JP3675900B2 - 舗装の目詰まり物の除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舗装の空隙、特に排水性舗装の空隙に詰まった土砂や粉塵等の目詰まり物を除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、図5を参照して排水性舗装について説明すると、排水性舗装aとは、路床bの上に路盤c、基層d及び通水可能な空隙eを有する表層fを順次敷設して形成された舗装をいい、降雨時に表層fの空隙eに流入した雨水を図示しない側溝に導いて排水することにより、スモーキング現象やハイドロプレーニング現象等の走行安全性を阻害する要因を減らす機能を持つ。また、表層fの空隙eが吸音能力を有することから、車両走行時のタイヤの騒音を小さくする機能も併せ持つ。尚、排水性舗装の基層d部分は、路盤cの保護のために非通水性とされている。
【0003】
しかしながら、かかる排水性舗装aにおいては、車両の走行や風等の影響によって表層fの空隙eに土砂や粉塵等が詰まってしまい、上述した優れた諸機能が比較的短期間で低下してしまう不都合がある。
そこで、排水性舗装の優れた諸機能を回復する装置として、米国特許第4845801号に記載のものが開示されている。
【0004】
この装置は、図6に示すように、道路の幅方向に沿って配置された複数のノズルgを備えたもので、該ノズルgから排水性舗装aの表面hに対して斜めに高圧水を噴射し、この噴射圧力により表層fの空隙eに詰まった土砂や粉塵等の目詰まり物を舗装表面hに浮き上がらせ、浮き上がった目詰まり物と水との混合水(汚泥水)を吸引ダクトiによって吸引回収するようにしたものである。
【0005】
しかしながら、かかる装置においては、単に一方向からのみ舗装表面hに対して高圧水を噴射しているため、噴射された高圧水が目詰まり物の大部分を基層dに向けて押しやったり、該高圧水の圧力が表層fの内部で周囲に拡散してしまう。このため、高圧水の圧力を空隙eの目詰まり物に対して有効に作用させることができず、空隙eの目詰まり物を十分に除去することができないという不都合がある。
【0006】
そこで、このような不都合を解消するために、特願平6−310727号明細書に記載の装置を本出願人等は先に提案した。
この装置は、図7に示すように、一方向から舗装表面hに指向して配置された第1の噴射ノズルjと、他方向から舗装表面hに指向して配置された第2の噴射ノズルkとを備えたもので、第1及び第2の噴射ノズルj,kの指向方向の各延長線が舗装表面hより下方で交差するようにされている。
【0007】
このように第1及び第2の噴射ノズルj,kの指向方向の各延長線を舗装表面hの下方で交差させることにより、例えば第1の噴射ノズルjから噴射された高圧水によって空隙eの目詰まり物に作用する圧力が、第2の噴射ノズルkから噴射された高圧水の圧力によって上方以外の逃げ場を失い、この結果、両方向から噴射された高圧水の圧力が目詰まり物を舗装表面hに押し上げるように作用し、これにより、高圧水の圧力を空隙eの目詰まり物に対して有効に作用させて目詰まり物の浮き上がりを促進するようにしたものである。
【0008】
そして、舗装表面hに浮き上がった目詰まり物は、第1の噴射ノズルjから噴射された高圧水の舗装表面hへの衝突位置と第2の噴射ノズルkから噴射された高圧水の舗装表面hへの衝突位置との間の舗装表面hに吸引口mを臨ませて配置された吸引ダクトnによって吸引回収される。吸引ダクトnの吸引口mには、該吸引口mを第1の噴射ノズルj側と第2の噴射ノズルk側とに仕切るゴム板oが吸引口mから下方に突出して設けられており、該ゴム板oにより舗装表面hに浮き上がった目詰まり物と水との混合水が周囲へ飛散するのを防止している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる装置においては、第1の噴射ノズルj又は第2の噴射ノズルkから噴射された高圧水がゴム板oの下端と舗装表面hとの間のすき間から反対側に飛び出して周囲に流出することが多く、しかも該すき間の寸法管理もシビアなものが要求される。
【0010】
また、第1の噴射ノズルj側の高圧水噴射と第2の噴射ノズルk側の高圧水噴射のバランスが崩れると空隙eの目詰まり物の押し上げ力が低下して該目詰まり物と水との混合水を有効に回収することができなくなるという不都合がある。この場合、第1の噴射ノズルj側の高圧水噴射と第2の噴射ノズルk側の高圧水噴射のバランスを調整して目詰まり物の押し上げ力を高めることが可能であるが、該バランス調整は非常に面倒である。
【0011】
本発明はかかる不都合を解消するためになされたものであり、舗装の表面に圧力水を噴射した際に、圧力水の圧力を該舗装の空隙に詰まった目詰まり物に対して有効に作用させて該目詰まり物の舗装表面への浮き上がりを促進することができると共に、浮き上がった目詰まり物と水との混合水の吸引回収効率の向上を図ることができる舗装の目詰まり物の除去装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明に係る舗装の目詰まり物の除去装置は、舗装表面に向けて圧力水を噴射しこの噴射圧力により舗装の空隙に詰まった目詰まり物を前記舗装表面に浮き上がらせる噴射手段と、該舗装表面に浮き上がった目詰まり物を水と共に吸引回収する吸引手段とを備えた装置において、前記噴射手段は、一方向から前記舗装表面に指向して配置された第1の噴射ノズルと、他方向から前記舗装表面に指向して配置されその指向方向の延長線が前記第1の噴射ノズルの指向方向の延長線と舗装表面より下方で交差するようにされた第2の噴射ノズルとを備え、前記吸引手段は、前記第1の噴射ノズルから噴射された圧力水の前記舗装表面への衝突位置と前記第2の噴射ノズルから噴射された圧力水の前記舗装表面への衝突位置との間の前記舗装表面を臨む位置に配置され、前記第1の噴射ノズルから噴射された圧力水の前記舗装表面への衝突位置近傍に配置された第1の吸引部と、前記第2の噴射ノズルから噴射された圧力水の前記舗装表面への衝突位置近傍に配置された第2の吸引部と、前記第1の吸引部と前記第2の吸引部との間の前記舗装表面を臨む位置に配置された第3の吸引部とを備え、該第3の吸引部の吸引口を略密閉空間内に配置したことを特徴とする。
【0013】
【作用】
本発明では、第1及び第2の噴射ノズルによって二方向から舗装表面に向けて噴射される圧力水の噴射方向の各延長線を舗装表面より下方で交差させているので、一方向から噴射された圧力水によって舗装の空隙の目詰まり物に作用する圧力は、他方向から噴射された圧力水の圧力によって上方以外の逃げ場を失い、この結果、両方向から噴射された圧力水の圧力が目詰まり物を舗装表面に押し上げるように作用する。これにより、空隙の目詰まり物に対して圧力水の圧力が有効に作用して該目詰まり物と水との混合水の舗装表面への浮き上がりが促進される。
【0014】
また、第1の噴射ノズルから噴射された圧力水の舗装表面への衝突位置近傍に浮き上がった目詰まり物は第1の吸引部から水と共に吸引回収され、第2の噴射ノズルから噴射された圧力水の舗装表面への衝突位置近傍に浮き上がった目詰まり物は第2の吸引部から水と共に吸引回収される。この時、第1の噴射ノズル又は第2の噴射ノズルから噴射された圧力水が舗装表面に衝突後に反対側(第2の噴射ノズル側又は第1の噴射ノズル側)に飛び出しても、該飛び出した水は第3の吸引部によって吸引回収される。
【0015】
さらに、第3の吸引部の吸引口は略密閉空間に配置されているので、第3の吸引部の吸引作用により該空間が負圧状態とされ、これにより、舗装空隙内の水と目詰まり物との混合水の略密閉空間を臨む舗装表面へ向けての流れが促進され、上述した押し上げ作用と相まって該混合水の舗装表面への浮き上がりがより促進される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である排水性舗装の目詰まり物の除去装置を運搬用トラックの後部に取り付けた状態の概略側面図、図2は該除去装置の一部を破断した平面図、図3は図2の▲3▼−▲3▼線断面図、図4は該除去装置を説明するための説明的概略図である。尚、この実施の形態では、舗装として排水性舗装を例に採る。また、排水性舗装の構造については従来例で説明したものと同一であるので従来例と同一符号を付して説明する。
【0017】
まず、図1〜図3を参照して構成を説明すると、この除去装置は、トラック1の後部に平行リンク機構とシリンダ装置とを組み合わせてなる可動アーム2を介して取り付けられた外箱3を備える。外箱3は、トラック1の幅方向に長い直方体形状をなしており、上部及び下部が開口されている。
外箱3内には、外箱3の長手方向(トラック1の幅方向)に沿って延びる通水管4a,4bがトラック1の進行方向に互いに離間して配置されている。通水管4a,4bはトラック1の進行方向の前後側板5a,5bにブラケット6a,6bを介して固定されている。図2及び図3に示すように、通水管4aの下側部には、高圧水を噴射する複数の噴射ノズル7a(第1の噴射ノズル)が通水管4aの軸方向に等間隔で設けられ、一方、通水管4bの下側部にも、高圧水を噴射する複数の噴射ノズル7b(第2の噴射ノズル)が噴射ノズル7aに対向して通水管4bの軸方向に等間隔で設けられている。
【0018】
噴射ノズル7a,7bは排水性舗装aの表面hに指向しており、噴射ノズル7a,7bの指向方向の各延長線X1 ,X2 は図3に示すように舗装表面hより下方で交差するようにされている。また、各通水管7a,7bには、図1に示すように、高圧水ホース9cの一端が接続されており、該高圧水ホース9cの他端は後述する高圧水ポンプ23に接続されている。
【0019】
ここで、この実施の形態では、各延長線X1 ,X2 の交点Pを通る鉛直線Gと延長線X1 とのなす角度をθ1 、該鉛直線Gと延長線X2 とのなす角度をθ2 とした場合に、θ1 =θ2 ≒30°〜75°の範囲とし、また、延長線X1 と舗装表面hとの交点P1 (噴射ノズル7aから噴射された高圧水の舗装表面hへの衝突位置)と、延長線X2 と舗装表面hとの交点P2 (噴射ノズル7bから噴射された高圧水の舗装表面hへの衝突位置)との間隔Wを300〜500mm程度とするが、必ずしもこれらに限定するものではなく、各数値(θ1 ,θ2 ,Wの値)を適宜調整可能とする。
【0020】
交点P1 とP2 との間には、噴射ノズル7a,7bからの高圧水の噴射によって舗装表面hに浮き上がった目詰まり物と水との混合水を吸引回収する吸引手段8が配置されている。吸引手段8は、第1の吸引ダクト(第1の吸引部)9、第2の吸引ダクト(第2の吸引部)10及び第3の吸引ダクト(第3の吸引部)11とを備える。
【0021】
第1の吸引ダクト9は、下方に向けて拡がる扇形状をなして外箱3の長手方向に沿って複数配置されており、先端部に外箱3の長手方向に沿って延びる吸引口9aを有している。第1の吸引ダクト9は、図3において上述した鉛直線Gの右側位置で右斜め下方に傾いて吸引口9aが交点P1 の手前に達している。
第2の吸引ダクト10も第1の吸引ダクト9と同様に下方に向けて拡がる扇形状をなして外箱3の長手方向に沿って複数配置されており、先端部に外箱3の長手方向に沿って延びる吸引口10aを有している。第2の吸引ダクト10は、図3において鉛直線Gの左側位置で左斜め下方に傾いて吸引口10aが交点P2 の手前に達している。
【0022】
第3の吸引ダクト11は、鉛直線Gに沿って垂下された吸引管12を備える。吸引管12は、外箱3の長手方向に所定の間隔で複数配置されている。各吸引管12の下端は、外箱3の長手方向に沿って延在された箱体13に接続されている。
箱体13は、下部が開口されて長手方向の両端部が外箱3の両端板5c,5dまで達している。箱体13の下部開口が、第3の吸引ダクト11の吸引口11aとされている。そして、上述した第1、第2の吸引ダクト9,10、及び吸引管12の各上部は合流してメインダクト14に接続されている。メインダクト14には、図1及び図3に示すように、吸引ホース22の一端が接続されており、吸引ホース22の他端は後述するレシーバータンク21を介して真空ポンプ26に接続されている。
【0023】
尚、この実施の形態では、各吸引ダクト9,10,11の吸引口9a,10a,11aを交点P1 とP2 との間において舗装表面hから10〜20mm上方の位置に開口させているが、必ずしもこれに限定されない。
第1の吸引ダクト9の先端部の裏側(吸引口11a側)には、図3に示すように、外箱3の長手方向に沿って延在されて外箱3内を吸引口9a側と吸引口11a側とに仕切る仕切り板15aがねじ止め固定されている。仕切り板15aは、例えばゴム製の板材等で形成されており、その先端部が吸引口9aから下方に適宜の長さ突出されて舗装表面hを向いている。
【0024】
第2の吸引ダクト10の先端部の裏側(吸引口11a側)にも、外箱3の長手方向に沿って延在されて外箱3内を吸引口10a側と吸引口11a側とに仕切る仕切り板15bがねじ止め固定されている。また、箱体13は該箱体13の長手方向に沿って延在されたカバー16によって覆われている。
カバー16は、第1,2吸引ダクト9,10間で箱体13の上部全域を覆うようにされており、トラック1の進行方向の両側部がそれぞれ第1の吸引ダクト9の先端部の裏側及び第2の吸引ダクト10の先端部の裏側に仕切り板15a,15bと共にねじ止め固定されている。そして、上述した仕切り板15a,15b、カバー16及び外箱3の両端板5c,5d下部に取り付けられたシールラバー19(後述する)によって略密閉空間Tを形成して該空間Tに第3の吸引ダクト11の吸引口11aを配置している。
【0025】
外箱3の両側板5a,5bには、図2及び図3に示すように、ぞれぞれキャスター17,18が外箱3の長手方向に互いに離間して取り付けられている。また、外箱3の下部には、該外箱3の下部周縁をシールするシールラバー19が外箱3の下部から下方に突出した状態で該外箱3の周方向全周に沿って取り付けられている。
【0026】
尚、図3において符号20は、高圧水の周囲への飛散を防止すべく第1及び第2の吸引ダクト9,10の各先端部の表側にねじ止め固定されたガイド板であり、交点P1 ,P2 (高圧水の衝突位置)を覆うように外箱3の長手方向に延在されてその両端部が外箱3の両端壁5c,5dまで達している。
運搬用トラック1の荷台1aには、図1及び図4に示すように、後方から前方にかけてレシーバータンク21、水タンク24及びエンジン25が順次並設されている。レシーバータンク21の上部には、真空ポンプ26及び該真空ポンプ26を駆動させる真空ポンプ用油圧モータ27が取り付けられている。また、レシーバータンク21には、上述した吸引ホース22の他端が接続されている。
【0027】
水タンク24の下部両側には、再生水用ポンプ28及び高圧水ポンプ23が取り付けられている。再生水用ポンプ28には該ポンプ28を駆動させる再生水用ポンプ用油圧モータ30が取り付けられ、また、該ポンプ28とレシーバタンク21との間にはフィルター28aが介在されている。
高圧水ポンプ23には該ポンプ23を駆動させる高圧水ポンプ用油圧モータ31が取り付けられ、また、高圧水ポンプ23には上述した高圧水ホース9cの他端が接続されている。水タンク24には給水車32から給水管33を介して水が給水されるようになっている。
【0028】
エンジン25には、該エンジン25からの動力伝達により真空ポンプ用油圧モータ27に作動油を供給する真空ポンプ用油圧ポンプ34と、該エンジン25からの動力伝達によりそれぞれ再生水用ポンプ用油圧モータ30及び高圧水ポンプ用油圧モータ31に作動油を供給する水ポンプ用油圧ポンプ35とが取り付けられている。水ポンプ用油圧ポンプ35と、再生水用ポンプ用油圧モータ30及び高圧水ポンプ用油圧モータ31との間には、作動油の供給を制御する油圧制御弁36が介在されている。
【0029】
次に、かかる除去装置の作動を説明する。図1に示すように、運搬用トラック1の後部に除去装置を連結して排水性舗装aの道路を牽引進行しつつエンジン25を駆動させると、エンジン25の動力が水ポンプ用油圧ポンプ35、高圧水ポンプ用油圧モータ31を介して高圧水ポンプ23に伝達され、該高圧水ポンプ23が水タンク24内の水を高圧水ホース9cを介して通水管4a,4bに送水する。これにより、噴射ノズル7a,7bから高圧水(この実施の形態では噴射圧力を50〜60kg/cm2 とする。)が舗装表面hに向けて噴射される。
【0030】
この時、噴射ノズル7a,7bの指向方向の各延長線X1 ,X2 は、舗装表面hより下方で交差するようにされており、しかも、排水性舗装aの基層dは非通水性とされているため、噴射ノズル7a(又は噴射ノズル7b)から噴射された高圧水によって排水性舗装aの空隙eの目詰まり物に作用する圧力は、噴射ノズル7b(又は噴射ノズル7a)から噴射された高圧水の圧力によって上方以外の逃げ場を失い、この結果、各噴射ノズル7a,7bから噴射された高圧水の圧力が空隙eの目詰まり物に対して有効に作用して該目詰まり物を舗装表面hに押し上げる。これにより、目詰まり物と水との混合水の舗装表面hへの浮き上がりが促進される。
【0031】
そして、交点P1 周辺の舗装表面hに浮き上がった目詰まり物と水との混合水は、第1の吸引ダクト9の吸引口9aから吸引され、交点P2 周辺の舗装表面hに浮き上がった目詰まり物と水との混合水は第2の吸引ダクト10の吸引口10aから吸引され、略密閉空間Tを臨む舗装表面hに浮き上がった目詰まり物と水との混合水は第3の吸引ダクト11の吸引口11aから吸引される。
【0032】
各吸引ダクト9,10,11によって吸引された混合水はメインダクト14及び吸引ホース22を介してレシーバータンク21に回収される。各吸引口9a,10a,11aへの吸引力の付与は、エンジン25の動力が真空ポンプ用油圧ポンプ34から真空ポンプ用油圧モータ27を介して真空ポンプ26に伝達されて該真空ポンプ26が駆動されることによりなされる。
【0033】
この時、噴射ノズル7aから噴射された高圧水が交点P1 に衝突した後に、仕切り板15aと舗装表面hとのすき間から反対側に飛び出しても該飛び出した水は第3の吸引ダクト11の吸引口11aから吸引されると共に、噴射ノズル7bから噴射された高圧水が交点P2 に衝突した後に、仕切り板15bと舗装表面hとのすき間から反対側に飛び出しても該飛び出した水は第3の吸引ダクト11の吸引口11aから吸引されるので、従来のように反対側に飛び出した水が周囲に流出するのを良好に防止することができる。
【0034】
また、第3の吸引ダクト11の吸引口11aは略密閉空間Tに配置されているので、第3の吸引ダクト11の吸引作用により該空間Tが負圧状態とされ、これにより、空隙eの目詰まり物と水との混合水の略密閉空間Tを臨む舗装表面hへ向けての流れが促進され、上述した押し上げ作用と相まって該混合水の舗装表面hへの浮き上がりがより促進され、この結果、排水性舗装aの空隙eに詰まった土砂や粉塵等の目詰まり物を効果的に除去することができる。
【0035】
レシーバータンク21に吸引回収された目詰まり物と水との混合水は、再生水用ポンプ28の駆動によりレシーバータンク21からフィルタ28aを通って濾過されたのち水タンク24に供給されて再利用される。再生水用ポンプ28の駆動は、エンジン25の動力が水ポンプ用油圧ポンプ35から再生水用ポンプ用油圧モータ30を介して伝達されることによりなされる。また、再生水用ポンプ28の駆動は、レシーバータンク21あるいは水タンク24に設けられた図示しない水位センサ等の検出値に応じて油圧制御弁36によって制御されるようになっている。
【0036】
尚、上記実施の形態では、排水性舗装に本発明の除去装置を適用した場合を例に採ったが、これに限定されず、透水性舗装にも本発明の装置を適用してもよい。
【0037】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、両方向から噴射された圧力水の圧力を舗装の空隙に詰まった目詰まり物に対して有効に作用させて該目詰まり物の舗装表面への浮き上がりを促進することができると共に、浮き上がった目詰まり物と水との混合水の周囲への流出を防止して該混合水を効率よく吸引回収することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である排水性舗装の目詰まり物の除去装置を車両の後部に取り付けた状態の概略側面図である。
【図2】該除去装置の一部を破断した平面図である。
【図3】図2の▲3▼−▲3▼線断面図である。
【図4】該除去装置を説明するための説明的概略図である。
【図5】排水性舗装を説明するための概略断面図である。
【図6】従来の除去装置を説明するための説明的概略図である。
【図7】従来の除去装置を説明するための説明的概略図である。
【符号の説明】
a…排水性舗装
h…舗装表面
e…空隙
1 ,X2 …延長線
1 ,P2 …交点(圧力水の舗装表面への衝突位置)
T…略密閉空間
7a…第1の噴射ノズル
7b…第2の噴射ノズル
9…第1の吸引ダクト(第1の吸引部)
10…第2の吸引ダクト(第2の吸引部)
11…第3の吸引ダクト(第3の吸引部)
11a…吸引口(第3の吸引部の吸引口)
15a,15b…仕切り板
16…カバー

Claims (1)

  1. 舗装表面に向けて圧力水を噴射しこの噴射圧力により舗装の空隙に詰まった目詰まり物を前記舗装表面に浮き上がらせる噴射手段と、該舗装表面に浮き上がった目詰まり物を水と共に吸引回収する吸引手段とを備えた装置において、
    前記噴射手段は、一方向から前記舗装表面に指向して配置された第1の噴射ノズルと、他方向から前記舗装表面に指向して配置されその指向方向の延長線が前記第1の噴射ノズルの指向方向の延長線と舗装表面より下方で交差するようにされた第2の噴射ノズルとを備え、
    前記吸引手段は、前記第1の噴射ノズルから噴射された圧力水の前記舗装表面への衝突位置と前記第2の噴射ノズルから噴射された圧力水の前記舗装表面への衝突位置との間の前記舗装表面を臨む位置に配置され、前記第1の噴射ノズルから噴射された圧力水の前記舗装表面への衝突位置近傍に配置された第1の吸引部と、前記第2の噴射ノズルから噴射された圧力水の前記舗装表面への衝突位置近傍に配置された第2の吸引部と、前記第1の吸引部と前記第2の吸引部との間の前記舗装表面を臨む位置に配置された第3の吸引部とを備え、該第3の吸引部の吸引口を略密閉空間内に配置したことを特徴とする舗装の目詰まり物の除去装置。
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