JPH1073156A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JPH1073156A
JPH1073156A JP9150645A JP15064597A JPH1073156A JP H1073156 A JPH1073156 A JP H1073156A JP 9150645 A JP9150645 A JP 9150645A JP 15064597 A JP15064597 A JP 15064597A JP H1073156 A JPH1073156 A JP H1073156A
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JP
Japan
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hydraulic
hydraulic pressure
spool valve
automatic transmission
hydraulic control
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JP9150645A
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Toshimichi Minowa
利通 箕輪
Tatsuya Ochi
辰哉 越智
Ryoichi Naganuma
良一 長沼
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油圧制御系を完全に電子制御化し、NからDレ
ンジ,NからRレンジへ変速した際のトルク変動を精度
良く抑制する。 【解決手段】油圧生成手段からの油圧をスプール弁から
クラッチへ供給する際、アクチュエータで供給油圧を調
圧して自動変速機の出力トルクの変動を抑制する調圧制
御手段と、前記アクチュエータで調圧した油圧を再度前
記スプール弁へ導入し、管路切り換え手段により前進ク
ラッチあるいは後退クラッチに作用させる油圧を切り換
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の自動変速
機における変速の際の油圧を制御する装置に関し、特に
電気的信号でクラッチに供給する油圧を直接制御する自
動変速機の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の制御装置は、例えば、日
産自動車株式会社発行の日産整備要領書「フルレンジ電
子制御オートマチックトランスミッション」(1987
年3月発行)に記載のように、マニュアルスプール弁と
発進クラッチ,前記スプール弁と後退クラッチの間にそ
れぞれアキュムレータが設けられている。また、前記ス
プール弁に導入されるライン圧を調圧し、自動車のシフ
トレバーがN(ニュートラル)レンジからD(ドライ
ブ:前進)レンジ,NレンジからR(リバース:後退)
レンジへ変速された際の自動変速機の出力軸のトルク変
動を、機械系と電気系の両方を用いた制御によって緩和
する油圧制御装置が知られている。このような構造の油
圧制御装置は現在広く自動車に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
記載の従来の油圧制御装置では、前進用と後退用の2つ
のアキュムレータを必要とするために変速機自体が大き
くなってしまう。また、機械要素の経時変化に伴うトル
ク変動を抑制する制御の性能の悪化といった問題が生じ
る。
【0004】本発明の目的は、油圧回路による制御系か
ら完全に電子回路を用いた制御系に変更し、自動車のシ
フトレバーをNからDレンジ,NからRレンジへ変速し
た際のトルク変動を精度良く抑制することができるとと
もに、機械要素の経時変化に伴うトルク変動を抑制する
制御の性能の悪化も防止できる自動変速機の油圧制御装
置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、エンジン駆動力あるいは電動力により油
圧ポンプを駆動して油圧を生成する油圧生成手段と、変
速レバーの操作により自動あるいは手動で動作するスプ
ール弁と、車両の前進,後退、または変速に用いられる
少なくとも1つのクラッチと、該クラッチに作用する油
圧を調圧する油圧制御用アクチュエータと、該油圧制御
用アクチュエータを制御する調圧制御手段とを設けた自
動変速機の油圧制御装置において、前記油圧生成手段か
らの油圧を前記スプール弁から前記クラッチへ供給する
際、供給される油圧を前記油圧制御用アクチュエータで
調圧して前記自動変速機の出力トルクの変動を抑制する
調圧制御手段と、前記アクチュエータで調圧した油圧を
再度前記マニュアルスプール弁へ導入し、前記マニュア
ルスプール弁に設けられ、前進クラッチあるいは後退ク
ラッチに作用させる油圧を切り換える管路切り換え手段
とを設ける構成とした。
【0006】
【発明の実施の形態】
(実施例)以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。
【0007】図1は本発明の実施例である自動変速機の
油圧制御装置の概略構成図である。ここでは、4速の自
動変速機を例にとって説明する。
【0008】変速機本体1は、油圧を生成するオイルポ
ンプ2,後退時係合するリバース(後退)クラッチ(以
下R/Cと呼ぶ)3,前進時係合するフォワード(前
進)クラッチ(以下F/Cと呼ぶ)4,2速および4速
で係合する2−4クラッチ(以下2−4/Cと呼ぶ)
5,3速および4速で係合するハイクラッチ(以下H/
Cと呼ぶ)6、および、ロックアップクラッチ(以下L
/Cと呼ぶ)7が設けられている。これらのクラッチを
係合解放することにより遊星歯車(図示していない)の
回転比が変化し、発進,後退および変速が実行され、ド
ライバが意図する走行が可能となる。
【0009】上記変速機本体1と油圧制御装置8とは、
インターフェースボード9を介して結合されている。イ
ンターフェースボード9を用いることによって、変速機
本体1の形状およびクラッチ油圧導入部の位置など、上
記油圧制御装置8の管路出口の配置と異なる場合でも、
変速機本体1の種類に応じてインターフェースボード9
の形状を変更すれば、同一の上記油圧制御装置8が使用
可能になり、製造コストの低減を図ることができる。
【0010】上記油圧制御装置8には、マニュアルスプ
ール弁10,マニュアルスプール弁室11が設けられて
いる。また、油圧制御弁12,油圧制御弁室13および
電磁ソレノイド14から成る油圧制御用アクチュエータ
15が設けられている。この電磁ソレノイド14は、油
圧制御装置8に取り付けられた変速機コントローラ16
により駆動される。上記油圧制御用アクチュエータ15
のセット数は、変速機本体1の上記クラッチの数に応じ
て異なる。従来は、機械的要素による制御手段がクラッ
チの数だけ必要であったが、本発明によれば、4速自動
変速機の場合は、4セットですむ。
【0011】以下、上記構成の機能について、詳細に説
明する。エンジン動力あるいは電動モータで駆動される
オイルポンプ2から生成された油圧は、自動車のシフト
レバー(後述する)の操作により、自動あるいは手動で
動作するマニュアルスプール弁10にポンプ油圧入力管
路23から導入される(油圧を記号Aで示す。)。自動
の場合、シフトレバーの簡略化と制御性能の面とから、
マニュアルスプール弁10を電磁ソレノイド14−eで
駆動する構成とするのが望ましい。
【0012】この導入された油圧は、シフトレバーの操
作位置により、変速機がパーキング(P),後退
(R),ニュートラル(N),前進または変速(D)の
各レンジが示す状態となるように各クラッチに出力され
る。
【0013】ここでの特徴は、上記マニュアルスプール
弁10からR/C3およびF/C4へ作用する油圧を調
圧する油圧制御弁12−aへ油圧を導入する際、そのマ
ニュアルスプール弁室11に設けられた出力管路22か
ら油圧を再度上記マニュアルスプール弁10に戻すとこ
ろにある。これにより、上記油圧制御用アクチュエータ
15−aのみで、R/C3およびF/C4の2つのクラ
ッチを制御することが可能になる。
【0014】この場合、上記マニュアルスプール弁10
およびマニュアルスプール弁室11には、R/C3およ
びF/C4の2つのクラッチへの油圧導入管路を切り換
える管路切り換え手段17を設ける必要がある。この管
路切り換え手段17の構成は、マニュアルスプール弁1
0と、上記油圧制御弁12−aからマニュアルスプール
弁10に油圧を導入する入力管路18と(油圧を記号C
で示す。)、この入力管路18から前記F/C4に油圧
を供給する管路19と(油圧を記号Dで示す。)、前記R
/C3に油圧を供給する管路20と(油圧を記号Eで示
す。)、油圧を再度マニュアルスプール弁10に戻す出
力管路22と(油圧を記号Bで示す。)、これらの管路
が接続されたマニュアルスプール弁室11とから成る。
また、マニュアルスプール弁室11には、オイルポンプ
2で生成される油圧の上限を制御するリリーフバルブ2
1が設けられている。これにより、過剰な油圧上昇を防
止することが可能となり、油圧制御装置8の破損などを
防止することができる。
【0015】R/C3およびF/C4へ作用する油圧の
制御は、N−D,N−R変速時の変速機の出力軸のトル
ク変動を防止し、乗り心地を向上するために実行される
(図5で後述する。)。変速機コントローラ16内のRe
ad Only Memory(図示せず)にはこの制御ロジックが記
憶されており、シフトレバーにN−D変速スイッチやN
−R変速スイッチ(図示せず)を設けてこれらのスイッ
チからの信号をトリガーとして油圧の制御が実行され
る。
【0016】また、制御系、つまり変速機コントローラ
16や、電磁ソレノイド14が故障した場合には、変速
比が3速固定の状態になって自動車が走行可能なように
するフェールセーフ機構が設けてある。3速固定のため
には、ソレノイド電源オフ時、F/C4,H/C6に油
圧を供給する必要があり、電磁ソレノイド14−aと電
磁ソレノイド14−cへの油圧導入管路30−a,30
−cとドレーン管路31−a,31−cを他の電磁ソレ
ノイド14−b,14−dと反対に設置した。この場
合、電磁ソレノイド14は同一仕様、つまり電源オンで
ストロークゼロのものが使用できるので、統一性が図れ
る。
【0017】また、上記のように管路の変更でなく、電
磁ソレノイド14自体の動作特性が逆のもの、すなわち
電源オンでストロークがゼロのものと最大のものを使用
することも可能である。さらに、フェール時の後退の場
合では、R/C3の管路20からフェールセーフ弁34
へ油圧が供給され、H/C6への油圧供給を遮断する機
能が設けられている。これにより、マニュアルスプール
弁10の操作によってある程度、例えば修理工場までの
走行などの、前進走行または後退走行が可能となる。
【0018】図2はマニュアルスプール弁10での油圧
供給原理を示す模式図である。
【0019】図2において、上からパーキング(P),
後退(R),ニュートラル(N),前進または変速
(D)の各レンジでの油圧供給状態である。
【0020】パーキングレンジでは、ポンプ油圧入力管
路23からマニュアルスプール弁室11へ油圧が導入さ
れ、導入油圧が過剰になった場合は、バルブ24とスプ
リング25とから成る前述のリリーフバルブ21が動作
し、導入油圧が最大設定値以下に制御される。この最大
設定値は、予め検討したスプリング25のバネ力で決定
される。
【0021】後退レンジでは、マニュアルスプール弁1
0が左側に移動し、ポンプ油圧入力管路23からの油圧
が出力管路22より出力される。この油圧は、上記油圧
制御弁12−aを介して入力管路18に導かれる。そし
て、入力管路18からの油圧が、R/C3につながって
いる管路20より出力され、R/C3が制御される。ニ
ュートラルレンジでは、さらにマニュアルスプール弁1
0が左側に移動し、ポンプ油圧入力管路23からの油圧
が出力管路22より出力され、上記制御弁12−aを介
して入力管路18に導かれる。しかし、入力管路18の
油圧はマニュアルスプール弁10で遮断されるため、ク
ラッチには油圧が導入されない。この時、R/C3に供
給されていた油圧は管路20からドレーン管路26を通
じて排出されるため、ニュートラル状態が成立する。
【0022】前進または変速レンジでは、マニュアルス
プール弁10がニュートラル状態よりも右側へ移動し、
入力管路18からの油圧が、F/C4につながっている
管路19より出力され、F/C4が制御される。この状
態からニュートラル状態にマニュアルスプール弁10が
変化した場合は、F/C4に供給されていた油圧が管路
19からドレーン管路27を通じて排出されるため、ニ
ュートラル状態が成立する。
【0023】以上のように、本発明によれば、1個のマ
ニュアルスプール弁10によって、F/C4,R/C3
の2つのクラッチが制御可能となり、制御装置のコンパ
クト化および低コスト化を図ることができる。また、F
/C4,R/C3の制御用の上記油圧制御用アクチュエ
ータ15−aが故障した場合、N−D,N−R変速時の
トルク変動は増大するが、図2で示した油圧制御によっ
て、例えば修理工場までの簡易走行が可能となる。
【0024】図3はシフトレバーの機構部の構成図であ
る。図2で示したマニュアルスプール弁10を図2中の
左右方向に操作する場合、以下のような特別な構成が必
要である。すなわち、シフトノブ335,レバー33
6,回転軸337からなるシフトレバーに、連結部33
8,カム339,プッシュロッド340,カム軸341
を設ける。
【0025】シフトノブ335を図3中の左右方向へ移
動することにより、回転軸337を回転の支点として連
結部338が動作し、カム軸341を中心にカム339
が回転する。カム339には、上記マニュアルスプール
弁10のストロークに応じたP,N,R,Dそれぞれの
レンジに対応するくぼみが設けてある。このくぼみにプ
ッシュロッド340の位置が固定され、マニュアルスプ
ール弁10の位置が決まる。なお、マニュアルスプール
弁10を電気的に動作させる場合は、レバー336の先
端の位置をスイッチ342で検出してP,N,R,Dの
各レンジを認識して、その信号を変速機コントローラ1
6に送り、変速機コントローラ16によって電磁ソレノ
イド14−eが駆動され、マニュアルスプール弁10が
制御される。
【0026】図4は変速位置とクラッチ動作との関係を
示す相関図である。シフトレバー位置と各クラッチの締
結部との関係を表わし、丸印がある部分はクラッチ係合
状態、丸印がない部分はクラッチ解放状態を示してい
る。また、図示していないが、1−2変速時には減速比
が大きいためクラッチに加わるトルクが大きく、過大ト
ルクが発生してクラッチの摩耗が激しいので、本実施例
ではその対策の目的で、ローワンウェイクラッチ(以下
LO/Cと呼ぶ)を用いることとした。また、LO/C
は小型,軽量なので、変速機の小型化,軽量化も図るこ
とができる。
【0027】LO/Cを用いない場合は、クラッチの制
御に用いられる油圧制御用アクチュエータ15がもう1
セット必要となる。
【0028】図4において、NおよびPレンジでは、全
てのクラッチが解放状態である。Dレンジのうち、1速
では、F/CおよびLO/Cが締結状態にある。2速で
は、F/Cおよび2−4/Cが締結状態にある。3速で
は、F/CおよびH/Cが締結状態にある。4速では、
H/Cおよび2−4/Cが締結状態にある。また、Rレ
ンジでは、R/Cが締結状態にある。
【0029】図5はN−R,N−D変速時の油圧と変速
機出力軸トルクToとの関係を示す相関図である。変速
機出力軸トルクToとは、変速機本体1の出力軸の出力
トルクである。変速レンジを示すシフトレバー位置信号
N,R,Dなどが前述した変速機コントローラ16に入
力されると、図5に示すような油圧制御が実行され、変
速機出力軸トルクToが制御される。シフトレバー位置
信号はシフトレバーの位置を電気信号に変換するスイッ
チを用いると簡便であり、このスイッチは、マニュアル
スプール弁10の駆動方法が電動,手動にかかわらず必
要である。
【0030】シフトレバーがN−RおよびN−Dを示し
た場合において、従来は破線で示されるような特性であ
り、変速機出力軸トルクToの変動が大きかった。これ
は、従来の機械的な制御ではどうしても慣性を有した動
作になって、きめ細かな制御が困難であるため、R/C
圧およびF/C圧に破線で示されるような変動が生じて
しまうためである。これに対し、本発明では、実線で示
されるように、R/C圧およびF/C圧を電気的にきめ
細かに制御できるため、変速機出力軸トルクToが滑ら
かな特性を示すようにでき、トルク変動の不快感を和ら
げることができる。
【0031】図6は図1で示した油圧制御装置8の詳細
な構成図である。ここでは、油圧制御装置8の簡略化お
よび低コスト化を目的とした構成について述べる。ま
ず、マニュアルスプール弁10とマニュアルスプール弁
室11とから構成されるケーシングをスプール弁ユニッ
ト35とし、電磁ソレノイド14,油圧制御弁12およ
び油圧制御弁室13から構成されるユニットを制御弁ユ
ニット36,37,38,39とした。つまり、これら
のユニットを組み合わせることにより変速機制御用の油
圧制御装置8が完成する。そして、これら複数個のユニ
ットの横,縦,高さの3つの寸法A,B,Cを同一とす
ることにより、油圧制御装置8の組み立てが容易となり
コスト低減を図ることができる。また、同一形状を用い
ることにより製造コストも低減することができる。
【0032】これらのユニットの組み立てにおいては、
上記複数個のユニットに事前に設けておいたボルト穴4
0,41に、ボルト42,43およびナット44,1
5,46,47を用いて積層して組み立てる。各ユニッ
ト間の油圧管路48,49などの接続部分にはシールリ
ング50,51を用いて気密性を考慮する。なお、油圧
管路のとり回しの仕方により、制御弁ユニット36,3
7,38,39の横幅寸法Aを短くすることが可能にな
る。また、上記3つの寸法A,B,Cのすべてを同一に
するのでなく、2つまたは1つのみを同一寸法としても
勿論かまわない。
【0033】次に、図1で示したフェールセイフ時の装
置構成について説明を加える。図1において、後退の場
合は、マニュアルスプール弁10をRレンジに対応する
位置へ操作すると、R/C3へ油圧を導入する管路20
に油圧が供給される。この時、図6に示すH/C6へ油
圧を導入する管路52へも油圧が供給されてしまう。こ
れを防止するのが図1に示したフェールセイフ弁34で
あり、図6においては油圧弁55とスプリング56とか
ら構成され、制御弁ユニット37に設けられている。
【0034】この動作を説明すると、R/C3への油圧
供給の際、管路57を介して油圧が油圧弁55の図6中
下方へ供給され、油圧弁55が図6中上方へ移動してH
/C6への供給油圧をドレーン路58へ排出する。
【0035】制御弁ユニット37,38,39の管路5
2,53,54はそれぞれのクラッチへ油圧を供給す
る。
【0036】また、各種の油圧管路が直線的に作成さ
れ、その外周部付近に油洩れ防止のためのストッパー8
0が設けてある。これは、油圧制御装置8の製造時の低
コスト化につながるものである。
【0037】以上のような構成により、低コストであ
り、かつ、フェールセイフ機構を兼ね備えた油圧制御装
置が実現できる。たとえば、変速比の段数が5個の場合
は、図6の構成に上記制御弁ユニット37と基本構成が
同じでドレーン路58とフェールセイフ弁34がない制
御弁ユニットを1個付け加えることにより、5速用の油
圧制御装置が完成する。上記制御弁ユニット36と基本
構成が同じで管路59がない制御弁ユニットを用いても
よい。
【0038】さらに、CVT(Continuously Variable T
ransmission)、いわゆる無段変速機の場合にも適用可能
である。CVTの基本構成は、テーパを有しエンジン駆
動力が入力する駆動側プーリーと、テーパを有し駆動輪
への駆動力を出力する従動側プーリーと、駆動側プーリ
ーと従動側プーリーとに掛けられたベルトとからなり、
ベルトが掛かっているそれぞれのプーリーの直径の比を
変化させることによって、変速するものである。
【0039】図7はCVT用油圧制御装置の概略構成図
である。
【0040】図7において、変速機本体60は、油圧を
生成するオイルポンプ(以下O/Pと呼ぶ)61,後退
時に係合するリバースクラッチ(以下R/Cと呼ぶ)6
2,前進時に係合するフォワードクラッチ(以下F/C
と呼ぶ)63,変速のためにプーリーを軸方向に移動さ
せるプーリー油圧供給部(以下P/Pと呼ぶ)64,高
精度な変速比維持とベルトの張力を管理するためのライ
ン圧生成部(以下L/Pと呼ぶ)65、および、前進,
後退の発進時に係合する発進クラッチ(以下S/Cと呼
ぶ)66が設けられている。また、これらのクラッチを
作動させる油圧を制御する油圧制御装置67が設けら
れ、上記変速機本体60と油圧制御装置67とは、イン
ターフェースボード68を介して結合されている。イン
ターフェースボード68を用いることによって、CVT
変速機本体60の形状および油圧導入部の位置などが、
上記装置67の管路出口の配置と異なる場合でも、イン
ターフェースボード68の形状を変更すれば、同一の油
圧制御装置67が使用可能になり、製造コストが低減で
きるという効果がある。
【0041】次に、油圧制御装置67について詳細に説
明する。基本的には、図1に示した油圧制御装置8と同
一のものが使用可能である。マニュアルスプール弁10
の部分は、図1に記載した内容と同じであるので、ここ
では説明を省く。油圧制御装置67が油圧制御装置8と
異なるところは、R/C62およびF/C63の制御部
の構成である。CVTの場合、図5で示したようなR/
CおよびF/C制御による発進時におけるトルク変動の
抑制の制御を実行する必要がない。それゆえ、マニュア
ルスプール弁10の操作によるR/CとF/Cの切り換
え時に電磁ソレノイドを使う必要がない。そこで、図1
で示した油圧制御装置8から油圧制御用アクチェータ1
5−a部を取り除き、ストッパー69,70を設けるだ
けで、R/CとF/Cの切り換えが可能になる。この場
合、図6に示した制御弁ユニット36が使用可能である
ので、4速の変速機用制御弁ユニットとの兼用ができ、
設計,製造コストの低減効果は大きい。
【0042】図7において、P/P64,L/P65、
および、S/C66では、出力管路22からの油圧が油
圧制御用アクチュエータ71−b,71−c,71−d
に供給される。この油圧をCVTコントローラ72から
の制御信号で動作する電磁ソレノイド73−b,73−
c,73−dが調圧する。これによってそれぞれのクラ
ッチが作動して、CVTにおける走行,変速が実現でき
る。
【0043】また、CVTコントローラ72,電磁ソレ
ノイド73などの制御系が故障した場合、変速比が比較
的小さい側(すなわちプーリーの増速側)に固定され
て、自動車が修理工場まで走行可能にするフェールセイ
フ機構が設けてある。設定に際しては、P/P64への
油圧供給が大きい場合が減速側、小さい場合は増速側と
した。変速比を固定にするためには、ソレノイドの電源
オフ時、P/P64への油圧供給をやめ、L/P65と
S/C66へ油圧を供給する必要がある。そこで、P/
P64では制御弁ユニット38を適用し、L/P65と
S/C66では制御弁ユニット37の基本形状(フェー
ルセイフ弁34が無いもの)を適用した。この場合、油
圧制御弁12を駆動する電磁ソレノイド73は同一仕
様、つまり電源オンでストロークゼロのものが使用でき
る。
【0044】図8はシフトレバー位置とCVTのクラッ
チの締結部またはプーリーへの油圧供給との関係を示す
相関図である。丸印有りが油圧供給状態、丸印無しが油
圧供給無し状態を表している。NレンジおよびPレンジ
では、発進時の応答性を考えて、P/PおよびL/Pへ
の油圧供給が行われているが、S/Cが係合していない
ため、自動車は発進しない。Dレンジでは、F/Cおよ
びS/Cに油圧が供給されてクラッチが係合し、自動車
が発進し、駆動される。そして、P/P,L/Pへの供
給油圧の制御により、2個のプーリーの回転比を変えて
変速する。Rレンジでは、F/Cへの油圧供給をやめ、
R/Cへの油圧供給を実行するので、後退発進する。こ
こで、P/P,L/Pへも油圧が供給されているので、
この油圧の制御により、後退時の変速比を変えることも
できる。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、有
段自動変速機あるいは無段自動変速機の油圧制御装置が
簡略化できるので、油圧制御装置の製造コストが低減で
きる。また、N−D,N−R変速時のトルク変動を抑制
することが可能となるので、自動車の運転性が向上す
る。さらに、制御系が故障しても修理工場へ走行できる
フェールセイフ機能を備えているので、安全性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機の油圧制御装置の概略構成
図。
【図2】マニュアルスプール弁10での油圧供給原理を
示す模式図。
【図3】シフトレバーの機構部の構成図。
【図4】シフトレバー位置とクラッチ締結部との関係を
示す相関図。
【図5】N−R,N−D変速時の油圧と変速機出力軸ト
ルクToとの関係を示す相関図。
【図6】図1に示した油圧制御装置8のさらに詳細な構
成図。
【図7】CVT用油圧制御装置の概略構成図。
【図8】シフトレバー位置とクラッチ締結部との関係を
示す相関図。
【符号の説明】 8,67…油圧制御装置、10…マニュアルスプール
弁、12…油圧制御弁、14,73…電磁ソレノイド、
16…変速機コントローラ、72…CVTコントロー
ラ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変速レバーがニュートラルの位置から前進
    側の位置に操作されて係合する前進クラッチ、および、
    該変速レバーがニュートラルの位置から後退側の位置に
    操作されて係合する後退クラッチを有する変速機構と、 前記変速レバーの操作により駆動されるスプール弁とス
    プール弁室とを有し、エンジンの駆動力あるいは電動力
    により駆動される油圧ポンプによって生成される油圧を
    油圧制御用アクチュエータで調整して前記変速機構の前
    記前進クラッチまたは後退クラッチの係合状態を制御す
    る自動変速機の油圧制御装置において、 前記スプール弁室に、前記油圧ポンプから油圧が供給さ
    れる導入管路と、該導入管路からの油圧を前記スプール
    弁を介して出力する出力管路と、該出力管路からの油圧
    を再度前記スプール弁に供給する入力管路とを設け、 前記入力管路に供給された油圧を用いて前記前進クラッ
    チおよび前記後退クラッチを制御することを特徴とする
    自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1の記載において、前記スプール弁
    室の前記出力管路と前記入力管路の間に前記前進クラッ
    チおよび前記後退クラッチに作用する油圧を調圧する油
    圧制御弁を設け、 前記油圧制御弁は電磁ソレノイドにより駆動することを
    特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2の記載において、前記油圧制御弁
    の弁室が不必要の場合に油洩れを防止するストッパーを
    設けたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1の記載において、前記油圧制御装
    置は前記スプール弁と前記スプール弁室とから構成され
    るスプール弁ユニットと、前記電磁ソレノイドと前記油
    圧制御弁とから構成される制御弁ユニットとからなるこ
    とを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4の記載において、前記制御弁ユニ
    ットを複数個用いる場合、それらの組み合わせが任意で
    あることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4の記載において、少なくとも3つ
    の寸法を有する前記スプール弁ユニットと前記制御弁ユ
    ニットは、少なくとも2つの寸法が同一形状のケーシン
    グから構成されることを特徴とする自動変速機の油圧制
    御装置。
  7. 【請求項7】請求項4の記載において、前記管路切り換
    え手段を前記スプール弁に設けたことを特徴とする自動
    変速機の油圧制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1の記載において、前記スプール弁
    は電磁ソレノイドで駆動されることを特徴とする自動変
    速機の油圧制御装置。
  9. 【請求項9】請求項1の記載において、前記スプール弁
    室を前記入力管路が前記前進クラッチに油圧を供給する
    管路と前記後退クラッチに油圧を供給する管路との間に
    位置するように設けたことを特徴とする自動変速機の油
    圧制御装置。
  10. 【請求項10】エンジンの駆動力あるいは電動力により
    油圧ポンプを駆動して油圧を生成する油圧生成手段と、
    変速レバーの操作により自動あるいは手動で動作するス
    プール弁と、車両の前進,後退、または変速に用いられ
    る少なくとも1つのクラッチと、該クラッチに作用する
    油圧を調圧する油圧制御用アクチュエータと、該油圧制
    御用アクチュエータを制御する調圧制御手段とを設けた
    自動変速機の油圧制御装置において、 前記油圧生成手段からの油圧を前記スプール弁から前記
    クラッチへ供給する際、供給される油圧を前記油圧制御
    用アクチュエータで調圧して前記自動変速機の出力トル
    クの変動を抑制する調圧制御手段を設けたことを特徴と
    する自動変速機の油圧制御装置。
  11. 【請求項11】請求項10の記載において、前記アクチ
    ュエータで調圧した油圧は、前進クラッチあるいは後退
    クラッチに作用させる油圧管路を切り換える管路切り換
    え手段を介して前記2つのクラッチに供給されることを
    特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  12. 【請求項12】請求項第11の記載において、前記管路
    切り換え手段を前記スプール弁に設けたことを特徴とす
    る自動変速機の油圧制御装置。
JP9150645A 1996-06-10 1997-06-09 自動変速機の油圧制御装置 Pending JPH1073156A (ja)

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