JPH1071960A - パワーステアリング装置 - Google Patents
パワーステアリング装置Info
- Publication number
- JPH1071960A JPH1071960A JP23064296A JP23064296A JPH1071960A JP H1071960 A JPH1071960 A JP H1071960A JP 23064296 A JP23064296 A JP 23064296A JP 23064296 A JP23064296 A JP 23064296A JP H1071960 A JPH1071960 A JP H1071960A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- passages
- tank
- passage
- variable
- steering
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Power Steering Mechanism (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 パワーステアリング装置の流路切換弁におい
て、操舵時に生じる流体音を軽減する。 【解決手段】 舵取操作に応動する第1、第2の可変絞
り1L,1R、2R,2Lを左、右通路13,14に有
しポンプP、タンクTとパワーシリンダP/Cの左、右
室間の通路を切換える流路切換弁CVとなる油圧ブリッ
ジ回路12を備える。左、右通路に並列な左、右バイパ
ス通路23,24を、ポンプ側の供給通路11とタンク
側の戻り通路25間に設ける。左、右バイパス通路に舵
取操作に応動する第3、第4、第5の可変絞り3R,3
L、4L,4R、5R,5Lを設ける。左、右バイパス
通路をタンクに接続する戻り通路の途中に固定絞り6を
設ける。第3、第4、第5の可変絞りの閉じ切りタイミ
ングを、それぞれが異なり、しかも第1、第2の可変絞
りよりも遅くなるように設定する。
て、操舵時に生じる流体音を軽減する。 【解決手段】 舵取操作に応動する第1、第2の可変絞
り1L,1R、2R,2Lを左、右通路13,14に有
しポンプP、タンクTとパワーシリンダP/Cの左、右
室間の通路を切換える流路切換弁CVとなる油圧ブリッ
ジ回路12を備える。左、右通路に並列な左、右バイパ
ス通路23,24を、ポンプ側の供給通路11とタンク
側の戻り通路25間に設ける。左、右バイパス通路に舵
取操作に応動する第3、第4、第5の可変絞り3R,3
L、4L,4R、5R,5Lを設ける。左、右バイパス
通路をタンクに接続する戻り通路の途中に固定絞り6を
設ける。第3、第4、第5の可変絞りの閉じ切りタイミ
ングを、それぞれが異なり、しかも第1、第2の可変絞
りよりも遅くなるように設定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舵取操作時の操舵
補助力(以下、パワーアシスト力という)を制御するた
めの流路切換弁を備えたパワーステアリング装置に関す
る。
補助力(以下、パワーアシスト力という)を制御するた
めの流路切換弁を備えたパワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のハンドル操作力(操舵力)を軽
減するためのパワーアシスト力を得るパワーステアリン
グ装置では、運転者の操舵要求に応じてパワーアシスト
力の発生源であるパワーシリンダの左、右シリンダ室
(以下、左、右室という)への圧油の供給流路の切換え
を行う流路切換弁を用いている。
減するためのパワーアシスト力を得るパワーステアリン
グ装置では、運転者の操舵要求に応じてパワーアシスト
力の発生源であるパワーシリンダの左、右シリンダ室
(以下、左、右室という)への圧油の供給流路の切換え
を行う流路切換弁を用いている。
【0003】この流路切換弁は、広く知られている通
り、運転者の舵取操作に応じて回転するスタブ軸と一体
のロータと、このロータに相対的に回動可能に嵌装され
操舵輪側に回転力を伝達する出力軸と一体的なスリーブ
と、これらのロータおよびスリーブを相対的に回動変位
可能に連結するトーションバーとからなり、前記ロータ
の外周部とスリーブの内周部とに周方向に所定間隔をお
いて形成した複数の通路溝を備えている。
り、運転者の舵取操作に応じて回転するスタブ軸と一体
のロータと、このロータに相対的に回動可能に嵌装され
操舵輪側に回転力を伝達する出力軸と一体的なスリーブ
と、これらのロータおよびスリーブを相対的に回動変位
可能に連結するトーションバーとからなり、前記ロータ
の外周部とスリーブの内周部とに周方向に所定間隔をお
いて形成した複数の通路溝を備えている。
【0004】そして、それぞれの通路溝に、ポンプ、タ
ンク、またはパワーシリンダの左、右室を接続し、ロー
タ側の通路溝とスリーブ側の通路溝のチャンファ部分で
可変絞りを構成することにより、流体圧ブリッジ回路を
形成している。この流体圧ブリッジ回路は、ポンプ側の
供給通路とタンク側の戻り通路との間に、左、右一対の
通路を並列に設けている。これらの左、右通路に左、右
対をなす第1、第2の可変絞りを設けるとともに、これ
らの第1、第2の可変絞り間の通路からそれぞれ前記パ
ワーシリンダの左、右室に至る通路を設けている。
ンク、またはパワーシリンダの左、右室を接続し、ロー
タ側の通路溝とスリーブ側の通路溝のチャンファ部分で
可変絞りを構成することにより、流体圧ブリッジ回路を
形成している。この流体圧ブリッジ回路は、ポンプ側の
供給通路とタンク側の戻り通路との間に、左、右一対の
通路を並列に設けている。これらの左、右通路に左、右
対をなす第1、第2の可変絞りを設けるとともに、これ
らの第1、第2の可変絞り間の通路からそれぞれ前記パ
ワーシリンダの左、右室に至る通路を設けている。
【0005】このような構成において、操舵時にロータ
とスリーブとを相対的に回動変位させ、その操舵方向に
応じて左、右の可変絞りを開閉することにより、パワー
シリンダの一方の室にポンプからの圧力流体(圧油)を
導くとともに、他方の室をタンクへの戻り通路に接続し
て圧油をタンクに還流させることにより、パワーシリン
ダによるパワーアシスト力を生じさせることができる。
とスリーブとを相対的に回動変位させ、その操舵方向に
応じて左、右の可変絞りを開閉することにより、パワー
シリンダの一方の室にポンプからの圧力流体(圧油)を
導くとともに、他方の室をタンクへの戻り通路に接続し
て圧油をタンクに還流させることにより、パワーシリン
ダによるパワーアシスト力を生じさせることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の流路切換弁では、操舵時において左、右いずれかの可
変絞りを絞ることにより、その通路を流れる流体圧の差
圧が大きく、流体音の発生が避けられず、これが騒音に
なるという問題がある。このような流体音を低減するた
めに従来から種々の方法が採られている。しかし、いず
れも一長一短があり、流体音を低減する効果が小さかっ
たり、あるいはパワーステアリング装置での圧油の流れ
に圧力損失が大きく、圧油を吐出するポンプ、ひいては
このポンプを駆動する車輌のエンジンへの負荷が大きく
なり、燃費に影響を及ぼすという問題があった。
の流路切換弁では、操舵時において左、右いずれかの可
変絞りを絞ることにより、その通路を流れる流体圧の差
圧が大きく、流体音の発生が避けられず、これが騒音に
なるという問題がある。このような流体音を低減するた
めに従来から種々の方法が採られている。しかし、いず
れも一長一短があり、流体音を低減する効果が小さかっ
たり、あるいはパワーステアリング装置での圧油の流れ
に圧力損失が大きく、圧油を吐出するポンプ、ひいては
このポンプを駆動する車輌のエンジンへの負荷が大きく
なり、燃費に影響を及ぼすという問題があった。
【0007】たとえば流路切換弁の下流側でタンクに至
る戻り通路の途中に固定絞りを設け、前述した操舵時に
おける流体圧ブリッジ回路での圧力差を小さくすること
が考えられているが、この場合には、圧油を給送する際
に圧力損失が大きくなり、燃費に影響を及ぼす。
る戻り通路の途中に固定絞りを設け、前述した操舵時に
おける流体圧ブリッジ回路での圧力差を小さくすること
が考えられているが、この場合には、圧油を給送する際
に圧力損失が大きくなり、燃費に影響を及ぼす。
【0008】また、特開平5−162650号公報に示
すように、ロータ、スリーブの通路溝におけるチャンフ
ァ部分を曲率を大きくしたり、任意の形状にしたり、ま
た特開平5−213214号公報に示すように、タンク
への戻り通路部分での流体圧を多段に減圧できるように
し、操舵時の急激な圧力変動を防ぐことにより、流体音
の発生を低減しようとしたものが提案されている。
すように、ロータ、スリーブの通路溝におけるチャンフ
ァ部分を曲率を大きくしたり、任意の形状にしたり、ま
た特開平5−213214号公報に示すように、タンク
への戻り通路部分での流体圧を多段に減圧できるように
し、操舵時の急激な圧力変動を防ぐことにより、流体音
の発生を低減しようとしたものが提案されている。
【0009】しかし、このような構成を採用しても、構
造が複雑でコスト高になるわりには、流体音をそれほど
低減することができず、さらに圧力損失も大きく、車輌
の燃費に影響を及ぼすという問題がある。
造が複雑でコスト高になるわりには、流体音をそれほど
低減することができず、さらに圧力損失も大きく、車輌
の燃費に影響を及ぼすという問題がある。
【0010】また、特開平4−292265号公報に
は、上述したパワーステアリング装置の流路切換弁を構
成する流体圧ブリッジ回路に、並列に第2の流体圧ブリ
ッジ回路を設け、その左、右バイパス通路に複数段の可
変絞りを設けることにより、流体音の発生を低減しよう
とする試みもなされている。しかし、このような構成で
は、構造が複雑でコスト高となるわりには装置全体での
圧力損失が増加するという問題があった。
は、上述したパワーステアリング装置の流路切換弁を構
成する流体圧ブリッジ回路に、並列に第2の流体圧ブリ
ッジ回路を設け、その左、右バイパス通路に複数段の可
変絞りを設けることにより、流体音の発生を低減しよう
とする試みもなされている。しかし、このような構成で
は、構造が複雑でコスト高となるわりには装置全体での
圧力損失が増加するという問題があった。
【0011】特に、上述した従来例では、ロータとスリ
ーブとに上述した第2の流体圧ブリッジ回路を構成する
可変絞りを形成する通路溝も形成しており、しかもタン
ク側への戻り通路を構成する孔部を、前記第1の流体圧
ブリッジ回路での戻り側と共用している。したがって、
このような構造において、流体音を低減するために戻り
側の孔部を絞って形成すると、装置全体の圧力損失が増
大することになり、前述した燃費に及ぼす影響が大きく
なる。
ーブとに上述した第2の流体圧ブリッジ回路を構成する
可変絞りを形成する通路溝も形成しており、しかもタン
ク側への戻り通路を構成する孔部を、前記第1の流体圧
ブリッジ回路での戻り側と共用している。したがって、
このような構造において、流体音を低減するために戻り
側の孔部を絞って形成すると、装置全体の圧力損失が増
大することになり、前述した燃費に及ぼす影響が大きく
なる。
【0012】また、上述したようなパワーステアリング
装置において、流体音を低減するために多段の可変絞り
を設けても、それぞれの通路での圧油の圧力差は大きい
ため、流体音の発生は操舵時は勿論、走行時においても
同様であり、これらの点を考慮し前述した流体音による
問題を一掃することができるような何らかの対策を講じ
ることが望まれている。
装置において、流体音を低減するために多段の可変絞り
を設けても、それぞれの通路での圧油の圧力差は大きい
ため、流体音の発生は操舵時は勿論、走行時においても
同様であり、これらの点を考慮し前述した流体音による
問題を一掃することができるような何らかの対策を講じ
ることが望まれている。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、走行時や操舵時において流路切換弁に生じ
る流体音の発生を低減することができ、また通路各部で
の圧力損失が少なく、構造も簡単で製造コストも安価に
なるパワーステアリング装置を得ることを目的とする。
ものであり、走行時や操舵時において流路切換弁に生じ
る流体音の発生を低減することができ、また通路各部で
の圧力損失が少なく、構造も簡単で製造コストも安価に
なるパワーステアリング装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るパワーステ
アリング装置は、舵取操作に応じて開閉制御される左、
右対をなす第1、第2の可変絞りを有する左、右通路に
よる流体圧ブリッジ回路によって構成されポンプ、タン
クとパワーシリンダ左、右室との間の通路を選択的に切
換え接続するための流路切換弁の左、右通路にそれぞれ
並列に接続されポンプからの圧力流体の供給通路とタン
クに至る戻り通路との間をバイパスして接続する左、右
バイパス通路に、舵取操作に応じて開閉制御される左、
右対をなす第3、第4および第5の可変絞りを交互に設
けるとともに、左、右バイパス通路をタンクに接続する
戻り通路の途中に固定絞りを設けたものである。
アリング装置は、舵取操作に応じて開閉制御される左、
右対をなす第1、第2の可変絞りを有する左、右通路に
よる流体圧ブリッジ回路によって構成されポンプ、タン
クとパワーシリンダ左、右室との間の通路を選択的に切
換え接続するための流路切換弁の左、右通路にそれぞれ
並列に接続されポンプからの圧力流体の供給通路とタン
クに至る戻り通路との間をバイパスして接続する左、右
バイパス通路に、舵取操作に応じて開閉制御される左、
右対をなす第3、第4および第5の可変絞りを交互に設
けるとともに、左、右バイパス通路をタンクに接続する
戻り通路の途中に固定絞りを設けたものである。
【0015】また、本発明に係るパワーステアリング装
置は、第3、第4および第5の可変絞りの舵取操作量に
応じた閉じ切りタイミングを、流体圧ブリッジ回路の
左、右通路における第1、第2の可変絞りの舵取操作量
に応じた閉じ切りタイミングよりも遅くなるように設定
するとともに、第3、第4および第5の可変絞りでの舵
取操作量に応じた閉じ切りタイミングが異なるように設
定したものである。
置は、第3、第4および第5の可変絞りの舵取操作量に
応じた閉じ切りタイミングを、流体圧ブリッジ回路の
左、右通路における第1、第2の可変絞りの舵取操作量
に応じた閉じ切りタイミングよりも遅くなるように設定
するとともに、第3、第4および第5の可変絞りでの舵
取操作量に応じた閉じ切りタイミングが異なるように設
定したものである。
【0016】さらに、本発明に係るパワーステアリング
装置は、左、右バイパス通路に設けた左、右対をなす第
3、第4および第5の可変絞りを、舵取操作に応じて開
閉制御される第1、第2の可変絞りを形成した流路切換
弁を構成するロータとスリーブとによって形成し、左、
右バイパス通路をタンクに接続する戻り通路の途中に設
けた固定絞りを、ロータに設けた小径通路によって形成
したものである。
装置は、左、右バイパス通路に設けた左、右対をなす第
3、第4および第5の可変絞りを、舵取操作に応じて開
閉制御される第1、第2の可変絞りを形成した流路切換
弁を構成するロータとスリーブとによって形成し、左、
右バイパス通路をタンクに接続する戻り通路の途中に設
けた固定絞りを、ロータに設けた小径通路によって形成
したものである。
【0017】本発明によれば、非操舵時には、ポンプか
らの油圧(流体圧)が流路切換弁を構成する流体圧ブリ
ッジ回路の左、右通路を経てこれに接続している戻り通
路を介してタンク側に還流するとともに、第2の流体圧
ブリッジ回路を構成する左、右バイパス通路を経てこれ
に接続している戻り通路を介してタンク側へ還流する。
このとき、この第2の流体圧ブリッジ回路とタンクとの
間の戻り通路の途中には固定絞りが設けられているが、
流路切換弁となる第1の流体圧ブリッジ回路を介してポ
ンプからタンクへの流路が確保でき、圧力損失は最小限
となり、またパワーシリンダによるアシスト力は生じな
い。
らの油圧(流体圧)が流路切換弁を構成する流体圧ブリ
ッジ回路の左、右通路を経てこれに接続している戻り通
路を介してタンク側に還流するとともに、第2の流体圧
ブリッジ回路を構成する左、右バイパス通路を経てこれ
に接続している戻り通路を介してタンク側へ還流する。
このとき、この第2の流体圧ブリッジ回路とタンクとの
間の戻り通路の途中には固定絞りが設けられているが、
流路切換弁となる第1の流体圧ブリッジ回路を介してポ
ンプからタンクへの流路が確保でき、圧力損失は最小限
となり、またパワーシリンダによるアシスト力は生じな
い。
【0018】一方、走行時において操舵されたときに
は、第1の流体圧ブリッジ回路の左、右通路での第1、
第2の可変絞りによって、操舵方向に応じてパワーシリ
ンダの左、右室への流体圧の供給とタンク側への還流と
が得られ、所要のアシスト力を得ることができる。ここ
で、第2の流体圧ブリッジ回路を構成する左、右バイパ
ス通路での第3、第4、第5の可変絞りも同様に開閉
し、ポンプとタンクとの間の戻り側の流路を多段に絞
り、圧力差を小さくして流体音の発生を低減する。
は、第1の流体圧ブリッジ回路の左、右通路での第1、
第2の可変絞りによって、操舵方向に応じてパワーシリ
ンダの左、右室への流体圧の供給とタンク側への還流と
が得られ、所要のアシスト力を得ることができる。ここ
で、第2の流体圧ブリッジ回路を構成する左、右バイパ
ス通路での第3、第4、第5の可変絞りも同様に開閉
し、ポンプとタンクとの間の戻り側の流路を多段に絞
り、圧力差を小さくして流体音の発生を低減する。
【0019】また、この左、右パイパス通路をタンク側
に接続する戻り通路の途中に設けている固定絞りによっ
て、戻り側となる流路での圧力差をより一層小さくし、
流体音を低減する役割を果たし、圧力損失も低く押さえ
ることができる。
に接続する戻り通路の途中に設けている固定絞りによっ
て、戻り側となる流路での圧力差をより一層小さくし、
流体音を低減する役割を果たし、圧力損失も低く押さえ
ることができる。
【0020】パワーステアリング装置は油圧式のもので
あって、流体圧ブリッジ回路とは油圧ブリッジ回路であ
る。流路切換弁はロータとスリーブとの相対的な回動変
位により流路切換えを行う回転式弁である。
あって、流体圧ブリッジ回路とは油圧ブリッジ回路であ
る。流路切換弁はロータとスリーブとの相対的な回動変
位により流路切換えを行う回転式弁である。
【0021】
【実施の形態】図1ないし図5は本発明に係るパワース
テアリング装置の一つの実施の形態を示し、これらの図
において、全体を符号10で示すパワーステアリング装
置における流路切換弁CVを構成する流体圧(油圧)ブ
リッジ回路12を含む油圧回路の概略構成を、図1
(a)を用いて説明する。この油圧回路は、油圧源であ
るポンプPから供給通路11を介して給送される圧油
を、舵取りハンドルによる舵取操作によって切換え制御
される油圧ブリッジ回路12による流路切換弁CVを介
して、装置アクチュエータであるパワーシリンダ(図中
P/Cで示す)の左、右室CL,CRに給送するととも
に、タンクTに還流させるように構成されている。な
お、このような左、右室CL,CRとは、たとえば左方
向に操舵したときに右室CRにポンプPからの圧油が導
かれるとともに、左室CLがタンクTに接続されること
になる。
テアリング装置の一つの実施の形態を示し、これらの図
において、全体を符号10で示すパワーステアリング装
置における流路切換弁CVを構成する流体圧(油圧)ブ
リッジ回路12を含む油圧回路の概略構成を、図1
(a)を用いて説明する。この油圧回路は、油圧源であ
るポンプPから供給通路11を介して給送される圧油
を、舵取りハンドルによる舵取操作によって切換え制御
される油圧ブリッジ回路12による流路切換弁CVを介
して、装置アクチュエータであるパワーシリンダ(図中
P/Cで示す)の左、右室CL,CRに給送するととも
に、タンクTに還流させるように構成されている。な
お、このような左、右室CL,CRとは、たとえば左方
向に操舵したときに右室CRにポンプPからの圧油が導
かれるとともに、左室CLがタンクTに接続されること
になる。
【0022】ここで、図中11はポンプPから流路切換
弁CVを構成する第1の油圧ブリッジ回路12に至る供
給通路、13,14はこの第1の油圧ブリッジ回路12
においてブリッジ回路を構成する左、右通路、13a,
14aはこれら左、右通路13,14からパワーシリン
ダP/Cの左、右室CL,CRへの左、右シリンダ通
路、15は流路切換弁CVにおける第1の油圧ブリッジ
回路12からタンクTに至る戻り通路である。
弁CVを構成する第1の油圧ブリッジ回路12に至る供
給通路、13,14はこの第1の油圧ブリッジ回路12
においてブリッジ回路を構成する左、右通路、13a,
14aはこれら左、右通路13,14からパワーシリン
ダP/Cの左、右室CL,CRへの左、右シリンダ通
路、15は流路切換弁CVにおける第1の油圧ブリッジ
回路12からタンクTに至る戻り通路である。
【0023】また、上述した流路切換弁CVにおける第
1の油圧ブリッジ回路12を構成する左、右通路13,
14には、広く知られているように、第1の可変絞り1
L,1Rおよび第2の可変絞り2R,2Lがそれぞれ相
対向して交互に設けられている。そして、これら第1、
第2の可変絞り1L,2R;1R,2L間の左、右通路
13,14から前記左、右シリンダ通路13a,14a
が接続され、パワーシリンダ左、右室CL,CRに圧油
を適宜供給または還流させるように構成されている。
1の油圧ブリッジ回路12を構成する左、右通路13,
14には、広く知られているように、第1の可変絞り1
L,1Rおよび第2の可変絞り2R,2Lがそれぞれ相
対向して交互に設けられている。そして、これら第1、
第2の可変絞り1L,2R;1R,2L間の左、右通路
13,14から前記左、右シリンダ通路13a,14a
が接続され、パワーシリンダ左、右室CL,CRに圧油
を適宜供給または還流させるように構成されている。
【0024】また、前記ポンプPからの供給通路11と
タンクTへの戻り通路25(前記第1の油圧ブリッジ回
路12側の戻り通路15とは独立した通路)との間であ
って、前記第1の油圧ブリッジ回路12の左、右通路1
3,14にそれぞれ並列に、左、右バイパス通路23,
24を第2の油圧ブリッジ回路20を構成するように設
けている。なお、図1の回路図では、戻り通路25を第
1の回路12側の戻り通路15とは完全に独立してタン
クTに接続しているが、これらの通路15,25を途中
で合流させてタンクTに接続することは自由である。
タンクTへの戻り通路25(前記第1の油圧ブリッジ回
路12側の戻り通路15とは独立した通路)との間であ
って、前記第1の油圧ブリッジ回路12の左、右通路1
3,14にそれぞれ並列に、左、右バイパス通路23,
24を第2の油圧ブリッジ回路20を構成するように設
けている。なお、図1の回路図では、戻り通路25を第
1の回路12側の戻り通路15とは完全に独立してタン
クTに接続しているが、これらの通路15,25を途中
で合流させてタンクTに接続することは自由である。
【0025】そして、この第2の油圧ブリッジ回路20
を構成する左、右バイパス通路23,24に、舵取操作
に応じて開度を変える左、右一対をなす第3、第4、第
5の可変絞り3R,3L、4L,4R、5R,5Lを設
けている。ここで、これら第3、第4、第5の可変絞り
3R,3L、4L,4R、5R,5Lは、左、右バイパ
ス通路23,24に対し左、右が交互に位置する状態で
設けている。すなわち、左バイパス通路23には、右側
の第3の可変絞り3R、左側の第4の可変絞り4L、右
側の第5の可変絞り5Rが設けられ、右バイパス通路2
4はこれとは逆の配置となっている。さらに、この第2
の油圧ブリッジ回路20の左、右バイパス通路23,2
4において、タンクTへの戻り通路25には、通路を所
定の絞り量で絞る固定絞り6を設けている。
を構成する左、右バイパス通路23,24に、舵取操作
に応じて開度を変える左、右一対をなす第3、第4、第
5の可変絞り3R,3L、4L,4R、5R,5Lを設
けている。ここで、これら第3、第4、第5の可変絞り
3R,3L、4L,4R、5R,5Lは、左、右バイパ
ス通路23,24に対し左、右が交互に位置する状態で
設けている。すなわち、左バイパス通路23には、右側
の第3の可変絞り3R、左側の第4の可変絞り4L、右
側の第5の可変絞り5Rが設けられ、右バイパス通路2
4はこれとは逆の配置となっている。さらに、この第2
の油圧ブリッジ回路20の左、右バイパス通路23,2
4において、タンクTへの戻り通路25には、通路を所
定の絞り量で絞る固定絞り6を設けている。
【0026】このような構成によれば、非操舵時にはポ
ンプPからの圧油は、図1(a)において、流路切換弁
CVを構成する第1の油圧ブリッジ回路12の左、右通
路13,14を経て戻り通路15によりタンクT側に還
流するとともに、第2の油圧ブリッジ回路20の左、右
バイパス通路23,24を経て固定絞り6を有する戻り
通路25によりタンクT側に還流する。このときには、
第2の回路20側の戻り通路25には固定絞り6が存在
するが、流路切換弁CV側のブリッジ回路12や第2の
ブリッジ回路20を介してポンプPからタンクTへの圧
油の還流流路が充分に確保でき、全体での圧力損失は少
なく、またパワーシリンダP/Cによるアシスト力は生
じない。
ンプPからの圧油は、図1(a)において、流路切換弁
CVを構成する第1の油圧ブリッジ回路12の左、右通
路13,14を経て戻り通路15によりタンクT側に還
流するとともに、第2の油圧ブリッジ回路20の左、右
バイパス通路23,24を経て固定絞り6を有する戻り
通路25によりタンクT側に還流する。このときには、
第2の回路20側の戻り通路25には固定絞り6が存在
するが、流路切換弁CV側のブリッジ回路12や第2の
ブリッジ回路20を介してポンプPからタンクTへの圧
油の還流流路が充分に確保でき、全体での圧力損失は少
なく、またパワーシリンダP/Cによるアシスト力は生
じない。
【0027】一方、走行時において操舵されたときに
は、第1の油圧ブリッジ回路12の左、右通路13,1
4での第1、第2の可変絞り1L,1R、2R,2Lに
よって、操舵方向に応じてパワーシリンダP/Cの左、
右室CL,CRへの圧油の供給とタンクT側への還流と
が得られ、所要のアシスト力を得ることができる。第2
の油圧ブリッジ回路20を構成する左、右バイパス通路
23,24での第3、第4、第5の可変絞り3R,3
L、4L,4R、5R,5Lも同様に開閉し、ポンプP
とタンクTとの間の戻り側の流路25を多段に絞り、各
可変絞りの前、後での圧力差を小さくして流体音の発生
を低減する。
は、第1の油圧ブリッジ回路12の左、右通路13,1
4での第1、第2の可変絞り1L,1R、2R,2Lに
よって、操舵方向に応じてパワーシリンダP/Cの左、
右室CL,CRへの圧油の供給とタンクT側への還流と
が得られ、所要のアシスト力を得ることができる。第2
の油圧ブリッジ回路20を構成する左、右バイパス通路
23,24での第3、第4、第5の可変絞り3R,3
L、4L,4R、5R,5Lも同様に開閉し、ポンプP
とタンクTとの間の戻り側の流路25を多段に絞り、各
可変絞りの前、後での圧力差を小さくして流体音の発生
を低減する。
【0028】また、この左、右パイパス通路23,24
のタンクT側への戻り通路25には固定絞り6が設けら
れており、流体音を低減する役割を果たし、圧力損失も
低く抑えることができる。図1(b)中P1 はポンプP
からの圧油の流体圧、P2 ,P3 は多段の可変絞り3
R,3L、4L,4R、5R,5Lと固定絞り6とで減
圧された流体圧、P4 はタンクTに還流するときの流体
圧であり、圧力差が小さくなるように構成されている。
のタンクT側への戻り通路25には固定絞り6が設けら
れており、流体音を低減する役割を果たし、圧力損失も
低く抑えることができる。図1(b)中P1 はポンプP
からの圧油の流体圧、P2 ,P3 は多段の可変絞り3
R,3L、4L,4R、5R,5Lと固定絞り6とで減
圧された流体圧、P4 はタンクTに還流するときの流体
圧であり、圧力差が小さくなるように構成されている。
【0029】この実施の形態では、第2の油圧ブリッジ
回路20を、図2および図3に示すように、パワーステ
アリング装置本体部において、流路切換弁CVとして組
み込まれているロータリバルブにおけるロータ31とス
リーブ32とを利用して構成している。すなわち、流路
切換弁CVを構成する第1の油圧ブリッジ回路12とし
て、ロータ31とスリーブ32との間に形成される第
1、第2の可変絞り1R,1L、2R,2Lに隣接し
て、第2の油圧ブリッジ回路20を構成する第3、第
4、第5の可変絞り3R,3L、4R,4L、5R,5
Lと固定絞り6を一体的に設けている。
回路20を、図2および図3に示すように、パワーステ
アリング装置本体部において、流路切換弁CVとして組
み込まれているロータリバルブにおけるロータ31とス
リーブ32とを利用して構成している。すなわち、流路
切換弁CVを構成する第1の油圧ブリッジ回路12とし
て、ロータ31とスリーブ32との間に形成される第
1、第2の可変絞り1R,1L、2R,2Lに隣接し
て、第2の油圧ブリッジ回路20を構成する第3、第
4、第5の可変絞り3R,3L、4R,4L、5R,5
Lと固定絞り6を一体的に設けている。
【0030】このような本発明を適用したロータリバル
ブ式流路切換弁CVの詳細を図2、図3を用いて説明す
ると、図中符号31は図示しない舵取ハンドル側に連結
された入力軸(スタブ軸)に一体的に設けられるロー
タ、32はこのロータ31の外周に嵌装された状態で図
示しない操舵輪側の出力軸(たとえばピニオン軸)に一
体的に設けられるスリーブで、これらはトーションバー
(図示せず)により相対的に回転変位可能な状態で組合
わされ、バルブハウジング(図示せず)内に内装されて
いる。
ブ式流路切換弁CVの詳細を図2、図3を用いて説明す
ると、図中符号31は図示しない舵取ハンドル側に連結
された入力軸(スタブ軸)に一体的に設けられるロー
タ、32はこのロータ31の外周に嵌装された状態で図
示しない操舵輪側の出力軸(たとえばピニオン軸)に一
体的に設けられるスリーブで、これらはトーションバー
(図示せず)により相対的に回転変位可能な状態で組合
わされ、バルブハウジング(図示せず)内に内装されて
いる。
【0031】33はロータ31の外周部に周方向に所定
間隔をおいて形成された複数条(この例では二条で一組
となる四条)の通路溝で、これらの通路溝33,33、
33,33はロータ31の軸心を中心とした対称位置に
形成されている。そして、油圧発生源であるオイルポン
プPに供給通路11を介して接続される入りポート33
a,33a(Pを付す)がそれぞれ開口している。
間隔をおいて形成された複数条(この例では二条で一組
となる四条)の通路溝で、これらの通路溝33,33、
33,33はロータ31の軸心を中心とした対称位置に
形成されている。そして、油圧発生源であるオイルポン
プPに供給通路11を介して接続される入りポート33
a,33a(Pを付す)がそれぞれ開口している。
【0032】また、34は前記通路溝33,33の周方
向の挟まれた位置に形成された複数条(この例では二
条)の通路溝で、これらの通路溝34,34には、ロー
タ31に軸心方向に向って形成されオイルタンクTに至
る戻り通路15にロータ31の内部空間を介して接続さ
れる戻りポート34a(Tを付す)が開口している。3
5は上述した通路溝34,34とロータ31の軸心を中
心とする点対称位置に形成された複数条(この例では二
条)の通路溝で、これらの通路溝35,35にも、ロー
タ31に軸心方向に向って形成されオイルタンクTに至
る戻り通路15にロータ31の内部空間を介して接続さ
れる戻りポート35a,35a(Tを付す)が開口して
いる。この実施の形態では、後述するようにこの戻りポ
ート35a,35aの一部を絞ることにより固定絞り6
を形成している。
向の挟まれた位置に形成された複数条(この例では二
条)の通路溝で、これらの通路溝34,34には、ロー
タ31に軸心方向に向って形成されオイルタンクTに至
る戻り通路15にロータ31の内部空間を介して接続さ
れる戻りポート34a(Tを付す)が開口している。3
5は上述した通路溝34,34とロータ31の軸心を中
心とする点対称位置に形成された複数条(この例では二
条)の通路溝で、これらの通路溝35,35にも、ロー
タ31に軸心方向に向って形成されオイルタンクTに至
る戻り通路15にロータ31の内部空間を介して接続さ
れる戻りポート35a,35a(Tを付す)が開口して
いる。この実施の形態では、後述するようにこの戻りポ
ート35a,35aの一部を絞ることにより固定絞り6
を形成している。
【0033】36,37はスリーブ32の内周部におい
て入りポート33a,33aと戻りポート34aとの間
に通路溝33,33または通路溝34に連通するように
隣接して形成された複数条(この例では二条づつの合計
四条)の通路溝であり、これらの通路溝36,37に
は、パワーシリンダP/Cの左、右シリンダ室CL,C
Rに至る出力通路13a,14aに接続される左、右出
力ポート36a,37a(CL,CRを付す)が開口し
ている。
て入りポート33a,33aと戻りポート34aとの間
に通路溝33,33または通路溝34に連通するように
隣接して形成された複数条(この例では二条づつの合計
四条)の通路溝であり、これらの通路溝36,37に
は、パワーシリンダP/Cの左、右シリンダ室CL,C
Rに至る出力通路13a,14aに接続される左、右出
力ポート36a,37a(CL,CRを付す)が開口し
ている。
【0034】したがって、上述した通路溝33,33、
通路溝34、通路溝36,37、さらにパワーシリンダ
出力通路13a,14aによって、前述した第1の油圧
ブリッジ回路12が形成される。入り側の通路溝33,
33と出力側の通路溝36,37との間には、ロータ3
1、スリーブ32の相対的な回転変位に伴って開閉制御
される前記第1の可変絞り1R,1Lが形成され、また
出力側通路溝36,37と戻り側の通路溝34との間に
は、第2の可変絞り2L,2Rが形成されている。
通路溝34、通路溝36,37、さらにパワーシリンダ
出力通路13a,14aによって、前述した第1の油圧
ブリッジ回路12が形成される。入り側の通路溝33,
33と出力側の通路溝36,37との間には、ロータ3
1、スリーブ32の相対的な回転変位に伴って開閉制御
される前記第1の可変絞り1R,1Lが形成され、また
出力側通路溝36,37と戻り側の通路溝34との間に
は、第2の可変絞り2L,2Rが形成されている。
【0035】39,40、41,42はロータ31の外
周部で前記通路溝33,33、戻り側の通路溝34、通
路溝36,37による二対の流路切換え部間で前記別の
通路溝35,35との間に形成した二対の第2の通路溝
である。これら第2の通路溝39,40、41,42
は、前述した図1の回路において、第2の油圧ブリッジ
回路20を構成する左、右バイパス通路23,24を形
成するところであり、前述したように、ポンプPからの
入りポート33aからタンクTへの戻りポート35aに
かけて前記第3、第4、第5の可変絞り3R,4L,5
R、3L,4R,5Lを形成している。通路溝の両側の
ランドと他方の通路溝との間にこれらの可変絞りを形成
している。
周部で前記通路溝33,33、戻り側の通路溝34、通
路溝36,37による二対の流路切換え部間で前記別の
通路溝35,35との間に形成した二対の第2の通路溝
である。これら第2の通路溝39,40、41,42
は、前述した図1の回路において、第2の油圧ブリッジ
回路20を構成する左、右バイパス通路23,24を形
成するところであり、前述したように、ポンプPからの
入りポート33aからタンクTへの戻りポート35aに
かけて前記第3、第4、第5の可変絞り3R,4L,5
R、3L,4R,5Lを形成している。通路溝の両側の
ランドと他方の通路溝との間にこれらの可変絞りを形成
している。
【0036】この実施の形態では、上述した第3、第
4、第5の可変絞り3R,4L,5R、3L,4R,5
Lでの操舵時における閉じ切るタイミングを、図4およ
び図5に示すように、第1、第2の可変絞り1L,1
R、2R,2Lの閉じ切るタイミングよりも遅くなるよ
うに設定している。また、これらの第3、第4、第5の
可変絞り3R,4L,5R、3L,4R,5Lでの閉じ
切りタイミングが操舵角によって異なるように設定して
いる。
4、第5の可変絞り3R,4L,5R、3L,4R,5
Lでの操舵時における閉じ切るタイミングを、図4およ
び図5に示すように、第1、第2の可変絞り1L,1
R、2R,2Lの閉じ切るタイミングよりも遅くなるよ
うに設定している。また、これらの第3、第4、第5の
可変絞り3R,4L,5R、3L,4R,5Lでの閉じ
切りタイミングが操舵角によって異なるように設定して
いる。
【0037】図4は上述した第3、第4、第5の可変絞
り3R,4L,5R、3L,4R,5Lでの中立位置か
ら閉じ切りまでの角度をθ3、θ4、θ5で示す。これ
らの角度θ3、θ4、θ5は、前述した第1、第2の可
変絞り1L,1R、2R,2Lの閉じ切りまでの角度θ
1、θ2とは異なっている。すなわち、この図では、θ
1=θ2<θ4<θ3<θ5の関係となっている。これ
らの可変絞りの開閉状態を図5に示している。
り3R,4L,5R、3L,4R,5Lでの中立位置か
ら閉じ切りまでの角度をθ3、θ4、θ5で示す。これ
らの角度θ3、θ4、θ5は、前述した第1、第2の可
変絞り1L,1R、2R,2Lの閉じ切りまでの角度θ
1、θ2とは異なっている。すなわち、この図では、θ
1=θ2<θ4<θ3<θ5の関係となっている。これ
らの可変絞りの開閉状態を図5に示している。
【0038】なお、このような各可変絞りの閉じ切りタ
イミングは、これに限定されず、任意に選択するとよ
い。すなわち、操舵時において、第2のブリッジ回路2
0である左、右バイパス通路23,24側を流れる圧油
に、固定絞り6と協働して複数段の中間圧領域を形成
し、従来問題であった流体音を低くすることができる。
第1のブリッジ回路12側では、戻り通路15に固定絞
り6がないため、圧力損失を生じるという問題はない。
イミングは、これに限定されず、任意に選択するとよ
い。すなわち、操舵時において、第2のブリッジ回路2
0である左、右バイパス通路23,24側を流れる圧油
に、固定絞り6と協働して複数段の中間圧領域を形成
し、従来問題であった流体音を低くすることができる。
第1のブリッジ回路12側では、戻り通路15に固定絞
り6がないため、圧力損失を生じるという問題はない。
【0039】図6は本発明に係るパワーステアリング装
置の別の実施の形態を示し、前述した図2に相当する図
である。この実施の形態では、ロータ31、スリーブ3
2の軸心を対称とした位置すなわち放射方向にバランス
した位置に近似する位置に、ほぼ同じ機能をもつ通路
溝、連絡溝、連通溝、各ポートを形成しており、動作上
での信頼性を向上させるとともに、穴加工、溝加工を容
易に行なえるようにし、ロータ31、スリーブ32の周
方向での圧力バランスを含め、加工性やコスト面での配
慮をなしている。しかし、この実施の形態での装置も、
基本的には前述した実施の形態と略同等の構成のもので
あって、同等の作用効果を得ることが可能であり、ここ
では具体的な説明等は省略する。
置の別の実施の形態を示し、前述した図2に相当する図
である。この実施の形態では、ロータ31、スリーブ3
2の軸心を対称とした位置すなわち放射方向にバランス
した位置に近似する位置に、ほぼ同じ機能をもつ通路
溝、連絡溝、連通溝、各ポートを形成しており、動作上
での信頼性を向上させるとともに、穴加工、溝加工を容
易に行なえるようにし、ロータ31、スリーブ32の周
方向での圧力バランスを含め、加工性やコスト面での配
慮をなしている。しかし、この実施の形態での装置も、
基本的には前述した実施の形態と略同等の構成のもので
あって、同等の作用効果を得ることが可能であり、ここ
では具体的な説明等は省略する。
【0040】なお、本発明は上述した実施の形態構造に
は限定されず、パワーステアリング装置10やその流路
切換弁CVの第1の油圧ブリッジ回路12、第2の油圧
ブリッジ回路20等のような各部の形状、構造等を適宜
変形、変更できることは勿論である。
は限定されず、パワーステアリング装置10やその流路
切換弁CVの第1の油圧ブリッジ回路12、第2の油圧
ブリッジ回路20等のような各部の形状、構造等を適宜
変形、変更できることは勿論である。
【0041】たとえば上述した実施の形態において、第
1、第2の油圧ブリッジ回路12,20に設ける第1、
第2、第3、第4および第5の可変絞り1R,1L、2
R,2L、3R,3L、4R,4L、5R,5Lでの閉
じ切りタイミングを図4、図5に示すような関係に設定
した場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。
これらの設定を選択することにより、装置全体で得られ
る特性の自由度を増すことができる。また、上述した実
施の形態では、パワーステアリング装置の流路切換弁C
Vが組込まれる本体部やパワーシリンダP/C等の詳細
は省略したが、従来から広く知られている構造を採用す
ればよい。
1、第2の油圧ブリッジ回路12,20に設ける第1、
第2、第3、第4および第5の可変絞り1R,1L、2
R,2L、3R,3L、4R,4L、5R,5Lでの閉
じ切りタイミングを図4、図5に示すような関係に設定
した場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。
これらの設定を選択することにより、装置全体で得られ
る特性の自由度を増すことができる。また、上述した実
施の形態では、パワーステアリング装置の流路切換弁C
Vが組込まれる本体部やパワーシリンダP/C等の詳細
は省略したが、従来から広く知られている構造を採用す
ればよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るパワー
ステアリング装置によれば、流路切換弁となる流体圧ブ
リッジ回路の左、右通路にそれぞれ並列に接続した左、
右バイパス通路に、舵取操作に応じて開閉する左、右対
をなす第3、第4および第5の可変絞りを交互に設ける
とともに、左、右バイパス通路をタンクに接続する戻り
通路の途中に固定絞りを設けたので、操舵時においてポ
ンプからタンクへの戻り側での流体圧の圧力差を多段に
減圧し、流体音の発生を低減し、しかも装置全体での圧
力損失も最小限とすることができる。
ステアリング装置によれば、流路切換弁となる流体圧ブ
リッジ回路の左、右通路にそれぞれ並列に接続した左、
右バイパス通路に、舵取操作に応じて開閉する左、右対
をなす第3、第4および第5の可変絞りを交互に設ける
とともに、左、右バイパス通路をタンクに接続する戻り
通路の途中に固定絞りを設けたので、操舵時においてポ
ンプからタンクへの戻り側での流体圧の圧力差を多段に
減圧し、流体音の発生を低減し、しかも装置全体での圧
力損失も最小限とすることができる。
【0043】特に、本発明に係るパワーステアリング装
置によれば、第3、第4および第5の可変絞りの舵取操
作量に応じた閉じ切りタイミングを、流体圧ブリッジ回
路の左、右通路における第1、第2の可変絞りの舵取操
作量に応じた閉じ切りタイミングよりも遅くなるように
設定するとともに、第3、第4および第5の可変絞りで
の舵取操作量に応じた閉じ切りタイミングが異なるよう
に設定したことにより、上述した流体音の低減や圧力損
失の低減を達成することができる。
置によれば、第3、第4および第5の可変絞りの舵取操
作量に応じた閉じ切りタイミングを、流体圧ブリッジ回
路の左、右通路における第1、第2の可変絞りの舵取操
作量に応じた閉じ切りタイミングよりも遅くなるように
設定するとともに、第3、第4および第5の可変絞りで
の舵取操作量に応じた閉じ切りタイミングが異なるよう
に設定したことにより、上述した流体音の低減や圧力損
失の低減を達成することができる。
【0044】さらに、本発明によれば、左、右バイパス
通路に設けた左、右対をなす第3、第4および第5の可
変絞りを、舵取操作に応じて開閉制御される第1、第2
の可変絞りを形成した流路切換弁を構成するロータとス
リーブとによって形成し、左、右バイパス通路のタンク
に戻る戻り通路の途中に設けた固定絞りを、ロータに設
けた小径通路によって形成したから、上述した流体音の
低減効果に加えて、構造が簡単で、製造コストの低減も
図れ、しかも動作上での信頼性も向上させることができ
る。
通路に設けた左、右対をなす第3、第4および第5の可
変絞りを、舵取操作に応じて開閉制御される第1、第2
の可変絞りを形成した流路切換弁を構成するロータとス
リーブとによって形成し、左、右バイパス通路のタンク
に戻る戻り通路の途中に設けた固定絞りを、ロータに設
けた小径通路によって形成したから、上述した流体音の
低減効果に加えて、構造が簡単で、製造コストの低減も
図れ、しかも動作上での信頼性も向上させることができ
る。
【0045】また、本発明によれば、ロータとスリーブ
との通路溝による第1、第2、第3、第4、第5の可変
絞りの閉じ切りタイミングを任意に設定することによ
り、特性の自由度が大きいという利点もある。
との通路溝による第1、第2、第3、第4、第5の可変
絞りの閉じ切りタイミングを任意に設定することによ
り、特性の自由度が大きいという利点もある。
【図1】 本発明に係るパワーステアリング装置の一実
施の形態を示し、(a)は装置の油圧回路を説明するた
めの油圧回路図、(b)は右側に操舵した時(右切り
時)の油圧回路図である。
施の形態を示し、(a)は装置の油圧回路を説明するた
めの油圧回路図、(b)は右側に操舵した時(右切り
時)の油圧回路図である。
【図2】 図1(a)に示す油圧回路をロータリバルブ
式流路切換弁に適用した場合の概略構成を説明するため
の図であって、流路切換弁が中立状態にあるときの構成
図である。
式流路切換弁に適用した場合の概略構成を説明するため
の図であって、流路切換弁が中立状態にあるときの構成
図である。
【図3】 図2の状態から右側に操舵した状態(右切り
状態)を示す構成図である。
状態)を示す構成図である。
【図4】 図2に示すロータリバルブ式流路切換弁にお
ける舵取操作に伴なうロータとスリーブの相対捩れ角と
これに対する可変絞りの開口面積との関係を説明するた
めの拡大図である。
ける舵取操作に伴なうロータとスリーブの相対捩れ角と
これに対する可変絞りの開口面積との関係を説明するた
めの拡大図である。
【図5】 図2、図4に示すロータリバルブ式流路切換
弁における舵取操作に伴なうロータとスリーブの相対捩
れ角とこれに対する可変絞りの開口面積との関係を示す
特性図である。
弁における舵取操作に伴なうロータとスリーブの相対捩
れ角とこれに対する可変絞りの開口面積との関係を示す
特性図である。
【図6】 本発明に係るパワーステアリング装置の別の
実施の形態を示し、図2に対応するロータリバルブ式流
路切換弁に適用した場合の概略構成を説明するための構
成図である。
実施の形態を示し、図2に対応するロータリバルブ式流
路切換弁に適用した場合の概略構成を説明するための構
成図である。
1L,1R…第1の可変絞り、2L,2R…第2の可変
絞り、3L,3R…第3の可変絞り、4L,4R…第4
の可変絞り、5L,5R…第5の可変絞り、6…固定絞
り、10…パワーステアリング装置、11…供給通路、
12…流体圧(油圧)ブリッジ回路、13,14…左、
右通路、13a,14a…左、右シリンダ通路、15…
戻り通路、20…第2の流体圧(油圧)ブリッジ回路、
23,24…左、右バイパス通路、25…戻り通路、3
1…ロータ、32…スリーブ、33,34,35,3
6,37,38,39,40,41,42…通路溝、3
3…入りポート、34a,35a…戻りポート、P…ポ
ンプ、T…タンク、CV…ロータリバルブ式流路切換
弁、P/C…パワーシリンダ、CR,CL…左、右シリ
ンダ室(左、右室)。
絞り、3L,3R…第3の可変絞り、4L,4R…第4
の可変絞り、5L,5R…第5の可変絞り、6…固定絞
り、10…パワーステアリング装置、11…供給通路、
12…流体圧(油圧)ブリッジ回路、13,14…左、
右通路、13a,14a…左、右シリンダ通路、15…
戻り通路、20…第2の流体圧(油圧)ブリッジ回路、
23,24…左、右バイパス通路、25…戻り通路、3
1…ロータ、32…スリーブ、33,34,35,3
6,37,38,39,40,41,42…通路溝、3
3…入りポート、34a,35a…戻りポート、P…ポ
ンプ、T…タンク、CV…ロータリバルブ式流路切換
弁、P/C…パワーシリンダ、CR,CL…左、右シリ
ンダ室(左、右室)。
Claims (3)
- 【請求項1】 舵取操作に応じて開閉制御される左、右
対をなす第1、第2の可変絞りを有する左、右通路によ
る流体圧ブリッジ回路によって構成されポンプ、タンク
とパワーシリンダ左、右室との間の通路を選択的に切換
え接続するための流路切換弁を備えたパワーステアリン
グ装置において、 前記ポンプからの圧力流体の供給通路と前記タンクに至
る戻り通路との間であって前記流体圧ブリッジ回路を構
成する左、右通路にそれぞれ並列に接続した左、右バイ
パス通路を設け、 これら左、右バイパス通路に、舵取操作に応じて開閉制
御される左、右対をなす第3、第4および第5の可変絞
りを交互に設けるとともに、前記左、右バイパス通路を
タンクに接続する戻り通路の途中に固定絞りを設けたこ
とを特徴とするパワーステアリング装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のパワーステアリング装置
において、 左、右バイパス通路に設けた第3、第4および第5の可
変絞りの舵取操作量に応じた閉じ切りタイミングを、流
体圧ブリッジ回路の左、右通路に設けた第1、第2の可
変絞りの舵取操作量に応じた閉じ切りタイミングよりも
遅くなるように設定するとともに、これら第3、第4お
よび第5の可変絞りでの舵取操作量に応じた閉じ切りタ
イミングが異なるように設定したことを特徴とするパワ
ーステアリング装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のパワース
テアリング装置において、 左、右バイパス通路に設けた左、右対をなす第3、第4
および第5の可変絞りを、舵取操作に応じて開閉制御さ
れる第1、第2の可変絞りを形成した流路切換弁を構成
するロータとスリーブとによって形成し、 左、右バイパス通路をタンクに接続する戻り通路の途中
に設けた固定絞りを、前記ロータに設けた小径通路によ
って形成したことを特徴とするパワーステアリング装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23064296A JPH1071960A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23064296A JPH1071960A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1071960A true JPH1071960A (ja) | 1998-03-17 |
Family
ID=16910994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23064296A Pending JPH1071960A (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1071960A (ja) |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP23064296A patent/JPH1071960A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2503218B2 (ja) | パワ−ステアリングの油圧制御装置 | |
JPS63166659A (ja) | パワ−ステアリングの油圧制御装置 | |
JPS63166658A (ja) | パワ−ステアリングの油圧制御装置 | |
JPH0224373Y2 (ja) | ||
JPH07132842A (ja) | 動力舵取装置 | |
JP3681875B2 (ja) | パワーステアリングシステム | |
JPS63188571A (ja) | パワ−ステアリング用ロ−タリ制御弁 | |
JPH1071960A (ja) | パワーステアリング装置 | |
JP3368666B2 (ja) | 動力舵取装置 | |
JPH0911927A (ja) | パワーステアリング装置 | |
JP3057409B2 (ja) | 車速感応式パワーステアリング装置 | |
JP3494768B2 (ja) | パワーステアリング装置 | |
KR0174296B1 (ko) | 동력조타장치 | |
JPH09109910A (ja) | パワーステアリング装置 | |
US5937728A (en) | Power steering control valve with noise reduction | |
JPH09207794A (ja) | パワーステアリング装置 | |
JPH07323860A (ja) | 車速感応式パワーステアリング装置 | |
JPH0811738A (ja) | 車速感応式パワーステアリング装置 | |
JPH0834361A (ja) | パワーステアリング装置 | |
JP3567657B2 (ja) | 油圧式パワーステアリングの油圧制御装置 | |
JPH08127354A (ja) | パワーステアリング装置 | |
JP3073601B2 (ja) | 油圧式パワーステアリングの油圧制御装置 | |
JPH07329811A (ja) | 車速感応式パワーステアリング装置 | |
JPH10324259A (ja) | 動力舵取装置 | |
JP3574910B2 (ja) | 油圧制御弁 |