車両の舗装表面に向けて設けた吸引口により噴出した水
    を回収するようにした掃除方法において、車両の移動速
    度が速くなるにしたがって水の噴出圧力を高めるととも
    に吸引ノズルと舗装表面の間隙が小さくなるように吸引
    ノズルの位置を調節するようにしたことを特徴とする空
    隙を有する舗装の掃除方法。
  3. 【請求項3】 車両の移動速度が速くなるにしたがい、
    ノズルより舗装表面に噴出される水の角度が、垂直方向
    に対し車両の進行方向に向かって大きくなるようにした
    請求項1又は請求項2記載の空隙を有する舗装の掃除方
    法。
  4. 【請求項4】 車両に設けたノズルより舗装表面に水を
    噴出して舗装の空隙に詰まったものを洗い出すようにし
    た掃除車両において、車両の移動速度が速くなるにした
    がって水の噴出圧力を高めるようにしたことを特徴とす
    る空隙を有する舗装の掃除車両。
  5. 【請求項5】 車両に設けたノズルより舗装表面に水を
    噴出して舗装の空隙に詰まったものを洗い出すとともに
    車両の舗装表面に向けて設けた吸引ノズルにより噴出し
    た水を回収するようにした掃除車両において、車両の移
    動速度が速くなるにしたがって水の噴出圧力を高めると
    ともに吸引ノズルと舗装表面の間隙が小さくなるように
    吸引ノズルの位置を調節するようにしたことを特徴とす
    る空隙を有する舗装の掃除車両。
  6. 【請求項6】 車両の移動速度が速くなるにしたがい、
    ノズルより舗装表面に噴出される水の角度が、垂直方向
    に対し車両の進行方向に向かって大きくなるようにノズ
    ルの向きが変わるようにした請求項4又は請求項5記載
    の空隙を有する舗装の掃除車両。
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