JPH1072488A - 抗ヘリコバクター・ピロリ剤 - Google Patents

抗ヘリコバクター・ピロリ剤

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JPH1072488A
JPH1072488A JP7512797A JP7512797A JPH1072488A JP H1072488 A JPH1072488 A JP H1072488A JP 7512797 A JP7512797 A JP 7512797A JP 7512797 A JP7512797 A JP 7512797A JP H1072488 A JPH1072488 A JP H1072488A
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JP
Japan
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formula
helicobacter pylori
agent
sugar residue
group
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Application number
JP7512797A
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English (en)
Inventor
Tomoko Tsuji
智子 辻
Yoshiaki Yada
美日 矢田
Kazuo Yamazaki
和男 山▲崎▼
Ryoji Kasai
良次 笠井
Kazuhiro Otani
和弘 大谷
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Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サポニン類を有効成分としてなる消化性潰瘍
治療、またその再発防止剤としての抗ヘリコバクター・
ピロリ剤及び新規サポニンを提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1は、糖残基を表わし、R2は水素原子または水
酸基を表わし、R3はメチル基またはヒドロキシメチル基
を表わし、R4は一般式(II)又は(III)(R5は水
素原子または糖残基を表わし、R6は水素原子または水酸
基を表わし、R7とR8は独立に水素原子または水酸基を表
わすが、同時に水酸基を表わすことはない。)を表わ
す。なお、R1とR5が糖残基であるときは3−ヒドロキシ
メチル−3−メチル−1,5−ペンタジオイル基を介し
て結合していてもよい。]で示されるサポニン類を有効
成分とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、胃潰瘍、十二指腸
潰瘍等の発症の防御剤ならびにこれら消化性潰瘍治療後
の再発防止剤として有効な抗ヘリコバクター・ピロリ剤
及びゴンフレノシドに関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリコバクター・ピロリ(Helico
bactor pylori)は、ヒトに慢性胃炎や消
化性潰瘍を起こさせる病原菌として、近年注目を浴びて
きているグラム陰性の微好気性細菌である。この菌が、
胃炎、消化性潰瘍患者などの胃粘膜から高率に検出され
る(胃炎患者から65%、胃潰瘍患者から86%、十二
指腸潰瘍患者から91%に及ぶ高率で検出されている)
ことが報告されている。一方、本病原菌は、これらの疾
患の発症のみならず、いったん治癒した潰瘍の再発につ
いても関連があると考えられており、胃潰瘍患者で本菌
保有患者の70%が1年以内に再発したのに対し、保菌
者でない患者の再発率は10%程度であったとされてい
る。
【0003】従来、抗潰瘍剤としては、制酸剤、抗コリ
ン剤、抗ガストリン剤、消化管ホルモン剤、抗ペプシン
剤、抗ヒスタミン剤、組織修復剤、粘膜保護剤、微小循
環改善剤、プロトンポンプ阻害剤等が開発されてきた。
特に、強力な胃酸分泌抑制効果を有する、抗ヒスタミン
剤とプロトンポンプ阻害剤は、最もよく用いられてい
る。しかし、これらの抗潰瘍剤は、投薬中止後の再発率
が高いという問題点も含んでいる。先に述べたように、
ヘリコバクター・ピロリが、潰瘍発症に関わっているこ
とが報告されてからは、本菌の除菌のための抗菌剤と、
オメプラゾールのようなプロトンポンプ阻害剤の併用が
行われるようになった。これらは、一応の効果を上げて
いるが、投薬中止後の再発率が高く、また強力な抗菌剤
の長期連続投与による下痢、嘔吐などの副作用が問題と
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】強力な抗菌剤ではな
く、ヘリコバクター・ピロリ以外の微生物に対しては抗
菌力をもたない、ヘリコバクター・ピロリ特異的な抗菌
剤を見い出し、長期連続投与に適する抗ヘリコバクター
・ピロリ剤として、すなわち胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の
発症の防御剤並びに消化性潰瘍治療後の再発防止剤とし
て有効な抗ヘリコバクター・ピロリ剤を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、各種天然物について鋭意検討を行っ
た結果、植物の成分であるサポニン類の中から、ヘリコ
バクター・ピロリの生育を選択的に抑制するものを見い
出し、本発明を完成することに至った。
【0006】すなわち、本発明は、下記の一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】[式中、R1は、糖残基を表し、R2は水素原
子または水酸基を表し、R3はメチル基またはヒドロキシ
メチル基を表し、R4は一般式(II)
【0009】
【化6】
【0010】または、一般式(III)
【0011】
【化7】
【0012】(R5は水素原子または糖残基を表し、R6
水素原子または水酸基を表し、R7とR8は独立に水素原子
または水酸基を表すが、同時に水酸基を表すことはな
い。)を表す。なお、R1とR5が糖残基であるときは、各
々の糖残基が3−ヒドロキシメチル−3−メチル−1,
5−ペンタジオイル基を介して結合していてもよい。]
で示されるサポニン類を有効成分とする抗ヘリコバクタ
ー・ピロリ剤を提供する。
【0013】また本発明は、前記一般式(I)における
R1と前記一般式(II)におけるR5の糖残基が、グルコ
ース、キシロース、グルクロン酸、アラビノース、リボ
ース、ラムノースより選ばれる単糖類または、それらの
同一または異なってもよい2乃至は3個が結合してなる
多糖類から成る糖残基の群より選ばれたものである、前
記の抗ヘリコバクター・ピロリ剤を提供する。
【0014】また、下記式(IV)で表される抗ヘリコ
バクター・ピロリ活性を有すゴンフレノシドに関するも
のである。
【化8】 (式中、GlcAはグルクロン酸、Rhaはラムノース、Xylは
キシロースの糖残基を表す。)
【発明の実施の形態】本発明において、糖残基とは単糖
類もしくは多糖類から水素原子を一個除去して成る基を
意味し、D体あるいはL体のいずれであってもよい。以
下に本発明に係る化合物の具体例を示す。
【0015】
【化9】
【0016】1、チクセツサポニンIVa 式(V)において、R1はグルクロン酸、R3はメチル基、
R5はグルコースである化合物。
【0017】2、ムクロジサポニンX 式(V)において、R1はアラビノシルラムノース、R3
ヒドロキシメチル基、R5はグルコシルグルコースである
化合物。
【0018】3、フサンゴシドB 式(V)において、R1はアラビノシルラムノシルリブロ
ース、R3はメチル基、R5はグルコシルグルコシルラムノ
ースである化合物。
【0019】4、フサンゴシドC 式(V)において、R1はキシロシルラムノシルリブロー
ス、R3はメチル基、R5はグルコシルグルコシルラムノー
スである化合物。
【0020】5、フサンゴシドD 式(V)において、R1はアラビノシルラムノシルリブロ
ース、R3はヒドロキシメチル基、R5はグルコシルグルコ
シルラムノースである化合物。
【0021】6、Cp−4 式(V)において、R1はアラビノシルラムノシルリブロ
ース、R3はメチル基、R5は水素原子である化合物。
【0022】7、Cp−6 式(V)において、R1はアラビノシルラムノシルリブロ
ース、R3はヒドロキシメチル基、R5は水素原子である化
合物。
【0023】8、式(VI)で表されるツベイモシドI
II
【0024】
【化10】
【0025】9、式(VII)で表されるサイコサポニ
ンA。ただし式中、Rhaはラムノース、Glcはグルコース
を表す。
【0026】
【化11】
【0027】10、式(VIII)で表されるサイコサ
ポニンD。ただし式中、Rhaはラムノース、Glcはグルコ
ースを表す。
【0028】
【化12】
【0029】以下に本発明の化合物について説明する。
【0030】チクセツサポニンIVaは、チクセツニンジ
ン(Panax japonicus)の乾燥物のメタ
ノール抽出、水飽和ブタノール抽出を行い、メタノール
/アセトンで沈殿画分をとり、これをクロロホルム/メ
タノール/水系のシリカゲルクロマトグラフィーで精製
することにより得ることができる。(Chem. Pharm. Bul
l., 31 (9), 3205-3209, 1983)
【0031】ムクロジサポニンXは、Sapindus mukuross
iの熱メタノール抽出物のHP−20(75%メタノー
ル)カラムクロマトグラフィー、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロフォルム/メタノール/水或い
は、酢酸エチル/エタノール/水系)を行ったあと、逆
相カラムクロマトグラフィー(LiChroprep RP-8, 水/
メタノール系)によって精製する。(Chem. Pharm. Bul
l., 31 (6), 1998-2005,1983)
【0032】フサンゴシドB、C、D、Cp−4、Cp−6
は、アネモネリブラリス(Anemone rivularis)のメタ
ノール抽出物を、水谷らの方法(Planta Medica, No.4,
327, 1984)により精製して得ることができる。
【0033】ツベイモシドIIIは、ボルボステマ パ
ニクラータム(Bolbostema paniculatum)を熱メタノー
ル抽出、熱50%メタノール抽出を行い、メタノールを
用いたHPー20カラムクロマトグラフィー、逆相(LiCh
roprep RP-8)カラムクロマトグラフィーにより精製す
ることができる。(Phytochemistry, 27 (5), 1439-144
6, 1988) サイコサポニンA, Dは試薬として購入するこ
とができる。
【0034】ゴンフレノシドは、千日紅の種子をすり潰
し、90%メタノールで抽出後、メタノール可溶部をヘ
キサンで脱脂する。これをブタノール抽出し、ブタノー
ル層をHPー20カラムに吸着、80%アセトンで溶出し
て精製する。さらにこれを、シリカゲルカラム(酢酸エ
チル/メタノール/水)で展開し、活性画分を逆相HPLC
カラム(センシューパックVPー304ー3251)で分
取することにより純粋な、ゴンフレノシドを得ることが
できる。単離したゴンフレノシドの構造を以下のとおり
に決定した。(下記、実施例参照。)本化合物は、今ま
でに報告のない新規なサポニンゴンフレノシドである。
【0035】
【化13】
【0036】〔式中、GlcAはグルクロン酸、Rhaはラム
ノース、Xylはキシロースの糖残基を表す。〕
【0037】本発明において上記の化合物は、経口的に
も非経口的にも投与することができるが、通常は経口的
に投与される。また適当な医薬坦体と混合して用いるこ
ともできる。医薬坦体としては、経口的には、乳糖、マ
ンニットなどの糖類、デンプン類結晶セルロース、クエ
ン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、ゼラチン、デ
キストリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ステアリン酸およびそのマグネシ
ウム塩または、カルシウム塩、タルク等が挙げられる。
非経口的には、植物油、エタノール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール類、カカオ脂ラウリン
酸、グリセリンなどが挙げられる。又投与剤型として
は、錠剤、散剤、カプセル剤の如き固形剤であってもよ
く、溶液、懸濁液の如き液剤であってもよい。さらに、
非経口的に投与する場合は、注射剤、点滴溶液剤或い
は、坐薬として用いることができる。
【0038】また上記の化合物は、通常の飲食物中に添
加して、日常的に摂取することも可能である。添加しう
る食品の種類には特に限定はなく、添加量は食品本来の
味を損なうことがない範囲であれば制限はないが、通常
0.01〜1重量%程度を添加して用いることができ
る。
【0039】本発明の有効成分を経口投与する場合に
は、有効成分の合計として、通常成人1日あたり1〜3
00mg/kg、好ましくは3〜30mg/kgを1〜3回に分
けて投与すればよく飲食物等に添加して日常的に摂取す
る場合も、経口投与ととほぼ同様に行えばよい。これら
は、年齢、症状等により適宜増減することが可能であ
る。
【0040】
【実施例】以下、試験例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。
【0041】
【実施例】
実施例1 千日紅(Gomphrena globosa L)の種をすりつぶし、90
%メタノールで抽出し、メタノール可溶部をHP−20
カラムに吸着させた。80%アセトンで溶離する画分を
集め、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル/メタノール/水)行い、得られた活性画分を逆
相HPLC(センシュウパックVP−304−325
1、8mmx250mm)により精製した。このように
してえられた物質について、ヨードリチウムによる加水
分解或いは酵素(ホラ貝グリコシダーゼ混合物)による
加水分解を施し、分解物を得た。これらの分解物につい
てSIマススペクトル、1H−、13C−NMRスペクトル
を測定し、オレアノール酸をアグリコンとし、28位に
グルコースを、3位にグルクロン酸、アラビノース、X
を含む3種で構成される糖鎖を有するサポニンであるこ
とが判明した。さらにXを明らかにするために、分解前
の化合物のネガティブモードFABマススペクトルを測
定し、その分子イオンピークとフラグメントのパターン
より3位の糖鎖を構成する糖の種類とその結合順序を以
下のように決定した。本物質は、今迄に報告のない新規
なサポニンであり千日紅の学名からゴンフレノシドと命
名した。ホラ貝グリコシダーゼによる加水分解で得られ
る分解物(3位の糖鎖が切断されたもの)の1H−NM
Rと13C−NMR、分解前の化合物の13C−NMR、ネ
ガティブモードFABマススペクトルデータを以下に示
した。
【0042】酵素分解物1 H-NMR (C5D5N): δ 6.15(1H, d, J=8.0Hz), 5.65(1H,
br), 5.25(1H, s), 4.26(1H, dd, J=2.2Hz, 11.8Hz),
4.12〜4.24(2H, m), 4.08(1H, t-like dd, J=8.8Hz, 9.
7Hz), 4.00(1H, t-like dd, J=8.7Hz, 8.8Hz), 3.82(1
H, m), 3.22(1H,m), 3.00(1H, dd, J=4.0Hz, 13.8Hz),
2.10〜2.20(1H, m), 1.82〜2.00(2H, m),1.67〜1.80(3
H, m), 1.40〜1.66(6H, m), 1.22〜1.36(3H, m), 1.06
〜1.20(3H,m), 1.02(3H, s), 1.01(3H, s), 0.92(3H,
s), 0.81(3H, s), 0.70(3H, s), 0.69(3H, s), 0.67(3
H, s).13 C-NMR (C5D5N): δ 176.7s, 144.4s, 123.2d, 96.01
d, 79.58d, 79.15d, 78.32d, 74.37d, 71.33d, 62.42t,
56.05d, 48.39d, 47.25s, 46.46d, 42.38s, 42.00d, 4
0.17s, 39.60s, 39.22t, 37.60s, 34.23t, 33.36q, 33.
35t, 32.77t, 31.01s, 29.01q, 28.50t, 28.34t, 26.33
q, 24.06t, 23.89q, 23.67t, 19.05t, 17.75q, 16.77q,
15.87q.
【0043】分解前の化合物13 C-NMR(C5D5N-D2O):δ13.52(C-25), 14.78(C-24), 1
6.73(C-26), 17.74(rha-6), 17.81(C-6), 23.03(C-11),
22.65(C-16), 22.93(C-30), 25.36(C-27), 25.65(C-
2), 27.08(C-23), 27.51(C-15), 30.03 (C-20), 31.78
(C-22), 32.38(C-7), 32.43(C-29), 33.23(C-21), 36.1
2(C-10), 37.96(C-1), 38.87(C-4), 39.12(C-8), 41.01
(C-18), 41.34(C-14), 45.52(C-19), 46.37(C-17), 47.
24(C-9), 55.13(C-5), 61.28(glc-6), 66.15(xyl-5), 6
9.21(xyl-4), 70.16(glcA-5), 70.34(glcA-4), 71.41(g
lc-4), 71.56(rha-2), 71.69(rha-3), 73.10(rha-4), 7
3.13(glc-2), 74.79(xyl-2), 75.53*(rha-5), 77.10*(g
lcA-2), 77.66(xyl-3), 78.32* *(glc-3), 78.38**(glc-
5), 82.99(glcA-3), 89.39(C-3), 94.96(glc-1), 102.0
(rha-1), 103.6(xyl-1), 104.1(glcA-1), 122.2(C-12),
143.4(C-13), 174.5s(glcA-6), 176.2s(C-28). MS (FAB-MS) m/z=1071 (M-H)-. MS (HRFAB-MS) m/z=1071.5390 (1071.5377 ; 計算値).
【0044】
【化14】
【0045】〔式中、GlcAはグルクロン酸、Rhaはラム
ノース、Xylはキシロースの糖残基を表す。〕
【0046】試験例1.ヘリコバクター・ピロリに対す
る抗菌活性の測定 (方法) ヘリコバクター・ピロリの培養 ATCC43579,ATCC43629,ATCC4
3526の3種の株を各々ブルセラ寒天培地上に(Difc
o社製ブルセラブロス28g/リットルに、馬血清を7
%、寒天1.5%を添加したもの)植え付け、カンピロ
パック(ダイアヤトロン製)を用いて48時間、37度
で嫌気培養する。
【0047】抗菌試験 得られた培養菌体を適量取り、生理食塩水に懸濁し、バ
クテリアカウンターで定量する。菌の濃度が3x107
/mlとなるように調製する。96ウエルU字底プレー
トに、牛胎仔血清を5%添加したミューラーヒントン培
地(Difco社製ミューラーヒントンブロス21gを1リッ
トルの水に溶かしオートクレーブ滅菌したもの)でサン
プルの希釈列を作る。サンプルの希釈液100μlに対
し5μlのヘリコバクター・ピロリ菌液を加え、嫌気性
下、37度48時間培養する。陽性コントロールとして
エリスロマイシンを用いる。結果の判定は、肉眼による
菌の生育観察および吸光度(630nm)の測定で行う。
【0048】大腸菌の培養 大腸菌(E.coli ATCC25922)は、LB寒天培地
(食塩0.5%、バクトトリプトン1%、バクトイーストエ
キストラクト0.5%、寒天1.5%)上にまき37度18時
間培養する。これを生理食塩水で、菌の濃度が3x10
7/mlとなるように調製する。この菌液をミューラー
ヒントン培地を用いた96ウエルプレートでの抗菌試験
に用いる。37度で18時間培養した後に結果の判定を
行う。陽性コントロール薬剤として硫酸カナマイシンを
用いた。
【0049】黄色ブドウ球菌の培養 黄色ブドウ球菌(S.aureus ATCC25923)は、
TGY培地(Difco社製バクトトリプトン0.5%、酵母エキ
ス0.5%、グルコース 0.1%、KH2PO4 0.1%,
寒天 2.0%)で37度18時間培養後、生理食塩水
に3x107/mlとなるように懸濁する。これを菌液
として大腸菌の場合と同様にして抗菌試験に用いる。陽
性コントロール薬剤としては、エリスロマイシンを用い
た。 糸状菌の培養 糸状菌A.terreus IFO6365をPSA培地(ジャガ
イモ200グラムの煮出し汁、シュクロース20グラ
ム、寒天20グラムを1リットルの蒸留水に溶かし、オ
ートクレーブ滅菌したもの。pH6.0)で培養した後、
生理食塩水で2.4X107〜3X107/mlに調製する。
これを菌液とし、ミューラーヒントン培地を用いた96
ウエルプレートでの抗菌試験を行い28度48時間培養
後に生育の有無を判定した。陽性コントロール薬剤とし
ては、ナイスタチンを用いた。
【0050】(試験結果)本発明のサポニン類と各種陽
性コントロールの薬剤のMIC(最小生育阻止濃度)を
表1に示す。
【0051】
【表1】 表1.抗菌活性試験結果 ────────────────────────────────── MIC(μg/ml) H.pyroli E.coli S.aureus A.terreus ATCC 43579 43629 43526 25922 25923 IFO6365 ──────────────────────────────────コ゛ンフレノシト゛ 6.25 6.25 12.5 >100 >100 >100チクセツサホ゜ニン IVa 12.5 6.25 12.5 >100 >100 >100フサンコ゛シト゛ B 12.5 25 6.25 >100 >100 >100フサンコ゛シト゛ C 50 25 6.25 >100 >100 >100フサンコ゛シト゛ D 6.25 0.39 6.25 >100 >100 >100ムクロシ゛サホ゜ニン X >100 12.5 50 >100 50 >100サイコサホ゜ニン A 12.5 12.5 100 >100 >100 >100サイコサホ゜ニン D 50 25 25 >100 >100 >100 Cp-4 12.5 12.5 12.5 >100 >100 >100 Cp-6 25 50 12.5 >100 >100 >100ツヘ゛イモシト゛ー 3 50 12.5 25 >100 >100 >100 ──────────────────────────────────エリスロマイシン 0.1 0.1 0.1 ー 0.4 ーカナマイシン ー ー ー 6.25 ー ーナイスタチン ー ー ー ー ー 6.25 ────────────────────────────────── 表1より、本発明の化合物は、ヘリコバクター・ピロリ
に対して特異的に抗菌活性を示すことが明らかである。
【0052】
【発明の効果】本発明のサポニン類は、ヘリコバクター
・ピロリに代表されるヘリコバクター属の菌に対し選択
的に抗菌活性を示すことより、長期連続投与による副作
用を示すこと無くヘリコバクター・ピロリの除菌を行う
ことが出来る。従って、ヘリコバクター属の菌に起因す
る十二指腸潰瘍、胃潰瘍、慢性胃炎等の各種の疾患の予
防、治療または再発防止のための薬剤としての用途を有
する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I) 【化1】 [式中、R1は、糖残基を表し、R2は水素原子または水酸
    基を表し、R3はメチル基またはヒドロキシメチル基を表
    し、R4は一般式(II) 【化2】 または、一般式(III) 【化3】 (R5は水素原子または糖残基を表し、R6は水素原子また
    は水酸基を表し、R7とR8は独立に水素原子または水酸基
    を表すが、同時に水酸基を表すことはない。)を表す。
    なお、R1とR5が糖残基であるときは、各々の糖残基が3
    −ヒドロキシメチル−3−メチル−1,5−ペンタジオ
    イル基を介して結合していてもよい。]で示されるサポ
    ニン類を有効成分とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I)におけるR1と一般式(I
    I)におけるR5の糖残基が、グルコース、キシロース、
    グルクロン酸、アラビノース、リボース、ラムノースよ
    り選ばれる単糖類または、それらの同一または異なって
    もよい2乃至は3個が結合してなる多糖類から成る糖残
    基の群より選ばれたものである、請求項1に記載の抗ヘ
    リコバクター・ピロリ剤。
  3. 【請求項3】 式(IV) 【化4】 (式中、GlcAはグルクロン酸、Rhaはラムノース、Xylは
    キシロースの糖残基を表す。)で表されるゴンフレノシ
    ド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006056855A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Maruzen Pharmaceut Co Ltd 免疫賦活剤、抗腫瘍剤、抗老化剤、抗肥満剤及び皮膚化粧料
JP2006056854A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Maruzen Pharmaceut Co Ltd 免疫賦活剤、抗腫瘍剤、抗炎症剤、抗老化剤及び皮膚化粧料
JP2011006333A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Nippon Menaade Keshohin Kk ウレアーゼ活性阻害剤

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