JPH1073026A - クランク室過給式v型エンジン - Google Patents

クランク室過給式v型エンジン

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JPH1073026A
JPH1073026A JP22897696A JP22897696A JPH1073026A JP H1073026 A JPH1073026 A JP H1073026A JP 22897696 A JP22897696 A JP 22897696A JP 22897696 A JP22897696 A JP 22897696A JP H1073026 A JPH1073026 A JP H1073026A
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JP
Japan
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intake
chamber
connecting rod
cylinder
engine
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JP22897696A
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Atsushi Tagami
淳 田上
Masahisa Kuranishi
雅久 倉西
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • F02B75/18Multi-cylinder engines
    • F02B75/22Multi-cylinder engines with cylinders in V, fan, or star arrangement
    • F02B75/225Multi-cylinder engines with cylinders in V, fan, or star arrangement having two or more crankshafts

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランク室過給式エンジンV型エンジンにお
いて、小型化した場合、吸入室に新気又は混合気を導く
吸気管等まで小さくすると、エンジン性能が低下すると
いう問題があった。 【解決手段】 二つのクランク軸と、各クランク軸に対
してシリンダ軸線が垂直になるように配置された気筒と
を有し、二つのクランク軸における気筒が180゜以内の
角度でV型に拡開し、各気筒に対応するクランク室、ク
ランクウェブ、及びピストンで各気筒にコンロッド収容
室を形成し、各コンロッド収容室を、対応するコンロッ
ドで吸入室と圧縮室とに区分けし、前記吸入室に吸気系
手段を接続し、前記圧縮室と燃焼室とを加圧吸気系手段
で連通させ、前記燃焼室の排気孔に排気系手段を接続
し、クランク軸を収納するクランクケースにおける気筒
と対向する部分に前記吸入室に繋がる吸気孔を形成し、
該吸気孔に前記吸気系手段を接続して、クランク室過給
式V型エンジンを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク室内の容
積変化を利用して過給するようにしたクランク室過給式
V型エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】本件出願人は、この種のクランク室過給
式エンジンとして、クランク室、クランクウェブ、及び
ピストンで囲まれたコンロッド収納室をコンロッドによ
り吸入室と圧縮室とに区分けし、前記コンロッドの揺動
によりコンロッド収納室に吸入した空気を圧縮して燃焼
室に過給するように構成したものを既に提案している
(特開平6−93869号公報参照)。このように構成
されたクランク室過給式エンジンによれば、クランク軸
が1回転する毎にコンロッドにより掃かれる容積分だけ
空気を燃焼室に圧送することができ、エンジン出力を向
上させることができるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成のクラン
ク室過給式エンジンをV型エンジンで構成する場合は、
吸入室に新気又は混合気を導く吸気系手段や、排気系手
段、或いは加圧室と燃焼室とを連結する加圧吸気系手段
が各バンク毎に必要となりエンジンが全体として大きく
なるため、これらの手段の配置が重要になる。特に、吸
入室に新気又は混合気を導く吸気管等は、その長さや形
状がエンジン性能に影響を及ぼすため、たとえエンジン
全体を小型化できる位置でもエンジン性能を低下させる
ような形状や長さにするのは好ましくない等課題が多
く、この吸気管を含む吸気系手段を、エンジン性能を低
下させることなく、かつエンジン全体を大型化すること
がないように配置することが大きな課題となっている。
本発明は、上記した課題に鑑みて、吸気系手段の配置に
より、エンジン性能を低下させることなく、かつエンジ
ン全体を大型化することがないクランク室過給式V型エ
ンジンを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明のクランク室過給式V型エンジンは、二
つのクランク軸と、各クランク軸に対してシリンダ軸線
が垂直になるように配置された気筒とを有し、二つのク
ランク軸における気筒が180゜以内の角度でV型に拡
開し、各気筒に対応するクランク室、クランクウェブ、
及びピストンで各気筒にコンロッド収容室を形成し、各
コンロッド収容室を、対応するコンロッドで吸入室と圧
縮室とに区分けし、前記吸入室に吸気系手段を接続し、
前記圧縮室と燃焼室とを加圧吸気系手段で連通させ、前
記燃焼室の排気孔に排気系手段を接続し、クランク軸を
収納するクランクケースにおける気筒と対向する部分に
前記吸入室に繋がる吸気孔を形成し、該吸気孔に前記吸
気系手段を接続したことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示した一実施例
を参照して本発明に係るクランク室過給式V型エンジン
の実施の形態について説明する。始めに、図1〜図6を
参照して本発明に係るクランク室過給式V型エンジン
(以下、単にエンジンと称する。)を船外機に搭載した
例を説明する。尚、図中、矢印Fは船外機を搭載した場
合の船体(図示せず)の前進方向を示している。又以下
の説明における左右方向は前進方向Fに対する船外機の
左右方向を基準とし、上下方向は船外機の上下方向を基
準とする。図1は、クランク室過給エンジン1を搭載し
た船外機100の概略側面図、図2は、図1における矢
印A方向から見た船外機の部分断面図を各々示してい
る。
【0006】(船外機の説明)図1及び図2に示すよう
にこの船外機100は、アッパーカウリング102、ボ
トムカウリング103、エプロン104、アッパーケー
ス105、及びロアケース106によって全体が覆わ
れ、アッパーケース105の外面に設けられた懸架ユニ
ット108のクランプブラケット108aによって船体
110の船尾板112に取り付けられるように構成され
ている。前記ボトムカウリング103と、該ボトムカウ
リング103に対して着脱可能とされるアッパーカウリ
ング102で形成されるエンジン室内にはクランク室過
給エンジン1が、そのクランク軸29の軸線が上下方向
を向くように搭載されており、また、ロアケース106
内には前記クランク室過給エンジン1によってプロペラ
114を回転駆動する駆動装置116が収納されてい
る。前記駆動装置116は、プロペラ駆動軸118と、
該プロペラ駆動軸118に空転可能に支持され、常時出
力軸126の端部のピニオンと噛み合う正転ベベルギヤ
120及び逆転ベベルギヤ122を備えている。また、
この駆動装置116は、プロペラ駆動軸118にスプラ
イン係合される不図示のドッククラッチを有し、船内の
不図示の操作レバーによりクラッチ操作レバー124を
操作して前記ドッククラッチを移動させることにより、
前記ベベルギヤ120又は122の一方とドッククラッ
チを係合させ、エンジン1のクランク軸29から順に、
出力軸126、ピニオン、ベベルギヤ120(12
2)、ドッククラッチ、そしてプロペラ駆動軸118と
連結させて、プロペラ114を船体後方から見て前進時
右方向に後進時左方向に回転させ、前進又は後進方向の
推進力を得るように構成されている。また、船外機10
0のアッパーケース105、ロアケース106、及びプ
ロペラボス117の内部には、エンジン1の排気ガスが
通る排気通路128が形成されており(図2参照)、エ
ンジン1の排気ガスが、この排気通路128を通って水
中に排気されるように構成されている。
【0007】(エンジンの説明)以下、前記船外機10
0に搭載されたクランク室過給エンジン1の構成につい
て、詳細に説明する。図3は、図1におけるエンジン1
の概略上面図、図4は、エンジン1を、そのクランク軸
の軸線方向と直交する向きに左右のシリンダ面に沿って
切断した概略展開断面図を、図5は、図3におけるA−
A断面図を各々示している。図面に示すように、クラン
ク室過給エンジン1は、一つのクランクケース3、左右
一対のシリンダボディ5、以下各々左右一対のシリンダ
ヘッド7、及びヘッドカバー9を積層締結して構成さ
れ、前記左右一対のシリンダボディ5、シリンダヘッド
7、及びヘッドカバー9で、左右に180゜以内の角度
でV字状に開く二つのバンク2A及び2B(以下、2A
を右バンク、2Bを左バンクとし、これら右バンク2A
及び左バンク2Bの間に形成される空間をバンク空間S
として説明する。)を形成した水冷式4サイクル4気筒
V型エンジンであり、その重心G1が船外機100の中
心線Lc上、或いはその近傍に位置するように配置され
ている(図3参照)。尚、本実施例では左右のバンクを
72゜の角度で拡開して、エンジンの左右方向の幅が小
さくなるようにしている。左右のバンク2B及び2Aは
各々船外機100の中心線Lcを境に左右対称になるよ
うに配置されており(図3参照)、各バンク2B及び2
Aには、各々二つの気筒が上下に平行に形成されている
(図5参照)。また、クランクケース3には、各バンク
2B及び2Aの気筒に対応する二本のクランク軸29
が、前記中心線Lcと直交する方向に沿って、中心線L
cを境に左右対称になるように左右に平行に設けられて
いる(図3及び図4参照)。尚、左右のバンク2B及び
2Aの内部構造は左右対称である点を除いてほぼ同じで
あり、また、各バンク2B及び2Aにおける気筒の構造
も、ほぼ同じであるので、以下の説明では、特に説明が
必要である場合を除いて、重複する説明は省略し、同じ
部材には同じ符号を付す。
【0008】(燃焼室周辺構造について)各バンク2B
及び2Aの各シリンダボディ5の内部には二つのシリン
ダボア11が上下に平行に形成されており(図5参
照)、また、各シリンダヘッド7には、各シリンダボア
11に対応した燃焼室13を形成する燃焼凹部(符号な
し)が各々上下に二つ形成されている。シリンダヘッド
7の前記燃焼凹部には吸気ポート15及び排気ポート1
7がそれぞれ開口している。前記吸気ポート15は、右
バンク2Aではシリンダヘッド7の右舷側に、左バンク
2Bではシリンダヘッド7の左舷側に各々導出されてお
り、また、排気ポート17は、両バンク2A及び2B
共、シリンダヘッド7のバンク空間S側に導出されてい
る。また、各吸気ポート15の燃焼室13側開口には吸
気バルブ19が、各排気ポート17の燃焼室13側開口
には排気バルブ21が各開口を開閉自在に配置されてい
る(図4参照)。
【0009】(吸排気バルブ動弁機構について)前記吸
気バルブ19及び排気バルブ21は、それぞれバルブス
プリング23により閉方向に付勢されており、各バルブ
19及び21の後方には、各バルブ19及び21を前記
バルブスプリング23の力に抗して開弁させる動弁機構
が設けられている。前記動弁機構は各バルブ19及び2
1に対応するカムノーズを備えたカム軸25を有し、こ
のカム軸25の一端はスプロケット27及びチェーン2
8を介してクランク軸29に連結されている(図5参
照)。また、カム軸25の左右には、カム軸25と平行
にロッカシャフト31が配置されており、各ロッカシャ
フト31にはロッカアーム33が揺動可能に装着されて
いる。各ロッカアーム33はその一端部がカム軸25の
カムノーズに当接し、他端部が対応するバルブ19及び
21の後端部に当接している。従って、クランク軸29
の回転に応じてカム軸25が回転すると、各カムノーズ
が所定のタイミングで対応するロッカアーム33を押
し、ロッカアーム33が対応するバルブ19又は21を
バルブスプリング23の力に抗して押圧して対応する吸
気ポート15又は排気ポート17を開弁する。
【0010】(ピストン及びコンロッドについて)前記
シリンダボディ5の各シリンダボア11にはピストン3
5が各々摺動自在に挿入配置されている。前記ピストン
35には、ピストンピン及び軸受け(共に符号なし)を
介してコンロッド37の小端部が連結されており、この
コンロッド37の大端部はクランク軸29のクランクピ
ン39に軸受け(符号なし)を介して連結されている
(図4参照)。
【0011】(クランク軸の説明)左右のクランク軸2
9は、各々、円板状に形成された複数(各気筒に2枚、
本実施例では4気筒なので左右で8枚)のクランクウェ
ブ41を有する4つのクランク軸片29a,29b,2
9c,29dから成り、ジャーナル部45を有するクラ
ンク軸片29aへクランク軸片29bのクランクピン3
9を圧入し、クランク軸片29bへクランク軸片29c
のジャーナル部45を圧入し、クランク軸片29cへク
ランク軸片29dのクランクピン39を圧入して構成さ
れており、前記クランク軸片29a,29c,29dの
ジャーナル部45は、クランクケース3にジャーナル軸
受け(符号なし)を介して支持されている。ジャーナル
軸受は各々シール付きの軸受で、後述する各気筒毎のク
ランク隔室50を気密にし、且つ各クランク隔室50へ
の外部からの水分等の侵入を防止している。尚、図4で
は便宜上、左右のクランク軸29のクランクウェイブ4
1同士が同一平面上に並んでいるように図示している
が、実際には左右のクランク軸29のクランクウェイブ
41の位置はクランク軸29の軸線方向にずらされ、従
って、左右のバンク2B,2Aにおける気筒もクランク
軸29の軸線方向にずれて配置され、これにより左右バ
ンク2B,2Aのクランク軸29間の距離をつめて、エ
ンジンが左右方向にコンパクトになるようにしてある
(図2参照)。また、左右のクランク軸29は、各々ク
ランクケース3にクランク軸29の軸線方向と平行に、
左右のクランク軸29の間に設けられた隔壁3aによっ
て相互に気密に隔離されている。図6は、船外機前方か
ら見たクランク軸29の模式図である。図6及び図5を
参照すると分かるように、左バンク2Bのクランク軸2
9Bにおける一番上側に位置するクランクウェブ41の
ジャーナル部45はクランクケース3から突出して上方
に伸びており、該突出部にはフライホイール兼用の発電
機47が取り付けられている。また、左右両バンク2B
及び2Aのクランク軸29B及び29Aにおける一番下
側に位置するクランクウェブ41のジャーナル部45
は、各々クランクケース3から突出して下方に伸びてお
り、該突出部には相互に噛合するギヤ30B及び30A
が設けられている。また、図6に示すように、右バンク
2Aのクランク軸29Aは、左バンク2Bのクランク軸
29Bよりさらに下方まで伸びており、その端部には出
力伝達ギヤ32が設けられている。前記出力伝達ギヤ3
2は、前記船外機100の出力軸126の上端に設けら
れた伝導ギヤ127に噛合している。以上説明したよう
な伝達機構により、互いに逆方向に回転する二つのクラ
ンク軸29A及び29Bの出力が前記出力軸126に伝
達される。尚、前記出力軸126は、二つのクランク軸
29A及び29Bのほぼ中心に配置されている。
【0012】(シリンダブロック及びクランクケースの
説明)図4及び図5を参照すると分かるように、シリン
ダボディ5の各シリンダボア11に対応する面には、そ
の前端よりさらに前方に突出し、シリンダボア11の前
方部分を画定している嵌合部51が一体に形成されてお
り、クランクケース3の後部の各バンク2B及び2Aに
対応する部分には、シリンダボディ5とクランクケース
3とを結合した時に、前記嵌合部51が押入される嵌合
孔52が各バンク毎に上下に平行に二つづつ形成されて
いる。また、前記クランクケース3の内部には、各バン
ク2A,2B毎に、クランク軸29と直交する隔壁49
が形成されており、この隔壁49によって、その内部を
シリンダボア11に対応する四つのクランク隔室50に
区画している。尚、クランクケース3は便宜的に一体と
して図示したが、両クランク軸29A及び29Bの両中
心を通る面を境にして二つの部分から成り、二つの部分
は互いに着脱可能とされる。これにより、ジャーナル軸
受を組み込んだ両クランク軸29A,29Bを前記二つ
の部分の中間部にそれぞれ収容した後、前記二つの部分
を互いに結合することにより、両クランク軸29A,2
9Bをクランクケース3内に組み込むことができる。
【0013】(コンロッド収納室の構成)前記クランク
ケース3の後部の各バンク2A,2Bに対応する部分
と、クランクケース3の各クランク隔室50におけるク
ランク軸29と直交する左右内壁とのコンロッド37の
移動範囲に対応する部分には、上下方向の幅がコンロッ
ド37の上下方向の厚みより僅かに大きい切欠き53が
形成され、コンロッド37が切欠き53を左右に区画し
つつ通過可能とされている。また、前記シリンダブロッ
ク5の各嵌合部51におけるコンロッド37の移動範囲
に対応する部分にも、上下方向の幅がコンロッド37の
上下方向の厚みより僅かに大きい切欠き55が形成され
コンロッド37が通過可能とされている。これらの切欠
き53及び55は、それらの表面が面一になるように形
成され、かつコンロッド37の移動時に対応する切欠き
53及び55の表面とコンロッド37の上下側面とが密
閉的に、即ち、加圧吸気の通過漏れを0或いはあったと
しても僅かとすべく相対するように寸法決めされてい
る。また、前記クランクケース3の各クランク隔室50
の内周壁57はクランク軸29を囲むように円弧状に形
成されており(図4参照)、この内周壁57は、コンロ
ッド37の移動時に、その表面とコンロッド37の大端
部の外周表面とが密閉的に、即ち、加圧吸気の通過漏れ
を0或いはあったとしても僅かとすべく相対するように
寸法決めされている。さらに、クランクケース3の各ク
ランク隔室50におけるクランク軸29と直交する壁面
にはクランクウェブ41が収容配置される円形の収容凹
部59が形成されている。各クランクウェブ41は、そ
の周囲に少なくともクランクケース3より硬質の材料で
形成された密閉リング61を取り付けた状態で、前記ク
ランクケース3における収容凹部59に収納されてい
る。また、前記円形の収容凹部59の密閉リング61の
外面が当接する部位には、不図示の耐磨耗性のリング状
部材が鋳込まれており、クランク軸回転中に、密閉リン
グ61の外面がこの耐磨耗性リング状部材に接触摺接し
てシール作用が得られるように構成されている。また、
各気筒における二つのクランクウェブ41間の寸法は、
そのコンロッド側の表面とコンロッド37の上下側面と
がコンロッド移動時に密閉的に、即ち、加圧吸気の通過
漏れを0或いはあったとしても僅かとすべく相対するよ
うに寸法決めされている。また、図4を参照すると分か
るように、前記ピストン35の内側には略三角形状の凹
部35aが形成されており、ピストン35のスカート部
における前記凹部35aに対応する部分にはコンロッド
37が通過可能な切欠き35bが形成されている。前記
ピストン35の凹部35aにはコンロッド37の小端部
が挿入配置されており、この凹部35aの半円筒状の内
周部のピストンピン中心からの半径は、コンロッド37
の小端部の外周のピストンピン中心からの半径よりごく
僅か大きくされており、かつ、凹部35a及び切欠き3
5bの上下方向の内幅は、コンロッド37の上下方向の
厚みよりごく僅か大きくされている。これにより、コン
ロッドの移動時に、ピストン35部においても、コンロ
ッド37の左右の空間が互いにコンロッド37によって
密閉的に、即ち、加圧吸気の通過漏れを0或いはあった
としても僅かとするように区画される。
【0014】(コンロッド収納室の作用)上記した構成
により、各クランク隔室50、各クランクウェブ41、
及び各ピストン35で囲まれたコンロッド収容室60
が、シリンダボア11毎に形成される。これにより、コ
ンロッド37の移動中、即ちエンジン駆動中は、コンロ
ッド37の表面が、ピストン内の凹部35aの上下方向
両内面及び半径方向内面、ピストンのスカート部の切欠
き35bの内面、シリンダブロック5の嵌合部51にお
ける切欠き55の上下方向両内面、クランクケース3に
おける切欠き53の上下方向両内面、クランクウェブ4
1のコンロッド側の表面、又はクランクケース3の各ク
ランク隔室50の円弧状に形成された内周面57と密閉
的に相対するので、ピストン35が上死点付近に位置す
る場合を除くクランク角度において、各コンロッド収納
空間はコンロッドによって二つの室(吸入室Aと圧縮室
B)とに区画されることになる。以上説明した構成によ
り、ピストン35が上死点に位置する状態から、図4に
示すようにクランク軸29Aが時計方向に、また、クラ
ンク軸29Bが反時計方向に回転するに伴い、コンロッ
ド37の大端部の外周がクランクケース3の内周壁57
に近接し、この時点でコンロッド収容室60が吸入室A
と圧縮室Bとに区画され、さらに各クランク軸29の回
転に伴い吸入室Aに空気が吸入されると共に、圧縮室B
内の前行程で吸入された空気が圧縮される容積型過給機
構が構成される。なお、係る容積型過給機構の構成は、
上述の特開平6−93869号公報に詳細に記載されて
いる。本実施例においては、各気筒毎に独立の容積型過
給機構を構成しているが、各バンク2A,2Bにおい
て、クランク角が、例えば点火タイミングで360゜の
位相差となるような複数の気筒がある場合には、それら
の気筒の圧縮室Bを互いに連通するように構成して、複
数気筒一体の容積型過給機構を構成してもよい。
【0015】(吸気系の説明)クランクケース3の前端
には両バンク2A,2B共通の吸気系手段が設けられて
いる。この吸気系手段は、吸気通路形成部材75、吸気
管77、気化器79、及びエアクリーナ81から成る。
前記吸気通路形成部材75の内部には、下流が四股に分
岐した吸気通路75aが形成されている。この吸気通路
形成部材75は、クランクケース3の前部の左右のクラ
ンク軸29B,29Aの略中心部に嵌合結合され、吸気
通路75aの四股に分岐した各開口端が、クランクケー
ス3の前部に形成された各気筒の吸入室Aと連通する吸
入孔(符号なし)と連通される。前記吸気管77は、前
記吸気通路形成部材75の上流端(即ち前端)に連結さ
れ、そこから前方に向かって直線状にのび気化器79に
連結されている。気化器79は、気化器79より前方に
配置されたエアクリーナ81と連通している(図1、図
3及び図4参照)。尚、図3中、符号81aは空気取入
孔である。また、前記気化器79には不図示のオイルポ
ンプが取り付けられており、このオイルポンプによって
オイルタンク93からオイルチューブ83を介して2サ
イクルオイルが吸い上げられ、2サイクルオイルが吸気
管77を通る吸気中に吐出される。この微量の2サイク
ルオイルはクランク室内の軸受部、及びピストン35と
シリンダボア11との摺動部を潤滑する。なお、図中符
号93aはオイル注入口のキャップである。前記吸気通
路形成部材75の四股に分岐した後の各通路には各々リ
ード弁87が設けられており、このリード弁87は、対
応する吸入室Aの圧力が吸気通路75a側の圧力より低
くなると開弁し、また吸入室Aの圧力が吸気通路75a
側の圧力より高くなると閉弁する。即ち、新気は空気が
取り入れられる一つのエアクリーナ81、燃料が霧化混
合される一つの気化器79、一つの吸気管77を経て、
一つの吸気通路形成部材75に至り、この吸気通路形成
部材75で分岐してクランクケース3の各気筒に対応し
た吸入室Aに吸引される。
【0016】(加圧吸気系の説明)また、クランクケー
ス3の圧縮室B側には、各バンク2A,2B毎に加圧吸
気系手段が上下に並設されている。この上下二つの加圧
吸気系手段は、クランクケース3に取り付けられる各気
筒毎の加圧室ハウジング63と加圧吸気管65とからな
り、各加圧室ハウジング63は、四分割式のハウジング
片63a,63b,63c,63dから構成されてい
る。前記加圧室ハウジング63の第一ハウジング片63
aはクランクケース3に固定され、第二ハウジング片6
3bは、第一ハウジング片63aの開放端に接続され、
最中状に組み合わされた第三ハウジング片63c及び第
四ハウジング片63dの組立体は、その一端が第2ハウ
ジング片63bに接続され、他端が、シリンダヘッド7
における対応する吸気ポート15の導出端に接続され、
これら四つのハウジング片62a,63b,63c,6
3dで、内部に加圧吸気室Cを形成している。尚、各バ
ンク2A、2B毎の上下の加圧吸気室Cは、連結管64
によって連通されている。クランクケース3の各圧縮室
Bに対応する部分と、前記第1ハウジング片63aの開
放端との間には加圧吸気室Cの圧力が圧縮室Bの圧力よ
り低くなると開弁するリード弁手段71が取り付けられ
ている。また、前記加圧吸気室ハウジング63における
第四ハウジング片63d内には、冷却フィン66が突設
されており、この冷却フィン66は、シリンダブロック
等に形成され冷却水が通るウォータジャケットに接する
ように構成され、この冷却フィン66で、コンロッド3
7で圧縮されて昇温する新気を、加圧吸気室Dにおいて
冷却する。これにより、燃焼室13への新気の充填効率
の低下を防止し、エンジン性能を高く維持することがで
きるようになる。なお、各バンク2A,2B毎の加圧吸
気室ハウジング63を連結管64で連結せずに、加圧吸
気系手段を気筒毎に完全に独立させてもよい。また、第
四ハウジング片63dの内部における吸気ポート15の
導出端に対応する部分には、前記加圧吸気管65が取り
付けられており、この加圧吸気管65には、アクセルグ
リップ(図示せず)の操作に連動して開閉するバタフラ
イ型スロットル弁67が設けられている。このバタフラ
イ型スロットル弁67は、吸気系手段を構成する気化器
79に設けられたスロットル弁(図示せず)と連動して
動くように設けられ、これにより、気化器79が吸気ポ
ート15から離れていることによる応答性の遅れを防止
している。
【0017】(排気系の説明)また、各バンク2A,2
Bのシリンダヘッド7における各気筒の排気ポート17
の導出端には各々排気管89が接続されている。これら
排気管89は、バンク空間Sに配置された一つの排気集
合管90に接続されている。この排気集合管90は下方
に向かってのび、エンジン1とアッパーケース105と
の間に挿入配置されるエキゾーストガイド130を貫通
し、下方のアッパーケース105内において端部が開口
して、排気ガスをアッパーケース内に形成された排気通
路128に導いている(図1及び図2参照)。これによ
り、前述のように排気ガスはアッパーケース105、ロ
アケース106、及びプロペラハウジング117内に形
成された排気通路128を通過して水中に排気される。
【0018】(オイル関係の説明)以上説明したように
構成されたエンジン1におけるクランク軸29及びピス
トン35には、不図示のオイル供給手段を介して2サイ
クルオイルがオイルタンク93から供給されている。ま
た、吸気バルブ19及び排気バルブ21の動弁機構に
は、ヘッドカバー9に設けられたオイル供給孔95を介
して供給された4サイクルオイルが、不図示のオイル溜
まりにためられ、不図示のオイルポンプにより循環供給
される。
【0019】(第一実施例特有の効果)以上説明したよ
うに、この第一の実施例に係るエンジン1は、船外機1
00の中心線Lcを境にほぼ左右対称になるように左右
のバンク2B,2A及びその他の構成部材を配置し、さ
らに左右バンク2B,2A間のバンク空間Sに排気系手
段を配置すると共に、吸気系手段をクランクケース3の
前部における左右のクランク軸29B,29Aの略中心
部分に配置して、重量物である排気系手段及び吸気系手
段が船外機100のほぼ中心線Lc上に位置するように
しているので、エンジン1自体の重量バランスが非常に
よく、その結果、このエンジン1を搭載した船外機を取
り付けた船体を方向転換する時の船外機100にかかる
慣性力を、同じ重量のエンジンを搭載した船外機と比較
して極めて小さくでき、転舵操作が非常に楽になるとい
う効果を奏する。また、エンジン重心G1と、船外機1
00の出力軸126の位置が近いので、エンジン振動を
小さくすることができ、その結果、吸気系手段や排気系
手段に伝わる振動を非常に小さくすることができる。さ
らに、本第1実施例のエンジンは、二つのバンク2A及
び2Bの間に形成されるバンク空間Sに排気系手段を配
置しているので、全ての気筒に対する排気系手段を容易
に共通化することができ、その結果、重量物である排気
系手段を全体として小型化することができるので、エン
ジン1自体を小型化することが可能になる。また、本第
1実施例のエンジンは、吸気系手段を、クランクケース
3の前部に全ての気筒に対して共通に設けているので、
重量物である吸気系手段を全体として小型化することが
でき、その結果エンジン1自体を小型化できるという効
果を奏する。さらに、本第1実施例のエンジンは、クラ
ンクケース3の前部に吸気通路形成部材75を設け、か
つエアクリーナ81をエンジンの前方に設けて、吸気通
路形成部材75とエアクリーナ81とを吸気管77及び
気化器77で連結するように構成しているので、吸気管
77を直線状に形成でき、かつ短くすることができるの
で、吸気抵抗を小さくすることができ、かつスロットル
レスポンスがよくなるという効果を奏する。また、本第
1実施例のエンジンは、各バンク2A,2Bの加圧吸気
手段を各バンク2A,2Bの外側に配置しているので、
加圧吸気手段の熱がカウリング102及び103内に篭
もることがない。また、両バンク2A,2Bの吸排気系
手段をバンク空間Sに集中配置し、かつ各バンク2A,
2Bの加圧吸気系手段をバンク空間Sの反対側に配置し
ているので、加圧吸気系手段を通過する加圧混合気が排
気熱、特に輻射熱の影響を受けにくく、充填効率の低下
をきたすことがない。さらに、第1実施例によれば、加
圧吸気室ハウジングにおける冷却フィン66の端部を、
シリンダブロック等のウォータジャケット内を流れる冷
却水で冷却するように構成しているので、加圧吸気室ハ
ウジング用に別個に冷却水供給ポンプ等を設ける必要が
ない。
【0020】(第2実施例の説明)次に、図7を参照し
て本発明に係るクランク室過給式V型エンジンの第2の
実施例について説明する。尚、この第2実施例は、排気
系手段及び加圧吸気系手段に関する構成以外は第1実施
例のエンジンの構成と同じ構成であるので、第1実施例
と同じ構成部材には、第1実施例と同じ符号を付して重
複する説明は省略する。図7は本発明の第2の実施例に
係るクランク室過給式V型エンジン200を、そのクラ
ンク軸29の軸線方向と直交する向きに左右のシリンダ
面に沿って切断した概略展開断面図である。このエンジ
ン200は、右バンク2Aに対応するクランク軸29A
が反時計方向に回転し、左バンク2Bに対応するクラン
ク軸29Bが時計方向に回転するように構成されてい
る。従って、ピストン35が上死点付近に位置する場合
を除くクランク角度において、コンロッドによって各コ
ンロッド収納室60は、バンク空間S側の圧縮室Bと、
バンク空間Sの反対側の吸入室Aとに区画される。
【0021】(加圧吸気系手段の説明)クランクケース
201の圧縮室B側、即ち、バンク空間S側には、両バ
ンク2A,2B共通の加圧吸気系手段が設けられてい
る。この加圧吸気系手段は、クランクケース201と共
に内部に全ての気筒共通の第1加圧吸気室C1及び第2
加圧吸気室C2を形成する加圧室ハウジング203と、
第2加圧吸気室C2及び各気筒の吸気ポート15を連通
する4つの加圧吸気管205(図7では上側の二つだけ
が図示されている。)とから構成されている。クランク
ケース201の第1加圧吸気室C1に対応する壁面に
は、圧縮室Bと第1加圧吸気室C1とを連通する開口が
各気筒毎に形成されており、各開口には第1加圧吸気室
C1の圧力が圧縮室Bの圧力より低くなると開弁するリ
ード弁手段207が取り付けられている。従って、各圧
縮室Bでコンロッド37によって圧縮された混合気は、
一つの第1加圧吸気室C1内に吐出され、そこから一つ
の第2加圧吸気室C2に吐出され、さらにこの第2加圧
吸気室C2から各加圧吸気管205及び各吸気ポート1
5を介して各燃焼室13に吐出吸引される。また、クラ
ンクケース201における第1加圧吸気室C1を形成し
ている部分及び加圧室ハウジング203には第1加圧吸
気室C1及び第2加圧吸気室C2を囲むようにウォータ
ジャケット207が形成されており、これにより、コン
ロッド37で圧縮されて昇温する混合気を二つの加圧吸
気室C1及びC2内で冷却して、燃焼室13への混合気
の充填効率の低下を防止し、エンジン性能を高く維持す
ることができるようにしている。尚、図7では、第2加
圧吸気室C2の周りのウォータジャケット207しか図
示していないが、第1加圧吸気室C1の周りにも図示し
ているウォータジャケット207と連通しているウォー
タジャケットがあり、このウォータジャケットはクラン
クケース201とシリンダボディ5との連結部分を介し
てシリンダボディ5のウォータジャケットと連通してい
る。従って、この加圧吸気系手段におけるウォータジャ
ケット207内にはシリンダボディ5及びシリンダヘッ
ド7を冷却する冷却水が流れるため、ポンプ等を別個に
設ける必要がなく、また、前記ウォータジャケット20
7を、クランクケース201を介してシリンダボディ5
のウォータジャケットに連通させているので、別個に連
結パイプ等を設ける必要もない。また、加圧吸気系手段
における各加圧吸気管205には、各々アクセルグリッ
プ(図示せず)の操作に連動して開閉するバタフライ型
スロットル弁209が設けられている。このバタフライ
型スロットル弁209は、吸気系手段を構成する気化器
79に設けられたスロットル弁(図示せず)と連動して
動くように構成されており、これにより、気化器79が
吸気ポート15から離れていることによる応答性の遅れ
を防止している。
【0022】(加圧吸気系と吸気系とを連結するバイパ
ス通路の説明)上記した第2加圧吸気室C2は、小径の
バイパス通路211を介して吸気通路形成部材75の内
部に形成された吸気通路における分岐する前の部分と連
通されている。このバイパス通路211の途中の第2加
圧吸気室C2に近い位置にはバタフライ弁213が配置
されている。これらバタフライ弁213はアクセル操作
に連動して開閉し、低負荷時(加圧吸気管205に設け
られたスロットル弁209の開度が小さい時)に開とな
り、中・高負荷時に閉となる。なお、加えて、急減速時
に先行して閉から開へ動作するようにしてもよい。スロ
ットル弁209の開度が小の時には過給新気量が少なく
てよいので、バタフライ弁213を開として加圧吸気室
C1,C2の圧力を下げ、コンロッド37のポンプ仕事
量を減らし、これによりロス馬力が小さくできる。ま
た、急減速時に、第2加圧吸気室C2の出口側でスロッ
トル弁209が急閉されて加圧吸気室C1,C2内の圧
力が急上昇し、ロス馬力が急上昇したり、エンジンスト
ールが発生したりする場合には、急減速時バタフライ弁
213をスロットル弁67の急閉動作に先行して開とす
るとよい。尚、加圧吸気室を各気筒毎に独立して設ける
場合には、各気筒毎の加圧吸気室から気筒数のバイパス
通路上流管が導かれ、途中で合体し一本のバイパス通路
下流管とされて吸気手段の吸気通路に連通するようにす
る。そして、前記バタフライ弁213は、各バイパス通
路上流管毎か、又は合体後のバイパス下流管に配置され
る。バタフライ弁213をバイパス通路下流管に設ける
場合には、一つの弁でよい。これにより、各加圧吸気室
Cは、少なくともバタフライ弁213が開となる時、互
いに連通することになり、各気筒における加圧性能に差
が出る場合(各部のシール能力が経時変化した場合に発
生する)でも、燃焼室13への充填新気量のバランスを
取ることができ、各気筒における出力を平準化して振動
増大を防止することができる。この特徴は本実施例のよ
うに加圧吸気室を各気筒共通に形成した場合でも同様に
得られる。なお、このバイパス通路211及びバタフラ
イ弁213は、第1実施例のエンジンにも同様に設けら
れ得る。
【0023】(排気系手段の説明)シリンダヘッド7に
おけるバンク空間Sの反対側には排気系手段が設けられ
ている。この排気系手段は各気筒の排気ポート17に連
結された4つの排気管215から成り、図示していない
が、各バンク2A,2B毎或いは、全ての排気管を下流
で集合させてもよい。
【0024】(オイル関係の説明)図7中、符号220
はオイルオイルポンプを示しており、このオイルポンプ
220によって、複数の供給パイプ221を介して、各
気筒のピストン35とシリンダボア11との間の摺動
部、両クランク軸29A,29Bのジャーナル軸受部、
及び各気筒のコンロッド37の大端軸受部にそれぞれ2
サイクルオイルが供給される。尚、このオイルポンプ2
20及び供給パイプ221は第1実施例では説明されて
いないが、第1実施例にも同様に設けられ得ることはも
ちろんである。
【0024】(第2実施例の効果)この第2実施例のエ
ンジン200によれば、バンク空間Sに各気筒共通の加
圧吸気系手段を配置しているので、重量物である加圧吸
気系手段がエンジン200の中心線Lc2上に位置する
ようになり、エンジン200自体の重量バランスが非常
によくなるという効果を奏する。また、この第2実施例
のエンジンは、二つのバンク2A及び2Bの間に形成さ
れるバンク空間Sに加圧吸気系手段を配置しているの
で、全ての気筒に対する加圧吸気系手段、例えば、加圧
吸気室C1及びC2を容易に共通化することができ、そ
の結果、重量物である加圧吸気系手段を全体として小型
化することができるので、エンジン1自体を小型化する
ことが可能になる。また、この第2実施例のエンジン
は、各バンク2A,2Bの排気系手段を各バンク2A,
2Bの外側に配置しているので、例えば、このエンジン
を船外機等に搭載した場合に、排気系手段の熱がエンジ
ン室に篭もることがない。また、両バンク2A,2Bの
加圧吸気系手段をバンク空間Sに集中配置し、かつ各バ
ンク2A,2Bの排気系手段をバンク空間Sの反対側に
配置しているので、加圧吸気系手段を通過する加圧混合
気が排気熱、特にふく射熱の影響を受けにくく、充填効
率の低下をきたすことがない。
【0022】(その他)第1実施例では、各バンク毎に
加圧吸気室ハウジングを連通させているが、加圧吸気系
手段の構成は、本実施例に限定されることなく、全ての
気筒の加圧吸気手段を各気筒毎に完全に独立して設けて
もよく、また、3気筒以上のエンジンに適用する場合に
は、幾つかに分けて集合させてもよい。さらにまた、本
実施例では、吸気管に気化器を設け、加圧吸気管の吸気
ポートの近くに、前記気化器とは別のスロットル弁を設
け、この別のスロットル弁によってスロットル操作に対
するエンジン出力の応答遅れを防止しているが、気化器
を設ける位置は本実施例に限定されるものではなく、例
えば、加圧吸気管の吸気ポートの近くに設けてもよい。
このように気化器を加圧吸気管の吸気ポートの近くに設
けた場合は、スロットル弁を気化器とは別に設ける必要
はないが、加圧吸気管からの圧力漏れがないように、加
圧吸気管における気化器を設けた部分を十分にシールす
る必要がある。また、気化器を加圧吸気管に設ける場合
は、気化器内の圧力を加圧吸気管における気化器より下
流側の圧力より高くしなければならないので、何らかの
手段で気化器内のフロート室を圧力を高くする必要があ
る。また、本実施例では、気化器を使用して混合気を作
るエンジンを例に挙げて本発明に係るクランク室過給式
多気筒エンジンを説明しているが、燃料供給方法は本実
施例に限定されることなく、燃料噴射装置を用いてもよ
いことはもちろんである。以上説明した本実施例では、
本発明に係るクランク室過給式V型エンジンを船外機に
搭載した例を示しているが、本発明に係るクランク室過
給式V型エンジンは、船外機に搭載するものに限定され
るものではないことはもちろんであり、自動二輪車、発
電機、雪上車、或いはゴルフカー等に搭載する場合もあ
り得る。
【発明の効果】以上説明した本発明に係るクランク室過
給式V型エンジンは、二つのクランク軸と、各クランク
軸に対してシリンダ軸線が垂直になるように配置された
気筒とを有し、二つのクランク軸における気筒が180
゜以内の角度でV型に拡開し、各気筒に対応するクラン
ク室、クランクウェブ、及びピストンで各気筒にコンロ
ッド収容室を形成し、各コンロッド収容室を、対応する
コンロッドで吸入室と圧縮室とに区分けし、前記吸入室
に吸気系手段を接続し、前記圧縮室と燃焼室とを加圧吸
気系手段で連通させ、前記燃焼室の排気孔接続し、クラ
ンク軸を収納するクランクケースにおける気筒と対向す
る部分に前記吸入室に繋がる吸気孔を形成し、該吸気孔
に前記吸気系手段を接続しているので、吸気系手段を各
気筒等のエンジンの他の構成部材に邪魔されることなく
配置できるようになり、従って、例えば、吸気系手段を
直線状に形成したり、また、短く形成する等、吸気系手
段の設計自由度が拡がり、当初の目的であるエンジン性
能を低下させることなく吸気系手段を小型化すること等
が可能になるるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るクランク室過給式V型エンジン
を搭載した船外機の概略側面図である。
【図2】 図1における矢印A方向から見た船外機の部
分断面図である。
【図3】 図1におけるエンジンの概略上面図を各々示
している。
【図4】 エンジン1を、そのクランク軸の軸線方向と
直交する向きに左右のシリンダ面に沿って切断した概略
断面図である。
【図5】 図3におけるA−A断面図を示している。
【図6】 船外機前方から見たクランク軸29の模式図
である。
【図7】 本発明の第2の実施例に係るクランク室過給
式V型エンジンを、そのクランク軸の軸線方向と直交す
る向きに左右のシリンダ面に沿って切断した概略断面図
である。
【符号の説明】
1 クランク室過給エンジン 2A 右バンク 2B 左バンク 3 クランクケース 3a 隔壁 5 シリンダボディ 7 シリンダヘッド 9 ヘッドカバー 11 シリンダボア 13 燃焼室 15 吸気ポート 17 排気ポート 19 吸気バルブ 21 排気バルブ 23 バルブスプリング 25 カム軸 27 スプロケット 28 チェーン 29 クランク軸 29a クランク軸片 29b クランク軸片 29c クランク軸片 29d クランク軸片 30B ギヤ 30A ギヤ 31 ロッカシャフト 32 出力伝達ギヤ 33 ロッカアーム 35 ピストン 35a 凹部 35b 切欠き 37 コンロッド 39 クランクピン 41 クランクウェブ 45 ジャーナル部 47 フライホイール兼用の発電機 49 隔壁 50 クランク隔室 51 嵌合部 52 嵌合孔 53 切欠き 55 切欠き 57 内周壁 59 収納凹部 60 コンロッド収容室 61 密閉リング 63 加圧室ハウジング 63a ハウジング片 63b ハウジング片 63c ハウジング片 63d ハウジング片 64 連結管 65 加圧吸気管 67 バタフライ型スロットル弁 71 リード弁手段 75 吸気通路形成部材 75a 吸気通路 77 吸気管 79 気化器 81 エアクリーナ 83 オイルチューブ 87 リード弁 89 排気管 90 排気集合管 93 オイルタンク 93a オイル注入口のキャップ 95 オイル供給孔 A 吸入室 B 圧縮室 G1 重心 S バンク空間 Lc 中心線 100 船外機 102 アッパーカウリング 103 ボトムカウリング 104 エプロン 105 アッパーケース 106 ロアケース 108 懸架ユニット 108a クランプブラケット 110 船体 112 船尾板 114 プロペラ 116 駆動装置 117 プロペラボス 118 プロペラ駆動軸 120 正転ベベルギヤ 122 逆転ベベルギヤ 126 出力軸 127 伝動ギヤ 128 排気通路 130 エキゾーストガイド (第2実施例) 200 クランク室過給式V型エンジン 201 クランクケース 203 加圧室ハウジング 205 加圧吸気管 207 ウォータジャケット 209 スロットル弁 211 バイパス通路 213 バタフライ弁 215 排気管 220 オイルポンプ 221 供給パイプ C1 第1加圧吸気室 C2 第2加圧吸気室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つのクランク軸と、各クランク軸に対
    してシリンダ軸線が垂直になるように配置された気筒と
    を有し、 二つのクランク軸における気筒が180゜以内の角度で
    V型に拡開し、 各気筒に対応するクランク室、クランクウェブ、及びピ
    ストンで各気筒にコンロッド収容室を形成し、 各コンロッド収容室を、対応するコンロッドで吸入室と
    圧縮室とに区分けし、 前記吸入室に吸気系手段を接続し、 前記圧縮室と燃焼室とを加圧吸気系手段で連通させ、か
    つ前記燃焼室の排気孔に排気系手段を接続し、 クランク軸を収納するクランクケースにおける気筒と対
    向する部分に前記吸入室に繋がる吸気孔を形成し、該吸
    気孔に前記吸気系手段を接続したことを特徴とするクラ
    ンク室過給式V型エンジン。
JP22897696A 1996-08-29 1996-08-29 クランク室過給式v型エンジン Pending JPH1073026A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7867089B2 (en) 2008-07-11 2011-01-11 Nintendo Co., Ltd. Expanding operating device and operating system

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US7867089B2 (en) 2008-07-11 2011-01-11 Nintendo Co., Ltd. Expanding operating device and operating system

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