JPH1085763A - 各種排水路におけるリン除去装置 - Google Patents

各種排水路におけるリン除去装置

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JPH1085763A
JPH1085763A JP26245596A JP26245596A JPH1085763A JP H1085763 A JPH1085763 A JP H1085763A JP 26245596 A JP26245596 A JP 26245596A JP 26245596 A JP26245596 A JP 26245596A JP H1085763 A JPH1085763 A JP H1085763A
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JP
Japan
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phosphorus
various
drainage
drainage channels
reaction tank
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JP26245596A
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English (en)
Inventor
Katsumi Moriyama
克美 森山
Toshihiro Kojima
利広 小島
Yuji Tsukamoto
裕二 塚本
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市下水路などを流下する各種排水を対象と
して長期にわたる脱リン処理が可能な装置を提供する。
複雑な調整を行わず、汚泥発生量を増加させないリン除
去装置を提供する。 【解決手段】 リンを含む各種排水(都市下水路流下
水、湖沼の水など)を、脱炭酸処理を施した後、脱リン
材を充填または流動させた反応槽に通流・滞留させ脱リ
ンを行う。珪酸カルシウム水和物(トバモライトなど)
を主体とした脱リン材を使用する。この各種排水または
反応槽にはカルシウムイオンを供給する。反応槽で滞留
する排水のpH値は8〜10に調整する。この結果、各
種排水からの脱リンを長期にわたり汚泥を発生させずに
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は各種排水路を流下
するリン含有の各種排水から脱リンを行うリンの除去装
置、詳しくは珪酸カルシウム水和物を主体とした脱リン
材を充填または流動させた反応槽を用いた各種排水路に
おけるリン除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】公共水域に流入する排水中のリンの発生
源としては、し尿、雑排水、工場からの産業排水、畜産
廃棄物、農耕地、山林原野、ゴルフ場などからの排出な
どがある。閉鎖性海域、湖沼などでの富栄養化を防止す
るためには、原因物質であるリンなどの除去が必要であ
る。発生源のうち、し尿、産業排水、畜産廃棄物につい
ては、対策が講じられているが、農耕地、山林原野、ゴ
ルフ場などからの流出水のように有機物を高濃度に含ま
ない水については、なんら対策が講じられていない。ま
た、雑排水については、都市下水路浄化施設で有機性汚
濁物の除去を目的とした処理がなされているが、リン除
去には有効な処理法がないため、その対策が講じられて
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来
は、農耕地、山林原野、ゴルフ場などからの流出水、雑
排水などが流れる各種排水路の流下水中からリンを除去
するための対策はまったく講じられていなかった。
【0004】
【発明の目的】そこで、この発明の目的は、各種排水路
を流下するリンを含有した排水を対象として脱リン処理
が可能な装置を提供することである。また、この発明の
目的は、各種排水路を流下するリン含有の大量の各種排
水を長期間にわたって脱リン処理可能なリン除去装置を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、珪酸カルシウム水和物を主体とする脱リン材が充填
または流動された反応槽と、この反応槽にまたはこの反
応槽に供給されるリンを含む各種排水にカルシウムイオ
ンを添加する添加手段と、を備えた各種排水路における
リン除去装置である。
【0006】請求項2に記載の発明は、上記各種排水に
対して脱炭酸処理を行う脱炭酸手段を有する請求項1に
記載の各種排水路におけるリン除去装置である。
【0007】請求項3に記載の発明は、上記反応槽に滞
留する各種排水のpH値を調整する調整手段を備えた請
求項1または請求項2に記載の各種排水路におけるリン
除去装置である。
【0008】
【作用】請求項1〜請求項3に記載の発明では、各種排
水路を流下するリンを含む各種排水を、反応槽に通流さ
せることにより、この各種排水から脱リンを行う。この
反応槽には珪酸カルシウム水和物を主体とした脱リン材
を充填し、または、流動させている。そして、上記各種
排水もしくは反応槽にカルシウムイオンを供給する。こ
のカルシウムイオンの供給は、例えば各種排水に塩化カ
ルシウムを供給することで行う。また、各種排水は、脱
炭酸処理が施された後、上記反応槽に通流・滞留され
る。さらに、上記反応槽では滞留する各種排水のpH値
を例えば8〜10に調整する。これらの結果、各種排水
路を流れる各種排水からの脱リンを長期間にわたり、汚
泥を発生させることなく、行うことができる。
【0009】ここで、珪酸カルシウム水和物を主体とし
た脱リン材を充填または流動させた反応槽でカルシウム
イオンを添加することが、リン除去に必要な理由につい
て説明する。この反応槽と循環ポンプとからなる回分処
理装置を用いた回分処理実験では、正リン酸態リン濃度
を低濃度から高濃度まで種々設定し、経時的に変化する
濃度を反応速度論的に解析した。すなわち、各測定点間
で零次反応速度定数を求め、その値を各区間の平均リン
濃度に対してプロットし、その勾配を一次反応速度定数
として求める。この結果、リン濃度に比例して反応速度
も大きくなることが明らかになった。よって、この反応
槽によるリン除去反応は、低濃度から高濃度までリン濃
度に関して一次反応で近似することができ、適用できる
リン濃度域が広いことが解った。
【0010】次に、各種排水路を流下する各種排水の模
擬水として以下のものを使用する。すなわち、水道水に
リンを添加した原水にあって、そのリン濃度は50mg
/リットル,100mg/リットル,200mg/リッ
トルの3種類とする。そして、反応槽での各種排水の実
滞留時間はいずれも1時間として、連続処理実験を行っ
た。経日的に変化するリン濃度から零次反応速度定数を
求め、その値をそのときのリン濃度に対してプロットす
ることにより、反応速度の変化を検討した。その結果、
処理日数が経過するにしたがい反応速度が低下し、最終
的に一定の反応速度に収束する。各経過日数のリン濃度
と反応速度の関係から、低濃度域では比例関係が認めら
れる。よって、リン濃度に関する一次反応が認められ
た。また、高濃度域ではリン濃度に関係なく一定の反応
速度である。リン濃度に関し零次反応である。リン濃度
の全領域で、経過日数に従い速度が低下することから、
リン濃度以外の反応律速因子の存在が明確になった。こ
の脱リン方法がヒドロキシアパタイトの晶析現象の利用
であることから、その分子式:Ca10(OH)2(P
46と、以上の実験結果とを総合的に判断すると、こ
の反応律速因子としてはカルシウムイオン濃度が推察さ
れる。そして、この反応槽に充填した脱リン材から溶出
するカルシウムイオン濃度が経過日数にしたがい低下し
たことが、反応速度の低下をもたらした。この珪酸カル
シウム水和物を主体とする脱リン材を用いたリン除去シ
ステムを長期にわたって安定的に作用させるためには、
カルシウムイオンの添加の必要性が認識されるものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る各種排水路
におけるリン除去装置の一実施例を説明する。図1は一
実施例に係るリン除去装置を示すブロック図である。こ
の図に示すように、リン除去装置は基本システム10と
して以下の構成を有している。すなわち、各種排水路か
らのリンを含む各種排水が供給され、この各種排水に対
して脱炭酸処理を行う脱炭酸反応槽11と、この脱炭酸
反応槽11の下流に配設されるカルシウムイオン混合槽
12と、このカルシウムイオン混合槽12の下流に配設
される晶析反応槽13と、この晶析反応槽13に対して
pH調整を行うpH調整手段14と、を有して基本シス
テム10は構成されている。カルシウムイオンを晶析反
応槽13に直接添加する場合、上記基本システムにあっ
てカルシウムイオン混合槽12は省略することができ
る。
【0012】この脱炭酸反応槽11には、薬品(硫酸)
が各種排水に対して所要量注入される。したがって、こ
の脱炭酸反応槽11に対しては例えば硫酸注入ポンプ、
ブロワー等が必要に応じて付設されることとなる。カル
シウムイオン混合槽12では例えば塩化カルシウム等の
カルシウム塩が脱炭酸処理された各種排水に対して添加
・供給される。晶析反応槽13では、珪酸カルシウム水
和物を主体とした脱リン材を充填または流動させた反応
槽が用いられている。この珪酸カルシウム水和物として
は、トバモライト、ゾノトライト、ヒレブランダイト、
ワラストナイトの微小な板状晶、柱状晶および針状晶の
中の1種類または2種類以上の組み合わせである。
【0013】さらに、上記pH調整手段14としては、
例えばpH調整用薬剤(水酸化ナトリウム等)の投入等
がある。したがって、上記晶析反応槽13に、薬剤注入
ポンプ等を付設してこのpH調整手段14を構成するこ
ともできる。
【0014】以上の構成に係る基本システム10は、各
種排水中での有機物、浮遊物質がきわめて低濃度の農地
からの排水、ゴルフ場排水、湖沼水、池水などの場合
は、単独で使用することができる。例えば各種排水を直
接基本システム10の脱炭酸反応槽11に導き、さらに
この各種排水をカルシウムイオン混合槽12、晶析反応
槽13を介して各種排水路などに戻すものである。
【0015】この他、この基本システム10は、図2に
示す都市下水路浄化システム20の下流側に介装して使
用することができる。図2では接触曝気槽の直下流に基
本システム10を配設したものである。この位置への介
装により処理水中のリン濃度を低減することができる。
すなわち、都市下水路からの排水は礫間接触法などの接
触曝気法施設20(在来型の都市下水浄化システム)に
供給され、さらに、この接触曝気法施設20から基本シ
ステム10に導かれる。このようにして浄化・脱リンさ
れた処理水は、都市下水路に戻される。
【0016】また、図3には、この基本システム10を
湖沼または都市内水辺空間(堀、池など)30の閉鎖性
水域に適用した例を示している。湖沼または都市内水辺
空間30に対して基本システム10を接続し、この基本
システム10による処理水は、湖沼または都市内水辺空
間30に循環して戻すこととする。このように浄化さ
れ、かつ、脱リン処理された各種排水を湖沼など30に
供給することで、藻類増殖に伴う異臭の発生を排除する
ことができる。
【0017】図4には、上記接触曝気法施設20の一例
を示す。都市下水路からの各種排水は、沈砂槽21、流
入ポンプ槽22、接触曝気槽23、最終沈殿槽24を順
番に通過して処理される。この処理水が上記基本システ
ム10の脱炭酸反応槽11に供給されるものである。
【0018】なお、この各種排水路におけるリン除去装
置としては、上記基本システム10を用いた例を上記各
実施例において示したが、この基本システムから脱炭酸
処理およびpH調整を除いたシステムとして、各種排水
路を流下する排水中のリンを除去することもできる。
【0019】
【発明の効果】この発明によれば、汚泥を発生させるこ
となく、かつ、簡便な装置構成で、各種排水路施設を流
下するリン含有水、または、閉鎖性水域のリン含有水か
ら、長期間にわたり、リンを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る各種排水路における
リン除去装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例に係る各種排水路における
リン除去装置を接触曝気法を用いた都市下水路浄化シス
テムの一部に組み込んだ状態を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例に係る各種排水路における
リン除去装置を湖沼などの閉鎖性水域に組み込んだ状態
を示すブロック図である。
【図4】在来型の都市下水路浄化システムにこの発明の
一実施例に係る基本システムを組み込んだ状態を示す模
式図である。
【符号の説明】
10 基本システム、 11 脱炭酸反応槽、 12 カルシウムイオン混合槽、 13 晶析反応槽、 14 pH調整手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 裕二 福岡県北九州市八幡西区洞南町1番1号 三菱マテリアル株式会社セメント開発セン タ−内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸カルシウム水和物を主体とする脱リ
    ン材が充填または流動された反応槽と、 この反応槽にまたはこの反応槽に供給されるリンを含む
    各種排水にカルシウムイオンを添加する添加手段と、を
    備えたことを特徴とする各種排水路におけるリン除去装
    置。
  2. 【請求項2】 上記各種排水に対して脱炭酸処理を行う
    脱炭酸手段を有する請求項1に記載の各種排水路におけ
    るリン除去装置。
  3. 【請求項3】 上記反応槽に滞留する各種排水のpH値
    を調整する調整手段を備えた請求項1または請求項2に
    記載の各種排水路におけるリン除去装置。
JP26245596A 1996-09-10 1996-09-10 各種排水路におけるリン除去装置 Withdrawn JPH1085763A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006341226A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Nippon Steel Corp 水中からのリンの除去方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006341226A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Nippon Steel Corp 水中からのリンの除去方法

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