JPH108120A - 鉄の溶解炉及び鋳鉄の製造方法 - Google Patents
鉄の溶解炉及び鋳鉄の製造方法Info
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- JPH108120A JPH108120A JP15558896A JP15558896A JPH108120A JP H108120 A JPH108120 A JP H108120A JP 15558896 A JP15558896 A JP 15558896A JP 15558896 A JP15558896 A JP 15558896A JP H108120 A JPH108120 A JP H108120A
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Abstract
鉄を製造することができる鉄の溶解炉及び鋳鉄の製造方
法を提供する。 【解決手段】 酸素バーナー2を備えた鉄の溶解炉1
に、搬送ガスで搬送した加炭材を、溶解炉内の溶湯の表
面に向けて吹付けるノズル6を、先端の中心線を溶湯面
に対して40度以上の角度にして設ける。
Description
鉄の製造方法に関し、詳しくは、鉄原料を酸素バーナー
の火炎で加熱して溶解するとともに、加炭材を添加して
鋳鉄を製造する溶解炉の構造及びこの溶解炉を用いた鋳
鉄の製造方法に関する。
炉内でバーナーの火炎により加熱溶解するとともに、加
炭材を添加して炭素含有量を適宜調整することにより、
鋳鉄を製造する方法が行われている。前記バーナーとし
ては、プロパンガス等の気体燃料、重油等の液体燃料、
あるいは微粉炭等の固体燃料を酸素ガスで燃焼させる酸
素バーナーが用いられている。
炭素材が用いられているが、加炭効率を向上させるた
め、コークスを粉砕して適宜小さな塊や微粒子状にして
溶解炉内に投入するようにしている。
加した炭化材の全量が原料鉄材の溶湯内に吸炭されず、
一部は酸化されて二酸化炭素や一酸化炭素となって炉外
へ排出されてしまう。このため、炉外へ排出される量を
考慮して原料投入と同時に過剰の加炭材を投入したり、
原料が溶解して溶湯になった後に不足分を再投入したり
している。
入時に過剰の加炭材を投入する場合は、吸炭効率が30
〜50%程度であり、このため、投入された加炭材の半
分以上が無駄となっていた。一方、原料が溶解して溶湯
になった後に不足分の加炭材を投入する場合、酸素バー
ナーによる加熱溶解では、溶湯表面が、主として酸化物
からなるスラグ層で覆われた状態になっており、再投入
した加炭材が、このスラグ層に浮遊して鉄溶湯への接触
が妨げられるため、50%以上の吸炭効率を達成するこ
とは困難であった。
効率を得ることができ、効率よく鋳鉄を製造することが
できる鉄の溶解炉及び鋳鉄の製造方法を提供することを
目的としている。
め、本発明の鉄の溶解炉は、鉄原料の投入口と鉄溶湯の
出湯口とを有するとともに、酸素バーナーを備えた鉄の
溶解炉において、搬送ガスで搬送した加炭材を、前記溶
解炉内の溶湯の表面に向けて吹付けるノズルを、先端の
中心線を溶湯面に対して40度以上の角度にして設けた
ことを特徴としている。
ーナーの火炎で鉄原料を溶解するとともに加炭材を添加
して鋳鉄を製造するにあたり、前記加炭材を搬送ガスに
より搬送し、40度以上の角度で溶湯の表面に吹付ける
ことを特徴とし、前記加炭材の70%以上の粒度が0.
2〜5mmの範囲内にあることを特徴としている。
構成の鉄の溶解炉を使用して鋳鉄を製造するにあたり、
前記ノズルの先端と溶湯面との距離Lを、0<L≦0.
4mの範囲とし、ノズルからの噴出速度Vを、毎秒10
0〜400mの範囲にするとともに、α=L×(103
/V)で表されるαの値が1.5以下になるように、前
記距離L及び噴出速度Vを設定することを特徴としてい
る。
さらに詳細に説明する。図1は、本発明の鉄の溶解炉の
一例を示すものである。この溶解炉1は、酸素又は酸素
富化空気を支燃性ガスとした酸素バーナー2の燃焼熱に
より、鉄(鋼を含む)のスクラップやリターン材等の鉄
原料を溶解再生するためのものであって、下部に溶解部
3を、上部に予熱部4を一体的に連設し、溶解部3と予
熱部4との間に絞り部5を設けるとともに、溶解部3内
の溶湯に向けて加炭材を吹込むためのノズル6を設けた
ものである。
ば電気炉等と略同様の内部形状を有しており、その一側
には、鉄溶湯の出湯口7が設けられている。また、予熱
部4は、略円筒状に形成されており、原料投入口となる
予熱部4の上部開口には排気口8aを有する蓋体8が着
脱可能に装着されている。
落下する鉄原料の落下速度を制御するために設けられる
もので、溶解部3と予熱部4との間を絞った状態にして
各内径よりも小さな内径で形成されている。
応じて1本乃至複数本が溶解部3の周壁を貫通した状態
で設置されるもので、その取付け位置は、溶解部3の大
きさなどに応じて炉壁の垂直部や天井部の適当な位置に
設定することができる。また、酸素バーナー2は、溶解
部3内に投入された鉄原料を溶解部3の底部側から溶解
させることができるように、火炎噴出方向が溶解部3の
底部に向くように設けられており、図示しない経路から
重油や微粉炭等の燃料と支燃性ガスとがそれぞれ導入さ
れる。また、溶解部3の底部あるいは周壁の下部には、
溶湯を撹拌するためのノズルを必要に応じて設けること
ができる。
介して予熱部4を連設することにより、予熱部4から溶
解部3に落下する鉄原料の量を最適な速度に制御するこ
とができるので、従来の鉄格子のような原料投入量を制
御する機器を設ける必要がなく、簡単な構造の溶解炉で
スクラップ等を効率よく溶解処理することができ、炉の
構造の簡略化により製造コストや保守コストの低減が図
れるとともに、熱効率の向上や溶解時間の短縮も図れ
る。
窒素等の搬送ガスにより搬送される粉体乃至粒体の加炭
材を溶湯に向けて吹付けるものであって、図2に示すよ
うに、溶湯面Sに対する先端の中心線の角度θが、40
度から垂直の範囲内になるように設置することが好まし
い。すなわち、加炭材を伴った搬送ガスを、溶湯面Sに
対して40度以上の角度で吹付けることができるよう
に、ノズル6の設置位置や挿入角度、先端形状を決定す
ることが好ましい。
2の燃焼火炎により銑鉄、鋼屑、鋳物屑等の鉄原料を溶
解するとともに、ノズル6から所定量の加炭材を添加し
て鋳鉄を製造する手順を説明する。
所定量の鉄原料を投入し、酸素バーナー2に点火して鉄
原料の溶解を開始する。このとき、投入された鉄原料
は、一部が溶解部3内に落下し、大部分が予熱部4内に
残った状態になる。そして、酸素バーナー2の燃焼火炎
により溶解部3内の鉄原料が溶解し始めるとともに、燃
焼ガスが絞り部5を経て予熱部4内を上昇し、予熱部4
内の鉄原料を加熱して排気口8aから炉外へ排出され
る。予熱部4内の鉄原料は、溶解部3内の鉄原料の溶解
の進行に伴って次々に溶解部3に落下し、燃焼火炎によ
り溶解される。
炭材吹込み用のノズル6から加炭材を伴った搬送ガス流
の吹き込みを開始する。ノズル6から溶湯の表面に吹付
けられた搬送ガス流は、溶湯表面の酸化物を主体とした
スラグを吹除いて表面に溶湯を露出させ、溶湯に向けて
加炭材を吹付ける。これにより、溶湯中に加炭材を直接
吹込むことができるので、加炭材を溶湯に効率よく吸炭
させることができる。
の鉄原料が減少するので、必要量の鉄原料を排気口8a
から予熱部4内に投入し、投入した鉄原料が全て溶解し
て所定量の溶湯が形成されたら、酸素バーナー2を消火
するとともに加炭材の吹込みも終了し、炉体を傾けて出
湯口7から出湯する。これにより、所定量の加炭材の添
加が行われ、所望の炭素含有量の鋳鉄を得ることができ
る。
ズル6から溶湯中に吹込むにあたり、前記ノズル6の溶
湯面Sに対する角度θを40度未満にすると、溶湯表面
のスラグを吹除いて溶湯を十分に露出させることが困難
となり、溶湯面が露出したとしても、加炭材を溶湯中に
効果的に吹込むことが難しい。
炭材の70%以上の粒度が0.2〜5mmの範囲内にあ
るものを用いることが好ましく、0.2〜5mmのもの
が70%未満だと吸炭効率が低下する。例えば、粒径が
0.2mm未満の小さな粒子は、ガスの流れにより飛散
してしまうために十分に溶湯中に吹込むことができず、
5mmを超える粒径の粒子は、その比表面積が小さいた
めに溶解効率が低くなる。
距離Lを、0<L≦0.4mの範囲とし、ノズル6から
の噴出速度Vを、毎秒100〜400mの範囲にすると
ともに、α=L×(103 /V)で表されるαの値が
1.5以下になるように、前記距離L及び噴出速度Vを
設定して加炭材を吹込むことが望ましい。
ズル先端部に溶湯が付着したり、閉塞したりするため、
ノズル先端は溶湯に接触させるべきではなく、また、両
者の距離が0.4mを超えると、溶湯表面部分における
加炭材の速度が低下するため、スラグを突き抜けて溶湯
中に吹込む力が弱くなり、ノズル6からの噴出速度Vに
よっては、加炭材を効率よく溶湯中に吹込むことができ
なくなる。
と、ノズル先端を溶湯に近付けても十分な加炭材吹込み
力を得ることが困難であり、吸炭効率が低下する。一
方、通常の吹込みノズルでは、音速を超える噴出速度V
を得ることができないため、噴出速度Vは、125℃で
の音速である毎秒400mが実用的な限界といえる。
の距離Lと、ノズル6からの噴出速度Vとは、相互に影
響を与えるものであり、例えば、距離Lが大きい場合は
噴出速度Vを高めればよく、噴出速度Vが低い場合には
距離Lを小さくすればよい。すなわち、この両者の関係
を、前記式で表されるαの値が1.5以下になるよう
に、すなわち、距離Lと噴出速度Vとの関係が図3に斜
線で示す範囲内に収まるように、これらを設定すること
が望ましい。
回転炉に本発明を適用した例を示すものである。すなわ
ち、鉄原料の投入口11,鉄溶湯の出湯口12及び排ガ
ス排出口13を備えるとともに、酸素バーナー14及び
加炭材を吹込むためのノズル15を備えた横型回転炉1
6であって、炉内に水平方向に挿入したノズル15の先
端部15aを、先端の中心線の角度が溶湯面に対して4
0度以上になるように屈曲させたものである。
屈曲させてノズル先端の中心線の角度を溶湯面に対して
40度以上にする場合、屈曲部の内面が加炭材の通過に
よって摩耗するおそれがあるため、屈曲部内面は、対摩
耗性の材料をコーティングするか、屈曲部を耐摩耗性の
材料で形成してノズル本体に接合することが好ましい。
る。 実施例1 図1に示す構造であって、全高70cm,溶解部の内径
90cmの溶解炉を使用し、ここに3本の酸素バーナー
を水平方向の同一円上に等間隔で配置するとともに、内
径10mmのステンレス製の加炭材吹込み用のノズルを
設けて、1トンの鉄原料を溶解して鋳鉄を製造した。鉄
原料には、鉄くずと銑鉄とを3:2の割合で混合したも
のを使用した。酸素バーナーへは、1本当たり、毎時3
0リットルの重油と毎時60Nm3 の酸素ガスを供給し
た。また、加炭材には、0.2〜5mmの範囲の粒度が
90%のコークスを用い、毎分2kgの割合で供給し
た。加炭材の搬送ガスには窒素ガスを使用し、ノズルか
らの噴出速度は、毎秒約200mとした。
0.15mとしてノズル先端と溶湯面との角度θを変え
て吸炭効率への影響を調べた。吸炭効率は、鉄が溶解し
始めたときの初期溶湯を採取して分析した炭素含有量
と、溶解終了後の出湯を分析して得た炭素含有量と、投
入した加炭材量とから算出した。なお、加炭材投入時間
は、約15分間とした。結果を次に示す。 角度θ[度] 35 45 55 65 吸炭効率[%] 40 58 65 70
材として用いるコークスの最大粒径を5mmにするとと
もに、0.2mm未満の粒径のものの混合量を調節して
0.2〜5mmの粒径のコークスの割合が異なる加炭材
を使用した。これ以外の条件は実施例1と同様にしてそ
れぞれの吸炭効率を算出した。結果を次に示す。 粒径0.2〜5mmの割合[%] 60 70 80 90 吸炭効率[%] 35 52 60 68
2〜5mmの粒度が90%のコークスを用いるととも
に、ノズル先端と溶湯面との距離L[m]及び噴出速度
V[m/秒]を変えて炭素レベル及びケイ素レベルの異
なる原料鉄を、これ以外の条件は実施例1と同様にして
溶解した。結果を次に示す。
して毎時60Nm3 で供給し、溶湯面に対するノズル先
端の角度θを60度とした以外は実施例1と同様に操作
を行った。その結果、68%の吸炭効率が得られた。
溶解した。加炭材の吹込み角度は60度とし、酸素バー
ナーへは毎時150リットルの重油と毎時300Nm3
の酸素ガスを供給した。これ以外は実施例1と同様に操
作を行った結果、66%の吸炭効率が得られた。
吸炭効率を大幅に向上させることができ、高い吸炭効率
で所定の炭素濃度の鋳鉄が得られる。
る。
る。
である。
部、5…絞り部、6…ノズル、7…出湯口、8…蓋体、
8a…排気口、11…投入口、12…出湯口、13…排
ガス排出口、14…酸素バーナー、15…ノズル、15
a…先端部、16…横型回転炉
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄原料の投入口と鉄溶湯の出湯口とを有
するとともに、酸素バーナーを備えた鉄の溶解炉におい
て、搬送ガスで搬送した加炭材を前記溶解炉内の溶湯の
表面に向けて吹付けるノズルを、先端の中心線を溶湯面
に対して40度以上の角度にして設けたことを特徴とす
る鉄の溶解炉。 - 【請求項2】 酸素バーナーの火炎で鉄原料を溶解する
とともに加炭材を添加して鋳鉄を製造するにあたり、前
記加炭材を搬送ガスにより搬送し、40度以上の角度で
溶湯の表面に吹付けることを特徴とする鋳鉄の製造方
法。 - 【請求項3】 前記加炭材は、その70%以上の粒度が
0.2〜5mmの範囲内にあることを特徴とする請求項
2記載の鋳鉄の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の溶解炉を使用した鋳鉄の
製造方法であって、前記ノズルの先端と溶湯面との距離
Lを、0<L≦0.4mの範囲とし、ノズルからの噴出
速度Vを、毎秒100〜400mの範囲にするととも
に、α=L×(103 /V)で表されるαの値が1.5
以下になるように、前記距離L及び噴出速度Vを設定す
ることを特徴とする鋳鉄の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15558896A JP3662348B2 (ja) | 1996-06-17 | 1996-06-17 | 鉄の溶解炉及び鋳鉄の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15558896A JP3662348B2 (ja) | 1996-06-17 | 1996-06-17 | 鉄の溶解炉及び鋳鉄の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH108120A true JPH108120A (ja) | 1998-01-13 |
JP3662348B2 JP3662348B2 (ja) | 2005-06-22 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3662348B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011093237A1 (ja) | 2010-01-28 | 2011-08-04 | 株式会社木村鋳造所 | 鋳鉄溶湯中の不純物除去方法および鋳鉄原料 |
KR101246203B1 (ko) | 2011-02-24 | 2013-03-21 | 현대제철 주식회사 | 전기로 중취 교반용 가스 공급 제어장치 |
-
1996
- 1996-06-17 JP JP15558896A patent/JP3662348B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011093237A1 (ja) | 2010-01-28 | 2011-08-04 | 株式会社木村鋳造所 | 鋳鉄溶湯中の不純物除去方法および鋳鉄原料 |
CN102782163A (zh) * | 2010-01-28 | 2012-11-14 | 株式会社木村铸造所 | 铸铁熔液中的杂质除去方法及铸铁原料 |
KR101246203B1 (ko) | 2011-02-24 | 2013-03-21 | 현대제철 주식회사 | 전기로 중취 교반용 가스 공급 제어장치 |
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---|---|
JP3662348B2 (ja) | 2005-06-22 |
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