JPH1074735A - 高速原子線源 - Google Patents

高速原子線源

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JPH1074735A
JPH1074735A JP24876796A JP24876796A JPH1074735A JP H1074735 A JPH1074735 A JP H1074735A JP 24876796 A JP24876796 A JP 24876796A JP 24876796 A JP24876796 A JP 24876796A JP H1074735 A JPH1074735 A JP H1074735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直進性と中性化率の制御性が高く、しかも、
加速したラジカルの失活を抑えてエネルギー効率良く高
速原子線を生成して、高アスペクト比の微細加工を効率
よく行うことができる高速原子線源を提供する。 【解決手段】 内部にプラズマ空間28を形成する放電
容器10に、原子放出孔12を有する平板状の放出電極
14と、これに対向して配置される対向電極26とが設
けられ、これらの電極による電場でプラズマ空間に発生
したプラズマ中のイオンを放出電極に向けて加速し、加
速されたイオンを放出電極近傍において中性化して高速
原子として原子放出孔から放出するようにした高速原子
線源において、原子放出孔12bは少なくともその一部
が孔の方向に沿って断面の形状及び/又は面積が変化す
るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体素
子などの製造工程において微細な加工や処理を行なうの
に好適な高速原子線源に関する。
【0002】
【従来の技術】常温の大気中で熱運動をしている原子・
分子は、おおむね0.05eV前後の運動エネルギーを
有している。これに比べてはるかに大きな運動エネルギ
ーで飛翔する原子・分子を、高速原子と呼び、方向性を
持ったビーム状に放射される場合に、高速原子線とい
う。
【0003】従来発表されている、気体原子の高速原子
線を発生させる高速原子線源のうち、運動エネルギーが
数eV〜10keVのアルゴン原子を放射する高速原子
線源の構造の一例を図7に示す。図中、符号100は円
筒形陰極、102はドーナツ状の陽極、104は0.5
〜10keVの直流高圧電源、106はガス導入部である
ガスノズル、Gはアルゴンガス、Pはプラズマ、108
は原子放出孔、Bは高速原子線、110は放電安定抵抗
である。
【0004】高速原子線源と放電安定化抵抗110以外
の構成要素を真空容器に入れ、十分に排気した後、ガス
導入パイプ106からアルゴンガスGを円筒形陰極10
0の内部に注入する。ここで直流高電圧電源104によ
って、陽極が正電位、陰極が、負電位となるように、直
流電圧を印加する。これで陰極・陽極間に放電が起き、
プラズマPが発生し、アルゴンイオンと電子が生成され
る。更に、この放電において、円筒形陰極100の底面
から放出する電子は、陽極102に向かって放出され、
陽極102の中央の孔を通過して、円筒形陰極100の
反対側の底面に達し、ここで速度を失って反転し、改め
て陽極102に向かって加速される。このように電子は
陽極の中央の孔を介して、円筒形陰極の両方の底面の間
を高周波振動し、そのあいだに、アルゴンガスに衝突し
て、多数のアルゴンイオンを発生させる。
【0005】こうして発生したアルゴンイオンは、円筒
形陰極100の底面に向かって加速され、十分な運動エ
ネルギーを得るにいたる。この運動エネルギーは、陽極
・陰極との間の放電維持電圧が、例えば1kVの時は1
keV程度の値となる。円筒形陰極100の底面近傍の
空間は高周波振動をする電子の折り返し点であって、低
エネルギーの電子が多数存在する空間である。この空間
に入射したアルゴンイオンは電子と衝突・再結合してア
ルゴン原子に戻る。イオンと電子の衝突において、電子
の質量がアルゴンイオンに比べて無視できるほど小さい
ために、アルゴンイオンの運動エネルギーはほとんど損
失せずにそのまま原子に受け継がれて高速原子となる。
従って、この場合の高速原子の運動エネルギーは1ke
V程度となる。この高速原子は円筒形陰極の一方の断面
に開けられた断面形状が一定の放出孔から高速原子線B
となって放出される。
【0006】ところで、上述した方法で形成した高速原
子線によって、エッチングや成膜等の処理を行なうに
は、線量が面内に均一に分布すること、及び、特に微細
な加工を精密に行なうには直進性のよいビームを得るこ
とが必要である。上記のような従来の方法では、ドーナ
ッツ状の陽極102を用いているため、プラズマPの分
布が不均一で線量の均一性が不充分となり、また、直進
性を確保する方策も不充分である。
【0007】これに対して、原子線量の面内均一性を担
保するために陽極を陰極(放出電極)に対向する平板状
とし、直進性のよい高中性化率のビームを得るために高
速原子放出孔の長さを長くした技術が開示されている
(特開平5-121194号)。いずれの従来の技術の
場合でも、原子放出孔は孔の方向に沿って形状や断面積
の変わらない直線状の円孔である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の技
術において、放電容器内で生成されたラジカル粒子(外
部電子配置のエネルギーが高い状態にある粒子)は電荷
を持っていないため、ガス粒子の流体挙動に従って原子
放出孔を通過する。このとき、原子放出孔が断面積一定
の直線状の孔である場合、該孔の長さに比例して、孔壁
との衝突確立が高くなり、ラジカル粒子の失活割合が大
きくなる。例えば、典型的な動作条件では、放電容器内
の平均自由行程が、0.1mm〜10mm程度である。
これに対し、原子放出孔の径は1mm、長さ5mm〜2
0mmである。原子放出孔中ではガス粒子密度が減少す
るので、平均自由行程が更に長くなり、原子放出孔中で
は自由分子流状態となり、ラジカル粒子と孔側壁との衝
突確立が大きく、せっかく生成されたラジカルの失活す
る確率が大きくなる。
【0009】このように、直進性の良い高速原子線を得
るために、原子放出孔の長さを長くすると、逆に、ラジ
カル粒子の供給量が減少するため、ラジカル量は減少し
てしまい、速い加工速度は望めない。つまり、高アスペ
クト比の異方性微細加工を効率よく行うためには、直進
性の良い高速原子線量とラジカル量をバランスよく制御
することが必要であるが、上述のように高速原子線量と
ラジカル粒子線量の制御は困難であった。
【0010】本発明は、直進性と中性化率の制御性が高
く、しかも、加速したラジカルの失活を抑えてエネルギ
ー効率良く高速原子線を生成して、高アスペクト比の微
細加工を効率よく行うことができる高速原子線源を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、請求項1に記載の発明は、放電容器に、原子放
出孔を有する平板状の放出電極と、これに対向して配置
される対向電極とが設けられ、これらの放出電極と対向
電極の間にプラズマ空間を形成するとともに、該プラズ
マ空間に発生したプラズマ中のイオンを放出電極に向け
て加速し、加速された前記イオンを放出電極近傍におい
て中性化して高速原子として前記原子放出孔から放出す
るようにした高速原子線源において、前記原子放出孔は
断面が外部に向かって広がる形状であることを特徴とす
る高速原子線源である。
【0012】このような構成においては、例えば放電容
器内にガスパイプよりガス粒子を導入し、放出電極と対
向電極間に直流高電圧を印加することにより、グロー放
電を発生させてプラズマを生成する。プラズマ中のイオ
ンは、放出孔が設けられている電極方向に電界によって
加速され、放出孔中において残留ガス粒子と電荷交換が
行われて中性化され、高速原子線となって放出される。
【0013】本発明では、原子放出孔の断面が末広形状
を持つので、ラジカル粒子の失活が防止され、加工性や
反応性の高い高速原子線を生成することができる。ま
た、末広孔と断面一定孔を適切に配置した高速原子線放
出用電極を用いることで、高速原子線の放射と生成され
たラジカル粒子を効率的に下流の試料表面に供給するこ
とができる。これは、以下のような作用に基づくもので
ある。
【0014】放電容器内で生成されたラジカル粒子は電
荷を持っていないため、ガス粒子の流体挙動に従って原
子放出孔を通過する。このとき、原子放出孔が断面積一
定の直線状の孔ではなく、例えば、末広形状の原子放出
孔であると、これによって放出された高速原子線が孔の
内面に衝突する確率が減少し、その結果ラジカル粒子の
失活する比率が低下してエネルギー効率が向上する。
【0015】また、断面形状一定の直線状の放出孔と断
面が末広がりの形状の放出孔を適切に配置した電極を用
いると、断面形状一定の孔からは、直進性の良い高速原
子線が放出され、末広形状孔からは効率よくラジカル粒
子が供給されるため、直進性の良い高速原子線量とラジ
カル量を適切に制御して、試料に供給できる。従って、
スパッタ効果と化学反応性のバランスを制御することが
でき、加工速度だけでなく、異方性加工や等方性加工な
どの加工形状、加工表面粗さ、加工損傷についても、制
御が可能となる。
【0016】特に、原子放出孔の断面形状が超音速ノズ
ルや極超音速ノズル形状である場合には、効率よく噴流
を形成でき、かつ、断熱膨張により急激な密度減少を達
成できるため、ラジカル粒子の衝突確率を急激に減少さ
せ、ラジカルの失活を防ぐことができ、該ノズル形状の
変化によってガス粒子密度の空間的分布制御が可能とな
る。
【0017】上記のように不均一形状の放出孔を均一形
状の放出孔と平面内で混在させて、種々の作用・効果を
得ることができるが、さらに、原子放出孔の長さを変え
ることができる。放出孔の長さによる作用については、
以下のような知見を得ている。
【0018】原子放出孔長さが、孔径の1倍〜5倍で
あるとき:高密度の高速原子線とイオンビームの混在し
たビームを放出する。ただし、中性化率は低く、原子放
出孔中で中性化される割合は、約40%以下である。ま
た、指向性もおおよそ原子放出孔のアスペクト比に対応
したビーム発散角を有するので、指向性はあまり良くな
い。 高速原子放出高長さが、孔径の5倍〜20倍であると
き:高密度の高速原子線を発生させる。中性化率は、4
0から70%の高中性化率を、原子放出孔中で実現す
る。また、指向性も高い高速原子線を発生させる。
【0019】高速原子放出高長さが、孔径の20倍以
上であるとき:高密度の高速原子線を発生させる。中性
化率は、70%以上の高中性化率を、原子放出孔中で実
現する。また、指向性も非常に高い高速原子線を発生さ
せる。また、プラズマで生成されたラジカル粒子は、ほ
とんど、原子放出孔中で、失活してしまうので、高速原
子線のみの、非常に指向性の良いビームの放出を行うこ
とができる。
【0020】放出孔の長さに関係するこのような傾向
と、断面形状が末広形に広がる放出孔の利用とを組み合
わせることにより、ラジカル粒子量の供給を効率的に行
うことができ、かつ、高速原子線量とラジカル量のバラ
ンスの制御が可能となる。従って、断面一定孔のみの場
合よりも高速加工や低ダメージの加工が可能となる。特
に、高速原子線孔の長さが孔径の5倍以上の断面一定孔
と末広孔の併用の時は、直進性のよい高速原子線量とラ
ジカル量のバランス制御ができるため、異方性の良い微
細加工や微傷物の多面加工による3次元微細加工を効率
的に行うことができる。このように、原子放出孔の孔径
と長さの関係によって、指向性や中性化率、更に、真空
容器中におけるビームの散乱確率等が変わってくるの
で、応用目的に応じて選択すればよい。
【0021】また、高密度プラズマを効率よく発生させ
る手段として、直流放電の時には、磁場発生器による磁
場効果を利用して、放電容器内の電子の運動を活発にし
て高プラズマ密度を実現する。このほか、高密度プラズ
マを発生させるために、容量結合型高周波放電や誘導結
合型高周波放電を利用して、高密度プラズマを発生し、
高密度の高速原子線を発生させることができる。このほ
か、高密度プラズマの発生には、ヘリコン波プラズマや
ECRプラズマが用いられることもある。
【0022】
【実施例】図1に、本発明の第1の実施例の直流放電型
の高速原子線源を示す。これは、筒状の放電容器10の
一端側に、多数の原子放出孔12を有する板状陰極(放
出電極)14が設けられ、他端側はガス導入管16を有
する端板18で覆われている。放電容器10の内部に
は、放出電極14側から、流通孔20を有する板状陽極
(対向電極)22と、ガス導入孔24を有する第2の板
状陰極26とが順次配置されて内部を区画しており、放
出電極14側からそれぞれ第1のプラズマ空間28、第
2のプラズマ空間30、ガス導入空間32が構成されて
いる。
【0023】板状陰極14,26は接地され、板状陽極
22と接地の間には直流高圧電源34と放電安定抵抗3
6が接続されている。各電極はグラファイト製であり、
放電容器はセラミック製である。
【0024】この放出電極14には、図2に示すような
本発明の断面が一定な直線状の円孔12aと断面が一定
でない末広形状孔12bが適切に配置されている。ここ
では、後者は、内側のわずかな長さが一定断面を持ち、
それから一定のテーパをもって外側に広がる超音速ノズ
ル形状を有し、多数の一定断面の孔の中で2つが中心に
対称な位置に配置されている。
【0025】次に、前述のように構成された高速原子線
源の動作を説明する。直流高圧電源34、放電安定抵抗
36以外を図示しない真空容器におさめて十分に排気し
た後、ガスGを導入し、陰極14,26と陽極22の間
に直流電圧を印加する。ガスGとしては、Arなどの希
ガスやエッチングなどの場合は、塩素ガスやCF4やS
F6などのフッ素含有ガスを用いる。これにより第2プ
ラズマ室30で放電が起きて、プラズマが発生し、ガス
Gのイオンと電子が生成される。ガスGと生成された電
子はさらに流通孔20を介してプラズマ空間28に流入
し、ここでも放電が起きて、プラズマが形成される。
【0026】第1のプラズマ空間28で生成されたイオ
ンは放出電極14に向かって加速されて大きなエネルギ
ーを得、原子放出孔12において、残留しているガスG
の原子・分子と接触して電荷を失い、あるいは電子との
再結合によって電荷を失って高速原子となり、原子放出
孔12から放出される。
【0027】ここで、末広形状の原子放出孔12bから
放出された高速原子線Bは、長さが同じであっても断面
が広がっているので内面と衝突する確率が低く、その結
果ラジカル粒子が失活する比率が低下してラジカル粒子
の残留する比率が向上する。特に、この例では超音速ノ
ズル形状であるので、効率よく噴流を形成でき、かつ、
断熱膨張により急激な密度減少を達成できるので、ラジ
カル粒子の衝突確率を急激に減少させてラジカルの失活
を防いでいる。一方、一定断面形状の放出孔12aから
は直進性の高い高速原子線が放出される。従って、これ
らの混合により、直進性が高く、かつラジカル粒子を必
要量有する高速原子線が下流に向けて流れる。
【0028】すなわち、本発明による高速原子放出孔
が、末広穴形状と直線穴形状が混在する場合、図3に示
す様に、高速原子放出孔を有する電極のすぐ下流場所で
は、噴出するラジカル量が異なり、例えば、直線状放出
孔のみの場合に比べて、多量のラジカルを噴出すること
ができる。この末広孔の数や配置を選定した設計の電極
を用いることにより、ラジカル量とビーム量の割合の制
御が効率的に行うことができる。又、電極から被加工物
までの距離の制御や末広孔の配置の選定により、被加工
物上に均一にラジカル量を供給することができる。この
様な特徴を活かして、従来の高速原子線加工よりも、効
率的な加工を実現することができる。
【0029】なお、このような末広形状の放出孔の数や
配置は、以下のようにして決定する。すなわち、通常、
エッチングでは、試料を回転テーブル上に設置して加工
を行い、高速原子線Bの照射とラジカルの照射量の均一
性が実現されるようにして加工を行う。このような加工
方式の時に、超音速ノズル形状の放出孔12bから放出
されるラジカルが、試料がある領域に対して、均一で拡
散の少ない状態で供給できるように、超音速ノズル形状
孔を配置する。
【0030】この例では、3枚の電極14,22,26
を配置して2つのプラズマ空間28,30を形成してい
るので、ここで常に安定した放電が起こり、ここで形成
されたプラズマは供給孔を介してプラズマ空間に供給さ
れる。つまり、第2のプラズマ空間30に形成されるプ
ラズマは電子供給源の役割を果たしており、第1のプラ
ズマ空間28でのプラズマ形成条件が変動してもこれを
第2のプラズマ空間30のプラズマで補って安定化させ
ることができる。
【0031】この実施例による実際の比較実験では、G
aAs基板を塩素を用いた高速原子線でエッチングを行
うとき、図2に示す電極を用いた場合、直線状孔形状の
原子放出孔のみを用いた場合に比べ、約3倍以上のエッ
チング速度が得られた。
【0032】図4は、この発明を2極型高速原子線源に
おいて適用した例を示す。この例では、第1の例とプラ
ズマ形成の過程において第2のプラズマ空間が無い点が
異なるが、基本的な作用は同一である。この例では、図
5に示すように中心に向けて傾斜した末広の放出孔12
cが対称に配置されている。これは、照射を行なう対象
である基板中心にラジカル密度が高くなるようにラジカ
ルジェットの噴出方向を考慮した形状となっている。
【0033】図6は、高周波放電を用いてプラズマを発
生させる形式の高速原子線源の例を示すもので、この例
では、石英製の放電容器10にガス導入管16と放出電
極14及び対向電極が設置されている。また、プラズマ
空間28の中で誘導結合型高周波放電を行うため、放電
容器10の外部にコイル38が設置され高周波電源40
が接続されている。放出孔12は図2に示すような末広
形状のものが直線状のものとが混在して配置されてい
る。
【0034】以上説明したいずれの実施例においても、
放出電極14の厚さは放出孔12の直径の最小部の5倍
以上に設定されており、直線状の放出孔12aにおける
中性化率は、40から70%と高く、指向性も高い高速
原子線を発生させる。従って、全体として、直進性が高
く、かつラジカル粒子を必要量有する高速原子線Bが放
出される。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
指向性が高く、かつ高速原子量とラジカル粒子量とのバ
ランスが制御可能な高速原子線を生成することができ、
それらの制御を行うことによって、エッチングなどの加
工において、従来の高速原子線源より、高速加工を可能
としたり、高い化学反応性により低ダメージの加工を可
能とするなど、目的や条件に応じた優れた効果を奏する
ことができる。これにより、半導体などの微細加工や光
学素子・記憶素子等への加工プロセスに応用した場合
に、従来にない性能や作用を発揮することが可能とな
り、産業的・学術的な意義が大変大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の高速原子線源の一部を
破断した斜視図である。
【図2】図1の放出電極の、(a)上面図、(b)断面
図、(c)下面図である。
【図3】図1の放出電極の高速原子線中のラジカル粒子
の割合を示すグラフである。
【図4】この発明の第2実施例の高速原子線源の一部を
破断した斜視図である。
【図5】図3の放出電極の、(a)上面図、(b)断面
図、(c)下面図である。
【図6】この発明の第3実施例の高速原子線源の断面図
である。
【図7】従来の高速原子線源の一部を破断した斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 放電容器 12b 原子放出孔 12 原子放出孔 14 放出電極 26 対向電極 28 プラズマ空間 38 コイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にプラズマ空間を形成する放電容器
    に、原子放出孔を有する平板状の放出電極と、これに対
    向して配置される対向電極とが設けられ、これらの電極
    による電場で該プラズマ空間に発生したプラズマ中のイ
    オンを放出電極に向けて加速し、加速された前記イオン
    を放出電極近傍において中性化して高速原子として前記
    原子放出孔から放出するようにした高速原子線源におい
    て、 前記原子放出孔は断面が外部に向かって広がる形状であ
    ることを特徴とする高速原子線源。
  2. 【請求項2】 前記原子放出孔の形状が、超音速ノズル
    または極超音速ノズル形状であることを特徴とする請求
    項1に記載の高速原子線源。
  3. 【請求項3】 前記原子放出孔が複数設けられ、断面形
    状が一定の原子放出孔と断面が広がる形状の原子放出孔
    が混在していることを特徴とする請求項1に記載の高速
    原子線源。
  4. 【請求項4】 前記放出電極の厚みが、原子放出孔の最
    小径の5倍より大きいことを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の高速原子線源。
  5. 【請求項5】 磁場発生器を用いて、前記プラズマ空間
    に磁場を発生させ、効率よく高密度のプラズマを発生さ
    せることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の高速原子線源。
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