JPH1078414A - 光学装置及びその運転方法 - Google Patents

光学装置及びその運転方法

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JPH1078414A
JPH1078414A JP8234171A JP23417196A JPH1078414A JP H1078414 A JPH1078414 A JP H1078414A JP 8234171 A JP8234171 A JP 8234171A JP 23417196 A JP23417196 A JP 23417196A JP H1078414 A JPH1078414 A JP H1078414A
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optical
light
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acoustic signal
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Kajiro Ushio
嘉次郎 潮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学装置の性能低下の原因となる光学素子を
見つけ、且つ光学装置が安定動作する使用開始のタイミ
ングを的確に知り、尚且つ光学装置のメンテナンスを容
易にし、尚且つ光学素子の光学特性が変化しても安定運
転を図ることが出来る光学装置を提供すること。 【解決手段】 光学装置の運転中の、光学素子の、可逆
または不可逆の光学特性の変動を、光学装置内の光学素
子の一部または全部に、音響検出素子を、光学装置の主
要な光路を遮らないように配置し、且つ光照射時の光学
素子からの音響信号強度を常時測定することによりモニ
ターし、そのモニター結果を光学装置の運転制御系にフ
ィードバックする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、さまざまな物理量
を光学的に測定する光学測定器、及びリソグラフィや切
削などを行なう光学加工機、等の光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学技術の発達とともに、さまざまな物
理量を光学的に測定する光学測定器、及びリソグラフィ
や切削などを行なう光学加工機の進展は目覚ましい。こ
れら光学測定器や光学加工機、等の光学装置は、多機能
化、精密化、自動化とともに、その用いる光の高エネル
ギー化が日々進んでいる。また、近年は可視光に比べ非
常に長い、あるいは短い波長の光を用いる光学装置に関
心が集まり、特に超短波長の光(各種エキシマレーザ光
やX線など)は微細加工やリソグラフィに多く用いられ
つつある。
【0003】光学装置に用いられる光学素子として、レ
ンズ、ミラー、フィルターなど、それぞれ屈折、反射、
光量調節を目的とするものがある。これらの光学素子に
ついての要求は、以上述べた光学装置の使用光の、短波
長化、高エネルギー化への要求の増大とともに、高度に
なっている。これらの光は、波長的あるいは光量的にエ
ネルギーが大きく、可視光近傍の光に比べ、光学素子を
構成する、ガラス材(硝材)や、コートされた薄膜に大
きな相互作用を与えるので、光学素子の光照射による物
性変動が一般に大きいと言える。照射による変動は、甚
だしい場合は硝材や薄膜のわれ、発光、着色、となる。
【0004】薄膜の剥離(アブレーション)やくもりな
ど、明らかで、不可逆(ここで言う不可逆とは光の照射
をやめても元に戻らない性質を意味する)な損傷現象に
関しては、あらかじめ損傷検査で光学素子を評価し、損
傷と使用条件との関係を見つけ、損傷に到らぬ条件で使
用することにより防いでいる。損傷検出については、そ
の方法について、音響計測も含み、さまざまな提案がな
されている。(例えば、Rev.Sci.Inst., 64, 6, pp1690
6(1993)など)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学素
子の要求精度が高度になり、物質を変質させるエネルギ
ーの大きな短波長の光を扱う機会がふえるにつれ、この
対応は十分でなくなりつつある。すなわち、明らかな損
傷に到る以前にも、光学素子の透過率、光吸収率、光散
乱率、屈折率、それに面形状などの光学特性が変化し、
このとき、損傷とは呼びにくい、可逆(ここで言う可逆
とは光の照射を停止すると元に戻る性質のことを意味す
る)な物性変化もおこり得ることが観察されつつある。
(後述)この物性変化に起因する、光学素子の光学特性
の変動は、当然、光学装置の光学系の光学性能(結像性
能、光線位置制御性能、光量制御性能)に影響し、場合
によっては光学装置としての機能を大きく低下させる。
この可逆な物性変化のため、照射その他による光学素子
の光学特性変化は、光学装置の性能の低下でようやく判
明するというケースも多い。こういう場合は、光学素子
の光学測定のしなおしや、取り替えを行うことなどによ
り対処するほかはない。これは面倒な操作であり、連続
して動作している製造装置の場合などでは著しく作業効
率を低下させる。また、光学素子の光学特性値の変動
は、使用環境に左右されることが多いので、光学素子の
光学特性が変動しているかどうかは、その光学素子が光
学装置に組み込まれ、且つ運転状態での測定、即ちその
場測定でないと意味がないという問題がある。
【0006】さらに、本発明が解決しようとしている課
題は、光学装置の性能低下の原因となる光学素子を見つ
けることにより、光学装置が安定動作する使用開始のタ
イミングを的確に知り、尚且つ光学素子の光学特性が変
化しても安定運転を図ることが出来る簡便な光学装置を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、光
学装置の運転中に、光学素子の、可逆または不可逆の光
学特性の変動を、常時モニタすることによって光学素子
の状態を把握し、光学装置の性能を安定的に維持でき
る、簡便な方法およびその方法を用いた光学装置を提供
する。
【0008】そのため、第一に、「光学装置に於いて、
前記光学装置は、光学系を有し、前記光学系は、光学素
子を有し、前記光学素子の一部または全部に、音響検出
素子が配置され、且つ光照射時の前記光学素子からの音
響信号強度を常時測定することにより、前記光学素子の
光学特性を常時モニタし、そのモニタ結果を前記光学装
置の運転制御系へフィードバックする手段を有すること
を特徴とする光学装置(請求項1)」を提供する。
【0009】第二に、「光学装置に於いて、前記光学装
置は、光学系を有し、前記光学系は、光学素子を有し、
前記光学素子の一部または全部に、音響検出素子が配置
され、且つ光照射時の前記光学素子からの音響信号強度
を常時測定することにより、前記光学素子の光学特性を
常時モニタし、そのモニタ結果を前記光学装置の運転制
御系へフィードバックすることを特徴とする光学装置の
運転方法(請求項2)」を提供する。
【0010】第三に「前記音響検出素子が、前記光学素
子の光の通過しない部分または、その保持部材に、音響
整合をとって接着されていることを特徴とする請求項1
記載の光学装置(請求項3)」を提供する。第四に「前
記光学素子の前記音響信号強度の変化に応じ、前記光学
装置の、光照射量、光センサ感度などを調節する手段を
有することを特徴とする請求項1記載の光学装置(請求
項4)」を提供する。
【0011】第五に「予め設定された基準値以上の前記
音響信号強度の変化量を検知して、前記光学素子の光学
特性の異常を前記光学装置の運転制御系へ報知し、前記
光学装置の運転を停止する手段、及び/あるいは、運転
停止後、適当な自動操作によって、前記光学装置の運転
を復帰、再開させる手段を有することを特徴とする請求
項1記載の光学装置(請求項5)」を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明にかかる、光学素子の光学
特性のモニタが配置された、光学装置の実施の形態を、
高出力紫外光パルスレーザを用いた光学装置を例に説明
するが、本発明はこの例に限定されるものでない。本光
学装置に用いられる光学素子は多々あるが、本説明では
フィルターの光学特性がモニターされた場合を考える。
本実施の形態を示す図1−a、図1−b、図1−c、図
1−dには光学装置本体の主要部分は省略し、その構成
要素である一つの光学素子、即ちフィルターのみを示し
たが、他の光学素子のモニターについても、実質的に全
く同様な説明が成り立つことは言うまでもない。
【0013】フィルタは、光量を制御し、照射された光
の一定量をとりだす機能を持つ。使用光を吸収する薄膜
または硝材を用いる吸収タイプのほか、誘電体を積層し
て形成される反射ミラータイプがある。これらフィルタ
ーの光透過率は、当然運転中は一定で安定している必要
がある。高出力レーザ使用の装置においては、光量セン
サが、高出力レーザの高エネルギー光の直接入射に耐久
性がないことが多いため、光量センサへの入射前に、フ
ィルタによる減光が求められることが多く、センサ出力
を正しく評価するためにも、フィルタ特性の安定性は重
要である。本発明の一例として、このようなフイルタ
に、光吸収量の測定のため、光音響信号を測定する機構
を設ける。
【0014】光吸収率の測定には、一般に光学的に直接
測定する方法(光強度を光センサで検出する方式)がと
られているが、光源光が短波長になった場合、(200
nm以下)現在のところ安定した光源や光量測定法が確
立されておらず、微小な光吸収率(微小な光量差)を測
定する場合に大きく測定精度が低下する。また、エキシ
マレーザなどのパルスレーザでは、その検出にあたっ
て、光センサの応答速度が遅いために問題が生ずる場合
もある。さらに、光吸収率の測定に当たって光吸収量の
みを分離測定することは困難であり、必ず表面等での散
乱量を含んだ値として検出されることも、光学的方法の
測定の短所となっている。
【0015】この短所を解決する方法として、従来の光
学的方法によらない、パルス照射光の光学素子への吸収
による温度上昇によりサンプルあるいはその近傍雰囲気
に生じた変形とその緩和で生ずる音響信号を検出し、そ
こから光吸収率を逆算する光音響測定法と呼ばれる方法
を用いた。この光音響測定法は、サンプルあるいはその
近傍雰囲気の、断続光の照射による加熱冷却で生じた、
体積変化である音響を、マイクロフォンや、サンプルあ
るいはその保持部材にとりつけた圧電素子トランスデュ
ーサなどで、電気信号に変換して検出する。信号の強度
あるいは位相などの解析により物質の無輻射遷移に関す
るさまざまな情報を得ることができるが、音響波の大き
さは通常熱エネルギー、すなわち光吸収量に比例してい
るため、(詳しい理論は例えば論文J.Appl.Phys, vol.4
7,No1, pp64. J.Appl.Phys, vol.51,No6, pp3343. Can.
J.Phys,vol.64,pp147 など)一般的にはこれを測定した
音響信号強度から光の吸収量を算出できる。この方式に
よれば、微小な吸収のサンプルであっても、光強度の大
きな光源を用いることによって検出信号量を大きくで
き、感度のよい測定が可能になる。
【0016】音響を検出する方法として、非接触でマイ
クロフォンなどによる検出方式もとることができるが、
図1−aに示す様に、光学素子(この場合はフィルタ)
に直接音響整合をとって圧電素子などの検出素子取り付
ける方法が、信号強度を大きくとれ、設置も簡便であ
る。光学素子(フィルタ)に直接取り付けるのではな
く、光学素子が、音響整合的にセットされている光学素
子保持部材に音響検出素子を取り付けるのでもよい。
(図1−b)音響検出機配置の際には、使用光の透過部
分からはずして配置し、光学素子(フィルタ)としての
動作を損なわないことが好ましい。先に述べたように、
光をフィルタに照射した時に生ずる光音響信号の強度
は、材料の光吸収量を反映した値をとり、一般に音響信
号強度は光吸収量に比例する。このため、音響信号をモ
ニタすれば、フィルタの光吸収量を、光学装置からとり
はずすことなく、装置を動作させながら知ることができ
る。モニタする値としては、時間的な音響波形の一つの
振幅値(図1−cでの5など)か、一定時間範囲の音響
波のある周波数成分の振幅値(図1−dでの6など)を
とることが一般的である。
【0017】フィルタによく用いられる、Cr、インコ
ネルなどの金属膜フィルターのみならず誘電体薄膜フィ
ルターは、通常強い紫外光の照射により破壊(薄膜の変
色や剥離)をおこす。破壊に到らない場合も、紫外光に
おいては特に、その透過率に変動がおこり易い。(この
ため、これらフィルタは使用そのものを控えられること
があり、光量調節には、比較的変動の小さいとされるガ
ラスの表面反射などを用いられることも多い。但しこう
した方法では、フィルタ性能を自由に設定することは困
難になる。) 例えばCr膜のフィルタでは、高エネルギー紫外光の照
射により、光吸収量が増加し、ある照射数で、一定範囲
に落ち着く現象が観察されている。我々は、このような
照射による変動が、雰囲気にも影響され、許容光量での
照射では、基本的に可逆であることなどを見いだしてい
る。従ってこの場合、本発明に従い、光照射により起こ
る、光吸収量の変動によるフィルタ特性の変動を、音響
信号によりリアルタイムでモニタし、音響信号強度が一
定に落ち着くのを確認してから、光学装置の動作を開始
する方策をとることができる。
【0018】また、光学素子において、洗浄処理によっ
てその吸収量が変化することもある。上に述べた金属薄
膜フィルタにおいても、アルコールを浸み込ませた布で
拭くなどの洗浄工程を施すと、紫外光における光吸収量
において一時的な増加を見せることを我々は観察した。
短波長のエキシマレーザの場合などは、照射物質との相
互作用がより大きいため、特に顕著に見られる。これら
は、使用する紫外光の継続的照射により復帰することが
多い。光洗浄効果で、表面吸着物の除去がなされる為と
考えられる。このような場合も、フィルタの光吸収量が
復帰安定した状態で光学装置の使用を開始することが好
ましいが、音響信号をモニタする本発明の機構は、使用
開始のタイミング(初期値への復帰の時点)を知る手段
となる。
【0019】音響信号強度と光吸収量は比例するため、
観測した音響信号強度の変動によってフィルタの性能値
の、初期値あるいは設定値からのずれを定量的に知るこ
とも可能である。このため、数値的に、光学装置の様々
の動作値を補正することができる。フィルタが、光量セ
ンサへの入射光量の減光に使用されている場合には、実
際の光量センサの出力値を、音響信号の出力値(音響信
号強度)で較正して算出し、正確な光量値を知ることが
可能となる。
【0020】さらに、光学素子の、性能許容範囲からの
逸脱、使用限界となる寿命(取り替え時期)を指示する
機能を光学装置に持たせることもできる。音響信号強度
が、ある一定値以上の値の変動が起こった時に、異常を
知らせる、あるいは装置を自動的に停止させる機構を設
けることなどが可能である。また、異常を検知して自動
的に、例えば光学素子の光照射位置を移動させるなどの
措置を行い、装置を自ら修復する機構とすることもでき
る。
【0021】音響信号をモニタする光学素子は上記フィ
ルタ以外の、レンズ(およびそれに施された各種コー
ト)、ミラーなどにおいても同様に可能である。いずれ
もフィルタの例のような方法で音響信号をモニタし、光
学装置の運転制御に利用できる。また、複数の光学素子
に音響検出素子を取りつけ、それぞれの音響信号強度の
変動量(即ち光吸収量の変動量)を同時にモニタするこ
とにより、光学装置の動作の異常時に、その異常原因と
なる光学素子を見つけることができる。
【0022】
【実施例1】実際に図2に示すシステムで、光音響によ
るフィルタのモニタと補正を行なった。本実施例はその
場観察で、フィルターの物性変動評価をした例を述べた
ものである。光源は、ArFエキシマレーザ(波長19
3nm)7であり、パルス幅20nsecでパルス発光
する。以下で述べる照射回数はこのパルス光の照射回数
のことである。光は、エキシマレーザを出射後、スリッ
ト8とレンズ系9、10により整形され、ほぼ円形平行
光として、正面の光センサ(焦電型)16に照射され、
光量が計測される。一方、図に示したような、石英ガラ
ス11の反射を用いた分岐光路において、もう一つの光
センサ(バイプラナ型フォトマルチプライヤ)12でも
光量をモニタしている。分岐の光量は、事前に正面照射
面での光量との比例関係が確認され、その係数が求めら
れている。
【0023】正面の光センサの前に、石英基板にCr膜
を成膜した、フィルタ13を配置する。Cr膜の膜厚は
約35nmであり、透過率はほぼ1%である。フィルタ
の基板ガラスの一部分に、圧電材料であるPZT(ジル
コン酸チタン酸鉛)にアルミナの受信板を付けた形の圧
電センサ14を、音響整合材としてグリース15を介し
て接着した。音響信号は、低周波、及び高周波のノイズ
(電源ノイズ、機械ノイズ)を除くため、周波数選別を
行い(FFT:高速フーリエ変換による)、測定系の共
振周波数付近の振幅を音響信号強度として検出した。波
長193nmの光は、空気中ではわずかに吸収されるた
め、システム全体は、窒素パージされた環境にある。
【0024】こうして、光照射を行ない、正面センサ、
分岐センサ、及びフィルタの音響信号強度値を、パーソ
ナルコンピュータ19に取得、処理した。Cr膜フィル
タの音響信号強度は、分岐センサの出力光量と、良好な
線形性をみせ、音響信号強度(圧力値)が、フィルタの
光吸収量を直接に反映することが確かめられた。およそ
10mJ/cm2 のパワー密度で、100Hzで連続し
て照射したところ、フィルタについて、不可逆的破壊は
起こらないことが確認されたが、図3のように、音響信
号強度は、照射パルスの回数が約1000回までは上昇
し、(約10%)その後ほぼ一定の安定値になることが
観察された。この音響信号強度は、空気中に数時間放置
されることにより低下し、(図3のAの変化)、点20
の値となり、再び窒素パージを行い、同じく約1000
回の照射を行うことにより、安定値となる(図3のBの
変化)ことも判明した。
【0025】この結果から、このフィルタを用いた光学
装置において、窒素パージを行う毎に、初期照射を適当
回行って、音響信号強度の安定を確認してから装置の使
用を開始することにより、フィルタ性能一定の安定した
状態での光学装置の使用が可能であることが示された。
【0026】
【実施例2】実施例1と同じ構成において、更に、Cr
膜フィルタの反射率を光量センサ(バイプラナ型光電
管)でモニタしたところ、反射率は約35%であり、吸
収量(音響信号強度)が変動してもほとんど変化しない
ことがわかった。これにより、フィルタの透過光量は、
フィルタの音響信号強度値から求めた吸収量からほぼ正
確に計算が可能となることが示され、フィルタを透過し
た光量センサ16の出力値は、この値により補正するこ
とができた。即ち、フィルタの特性が大きく変動して
も、光量を正しく知ることが可能になった。
【0027】
【実施例3】実施例1と同じ構成において、対面に配置
された光量モニタ16の前に、誘電体を積層して形成し
たミラーを配置し、実施例1と同様に、圧電タイプの音
響検出素子を光を妨げない位置に配置した。ミラーは、
照射光の約99%を反射し、ほぼ0.5%を透過するも
のである。この音響信号強度をモニタしたところ、洗
浄、放置後の初期の照射で、図4に示すように、音響信
号強度は照射回数と共に大きな変動(減少)を見せるこ
とがわかった。このミラーを特にフィルタとして用いる
場合、この吸収量の変動の影響は大きい。この場合も、
音響信号モニタにより、フィルタの安定を見はからって
使用を開始するという方法により、適正な動作を行うこ
とができることが確認できた。
【0028】
【実施例4】図5は音響検出素子をガスレーザの二つの
共振鏡に組み込んだ例である。レーザ共振鏡の内面には
多層膜反射鏡がコートされており、この多層膜反射鏡の
光学特性は反射率が高く、且つ光吸収率が低い程、一般
に発振光の出力は高く、且つ単色性は良く、発振光の品
質は良い。この多層膜反射鏡の光学特性、特に光吸収率
は大出力、短波長のレーザでは時間と共に変動しやす
く、その結果、発振光の品質が変動するが、時間と共に
安定する。本実施例は音響検出素子を組み込むことによ
り、レーザの出力光の安定のタイミングを知り、且つ長
期使用の場合の出力光の品質の変動の原因を検知するこ
とができる。
【0029】
【発明の効果】以上の通り、本発明に従えば、簡便な方
法で、光学装置における光学素子の状況を即時かつその
場でモニタでき、光学装置の的確な運転、自己診断、自
己修復が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明による、光学装置に用いられる光学
素子の光吸収量モニタ方法の例である。a図は光学素子
への直接接触による方法、b図は光学素子を保持する光
学素子ホルダーとの接触による方法を示す。また、c図
は、音響信号の時間軸表示の一例、d図は、音響信号の
周波数表示の一例である。
【図2】は、実施例1、2、3における、フィルターの
光学特性のモニター系の概要を示す。
【図3】は、実施例1、2におけるCr薄膜フィルタの
光吸収量(音響信号強度)の経時変化を示すグラフであ
る。Aは、空気中放置による変化、Bは、(窒素パージ
中での)、1000回照射による変化を示す。
【図4】は、実施例3における誘電体ミラーの吸収量
(音響信号強度)の経時変化を示すグラフである。
【図5】は、実施例4による、音響検出素子を二つの共
振鏡に組み込んだガスレーザ装置の概念図を示す。
【符号の説明】
1 光学素子 2 光学装置使用光 3 音響検出素子 4 光学素子保持部材 5 音響信号(時間軸)の振幅 6 音響信号周波数成分 7 ArFエキシマレーザ 8 スリット 9 リレーレンズ 10 対物レンズ 11 石英ガラス板 12 光量センサ(バイプラナ型フォトマルチプライ
ヤ) 13 Cr薄膜フィルタ 14 圧電素子 15 グリース 16 光量センサ(焦電型) 17 周波数選別装置(フィルタ、FFT) 18 窒素パージチャンバー 19 パーソナルコンピュータ 20 放置時の変化点 21 誘電体ミラー 22 発振光 23 レーザ共振鏡 24 音響信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学装置に於いて、前記光学装置は、光
    学系を有し、前記光学系は、光学素子を有し、前記光学
    素子の一部または全部に、音響検出素子が配置され、且
    つ光照射時の前記光学素子からの音響信号強度を常時測
    定することにより、前記光学素子の光学特性を常時モニ
    タし、そのモニタ結果を前記光学装置の運転制御系へフ
    ィードバックする手段を有することを特徴とする光学装
    置。
  2. 【請求項2】 光学装置に於いて、前記光学装置は、光
    学系を有し、前記光学系は、光学素子を有し、前記光学
    素子の一部または全部に、音響検出素子が配置され、且
    つ光照射時の前記光学素子からの音響信号強度を常時測
    定することにより、前記光学素子の光学特性を常時モニ
    タし、そのモニタ結果を前記光学装置の運転制御系へフ
    ィードバックすることを特徴とする光学装置の運転方
    法。
  3. 【請求項3】 前記音響検出素子が、前記光学素子の光
    の通過しない部分または、その保持部材に、音響整合を
    とって接着されていることを特徴とする請求項1記載の
    光学装置。
  4. 【請求項4】 前記光学素子の前記音響信号強度の変化
    に応じ、前記光学装置の、光照射量、光センサ感度など
    を調節する手段を有することを特徴とする請求項1記載
    の光学装置。
  5. 【請求項5】 予め設定された基準値以上の前記音響信
    号強度の変化量を検知して、前記光学素子の光学特性の
    異常を前記光学装置の運転制御系へ報知し、前記光学装
    置の運転を停止する手段、及び/あるいは、運転停止
    後、適当な自動操作によって、前記光学装置の運転を復
    帰、再開させる手段を有することを特徴とする請求項1
    記載の光学装置。
  6. 【請求項6】 前記光学装置がレーザ装置であり、且つ
    前記音響検出素子が配置された光学部材が出力光側のレ
    ーザ共振鏡であることを特徴とする請求項1記載の光学
    装置。
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JP8234171A Pending JPH1078414A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 光学装置及びその運転方法

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JP (1) JPH1078414A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013538095A (ja) * 2010-08-20 2013-10-10 パーデュー・リサーチ・ファウンデーション 結合選択的振動光音響画像システムおよび方法
JP2016099137A (ja) * 2014-11-18 2016-05-30 株式会社クレハ 圧電素子、音波プローブ、光音響装置

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