JPH1073790A - 光変調器 - Google Patents

光変調器

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Publication number
JPH1073790A
JPH1073790A JP23121396A JP23121396A JPH1073790A JP H1073790 A JPH1073790 A JP H1073790A JP 23121396 A JP23121396 A JP 23121396A JP 23121396 A JP23121396 A JP 23121396A JP H1073790 A JPH1073790 A JP H1073790A
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JP
Japan
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face
optical modulator
light
waveguide
conductive type
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JP23121396A
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English (en)
Inventor
Mitsushi Yamada
光志 山田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子特性の向上とコスト削減を両立して実現
できる光変調器を提供する。 【解決手段】 光変調器は、第1導電型半導体基板10
上に、第1導電型クラッド層(n-InPクラッド層)2
0、光吸収層(non-doped InGaAsP)30、第2導電型
クラッド層(p-InPクラッド層)40、オーミックコン
タクト層(p+-InGaAs)50を積層し、かつ、メサ状に
エッチングされたストライプによって光導波路60が形
成されたP−i−N構造を有し、光導波路60の第1の
端面を劈開若しくはコーティングを施さない端面とし、
第2の端面にSiOxとΑuによる全反射膜100を形
成し、さらに第1導電型半導体基板10の下側には第1
導電型に対応する第1電極80、第1導電型半導体基板
10の上部には第2導電型に対応する第2電極90を設
けて、上記P−i−Ν構造に電気的バイアス印加が可能
なように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体光変調器、
特に、低電圧動作を可能にする電界吸収型光変調器に関
する。
【0002】
【従来の技術】広帯域・低損失・無誘導という優れた特
徴を持つ光ファイバ通信システムでは、光源の周波数チ
ャープ(信号光のスペクトル広がり)を最小限に抑える
ための外部変調器が不可欠である。
【0003】光変調器の文献としては、例えば「InG
aAsP吸収型光変調器モジュール」,鈴木他、199
2年電子情報通信学会春季大会,C−201,p.4−
243に開示されたものがある。
【0004】光変調器は、その変調時に生じる波長チャ
ーピングが、従来の半導体レーザの直接変調に比べて極
めて小さいために、将来の光通信システムの伝送容量の
大容量化、伝送距離の長距離化を実現するキーデバイス
として期待されている。その中でも、半導体を用いた電
界吸収型光変調器は、小型でかつ動作電圧が小さいとい
う特徴があり、これまで多くの研究が成されてきてい
る。
【0005】電界吸収型光変調器は、導波路型のものと
面型の2つの構造に大きく分けられ、超高速光通信シス
テム用の光変調器としては主として導波路型の電界吸収
型光変調器が検討されてきている。その典型的な構造例
として、上記文献を挙げる。
【0006】まず、従来例について、簡単に説明する。
従来例の素子構造においては、光導波路が形成されてい
る方向に光吸収層が形成されており、かつ、光導波路の
両端面に無反射膜が施されている。そして、一方の端面
から入射した光は、光吸収層に電圧が印加されていない
ときはほとんど透過して他方の端面から光が出射する。
また、光吸収層に逆バイアス電圧が印加されたときは、
入射光は導波路を進行していくに従い吸収されるため
に、出射光は減少する。
【0007】このような変調器は、両端面の反射率は極
めて小さく抑えられており(通常、1%以下)、したが
って、導波路内を多重往復することによる干渉の効果は
ほとんどない。つまり、基本的に電界吸収効果だけの単
一通過による吸収で光の強度変調を行う。但し、電界吸
収効果は、無バイアス時ではほとんど吸収がなく、p-i-
n構造に逆バイアスを印加したときに吸収が生じる。し
たがって、無バイアス時にon-stateが得られ、逆バイア
ス時にon-stateが得られる。
【0008】ところで、上記の構成の場合の光変調器の
消光ERは、一般に以下の式(1)で表される。
【0009】 ER=10log[exp{−ΓαEA(V)L}] ≒−4.343ΓαEA(V)L …(1) 但し、Γ(カ゛ンマ):光導波路内での、導波モードの光吸収
層への閉じ込め係数 αEA(V):光吸収層にかかる電圧Vによって増加する
光の吸収係数 L:光吸収層の光導波路方向に対する長さ この式(1)より、素子長Lを長くすることで、同じ電
圧でより大きな消光比を得られることが理解される。換
言すれば、素子長を長く設定すると、ある一定の消光比
を得るための電圧(以下、動作電圧という場合がある)
を小さくすることができる。
【0010】上記文献では、吸収層の組成波長1.44
μm、膜厚0.3μm、ストライプ幅約3μm、長さ2
20μmの素子を用いて、入射光波長1.56μm波長
に対し、約2.3Vの逆バイアスで10dBの消光比を
実現している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の電界吸収型光変調器により動作電圧の低減を実現す
る場合には、以下のような欠点があった。
【0012】すなわち、1)動作電圧の低減するため
に、素子長を長く設定すると、接合容量が増加すること
による変調帯域の劣化、及び挿入損失の劣化が顕著にな
ってくる。特に、Flip-Flop等のドライバ出力からの電
圧で直接駆動するには、1Vで20dBの消光が得られ
ることが望ましいが、それを達成する程度に素子長を長
くすると、10GΗz以上の変調帯域の達成が厳しくな
ってくる。
【0013】2)光の結合のアライメントの調整をする
箇所が、光の入射する部分及び出射する部分の2カ所あ
り、したがって、光変調器の両端面における光の高結合
効率の達成と、光変調器への給電ラインの高速化の両方
を満足することは、極めて難しい。
【0014】さらに、光の結合のアライメントの調整を
する箇所が、光の入射する部分及び出射する部分の2カ
所あるということから、以下の問題点があった。
【0015】3)モジュール化する場合には、レンズな
どの光結合系のアライメントの工数がかかる。
【0016】4)両端面ともに、極めて小さい反射防止
膜を形成する必要がある。
【0017】これらの問題点は、光変調器の設計や作製
を難しくしているだけでなく、コストに直接反映するも
のであり、また、外部環境の変化によって、モジュール
の特性に変化が生じる可能性が大きくなるという重大な
問題がある。
【0018】本発明は、上記素子特性の向上とコスト削
減を両立して実現できる光変調器を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光変調器
は、P−i−N構造を内包する半導体導波路型光変調器
であって、導波路の第1の端面を劈開若しくはコーティ
ングを施さない端面とし、第2の端面にパワー反射率9
0%以上の反射膜を施し、P−i−Ν構造に電気的バイ
アス印加を行い得るように構成する。
【0020】また、本発明に係る光変調器は、P−i−
N構造を内包する半導体導波路型光変調器であって、導
波路の第1の端面にパワー反射率5%から50%の膜を
施し、第2の端面にパワー反射率90%以上の反射膜を
施し、P−i−Ν構造に電気的バイアス印加を行い得る
ように構成する。
【0021】また、上記光変調器は、第1の端面より被
変調光を入射させるとともに、該第1の端面より変調光
を出射させ、かつ、導波路に電気的にバイアスを印加す
ることによって光の吸収係数若しくは屈折率の変化を生
じさせることにより光に強度変調をかけるようにしても
よく、第1の端面は、光の入出射端面であってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に係る光変調器は、光ファ
イバ通信等に用いられる半導体光強度変調器に適用する
ことができる。
【0023】図1は本発明の第1の実施形態に係る光変
調器の構成を示す図であり、電界吸収型光変調器の構造
を示す図である。
【0024】図1において、10はn-InPウエハからな
る第1導電型半導体基板であり、この第1導電型半導体
基板10上に順に、第1導電型クラッド層(ここではn-
InPクラッド層)20と、光吸収層(ここではnon-doped
InGaAsP)30と、第2導電型クラッド層(ここではp-
InPクラッド層)40と、オーミックコンタクト層(こ
こではp+-InGaAs)50とが積層されており、かつ、メ
サ状にエッチングされたストライプによって光導波路6
0が形成されている。また、上記光導波路60の両脇
は、横埋め込み層(ここではポリイミド)70で埋め込
まれている。
【0025】上記構造は全体として、P−i−N構造を
構成する。
【0026】第1導電型半導体基板10の下側には第1
導電型に対応する第1電極80、第1導電型半導体基板
10の上部には第2導電型に対応する第2電極90が設
けられている。
【0027】そして、光導波路60の第1の端面は劈開
のままであり(反射率は約28%)、第2の端面にはS
iOxとΑuによる全反射膜100(反射率は約97
%)が施されている。
【0028】以下、上述のように構成された光変調器の
動作を説明する。
【0029】図2は導波路方向の光強度の減衰の様子を
模式的に示した図1のA−A’断面図及びその強度変化
を示す図であり、図3はその消光特性の計算結果例を示
す図である。
【0030】まず、図2を参照して本実施形態の消光特
性を定性的に説明する。但し、以下では、説明の簡略化
のために端面結合損は省略する。
【0031】まず、外部から変調器に取り込まれる光
(以下、入射光という)は、第1の端面(劈開端面)で
の反射分と導波路への結合分に分けられる。その割合
は、エネルギ反射が28%程度であるので、反射分(以
下、反射光という)がおおよそ3割で、透過すなわち導
波路への結合分(結合光という)が7割である。導波路
に電界を印加した場合でも、エネルギ反射率は殆ど変化
しないので、反射光の強度は電圧にほぼ無関係に一定で
ある。
【0032】次に、結合光は、導波路を伝搬していき第
2の端面(全反射膜を施した端面)で全反射し、結局、
往復して劈開端面に戻ってくる。但し、戻ってくるまで
の間に、主にバンド間吸収によって光が減衰する。その
バンド間吸収は、素子に電圧を印加している場合には、
Franz-Keldysh効果や量子閉じ込めシュタルク効果など
の電界吸収効果により増大するので、その印加電界に応
じて戻ってくる光の量が変化する。図2中のΑは一往復
分での光の減衰が殆どない場合、Bは一往復分での光の
減衰が約6割の場合、Cは一往復分で光が殆ど減衰する
場合、に対応している。但し、実際には、往復して劈開
端面に戻ってきた光のうち、約7割が出射し、残りの3
割が反射されて再び導波路を伝搬していき、第2の端面
で全反射して、導波路を往復して劈開端面に再度戻って
くる。
【0033】このようにして、結合光は導波路内を減衰
しながら何回も往復し(以下、多重往復という)、それ
が劈開端面に戻ってくる度にその光強度の約7割が出射
することになる。なお、図2では、一回分の往復の様子
のみを示している。
【0034】特に、一往復分での光の減衰が6割程度の
場合については、反射光の強度PRと導波路を一往復し
た後出射される光の強度Prtはほぼ等しくなる。そして
このとき、素子長、入射光波長、導波路の透過屈折率な
どで決まる反射光と導波路を一往復した後出射される光
の位相差が、π[rad.]程度である場合には、干渉
現象による完全な消光が得られることになる。
【0035】次に、理論的な検討を行う。
【0036】素子長をL、光の導波層への閉じ込め係数
をΓ、光の吸収係数をα(V)とすると、多重反射を考
慮したトータルの反射光Rtotalは、以下の数1で示す
式(2),式(3)で表される。
【0037】
【数1】
【0038】λ:入射光波長、n3eff:導波路の等価屈
折率 R13,R35:第1断面及び第2端面のエネルギ反射率 上式から、次式(4)及び数2で示す式(5)の完全消
光条件(無限大の消光比)が導かれる。
【0039】 γ=2mπ[rad.](m=0,1,2,3,…) …(4) 及び、
【数2】
【0040】また、電界吸収効果による吸収係数の増加
量αEA(V)は、両端面を無反射コーティングした単一
通過型の光変調器(従来例の構成)の消光特性の測定結
果から得られるフィッテイングパラメータn、V1/eを
用いると、以下の数3で示す式(6)のように表せる。
【0041】
【数3】
【0042】よって、無バイアス時の吸収係数をα0と
すると、トータルの吸収係数α(V)は、数4で示す式
(7)となる。
【0043】
【数4】
【0044】なお、フィッテイングパラメータn、V1/
eは、両端面に無反射コーティングを施した長さ130
μm、導波層組成1.47μm、導波層厚0.26μm
のInGaAsP/InPバルク構造の素子で、入射光1.550
μmに対してn=1及びV1/e=1.2[V]、入射光
1.558μmに対してn=1.25及びV1/e=1.
2[V]であった。また、この単一通過型の光変調器で
は、入射光1.558μmにおいて、20dB消光電圧
として、約−3[V]が得られている。
【0045】以上の式及び値を用いて、本実施形態の消
光特性(印加電圧に対するトータルの反射率)を計算し
た。その結果を図3に示す。
【0046】なお、計算に用いた値は、L=170μ
m、Γ=0.5、R13=0.286、R35=0.98、
λ=1.55833μmである。また、無バイアス時の
吸収係数α0は、30[cm-1]に設定した。図3に示
すように、約−0.4Vから約−0.5Vの間で完全消
光が得られることがわかる。
【0047】図4は光変調器の消光特性の計算結果例を
示す図であり、L=100μm、Γ=0.5、R13=
0.286、R35=1、λ=1.550μmの場合の消
光特性の素子長依存性を示している。この計算結果よ
り、素子長を短くすることは無バイアス時の損失を低減
することに寄与し、逆に長くすることは動作電圧の低減
に寄与することがわかる。また、無バイアス時の損失を
10dB程度まで許容するとすれば、素子長は200μ
m程度までとなる。
【0048】次に、実験結果について説明する。
【0049】図5は実際に作製した本光変調器の消光特
性及びその偏波依存性を示す特性図であり、長さは約1
70μm、導波層組成1.47μm、導波層厚0.26
μmのInGaAsP/InPバルク構造の消光特性及びその偏波
依存性を示している。なお、測定波長は1.5583μ
m、素子近傍の温度は22.5℃である。
【0050】図5に示すように、実験結果は計算結果と
非常に一致しており、−0.45V付近で最大消光が得
られていると共に、0Vから−0.45Vで20dB以
上の消光比が得られている。すなわち、単一通過構成の
場合と比べて、動作電圧を約1/6に低減できることが
実証された。また、直交する偏波についてもほぼ同等の
消光特性が得られている。
【0051】この光変調器を光強度変調器として用いる
場合には、従来例と同様の駆動条件(無バイアス時にon
-stateで、逆バイアス時にoff-state)の場合では、約
0Vと約−0.45Vで光のon/offを行うことが
できる。
【0052】以上説明したように、第1の実施形態に係
る光変調器は、第1導電型半導体基板10上に、第1導
電型クラッド層(n-InPクラッド層)20、光吸収層(n
on-doped InGaAsP)30、第2導電型クラッド層(p-In
Pクラッド層)40、オーミックコンタクト層(p+-InGa
As)50を積層し、かつ、メサ状にエッチングされたス
トライプによって光導波路60が形成されたP−i−N
構造を有し、光導波路60の第1の端面を劈開若しくは
コーティングを施さない端面(反射率は約28%)と
し、第2の端面にSiOxとΑuによる全反射膜100
(反射率は約97%)を形成し、さらに第1導電型半導
体基板10の下側には第1導電型に対応する第1電極8
0、第1導電型半導体基板10の上部には第2導電型に
対応する第2電極90を設けて、上記P−i−Ν構造に
電気的バイアス印加が可能なように構成したので、素子
特性を向上させることができ、コスト削減を図ることが
できる。
【0053】具体的には、従来の単一通過型の半導体光
変調器に比べて、以下の効果を得ることができる。
【0054】すなわち、1)素子長が従来例と同じであ
るならば、動作電圧は1/6程度となり、動作電圧の大
幅な改善が得られる。
【0055】2)同じ動作電圧を得るための素子長を1
/6程度にすることができる。
【0056】3)上記2)により、素子容量を減らすこ
とができるために、高速動作・高速変調を実現できる。
目安としては、変調がかかる周波数の上限f3-dBは、素
子容量に反比例し、その素子容量は素子長Lに比例する
から、素子長Lを従来の6分の1に設定した場合には変
調周波数の上限f3-dBは6倍になることが期待される。
【0057】4)光の入出射端面(第1の端面)近傍で
の光の吸収量が3割程度減少するので、発生したフォト
キャリアによるパイルアップを抑制することができる。
【0058】また、素子の作製においては、 5)光の入出射端面(第1の端面)には膜を形成する必
要がないので、波長特性などが安定するだけでなく、膜
を形成するための工程を省くことができ、工数を減らす
ことが可能となる。これは、歩留まりの向上に大きく寄
与するものである。
【0059】さらに、モジュールの作製においては、 6)光の結合のアライメントの調整をする箇所が、光の
入出射端面(第1の端面)のみであるから、光変調器の
両端面における光の高結合効率と、光変調器への給電ラ
インの高速化の両方を満足する設計が可能となる。ま
た、モジュール化する場合において、レンズなどの光結
合系のアライメントの工数が半減する。
【0060】以上より、素子特性の向上とコストの削減
の両方を達成できる。
【0061】したがって、このような優れた特長を有す
る光変調器を、例えば外部変調器付き半導体レーザに適
用すれば、この装置においてシステムや構成を大幅に軽
減することができ、特に、超高速大容量光通信システム
に適用して好適である。
【0062】図6は本発明の第2の実施形態に係る光変
調器の構成を示す図であり、電界吸収型光変調器の構造
を示す図である。
【0063】図6において、210はn-InPウエハから
なる第1導電型半導体基板であり、この第1導電型半導
体基板210上に順に、第1導電型クラッド層(ここで
はn-InPクラッド層)220と、光吸収層(ここではnon
-doped InGaAsP)230と、第2導電型クラッド層(こ
こではp-InPクラッド層)240と、オーミックコンタ
クト層(ここではp+-InGaAs)250とが積層されてお
り、かつ、メサ状にエッチングされたストライプによっ
て光導波路260が形成されている。また、上記光導波
路260の両脇は、横埋め込み層(ここではポリイミ
ド)270で埋め込まれている。
【0064】上記構造は全体として、P−i−N構造を
構成する。
【0065】第1導電型半導体基板210の下側には第
1導電型に対応する第1電極280、第1導電型半導体
基板210の上部には第2導電型に対応する第2電極2
90が設けられている。
【0066】そして、光導波路260の第1の端面には
AlO2による部分反射膜300(反射率は約5〜32
%)が形成されており、第2の端面にはSiOxとΑu
による全反射膜310(反射率は約97%)が施されて
いる。
【0067】以下、上述のように構成された光変調器の
動作を説明する。
【0068】本実施形態の基本動作は、前記第1の実施
形態の場合とほぼ同様であるが、第1の端面の反射率を
調整できるので、特に要求される動作電圧を任意に変え
ることが可能となる。
【0069】次に、本実施形態の消光特性について、理
論的な検討を行う。多重反射を考慮したトータルの反射
光Rtotalは、第1実施形態と同様に、以下の数5で示
す式(8),式(9),式(10)のように表せる。
【0070】
【数5】
【0071】λ:入射光波長、n3eff:導波路の等価屈
折率、L:光導波路の長さ R13,R35:第1断面及び第2端面のエネルギ反射率 また、上記式(8)と式(9)の違いは、第1端面のA
R膜自体の屈折率が、無反射条件を満たす値よりも大き
い場合か小さい場合かに起因するものである。
【0072】上記式(10)から、次式(11),式
(12)の完全消光条件(無限大の消光比)が導かれ
る。
【0073】まず、上記式(8)で表される場合は、式
(11)となる。
【0074】 γ=(2m−1)π[rad.](m=1,2,3,…) …(11) また、上記式(9)で表される場合は、式(12)とな
る。
【0075】 γ=2mπ[rad.](m=0,1,2,3,…) …(12) また、数5に示す式中の(R13)1/2=(R35)1/2ex
p[−Γα(V)L]は、前記第1実施形態の数2に示
す式(5)と同様である。
【0076】以上の式と第1実施形態で用いた値と同様
の値を用いて、計算される消光特性の第1端面反射率依
存性を図7に示す。
【0077】なお、計算に用いた値は、L=100m、
Γ=0.5、R2=1、λ=1.550μmである。ま
た、無バイアス時の吸収係数α0は、30[cm-1]に
設定した。
【0078】図7に示すように、第1端面での反射率が
大きすぎると(R1>0.5)、低電圧で消光するもの
の逆に完全消光が得られなくなる、つまり、最大消光比
が有限の値になることが示されている。
【0079】また、ある波長に対して完全消光が得られ
ている状態で、その波長に対して短波長及び長波長側に
あるところの消光比15dBが得られる波長の範囲を許
容離調範囲とすると、計算される許容離調範囲の第1端
面反射率依存性は図8のようになる。
【0080】この計算結果より、第1端面反射率が小さ
いほど、また素子長が短いほど、許容離調範囲が大きく
なることがわかる。しかし、逆に第1端面反射率が小さ
過ぎると(R1<0.05)、動作電圧が大きくなる。
【0081】以上より、第1端面での反射率を 0.05<R1<0.5 …(13) の範囲内で設定することにより、良好な特性が得られ
る。
【0082】以上説明したように、第2の実施形態に係
る光変調器は、光導波路260の第1の端面にはAlO
2による部分反射膜300(反射率は約5〜32%)を
形成し、第2の端面にはSiOxとΑuによる全反射膜
310(反射率は約97%)を形成しているので、第1
の実施形態で述べた効果に加えて、以下の効果を得るこ
とができる。
【0083】すなわち、1)第1端面での反射率を適当
に設定する(0.05<R1<0.5)ことで、40d
B以上の消光を得ることができるとともに、動作電圧の
制御を行うことができる。
【0084】2)第1端面での反射率を適当に設定する
(0.05<R1<0.5)ことで、40dB以上の消
光を得ることができるとともに、許容離調範囲の制御を
行うことができる。
【0085】ここで、本光変調器は、以下の変形例につ
いても、適用できることは明らかである。
【0086】まず、導波路型の光変調器であればどのよ
うなものでもよく、上記各実施形態で説明した構造以外
の構造や寸法あるいは材料などについて限定されるもの
ではない。また、第1の実施形態においては、実験検証
で用いた素子の吸収層がInGaAsP系のバルク材料
であるが、この吸収層に、電界強度に対する吸収層自体
の励起子ピークシフト量の大きな量子井戸あるいは歪み
量子井戸構造を用いることは、なんら本発明の要旨から
逸脱するものではない。
【0087】また、全反射膜の形成方法や層数の設計・
膜の材料の組み合わせなどについても、限定されるのも
のではない。全反射防止膜については、その反射率が1
00%とするのが挿入損失の低減に関しては望ましい
が、その反射率を少し落すなどして、透過する光を取り
出してモニター光などとして用いてもよい。
【0088】また、上記光変調器を構成する導波路、P
−i−N構造における素子構造、さらには構造パラメー
タなどは前述した上述の実施形態に限られないことは言
うまでもない。
【0089】
【発明の効果】本発明に係る光変調器では、導波路の第
1の端面を劈開若しくはコーティングを施さない端面と
し、第2の端面にパワー反射率90%以上の反射膜を施
し、P−i−Ν構造に電気的バイアス印加を行い得るよ
うに構成したので、素子特性の向上とコスト削減を両立
して実現することができる。
【0090】また、本発明に係る光変調器では、導波路
の第1の端面にパワー反射率5%から50%の膜を施
し、第2の端面にパワー反射率90%以上の反射膜を施
し、P−i−Ν構造に電気的バイアス印加を行い得るよ
うに構成したので、素子特性の向上とコスト削減効果に
加え、動作電圧及び許容離調範囲の制御を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係る光変調
器の構成を示す図である。
【図2】上記光変調器の導波路方向の光強度の減衰の様
子を模式的に示した図1のA−A’断面図及びその強度
変化を示す図である。
【図3】上記光変調器の消光特性の計算結果例を示す図
である。
【図4】上記光変調器の消光特性の計算結果例を示す図
である。
【図5】上記光変調器の消光特性及びその偏波依存性を
示す特性図である。
【図6】本発明を適用した第2の実施形態に係る光変調
器の構成を示す図である。
【図7】上記光変調器の消光特性の計算結果例を示す図
である。
【図8】上記光変調器の消光特性の計算結果例を示す図
である。
【符号の説明】
10,210 第1導電型半導体基板、20,220
第1導電型クラッド層、30,230 光吸収層、4
0,240 第2導電型クラッド層、50,250 オ
ーミックコンタクト層、60,260 光導波路、7
0,270 横埋め込み層、80,280 第1電極、
90,290 第2電極、100,310全反射膜、3
00 部分反射膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 P−i−N構造を内包する半導体導波路
    型光変調器であって、 導波路の第1の端面を劈開若しくはコーティングを施さ
    ない端面とし、第2の端面にパワー反射率90%以上の
    反射膜を施し、前記P−i−Ν構造に電気的バイアス印
    加を行い得るように構成したことを特徴とする光変調
    器。
  2. 【請求項2】 P−i−N構造を内包する半導体導波路
    型光変調器であって、 導波路の第1の端面にパワー反射率5%から50%の膜
    を施し、第2の端面にパワー反射率90%以上の反射膜
    を施し、前記P−i−Ν構造に電気的バイアス印加を行
    い得るように構成したことを特徴とする光変調器。
  3. 【請求項3】 上記請求項1又は2の何れかに記載の光
    変調器において、 前記第1の端面より被変調光を入射させるとともに、該
    第1の端面より変調光を出射させ、かつ、導波路に電気
    的にバイアスを印加することによって光の吸収係数若し
    くは屈折率の変化を生じさせることにより光に強度変調
    をかけるようにしたことを特徴とする光変調器。
  4. 【請求項4】 前記第1の端面は、光の入出射端面であ
    ることを特徴とする請求項1、2又は3の何れかに記載
    の光変調器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6602432B2 (en) * 2000-12-04 2003-08-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Electroabsorption modulator, and fabricating method of the same
JP2022516194A (ja) * 2019-05-13 2022-02-24 華為技術有限公司 マルチモード成分を有する偏光無依存型フォトニックデバイス

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