JPH1078383A - ガス塵埃捕集システム - Google Patents

ガス塵埃捕集システム

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Publication number
JPH1078383A
JPH1078383A JP23282296A JP23282296A JPH1078383A JP H1078383 A JPH1078383 A JP H1078383A JP 23282296 A JP23282296 A JP 23282296A JP 23282296 A JP23282296 A JP 23282296A JP H1078383 A JPH1078383 A JP H1078383A
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JP
Japan
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gas
condensate
steam
stainless steel
dust collecting
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Application number
JP23282296A
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English (en)
Inventor
Toshio Nakano
寿夫 中野
Masahiro Maki
正博 槙
Shozo Sakai
正三 酒井
Koichi Mayama
晃一 真山
Hideki Tomioka
秀起 富岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分析対象範囲が広く、技術的に容易で、かつ、
安価なガス塵埃捕集システムを実現する。 【解決手段】分析対象である汚染物を含む気体を吸引口
5から吸引し、該吸引した気体に蒸気発生器14で生成
した純水蒸気を適量混合し、凝縮器8内に送り、前記気
体が元来含有する水分と共に、凝縮器8内で冷却して凝
縮し、前記汚染物を比較的高濃度に含む凝縮液を生成
し、該凝縮液を回収溜11に流下させ、成分分析系13
に送り、かつ、吸引ポンプ7により前記気体の未凝縮分
を放散させる処理を連続して行うガス塵埃捕集システム
において、該システムの配管15、18、20がSUS
316で形成され、かつ、その内表面が酸化クロム層で
被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水に溶解あるいは
分散するガスと、水に可溶の微小塵埃を含む大気や排ガ
ス等の気体を吸引し、必要ならば吸引気体に純水蒸気を
混合した後、凝縮器内で適当な温度に冷却して、前記ガ
スと前記塵埃を所望の高濃度で含む分析用の凝縮液(す
なわち、捕集液)を得るのに好適なガス塵埃捕集システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大気中の汚染ガスや微小な浮遊塵
埃を、環境測定の対象として分析することがよく行われ
ている。また、特殊な環境であるクリーンルーム内の半
導体部品の生産ラインや、その他の雰囲気が問題となる
生産ラインにおける室内雰囲気の環境測定管理が重要と
なっている。また、煙突の煙やその他の排ガス中の有害
ガスの分析管理も重要となっている。その中で、イオン
性ガスや有機性ガスあるいは極微小浮遊塵埃の分析は特
に重要で、大きな割合を占めるようになっている。特殊
な生産ラインでは、重金属、例えばFe(鉄)、Ni
(ニッケル)等の汚染を嫌うことがあり、これらの金属
イオンに関係する雰囲気の分析も懸案となっている。な
お、微小浮遊塵埃は、一般に水に可溶なものが多く、実
際上、ガスと識別が難しい。
【0003】大気中の混入ガス分析装置は、既に種々提
案され、実用化されている。この種の装置は、例えば、
本願と同一出願人による特開平6−129961号公報
に開示されている。
【0004】なお、捕集対象のガス状汚染物を濃度Xn
g/lで含む気体を、速度Vl/分で吸引し、途中で純
水蒸気をWg/分の割合で混合し、凝縮器で冷却して捕
集液をSg/分の割合(すなわち、捕集液の凝縮生成速
度)で回収し、分析して捕集液中の汚染物濃度Cppb
が得られるとすると、気体中の濃度Xと捕集液中の濃度
Cとの間には、下記の関係がある。
【0005】X=C×S÷V÷k ここで、kは捕獲係数で、捕集対象の分子種によって異
なる値を取る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】分析する立場から上記
系による捕集液の分析精度の信頼性を考えた場合、捕集
液生成系自体からの汚染がどの程度になるかが重要とな
る。すなわち、捕集液生成系を構成する凝縮器などの形
成材料から、分析対象とする化学種が捕集液へ溶出し、
捕集液を汚染することがあり、凝縮器などの材料の選択
には細心の注意を払う必要がある。
【0007】一方、いろいろな地点で分析ができるよう
に、蒸気供給器、凝縮器、および回収溜等から構成され
る捕集システムを可搬式とするには、運搬中の振動等の
衝撃による破壊を招かないように、システムの強度を高
くする必要がある。特に、各装置をつなぐ配管部品は、
運搬中の振動の影響を受けてこわれやすいため、主材料
としては鉄が使われていた。このため、鉄製配管などか
ら溶出されるFe、Ni、Mn等の不純物のため、これ
らを分析対象とする場合などは、精度の高い分析ができ
なかった。
【0008】このため、前記公報では、凝縮器の管の内
面に金あるいは白金をメッキしたり、フッ素樹脂を被覆
(コート)することが記載されている。すなわち、分析
対象外である特定の金属のみの材料や樹脂材料で、凝縮
器の管内を被覆することで、分析対象物質の溶出による
汚染を回避する。しかし、これらの管内面の表面加工
は、技術的に難しく、かつ、高価であるという問題があ
る。
【0009】本発明の目的は、例えばFe、Ni等の金
属系の汚染物の捕集にも活用可能で、分析対象範囲が広
く、技術的に容易で、かつ、安価なガス塵埃捕集システ
ムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、分析対象である汚染物を含む気体の吸気
系と、前記気体を冷却して、前記気体が元来保有する水
分を凝縮し、前記汚染物を比較的高濃度に含む凝縮液を
生成する冷却凝縮系と、前記気体の未凝縮分を排気する
排気系と、前記凝縮液を受ける凝縮液回収溜と、前記汚
染物の成分を分析する前記成分分析系へ前記凝縮液を送
液する送液系とを有し、前記各処理を連続して行うガス
塵埃捕集システムにおいて、該システムの水分と接触す
る部分が、ステンレススチールで形成されていることを
特徴とする。
【0011】また、分析対象である汚染物を含む気体の
吸気系と、吸気された前記気体に水蒸気を混合する水蒸
気混合系と、前記水蒸気を前記気体と共に冷却して、前
記水蒸気と前記気体が元来保有する水分を凝縮し、前記
汚染物を比較的高濃度に含む凝縮液を生成する冷却凝縮
系と、前記気体の未凝縮分を排気する排気系と、前記凝
縮液を受ける凝縮液回収溜と、前記凝縮液の前記汚染物
の成分を分析する成分分析系と、前記凝縮液を前記成分
分析系へ送液する送液系とを有し、前記各処理を連続し
て行うガス塵埃捕集システムにおいて、該システムの配
管系の少なくとも一部が、ステンレススチールで形成さ
れていることを特徴とする。
【0012】また、前記ステンレススチールがMoを含
むオーステナイト系ステンレススチールであることを特
徴とする。
【0013】また、前記ステンレススチールがSUS3
16であることを特徴とする。
【0014】また、ステンレススチールで形成した前記
水分と接触する部分または前記配管の内表面が、電解研
磨により鏡面に形成されていることを特徴とする。
【0015】また、ステンレススチールで形成した前記
水分と接触する部分または前記配管の内表面が、酸化ク
ロム層で被覆されていることを特徴とする。
【0016】また、前記水蒸気を発生させる蒸気発生器
において、純水を接触させて加熱し、前記水蒸気を発生
させる加熱面が、酸化クロムで被覆されたステンレスス
チールで形成されていることを特徴とする。
【0017】さらに、前記水蒸気を発生させる蒸気発生
器と、前記凝縮液を生成する凝縮器と、前記気体を吸引
する吸引口とをつなぎ、かつ、吸引した前記気体と前記
水蒸気とを混合する配管の内表面が、酸化クロムで被覆
されたステンレススチールで形成されていることを特徴
とする。
【0018】本発明では、水分と接触する部分を、水に
対して溶解性、腐食性が小さく、溶出による汚染性の少
ないステンレススチール、特にSUS316で形成した
ので、当該システムからの汚染物量を大幅に低減するこ
とができ、気体の成分分析精度を大幅に高めることでき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する
図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0020】《システムの全体構成》図1は、本発明の
一実施の形態のガス塵埃捕集システムの全体概略構成図
である。
【0021】1は吸排気系、2は純水蒸気供給系、3は
気水分離器、4は捕集液送液系、19は制御系、6aは
温湿度センサ、5は吸引口、6は流量計、15は連結
管、17は純水タンク、18は給水管、16は純水供給
ポンプ、14は蒸気発生器、8は凝縮器、9は凝縮管、
10は冷却循環液、7は吸引ポンプ、11は回収溜、1
2は送液ポンプ、20は送液管、13は成分分析系ある
いは分取器である。
【0022】すなわち、この装置では、吸排気系1と純
水蒸気供給系2と気水分離器3と捕集液送液系4とが連
結管15および送液管20によって連結されており、さ
らに、これらの系を制御する制御系19が設置されてい
る。
【0023】気水分離器3は、凝縮器8とその直下に取
り付けられた回収溜11から構成され、凝縮器8では凝
縮管9が冷却循環液10によって冷却されている。吸引
口5から吸引された気体中のガスおよび塵埃成分は、途
中、純水蒸気供給系2から供給される純水蒸気と混合さ
れ、次いで、冷却凝縮される過程で、凝縮液中に濃縮さ
れる形で取り込まれ、回収溜11に流下して貯溜され
る。
【0024】回収溜11に流下した未凝縮気体成分は、
排気管(連結管)15を経て吸引ポンプ7によって大気
中へ排出される。回収溜11の底部には1本の送液管2
0が設けられており、回収された凝縮液、すなわち、捕
集液は、送液ポンプ12により成分分析系13へ送液さ
れ、分析が行われる。なお、分析はインライン的に行う
場合とオフライン的に行う場合とがあり、インライン的
に行う場合には、成分分析系13に例えばイオンクロマ
トグラフ等の分析器が直結されている。また、オフライ
ン的に行う場合には、凝縮液を試験管等に次々分け取る
分取器が取り付けられている。また、吸排気系1には流
量計6が取り付けられており、気体は本システムに吸い
込まれた後、気水分離器3を経て吸引ポンプ7により一
定の速度で吸引、排出されている。純水蒸気供給系2
は、純水タンク17、純水供給ポンプ16、蒸気発生器
14、およびこれらをつなぐ給水管18から構成されて
いる。純水供給ポンプ16によって所定量(適量)の純
水を蒸気発生器14へ送り、所定量の水蒸気を発生さ
せ、連結管15によりこの水蒸気を吸引気体と共に凝縮
器8へ送り込む。すなわち、大気中の水分の増減によっ
て、加減して純水の供給を行う。
【0025】《蒸気発生器》図2は、図1に示した純水
蒸気供給系2の中の蒸気発生器14の一部断面詳細図で
ある。
【0026】14aは蒸気発生管(給水管18と一体に
なっている)、14bは純水給水細管、14cは貫通タ
イプ異径継ぎ手、14dはヒートブロック、14eは温
度センサ、14fは保温材、14gは保温材カバーであ
る。
【0027】蒸気発生器14は、概ね、これらの部品か
ら構成されている。貫通タイプ異径継ぎ手14cによっ
て、純水給水細管14bが蒸気発生管14aに差し込ま
れ、ヒートブロック14dによって加熱された蒸気発生
管14a部に、純水が直接供給される構造になってい
る。
【0028】貫通タイプ異径継ぎ手14cは、貫通穴を
有し、その穴を貫通した純水給水細管14bが、蒸気発
生管14a中に密閉固定されている。
【0029】ヒートブロック14dにはカートリッジヒ
ータ(図示省略)が取り付けられ、該カートリッジヒー
タに電力が供給され、適温となるように加熱されてい
る。
【0030】図1に示す純水供給ポンプ16によって、
純水が純水給水細管14bに送られ、その先端部から蒸
気発生管14a内へ流れ込むと、蒸気発生管14aはヒ
ートブロック14dにより加熱されているので、送り込
まれた純水は、気化して純水蒸気となる。貫通タイプ異
径継ぎ手14c部においては密閉されているので、発生
した純水蒸気は、内圧が上昇し、継ぎ手14cに対して
逆向きに、すなわち、矢印A方向に順次押し出され、大
気と純水蒸気との混合部の配管15および気水分離器3
の方へと送られる。
【0031】《凝縮器》図3は、図1に示した気水分離
器3の中の凝縮器8の一部断面詳細図である。
【0032】9は凝縮管(連結管15と一体になってい
る)、10は冷却循環液、8aは冷却槽、8bは保温
材、8cは冷却循環液送入管、8dは冷却循環液戻り管
である。
【0033】凝縮器8は、概ね、これらの各部品から構
成されている。冷却循環液10は、冷却循環液送入管8
cから凝縮器8へ送り込まれ、凝縮管9を浸し、冷却し
た後、冷却循環液戻り管8dから図示しない冷却循環液
生成器へと帰還する循環システムになっている。なお、
冷却温度は、該冷却循環液生成器のところで制御されて
いる。
【0034】連結管15を介して凝縮器8へ吸引された
大気と純水蒸気の混合ガスは(図1参照)、凝縮管9内
で冷却、凝縮され、凝縮液、すなわち、捕集液が生成さ
れる。生成された捕集液は、自然流下して凝縮器8から
連結管15を通って回収溜11へと送られる。なお、図
1に示すように、この回収溜11の上部に、排気系であ
る吸引ポンプ7が設置されているため、気流は凝縮器8
から回収溜11へと流れるので、吸引された大気の気流
の流れ方向と捕集液の流下方向とが一致しており、捕集
液は回収溜11へと押し流され、捕集液が凝縮器8の中
で滞留しないようになっている。すなわち、捕集液の滞
留時間が短いので、凝縮管9の壁面からの溶出による汚
染が受けにくいようになっている。
【0035】《回収溜》図4は、図1に示した気水分離
器3の中の回収溜11の一部断面詳細図である。
【0036】15は連結管、8は凝縮器、9は凝縮管、
10は冷却循環液、11aは高純度溶融石英製容器、1
1bはフランジ、11cはOリング、11dは連結管1
5の先端の剣先部、11eは枝管、11fは液量監視セ
ンサ、11gは捕集液貯溜部、11hはフランジ11b
の固定用ボルトである。
【0037】凝縮器8と回収溜11との間に、継ぎ目が
あると、捕集液が継ぎ目の間に侵入して滞留しやすい。
これを避けるため、凝縮管9の先端を伸ばしてその下端
が、そのまま回収溜11の中に差し込まれた構成となっ
ている。なお、凝縮管9の延長部は、フランジ11b部
のOリング11cでシールされた状態で回収溜11へ差
し込まれている。差し込まれた凝縮管9の先端部は、鋭
い剣先部11dに加工されている。
【0038】回収溜11は、不純物が溶出しない高純度
溶融石英製容器11aとステンレススチール製のフラン
ジ11bとから構成されている。フランジ11bの固定
用ボルト11hは樹脂製で、振動等の衝撃により石英製
容器11aが割れにくくなっている。なお、フランジ1
1bもテフロン製等とすることにより、石英製容器11
aの破壊抑制効果を高めることができる。容器11aが
透明な石英製なのは、光センサで構成される液量監視セ
ンサ11fにより、液面を観察するためである。したが
って、センサの種類によっては、容器11aは必ずしも
石英製でなくてもよいことは言うまでもない。
【0039】また、回収溜11の下部は、細く絞られ、
さらに、枝管11eが一体に設けられ、この枝管11e
に液量監視センサ11fが取り付けられている。また、
回収溜11の最下部には、成分分析系あるいは分取器1
3へ送液するための細管、すなわち、送液管20が取り
付けられている。
【0040】捕集液は、凝縮管9の剣先部11dの最先
端から静かに落下し、回収溜11の捕集液貯溜部11g
に溜る。捕集液が、空の状態から溜り、液量監視センサ
11fの取付位置に達すると、該センサ11fが信号を
発生するので、該信号を取り込んだ制御系19の指令で
送液ポンプ12が作動して、成分分析系あるいは分取器
13へ送られ、分析されるシステムになっている。
【0041】以上の構成の中で、純水、純水蒸気、ある
いは捕集液が接触し、捕集液の汚染を引き起こしやすい
図1に示す連結管15、送液管20、および給水管18
を構成する部分、すなわち、図2の貫通タイプ異径継ぎ
手14c、純水給水細管14b、蒸気発生管14a、図
3の凝縮管9、図1の大気と純水蒸気とを混合する部分
の連結管15等の配管を、素材自体が水に対して溶解
性、腐食性が小さく、溶出による汚染性の少ないMoを
含むオーステナイト系ステンレススチール、特に、SU
S316を用いて形成した。
【0042】また、捕集液などが該配管の内表面に滞留
すると、不純物の溶出が大きくなるため、電解研摩を施
して該表面を鏡面に仕上げ、該表面積を小さくした。
【0043】このような構成により、SUS316自体
の腐食性が小さい特性、つまり、不動態特性により、捕
集液中の配管からのFe、Ni、Mn等の汚染物量をそ
れぞれ0.4ppb程度、大気換算濃度で0.001n
g/l程度へ低減することができた。また、配管をSU
S316で形成しているので、振動などに対して強度の
高い構成となっている。したがって、いろいろな地点で
分析ができる可搬式システムを構成するのに有効であ
る。
【0044】さらに、微量のFe、Ni、Mn等の溶出
による汚染を抑制するために、SUS316からなる配
管の内表面を前記鏡面に仕上げた表面に、酸化クロム層
(Cr23膜)を形成し、該表面を被覆した。これによ
り、上記汚染物量を従来と比較してさらに1/100程
度とすることができた。なお、通常、酸化クロム層は配
管の内表面と外表面の両方に形成される。
【0045】これにより、該内表面に捕集液、純水ある
いは純水蒸気が接触しても、分析すべき気体のものでな
い汚れや捕集液の付着、および配管の素材であるSUS
316からのFeやNi等の溶出が遮られるので、分析
すべき捕集液の汚染が避けられ、成分分析の精度を向上
することができる。なお、従来のフッ素樹脂膜あるいは
金や白金等のメッキによる被覆は技術的に難しい上に、
高価であるのに対して、酸化クロム層は、配管の素材自
体を酸化処理して表面を被覆できるため、非常に容易か
つ安価に形成でき、かつ、その膜質は緻密で、堅いた
め、傷付きにくく、信頼性が高い。また、酸化クロム層
は水に対して溶解性が小さく、Crを分析対象とする場
合でもCrによる汚染の度合いは非常に小さい。つま
り、全体としては、Cr酸化物のみで捕集系を構成した
こととなり、Cr以外に汚染されない分析対象範囲の広
い捕集分析系を実現することができる。
【0046】なお、図2の純水給水細管14bは純水蒸
気に晒されており、低温の純水が通ることや、ヒートブ
ロック14dの加熱部から離れた部分は冷えているの
で、蒸気が凝縮してその内外の表面を濡らすので、汚染
が生じやすく、また、純水給水細管14bの外表面は蒸
気発生管14aの内面に接触しているため、純水給水細
管14bは、その内外の表面とも酸化クロム層で被覆し
た。なお、蒸気供給器14、凝縮器8、回収溜11等も
同様の構成としてもよい。
【0047】すなわち、配管をSUS316を用いて所
定の形状に加工して形成し、該配管内面を電解研摩など
をかけて鏡面に仕上げた後、酸化雰囲気下で加熱酸化し
て酸化クロム層を形成し、次いで、酸処理して該酸化ク
ロム層の表面に存在するFeやNi成分を除去し、SU
S316自体に含まれているCrから生成した緻密な酸
化物層、つまり、酸化クロム層を残存させた。
【0048】以上本発明を実施例に基づいて具体的に説
明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス塵埃
捕集システムによれば、微量のガス状あるいは塵埃状の
汚染成分を含む環境気体を、その汚染成分を高い濃度で
含む液状分析用試料に自動的に変換、生成することがで
きる。また、本システムを構成する配管等をステンレス
スチール、特に、SUS316で形成し、さらに配管の
内表面等を安価で、形成容易で、信頼性の高い酸化クロ
ム層で被覆することにより、配管等の捕集系自体からの
汚染の極めて少ないシステムを構成することができる。
したがって、成分分析精度が高く、安価で、可搬式にも
適したガス塵埃捕集システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のガス塵埃捕集システム
の全体概略構成図である。
【図2】図1に示した純水蒸気供給系2の中の蒸気発生
器14の一部断面詳細図である。
【図3】図1に示した気水分離器3の中の凝縮器8の一
部断面詳細図である。
【図4】図1に示した気水分離器3の中の回収溜11の
一部断面詳細図である。
【符号の説明】
1…吸排気系、2…純水蒸気供給系、3…気水分離器、
4…捕集液送液系、5…吸引口、6…流量計、6a…温
湿度センサ、7…吸引ポンプ、8…凝縮器、8a…冷却
槽、8b…保温材、8c…冷却循環液送入管、8d…冷
却循環液戻り管、9…凝縮管、10…冷却循環液、11
…回収溜、11a…高純度溶融石英製容器、11b…フ
ランジ、11c…Oリング、11d…剣先部、11e…
枝管、11f…液量監視センサ、11g…捕集液貯溜
部、11h…固定用ボルト、12…送液ポンプ、13…
成分分析系あるいは分取器、14…蒸気発生器、14a
…蒸気発生管、14b…純水給水細管、14c…貫通タ
イプ異径継ぎ手、14d…ヒートブロック、14e…温
度センサ、14f…保温材、14g…保温材カバー、1
5…連結管、16…純水供給ポンプ、17…純水タン
ク、18…給水管、19…制御系、20…送液管。
フロントページの続き (72)発明者 酒井 正三 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 真山 晃一 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 富岡 秀起 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分析対象である汚染物を含む気体の吸気系
    と、 前記気体を冷却して、前記気体が元来保有する水分を凝
    縮し、前記汚染物を比較的高濃度に含む凝縮液を生成す
    る冷却凝縮系と、 前記気体の未凝縮分を排気する排気系と、 前記凝縮液を受ける凝縮液回収溜と、 前記汚染物の成分を分析する前記成分分析系へ前記凝縮
    液を送液する送液系とを有し、 前記各処理を連続して行うガス塵埃捕集システムにおい
    て、 該システムの水分と接触する部分が、ステンレススチー
    ルで形成されていることを特徴とするガス塵埃捕集シス
    テム。
  2. 【請求項2】分析対象である汚染物を含む気体の吸気系
    と、 吸気された前記気体に水蒸気を混合する水蒸気混合系
    と、 前記水蒸気を前記気体と共に冷却して、前記水蒸気と前
    記気体が元来保有する水分を凝縮し、前記汚染物を比較
    的高濃度に含む凝縮液を生成する冷却凝縮系と、 前記気体の未凝縮分を排気する排気系と、 前記凝縮液を受ける凝縮液回収溜と、 前記凝縮液の前記汚染物の成分を分析する成分分析系
    と、 前記凝縮液を前記成分分析系へ送液する送液系とを有
    し、 前記各処理を連続して行うガス塵埃捕集システムにおい
    て、 該システムの配管系の少なくとも一部が、ステンレスス
    チールで形成されていることを特徴とするガス塵埃捕集
    システム。
  3. 【請求項3】前記ステンレススチールがMoを含むオー
    ステナイト系ステンレススチールであることを特徴とす
    る請求項1または2記載のガス塵埃捕集システム。
  4. 【請求項4】前記ステンレススチールがSUS316で
    あることを特徴とする請求項1または2記載のガス塵埃
    捕集システム。
  5. 【請求項5】ステンレススチールで形成した前記水分と
    接触する部分または前記配管の内表面が、電解研磨によ
    り鏡面に形成されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載のガス塵埃捕集システム。
  6. 【請求項6】ステンレススチールで形成した前記水分と
    接触する部分または前記配管の内表面が、酸化クロム層
    で被覆されていることを特徴とする請求項1または2記
    載のガス塵埃捕集システム。
  7. 【請求項7】前記水蒸気を発生させる蒸気発生器におい
    て、純水を接触させて加熱し、前記水蒸気を発生させる
    加熱面が、酸化クロムで被覆されたステンレススチール
    で形成されていることを特徴とする請求項2記載のガス
    塵埃捕集システム。
  8. 【請求項8】前記水蒸気を発生させる蒸気発生器と、前
    記凝縮液を生成する凝縮器と、前記気体を吸引する吸引
    口とをつなぎ、かつ、吸引した前記気体と前記水蒸気と
    を混合する配管の内表面が、酸化クロムで被覆されたス
    テンレススチールで形成されていることを特徴とする請
    求項2記載のガス塵埃捕集システム。
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