JPH10750A - チーズの包装用フィルム及びそれを用いた包装体 - Google Patents
チーズの包装用フィルム及びそれを用いた包装体Info
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- JPH10750A JPH10750A JP17576396A JP17576396A JPH10750A JP H10750 A JPH10750 A JP H10750A JP 17576396 A JP17576396 A JP 17576396A JP 17576396 A JP17576396 A JP 17576396A JP H10750 A JPH10750 A JP H10750A
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- Japan
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- cheese
- film
- packaging
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- bag
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 密封性及びチーズとの剥離性の他、低臭性、
低温ヒートシール性及び夾雑シール性を有したチーズの
包装用フィルムを提供する。 【解決手段】 フィルム状基材12に、メタロセン触媒
を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレンを主体と
するシーラント層14を積層して包装用フィルム10を
形成する。
低温ヒートシール性及び夾雑シール性を有したチーズの
包装用フィルムを提供する。 【解決手段】 フィルム状基材12に、メタロセン触媒
を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレンを主体と
するシーラント層14を積層して包装用フィルム10を
形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チーズを密封す
る包装袋に使用される包装用フィルム、並びに、その包
装用フィルムを用いて製造された包装袋の内部にチーズ
を密封した包装体に関する。
る包装袋に使用される包装用フィルム、並びに、その包
装用フィルムを用いて製造された包装袋の内部にチーズ
を密封した包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】チーズ、例えばスライスチーズは、1枚
ずつ個別に包装された個別包装体を10枚程度、ガスバ
リヤー性の高い外装用フィルムで形成された外装袋に収
容し外装袋内にガスを充填して密封包装された形態で販
売されている。そして、外装袋を開封した後食べ切れな
かったチーズの個別包装体は、チーズの変敗を防止する
ために冷蔵庫内に保存される。このとき、チーズは、外
気に触れると、庫内が低湿度であるために乾燥したり、
好気性のカビを生じたりし、また、他の食品の匂いを吸
着して味と香りが損ねられたりする。このため、スライ
スチーズは、包装用フィルムで形成された個別包装袋に
収容し袋開口部を熱接着(ヒートシール)して密封する
ようにされる。従って、チーズの個別包装用のフィルム
としては、密封性が必要とされる。
ずつ個別に包装された個別包装体を10枚程度、ガスバ
リヤー性の高い外装用フィルムで形成された外装袋に収
容し外装袋内にガスを充填して密封包装された形態で販
売されている。そして、外装袋を開封した後食べ切れな
かったチーズの個別包装体は、チーズの変敗を防止する
ために冷蔵庫内に保存される。このとき、チーズは、外
気に触れると、庫内が低湿度であるために乾燥したり、
好気性のカビを生じたりし、また、他の食品の匂いを吸
着して味と香りが損ねられたりする。このため、スライ
スチーズは、包装用フィルムで形成された個別包装袋に
収容し袋開口部を熱接着(ヒートシール)して密封する
ようにされる。従って、チーズの個別包装用のフィルム
としては、密封性が必要とされる。
【0003】また、個別包装体の形態のチーズは、個別
包装袋からチーズを取り出す際にチーズと包装用フィル
ムとの剥離性が劣ると、チーズの表面部分がフィルム面
に付着してチーズの一部が欠けたりチーズが断裂したり
して商品価値を落としたりする。従って、チーズの個別
包装用のフィルムとしては、チーズとの剥離性が良好で
あることが要求される。その他、個別包装用フィルムに
合成樹脂臭があると、その臭い成分がチーズに吸着さ
れ、チーズが異味、異臭を帯びることになるので、これ
を防止するためには、個別包装用フィルムの性能とし
て、低臭性が求められる。さらに、スライスチーズを個
別包装する場合における個別包装袋へのチーズの充填・
密封速度は、例えば500〜1,000ショット(袋)
/分というように他の食品に比べて格段に速く、また、
包装袋のシール部にはチーズが付着するので、個別包装
袋内へチーズを充填した後に包装袋の密封を確実に行な
わせるためには、個別包装用フィルムに高い低温ヒート
シール性と夾雑シール性が要求される。
包装袋からチーズを取り出す際にチーズと包装用フィル
ムとの剥離性が劣ると、チーズの表面部分がフィルム面
に付着してチーズの一部が欠けたりチーズが断裂したり
して商品価値を落としたりする。従って、チーズの個別
包装用のフィルムとしては、チーズとの剥離性が良好で
あることが要求される。その他、個別包装用フィルムに
合成樹脂臭があると、その臭い成分がチーズに吸着さ
れ、チーズが異味、異臭を帯びることになるので、これ
を防止するためには、個別包装用フィルムの性能とし
て、低臭性が求められる。さらに、スライスチーズを個
別包装する場合における個別包装袋へのチーズの充填・
密封速度は、例えば500〜1,000ショット(袋)
/分というように他の食品に比べて格段に速く、また、
包装袋のシール部にはチーズが付着するので、個別包装
袋内へチーズを充填した後に包装袋の密封を確実に行な
わせるためには、個別包装用フィルムに高い低温ヒート
シール性と夾雑シール性が要求される。
【0004】ここで、従来、チーズの個別包装用フィル
ムとしては、ポリ塩化ビニリデンフィルムやポリ塩化ビ
ニリデンのシーラント層をフィルム状基材に塗布したも
の、ポリプロピレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体を
単一層のフィルムとしたものや複合フィルム化したもの
が用いられている。
ムとしては、ポリ塩化ビニリデンフィルムやポリ塩化ビ
ニリデンのシーラント層をフィルム状基材に塗布したも
の、ポリプロピレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体を
単一層のフィルムとしたものや複合フィルム化したもの
が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、チー
ズの個別包装用フィルムの性能として、密封性、チーズ
との剥離性、低臭性並びに低温ヒートシール性及び夾雑
シール性が要求されるが、ポリ塩化ビニリデンからなる
フィルムやそのシーラント層をフィルム状基材に塗布し
たものは、夾雑シール性が不十分である。また、ポリプ
ロピレンによって形成されたフィルムは、低温ヒートシ
ール性が悪く、また、エチレン・酢酸ビニル共重合体に
よって形成されたフィルムは、特有の酢酸ビニル臭があ
る。このように、従来用いられているフィルムは何れ
も、チーズの個別包装用フィルムとして十分な性能を有
していなかった。
ズの個別包装用フィルムの性能として、密封性、チーズ
との剥離性、低臭性並びに低温ヒートシール性及び夾雑
シール性が要求されるが、ポリ塩化ビニリデンからなる
フィルムやそのシーラント層をフィルム状基材に塗布し
たものは、夾雑シール性が不十分である。また、ポリプ
ロピレンによって形成されたフィルムは、低温ヒートシ
ール性が悪く、また、エチレン・酢酸ビニル共重合体に
よって形成されたフィルムは、特有の酢酸ビニル臭があ
る。このように、従来用いられているフィルムは何れ
も、チーズの個別包装用フィルムとして十分な性能を有
していなかった。
【0006】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、密封性及びチーズとの剥離性の他、
低臭性、低温ヒートシール性及び夾雑シール性を有した
チーズの包装用フィルム並びにそれを用いたチーズの包
装体を提供することを目的とする。
されたものであり、密封性及びチーズとの剥離性の他、
低臭性、低温ヒートシール性及び夾雑シール性を有した
チーズの包装用フィルム並びにそれを用いたチーズの包
装体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
フィルム状基材に、メタロセン触媒を用いて重合された
直鎖状低密度ポリエチレンを主体とするシーラント層を
積層して、チーズの包装用フィルムを形成したことを特
徴とする。
フィルム状基材に、メタロセン触媒を用いて重合された
直鎖状低密度ポリエチレンを主体とするシーラント層を
積層して、チーズの包装用フィルムを形成したことを特
徴とする。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載のチ
ーズの包装用フィルムにおいて、上記直鎖状低密度ポリ
エチレンの密度が0.880〜0.920g/cm3で
融点が125℃以下であることを特徴とする。
ーズの包装用フィルムにおいて、上記直鎖状低密度ポリ
エチレンの密度が0.880〜0.920g/cm3で
融点が125℃以下であることを特徴とする。
【0009】請求項3に係る発明は、包装用フィルムを
袋形態に形成した包装袋の内部にチーズを収容し、包装
袋の開口部を熱接着して包装袋内にチーズを密封した包
装体において、上記包装用フィルムを、メタロセン触媒
を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレンを主体と
するシーラント層をフィルム状基材に積層して形成し、
その包装用フィルムを、シーラント層が包装袋の内面側
となるように袋形態に形成したことを特徴とする。
袋形態に形成した包装袋の内部にチーズを収容し、包装
袋の開口部を熱接着して包装袋内にチーズを密封した包
装体において、上記包装用フィルムを、メタロセン触媒
を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレンを主体と
するシーラント層をフィルム状基材に積層して形成し、
その包装用フィルムを、シーラント層が包装袋の内面側
となるように袋形態に形成したことを特徴とする。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項3記載のチ
ーズの包装体において、上記包装用フィルムのシーラン
ト層を形成する直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.
880〜0.920g/cm3で融点が125℃以下で
あることを特徴とする。
ーズの包装体において、上記包装用フィルムのシーラン
ト層を形成する直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.
880〜0.920g/cm3で融点が125℃以下で
あることを特徴とする。
【0011】上記した構成の請求項1に係る発明の包装
用フィルムを用い、その包装用フィルムを、そのシーラ
ント層が内面側となるように袋形態に形成した包装袋の
内部にチーズを収容し、包装袋の開口部を熱接着して包
装袋内にチーズを密封したときは、また、請求項3に係
る発明のチーズの包装体では、包装袋の、チーズと接す
る内面側が異種の物質との親和性の低いポリエチレン系
のシーラント層であるため、チーズとの剥離性が良く、
包装用フィルムへのチーズの付着が抑制される。また、
従来のポリエチレン系のシーラント層のように、エチレ
ンを高圧下で重合させた側鎖の多い低密度ポリエチレン
からなるシーラント層では、重合時に生じる不純分子が
ポリエチレン臭となり、その臭い成分がチーズ片に吸着
されて、チーズが異味、異臭を帯びることになる。ま
た、エチレンとαオレフィンとを、マルチサイト触媒を
用いて共重合させた直鎖状低密度ポリエチレンでは、融
点を下げるためにαオレフィン量を増やしても、低温ヒ
ートシール性を阻害する高融点成分が残存し、しかも、
チーズの異味、異臭の原因となる低融点成分が増加する
ことになる。これに対し、メタロセン(シングルサイ
ト)触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン
を主体とする合成樹脂では、重合時に不要な高融点成分
と低融点成分とを除去することができるため、そのよう
な合成樹脂からなるシーラント層がフィルム状基材に積
層されてチーズと接する包装用フィルムは、低臭性、低
温ヒートシール性及び夾雑シール性を有することにな
る。
用フィルムを用い、その包装用フィルムを、そのシーラ
ント層が内面側となるように袋形態に形成した包装袋の
内部にチーズを収容し、包装袋の開口部を熱接着して包
装袋内にチーズを密封したときは、また、請求項3に係
る発明のチーズの包装体では、包装袋の、チーズと接す
る内面側が異種の物質との親和性の低いポリエチレン系
のシーラント層であるため、チーズとの剥離性が良く、
包装用フィルムへのチーズの付着が抑制される。また、
従来のポリエチレン系のシーラント層のように、エチレ
ンを高圧下で重合させた側鎖の多い低密度ポリエチレン
からなるシーラント層では、重合時に生じる不純分子が
ポリエチレン臭となり、その臭い成分がチーズ片に吸着
されて、チーズが異味、異臭を帯びることになる。ま
た、エチレンとαオレフィンとを、マルチサイト触媒を
用いて共重合させた直鎖状低密度ポリエチレンでは、融
点を下げるためにαオレフィン量を増やしても、低温ヒ
ートシール性を阻害する高融点成分が残存し、しかも、
チーズの異味、異臭の原因となる低融点成分が増加する
ことになる。これに対し、メタロセン(シングルサイ
ト)触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン
を主体とする合成樹脂では、重合時に不要な高融点成分
と低融点成分とを除去することができるため、そのよう
な合成樹脂からなるシーラント層がフィルム状基材に積
層されてチーズと接する包装用フィルムは、低臭性、低
温ヒートシール性及び夾雑シール性を有することにな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について説明する。
について説明する。
【0013】図1は、この発明に係る包装用フィルムを
用いてスライスチーズを個別包装した個別包装体を、そ
の一部を省略して示す拡大縦断面図である。包装用フィ
ルム10は、フィルム状基材12に直鎖状低密度ポリエ
チレンを主体とするシーラント層14を積層して形成さ
れている。フィルム状基材12は、強度が大きい合成樹
脂、例えば2軸延伸されたポリエチレンテレフタレート
などによって形成される。また、シーラント層14をな
す直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒を用い
てエチレンを重合させることにより得られる。該直鎖状
低密度ポリエチレンは、例えば、密度が0.880〜
0.920g/cm3で、融点が125℃以下である。
そして、包装用フィルム10は、フィルム状基材12の
片面にアンカーコート剤を塗布してアンカーコート剤層
16を形成し、これに該直鎖状低密度ポリエチレンを押
出しラミネート法でコーティングして、シーラント層1
4を形成することにより製造される。或いは、予め該直
鎖状低密度ポリエチレンをフィルム化したものを製造し
ておき、これをフィルム状基材にドライラミネート法で
複合フィルム化することにより包装用フィルムを得るこ
ともできる。尚、包装用フィルムの腰を強くするため
に、フィルム状基材と該直鎖状低密度ポリエチレンのシ
ーラント層との間にポリプロピレンの合成樹脂層を共押
出しラミネーターで介挿させたり、包装用フィルムのガ
スバリヤー性を向上させるために、フィルム状基材と該
直鎖状低密度ポリエチレンのシーラント層との間にエチ
レン・ビニルアルコール共重合体等の合成樹脂層を共押
出しラミネーターで介挿させたりすることも可能であ
る。
用いてスライスチーズを個別包装した個別包装体を、そ
の一部を省略して示す拡大縦断面図である。包装用フィ
ルム10は、フィルム状基材12に直鎖状低密度ポリエ
チレンを主体とするシーラント層14を積層して形成さ
れている。フィルム状基材12は、強度が大きい合成樹
脂、例えば2軸延伸されたポリエチレンテレフタレート
などによって形成される。また、シーラント層14をな
す直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒を用い
てエチレンを重合させることにより得られる。該直鎖状
低密度ポリエチレンは、例えば、密度が0.880〜
0.920g/cm3で、融点が125℃以下である。
そして、包装用フィルム10は、フィルム状基材12の
片面にアンカーコート剤を塗布してアンカーコート剤層
16を形成し、これに該直鎖状低密度ポリエチレンを押
出しラミネート法でコーティングして、シーラント層1
4を形成することにより製造される。或いは、予め該直
鎖状低密度ポリエチレンをフィルム化したものを製造し
ておき、これをフィルム状基材にドライラミネート法で
複合フィルム化することにより包装用フィルムを得るこ
ともできる。尚、包装用フィルムの腰を強くするため
に、フィルム状基材と該直鎖状低密度ポリエチレンのシ
ーラント層との間にポリプロピレンの合成樹脂層を共押
出しラミネーターで介挿させたり、包装用フィルムのガ
スバリヤー性を向上させるために、フィルム状基材と該
直鎖状低密度ポリエチレンのシーラント層との間にエチ
レン・ビニルアルコール共重合体等の合成樹脂層を共押
出しラミネーターで介挿させたりすることも可能であ
る。
【0014】以上のような積層構造を有する包装用フィ
ルム10を、シーラント層14を内面側にして袋形態、
例えば筒状に形成し、その内部にスライスチーズ20を
収容する。そして、筒状袋の両端の開口部をそれぞれ熱
接着することにより、個別包装袋内に1枚ずつスライス
チーズ20が密封された個別包装体が得られる。図1中
の18が熱接着部であり、熱接着部18では包装用フィ
ルム10のシーラント層14、14同士が接合される。
また、スライスチーズ20は、包装用フィルム10のシ
ーラント層14に接することになる。
ルム10を、シーラント層14を内面側にして袋形態、
例えば筒状に形成し、その内部にスライスチーズ20を
収容する。そして、筒状袋の両端の開口部をそれぞれ熱
接着することにより、個別包装袋内に1枚ずつスライス
チーズ20が密封された個別包装体が得られる。図1中
の18が熱接着部であり、熱接着部18では包装用フィ
ルム10のシーラント層14、14同士が接合される。
また、スライスチーズ20は、包装用フィルム10のシ
ーラント層14に接することになる。
【0015】
【実施例】次に、この発明をより具体化した実施例につ
いて、試験の結果を示しながら説明する。
いて、試験の結果を示しながら説明する。
【0016】2軸延伸されたポリエチレンテレフタレー
ト(PET)により12μmの厚みに形成されたフィル
ム状基材の片面にアンカーコート剤を塗布し、これに、
メタロセン触媒を用いて重合された密度が0.905g
/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン
PE)を15μmの厚みになるように押出しラミネー
ターでコーティングして包装用フィルムを試作した。ま
た、比較のために、従来使用されている包装用フィルム
として、上記フィルム状基材にポリ塩化ビニリデン(P
VDC)を塗布したもの、並びに、上記フィルム状基材
の片面にアンカーコート剤を塗布したものに、マルチサ
イト触媒を用いて重合された密度が0.911g/cm
3である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高
圧法により重合された密度が0.918g/cm3であ
る低密度ポリエチレン(LDPE)、密度が0.900
g/cm3であるポリプロピレン(PP)、及び、密度
が0.933g/cm3であるエチレン・酢酸ビニル
(10%)共重合体(EVA)を、それぞれ15μmの
厚みになるように押出しコーティングした包装用フィル
ムを試作し、それらをコントロールとした。そして、本
発明に係る包装用フィルムと5種類のコントロールの包
装用フィルムについて、それぞれ臭気及び剥離性の評価
試験並びに低温ヒートシール性の試験を行なった。
ト(PET)により12μmの厚みに形成されたフィル
ム状基材の片面にアンカーコート剤を塗布し、これに、
メタロセン触媒を用いて重合された密度が0.905g
/cm3である直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン
PE)を15μmの厚みになるように押出しラミネー
ターでコーティングして包装用フィルムを試作した。ま
た、比較のために、従来使用されている包装用フィルム
として、上記フィルム状基材にポリ塩化ビニリデン(P
VDC)を塗布したもの、並びに、上記フィルム状基材
の片面にアンカーコート剤を塗布したものに、マルチサ
イト触媒を用いて重合された密度が0.911g/cm
3である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高
圧法により重合された密度が0.918g/cm3であ
る低密度ポリエチレン(LDPE)、密度が0.900
g/cm3であるポリプロピレン(PP)、及び、密度
が0.933g/cm3であるエチレン・酢酸ビニル
(10%)共重合体(EVA)を、それぞれ15μmの
厚みになるように押出しコーティングした包装用フィル
ムを試作し、それらをコントロールとした。そして、本
発明に係る包装用フィルムと5種類のコントロールの包
装用フィルムについて、それぞれ臭気及び剥離性の評価
試験並びに低温ヒートシール性の試験を行なった。
【0017】臭気性の評価試験は、10cm×10cm
のフィルム片を三角フラスコに入れて密栓し、密栓後2
4時間、40℃の温度でそのまま放置し、その後に開栓
してフラスコ内の臭気を嗅ぐ方法により行なった。その
評価は、10人のパネラーを用意し、各人に5段階基準
(0点:無臭、1点:やっと検知できる程度の臭気、2
点:臭いが分かる程度の弱い臭気、3点:明らかに感じ
る臭気、4点:強い臭気)に従って採点して貰い、10
人の採点の総平均を算出することにより行なった。ま
た、剥離性の評価試験は、加熱し溶融させたプロセスチ
ーズをフィルムに塗布し、これを冷却して固化させ、2
4時間放置した後にチーズとフィルムとを剥離し、フィ
ルム面に残存するチーズ量を測定して、これを指標とす
ることにより行なった。臭気の官能試験の結果及び剥離
性試験の結果を表1に示す。
のフィルム片を三角フラスコに入れて密栓し、密栓後2
4時間、40℃の温度でそのまま放置し、その後に開栓
してフラスコ内の臭気を嗅ぐ方法により行なった。その
評価は、10人のパネラーを用意し、各人に5段階基準
(0点:無臭、1点:やっと検知できる程度の臭気、2
点:臭いが分かる程度の弱い臭気、3点:明らかに感じ
る臭気、4点:強い臭気)に従って採点して貰い、10
人の採点の総平均を算出することにより行なった。ま
た、剥離性の評価試験は、加熱し溶融させたプロセスチ
ーズをフィルムに塗布し、これを冷却して固化させ、2
4時間放置した後にチーズとフィルムとを剥離し、フィ
ルム面に残存するチーズ量を測定して、これを指標とす
ることにより行なった。臭気の官能試験の結果及び剥離
性試験の結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示した結果より、本発明に係る包装
用フィルムは、無臭で、剥離性も良好であり、従来の包
装用フィルムに比べて優れた性能を有していることが分
かる。
用フィルムは、無臭で、剥離性も良好であり、従来の包
装用フィルムに比べて優れた性能を有していることが分
かる。
【0020】また、ヒートシール性の実験結果を図2に
示す。図2より、本発明に係る包装用フィルムは、従来
の包装用フィルムに比べて低いヒートシール温度でも大
きなシール強度を示し、低温ヒートシール性の面でも優
れた性能を有していることが分かる。
示す。図2より、本発明に係る包装用フィルムは、従来
の包装用フィルムに比べて低いヒートシール温度でも大
きなシール強度を示し、低温ヒートシール性の面でも優
れた性能を有していることが分かる。
【0021】
【発明の効果】請求項1に係る発明の包装用フィルム
は、それを用いてチーズを密封したときの密封性が良好
で、チーズとの剥離性にも優れている他、低臭性、低温
ヒートシール性及び夾雑シール性の面でも優れた性能を
有している。
は、それを用いてチーズを密封したときの密封性が良好
で、チーズとの剥離性にも優れている他、低臭性、低温
ヒートシール性及び夾雑シール性の面でも優れた性能を
有している。
【0022】請求項3に係る発明のチーズの包装体は、
包装用フィルムの密封性及びチーズと包装用フィルムと
の剥離性が良好である他、包装用フィルムの臭い成分が
チーズに吸着されてチーズが異味、異臭を帯びる恐れが
なく、それを製造する場合に、個別包装袋へのチーズの
充填・密封速度を速くしても、また、包装袋のシール部
にチーズが付着することがあっても、包装袋へのチーズ
の密封が確実に行なわれる。
包装用フィルムの密封性及びチーズと包装用フィルムと
の剥離性が良好である他、包装用フィルムの臭い成分が
チーズに吸着されてチーズが異味、異臭を帯びる恐れが
なく、それを製造する場合に、個別包装袋へのチーズの
充填・密封速度を速くしても、また、包装袋のシール部
にチーズが付着することがあっても、包装袋へのチーズ
の密封が確実に行なわれる。
【図1】この発明に係る包装用フィルムを用いてスライ
スチーズを個別包装した個別包装体を、その一部省略し
て示す拡大縦断面図である。
スチーズを個別包装した個別包装体を、その一部省略し
て示す拡大縦断面図である。
【図2】包装用フィルムの低温ヒートシール性の試験結
果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
10 包装用フィルム 12 フィルム状基材 14 シーラント層 16 アンカーコート剤層 18 熱接着部 20 スライスチーズ
Claims (4)
- 【請求項1】 フィルム状基材に、メタロセン触媒を用
いて重合された直鎖状低密度ポリエチレンを主体とする
シーラント層を積層して形成されたことを特徴とする、
チーズの包装用フィルム。 - 【請求項2】 直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が
0.880〜0.920g/cm3で融点が125℃以
下である請求項1記載の、チーズの包装用フィルム。 - 【請求項3】 包装用フィルムを袋形態に形成した包装
袋の内部にチーズを収容し、包装袋の開口部を熱接着し
て包装袋内にチーズを密封した、チーズの包装体におい
て、 前記包装用フィルムが、メタロセン触媒を用いて重合さ
れた直鎖状低密度ポリエチレンを主体とするシーラント
層をフィルム状基材に積層して形成され、その包装用フ
ィルムが、前記シーラント層が包装袋の内面側となるよ
うに袋形態に形成されたことを特徴とする、チーズの包
装体。 - 【請求項4】 包装用フィルムのシーラント層を形成す
る直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.880〜
0.920g/cm3で融点が125℃以下である請求
項3記載の、チーズの包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17576396A JPH10750A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | チーズの包装用フィルム及びそれを用いた包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17576396A JPH10750A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | チーズの包装用フィルム及びそれを用いた包装体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10750A true JPH10750A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=16001837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17576396A Pending JPH10750A (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | チーズの包装用フィルム及びそれを用いた包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10750A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008100391A (ja) * | 2006-10-18 | 2008-05-01 | Shikoku Kako Kk | 食品包装用フィルム |
WO2009057181A1 (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-07 | Shikoku Kakoh Co., Ltd. | 食品包装用フィルム |
-
1996
- 1996-06-13 JP JP17576396A patent/JPH10750A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008100391A (ja) * | 2006-10-18 | 2008-05-01 | Shikoku Kako Kk | 食品包装用フィルム |
WO2009057181A1 (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-07 | Shikoku Kakoh Co., Ltd. | 食品包装用フィルム |
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