JPH1084952A - D−乳酸脱水素酵素の精製方法 - Google Patents

D−乳酸脱水素酵素の精製方法

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JPH1084952A
JPH1084952A JP8244525A JP24452596A JPH1084952A JP H1084952 A JPH1084952 A JP H1084952A JP 8244525 A JP8244525 A JP 8244525A JP 24452596 A JP24452596 A JP 24452596A JP H1084952 A JPH1084952 A JP H1084952A
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ldh
lactic acid
blue
acid dehydrogenase
ligand
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JP8244525A
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Takuma Yano
拓磨 矢野
Kazue Kawahara
一恵 川原
Ken Iwata
建 岩田
Munehiko Donpou
宗彦 鈍寳
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工程で、かつ高い回収率で精製するこ
とのできるD−乳酸脱水素酵素の精製方法を提供する。 【解決手段】 D−乳酸脱水素酵素を含む溶液を、青色
色素をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィ
ーを用いて精製することを特徴とするD−乳酸脱水素酵
素の精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、D−乳酸脱水素酵
素(以下D−LDHと略記する)の精製方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素は、その反応がマイルドな条
件で起こること、基質との適合が特異的であること、反
応を光学的に定量することが容易であること等の優れた
点が注目され、医療分野や食品の成分分析等に広く利用
されており、このうち、D−LDHは、臨床検査等の分
野で、血清や尿中のピルビン酸の定量、トランスアミナ
ーゼやピルビン酸キナーゼ等の活性測定に用いられてい
る。また、D−LDHはD−乳酸の工業的製造等にも広
く利用されている。従来、D−LDHとしては、ラクト
バチラス(Lactobacillus )属、ロイコノストック(Le
uconostoc )属、スタフィロコッカス(Staphylococcu
s)属等の微生物由来のものが用いられており〔マイク
ロバイオロジカル・レビューズ(Microbiological Revi
ews )、44巻、106〜139頁(1980年)〕、
これらの微生物を培養した後、菌体を破砕して得た溶液
(粗酵素液)をイオン交換クロマトグラフィー、疎水ク
ロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等によ
って精製してD−LDHの精製標品を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、イオン交換ク
ロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過
クロマトグラフィー等を用いた精製方法は、それぞれの
カラムの精製倍率は通常数倍程度であり、単独の使用で
は分離がよくないため、純度の高い精製標品を得るため
には少なくとも3種類のカラムクロマトグラフィーを併
用することが必要であり、このため、精製工程が煩雑に
なり、かつ回収率が低く、精製のコストも高くなるとい
う問題があった。本発明は、D−LDHを簡単な工程
で、かつ高い回収率で精製することのできるD−LDH
の精製方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、D−LDHの
精製に青色色素をリガンドとするアフィニティークロマ
トが極めて有効であるということを見出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明はD−LDHを含む
溶液を、青色色素をリガントとするアフィニティークロ
マトグラフィーを用いて精製することを特徴とするD−
LDHの精製方法を要旨とするものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、D−LDHを含む溶液から青色色素をリガンドとす
るアフィニティークロマトグラフィーを用いてD−LD
Hを精製する方法であり、このようなD−LDHを含む
溶液としては、D−LDH産生能を有する微生物の菌体
を自己消化、超音波、フレンチプレス等による破砕、界
面活性剤処理、リゾチーム処理等した後、遠心分離によ
り、細胞片を除去する等して得られたD−LDHの粗酵
素液等が挙げられる。
【0006】上記のD−LDH産生能を有する微生物と
しては、例えば、ラクトバチラス(Lactobacillus )
属、ロイコノストック(Leuconostoc )属、スタフィロ
コッカス(Staphylococcus)属等に属する乳酸菌が挙げ
られ、具体的には、ラクトバチラス・ファーメンタム
(Lactobacillus fermentum)UKU−2株(FERM
P−15779)、ロイコノストック・ラクティス(Le
uconostoc lactis) SHO47株(FERM P−13
970)、SHO54株(FERM P−13971)
等が挙げられる。
【0007】このような微生物を培養する際に用いられ
る栄養培地において、炭素源としては、グルコース、シ
ュークロース、マルトース等が使用でき、窒素源として
は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、アンモニ
ア、硝酸、亜硝酸、尿素、尿酸、アミノ酸、ペプトン、
肉エキス、酵母エキス等の無機及び有機物が使用でき
る。さらに、無機塩類としては、カリウム、ナトリウ
ム、亜鉛、鉄、マグネシウム、マンガン等の各塩類、必
要に応じて微量金属塩、ビタミン類等を使用してもよ
い。
【0008】培養は通常、嫌気的あるいは微好気的な条
件下で行われ、培養温度としては、20〜40℃が好ま
しく、さらに30〜40℃が好ましく、特に35〜40
℃が好ましい。このような条件下で3〜30時間、好ま
しくは6〜10時間培養することにより、菌体内にD−
LDHが生成、蓄積される。
【0009】本発明において、アフィニティークロマト
グラフィーに用いる樹脂は、担体にリガンドとして青色
色素が結合したものであり、リガンドとして用いられる
青色色素としては、チバクロンブルーF−R、チバクロ
ンブルーニューF−R(チバ−ガイギー製)等が挙げら
れる。
【0010】また、リガンドと結合させる担体として
は、例えば、セルロース、デキストラン、アガロース、
デンプン等の多糖類の誘導体、ポリ酢酸セルロース、ポ
リビニルアルコールの誘導体、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリビニルクロライド、ポリ
(メチルメタクリル酸)エステル、ポリブテン、ポリペ
ンテン、ポリビニルデンクロライド、ポリアクリロニト
リル、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアミノ
スチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリマレ
イン酸モノエステル、架橋ポリアクリルアミド、ポリメ
タクリルアミド、ポリビニルアミン、ポリ(ジアルキル
アミノエチルメタクリル酸エステル)、ポリ(ジアルキ
ルアミノメチルスチレン)、ポリ(ビニルピリジン)、
ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアクリル酸無水物、ポ
リメタクリル酸無水物、ポリマレイン酸無水物、ポリメ
タクリロニトリル、ポリ(トリフルオロエチレン)、ポ
リ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ジビニルベンゼ
ン)、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(N−ビニル
アミン)、ポリ(テトラメチレングリコールジビニルエ
ーテル)、ポリビニルスルホン、ポリビニルスルホキシ
ド、ポリアクロレイン、ポリメチルビニルケトン等の不
飽和炭素を含む単量体からなる重合体、ポリフェニレン
オキシド、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシ
ド、ポリテトラメチレンオキシド等のポリエーテル類、
ポリアラニン、ポリフェニルアラニン等のポリペプチド
類、ナイロン−3、ナイロン−4、ナイロン−5、ナイ
ロン−6、ナイロン−7、ナイロン−11、ナイロン−
12、ナイロン−6.6、ナイロン−6.10、ポリ
(m−フェニレン−イソフタラミド)、ポリ(p−フェ
ニレン−テレフタラミド)等のポリアミド、テレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル
酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸と、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA等のポリ
オールとから誘導されるポリエステル類、グリコール
類、乳酸、ヒドロキシピリバリン酸等から誘導されるポ
リエステル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、ジアノ
アルキルメチルポリシロキサン、フルオロアルキルメチ
ルポリシロキサン等のシリコンゴム、トルエンジイソシ
アナート、キシレンジイソシアナート、フェニレンジイ
ソシアナート、エチレンジイソシアナートジフェニルメ
タンジイソシアナート、トルエントリイソシアナート等
のポリイソシアナートと、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、両末端にOH基を有するポリ
エステル等のポリオールとから誘導されるポリウレタン
類、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のホルムアルデヒド樹
脂、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリチアゾ
ール等の4員環を含むポリマー、ポリカーボナート、ポ
リスルホン等の合成ポリマー類及びガラス、アスベス
ト、クレイ、マイカ、ヒドロキシルアパタイト、活性
炭、シリカゲル、アルミナ等の無機物の誘導体及びポリ
フォスファゼンのような合成無機ポリマー等が挙げられ
る。特に好ましい具体例として、例えば市販のセファロ
ース、セファデックス(ファルマシア社製)、トーヨー
パール(東ソー社製)、セルロファイン(チッソ社製)
等が挙げられる。
【0011】リガンドと担体とを結合させる方法として
は、両者を混合するだけでも結合させることができる
が、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの溶液中で両者
を結合させることにより、さらに強固に結合させること
ができる。
【0012】本発明においては、まず、D−LDHを含
む溶液を上記のような樹脂に接触させてD−LDHを吸
着させる。接触方法としては、特に限定されるものでは
なく、カラム法、バッチ法のいずれの方法でもよい。こ
のときの溶液の量としては、特に限定されるものではな
いが、樹脂の吸着能以上であると樹脂に吸着されずに漏
出してしまうため、カラム体積の0.001〜1000
0倍量が好ましく、さらに1〜100倍量が好ましい。
また、カラム法で接触させる場合の通液速度としては、
0.001〜1000カラム体積/時が好ましい。
【0013】担体からD−LDHを溶出する際の溶出液
としては、水及び酢酸、クエン酸、リン酸、イミダゾー
ル、グッド等の緩衝液を用いることができ、NaClや
KCl等の塩を加えてもよい。溶出液の塩濃度として
は、0.001〜4Mが好ましく、さらに0.1〜1M
が好ましく、溶出液のpHとしては、1〜13が好まし
く、さらに4〜10が好ましい。また、溶出液の量とし
ては、カラム体積の0.1〜1000倍量が好ましく、
さらに4〜10倍量が好ましい。
【0014】本発明においては、上記のような青色色素
をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィーに
よりD−LDHをポリアクリルアミドゲル電気泳動で単
一なバンドを示す精製標品として得ることができるが、
さらに、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティ
ークロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル
濾過クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーを組み
合わせて精製することもできる。
【0015】組み合わせる樹脂としては、Q−セファロ
ースFF(ファルマシア社製)、DEAE−セファロー
ス(ファルマシア社製)等のイオン交換樹脂、ブルーセ
ファロースCL−6B、レッドセファロースCL−6B
(ファルマシア社製)等のアフィニティークロマト用樹
脂、フェニルセファロースFF(ファルマシア社製)、
ブチルトーヨーパール(東ソー)等の疎水クロマト用樹
脂、ウルトロゲルAcA−34、セファデックスG−1
00(ファルマシア社製)等のゲル濾過用担体又は樹脂
が挙げられる。
【0016】また、硫酸アンモニウム等の添加によるタ
ンパク質の塩析を組み合わせて行ってもよい。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、D−LDHの活性測定は3.0mMのピル
ビン酸及び0.25mMのNADHを含むトリス緩衝液
(pH7.7)に酵素溶液を加えて緩やかに混和した
後、分光光度計(日立製作所製)で340nmにおける
吸光度変化を測定することによって行った。測定は、3
0℃で行ない、1分間に1マイクロモルのNADHをN
AD+ に変換する酵素量を1単位(U)とした。
【0018】参考例1 グルコース3.0重量%、酵母エキス1.0重量%、ペ
プトン0.5重量%、クエン酸三ナトリウム・二水和物
0.5重量%、酢酸ナトリウム0.2重量%、硫酸マグ
ネシウム・七水和物0.02重量%、硫酸マンガン・四
〜五水和物0.005重量%、ツイン80 0.1容量
%よりなる培地25リットル(pH6.4となるように
4NのNaOHで調整)を30リットル容のジャーファ
ーメンターに仕込み、121℃で15分間滅菌した後、
ラクトバチラス・ファーメンタム(Lactobacillus ferm
entum)UKU−2株(FERM P−15779)を接
種し、140rpmで撹拌し、通気しない条件下、4N
のNaOHでpHを6.4に調整しながら37℃で6時
間培養した。培養終了後、遠心分離により菌体を採取し
て約250gの湿菌体を得た。得られた湿菌体のうちの
約50gを2mMのEDTA及び2mMの2−メルカプ
トエタノールを含む25mMのリン酸緩衝液(pH8.
0)に懸濁して250ミリリットルとした。これを圧破
砕器(800bar:大日本製薬社製)に通液して破砕
して破砕液を得た。得られた破砕液250ミリリットル
に、除核酸を目的として高分子凝集剤であるユニフロッ
カーUF305(ユニチカ社製)の1重量%の水溶液3
8ミリリットルをゆっくりと添加して約30分程度攪拌
した後、遠心分離して沈澱物を除去し、D−LDHの粗
酵素液300ミリリットルを得た。
【0019】参考例2 チバクロンブルーF−R(チバ−ガイギー社製)を0.
5容量%含む0.1Nの水酸化ナトリウム溶液200ミ
リリットルに、セファロースCL−6B(ファルマシア
社製)100ミリリットルを添加し、室温(約25℃)
で2日間放置した後、蒸留水で充分に洗浄してリガンド
としてチバクロンブルーF−Rが結合した樹脂(以下ブ
ルーF−Rと略記する)を得た。
【0020】実施例1 参考例1で得たD−LDHの粗酵素液300ミリリット
ルに酢酸を加えてpHを5.5に調整し、これを予め2
mMのEDTA及び2mMの2−メルカプトエタノール
を含む25mMのリン酸緩衝液(pH5.5)で平衡化
したブルーF−Rカラム100ミリリットルに通液して
D−LDHを吸着させた後、同緩衝液で洗浄し、2mM
のNADHを含む同緩衝液250ミリリットル(カラム
体積の約2.5倍量)で溶出を行った。なお、溶出画分
は、予め2mMのEDTA及び2mMの2−メルカプト
エタノールを含む25mMのリン酸緩衝液(pH8.
0)50ミリリットルを添加しておいた容器に回収し
た。このようにして得られたD−LDHのポリアクリル
アミドゲル電気泳動の結果は、単一なバンドであった。
さらに、濃縮を目的として、得られた溶出画分を予め2
mMのEDTA及び2mMの2−メルカプトエタノール
を含む25mMのリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化
しておいたDEAEセファロースFF(ファルマシア社
製)カラム5ミリリットルに通液してD−LDHを吸着
させた後、0.1Mの塩化カリウムを含む同緩衝液で洗
浄し、1Mの塩化カリウムを含む同緩衝液12.5ミリ
リットルで溶出を行って、D−LDHの精製標品を得
た。以上の精製の結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】このようにして得られたD−LDHの理化
学的性質を以下に示す。 (1)作用 以下の反応式に示す反応を触媒する。
【0023】
【化1】
【0024】(2)基質特異性 D−乳酸に対するKm値:18.5mM ピルビン酸に対するKm値:0.69mM NADに対するKm値:0.36mM NADHに対するKm値:0.12mM (3)至適pH及び安定pH範囲 pH8付近に至適pHを有し(測定温度30℃)、pH
4〜8で安定である(測定温度4℃)。 (4)作用適温の範囲 40℃まで(100mMのリン酸緩衝液中、pH7.5
で測定)。 (5)分子量 ゲルろ過法による測定で約90,000であり、SDS
電気泳動法による測定で38,000である。
【0025】比較例1 参考例1で得た粗酵素液300ミリリットルにリン酸二
カリウムを加えてpHを8.0に調整し、これを予め2
mMのEDTA及び2mMの2−メルカプトエタノール
を含む25mMのリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化
したDEAEセファロースFF(ファルマシア社製)カ
ラム35ミリリットルに通液してD−LDHを吸着させ
た後、同緩衝液で洗浄し、同緩衝液を用い、塩化カリウ
ムの濃度を徐々に上げて(0〜0.4M)溶出を行った
ところ、塩化カリウム濃度0.3M付近にD−LDHが
溶出した。
【0026】この溶出画分に25重量%となるように硫
酸アンモニウムを加え、これを予め25重量%の硫酸ア
ンモニウム、2mMのEDTA及び2mMの2−メルカ
プトエタノールを含む25mMのリン酸緩衝液(pH
8.0)で平衡化したフェニルセファロースFF(ファ
ルマシア社製)カラム10ミリリットルに通液してD−
LDHを吸着させた後、同緩衝液で洗浄し、同緩衝液を
用い、硫酸アンモニウム濃度を徐々に下げて(25〜0
重量%)溶出を行ったところ、硫酸アンモニウム濃度1
0〜20重量%付近にD−LDHが溶出した。
【0027】この溶出画分を回収し、透析により脱塩し
た後、予め2mMのEDTA及び2mMの2−メルカプ
トエタノールを含む25mMのリン酸緩衝液(pH8.
0)で平衡化したDEAEトリスアクリル(ファルマシ
アLKB社製)カラム5ミリリットルに通液してD−L
DHを吸着させた。このカラムを同緩衝液で洗浄し、同
緩衝液を用い、塩化カリウム濃度を徐々に上げて(0〜
0.3M)溶出を行ったところ、塩化カリウム濃度0.
15M付近にD−LDHが溶出した。
【0028】この溶出画分に硫酸アンモニウムを25重
量%となるように加え、予め25重量%の硫酸アンモニ
ウム、2mMのEDTA及び2mMの2−メルカプトエ
タノールを含む25mMのリン酸緩衝液(pH8.0)
で平衡化したブチルトーヨーパール(東ソー社製)カラ
ム5ミリリットルに通液してD−LDHを吸着させた
後、同緩衝液で洗浄し、同緩衝液を用い、硫酸アンモニ
ウム濃度を徐々に下げて(25〜0重量%)溶出を行っ
たところ、硫酸アンモニウム濃度12〜20重量%付近
にD−LDHが溶出した。このようにして得られたD−
LDH精製標品のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結
果は、単一なバンドであった。以上の精製の結果を表2
に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表1及び表2からわかるように、青色色素
をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィーを
用いてD−LDHを精製すると、従来の精製方法(比較
例1)と比較して約5倍の回収率で精製標品を得ること
ができた。さらに、精製工程も簡略化できたことから、
コストも大幅に低減することができた。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な工程で、かつ高
い回収率でD−LDHの精製標品を得ることができる。
このため、用途の多いD−LDHをより安価に供給する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈍寳 宗彦 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 D−乳酸脱水素酵素を含む溶液を、青色
    色素をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィ
    ーを用いて精製することを特徴とするD−乳酸脱水素酵
    素の精製方法。
JP8244525A 1996-09-17 1996-09-17 D−乳酸脱水素酵素の精製方法 Pending JPH1084952A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113373124A (zh) * 2021-06-10 2021-09-10 吉林基蛋生物科技有限公司 一种乳酸脱氢酶的提取方法及其应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113373124A (zh) * 2021-06-10 2021-09-10 吉林基蛋生物科技有限公司 一种乳酸脱氢酶的提取方法及其应用

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