JPH1072226A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバの製造方法

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JPH1072226A
JPH1072226A JP22862996A JP22862996A JPH1072226A JP H1072226 A JPH1072226 A JP H1072226A JP 22862996 A JP22862996 A JP 22862996A JP 22862996 A JP22862996 A JP 22862996A JP H1072226 A JPH1072226 A JP H1072226A
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JP
Japan
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rod
preform
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optical fiber
seed
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JP22862996A
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English (en)
Inventor
Yuichi Oga
裕一 大賀
Ichiro Tsuchiya
一郎 土屋
Katsuzou Mukai
克藏 向井
Toshio Danzuka
俊雄 彈塚
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/02Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor
    • C03B37/025Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor from reheated softened tubes, rods, fibres or filaments, e.g. drawing fibres from preforms
    • C03B37/027Fibres composed of different sorts of glass, e.g. glass optical fibres
    • C03B37/02736Means for supporting, rotating or feeding the tubes, rods, fibres or filaments to be drawn, e.g. fibre draw towers, preform alignment, butt-joining preforms or dummy parts during feeding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01486Means for supporting, rotating or translating the preforms being formed, e.g. lathes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質な光ファイバを効率良く製造できる光
ファイバの製造方法を提供すること。 【解決手段】 中心にコア11aを有する棒状のコアロ
ッド11の両端に種棒12またはダミー棒13を直線状
に接続して出発材1を形成する第一工程と、その出発材
1の外周にガラス微粒子を噴き付け多孔質ガラス体4を
堆積させて複合母材41を合成する第二工程と、種棒1
2またはダミー棒13を介して複合母材41を支持させ
た後、複合母材41を加熱し焼結させてプリフォーム6
とする第三工程と、種棒12またはダミー棒13のうち
の一方を介してプリフォーム6を支持させた後、プリフ
ォーム6の下端に延出する種棒12またはダミー棒13
の延出部分を加熱延伸して切り離す第四工程と、種棒1
2またはダミー棒を介してプリフォームを支持させた
後、そのプリフォームを線引して光ファイバとする第四
工程を順次行うことにより、光ファイバを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの母材の製造方法の一つとし
て、特公平3−80740号公報に記載されたものが知
られている。この光ファイバ母材の製造方法は、まず、
火炎加水分解反応によりゲルマニウムを添加したコアお
よび第一クラッドを有する多孔質なガラス材(以下、多
孔質ガラス体という)を合成する。次いで、塩素ガスを
含む雰囲気内での熱処理により多孔質ガラス体を加熱に
より脱水・透明化してコアと第一クラッドを有するロッ
ドとする。そして、このロッドを延伸し適当な外径にし
た後、外周に更に所定厚の第二クラッド用の多孔質体を
堆積させる。この多孔質体を堆積したロッドを加熱によ
り脱水・透明化してプリフォームと称される光ファイバ
用ガラス母材を製造しようとするものである。
【0003】この光ファイバ母材の一形態である多孔質
ガラス体を合成する方法としては、VAD法(気相軸付
け法:Vapour phase Axial Deposition method)または
OVD法(外付け法:Outside Vapour Deposition meth
od)が一般に用いられている。
【0004】VAD法は、特公昭59−13452号公
報に記載されるように、バーナで形成された酸素水素火
炎中にガラス原料ガス(例えばSiCl4 )を供給し、
火炎加水分解反応または酸化反応によりガラス微粒子を
生成し、これを垂直に配した棒状のターゲットに堆積さ
せ、このターゲットを回転させつつ、その軸方向へ引き
上げることにより、多孔質ガラス体を合成する方法であ
る。
【0005】OVD法は、特開昭48−73522号公
報に記載されるように、ガラス原料の加水分解反応また
は酸化反応によりガラス微粒子を生成し、このガラス微
粒子を回転するガラスロッドの外周部分に噴き付けて堆
積させ、母材の外径を徐々に大きくし、所定量のガラス
微粒子を堆積させて、多孔質ガラス体を合成する方法で
ある。この方法により製造された多孔質ガラス体は、中
心を貫くガラスロッドを引き抜いたあと透明化してプリ
フォームとする場合と、そのまま焼結し透明化してプリ
フォームとする場合がある。
【0006】出発材であるガラスロッドの外周に多孔質
母材を形成する方法では、上述のOVD法のほか、たと
えば特公平5−83499号公報に記載されるように、
垂直に配したガラスロッドの片端からガラス微粒子を合
成して行き、軸方向へガラスロッドを引き上げて多孔質
ガラス体を製造する方法も知られている。
【0007】以上のように、VAD法、OVD法などを
用いた合成装置により多孔質ガラス体が合成され、その
多孔質ガラス体を焼結装置で透明化してプリフォームと
した後、線引装置により線引して光ファイバが製造され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光ファイバの製造技術にあっては、製造した光ファイバ
の非円特性(外周部の非円形性)、偏心特性(クラッド
とコアの中心ズレ)において良好な特性が得られないと
いう問題点がある。
【0009】すなわち、前述した各装置(合成装置、焼
結装置、線引装置など)は、主に、光ファイバ母材(多
孔質ガラス体、プリフォームなど)を縦方向に配置する
縦型のものであり、通常、各母材の上端には母材を装置
に嵌合支持するための嵌合部を有する種棒が接合されて
おり、この種棒を製造装置のトラバース機構に設けられ
た支持ロッドの下端に嵌合支持することにより母材を取
り付けられるようになっている。ところがそれらの装置
において、光ファイバ母材を支持するための支持構造が
それぞれ設けられているが、一般にそれらの支持構造は
統一されていない。このため、例えば焼結装置にてプリ
フォームを形成した後、次の工程の延伸装置または線引
装置でプリフォームを支持するためには、プリフォーム
に接続されている種棒を切り離し、延伸装置や線引装置
の支持構造に適合した新たな種棒またはダミー棒を接続
する作業が必要となる。
【0010】この作業は、図8に示すように横型のガラ
ス旋盤Aを用いて行われる。ガラス旋盤Aに設けられた
片方のチャックBで棒材Dを介して母材Cを把持し、他
方のチャックEで接合すべき種棒またはダミー棒Fを把
持し、これらの端面同士を突き合わせ、バーナGの火炎
により加熱溶融する方法が一般的に採られる。この作業
は縦型の旋盤でも可能であるし、また加熱源はバーナ火
炎でなくても電気ヒータのような加熱源でも可能であ
る。バーナ火炎は一般的にはO2 −H2 ガスが用いられ
る。
【0011】さて、このように接続する場合に、ガラス
旋盤Aの両方のチャックB、Eの中心軸は極力一致する
ように整備され、かつ、母材Cの中心軸と種棒またはダ
ミー棒Fの中心軸が一致するように調節した後に接合さ
れるのが一般的であるが、どうしてもその軸合わせには
限界があり、軸ずれ(両者の中心軸が平行であるが一致
せずにずれている状態)、または、曲がり(中心軸が平
行でない状態)が生じてしまう。
【0012】延伸または線引は、リング状の電気ヒータ
の中心に母材Cを挿入し、母材Cを加熱溶融し、加熱さ
れた母材Cを引き出すことにより、細径に引き伸ばす方
法により行われる。このとき、母材Cと種棒またはダミ
ー棒Eの軸心が軸ずれを起こしていると、母材Cはリン
グ状ヒータの中心軸からずれる事になり、母材Cが周方
向に均一に加熱されないこととなる。このように周方向
に均一加熱されない場合には、延伸されたロッドまたは
線引された光ファイバの外周が真円からずれたり(非円
特性)、中心に存在するコアが偏心する(偏心特性)と
いう不具合が生じてしまう。また、曲がりがある場合も
同様で、最初に中心軸に一致するように設置しても、延
伸または線引を進めるに従い、中心軸がずれてしまうと
いう問題が生ずることになる。この曲がりが甚だしい場
合には、リング状ヒータに挿入する時点で母材の先端が
ヒータ内壁もしくはヒータの内部の炉心管内壁に接触し
てしまい、設備の損傷を引き起こす事にもなる。
【0013】そこで本発明は、以上のような問題点を解
決するためになされたものであって、高品質な光ファイ
バの効率良く製造する光ファイバの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、中心
にコアを有する棒状のコアロッドの両端に種棒またはダ
ミー棒を直線状に接続して出発材を形成する第一工程
と、種棒またはダミー棒を介して出発材を支持させた
後、その出発材を軸を中心に回転させながら、出発材の
外周にガラス微粒子を噴き付け多孔質ガラス体を堆積さ
せて、その多孔質ガラス体とコアロッドからなる複合母
材を合成する第二工程と、種棒またはダミー棒を介して
多孔質ガラス体とコアロッドからなる複合母材を支持さ
せた後、複合母材を加熱し焼結させて透明なプリフォー
ムとする第三工程と、種棒またはダミー棒のうちの一方
を介してプリフォームを支持させた後、プリフォームの
下端部分を加熱延伸し、そのプリフォームの下端から延
出する種棒またはダミー棒のうちの他方の延出部分をプ
リフォームから切り離す第四工程と、種棒またはダミー
棒を介してプリフォームを支持させた後、そのプリフォ
ームを線引して光ファイバとする第五工程とよりなるこ
とを特徴とする。
【0015】このような発明によれば、多孔質ガラス体
またはプリフォームの形成後にそれらの支持用の種棒ま
たはダミー棒を取り付ける必要がない。このため、種棒
またはダミー棒の取付誤差などにより多孔質ガラス体ま
たはプリフォームと種棒またはダミー棒との中心軸がズ
レる心配がなく、多孔質ガラス体またはプリフォームの
加熱が適正に行える。
【0016】また本発明は、前述の第四工程と第五工程
との間にプリフォームの表面の洗浄または火炎研磨を行
うことを特徴とする。
【0017】このような発明によれば、プリフォームの
表面に付着する異物などが取り除かれるから、高強度を
有する光ファイバの製造が可能となる。
【0018】また本発明は、前述の第一工程において、
コアロッドの両端に種棒またはダミー棒を接続する際
に、コアロッド、種棒またはダミー棒の中心軸の曲がり
を修正することを特徴とする。
【0019】このような発明によれば、コアロッド、種
棒およびダミー棒の個々の直線性が高められるから、出
発材としての直線性の向上が図られる。
【0020】また本発明は、前述の第一工程と第二工程
との間に出発材の表面の火炎研磨を行うことを特徴とす
る。
【0021】このような発明によれば、出発材の表面に
付着する異物などが取り除かれるから、後の工程で複合
母材をプリフォームとする際に出発材の外周から気泡が
発生するのが抑えられ、伝送損失の低い光ファイバの製
造が可能となる。
【0022】また本発明は、前述の第二工程において、
コアロッドの上部側からガラス微粒子を堆積させてその
コアロッドの下部側へ徐々に多孔質ガラス体を軸方向へ
成長させる方法、またはガラス微粒子の噴付位置を出発
材の軸方向に沿って往復移動させることにより多孔質ガ
ラス体を外周方向へ成長させる方法が好適に用いられ
る。
【0023】また本発明は、前述の第二工程において、
出発材の下部に接合された石英製の種棒またはダミー棒
の下端を回転自在で、かつ、出発材のコアロッドの上下
移動に対して追随可能とした機構を有した下端支持具に
より支持することを特徴とする。
【0024】このような発明によれば、出発材の上端の
みならず両端が支持されることになるから、出発材とそ
の外周に形成される多孔質ガラス体との軸ズレが低減さ
れ、光ファイバにおけるコア偏心の低減が図れる。
【0025】また本発明は、前述の第二工程において、
第二工程において、出発材を鉛直方向に支持する支持ロ
ッドの下端の嵌合部に備えられた調節機構により、嵌合
部に嵌合支持された出発材のコアロッドの中心軸の位置
を調節することを特徴とする。
【0026】このような発明によれば、出発材を中心と
してその外周に多孔質ガラス体が形成されることとな
る。
【0027】また本発明は、前述の第五工程において、
プリフォームを支持した際にプリフォームの外周が均等
に加熱されるようにプリフォームの軸位置を調節するこ
とを特徴とする。
【0028】このような発明によれば、プリフォームを
線引して形成される光ファイバの偏心特性の向上が図れ
る。
【0029】更に本発明は、前述の第一工程において、
第三工程または第五工程での加熱により熱変形しない太
径の種棒またはダミー棒をコアロッドに接続して出発材
の形成を行うことを特徴とする。
【0030】このような発明によれば、出発材と多孔質
ガラス体の複合母材またはプリフォームとの直線性が確
実に維持される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
に係る実施形態の種々の例について説明する。尚、各図
において同一要素には同一符号を付して重複する説明を
省略する。
【0032】(実施形態1)図1は出発材の形成工程の
説明図であり、図2は出発材の説明図である。図1にお
いて、まず、光ファイバ母材を堆積させるための元部材
である出発材1の形成を行う。出発材1は、図2のよう
にコアロッド11の両端に種棒12とダミー棒13を直
線状に接続することにより形成される。コアロッド11
は、最終的には光ファイバの軸心部分を構成するもので
あり、例えば、軸心部分に高屈折率のコア部11aが設
けられ、その周囲に低屈折率のクラッド部11bが設け
られた棒状のガラスロッドが用いられる。また、コアロ
ッド11としては、光ファイバとなったときに光の導波
させるコアとなる部分のみを構成するガラスロッド、又
はコアとなる部分の外周にクラッドの一部となる部分を
形成したガラスロッドなどを用いる。クラッドの一部と
なる部分を有するガラスロッドを用いる場合には、一般
にクラッド/コア外径比が2〜5倍のものが好適に用い
られる。このような外径比のものを用いることにより、
コアロッド11とこのコアロッド11の外周に合成され
るクラッドとの間の界面の不整(応力、製造時における
混入する不純水、OH基など)が伝送損失に与える影響
を小さくする効果があり、外径比率が大きいほどこの影
響は小さくなる。しかし、外径比率が大きすぎると、製
造しにくくなるという問題が発生する。このため、クラ
ッド/コア外径比が3〜4.5倍のコアロッド11を用
いるのがより好ましい。また、種棒12およびダミー棒
13は、製造工程において出発材1およびその外周に形
成される光ファイバ母材(複合母材やプリフォームな
ど)を支持するためのものである。このため、種棒12
またはダミー棒13のいずれかが光ファイバの製造工程
において用いられる装置、たとえば複合母材の合成装置
(多孔質ガラス体4の堆積装置)、プリフォーム形成用
の焼結装置、線引用の線引装置に取付可能な形状を有す
るものとされる。また、これらの種棒12およびダミー
棒13としては、例えば石英製のものなどが用いられ
る。
【0033】出発材1の形成は、水平方向の回転機構を
有する横型の旋盤2を用いて行われる。すなわち、図1
に示すように、旋盤2に設けられた接近および離間を自
在としたチャック21、22の一方にコアロッド11を
取り付け、他方に種棒12を取り付けて、コアロッド1
1と種棒12を水平な同一軸線上に配置する。そして、
コアロッド11と種棒12を接近させて突き合せ、近接
するコアロッド11、種棒12の端部をバーナ23で加
熱し溶融させて接続する。この接続の際にコアロッド1
1と種棒12との中心軸を一致させることが肝要であ
る。具体的な方法としては、コアロッド11または種棒
12の回転振れしている部分、即ち屈曲部分に熱を加え
て軟化させ、回転するコアロッド11または種棒12の
周面にL字型の芯棒を沿わせて屈曲部分を強制的に真っ
直ぐに修正すればよい。この修正により、コアロッド1
1と種棒12の軸合せが極めて正確に行え、接続された
コアロッド11と種棒12を一直線状とすることができ
る。
【0034】また、コアロッド11に種棒12を接続し
た後、より精密に軸合せするためにその接続状態を修正
するのが望ましい。たとえば、コアロッド11に種棒1
2を接続した後、旋盤2のチャック21に種棒12を把
持させた状態で回転駆動させて種棒12およびコアロッ
ド11を回転させ、コアロッド11と種棒12が回転振
れ(偏心運動)しないように接続状態を適宜修正する。
【0035】次いで、コアロッド11にダミー棒13を
接続する。ダミー棒13は、種棒12の接続されたコア
ロッド11端部の他端側に接続される。このダミー棒1
3の接続は、旋盤2を用いて前述の種棒12の接続と同
様な手順で行えばよい。このとき、コアロッド11とダ
ミー棒13の中心軸の一致が肝要であるのは前述と同様
である。
【0036】また、コアロッド11へ種棒12およびダ
ミー棒13を接続する前または接続した後に、コアロッ
ド11、種棒12またはダミー棒13についてそれら自
体の曲がりを修正することが望ましい。すなわち、コア
ロッド11と種棒12およびダミー棒13との接続状態
が完全なものであっても、それら自体が曲がっていては
出発材1が直線状にならない。このため、コアロッド1
1、種棒12またはダミー棒13において曲がりのある
ものについては、出発材1とする前または出発材1とし
た後に、前述の旋盤2を用いて、それらの曲がっている
部分を加熱して修正を加える。修正作業は前述と同様
に、旋盤2にコアロッド11、種棒12、ダミー棒13
または出発材1を取り付け、軸回転させながら曲がって
いる部分を加熱して直線状とし、コアロッド11、種棒
12、ダミー棒13または出発材1が回転振れ(偏心運
動)しないように曲がりを適宜修正する。このような修
正により、出発材1の直線性の向上を図ることができ
る。
【0037】そして、コアロッド11にダミー棒13を
直線状に接続したら出発材1の形成工程を終了する。
【0038】なお、コアロッド11の端部に種棒12と
ダミー棒13を直線状に接続して出発材1を形成した
後、その出発材1の表面を火炎研磨するのが望ましい。
すなわち、出発材1の表面を火炎研磨することにより、
その表面に付着する異物などをきれいに取り除くことが
できる。このため、後の工程で複合母材をプリフォーム
とする際に異物などの付着に起因して出発材1の外周か
ら気泡が発生することを未然に防止できる。従って、伝
送損失の低い光ファイバの製造が可能となる。
【0039】また、出発材1の形成は、横型の旋盤2を
用いて行うものに限られるものではなく、コアロッド1
1に種棒12およびダミー棒13を直線状に接続できれ
ば、縦型の旋盤その他の装置などを用いて行ってもよ
い。
【0040】そして、出発材1の形成を終えたら、その
出発材1の外周に多孔質ガラス体4を堆積させて複合母
材41を合成する。複合母材41の合成、即ち多孔質ガ
ラス体4の堆積は、たとえば、図3(a)に示すような
合成装置3を用いて行う。合成装置3は、VAD法によ
り多孔質ガラス体4を形成する装置であって、内部でガ
ラス微粒子の堆積を行うための反応容器31と、その反
応容器31内に嵌合部32dを備えた回転昇降機構32
と、その嵌合部32dに支持された出発材1へガラス微
粒子を噴き付けるバーナ33とを備えた構造とされてい
る。回転昇降機構32は、支柱32aに沿って上下動自
在な昇降腕32bが設けられ、その昇降腕32bの下面
から垂直に回転自在の支持ロッド32cが垂下された構
造とされている。そして、支持ロッド32cが反応容器
31の天井面を貫通しており、その下端には嵌合部32
dが設けられている。嵌合部32dとしては、出発材1
の一端を支持可能とした嵌合構造が用いられる。また、
バーナ33は、反応容器31に固定されており、嵌合部
32dに支持された出発材1へガラス微粒子が噴き付け
られるように配設されている。ガラス微粒子の生成は、
バーナ33へガラス原料ガス、燃料ガスおよび助燃性ガ
スなどを供給し、バーナ33からそれらのガスを火炎と
共に噴出させて、火炎加水分解反応または酸化反応によ
り行えばよい。
【0041】複合母材41の合成作業としては、まず出
発材1の取り付けを行う。すなわち、出発材1の種棒1
2を嵌合部32dで支持させ、支持ロッド32cの下方
に出発材1を連結する。例えば、図3(b)に示すよう
に、嵌合部32dに設けられた縦穴321に出発材1の
種棒12を挿入して嵌合させ、種棒12と共に嵌合部3
2dを貫通する水平ピン322を設けて嵌合部32dか
ら出発材1が抜け落ちないようにしておく。出発材1を
取り付けたら、その出発材1の外周へガラス微粒子が均
等に噴き付けられるように出発材1の軸位置を調節する
ことが望ましい。この調節は、嵌合部32dに設けた調
節機構により行えばよい。調節機構は、例えば、図3
(b)に示すように嵌合部32dの縦穴321の内周に
突出自在とした複数のねじ323により構成される。ね
じ323は、嵌合部32dの外周と縦穴321の内周と
の間を挿通しており、適宜回転させることにより縦穴3
21の内周面から所望の長さだけ突出させることができ
る。また、縦穴321の内径が種棒12の外径より大き
く形成され、縦穴321内に挿入した種棒12の位置を
微調整できるようになっている。この調節機構による出
発材1の軸合せは、縦穴321を中心として対称に位置
するねじ323、323により種棒12を挟み込むと共
に、適宜ねじ323を回してそれらの突出長を調整する
ことにより、種棒12、即ち出発材1の軸位置を所望の
位置に調節して行えばよい。なお、ねじ323は、種棒
12の圧壊を回避するため、カーボン製のものを用いる
ことが望ましい。このような出発材1の軸位置の調節を
行うことにより、形成される多孔質ガラス体4の中心に
出発材1を位置させることができる。
【0042】そして、出発材1を回転昇降機構32に取
り付けた状態において、支持ロッド32cを回転させ、
バーナ33からガラス微粒子を噴出させる。すると、出
発材1が軸を中心に回転し、その外周にガラス微粒子が
噴き付けられて堆積し始める。その際、出発材1のコア
ロッド11と種棒12が直線状に接続されているので、
出発材1に回転振れが生ずることがなく、その外周の周
方向へ均等にガラス微粒子が堆積されることとなる。そ
して、その堆積状況を確認しながら昇降腕32bを上昇
させて出発材1を引き上げることにより、出発材1の外
周に所定の多孔質ガラス体4が堆積して複合母材41が
合成される。
【0043】なお、多孔質ガラス体4の堆積用(複合母
材41の合成用)の装置として、合成装置3に替えて、
図4に示すように出発材1の両端(下端および上端)を
支持できる合成装置3aを用いてもよい。合成装置3a
は、反応容器31内の嵌合部32dの下方に昇降可能
で、かつ、回転可能な下端支持具32eが設けられてい
る。この下端支持具32eは、図4のように、嵌合部3
2dに上端を嵌合支持されて上下動する出発材1の下端
に取り付けられ、出発材1の回転を許容し出発材1の上
下動に追随して移動可能とされている。このように、出
発材1の下端に下端支持具32eを取り付け、その上端
を嵌合部32dで支持することにより、出発材1の両端
を支持できるようになっている。この合成装置3aによ
れば、出発材1を両端で支持するから、出発材1を所定
の軸線上で回転させ上下動させながら多孔質ガラス体4
の形成が行える。このため、コアロッド11(出発材
1)と多孔質ガラス体4との中心軸のズレが低減され、
コアロッド11および多孔質ガラス体4からなる複合母
材41を光ファイバとしたときにコア偏心の低減が図れ
る。
【0044】そして、出発材1の外周に多孔質ガラス体
4を形成して複合母材41の合成を終えたら、その多孔
質ガラス体4を加熱し透明化してプリフォームを形成す
る。プリフォームの形成、即ち多孔質ガラス4の焼結
は、たとえば、図5に示すような焼結装置5を用いて行
う。焼結装置5は、所望の雰囲気中で焼結を行うための
炉心管51と、その炉心管51内に嵌合部52dを有す
る昇降機構52と、複合母材41を加熱するためのヒー
タ53とを備えた構造とされている。昇降機構52は、
支柱52aに沿って上下動自在な昇降腕52bが設けら
れ、その昇降腕52bの下面から垂直に支持ロッド52
cが垂下された構造とされている。そして、支持ロッド
52cが炉心管51の天井面を貫通しており、その下端
には嵌合部52dが設けられている。嵌合部52dとし
ては、出発材1の一端を支持可能とした嵌合構造が用い
られる。また、ヒータ53は、たとえばリング状のもの
が用いられ、炉心管51に配された複合母材41を取り
巻くように配置され、その複合母材41の外周を均等に
加熱できるようになっている。
【0045】多孔質ガラス体4(複合母材41)の焼結
作業は、まず出発材1の外周に多孔質ガラス体4を堆積
させた複合母材41の取り付けを行う。すなわち、出発
材1の種棒12を嵌合部52dで嵌合支持して、支持ロ
ッド52cの下方に複合母材41を連結する。そして、
昇降腕52bを上昇させて複合母材41を炉心管51の
上部側へ配しておき、ヒータ53を発熱させる。更に、
炉心管51内へ不活性ガスを供給してその内部を不活性
ガスで充満させる。不活性ガスとしてはヘリウムを用い
るのが望ましい。ヘリウムガスはガラス中へのガス溶解
度が大きく、ガラス化のときに気泡としてガラス中(プ
リフォーム中)に残存しない。また、反応容器内に不活
性ガスを充満させる代わりに、反応容器内を真空状態と
し、また減圧状態としてもよい。
【0046】この状態において、昇降腕52bを下方へ
移動させて複合母材41を徐々に降下させる。すると、
図5のように、複合母材41の下部がヒータ53により
加熱されて透明化しプリフォーム6となっていく。その
際、出発材1のコアロッド11と種棒12が直線状に接
続されているので、複合母材41がヒータ53の中心を
通ることとなり、複合母材41の周面が均等に加熱され
る。このため、その加熱により、複合母材41が非円形
状に変形したり、複合母材41の中心から出発材1がズ
レてしまうことがない。そして、複合母材41の上部ま
で加熱して全体をプリフォーム6とし終えたら本工程を
終了する。
【0047】なお、プリフォーム6を形成した後にその
表面を洗浄し、また火炎研磨することが望ましい。すな
わち、プリフォーム6の表面を洗浄または火炎研磨する
ことにより、その表面に付着する異物などを取り除くこ
とができ、高強度を有する光ファイバの製造が可能とな
る。
【0048】また、出発材1として、ヒータ53の加熱
により変形しないような太径のものを用いることが望ま
しい。すなわち、このような出発材1を用いることによ
り、ヒータ53の熱により出発材1が熱変形しないた
め、出発材1の直線性が維持され、複合母材41が非円
形状に変形することなどが防止できる。
【0049】また、この複合母材41を透明化してプリ
フォーム6とする前に、塩素を含む不活性ガス雰囲気内
で複合母材41の脱水処理を行ってもよい。この場合、
OH基の少ないプリフォーム6の形成が可能となる。
【0050】そして、複合母材41を透明化してプリフ
ォーム6としたら、線引工程に先立って、プリフォーム
6から延出する種棒12またはダミー棒13の切り離し
を行う。切り離し作業は、前述の旋盤2などを用い、プ
リフォーム6の本体(太径の部分)から延出する種棒1
2またはダミー棒の部分の切り離すことにより行う。た
とえば、旋盤2のチャック21、22で種棒12および
ダミー棒13を把持しプリフォーム6を固定した後、バ
ーナ23で種棒12の基端部分を加熱しながらチャック
21、22を離間させていく。すると、種棒12の基端
部分が溶融して延伸して行き、プリフォーム6の本体部
分から種棒12の延出部分が切り離されることとなる。
なお、この切り離しは、ダミー棒13について行う場合
もある。また、切り離しのための装置としては、前述の
横型の旋盤2に限られるものではなく、縦型の旋盤また
はその他の装置であってもよい。
【0051】そして、プリフォーム6の種棒12を切り
離し終えたら、そのプリフォーム6を線引して光ファイ
バを形成する。光ファイバの形成は、たとえば、図6に
示すような線引装置7を用いて行う。線引装置7は、所
望の雰囲気中で線引を行うための炉心管71と、その炉
心管71内に嵌合部72dを有する昇降機構72と、プ
リフォーム6を加熱するためのヒータ73とを備えた構
造とされている。昇降機構72は、支柱72aに沿って
上下動自在な昇降腕72bが設けられ、その昇降腕72
bの下面から垂直に支持ロッド72cが垂下されてい
る。そして、支持ロッド72cが炉心管71の天井面を
貫通しており、その下端には嵌合部72dが設けられて
いる。嵌合部72dとしては、出発材1の一端を嵌合支
持可能とした嵌合構造が用いられる。また、ヒータ73
は、たとえばリング状のものが用いられ、炉心管71に
配されたプリフォーム6を取り巻くように配置され、そ
のプリフォーム6の外周を均等に加熱できるようになっ
ている。
【0052】線引作業としては、まず、線引装置7への
プリフォーム6の取り付けを行う。すなわち、プリフォ
ーム6から延出するダミー棒13を嵌合部72dで嵌合
支持させ、種棒12を切り離した方を下側にして支持ロ
ッド72cの下方にプリフォーム6を連結する。そし
て、昇降腕72bを上昇させてプリフォーム6を炉心管
71の上部側へ配しておき、ヒータ73を発熱させる。
更に、炉心管71内へ不活性ガスを供給し、その内部を
不活性ガスで充満させる。
【0053】この状態において、昇降腕72bを下降さ
せてプリフォーム6を徐々に引き下げて、プリフォーム
6の下部をヒータ73により加熱して線引し、細径の光
ファイバ8を引き出していく。この線引の際、ダミー棒
13とプリフォーム6が直線状となっているので、プリ
フォーム6が降下しても常にヒータ73、73の中間に
位置することとなる。このため、プリフォーム6がヒー
タ73により偏って加熱されることがない。従って、線
引される光ファイバ8の断面が非円形となり、また光フ
ァイバのコアが偏心することが防止できる。そして、プ
リフォーム6の上部まで加熱により線引し終えたら本工
程を終了する。
【0054】なお、プリフォーム6を線引装置7に取り
付けた後に、ヒータ73に対するプリフォーム6の位置
を調節するのが望ましい。すなわち、降下するプリフォ
ーム6がヒータ73、73の中間位置を通るように予め
調節しておくことにより、適正な線引が行え、プリフォ
ーム6が偏って加熱されることが未然に防止できる。従
って、高品質の光ファイバの製造が可能となる。このよ
うな調節は、XYステージ等の調節機構を昇降機構72
に備え、プリフォーム6の中心軸が炉心管71の中心軸
と一致するようにプリフォーム6の位置を合せることに
より行われる。
【0055】また、出発材1のダミー棒13、種棒12
として、ヒータ53の加熱により変形しないような太径
のものを用いることが望ましい。すなわち、そのような
出発材1を用いることにより、ヒータ73の熱によりダ
ミー棒13が熱変形しないため、ダミー棒13とプリフ
ォーム6の直線性が維持され、光ファイバ8の非円特性
・偏心特性を低減でき、高品質の光ファイバの製造が可
能となる。
【0056】以上のような光ファイバの製造方法によれ
ば、出発材1として予め支持用の種棒12またはダミー
棒13を直線状に接続したものを用いることにより、多
孔質ガラス体4またはプリフォーム6の形成後に支持用
の種棒またはダミー棒を取り付ける必要がない。このた
め、種棒またはダミー棒の取付誤差などにより、多孔質
ガラス体4またはプリフォーム6と種棒12またはダミ
ー棒13との中心軸がズレることがない。従って、複合
母材41またはプリフォーム6の加熱が適正に行え、非
円形性および偏心特性に優れた光ファイバを製造するこ
とが可能となる。
【0057】次に、本実施形態に係る製造方法を用い
て、実際に光ファイバを製造した実施例について説明す
る。まず、図1に示す旋盤2により出発材1の形成を行
った。コアロッド11としては外径28mm、長さ60
0mmであってコア部にGeO2 添加した石英系ガラス
よりなる棒材を用いた。また、このコアロッドのクラッ
ド/コア外径比率は4倍のものを用いた。このコアロッ
ド11の一端に外径32mm、長さ600mmの種棒1
2を接続し、他端に外径30mm、長さ400mmのダ
ミー棒13を接続して出発材1とした。次に、図3
(a)に示す合成装置3により出発材1の外周に外径2
20mmの多孔質ガラス体4を形成し、図5に示す焼結
装置5により出発材1および多孔質ガラス体4からなる
複合母材41を透明化して外径100mmのプリフォー
ム6を得た。そして、このプリフォーム6の表面を火炎
研磨した後、図6に示す線引装置7により線引したとこ
ろ、コア偏心特性が0.4μm(光ファイバの中心とコ
アの中心とのズレ幅が0.4μm)、非円特性が0.2%
(((最大外径−最小外径)/平均外径)×100の値
が0.2%)の良好な光ファイバが得られた。また、こ
の光ファイバの伝送損失は、波長1.3μmで0.345
dB/kmと良好であった。
【0058】また、複合母材41の合成を図4に示す合
成装置3aを用いて行い、その他の工程を前述と同様に
して、光ファイバの製造を行った。この場合、コア偏心
特性が0.3μm、非円特性が0.2%の非常に良好な光
ファイバが得られた。
【0059】一方、これらと比較するために従来の製造
方法により光ファイバの製造を行った。すなわち、複合
母材41を合成しプリフォーム6とした後、種棒12お
よびダミー棒13を切り離し、前述した従来の方法にて
光ファイバを製造した。この結果、製造された光ファイ
バのコア偏心特性は0.9μm、非円特性は0.7%であ
り、特性が大きく劣るものとなった。
【0060】(実施形態2)前述の実施形態1の光ファ
イバの製造においては、多孔質ガラス体4をVAD法に
より形成するものであるが、多孔質ガラス体4の形成は
そのような方法のみに限られるものではなく、たとえば
OVD法により行うものであってもよい。すなわち、本
実施形態に係る光ファイバの製造方法は、多孔質ガラス
4をOVD法により形成して複合母材41の合成を行う
ものである。なお、その他の工程については実施形態1
の製造方法と同様である。図7に本実施形態における光
ファイバの製造方法の説明図を示す。本実施形態の製造
方法で用いる合成装置3bは、図7に示すように、内部
で合成を行うための反応容器31と、その反応容器31
内に嵌合部32dを有する回転昇降機構32と、嵌合部
32dに嵌合支持された出発材1へガラス微粒子を噴き
付けるバーナ33と、嵌合部32dに嵌合支持された出
発材1の下部を支持する下部支持機構34とを備えた構
造とされている。回転昇降機構32は、前述したものと
同様な構造を有するものであるが、昇降腕32bが上下
に往復移動できるように制御されている。また、バーナ
33は、出発材1に対しほぼ直角に向けて配設されてい
る。そして、下部支持機構34は、上下動可能な移動腕
34aと、その上面であって嵌合部32dの真下に配置
される嵌合支承部34bとを備えて構成されている。嵌
合支承部34bは、移動腕34a上で回転可能に設置さ
れており、出発材1の下端を嵌合支持可能とした嵌合構
造が用いられる。
【0061】このような合成装置34bによれば、出発
材1を上下方向に往復移動させ回転させながら、その外
周に多孔質ガラス体4を形成することができる。その
際、出発材1の両端を支持しながら複合母材41の合成
が行えるから、複合母材41の出発材1と多孔質ガラス
体4との中心軸のズレが低減され、光ファイバとしたと
きのコア偏心の低減が図れる。
【0062】以上のように、本実施形態2に係る製造方
法によれば、実施形態1の製造方法と同様な作用効果が
得られ、非円形性および偏心特性に優れた光ファイバを
製造することができる。
【0063】次に、本実施形態に係る製造方法を用い
て、実際に光ファイバを製造した実施例について説明す
る。まず、図1に示す旋盤2により、コアロッド11の
両端に種棒12とダミー棒13を接続して出発材1の形
成を行った。ここで用いたコアロッド11も前述の実施
形態1と同様にクラッド/コア外径比率4倍のものであ
る。次に、図7に示す合成装置3bにより出発材1の外
周に多孔質ガラス体4を堆積させて複合母材41を合成
し、図5に示す焼結装置5により複合母材41を透明化
してプリフォーム6を得た。そして、このプリフォーム
6の表面を火炎研磨した後、図6に示す線引装置7によ
り線引したところ、コア偏心特性が0.3μm、非円特
性が0.2%の非常に良好な光ファイバが得られた。ま
た、この光ファイバの伝送損失は、波長1.3μmで0.
342dB/kmと良好であった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。
【0065】すなわち、出発材として予め支持用の種棒
またはダミー棒を直線状に接続したものを用いることに
より、複合母材またはプリフォームの形成後にそれらの
支持用の種棒またはダミー棒を取り付ける必要がなく、
種棒またはダミー棒の取付誤差などによる複合母材また
はプリフォームと種棒またはダミー棒との中心軸がズレ
てしまうことがない。このため、複合母材またはプリフ
ォームの加熱が適正に行え、非円形性および偏心特性に
優れた光ファイバを製造することができる。
【0066】また、第四工程と第五工程との間にプリフ
ォームの表面の洗浄または火炎研磨を行うことにより、
プリフォームの表面に付着する異物などが取り除かれる
から高強度を有する光ファイバが製造できる。
【0067】また、前述の第一工程においてコアロッド
の両端に種棒またはダミー棒を接続する際にコアロッ
ド、種棒またはダミー棒自体の中心軸の曲がりを修正す
ることにより、コアロッド、種棒およびダミー棒の個々
の直線性が高められるから出発材の直線性の向上が図れ
る。このため、高品質の光ファイバの製造が可能であ
る。
【0068】また、第一工程と第二工程との間に出発材
の表面の火炎研磨を行うことにより、出発材の表面に付
着する異物などが取り除かれるから、その後の工程で複
合母材をプリフォームとする際に出発材の外周から気泡
が発生するのを抑制できる。このため、伝送損失の低い
光ファイバの製造が可能である。
【0069】また、出発材の両端を支持しながら複合母
材の合成を行うことにより、出発材とその外周に形成さ
れる多孔質ガラス体との軸ズレが低減される。このた
め、コア偏心の少ない光ファイバが製造できる。
【0070】また、第二工程において出発材を支持した
際に出発材の外周にガラス微粒子が均等に噴き付けられ
るように出発材の軸位置を調節することにより、出発材
を中心としてその外周に多孔質ガラス体を堆積させるこ
とができる。
【0071】また、第五工程において、プリフォームを
支持した際にプリフォームの外周が均等に加熱されるよ
うにプリフォームの軸位置を調節することにより、プリ
フォームが適正な位置で加熱されることとなり、線引の
ときに光ファイバの変形やコア偏心を防止できる。
【0072】更に、第一工程において、第三工程または
第五工程での加熱により熱変形しない太径の種棒または
ダミー棒をコアロッドに接続して出発材の形成を行うこ
とにより、出発材と複合母材またはプリフォームとの直
線性が確実に維持される。このため、第三工程または第
五工程において複合母材またはプリフォームの変形やコ
ア偏心を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバの製造における出発材の形成工程の
説明図である。
【図2】出発材の説明図である。
【図3】光ファイバの製造における複合母材の形成工程
の説明図である。
【図4】光ファイバの製造における複合母材の形成工程
の説明図である。
【図5】光ファイバの製造におけるプリフォームの形成
工程の説明図である。
【図6】光ファイバの製造における線引工程の説明図で
ある。
【図7】実施形態2に係る光ファイバの製造方法の説明
図である。
【図8】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1…出発材、11…コアロッド、12…種棒、13…ダ
ミー棒、3…合成装置、4…多孔質ガラス体、41…複
合母材、5…焼結装置、6…プリフォーム、7…線引装
フロントページの続き (72)発明者 彈塚 俊雄 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心にコアを有する棒状のコアロッドの
    両端に種棒またはダミー棒を直線状に接続して出発材を
    形成する第一工程と、 前記種棒またはダミー棒を介して前記出発材を支持させ
    た後、その出発材を軸を中心に回転させながら、前記出
    発材の外周にガラス微粒子を噴き付け多孔質ガラス体を
    堆積させて、その多孔質ガラス体と前記コアロッドから
    なる複合母材を合成する第二工程と、 前記種棒またはダミー棒を介して前記多孔質ガラス体と
    前記コアロッドからなる前記複合母材を支持させた後、
    前記複合母材を加熱し焼結させて透明なプリフォームと
    する第三工程と、 前記種棒またはダミー棒のうちの一方を介して前記プリ
    フォームを支持させた後、前記プリフォームの下端部分
    を加熱延伸し、そのプリフォームの下端から延出する前
    記種棒またはダミー棒のうちの他方の延出部分を前記プ
    リフォームから切り離す第四工程と、 前記種棒またはダミー棒を介して前記プリフォームを支
    持させた後、そのプリフォームを線引して光ファイバと
    する第五工程と、よりなる光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第四工程と前記第五工程との間に、
    前記プリフォームの表面の洗浄または火炎研磨を行うこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第一工程において、前記コアロッド
    の両端に前記種棒またはダミー棒を接続する際に、前記
    コアロッド、前記種棒または前記ダミー棒の中心軸の曲
    がりを修正することを特徴とする請求項1または2に記
    載の光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第一工程と前記第二工程との間に、
    前記出発材の表面の火炎研磨を行うことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第二工程において、前記コアロッド
    の上部側から前記ガラス微粒子を堆積させてそのコアロ
    ッドの下部側へ徐々に前記多孔質ガラス体を堆積させて
    前記複合母材を合成していくことを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の光ファイバの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第二工程において、前記ガラス微粒
    子の噴付位置を前記コアロッドの軸方向に沿って往復移
    動させることにより前記多孔質ガラスを堆積させて前記
    複合母材を合成することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の光ファイバの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第二工程において、前記出発材の下
    部に接合された石英製の種棒またはダミー棒の下端を回
    転自在で、かつ、前記出発材のコアロッドの上下移動に
    対して追随可能とした機構を有した下端支持具により支
    持することを特徴とする請求項5に記載の光ファイバの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第二工程において、前記出発材を鉛
    直方向に支持する支持ロッドの下端の嵌合部に備えられ
    た調節機構により、前記嵌合部に嵌合支持された前記出
    発材の前記コアロッドの中心軸の位置を調節することを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバ
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第五工程において、前記プリフォー
    ムを支持した際に、そのプリフォームの外周が均等に加
    熱されるように前記プリフォームの軸位置を調節するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光ファ
    イバの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第一工程において、前記第三工程
    または第五工程での加熱により熱変形しない太径の種棒
    またはダミー棒を前記コアロッドに接続して、前記出発
    材の形成を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれ
    かに記載の光ファイバの製造方法。
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