JPH1076006A - 容器兼用注射器 - Google Patents

容器兼用注射器

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JPH1076006A
JPH1076006A JP8232368A JP23236896A JPH1076006A JP H1076006 A JPH1076006 A JP H1076006A JP 8232368 A JP8232368 A JP 8232368A JP 23236896 A JP23236896 A JP 23236896A JP H1076006 A JPH1076006 A JP H1076006A
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rubber
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘性のある薬液や懸濁液が充填されていて、
しかも、ガラスカートリッジとラバーストッパのインカ
ット部方向が向き合う位置関係で組み込まれた場合で
も、混注やナース・アスピレーション実施時にラバース
トッパがガラスカートリッジ内に引き戻されて、注射手
技がスムーズにできないという事態を未然に回避するも
のである。 【解決手段】 ラバーストッパのインカット部方向の切
欠部の有効総面積が、ラバーストッパの直径が5〜10
mmのものにあってはガラスカートリッジの横断面積の
5.0%以上、直径が10〜15mmのものにあっては
ガラスカートリッジの横断面積の3.0%以上に設定さ
れ、かつ、ラバーストッパの成型部方向の切欠部の有効
総面積が、ガラスカートリッジの横断面積の2.0%以
上に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は容器兼用注射器にか
かわり、特に、筒先側にセットされるラバーストッパの
インカット部方向、並びに成型部方向の切欠部の総有効
面積とガラスカートリッジの横断面積との比率、および
筒先チャンバ部の内径とラバーストッパの外径の比率に
数値的範囲を設けることによって、特願昭53−158
143号に代表される1室式容器兼用注射器、特願昭6
1−147223に代表されるパイパス構造の2室式容
器兼用注射器、特願平5−205904号に代表される
2室式容器兼用注射器、並びに実願平3−57218号
に代表されるバイパス構造の組立式2室式容器兼用注射
器を改良する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の医学、及び製薬・医療器具など周
辺技術の急速な進歩に伴って、使い捨て注射器をさらに
一歩進めたいわゆる容器兼用注射器の使用が急速に広ま
りつつある。このタィプの注射器は、注射器への薬液吸
引作業時、あるいは薬液混合(混注)作業時の微生物な
どによる感染の危険性を排除し、しかも、これらの作業
の手間を省くことを目的としたもので、一般的には、薬
液を貯留する外筒の両端をラバーストッパで封止し、注
射時に両頭針でラバーストッパを貫通させて、ラバース
トッパによって確保されていた液密性を解除して注射を
可能にする。
【0003】しかし、この構造によると、注射針でラバ
ーストッパを貫通する際、針によってラバーストッパの
ゴムが削りとられ、それが薬液に混入するおそれがある
点が指摘されていた。このような不具合を解消するため
に発明されたのが、上記の特願昭53−158143号
に代表される容器兼用注射器である。上記容器兼用注射
器は、図3に示すように、いずれも筒先1内の筒先チャ
ンバ部1aに長軸方向の溝1bを設け、さらに筒先チャ
ンバ部1aの内径を前方(筒先側)のラバーストッパ2
の外径よりもわずかに大きく、かつ、筒先チャンバ部1
aの長さをラバーストッパ2の長さよりもわずかに長く
設定することによって、筒先チャンバ部1a内ヘラバー
ストッパ2を移動させた際の気密・液密性の解除と、薬
液をラバーストッパ2を迂回させて筒先部1に嵌合され
る図示せぬ注射針へ導く仕組みを実現し、こうしてコア
リングの心配なしにガラスカートリッジ3内に貯留され
ている薬液の注射を可能にするものである。なお、同図
において符号4は後側のラバーストッパであり、このラ
バーストッパの後面に形成される雌ねじ部4aにはプラ
ンジャーロッド5が螺合される。また、6はガラスカー
トリッジ3に嵌合されるフィンガーグリップを示す。
【0004】ところで、上記容器兼用注射器を用いて注
射する場合には混注やナース・アスピレーションなどの
重要な手技がある。これらの手技は、例えば、容器兼用
注射器に充填された薬液を注射するのに先だって麻酔薬
を注射する場合、一旦、容器兼用注射器のプランジャー
ロッド5を押して先端のラバーストッパ2を筒先チャン
バ部1a内に移動させて液密のシールを解除したち、プ
ランジャーロッド5を手元方向に引いて麻酔薬をガラス
カートリッジ3(以下、シリンジとも言う場合がある)
内へ吸引したり、あるいは、静脈注射を目的とする場合
に、穿刺直後、プランジャーロッド5を引いてシリンジ
3内を陰圧にし、血液が筒先内に逆流(いわゆるフラッ
シュバック)してくることによって針先がまちがいなく
静脈内に穿刺されていることを確認するものであり、反
対に筋肉注射の場合には、シリンジ3に陰圧をかけて、
もしフラッシュバックがなければ、血管内ではなく筋肉
内に針が穿刺されていることを確認することができると
いうものであって、いずれも注射の際にしばしば行われ
る手技である。
【0005】この手技の原理は、注射針から筒先までを
陰圧にするところにあり、従ってこの部位間は相通状態
であることが必要とされる。ところが、前記した特願昭
53−158143号に代表される容器兼用注射器にお
いては、いずれもシリンジ3内を陰圧にしようとしてプ
ランジャーロッド5を引くと、すでに筒先チャンバ部1
a内に移動しているラバーストッパ2が陰圧に引かれて
ガラスカートリッジ3方向に引き戻される結果、ラバー
ストッパ2の天面がガラスカートリッジ3の天面3aに
密着してしまうため、針先からシリンジ3までの相通性
がラバーストッパ2によって断たれてしまい、この結
果、ナース・アスピレーションによる正しい穿刺部位の
確認や、麻酔薬などの混注ができなくなるという現象が
生じる。
【0006】この問題を解決するために、筒先チャンバ
部1aの内径を、該筒先チャンバ部1aに入り込むラバ
ーストッパ2の外径よりもわずかに大きく設定し、同時
に筒先チャンバ部1aの最もガラスカートリッジ3側に
図4に示すように全周にわたる溝7を設け、一方、ラバ
ーストッパ2に、その縁周端部に少なくとも1個以上の
凹状の切欠部8(図6参照)を設けることによって、そ
の端面がガラスカートリッジ3の端面と少なくとも1箇
所以上の切欠部8によって相通できる構造とした。こう
することによって、シリンジ3内を陰圧にする時に筒先
チャンバ部1a内に移動しているラバーストッパ2がそ
の圧力によってガラスカーリッジ3方向に引き戻されて
その天面3aに密着したとしても、筒先チャンバ部1a
に設けた全周にわたる溝7とラバーストッパ2の切欠部
8によって形成された隙間を薬液が通過(逆流)し、ラ
バーストッパ2に邪魔されずにフラッシュバックを実現
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の構造に
よって、この種の容器兼用注射器における混注やナース
・アスピレーションの問題がすべて解決されたわけでは
ない。というのも、充填されている薬液が高い粘性を有
するものであったり、あるいは薬液が懸濁液である場合
にはプランジャーロッド5を手元方向に引いた際、流動
性が悪いために筒先チャンバ部1aとラバーストッパ2
との際間や切欠部8の隙間を薬液がスムーズに通過(逆
流)できず、その結果、ラバーストッパ2に強い陰圧が
かかって、場合によってはラバーストッパ2が筒先チャ
ンバ部1a内からガラスカートリッジ3内へ引き戻され
てしまうという現象が生じ(図4参照)、上記した注射
手技がスムーズに行えないという指摘がなされているか
らである。
【0008】すなわち、ラバーストッパ2(4)は金型
による成型品であり、通常、図5に示すような1枚のラ
バーシートSに複数個のラバーストッパ2(4)が成型
され、次工程においてそれがカッタで機械的に切断され
て1個のラバーストッパ2(4)として切り出される。
しかし、柔軟性のあるラバーシート2(4)をカッター
で機械的に切断するのであるから、切断側の縁周端部は
どうしても径のバラツキが大きく、このようなバラツキ
によって径が所定寸法よりも大きくなれば、ガラスカー
トリッジ内を滑るラバーストッパ2(4)の摺動性の悪
さの原因になる。これを回避するために、どうしてもカ
ット部は予めやや内側にカットするいわゆる“インカッ
ト”形状でカットする傾向にあり、仮に、誤差ができて
もせいぜい他の部分と同程度の径におさまるようにして
いる。その結果、図6に示すような金型で形状がほぼ直
角に成型される成型部方向の端部10とは異なって、イ
ンカット部方向の端部11はやや内側に傾斜して切断さ
れ、このため同端部11を直角形状に形成することが難
しい。
【0009】このようなラバーストッパ2(4)の形状
的特徴にもかかわらず、従来はインカット部方向と成型
部方向という方向規制をせず組立工程へ供給するため
に、両天面とも同一の大きさと個数の切欠部8をラバー
ストッパ2(4)の縁周端部に設けていた。このため
に、もし、ガラスカートリッジ3の筒先1方向にラバー
ストッパ2のインカット部方向の端部11が位置するよ
うに組立られると、充填される薬液が粘性のあるものや
懸濁液で流動性の悪いものであれば、プランジャロッド
5によってカートリッジ3内に陰圧がかけられた場合、
薬液がラバーストッパ2と筒先チャンバ部1aの内側と
の隙間、あるいは切欠部8をスムーズに通過することが
できず、その結果、陰圧の多くはラバーストッパ2に作
用することになる。しかも、ラバーストッパ2は前記の
とおり、インカット形状であるためにガラスカートリッ
ジ3方向にむかってテーパーがついており、かつ、ガラ
スカートリッジ3の端部との接触部分が少ないため、ラ
バーストッパ2はガラスカートリッジ3の天面3aで停
止できず、ガラスカートリッジ3内へ戻されてしまい、
その結果、シリンジ内が再シールされ、混注やナース・
アスピレーションはもちろん、注射手技にも支障をきた
すことになってしまう。だからといって、ラバーストッ
パ2のインカット部方向の端部11がガラスカートリッ
ジ3方向に組み込まれないようにラバーストッパ2を方
向規制して組立機に供給することは、高速で稼動する自
動組立機では難しいというのが実状であり、結局、この
問題を解決しない限り、どのような粘度の薬液、あるい
は懸濁液にも使用可能な容器兼用注射器の提供を実現す
ることはできない。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、粘性のある薬液や懸濁液が充填されている容器兼
用注射器において、仮に、ガラスカートリッジとラバー
ストッパのインカット部方向が向き合う位置関係で組み
込まれた場合でも、混注やナース・アスピレーション実
施時に薬液の流動性の悪さによってラバーストッパに陰
圧がかかり、ラバーストッパがガラスカートリッジ内に
引き戻されて、注射手技がスムーズにできないという事
態を未然に回避できる容器兼用注射器を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
れば、両端が開口し、その中に薬液を充填して保管する
円筒状のガラスカートリッジ(3)と、このガラスカー
トリッジの両端を気密・液密的に封止する少なくとも2
つのラバーストッパ(2,4)とを備え、前記ラバース
トッパのうち、筒先(1)に最も近い側にセットされる
ラバーストッパの両天面の縁周端部には、少なくとも1
個以上の切欠部(20)が設けられ、前記ラバーストッ
パの天面に設けられた切欠部のうち、ラバーストッパと
ガラスカートリッジの天面とが接したとき、ガラスカー
トリッジの天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総
和が、ガラスカートリッジの横断面積の2.0%以上に
設定されていることを特徴とする。請求項2記載の発明
によれば、両端が開口し、その中に薬液を充填して保管
する円筒状のガラスカートリッジと、このガラスカート
リッジの両端を気密・液密的に封止する少なくとも2つ
のラバーストッパとを備え、前記ラバーストッパのう
ち、筒先に最も近い側にセットされるラバーストッパの
両天面の縁周端部には、少なくとも1個以上の切欠部が
設けられ、前記ラバーストッパの両天面のインカット部
方向の縁周端部に設けられた切欠部のうち、ラバースト
ッパとガラスカートリッジの天面とが接したとき、ガラ
スカートリッジの天面よりも内側に位置する切欠部の面
積の総和が、ラバーストッパの直径が5〜10mmのも
のにあってはガラスカートリッジの横断面積の5.0%
以上、直径が10〜15mmのものにあってはガラスカ
ートリッジの横断面積の3.0%以上に設定され、か
つ、ラバーストッパの両天面の成型部方向の天面に設け
られた切欠部のうち、ラバーストッパとガラスカートリ
ッジの天面とが接したとき、ガラスカートリッジの天面
よりも内側に位置する切欠部の面積の総和が、ガラスカ
ートリッジの横断面積の2.0%以上に設定されている
ことを特徴とする。請求項3記載の発明によれば、両端
が開口し、その中に薬液を充填して保管する円筒状のガ
ラスカートリッジと、このガラスカートリッジの両端を
気密・液密的に封止する少なくとも2つのラバーストッ
パとを備え、前記ラバーストッパのうち、筒先に最も近
い側にセットされるラバーストッパの両天面の縁周端部
には、少なくとも1個以上の切欠部が設けられ、前記ラ
バーストッパの直径が5〜10mmのものにあっては、
ラバーストッパの両天面のインカット部方向の縁周端部
に設けられた切欠部のうち、ラバーストッパとガラスカ
ートリッジの天面とが接したとき、ガラスカートリッジ
の天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和が、ガ
ラスカートリッジの横断面積の4.0%以上、ラバース
トッパの成型部方向の縁周端部に設けられた切欠部のう
ち、ラバーストッパとガラスカートリッジの天面とが接
したとき、ガラスカートリッジの天面よりも内側に位置
する切欠部の面積の総和が、ガラスカートリッジの横断
面積の2.0%以上にそれぞれ設定され、かつ、ラバー
ストッパの外径に対する筒先チャンバ部の内径比率が1
00.6%以上に設定され、前記ラバーストッパの直径
が10〜15mmのものにあっては、ラバーストッパの
両天面のインカット部方向の縁周端部に設けられた切欠
部のうち、ラバーストッパとガラスカートリッジの天面
とが接したとき、ガラスカートリッジの天面よりも内側
に位置する切欠部の面積の総和が、ガラスカートリッジ
の横断面積の2.0%以上、ラバーストッパの成型部方
向の縁周端部に設けられた切欠部のうち、ラバーストッ
パとガラスカートリッジの天面とが接したとき、ガラス
カートリッジの天面よりも内側に位置する切欠部の面積
の総和が、ガラスカートリッジの横断面積の1.0%以
上にそれぞれ設定され、かつ、ラバーストッパの外径に
対する筒先チャンバ部の内径比率が100.4%以上に
設定されていることを特徴とする。
【0012】こうすることによって、筒先チャンバ部と
ラバーストッパとの間に適切な幅の隙間を設け、かつ、
周縁端部に設けられる切欠部によって形成される隙間も
適宜大きさのものを得ることができ、万一、ラバースト
ッパのインカット部方向がガラスカートリッジと向かい
合って組み込まれても陰圧によってラバーストッパがガ
ラスカートリッジ内へ引き戻されない。換言すれば、一
切の方向性を規制することなしに自動供給機によって組
立工程に供給でき、しかも、粘性のある薬液や懸濁液が
充填された容器兼用注射器における混注やナース・アス
ピレーションを可能にし、もって安価で安全、かつ確実
な容器兼用注射器を実現する。
【0013】
【発明の実施の形態】
<発明の第1の実施の形態>本発明に係る容器兼用注射
器は、一室式のものを例に挙げると、概略構成は、前記
した図3に示すものと同様である。すなわち、両端が開
口し、その中に薬液を充填して保管する円筒状のガラス
カートリッジ3と、このガラスカートリッジ3の両端を
気密・液密的に封止するラバーストッパ2、4を備え
る。ガラスカートリッジ3の前端には筒先1が嵌合され
るとともに、ガラスカートリッジ3の後端にはフィンガ
ーグリップ6が取り付けられる。また、後側のラバース
トッパ4に形成される雌ねじ部4aにはプランジャーロ
ッド5が螺合される。以上は従来のものと同様である。
【0014】本発明の特徴は以下の点にある。前記ラバ
ーストッパ2、4のうち、筒先1に最も近い側にセット
されるラバーストッパ2の両天面の縁周端部には、図1
に示すように少なくとも1個以上の切欠部20が設けら
れている。なお、図1に示す実施の形態では、ラバース
トッパ2、4のそれぞれの天面の縁周端部には120度
置きに合計3個の切欠部20,20,20が設けられて
いる。ラバーストッパの両天面の、図2に示すようにイ
ンカット部方向の端面11が後方を向くように組み付け
られたとき、該ラバーストッパのインカット部方向の端
部11の縁周端部に設けられた切欠部20のうち、ラバ
ーストッパ2とガラスカートリッジ3の天面3aとが接
したとき、ガラスカートリッジ3の天面よりも内側に位
置する切欠部20の面積(図2においてクロスする斜線
で表した部分M:有効面積)の総和Saが、ラバースト
ッパ2の直径が5〜10mmのものにあってはガラスカ
ートリッジ3の内壁の横断面積Sbの5.0%以上、直
径が10〜15mmのものにあっては、同有効面積の総
和Saがガラスカートリッジ3の内壁の横断面積Sbの
3.0%以上に設定されている。
【0015】また、上記とは逆に成型部方向の端面が後
方を向くように組み付けられたときには、ラバーストッ
パ2の成型部方向の天面に設けられた切欠部20のう
ち、ラバーストッパ2とガラスカートリッジ3の天面3
aとが接したとき、ガラスカートリッジ3の天面3aよ
りも内側に位置する切欠部20の面積の総和が、ガラス
カートリッジ3の内壁の横断面積の2.0%以上に設定
されている。
【0016】このように、ラバーストッパ2の切欠部2
0の有効面積Saを広く設定し、高い粘性の流体でもそ
れを充分に流し得るだけの空間を確保しているので、混
注やナース・アスピレーションなどの手技の際にラバー
ストッパ2に陰圧が強く作用するのを防止することがで
き、ひいては、ラバーストッパ2がガラスカートリッジ
3内へ引き戻されるのを防止できる。なお、前記したよ
うにラバーストッパのインカット部方向と成型部方向に
別々に規定したのは、成型部方向の端部11は角部がテ
ーパーのつかない略直角形状の成型が可能であるのに対
し、インカット部方向の端部11はテーパーがついてい
てガラスカートリッジ3内に侵入しやすいため、インカ
ット部方向の端部11については薬液等のよりスムーズ
な流れを確保しなければならない必要性があるためであ
る。
【0017】<発明の第2の実施の形態>この実施の形
態は基本的構成は前記した第1の実施の形態と同様であ
るが、この形態の特徴は、ラバーストッパ2の切欠部2
0の大きさを規定したのに止まることなく、さらにラバ
ーストッパ2と筒先チャンバ部1aとの関係も規定した
ものである。その特徴部分について説明すると、ラバー
ストッパ2、4の直径が5〜10mmのものにあって
は、ラバーストッパ2の両天面のインカット部方向の縁
周端部に設けられた切欠部20のうち、ラバーストッパ
2とガラスカートリッジ3の天面3aとが接したとき、
ガラスカートリッジ3の天面3aよりも内側に位置する
切欠部20の面積(有効面積)の総和Saが、ガラスカ
ートリッジ3の内壁の横断面積の4.0%以上、ラバー
ストッパ2の成型部方向の縁周端部に設けられた切欠部
のうち、ラバーストッパとガラスカートリッジの天面と
が接したとき、ガラスカートリッジの天面よりも内側に
位置する切欠部の面積の総和が、ガラスカートリッジの
横断面積の2.0%以上にそれぞれ設定され、かつ、ラ
バーストッパ2の外径に対する筒先チャンバ部1aの内
径比率が100.6%以上に設定している。
【0018】他方、ラバーストッパ2の直径が10〜1
5mmのものにあっては、ラバーストッパ2の両天面の
インカット部方向の縁周端部に設けられた切欠部20の
うち、ラバーストッパ2とガラスカートリッジ3の天面
3aとが接したとき、ガラスカートリッジ3の天面3a
よりも内側に位置する切欠部20の面積(有効面積)の
総和が、ガラスカートリッジ3の内壁の横断面積の2.
0%以上、ラバーストッパの成型部方向の縁周端部に設
けられた切欠部のうち、ラバーストッパとガラスカート
リッジの天面とが接したとき、ガラスカートリッジの天
面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和が、ガラス
カートリッジの横断面積の1.0%以上にそれぞれ設定
され、かつ、ラバーストッパ2の外径に対する筒先チャ
ンバ部1aの内径比率が100.4%以上に設定してい
る。
【0019】このように、ラバーストッパ2の切欠部2
0の有効面積を広く設定する他、ラバーストッパ2と筒
先チャンバ部1aとの間に適切な隙間を確保することに
よって、ガラスカートリッジ3及び筒先1とラバースト
ッパ2との間に、トータル的に見て高い粘性の流体でも
それを充分に流し得るだけの空間を確保することがで
き、ラバーストッパ2に陰圧が強く作用するのをより一
層防止することができる。
【0020】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して、本発明の効
果を明らかにする。直径が5〜10mmのラバーストッ
パを用いた場合と直径が10〜15mmのラバーストッ
パを用いた場合双方の、切欠部の総有効面積とガラスカ
ートリッジの横断面積との比率を求め方、並びにラバー
ストッパの外径に対する筒先チャンバ部の内径比率の求
め方の例を示す。ラバーストッパ2(4)が5〜10m
mの場合の計算例を示すと以下の通りである。 ラバーストッパ2(4)の直径 7.4mm 筒先チャンバ部1aの内径 7.5mm ガラスカートリッジ3の内径 6.85mm 切欠部20の奥行き 1.45mm 切欠部20の有効幅Lb 0.7mm 切欠部20の総有効面積を求めるには、まず、ラバース
トッパ2(4)とガラスカートリッジの天面3aとが接
したとき、ガラスカートリッジの天面3aによって覆わ
れる部分の径を求めると、 (7.4−6.85)÷2=0.275 になる。したがって、ラバーストッパ2(4)とガラス
カートリッジの天面3aとが接したとき、ガラスカート
リッジの天面3aから内方へ突出する切欠部の寸法La
は La=1.45−0.275=1.175 で表される。このため、前記切欠部20の有効面積の総
和Saは、 Sa=0.7×1.175×3=2.466 で表される。一方、ガラスカートリッジ3の内壁の横断
面積Sbは、 Sb=(6.85÷2)2×3.14=36.83 で表される。この結果、ラバーストッパ2(4)とガラ
スカートリッジの天面3aとが接したとき、ガラスカー
トリッジの天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総
和Saの、ガラスカートリッジの横断面積Sbに対する
比率Sa/Sbは以下のように表される。 2.466÷36.83×100=6.70(%) また、ラバーストッパ2(4)の外径に対する筒先チャ
ンバ部1aの内径比率は、以下のように表される。 7.5÷7.4×100=101.35(%)
【0021】他方、ラバーストッパ2(4)が10〜1
5mmの計算例を示すと以下の通りである。 ラバーストッパ2(4)の直径 13.1mm 筒先チャンバ部1aの内径 13.2mm ガラスカートリッジ3の内径 12.4mm 切欠部20の奥行き 2.00mm 切欠部20の有効幅Lb 1.00mm まず、ラバーストッパ2(4)とガラスカートリッジの
天面3aとが接したとき、ガラスカートリッジの天面3
aによって覆われる部分の径を求めると、 (13.−12.4)÷2=0.35 になる。したがって、ラバーストッパ2(4)とガラス
カートリッジの天面3aとが接したとき、ガラスカート
リッジの天面3aから内方へ突出する切欠部20の寸法
Laは La=2−0.35=1.65 で表される。このため、前記切欠部の有効面積の総和S
aは、 Sa=1.65×1.00×3=4.95 で表される。この結果、ラバーストッパ2(4)とガラ
スカートリッジの天面3aとが接したとき、ガラスカー
トリッジの天面3aよりも内側に位置する切欠部の面積
の総和Saの、ガラスカートリッジの横断面積Sbに対
する比率Sa/Sbは以下のように表される。 4.95÷{(12.4÷2)2×3.14}×100
=4.10(%) また、ラバーストッパ2の外径に対する筒先チャンバ部
1aの内径比率は、以下のように表される。 13.2÷13.1×100=100.7(%) 以上のような計算例に従い種々の実験を行った。
【0022】<第1の実施例>直径が5〜10mmのラ
バーストッパで、そのインカット部方向がガラスカート
リッジに向かい合うように組んだサンプルを用意し、そ
の縁周端部の切欠部20の有効総面積(ラバーストッパ
とガラスカートリッジ天面とが接したとき、ガラスカー
トリッジの天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総
和、即ち、逆流してくる薬液が通過する部分の面積の総
和とガラスカートリッジの横断面積との比率を複数の条
件で設定し、複数の粘性の試験液を使用して混注やナー
ス・アスピレーション時と同様の陰圧をかけ、ガラスカ
ートリッジ内へのラバーストッパの引き戻しの有無を確
認した。 実験結果 サンプル数:n=20
【表1】 × 全数にガラスカートリッジ内へ引き戻しが認められる。 △ サンプルの一部にガラスカートリッジ内へ引き戻しが求められる。 〇 全数に引き戻しを認められない。
【0023】次に、このラバーストッパの成型部方向が
ガラスカートリッジに向かい合うように組み込んだサン
プルを用意し、前記と同様な計算式によってその縁周端
部の切欠部20の有効総面積(ラバーストッパとガラス
カートリッジ天面とが接したとき、ガラスカートリッジ
の天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和、即
ち、逆流してくる薬液が通過する部分の面積の総和)と
ガラスカートリッジの横断面積との比率を複数の条件で
設定し、複数の粘性の試験液を使用して混注やナース・
アスピレーション時と同様の陰圧をかけ、ガラスカート
リッジ内へのラバーストッパの引き戻しの有無を確認し
た。 実験結果 サンプル数:n=20
【表2】 × 全数にガラスカートリッジ内へ引き戻しが認められる。 △ サンプルの一部にガラスカートリッジ内へ引き戻しが求められる。 〇 全数に引き戻しを認められない。 以上の実験結果から、直径が5〜10mmのラバースト
ッパにおいては、インカット部方向の縁周端部の切欠部
の場合には、その有効総面積が天面積に対して5.0%
以上であり、また、成型部方向の切欠部の有効総面積は
天面積の2.0%以上の範囲に設定することが望ましい
ことがわかる。
【0024】<第2の実施例>次に、直径が10〜15
mmのラバーストッパで、そのインカット部方向がガラ
スカートリッジに向かい合うように組んだサンプルを用
意し、その縁周端部の切欠部20の有効総面積(ラバー
ストッパとガラスカートリッジ天面とが接したとき、ガ
ラスカートリッジの天面よりも内側に位置する切欠部の
面積の総和とガラスカートリッジの横断面積との比率を
複数の条件で設定し、複数の粘性の試験液を使用して混
注やナース・アスピレーション時と同様の陰圧をかけ、
ガラスカートリッジ内へのラバーストッパの引き戻しの
有無を確認した。 実験結果 サンプル数:n=20
【表3】 × 全数にガラスカートリッジ内へ引き戻しが認められる。 △ サンプルの一部にガラスカートリッジ内へ引き戻しが求められる。 〇 全数に引き戻しを認められない。
【0025】次に、このラバーストッパの成型部方向が
ガラスカートリッジに向かい合うように組み込んだサン
プルを用意し、前記と同様な計算式によってその縁周端
の切欠部20の有効総面積(ラバーストッパとガラスカ
ートリッジ天面とが接したとき、ガラスカートリッジの
天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和)とガラ
スカートリッジの横断面積との比率を複数の条件で設定
し、複数の粘性の試験液を使用して混注やナース・アス
ピレーション時と同様の陰圧をかけ、ガラスカートリッ
ジ内へのラバーストッパの引き戻しの有無を確認した。 実験結果 サンプル数:n=20
【表4】 × 全数にガラスカートリッジ内へ引き戻しが認められる。 △ サンプルの一部にガラスカートリッジ内へ引き戻しが求められる。 〇 全数に引き戻しを認められない。
【0026】以上の実験結果から、直径が10〜15m
mのラバーストッパにおいては、インカット部方向の縁
周端部の切欠部の場合には、その有効総面積が天面積に
対して3.0%以上であり、また、成型部方向の切欠部
の有効総面積は天面積の2.0%以上の範囲に設定する
ことが望ましいことがわかる。
【0027】<第3の実施例>次に、直径が5〜10m
mのラバーストッパで、そのインカット部方向がガラス
カートリッジに向かい合うように組んだサンプルを用意
し、筒先チャンバ部の内径とラバーストッパの外径との
比率を複数の条件で設定し、同時にラバーストッパの縁
周端部の切欠部の有効総面積(ラバーストッパとガラス
カートリッジ天面とが接したとき、ガラスカートリッジ
の天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和)とガ
ラスカートリッジの横断面積との比率を前記のように設
定し、複数の粘性の試験液を使用して混注やナース・ア
スピレーション時と同様の陰圧をかけ、ガラスカートリ
ッジ内へのラバーストッパの引き戻しの有無を確認し
た。 実験結果 サンプル数:n=20
【表5】 × 全数にガラスカートリッジ内へ引き戻しが認められる。 △ サンプルの一部にガラスカートリッジ内へ引き戻しが求められる。 〇 全数に引き戻しを認められない。
【0028】次に、このラバーストッパの成型部方向が
ガラスカートリッジに向かい合うように組み込んだサン
プルを用意し、前記と同様な計算式によって筒先チャン
バ部の内径とラバーストッパの外径との比率を複数の条
件で設定し、同時にラバーストッパのインカット部の縁
周端部の切欠部の有効総面積(ラバーストッパとガラス
カートリッジ天面とが接したとき、ガラスカートリッジ
の天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和、即
ち、逆流してくる薬液が通過する部分の面積の総和)と
ガラスカートリッジの横断面積との比率を複数の条件で
設定し、複数の粘性の試験液を使用して混注やナース・
アスピレーション時と同様の陰圧をかけ、ガラスカート
リッジ内へのラバーストッパの引き戻しの有無を確認し
た。 実験結果 サンプル数:n=20
【表6】 △ サンプルの一部にガラスカートリッジ内へ引き戻しが求められる。 〇 全数に引き戻しを認められない。
【0029】上記の実験結果から、5〜10mmのラバ
ーストッパを使用する容器兼用注射器において、切欠部
の大きさと筒先チャンバ部内径との双方を修正する場合
には、ラバーストッパの外径に対する筒先チャンバ部内
径の比率が100.6%以上、インカット部方向の切欠部の
総面積のガラスカートリッジ3の横断面積に対する比率
が4.0%以上、成型部方向の比率が2.0%以上であ
れば、インカット部方向、成型部方向どちらかがガラス
カートリッジと向き合っても、混注やナース・アスピレ
ーションがスムーズに行われることがわかる。
【0030】<第4の実施例>次に、直径が10〜15
mmのラバーストッパで、そのインカット部方向がガラ
スカートリッジに向かい合うように組んだサンプルを用
意し、筒先チャンバ部の内径とラバーストッパの外径と
の比率を複数の条件で設定し、同時にラバーストッパの
縁周端の切欠部の有効総面積(ラバーストッパとガラス
カートリッジ天面とが接したとき、ガラスカートリッジ
の天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和とガラ
スカートリッジの横断面積との比率を前記のように設定
し、複数の粘性の試験液を使用して混注やナース・アス
ピレーション時と同様の陰圧をかけ、ガラスカートリッ
ジ内へのラバーストッパの引き戻しの有無を確認した。 実験結果 サンプル数:n=20
【表7】 × 全数にガラスカートリッジ内へ引き戻しが認められる。 △ サンプルの一部にガラスカートリッジ内へ引き戻しが求められる。 〇 全数に引き戻しを認められない。
【0031】次に、このラバーストッパの成型部方向が
ガラスカートリッジに向かい合うように組み込んだサン
プルを用意し、前記と同様な計算式によって筒先チャン
バ部の内径とラバーストッパの外径との比率を複数の条
件で設定し、同時にラバーストッパのインカット部の縁
周端部の切欠部の有効総面積(ラバーストッパとガラス
カートリッジ天面とが接したとき、ガラスカートリッジ
の天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和、即
ち、逆流してくる薬液が通過する部分の面積の総和)と
ガラスカートリッジの横断面積との比率を複数の条件で
設定し、複数の粘性の試験液を使用して混注やナース・
アスピレーション時と同様の陰圧をかけ、ガラスカート
リッジ内へのラバーストッパの引き戻しの有無を確認し
た。 実験結果 サンプル数:n=20
【表8】 × 全数にガラスカートリッジ内へ引き戻しが認められる。 △ サンプルの一部にガラスカートリッジ内へ引き戻しが求められる。 〇 全数に引き戻しを認められない。
【0032】上記の実験結果から、10〜15mmのラ
バーストッパを使用する容器兼用注射器において、切欠
部の大きさと筒先チャンバ部内径との双方を修正する場
合には、ラバーストッパの外径に対する筒先チャンバ部
内径の比率が100.4%以上、インカット部方向の切欠部
の総面積のガラスカートリッジ3の横断面積に対する比
率が2.0%以上、成型部方向の比率が1.0%以上で
あれば、インカット部方向、成型部方向どちらかがガラ
スカートリッジと向き合っても、混注やナース・アスピ
レーションがスムーズに行われることがわかる。
【0033】なお、切欠部20はその総有効面積が前記
の規定範囲内であれば、1ケ所であってもよいし、ある
いは1ケ所以上であってもよい。
【0034】また、上記それぞれの範囲は特願昭53ー
158143号に代表される1室式容器兼用注射器のほ
か、例えば特願昭61−147223に代表されるバイ
パス構造の2室式容器兼用注射器、並びに特願平5−2
05904号に代表される2室式容器兼用注射器、さら
に実願平3ー57218号に代表されるバイパス構造の
組立式2室式容器兼用注射器の最も筒先側のラバースト
ッパとの筒先部であってもよい。
【0035】
【発明の効果】容器兼用注射器において、筒先部に最も
近いラバーストッパのインカット部方向、成型部方向そ
れぞれの切欠部の総有効面積とガラスカートリッジの横
断面積との比率、及びこのラバーストッパの外径と筒先
チャンバ部の内径との比率を設定することによって、ラ
バーストッパの方向性を規制することなしに自動供給機
で組立工程に供給でき、かつ高粘度の薬液や懸濁液など
の流動性の悪い薬液を注射する際に、混注やナース・ア
スピレーションによる陰圧が加わっても、ラバーストッ
パがガラスがガラスカートリッジ内に引き戻される危険
性を解消し、ノン・コアリングの特長を生かすことので
きる注射器を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す容器兼用注射器の要
部を示す断面図である。
【図2】同実施の形態を示すラバーストッパとガラスカ
ートリッジの天面との関係を示す斜視図である。
【図3】容器兼用注射器の一般的な形状を示す断面図で
ある。
【図4】従来の容器兼用注射器の問題点を説明する拡大
断面図である。
【図5】ラバーストッパの製造工程の一部を説明する斜
視図である。
【図6】従来のラバーストッパの一例を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 筒先 2,4 ラバーストッパ 3 ガラスカートリッジ 10 ラバーストッパの成型部方向の端部 11 ラバーストッパのインカット部方向の端部 20 切欠部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端が開口し、その中に薬液を充填して
    保管する円筒状のガラスカートリッジ(3)と、このガ
    ラスカートリッジの両端を気密・液密的に封止する少な
    くとも2つのラバーストッパ(2,4)とを備え、 前記ラバーストッパのうち、筒先(1)に最も近い側に
    セットされるラバーストッパの両天面の縁周端部には、
    少なくとも1個以上の切欠部(20)が設けられ、 前記ラバーストッパの天面に設けられた切欠部のうち、
    ラバーストッパとガラスカートリッジの天面とが接した
    とき、ガラスカートリッジの天面よりも内側に位置する
    切欠部の面積の総和が、ガラスカートリッジの横断面積
    の2.0%以上に設定されていることを特徴とする容器
    兼用注射器。
  2. 【請求項2】 両端が開口し、その中に薬液を充填して
    保管する円筒状のガラスカートリッジ(3)と、このガ
    ラスカートリッジの両端を気密・液密的に封止する少な
    くとも2つのラバーストッパ(2,4)とを備え、 前記ラバーストッパのうち、筒先(1)に最も近い側に
    セットされるラバーストッパの両天面の縁周端部には、
    少なくとも1個以上の切欠部(20)が設けられ、 前記ラバーストッパの両天面のインカット部方向の縁周
    端部に設けられた切欠部のうち、ラバーストッパとガラ
    スカートリッジの天面とが接したとき、ガラスカートリ
    ッジの天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和
    が、ラバーストッパの直径が5〜10mmのものにあっ
    てはガラスカートリッジの横断面積の5.0%以上、直
    径が10〜15mmのものにあってはガラスカートリッ
    ジの横断面積の3.0%以上に設定され、 かつ、ラバーストッパの両天面の成型部方向の天面に設
    けられた切欠部のうち、ラバーストッパとガラスカート
    リッジの天面とが接したとき、ガラスカートリッジの天
    面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和が、ガラス
    カートリッジの横断面積の2.0%以上に設定されてい
    ることを特徴とする容器兼用注射器。
  3. 【請求項3】 両端が開口し、その中に薬液を充填して
    保管する円筒状のガラスカートリッジ(3)と、このガ
    ラスカートリッジの両端を気密・液密的に封止する少な
    くとも2つのラバーストッパ(2,4)とを備え、 前記ラバーストッパのうち、筒先(1)に最も近い側に
    セットされるラバーストッパの両天面の縁周端部には、
    少なくとも1個以上の切欠部(20)が設けられ、 前記ラバーストッパの直径が5〜10mmのものにあっ
    ては、ラバーストッパの両天面のインカット部方向の縁
    周端部に設けられた切欠部のうち、ラバーストッパとガ
    ラスカートリッジの天面とが接したとき、ガラスカート
    リッジの天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総和
    が、ガラスカートリッジの横断面積の4.0%以上、ラ
    バーストッパの成型部方向の縁周端部に設けられた切欠
    部のうち、ラバーストッパとガラスカートリッジの天面
    とが接したとき、ガラスカートリッジの天面よりも内側
    に位置する切欠部の面積の総和が、ガラスカートリッジ
    の横断面積の2.0%以上にそれぞれ設定され、かつ、
    ラバーストッパの外径に対する筒先チャンバ部の内径比
    率が100.6%以上に設定され、 前記ラバーストッパの直径が10〜15mmのものにあ
    っては、ラバーストッパの両天面のインカット部方向の
    縁周端部に設けられた切欠部のうち、ラバーストッパと
    ガラスカートリッジの天面とが接したとき、ガラスカー
    トリッジの天面よりも内側に位置する切欠部の面積の総
    和が、ガラスカートリッジの横断面積の2.0%以上、
    ラバーストッパの成型部方向の縁周端部に設けられた切
    欠部のうち、ラバーストッパとガラスカートリッジの天
    面とが接したとき、ガラスカートリッジの天面よりも内
    側に位置する切欠部の面積の総和が、ガラスカートリッ
    ジの横断面積の1.0%以上にそれぞれ設定され、か
    つ、ラバーストッパの外径に対する筒先チャンバ部の内
    径比率が100.4%以上に設定されていることを特徴
    とする容器兼用注射器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002177391A (ja) * 2000-12-13 2002-06-25 Arute:Kk 容器兼用注射器
JP4439577B1 (ja) * 2008-11-28 2010-03-24 株式会社アルテ 容器兼用注射器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002177391A (ja) * 2000-12-13 2002-06-25 Arute:Kk 容器兼用注射器
JP4439577B1 (ja) * 2008-11-28 2010-03-24 株式会社アルテ 容器兼用注射器
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