JPH1085245A - 牛の乳房用オゾン注入装置 - Google Patents

牛の乳房用オゾン注入装置

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JPH1085245A
JPH1085245A JP26228296A JP26228296A JPH1085245A JP H1085245 A JPH1085245 A JP H1085245A JP 26228296 A JP26228296 A JP 26228296A JP 26228296 A JP26228296 A JP 26228296A JP H1085245 A JPH1085245 A JP H1085245A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 牛の乳頭口から乳房内に清浄且つ適切な濃度
のオゾンを適切な圧力で注入することができ、また、オ
ゾンの注入圧力の上昇に対応できる、簡潔な構成で操作
も容易な牛の乳房用オゾン注入装置を提供すること。 【技術手段】 酸素供給装置1から供給される酸素を受
入れてオゾンを発生させると共に該オゾンを排出するオ
ゾン発生装置2のオゾン取り出し流路4にオゾンの流量
を制御する流量制御バルブ5と余剰のオゾンを外部へ排
出する排出制御バルブ6とを設け、前記流量制御バルブ
5に、先端部に牛の乳房9にオゾンを注入するオゾン注
入管8を装着したオゾン誘導チュ−ブ7を接続し、且
つ、該オゾン誘導チュ−ブ7に、牛の乳房9内に注入さ
れたオゾンの圧力を検知する圧力検知装置10を配備し
て、該圧力検知装置10が検知した値により前記流量制御
バルブ5を制御し、余剰のオゾンは前記排出制御バルブ
6から排出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、牛の乳房炎を治療
するため、乳房にオゾンを注入する牛の乳房用オゾン注
入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、牛の乳房炎の治療には、主とし
て、抗生物質の投与が行われている。この治療は、数日
から週余にわたり抗生物質を乳房内に注入し、更に必要
に応じて筋肉内、静脈内、或いは動脈内に抗生物質を注
射することにより、乳房,乳槽,乳頭内の病原細菌の増
殖を抑制して、乳房炎を治癒させようとする方法であ
る。
【0003】然し乍ら、上記のような抗生物質による治
療では、治癒率並びに治療効果が必ずしも高くない上
に、多くの問題点があった。即ち、 (1) 薬剤費が高価である。 (2) 長い治療期間が必要である。 (3) 薬剤の選択に専門的な知識と診断技術が必要であ
り、薬剤の投与経路によっては高度な技術が必要とな
る。 (4) 抗生物質には細菌の増殖を抑制する作用しかなく、
補助的に牛の自然治癒力を高めるためには、別に高価な
薬剤が必要となる。 (5) 注入する抗生物質は微量であるため、乳房深部への
到達が困難であるとともに、刺激による組織障害を起こ
しやすい。 (6) 炎症組織における感染微生物の産生毒素及び炎症に
より生じたフリ−ラジカルの処理に関係しない。 (7) 抗生物質の常用により、耐生菌や菌交代症が発生す
る。 (8) 抗生物質が生産物に残留し、治療牛の乳は前記残留
物が認められなくなるまで廃棄しなければならず、損失
が伴う。 (9) 抗生物質は要指示薬であるため、獣医師の指示のも
とでしか使用することができない。 (10)治療時は発病牛に接近したまま処置をしなければな
らず、突然の牛の騒擾によって、作業者が危険にさらさ
れることがる。 などの問題点があるのである。
【0004】上記のような事情から、最近では、抗生物
質を用いることなく、乳房の乳頭口から乳房内にオゾン
を注入して、乳房,乳槽及び乳頭内に存在する病原微生
物とそれらの組織に対してオゾンを作用させる治療方法
が行われるようになった。そこで、本発明の特許出願人
は、さきに、酸素ボンベ又は空気圧縮機に接続したオゾ
ン発生装置のガス流路に切換弁を設け、該切換弁に、オ
ゾン分解器と、先端に牛の乳頭口に挿入するオゾン注入
管を装着したガス誘導チュ−ブとを接続して構成した牛
の乳房用オゾン注入装置を出願した。この装置は、牛の
乳房内にオゾンを注入して、乳房炎等の治療に効果を挙
げることができるが、オゾンの注入に際しての注入圧力
について、特に配慮がなされておらず、また、オゾンの
注入圧力が上昇した場合に対応する手段についても配慮
されていないことが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に鑑み、牛の乳頭口から乳房内に清浄且つ適
切な濃度のオゾンを適切な圧力で注入することができ、
また、オゾンの注入圧力の上昇に対応できる、簡潔な構
成で操作も容易な牛の乳房用オゾン注入装置を提供する
ことを、その課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明牛の乳房用オゾン注入装置
の構成は、酸素供給装置から供給される酸素を受入れて
オゾンを発生させると共に該オゾンを排出するオゾン発
生装置のオゾン排出流路にオゾンの流量を制御する流量
制御バルブと余剰のオゾンを外部へ排出する排出制御バ
ルブとを設け、前記流量制御バルブに、先端部に牛の乳
房にオゾンを注入するオゾン注入管を装着したオゾン誘
導チュ−ブを接続し、且つ、該オゾン誘導チュ−ブに、
牛の乳房内に注入されたオゾンの圧力を検知する圧力検
知装置を配備して、該圧力検知装置が検知した値により
前記流量制御バルブを制御し、余剰のオゾンは前記排出
制御バルブから排出するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0007】而して、前記オゾン排出流路に設けた排出
制御バルブにオゾン分解装置を接続し、圧力検知装置が
検知した圧力が所定圧力より大きくなれば、余剰のオゾ
ンが前記オゾン分解装置に流入させることにより、余剰
のオゾンを分解し酸素にして排出することができ、安全
である。
【0008】また、オゾン注入管の前に逆止弁を設け、
乳房内の乳槽に溜っている乳が逆流するのを防止するよ
うにすれば、乳の逆流によりオゾンの流路が汚染されな
いので、常に清浄なオゾンを注入できる。
【0009】更に、清浄なオゾンを発生するようにする
ために、オゾン発生装置は、上記に加え、その放電電極
に、ガラス,石英,セラミックス或いは金属にセラミッ
クをコ−ティングした材料を用い、金属イオン及び金属
ダストの発生を抑制するようにする。
【0010】一方、オゾン注入管は、牛の乳頭口に挿入
できる太さの中空管の先端部に多数の微細はオゾン噴出
孔を穿設したものであるか、または、前記中空管の先端
部にオゾンを噴出できるガスフィルタを設けたものを使
用する。
【0011】また、1回に乳房に注入するオゾン+酸素
のガス容量は、0.1〜3リットルが好ましい。これは、
0.1リットル以下ではオゾン量が少なくて治療効果が期
待されず、3リットル以上では乳房に負担が掛かり過ぎ
る場合があるからである。また、注入するオゾンガスの
オゾン濃度は、0.1〜50mgO3/リットルが好ましい。これ
は、0.1mgO3/リットル以下では乳槽に注入するとすぐオ
ゾンが分解されて治療効果が期待できず、50mg/リット
ル以上に濃度が濃くなると、生体組織に作用して好まし
くないからである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明乳房用オゾン注入装
置の実施の形態を図により説明する。図1は本発明装置
の一例の系統図、図2は同じく別例の系統図、図3更に
他の別例の系統図、図4は本発明装置の使用時における
乳房内の状態を示す模式図である。
【0013】図において、1は酸素供給装置、2は該酸
素供給装置1から酸素の供給を受け入れてオゾンガスを
発生するオゾン発生装置で、このオゾン発生装置2は、
例えば、図示しないが、一対の電極間に誘電体を配し、
酸素を前記電極間に流しながら交流高電圧を印加して無
声放電によりオゾンを発生させるものである。3は酸素
供給装置1とオゾン発生装置2とを結ぶ配管に配備させ
たバルブ、4は前記オゾン発生装置2が発生させたオゾ
ンを取り出す流路、5は該流路4に配備して牛の乳房内
に注入されるオゾンの流量を制御する流量制御バルブ、
6は前記流路4に接続して余剰のオゾンを外部へ排出す
るための排出制御バルブ、7は前記流路4における流量
制御バルブ5に接続したオゾン誘導チュ−ブ、8は該オ
ゾン誘導チュ−ブ7の先端部に装着し牛の乳房9内にオ
ゾンを注入するためのオゾン注入管、10はオゾン誘導チ
ュ−ブ7に配備し牛の乳房9内に注入されたオゾンの圧
力を検知する圧力検知装置、11は排出制御バルブ6に接
続したオゾン分解装置、12はオゾン誘導チュ−ブ7にお
ける圧力検知装置10とオゾン注入管8との間に設けた逆
止弁、13は乳房9の乳頭口、14は乳槽、15は感染乳汁、
16は乳管、17は乳腺胞、18は乳腺細胞である。
【0014】而して、上記の圧力検知装置10は、これを
前記流量制御バルブ5及び排出制御バルブ6に関連さ
せ、乳房9へのオゾン注入圧力が所定値に達したら、流
量制御バルブ5を閉じ、排出制御バルブ6を開いて、余
剰のオゾンが排出制御バルブ6から外部へ排出されるよ
うになっており、図2に示すように、排出制御バルブ6
にオゾン分解装置11を接続しておけば、余剰のオゾンは
該分解装置11により分解され酸素に変換されて排出され
る。また、図3に示すように、オゾン誘導チュ−ブ7に
おける圧力検知装置10とオゾン注入管8との間に逆止弁
12を設ければ、前記流量制御バルブ5を閉じた際に乳槽
13内に溜っている乳が逆流するのを防止でき、オゾン誘
導チュ−ブ7内を汚染するおそれはない。
【0015】なお、本発明装置における各バルブに電磁
弁を用いるようにすれば、オゾンの導入,排出の自動化
が可能になり、牛から離れているオゾン発生装置の操作
が極めて簡便になる。
【0016】また、上記におけるガス誘導チュ−ブ13
は、可撓性のある耐オゾン性のチュ−ブ(フッ素系ゴ
ム,シリコン系ゴムなど)を用いるものとし、また、オ
ゾン注入管14の材質には、オゾンの酸化に耐える金属
(ステンレススチ−ル又はアルミニウム)或いはセラミ
ックス又はプラスチック(塩化ビニル樹脂,フッ素樹
脂,ポリエチレン樹脂など)を用いるものとする。
【0017】上記のように構成される本発明装置を使用
して牛の乳房炎を治療する方法を、図2に示す牛の乳房
用オゾン注入装置により説明すれば、次のとおりであ
る。まず、ガス導入チュ−ブ7をオゾン発生装置2の取
り出し口に接続し、次いで、オゾン注入管8を乳頭口13
から乳房9内に挿入した後、酸素供給装置1から酸素を
電源をOFFにしたオゾン発生装置2へ送れば、該酸素
がオゾン分解装置11に流れるように排出制御バルブ6を
開く。この状態でオゾン発生装置2の電源をONにし、
直ちに前記バルブ6を閉じると共に流量制御バルブ5を
開けば、オゾン発生装置2において発生したオゾンは、
その流路4からガス導入チュ−ブ7を通り、オゾン注入
管8から乳頭口13を通って、乳房9内に注入される。
【0018】このようにして、乳房9内に注入されてい
るオゾンの圧力が次第に上昇して設定値に達し、圧力検
知装置10がこれを検知すると、流量制御バルブ5が閉じ
られる一方、排出制御バルブ6が開いて、乳房9へのオ
ゾン注入を完了するのであるが、オゾン発生装置2から
のオゾンは排出制御弁6からオゾン分解装置11に送ら
れ、無害な酸素に変換されて外部へ排出される。
【0019】上記のようにして、牛の乳房にオゾンを注
入すると、図4に示すように、乳槽14内の感染乳汁15を
効率よくオゾンで曝気することができる。また、深部の
乳管16の乳腺胞17が注入したオゾンの圧力によって充分
に拡張されるので、乳房9内の炎症産物や感染乳汁15の
排出を促しながら、再深部の乳腺細胞18までオゾンが到
達する。従って、牛の乳房炎の治療を良好に行うことが
できるのである。
【0020】而して、本発明装置を適用できる乳房炎と
しては、急性乳房炎,臨床型乳房炎,潜在型乳房炎が挙
げられ、乾乳並びに盲乳化についても、上記と同様にし
適用して治療できる。また、乳房炎以外に腹腔内感染
症,尿路感染症,子宮内感染症,血液内感染症の治療に
も適用できる。
【0021】
【発明の効果】本発明は上述の通りであって、本発明の
牛の乳房炎治療用のオゾン注入装置によれば、オゾンを
乳頭口から乳房内に極めて簡単且つ安全に注入して治療
することができるので、従来の高価な薬剤を用いる必要
がなく、充分且つ確実な治療効果を挙げることができ
る。また、治療期間も従来の治療方法に比べて著しく短
縮することが可能で、コストが高く手間のかかる診断技
術も省略でき、治療及び診断に要していた高額な費用と
高度な技術も無用となる。
【0022】治療時に、乳房内に注入されたオゾンは、
治療乳区の深部の乳腺細胞組織にまで達し、乳房の深部
まで到達させることができるので、治療効果は極めて高
いものとなる。また、前記オゾンは、感染微生物の産生
毒素を酸化して解毒し、炎症組織のフリ−ラジカルとオ
ゾンが反応して容易に無害化する。更に、オゾンによる
炎症組織に対する酸素の補給によって、乳房の組織に障
害を与えることなく、自然治癒力を高めることができ
る。
【0023】一方、本発明装置を用いた治療において
は、耐性菌や、菌交代症が生じることはなく、生産物に
残留するものもないので、従来の治療において抗生物質
の残留により生じていた損失はなくなる。また、治療作
業時においては安全性が確保されるので、人と時を選ぶ
ことなく使用することが可能となる。
【0024】また、本発明においては、オゾン誘導チュ
−ブに牛の乳房内に注入されたオゾンの圧力を検知する
圧力検知装置を配備して、該圧力検知装置の検知値によ
りオゾンの注入を停止し、オゾン発生装置からのオゾン
を酸素に変換して外部へ排出するようにしたから、常に
適切な圧力のオゾン注入を行うことができる。
【0025】更に、オゾン誘導チュ−ブに逆止弁を設け
ることにより、流量制御バルブを閉じた際に乳槽内に溜
っている乳が逆流するのを防止でき、オゾン誘導チュ−
ブ内が乳により汚染されるおそれはなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明乳房用オゾン注入装置の一例の系統図。
【図2】本発明乳房用オゾン注入装置の別例の系統図。
【図3】本発明乳房用オゾン注入装置の更に別例の系統
図。
【図4】本発明装置の使用時における乳房内の状態を示
す模式図。
【符号の説明】
1 酸素供給装置 2 オゾン発生装置 3 バルブ 4 オゾン発生装置のオゾンの流路 5 オゾンの流量制御バルブ 6 オゾンの排出制御バルブ 7 オゾン誘導チュ−ブ 8 オゾン注入管 9 牛の乳房 10 注入されたオゾンの圧力検知装置 11 オゾン分解装置 12 逆止弁 13 乳頭口 14 乳槽 15 感染乳汁 16 乳管 17 乳腺胞 18 乳腺細胞

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素供給装置から供給される酸素を受入
    れてオゾンを発生させると共に該オゾンを排出するオゾ
    ン発生装置のオゾン取り出し流路にオゾンの流量を制御
    する流量制御バルブと余剰のオゾンを外部へ排出する排
    出制御バルブとを設け、前記流量制御バルブに、先端部
    に牛の乳房にオゾンを注入するオゾン注入管を装着した
    オゾン誘導チュ−ブを接続し、且つ、該オゾン誘導チュ
    −ブに、牛の乳房内に注入されたオゾンの圧力を検知す
    る圧力検知装置を配備して、該圧力検知装置が検知した
    値により前記流量制御バルブを制御し、余剰のオゾンは
    前記排出制御バルブから排出するようにしたことを特徴
    とする牛の乳房用オゾン注入装置。
  2. 【請求項2】 オゾン取り出し流路に設けた排出制御バ
    ルブにオゾン分解装置を接続し、圧力検知装置が検知し
    た圧力が所定圧力より大きくなれば、余剰のオゾンが前
    記オゾン分解装置に流入して酸素に変換されるようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載の牛の乳房用オゾン
    注入装置。
  3. 【請求項3】 オゾン誘導チュ−ブにおけるオゾン注入
    管の手前に逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の牛の乳房用オゾン注入装置。
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