JPH1072346A - N−フェニルフタルイミド誘導体を含有する腫瘍壊死因子産生抑制剤又は血管新生阻害剤 - Google Patents
N−フェニルフタルイミド誘導体を含有する腫瘍壊死因子産生抑制剤又は血管新生阻害剤Info
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- JPH1072346A JPH1072346A JP9171124A JP17112497A JPH1072346A JP H1072346 A JPH1072346 A JP H1072346A JP 9171124 A JP9171124 A JP 9171124A JP 17112497 A JP17112497 A JP 17112497A JP H1072346 A JPH1072346 A JP H1072346A
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- diisopropylphenyl
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- necrosis factor
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/30—Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change
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- Indole Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明はN−フェニルフタルイミド誘導体を
有効成分として含有する腫瘍壊死因子産生抑制剤又は血
管新生阻害剤を提供する。 【解決手段】 前記N−フェニルフタルイミド誘導体は
N−フェニルフタルイミド、N−フェニルチオフタルイ
ミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−フタ
ルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−
3,4,5,6−テトラフルオロ−フタルイミド、N−
(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−ニトロフタ
ルイミド又はN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)
−5−ニトロフタルイミドである。
有効成分として含有する腫瘍壊死因子産生抑制剤又は血
管新生阻害剤を提供する。 【解決手段】 前記N−フェニルフタルイミド誘導体は
N−フェニルフタルイミド、N−フェニルチオフタルイ
ミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−フタ
ルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−
3,4,5,6−テトラフルオロ−フタルイミド、N−
(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−ニトロフタ
ルイミド又はN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)
−5−ニトロフタルイミドである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−フェニルフタ
ルイミド誘導体を有効成分として含有することを特徴と
する腫瘍壊死因子産生抑制剤及び血管新生阻害剤に関す
る。
ルイミド誘導体を有効成分として含有することを特徴と
する腫瘍壊死因子産生抑制剤及び血管新生阻害剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】腫瘍壊死因子(TNF−α)は、腫瘍細
胞に対する細胞毒性、免疫系細胞の一つであるT細胞の
活性化、腫瘍傷害性マクロファージの活性化、好中球の
活性化、線維芽細胞によるインターフェロン−β2 の産
生誘導、免疫系の刺激などの好ましい効果をもつ一方、
その過剰産生は癌転移及び血管新生の促進、エンドトキ
シンショックの誘導、組織炎症の誘導、脂肪球のリポ蛋
白質リパーゼの阻害、ヒト免疫不全ウイルスの複製誘導
などの好まざる効果を発生させるなど、腫瘍壊死因子
(TNF−α)は多面的な作用性を示し、広く炎症、免
疫反応を通し、生体反応制御に係わっているサイトカイ
ンであることが知られている。新たに血管が成長増殖す
る血管新生は、種々の病気、例えば種々の炎症性疾患
(リウマチ、乾せん)、糖尿病性網膜症、癌などの発症
及び進行に関係していることが知られている。バイオケ
ミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・ビュレ
ティン(BIOCHEMICAL&BIOPHYSIC
AL RESEARCH BULLETIN)205巻
3号、1992〜1997、1994年にはN−フェニ
ルフタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニ
ル)−フタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフ
ェニル)−4,5,6,7−テトラフルオロ−フタルイ
ミドなどのN−フェニルフタルイミド誘導体が開示さ
れ、そのうちN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)
−フタルイミド及びN−(2,6−ジイソプロピルフェ
ニル)−4,5,6,7−テトラフルオロ−フタルイミ
ドは、12−O−テトラデカノイルフォルボール−13
−アセテート(TPA)で刺激されたヒト白血病細胞
(HL−60)による腫瘍壊死因子(TNF−α)の産
生を亢進することが開示されている。
胞に対する細胞毒性、免疫系細胞の一つであるT細胞の
活性化、腫瘍傷害性マクロファージの活性化、好中球の
活性化、線維芽細胞によるインターフェロン−β2 の産
生誘導、免疫系の刺激などの好ましい効果をもつ一方、
その過剰産生は癌転移及び血管新生の促進、エンドトキ
シンショックの誘導、組織炎症の誘導、脂肪球のリポ蛋
白質リパーゼの阻害、ヒト免疫不全ウイルスの複製誘導
などの好まざる効果を発生させるなど、腫瘍壊死因子
(TNF−α)は多面的な作用性を示し、広く炎症、免
疫反応を通し、生体反応制御に係わっているサイトカイ
ンであることが知られている。新たに血管が成長増殖す
る血管新生は、種々の病気、例えば種々の炎症性疾患
(リウマチ、乾せん)、糖尿病性網膜症、癌などの発症
及び進行に関係していることが知られている。バイオケ
ミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・ビュレ
ティン(BIOCHEMICAL&BIOPHYSIC
AL RESEARCH BULLETIN)205巻
3号、1992〜1997、1994年にはN−フェニ
ルフタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニ
ル)−フタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフ
ェニル)−4,5,6,7−テトラフルオロ−フタルイ
ミドなどのN−フェニルフタルイミド誘導体が開示さ
れ、そのうちN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)
−フタルイミド及びN−(2,6−ジイソプロピルフェ
ニル)−4,5,6,7−テトラフルオロ−フタルイミ
ドは、12−O−テトラデカノイルフォルボール−13
−アセテート(TPA)で刺激されたヒト白血病細胞
(HL−60)による腫瘍壊死因子(TNF−α)の産
生を亢進することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題とその手段】本発明者等
は、一定のN−フェニルフタルイミド誘導体が腫瘍壊死
因子(TNF−α)の産生を抑制することを見出した。
すなわち本発明は、N−フェニルフタルイミド、N−フ
ェニルチオフタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピ
ルフェニル)−フタルイミド、N−(2,6−ジイソプ
ロピルフェニル)−4,5,6,7−テトラフルオロ−
フタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニ
ル)−4−ニトロフタルイミド及びN−(2,6−ジイ
ソプロピルフェニル)−5−ニトロフタルイミドからな
る群より選ばれた少なくとも一つのN−フェニルフタル
イミド誘導体を有効成分として含有することを特徴とす
る腫瘍壊死因子産生抑制剤及び血管新生阻害剤に関す
る。
は、一定のN−フェニルフタルイミド誘導体が腫瘍壊死
因子(TNF−α)の産生を抑制することを見出した。
すなわち本発明は、N−フェニルフタルイミド、N−フ
ェニルチオフタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピ
ルフェニル)−フタルイミド、N−(2,6−ジイソプ
ロピルフェニル)−4,5,6,7−テトラフルオロ−
フタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニ
ル)−4−ニトロフタルイミド及びN−(2,6−ジイ
ソプロピルフェニル)−5−ニトロフタルイミドからな
る群より選ばれた少なくとも一つのN−フェニルフタル
イミド誘導体を有効成分として含有することを特徴とす
る腫瘍壊死因子産生抑制剤及び血管新生阻害剤に関す
る。
【0004】前記N−フェニルフタルイミド誘導体は種
々の方法によって製造することができるが、そのうち、
N−フェニルフタルイミドは例えば(A)のごとく、無
水フタル酸にアニリンを反応させることにより製造する
ことができ、またN−フェニルチオフタルイミドは以下
(B)のごとく、このN−フェニルフタルイミドと五硫
化二リンと反応させることにより製造することができ
る。
々の方法によって製造することができるが、そのうち、
N−フェニルフタルイミドは例えば(A)のごとく、無
水フタル酸にアニリンを反応させることにより製造する
ことができ、またN−フェニルチオフタルイミドは以下
(B)のごとく、このN−フェニルフタルイミドと五硫
化二リンと反応させることにより製造することができ
る。
【0005】
【化1】
【0006】前記反応(A)について以下に記述する。
反応(A)中、Rはフェニル基である。反応(A)は通
常酸性物質の存在下で行われるが、該酸性物質として
は、例えば酢酸、トルエンスルホン酸のような有機酸;
硫酸、塩酸のような無機酸などから1種又は2種以上が
適宜選択されてもよく、また無水フタル酸が過剰に使用
されてもよい。
反応(A)中、Rはフェニル基である。反応(A)は通
常酸性物質の存在下で行われるが、該酸性物質として
は、例えば酢酸、トルエンスルホン酸のような有機酸;
硫酸、塩酸のような無機酸などから1種又は2種以上が
適宜選択されてもよく、また無水フタル酸が過剰に使用
されてもよい。
【0007】反応(A)は必要に応じて溶媒の存在下で
行われるが、該溶媒としては、反応に不活性なものであ
ればいずれのものでもよく、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素
類;ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルスルホキ
シド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの
ような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上
が適宜選択される。反応(A)の反応温度は、反応条件
の相違により異なり一概に規定できないが、通常100
〜200℃、望ましくは140〜200℃であり、反応
時間は通常1〜4時間、望ましくは1〜2時間である。
行われるが、該溶媒としては、反応に不活性なものであ
ればいずれのものでもよく、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼンのような芳香族炭化水素
類;ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルスルホキ
シド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの
ような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上
が適宜選択される。反応(A)の反応温度は、反応条件
の相違により異なり一概に規定できないが、通常100
〜200℃、望ましくは140〜200℃であり、反応
時間は通常1〜4時間、望ましくは1〜2時間である。
【0008】次に前記反応(B)について以下に記述す
る。反応(B)中、Rはフェニル基である。反応(B)
は必要に応じて溶媒の存在下で行われるが、該溶媒とし
ては、反応に不活性なものであればいずれのものでもよ
く、例えば前記反応(A)の場合と同様のものが挙げら
れ、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンの
ような芳香族炭化水素類;ジオキサンのようなエーテル
類;ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒など
から1種又は2種以上が適宜選択される。反応(B)の
反応温度は、同様に一概に規定できないが、通常100
〜200℃、望ましくは120〜180℃であり、反応
時間は通常0.5〜40時間、望ましくは1〜40時間
である。尚、反応(B)においては、五硫化二リンとし
て、その二量体を用いることができる。また、該反応に
おいては、任意の反応条件によって、モノチオタイプの
みを選択的に製造したり、モノチオタイプとジチオタイ
プの混合物を製造したりすることが可能であり、モノチ
オタイプとジチオタイプの混合物が得られた際は、カラ
ム分離などの精製手段によって両者を分離することがで
きる。その他の前記N−フェニルフタルイミド誘導体4
点については、前記反応(A)における無水フタル酸と
アニリンに代えて、目的化合物に対応する無水フタル酸
誘導体と2,6−ジイソプロピルアニリンとを反応させ
ることにより同様に製造することができる。
る。反応(B)中、Rはフェニル基である。反応(B)
は必要に応じて溶媒の存在下で行われるが、該溶媒とし
ては、反応に不活性なものであればいずれのものでもよ
く、例えば前記反応(A)の場合と同様のものが挙げら
れ、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンの
ような芳香族炭化水素類;ジオキサンのようなエーテル
類;ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒など
から1種又は2種以上が適宜選択される。反応(B)の
反応温度は、同様に一概に規定できないが、通常100
〜200℃、望ましくは120〜180℃であり、反応
時間は通常0.5〜40時間、望ましくは1〜40時間
である。尚、反応(B)においては、五硫化二リンとし
て、その二量体を用いることができる。また、該反応に
おいては、任意の反応条件によって、モノチオタイプの
みを選択的に製造したり、モノチオタイプとジチオタイ
プの混合物を製造したりすることが可能であり、モノチ
オタイプとジチオタイプの混合物が得られた際は、カラ
ム分離などの精製手段によって両者を分離することがで
きる。その他の前記N−フェニルフタルイミド誘導体4
点については、前記反応(A)における無水フタル酸と
アニリンに代えて、目的化合物に対応する無水フタル酸
誘導体と2,6−ジイソプロピルアニリンとを反応させ
ることにより同様に製造することができる。
【0009】前記N−フェニルフタルイミド誘導体は腫
瘍壊死因子(TNF−α)産生の抑制作用及び/又は血
管新生阻害作用を有するので、様々な疾患の治療及び予
防に有効利用される。本発明の腫瘍壊死因子(TNF−
α)産生抑制剤は、生体内におけるTNF−α量の低減
を可能にし、移植片の拒絶、移植片対宿主症候群や免疫
系の疾患などに対して治療効果を有する免疫抑制剤とし
て用いることが可能であり、また、TNF−αが関与す
るその他の疾患に対しても治療効果を有する。前述の免
疫系の疾患としては、リウマチ熱、リウマチ様関節炎等
の自己免疫疾患、癩性結節紅斑、ベーチェット病、狼瘡
紅斑症、アフタ性潰瘍などが挙げられ、TNF−αが関
与するその他の疾患として、癌や感染症における悪液
質、敗血症ショック、成人呼吸窮迫症候群、変形性関節
症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、多臓器不全、マラリ
ア、髄膜炎、肝炎、糖尿病、後天性免疫不全症候群など
が挙げられる。さらに癌治療などにおいてTNF−α量
が著しく増加する場合においても、誘導された過剰なT
NF−αによる副作用などを、本発明の腫瘍壊死因子
(TNF−α)産生抑制剤を併用することにより抑える
ことが可能である。本発明の血管新生阻害剤は、生体内
における血管新生を阻害することを可能にし、血管新生
が関与する様々な疾患の発症あるいは進行を抑制するこ
とができる。これらの疾患として具体的には、癌や癌転
移;血管腫、聴神経腫、神経繊維腫、トラコーマ、化膿
性肉芽腫、肉芽など良性腫瘍;リウマチ性関節炎などの
各種慢性炎症;乾せん;糖尿病性網膜症、未熟児網膜
症、黄斑変性症、緑内障、後水晶体繊維増殖症、網膜中
心静脈閉鎖症などの血管新生が関与する眼病;角膜移植
に伴う血管新生;肥大性はん痕;アテローム性動脈硬化
症;浮腫性硬化症;腎症などが挙げられる。特に以下の
ような態様が望ましい。
瘍壊死因子(TNF−α)産生の抑制作用及び/又は血
管新生阻害作用を有するので、様々な疾患の治療及び予
防に有効利用される。本発明の腫瘍壊死因子(TNF−
α)産生抑制剤は、生体内におけるTNF−α量の低減
を可能にし、移植片の拒絶、移植片対宿主症候群や免疫
系の疾患などに対して治療効果を有する免疫抑制剤とし
て用いることが可能であり、また、TNF−αが関与す
るその他の疾患に対しても治療効果を有する。前述の免
疫系の疾患としては、リウマチ熱、リウマチ様関節炎等
の自己免疫疾患、癩性結節紅斑、ベーチェット病、狼瘡
紅斑症、アフタ性潰瘍などが挙げられ、TNF−αが関
与するその他の疾患として、癌や感染症における悪液
質、敗血症ショック、成人呼吸窮迫症候群、変形性関節
症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、多臓器不全、マラリ
ア、髄膜炎、肝炎、糖尿病、後天性免疫不全症候群など
が挙げられる。さらに癌治療などにおいてTNF−α量
が著しく増加する場合においても、誘導された過剰なT
NF−αによる副作用などを、本発明の腫瘍壊死因子
(TNF−α)産生抑制剤を併用することにより抑える
ことが可能である。本発明の血管新生阻害剤は、生体内
における血管新生を阻害することを可能にし、血管新生
が関与する様々な疾患の発症あるいは進行を抑制するこ
とができる。これらの疾患として具体的には、癌や癌転
移;血管腫、聴神経腫、神経繊維腫、トラコーマ、化膿
性肉芽腫、肉芽など良性腫瘍;リウマチ性関節炎などの
各種慢性炎症;乾せん;糖尿病性網膜症、未熟児網膜
症、黄斑変性症、緑内障、後水晶体繊維増殖症、網膜中
心静脈閉鎖症などの血管新生が関与する眼病;角膜移植
に伴う血管新生;肥大性はん痕;アテローム性動脈硬化
症;浮腫性硬化症;腎症などが挙げられる。特に以下の
ような態様が望ましい。
【0010】(1)前記N−フェニルフタルイミド誘導
体のうちの少なくとも一つを有効成分として含有する腫
瘍壊死因子産生抑制剤。 (2)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する免疫抑制剤。 (3)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する抗炎症剤。 (4)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する抗糖尿病剤。 (5)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する血管新生阻害
剤。 (6)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する抗リウマチ剤。 (7)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する抗敗血症ショッ
ク剤。
体のうちの少なくとも一つを有効成分として含有する腫
瘍壊死因子産生抑制剤。 (2)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する免疫抑制剤。 (3)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する抗炎症剤。 (4)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する抗糖尿病剤。 (5)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する血管新生阻害
剤。 (6)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する抗リウマチ剤。 (7)前記N−フェニルフタルイミド誘導体のうちの少
なくとも一つを有効成分として含有する抗敗血症ショッ
ク剤。
【0011】本発明の腫瘍壊死因子(TNF−α)産生
抑制剤及び血管新生阻害剤は前記N−フェニルフタルイ
ミド誘導体を単独或いは通常薬理的に許容される各種製
剤補助剤と混合して、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒
剤、注射剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、点眼剤、吸入
剤、軟膏剤、坐剤等の経口的、非経口的、局所的又は直
腸的な使用に適した製剤調製物の形態で投与される。
抑制剤及び血管新生阻害剤は前記N−フェニルフタルイ
ミド誘導体を単独或いは通常薬理的に許容される各種製
剤補助剤と混合して、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒
剤、注射剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、点眼剤、吸入
剤、軟膏剤、坐剤等の経口的、非経口的、局所的又は直
腸的な使用に適した製剤調製物の形態で投与される。
【0012】経口的使用に適した製剤としては、例えば
錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、トローチのような
固形組成物や、液剤、シロップ剤、懸濁剤のような液状
組成物等が挙げられる。前記固形組成物を製剤調製する
際は、製剤補助剤として、カルボキシメチルセルロー
ス、アラビアゴム、トラガント末、炭酸カルシウム、ゼ
ラチン、ポリビニルピロリドン、水、エタノール、ブド
ウ糖液、デンプン液のような結合剤;澱粉、乳糖、白
糖、ブドウ糖、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、カル
ボキシメチルセルロース、ケイ酸のような賦形剤;アル
ギン酸、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムのような崩壊剤;ス
テアリン酸マグネシウム、軽質無水珪酸、尿素のような
潤滑剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類、アルキル硫酸塩類のような界面活性剤;ゼラチンの
ようなカプセル基剤;その他甘味剤、風味剤、崩壊抑制
剤、吸収促進剤、安定化剤、保存剤、粘稠剤などを使用
することができる。また、前記液状組成物を製剤調製す
る際は、製剤補助剤として、ソルビトール、ゼラチン、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、植物
油の他、乳化剤、甘味剤、風味剤、吸収促進剤、安定化
剤、保存剤などを使用することができる。これらの製剤
に際しては、通常、前記N−フェニルフタルイミド誘導
体を0.1〜95重量%、残分として各種製剤補助剤を
含有するように調製される。
錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、トローチのような
固形組成物や、液剤、シロップ剤、懸濁剤のような液状
組成物等が挙げられる。前記固形組成物を製剤調製する
際は、製剤補助剤として、カルボキシメチルセルロー
ス、アラビアゴム、トラガント末、炭酸カルシウム、ゼ
ラチン、ポリビニルピロリドン、水、エタノール、ブド
ウ糖液、デンプン液のような結合剤;澱粉、乳糖、白
糖、ブドウ糖、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、カル
ボキシメチルセルロース、ケイ酸のような賦形剤;アル
ギン酸、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムのような崩壊剤;ス
テアリン酸マグネシウム、軽質無水珪酸、尿素のような
潤滑剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類、アルキル硫酸塩類のような界面活性剤;ゼラチンの
ようなカプセル基剤;その他甘味剤、風味剤、崩壊抑制
剤、吸収促進剤、安定化剤、保存剤、粘稠剤などを使用
することができる。また、前記液状組成物を製剤調製す
る際は、製剤補助剤として、ソルビトール、ゼラチン、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、植物
油の他、乳化剤、甘味剤、風味剤、吸収促進剤、安定化
剤、保存剤などを使用することができる。これらの製剤
に際しては、通常、前記N−フェニルフタルイミド誘導
体を0.1〜95重量%、残分として各種製剤補助剤を
含有するように調製される。
【0013】非経口的使用に適した製剤としては、例え
ば注射剤等が挙げられる。注射剤を調製する際は、蒸留
水、生理食塩水のような担体を使用して溶液、懸濁液、
エマルジョンのごとき注射しうる形に調製する。この場
合、防腐剤としてのベンジルアルコール、抗酸化剤とし
てのアスコルビン酸など薬理的に許容される緩衝液又は
浸透圧調節のための試薬を含有してもよい。この注射剤
は、通常前記N−フェニルフタルイミド誘導体を0.1
〜10重量%含有するように調製される。
ば注射剤等が挙げられる。注射剤を調製する際は、蒸留
水、生理食塩水のような担体を使用して溶液、懸濁液、
エマルジョンのごとき注射しうる形に調製する。この場
合、防腐剤としてのベンジルアルコール、抗酸化剤とし
てのアスコルビン酸など薬理的に許容される緩衝液又は
浸透圧調節のための試薬を含有してもよい。この注射剤
は、通常前記N−フェニルフタルイミド誘導体を0.1
〜10重量%含有するように調製される。
【0014】局所的又は直腸的使用に適した製剤として
は、例えば点眼剤、吸入剤、軟膏剤、坐剤等が挙げられ
る。点眼剤としては、薬理的に許容される担体を用いて
慣用の方法により調製される。吸入剤としては、前記N
−フェニルフタルイミド誘導体自体又は薬理的に許容さ
れる不活性担体とともにエアゾル又はネブライザー用の
溶液に溶解させるか或は、吸入用微粉末として呼吸器官
へ投与できる。軟膏剤は、通常使用される基剤等を添加
し、慣用の方法により調製されるが、通常、前記N−フ
ェニルフタルイミド誘導体を0.1〜30重量%含有す
るように調製される。坐剤は、当該分野において周知の
担体、例えばポリエチレングリコール、ラノリン、カカ
オ脂、脂肪酸トリグリセライド等を使用して慣用の方法
により調製されるが、通常、前記N−フェニルフタルイ
ミド誘導体を0.1〜95重量%含有するように調製さ
れる。
は、例えば点眼剤、吸入剤、軟膏剤、坐剤等が挙げられ
る。点眼剤としては、薬理的に許容される担体を用いて
慣用の方法により調製される。吸入剤としては、前記N
−フェニルフタルイミド誘導体自体又は薬理的に許容さ
れる不活性担体とともにエアゾル又はネブライザー用の
溶液に溶解させるか或は、吸入用微粉末として呼吸器官
へ投与できる。軟膏剤は、通常使用される基剤等を添加
し、慣用の方法により調製されるが、通常、前記N−フ
ェニルフタルイミド誘導体を0.1〜30重量%含有す
るように調製される。坐剤は、当該分野において周知の
担体、例えばポリエチレングリコール、ラノリン、カカ
オ脂、脂肪酸トリグリセライド等を使用して慣用の方法
により調製されるが、通常、前記N−フェニルフタルイ
ミド誘導体を0.1〜95重量%含有するように調製さ
れる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例を記載するが、まず、前
記N−フェニルフタルイミド誘導体の合成例を記載す
る。
記N−フェニルフタルイミド誘導体の合成例を記載す
る。
【0016】合成例1 N−フェニルフタルイミド
(後記化合物No.1)の合成 氷冷下で、無水フタル酸1.48gとアニリン0.93
1gとを混合し、180℃で2時間反応させた。反応終
了後、酢酸エチルに溶解させ、炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、水で洗浄した後飽和食塩水で洗浄した。次
いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後濃縮
し、乾燥させて固型化した。その後、エタノールを用い
て再結晶させて、目的物化合物1.10gを得た。この
ものは下記の物性及び分析値を示した。 mp.209〜211℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 7.96(2H,
m),7.80(2H,m),7.52(2H,m),7.43(3H,m) C14H9 NO2
(後記化合物No.1)の合成 氷冷下で、無水フタル酸1.48gとアニリン0.93
1gとを混合し、180℃で2時間反応させた。反応終
了後、酢酸エチルに溶解させ、炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、水で洗浄した後飽和食塩水で洗浄した。次
いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後濃縮
し、乾燥させて固型化した。その後、エタノールを用い
て再結晶させて、目的物化合物1.10gを得た。この
ものは下記の物性及び分析値を示した。 mp.209〜211℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 7.96(2H,
m),7.80(2H,m),7.52(2H,m),7.43(3H,m) C14H9 NO2
【0017】合成例2 N−(2,6−ジイソプロピル
フェニル)−フタルイミド(後記化合物No.2)の合
成 無水フタル酸7.41gと2,6−ジイソプロピルアニ
リン8.86gとを混合し、180℃で2時間反応させ
た。反応終了後、反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水で洗浄した後飽
和食塩水で洗浄した。次いで、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、濾過した後濃縮し、乾燥させて固型化した。そ
の後、エタノールを用いて再結晶させて、目的化合物
9.06g(収率62.5%)を得た。このものは下記
の物性及び分析値を示した。 mp.172℃1 H−NMR( 60MHz,CDCl3 ):δ 7.87(4H,
m),7.26(3H,m),2.72(2H,q,J=8.8Hz),1.21(12H,d,J=8.8H
z) C20H21NO2
フェニル)−フタルイミド(後記化合物No.2)の合
成 無水フタル酸7.41gと2,6−ジイソプロピルアニ
リン8.86gとを混合し、180℃で2時間反応させ
た。反応終了後、反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水で洗浄した後飽
和食塩水で洗浄した。次いで、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、濾過した後濃縮し、乾燥させて固型化した。そ
の後、エタノールを用いて再結晶させて、目的化合物
9.06g(収率62.5%)を得た。このものは下記
の物性及び分析値を示した。 mp.172℃1 H−NMR( 60MHz,CDCl3 ):δ 7.87(4H,
m),7.26(3H,m),2.72(2H,q,J=8.8Hz),1.21(12H,d,J=8.8H
z) C20H21NO2
【0018】合成例3 N−(2,6−ジイソプロピル
フェニル)−4,5,6,7−テトラフロロ−フタルイ
ミド(後記化合物No.3)の合成 3,4,5,6−テトラフロロ無水フタル酸0.2gと
2,6−ジイソプロピルアニリン0.161gとを混合
し、150℃で2時間融解して、反応させた。反応終了
後、反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濾過した後濃縮し、乾燥させて固型
化した。その後、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物
を用いて再結晶させて、目的化合物0.198g(収率
57%)を得た。このものは下記の物性及び分析値を示
した。 mp.167.0℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 7.48(1H,t,
J=7.73Hz),7.30(2H,d,J=7.73Hz),2.63(2H,7分裂,J=6.90
Hz),1.17(12H,d,J=6.90Hz) C20H17F4 NO2
フェニル)−4,5,6,7−テトラフロロ−フタルイ
ミド(後記化合物No.3)の合成 3,4,5,6−テトラフロロ無水フタル酸0.2gと
2,6−ジイソプロピルアニリン0.161gとを混合
し、150℃で2時間融解して、反応させた。反応終了
後、反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濾過した後濃縮し、乾燥させて固型
化した。その後、ヘキサンとジクロロメタンとの混合物
を用いて再結晶させて、目的化合物0.198g(収率
57%)を得た。このものは下記の物性及び分析値を示
した。 mp.167.0℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 7.48(1H,t,
J=7.73Hz),7.30(2H,d,J=7.73Hz),2.63(2H,7分裂,J=6.90
Hz),1.17(12H,d,J=6.90Hz) C20H17F4 NO2
【0019】合成例4 N−(2,6−ジイソプロピル
フェニル)−4−ニトロフタルイミド(後記化合物N
o.4)の合成 3−ニトロフタル酸を約220℃で脱水して得た無水物
0.386gと2,6−ジイソプロピルアニリン0.3
54gとを混合し、180℃で4時間反応させた。反応
終了後、反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、濾過した後濃縮し、乾燥させて
固型化した。その後、ヘキサンと酢酸エチルとの混合物
を用いて再結晶させて、目的化合物0.320g(収率
45%)を得た。このものは下記の物性及び分析値を示
した。 mp.157〜158℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.23(1H,d,
J=7.86Hz),8.21(1H,d,J=7.86Hz),8.01(1H,d,J=7.86Hz),
7.48(1H,t,J=7.83Hz),7.30(2H,d,J=7.83Hz),2.66(2H,7
分裂,J=6.61Hz),1.19(6H,d,J=6.61Hz),1.18(6H,d,J=6.6
1Hz) C20H20N2 O4
フェニル)−4−ニトロフタルイミド(後記化合物N
o.4)の合成 3−ニトロフタル酸を約220℃で脱水して得た無水物
0.386gと2,6−ジイソプロピルアニリン0.3
54gとを混合し、180℃で4時間反応させた。反応
終了後、反応混合物を酢酸エチルに溶解させ、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、濾過した後濃縮し、乾燥させて
固型化した。その後、ヘキサンと酢酸エチルとの混合物
を用いて再結晶させて、目的化合物0.320g(収率
45%)を得た。このものは下記の物性及び分析値を示
した。 mp.157〜158℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.23(1H,d,
J=7.86Hz),8.21(1H,d,J=7.86Hz),8.01(1H,d,J=7.86Hz),
7.48(1H,t,J=7.83Hz),7.30(2H,d,J=7.83Hz),2.66(2H,7
分裂,J=6.61Hz),1.19(6H,d,J=6.61Hz),1.18(6H,d,J=6.6
1Hz) C20H20N2 O4
【0020】合成例5 N−(2,6−ジイソプロピル
フェニル)−5−ニトロフタルイミド(後記化合物N
o.5)の合成 4−ニトロフタル酸(20%の3−ニトロフタル酸を含
む)を約190℃で脱水して得た無水物0.386gと
2,6−ジイソプロピルアニリン0.354gとを混合
し、180℃で4時間反応させた。反応終了後、反応混
合物を酢酸エチルに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、濾過した後濃縮し、乾燥させて固型化した。そ
の後、ヘキサンとエタノールとの混合物を用いて再結晶
させて、目的化合物0.352g(収率50%)を得
た。このものは下記の物性及び分析値を示した。 mp.161〜162℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.81(1H,d,
J=2.14Hz),8.71(1H,dd,J=8.14,2.04Hz),8.18(1H,d,J=8.
14Hz),7.49(1H,t,J=7.73Hz),7.32(2H,d,J=7.73Hz),2.64
(2H,7分裂,J=6.90Hz),1.17(12H,d,J=6.90Hz) C20H20N2 O4
フェニル)−5−ニトロフタルイミド(後記化合物N
o.5)の合成 4−ニトロフタル酸(20%の3−ニトロフタル酸を含
む)を約190℃で脱水して得た無水物0.386gと
2,6−ジイソプロピルアニリン0.354gとを混合
し、180℃で4時間反応させた。反応終了後、反応混
合物を酢酸エチルに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、濾過した後濃縮し、乾燥させて固型化した。そ
の後、ヘキサンとエタノールとの混合物を用いて再結晶
させて、目的化合物0.352g(収率50%)を得
た。このものは下記の物性及び分析値を示した。 mp.161〜162℃1 H−NMR(500MHz,CDCl3 ):δ 8.81(1H,d,
J=2.14Hz),8.71(1H,dd,J=8.14,2.04Hz),8.18(1H,d,J=8.
14Hz),7.49(1H,t,J=7.73Hz),7.32(2H,d,J=7.73Hz),2.64
(2H,7分裂,J=6.90Hz),1.17(12H,d,J=6.90Hz) C20H20N2 O4
【0021】次に本発明に係る試験例を記載する。 試験例1 ヒト白血病細胞HL−60はオカダ酸(9,10−De
epithio−9,10−didehydroaca
nthifolicin)により刺激され腫瘍壊死因子
(TNF−α)を産生するが、これらのTNF−α産生
または分泌に及ぼす前記N−フェニルフタルイミド誘導
体の影響をみた。ヒト白血病細胞(HL−60)をRP
MI1640培地(5%牛胎児血清を含む)を用い、炭
酸ガスインキュベータ内(5%CO2 、加湿下、37
℃)で培養した。次にこの細胞を、RPMI1640培
地(10%牛胎児血清を含む)で前培養し、対数増殖期
にあるHL−60細胞(5×105 細胞/ml)に対し
最終濃度50nMとなるようにオカダ酸(埼玉県立ガン
センター、藤木博太氏より分譲)を加え、更にN−フェ
ニルフタルイミド誘導体を所望の濃度となるように加え
細胞懸濁液とし、炭酸ガスインキュベータ内(5%CO
2 、加湿下、37℃)で培養した。この培養では24穴
のマルチプレート(コーニング社製)を使用し、前述の
細胞懸濁液を1穴あたり0.5ml分注して細胞を培養
した。培養16時間後、遠心(1000rpm×10m
in.)により細胞を除き、上清中のTNF−α量を、
ヒトTNF−α ELISAシステム(Amersha
m社製)を用い、Amersham社の方法に従って測
定した。測定結果を第1表に示すが、表中の数値は最終
濃度50nMのオカダ酸のみで処理した場合の培地上清
中のTNF−α量を100%としたときの値である。第
1表から明らかなように、前記N−フェニルフタルイミ
ド誘導体はオカダ酸で刺激されたHL−60細胞による
TNF−α産生または分泌を抑制した。
epithio−9,10−didehydroaca
nthifolicin)により刺激され腫瘍壊死因子
(TNF−α)を産生するが、これらのTNF−α産生
または分泌に及ぼす前記N−フェニルフタルイミド誘導
体の影響をみた。ヒト白血病細胞(HL−60)をRP
MI1640培地(5%牛胎児血清を含む)を用い、炭
酸ガスインキュベータ内(5%CO2 、加湿下、37
℃)で培養した。次にこの細胞を、RPMI1640培
地(10%牛胎児血清を含む)で前培養し、対数増殖期
にあるHL−60細胞(5×105 細胞/ml)に対し
最終濃度50nMとなるようにオカダ酸(埼玉県立ガン
センター、藤木博太氏より分譲)を加え、更にN−フェ
ニルフタルイミド誘導体を所望の濃度となるように加え
細胞懸濁液とし、炭酸ガスインキュベータ内(5%CO
2 、加湿下、37℃)で培養した。この培養では24穴
のマルチプレート(コーニング社製)を使用し、前述の
細胞懸濁液を1穴あたり0.5ml分注して細胞を培養
した。培養16時間後、遠心(1000rpm×10m
in.)により細胞を除き、上清中のTNF−α量を、
ヒトTNF−α ELISAシステム(Amersha
m社製)を用い、Amersham社の方法に従って測
定した。測定結果を第1表に示すが、表中の数値は最終
濃度50nMのオカダ酸のみで処理した場合の培地上清
中のTNF−α量を100%としたときの値である。第
1表から明らかなように、前記N−フェニルフタルイミ
ド誘導体はオカダ酸で刺激されたHL−60細胞による
TNF−α産生または分泌を抑制した。
【0022】
【表1】
【0023】試験例2(マウス皮下血管新生に及ぼす本
発明化合物の影響) マトリゲルにリコンビナント ヒューマン フイブロブ
ラスト グロース ファクター−ベーシックを添加した
混合物をマウスの背部皮下に注入することで、マウス皮
下において血管新生が起こり、マトリゲル中のヘモグロ
ビン量を測定することで血管新生を定量することができ
る。そこで、この血管新生に及ぼす本発明化合物の影響
をみた。マトリゲル(Matrigel登録商標;ベー
スメント メンブレン マトリクス フェノール不含、
ベクトン ディッキンソン ラブウェア社;Becto
n Dickinson Labwareより購入)を
ダルベッコズ モディファイド イーグルス メヂウム
(Dulbecco’s modified Eagl
e’s medium;シグマ社より購入)に加え9m
g/mlになるように調製し、ここへリコンビナント
ヒューマン フイブロブラスト グロースファクター−
ベーシック;Recombinant Human F
ibroblast Growth Factor−b
asic(b−FGF、インタージェン社;Inter
gen 製)を2μg/700μlとなるように添加し
た。前記混合物を6週齢BALB/c雄性マウス(チャ
ールス・リバー、日本)の背部皮下に700μl/匹注
入した。マトリゲルの注入日より連日、このマウスの腹
腔内に、0.8% ツイーン80(Tween 80;
ナカライテスクより購入)に本発明化合物を所望の濃度
となるように加えた懸濁液を投与した。マトリゲル注入
後8日目にマウス背部皮下より取り出したマトリゲル
を、200μlの1%NH4 OH中に室温下で4時間置
き、ヘモグロビンを抽出した。この抽出液をマトリゲル
ごと遠心分離(10000rpm、5分間)し、得られ
た上清100μlとドラキンズ リエージェント(Dr
akin’s reagent、シグマ社;Shigm
aより購入)500μlとを混合して室温下、静置し
た。15分間以上静置した後、分光光度計SPECTR
A max 250(モレキュラー ディバイス社製;
Molecular Devices)を用いて前記上
清の540nmにおける吸光度を測定した。上清中のヘ
モグロビン量を、標準ヘモグロビン(hemoglob
in standard、シグマ社より購入)を用いて
作成した検量線より求め、前記マウス1匹より得られた
マトリゲル当たりのヘモグロビン量を算出した。結果を
第2表に示すが、各処理区のヘモグロビン量は、b−F
GFを添加していないマトリゲルをマウスに注入し、溶
媒である0.8% ツイーン80(Tween 80)
のみを連日投与した場合の、マトリゲル中のヘモグロビ
ン量により補正してある。本発明化合物はマウス皮下で
起こる血管新生を阻害した。
発明化合物の影響) マトリゲルにリコンビナント ヒューマン フイブロブ
ラスト グロース ファクター−ベーシックを添加した
混合物をマウスの背部皮下に注入することで、マウス皮
下において血管新生が起こり、マトリゲル中のヘモグロ
ビン量を測定することで血管新生を定量することができ
る。そこで、この血管新生に及ぼす本発明化合物の影響
をみた。マトリゲル(Matrigel登録商標;ベー
スメント メンブレン マトリクス フェノール不含、
ベクトン ディッキンソン ラブウェア社;Becto
n Dickinson Labwareより購入)を
ダルベッコズ モディファイド イーグルス メヂウム
(Dulbecco’s modified Eagl
e’s medium;シグマ社より購入)に加え9m
g/mlになるように調製し、ここへリコンビナント
ヒューマン フイブロブラスト グロースファクター−
ベーシック;Recombinant Human F
ibroblast Growth Factor−b
asic(b−FGF、インタージェン社;Inter
gen 製)を2μg/700μlとなるように添加し
た。前記混合物を6週齢BALB/c雄性マウス(チャ
ールス・リバー、日本)の背部皮下に700μl/匹注
入した。マトリゲルの注入日より連日、このマウスの腹
腔内に、0.8% ツイーン80(Tween 80;
ナカライテスクより購入)に本発明化合物を所望の濃度
となるように加えた懸濁液を投与した。マトリゲル注入
後8日目にマウス背部皮下より取り出したマトリゲル
を、200μlの1%NH4 OH中に室温下で4時間置
き、ヘモグロビンを抽出した。この抽出液をマトリゲル
ごと遠心分離(10000rpm、5分間)し、得られ
た上清100μlとドラキンズ リエージェント(Dr
akin’s reagent、シグマ社;Shigm
aより購入)500μlとを混合して室温下、静置し
た。15分間以上静置した後、分光光度計SPECTR
A max 250(モレキュラー ディバイス社製;
Molecular Devices)を用いて前記上
清の540nmにおける吸光度を測定した。上清中のヘ
モグロビン量を、標準ヘモグロビン(hemoglob
in standard、シグマ社より購入)を用いて
作成した検量線より求め、前記マウス1匹より得られた
マトリゲル当たりのヘモグロビン量を算出した。結果を
第2表に示すが、各処理区のヘモグロビン量は、b−F
GFを添加していないマトリゲルをマウスに注入し、溶
媒である0.8% ツイーン80(Tween 80)
のみを連日投与した場合の、マトリゲル中のヘモグロビ
ン量により補正してある。本発明化合物はマウス皮下で
起こる血管新生を阻害した。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば前記N−フェニルフタル
イミド誘導体が生体内においてTNF−αの産生を抑制
及び/又は血管新生を阻害するので、前述のごとく種々
の疾患を治療又は予防する上で有効である。
イミド誘導体が生体内においてTNF−αの産生を抑制
及び/又は血管新生を阻害するので、前述のごとく種々
の疾患を治療又は予防する上で有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/40 ACJ A61K 31/40 ACJ ACS ACS ADP ADP ADZ ADZ AED AED AGZ AGZ C07D 209/46 C07D 209/46 209/48 209/48
Claims (2)
- 【請求項1】 N−フェニルフタルイミド、N−フェニ
ルチオフタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフ
ェニル)−フタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピ
ルフェニル)−4,5,6,7−テトラフルオロ−フタ
ルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−
4−ニトロフタルイミド及びN−(2,6−ジイソプロ
ピルフェニル)−5−ニトロフタルイミドからなる群よ
り選ばれた少なくとも一つのN−フェニルフタルイミド
誘導体を有効成分として含有することを特徴とする腫瘍
壊死因子産生抑制剤。 - 【請求項2】 N−フェニルフタルイミド、N−フェニ
ルチオフタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフ
ェニル)−フタルイミド、N−(2,6−ジイソプロピ
ルフェニル)−4,5,6,7−テトラフルオロ−フタ
ルイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−
4−ニトロフタルイミド及びN−(2,6−ジイソプロ
ピルフェニル)−5−ニトロフタルイミドからなる群よ
り選ばれた少なくとも一つのN−フェニルフタルイミド
誘導体を有効成分として含有することを特徴とする血管
新生阻害剤。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9171124A JPH1072346A (ja) | 1996-06-24 | 1997-06-11 | N−フェニルフタルイミド誘導体を含有する腫瘍壊死因子産生抑制剤又は血管新生阻害剤 |
PCT/JP1997/002832 WO1998007421A1 (fr) | 1996-08-16 | 1997-08-14 | Composition medicinale |
US09/147,687 US6429212B1 (en) | 1996-08-16 | 1997-08-14 | Medicinal composition |
US10/133,334 US6515129B1 (en) | 1996-08-16 | 2002-04-29 | Pharmaceutical composition |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-184129 | 1996-06-24 | ||
JP18412996 | 1996-06-24 | ||
JP9171124A JPH1072346A (ja) | 1996-06-24 | 1997-06-11 | N−フェニルフタルイミド誘導体を含有する腫瘍壊死因子産生抑制剤又は血管新生阻害剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1072346A true JPH1072346A (ja) | 1998-03-17 |
Family
ID=26493942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9171124A Pending JPH1072346A (ja) | 1996-06-24 | 1997-06-11 | N−フェニルフタルイミド誘導体を含有する腫瘍壊死因子産生抑制剤又は血管新生阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1072346A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1389103A2 (en) * | 2001-04-23 | 2004-02-18 | The University Of Virginia Patent Foundation | Synthesis and evaluation of novel phthalimide mimics as anti-angiogenic agents |
-
1997
- 1997-06-11 JP JP9171124A patent/JPH1072346A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1389103A2 (en) * | 2001-04-23 | 2004-02-18 | The University Of Virginia Patent Foundation | Synthesis and evaluation of novel phthalimide mimics as anti-angiogenic agents |
EP1389103A4 (en) * | 2001-04-23 | 2005-09-14 | Univ Virginia | SYNTHESIS AND EVALUATION OF NEW MIMETIC PHTHALIMIDE SUBSTANCES AS ANTIANGIOGENESIS AGENTS |
US7893071B2 (en) | 2001-04-23 | 2011-02-22 | University Of Virginia Patent Foundation | Synthesis and evaluation of novel phthalimide mimics as anti-angiogenic |
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