JPH1071655A - 研磨模様を有するゴムロール、その製造方法及び該ゴムロール製造用成形型 - Google Patents

研磨模様を有するゴムロール、その製造方法及び該ゴムロール製造用成形型

Info

Publication number
JPH1071655A
JPH1071655A JP35579196A JP35579196A JPH1071655A JP H1071655 A JPH1071655 A JP H1071655A JP 35579196 A JP35579196 A JP 35579196A JP 35579196 A JP35579196 A JP 35579196A JP H1071655 A JPH1071655 A JP H1071655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
rubber roll
rubber
roller
polishing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35579196A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Toyoda
敬二 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP35579196A priority Critical patent/JPH1071655A/ja
Publication of JPH1071655A publication Critical patent/JPH1071655A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Handling Of Sheets (AREA)
  • Handling Of Cut Paper (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常に一定の研磨模様を表面に有するゴムロー
ル及びこのような表面状態を安定的、且つ継続的に形成
することができるゴムロールの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 研磨模様が転写された樹脂製又は金属製
成形型を用いて形成されたことを特徴とする研磨模様を
有するゴムロール及びその製造方法、並びに研磨模様が
転写された樹脂製又は金属製のゴムロール製造用の研磨
模様を有する成形型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨によらずに表
面に研磨模様が形成されたゴムロール及びその製造方
法、並びに該ゴムロールの製造に使用する成形型に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ゴムロールは、従来から印刷工業、繊維
工業、プラスチック工業、製鉄工業、製紙工業等の種々
の分野で広範に使用されている。ゴムロールは、用途に
よって直径がmmオーダ−から10m程度のものまであ
り、製造方法も多種多様である。ほぼ共通する点は、金
属製芯(芯金)にゴム組成物を強固に接着させ、研磨に
よって円筒状に精度よく仕上げることが必要である。
【0003】ゴムロールの製造方法としては、例えば、
大型ロールでは、用途に応じた性能を有するゴム組成
物をカレンダー等を用いてシート状に成形し、シート
状成形物を空気を除去しながら芯金に所定の厚さに巻付
け、帆布締め、蒸気加硫、帆布ほどきを行い、最
後に研磨(研削)を行う方法が代表的な方法である。
中〜小型のロールでは、直接成形型にゴム組成物を投入
する圧縮成形、トランスファ成形や射出成形によって円
筒状ゴムロールを作製後、芯材にはめ込む方法、あるい
はゴム組成物をチューブ状に押出し、加硫後所定の長さ
に切断して芯金にはめ込む方法、芯金にテープ状ゴム組
成物を巻き付け、金型にセットして圧縮成形する方法等
が用いられている。
【0004】ゴムロールの製造において、研磨(研削)
は、グラインダーでロールを所定の寸法に精度よく仕上
げる工程であり、砥石として多孔性又は非多孔性カーボ
ランダム等を使用し、硬質ゴムロールでは湿式で、軟質
ゴムロールでは乾式で研磨が行われる。研磨の主要目的
は上記の通りであるが、OA機器等においてゴムロール
が機能性部品として使用される場合には、研磨によって
ゴムロール表面に形成された研磨模様(しぼ)が機能発
現のうえで重要な要件となる場合が多い。特に紙送りロ
ールの機能は多様化し、高度な信頼性が要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、研磨は人手
によって一本一本行うためにコストが高く、又、常に一
定の模様に研磨することが困難であるため、ゴムロール
の機能性が低下したり、ばら付いたり等の不都合が生
じ、常に一定の研磨表面を有するゴムロールが要望され
ている。
【0006】従って、本発明の目的は、常に一定の研磨
模様を表面に有するゴムロール及びこのような表面状態
を安定的、且つ継続的に形成することができるゴムロー
ルの製造方法を提供することにある。そこで、本発明者
は鋭意検討の結果、ゴムロールの表面に砥石による研磨
で形成された研磨模様が、アルミニウム粉を配合して硬
化させたエポキシ樹脂の表面に忠実に転写できること、
また、電鋳法によって金属表面に忠実に転写再現される
ことを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成させ
るに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明によれば、
研磨模様を有する成形型を用いて形成されたことを特徴
とする研磨模様を有するゴムロール、ゴムロール用組成
物を樹脂製又は金属製成形型を用いて成形することを特
徴とする研磨模様を有するゴムロールの製造方法並びに
樹脂製又は金属製であって、研磨模様を表面に有するこ
とを特徴とする研磨模様を有するゴムロール製造用成形
型が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に好ましい実施の形態を上げ
て本発明を詳細に説明する。本発明の研磨模様を有する
ゴムロールは、研磨によらずに、ゴムロール表面に研磨
模様が形成されていることが特徴である。本発明のゴム
ロールは、成形型、特に、樹脂製又は金属製成形型(モ
ールド)を用いて形成されるが、形成方法としては、例
えば、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の成
形型を用いる方法が挙げられる。
【0009】本発明で使用される好ましい成形型は、研
磨によって形成されたゴムロール表面の研磨模様(し
ぼ:皺)が成形型の表面(ゴム組成物と接触する面)に
転写により形成された樹脂製又は金属製の成形型であ
る。一般に、成形型の材料としては金属が使用されてい
るが、金属製の成形型(金型)を使用してゴムロールを
成形する場合には、金型の表面にゴムロールの研磨模様
を彫刻する必要がある。しかし、この研磨模様を金属製
の成形型に彫刻することは、研磨模様が比較的微細であ
るために極めて困難であり、同一の金型を複数個作ると
なると更に困難となる。従って、彫刻によって研磨模様
を忠実に再現することは極めて困難である。
【0010】しかしながら、本発明によれば、転写によ
ってゴムロールの研磨模様を成形型表面に容易かつ忠実
に再現でき、上記のような成形型製造上の問題は解決さ
れる。更に、本発明の成形型を使用する利点は、原型と
なる研磨ゴムロールの研磨模様を、成形型に直接転写す
ることができ、同一原型ゴムロールから多数の成形型を
製造することができるから、これらの成形型を用いて同
一研磨模様を有するゴムロールの量産が可能であること
である。
【0011】研磨模様が忠実に転写された成形型を用い
て、研磨模様を有するゴムロールを製造するためには、
最初に、成形型の原型となる研磨模様を有するゴムロー
ルを製造する。ゴムロールの原料ゴム成分及びその他の
成分については後で詳細に説明する。対象とするゴムロ
ールについて従来から実施されている方法に従ってゴム
ロールを製造し、その表面を常法に従って砥石で研磨し
て研磨ロールを複数個製造する。その中から表面状態の
良好なゴムロールを選別し、これを原型ゴムロールとし
て使用する。
【0012】次に、この原型ゴムロールを用いて成形型
(モールド)を製造するゴムロールの研磨模様の成形型
への転写は、成形型を樹脂で製造する場合と金属で製造
する場合では異なっている。
【0013】先ず、成形型を樹脂で製造する場合につい
て説明する。樹脂製成形型への研磨模様の転写の原理
は、石膏やシリコン樹脂で型を取る場合と同じである。
即ち、原型ゴムロールを型枠内に固定し、この型枠に熱
硬化性樹脂前駆体を注入して硬化させた後、型枠から原
型ゴムロールを剥離することによって研磨模様が転写さ
れた樹脂製成形型が得られる。同様の操作を繰り返すこ
とによって、同一の樹脂製成形型を容易に多数製造する
ことができる。
【0014】本発明で樹脂製成形型を製造するために使
用される樹脂は、特に限定されず、例えば、従来公知の
アルミニウム等の金属粉が配合されたエポキシ樹脂はい
ずれも使用することができる。好ましいエポキシ樹脂と
しては、アミノフェノール類のポリグリシジル化物であ
る多官能アミノエポキシ樹脂が挙げられる。25℃で測
定した粘度が3000cps以下、更には2500cp
s以下のものが金属粉が多量に添加できるので好まし
い。
【0015】アミノフェノール類としては、例えば、p
−アミノフェノール、m−アミノフェノール、o−アミ
ノフェノール等のアミノフェノール;4−アミノ−m−
クレゾール、4−アミノ−o−クレゾール、6−アミノ
−m−クレゾール、5−アミノ−m−クレゾール、3−
エチル−4−アミノフェノール、2−エチル−4−アミ
ノフェノール等の芳香環に1個以上のアルキル基が置換
したアミノフェノール等が挙げられる。
【0016】これらのアミノフェノール類のポリグリシ
ジル化物自体は、周知のエポキシ樹脂である。特に好ま
しいのは、下記の一般式(1)で示されるアミノフェノ
ール類のトリグリシジル化物である。
【0017】
【化1】 (式中のGはグリシジル基、Rは水素原子又はメチル基
を表す。)
【0018】本発明で使用する硬化剤は、従来公知のエ
ポキシ樹脂用硬化剤はいずれも使用することができる
が、例えば、脂肪族アミンやダイマー酸変性ポリアミ
ン、ポリメルカプタン類を使用すれば常温硬化が可能で
ある。硬化剤は、通常、エポキシ樹脂のエポキシ基に対
して0.6〜1.3当量、好ましくは0.7〜1.2当
量である。
【0019】又、硬化促進剤としては、従来公知のいず
れのエポキシ樹脂用硬化促進剤も使用することができ、
硬化促進剤の使用によって低温硬化及び硬化時間の短縮
が可能となる。硬化促進剤は、通常、エポキシ樹脂10
0重量部に対して0.3〜0.6重量部の割合で使用さ
れる。
【0020】本発明で使用する金属粉としては、例え
ば、アルミニウム、鉄、銅等の各種金属の粉末が挙げら
れる。特にアルミニウム粉末は、熱伝導性が良好で、熱
膨脹率がエポキシ樹脂に近く、エポキシ樹脂との濡れ性
が良く、しかも鋳肌面(転写面)の仕上がり状態も良
く、更に比重が小さいために硬化物(成形型)が軽量化
できること等から好ましい。又、分散性、耐沈降性、転
写面の仕上がり等の点から、金属粉末は粒径が200μ
m以下のものが好ましい。特に、金属粉末中の粒径が1
0μm以下の割合が15〜50重量%、粒径が1μm以
下の割合が30重量%以下のものが好ましい。さらに、
粒径が10μm以下の金属粉の比表面積(BET法によ
る)が6.5g/m以下であることが好ましい。金属粉
末の好ましい使用割合は、エポキシ樹脂対金属粉末が1
5:85〜40:60(重量比)であり、更に好ましく
は20:80〜40:60である。
【0021】原型ゴムロールを用いて研磨模様を有する
樹脂製成形型を製造する場合には、離型剤を塗布した原
型ゴムロールを枠型の中に設置し、上記の如き金属粉含
有エポキシ樹脂組成物を注入し、十分に真空脱気した
後、室温あるいは通常、50〜150℃の範囲で加熱し
て硬化させる。硬化後、型枠から原型ゴムロールを取り
除く。最後に十分に硬化させることによって、表面に原
型ゴムロールの研磨模様が忠実に転写された樹脂製成形
型が出来上がる。以上の操作を繰り返すことによって、
同一の研磨模様を有する樹脂製成形型を必要数だけ製造
することができる。
【0022】上記のエポキシ樹脂/硬化剤/硬化促進剤
/金属粉末からなる組成物を用いて形成した成形型は、
硬化収縮率が小さく、原型ロールの研磨模様を精度よく
忠実に転写することができ、熱間強度が大きく高温での
射出成形等における型割れ、破損が防止され、放熱性が
良好であるため、樹脂の注入−ゴムロール取り出しのサ
イクルが短縮され、量産が可能である。
【0023】次に、ゴムロールの研磨模様を転写した金
属製成形型を製造する場合について説明する。研磨によ
って研磨模様を形成したゴムロールを原型ゴムロールと
して用いる点は樹脂製成形型を製造する場合と同じであ
る。
【0024】原型ロール表面の研磨模様を金属に転写す
る方法としては、例えば、電鋳法が用いられるが、電鋳
法は原型と同一の金属型を正しく複製する方法として従
来から用いられている方法であり、その原理は通常のメ
ッキ法と同じである。先ず、適当な芯棒(材質は、例え
ば、アルミニウム、鉄等)を嵌め込んだ原形ロール表面
に通電被膜を形成する。通電被膜の形成は、通常、真空
蒸着やABS樹脂等のプラスチックのメッキに一般的に
用いられている無電界メッキ等の方法で導電性薄膜を形
成することによって行われる。なかでも、金属還元法と
しての銀鏡反応を用いることが好ましい。
【0025】次に、電鋳法によって上記の通電被膜上に
金属をメッキする。メッキ金属としては、例えば銅、ニ
ッケル等が用いられるが、本発明においては成形型の強
度の点からニッケルが好ましい。以下ではニッケルで成
形型を製造する場合について説明するが、金属はニッケ
ルに限定されるものではない。ニッケルを電鋳する場合
には、通常、スルファミル酸ニッケル水溶液が用いられ
る。原型ロール表面にニッケルを電鋳するために、通電
被膜を形成した原型ロールを電解槽に入れて陰極に接合
して通電する。例えば、3〜5V、電流密度2〜5A/
dm程度の条件で、ニッケルが所定の厚さにメッキさ
れるまで通電する。
【0026】ニッケルが所定の厚さ(通常、2〜5mm
程度)にメッキされた時点でメッキされた原型ロールを
電解槽から取り出し、十分に洗浄し、乾燥させた後、旋
盤加工によって余分のニッケルを切削して厚さを一定と
した後、ニッケルメッキ部から原型ロールを剥離する。
かくして、原型ロールの研磨模様が忠実に転写されたニ
ッケル製の成形型が出来上がる。以上の操作を繰り返す
ことによって原型ロールの研磨模様が忠実に転写された
ニッケル製成形型を多数製造することができ、これらの
成形型を用いることによって同一の研磨模様を有するゴ
ムロールの量産が可能である。上記の成形型は、ゴムロ
ールを製造するに際しては、加熱板に設けられた成形型
取り付けベースに隙間なく組み込まれ、ゴムロールの成
形加工に使用される。
【0027】尚、ゴムロール製造用の組成物には、硫
黄、含硫黄化合物あるいは含燐化合物等のニッケルと容
易に反応する化合物が配合される場合が多く、ニッケル
製の成形型を用いて繰り返しゴムロールを成形加工する
と該成形型表面に上記の反応生成物が堆積して研磨模様
が次第に失われ、原型ロールの研磨模様が再現されなく
なり、ゴムロールの量産に支障を来すことになる。この
ようなことを避けるために、ニッケル製成形型表面(ゴ
ム組成物と接する面)に数μm厚さのハードクロームメ
ッキを施すことが好ましい。
【0028】本発明のゴムロールは、ゴム成分を主原料
として、これに加硫剤等の各種配合剤を加えたゴム組成
物を上記の成形型を用いて成形される。ゴムロールの主
原料であるゴムは、ゴムロールの用途に応じて天然ゴ
ム、各種合成ゴムから適宜選択して使用される。例え
ば、OA機器用のゴムロールにおいては、EPDM(エ
チレン−プロピレン−ジエンモノマー共重合ゴム)、ポ
リノルボルネン(ノルボルネン=ビシクロ〔2,2,
1〕ヘプテン−2及び/又はその誘導体の開環(共)重
合体)、シリコンゴム、SBR(スチレン−ブタジエン
共重合ゴム)、ポリブタジエンゴム、エピクロルヒドリ
ン系ゴム、ウレタンゴム等が単独であるいは混合して使
用される。特に、ポリノルボルネンは、分子量が100
万以上であり、原型ゴムロールを製造する際にゴムロー
ル表面の研磨模様を形成し易いことから好適である。ま
た、紙送りロールの主原料としてはポリノルボルネン及
びEPDMが好ましく、特にポリノルボルネン100重
量部に対してEPDM10〜50重量部、好ましくは2
0〜40重量部を混合したものが好適である。
【0029】ゴム成分は、加硫剤、加硫促進剤、補強
剤、充填剤、可塑剤、添加油、老化防止剤等の配合剤と
ともに、ロール、バンバリー等の通常の混合機を用いて
混合され、ロール製造用ゴム組成物とされる。使用され
る各配合剤は、ゴムロールに要求される性能を満足する
ように、使用するゴムに適した配合剤の種類及び使用量
が適宜選択される。
【0030】例えば、ポリノルボルネンまたはEPDM
を使用した紙送りロールの場合には、添加油としてパラ
フィン系油、ナフテン系油、アルキルベンゼン系油、芳
香族系油等を配合し、また、可塑剤としてジオクチルア
ジペート、ジオクチルセバケート、ジオクチルフタレー
ト等を配合することができる。これらはポリノルボルネ
ンまたはEPDM100重量部に対して、通常、50〜
200重量部程度配合される。
【0031】本発明の樹脂製及び金属製成形型を用い、
上記ゴム成分及び各種配合剤からなるゴム組成物を用
い、原型ゴムロールの研磨模様が表面に忠実に再現され
たゴムロールを、圧縮成形、トランスファ成形、射出成
形等によって製造する。樹脂製成形型は、離型性に優れ
ており、又、研磨模様への加硫ゴムの付着も極めて少な
く、繰り返し使用した場合にも同一の研磨模様を有する
ゴムロールが得られる特徴を有している。しかしなが
ら、樹脂製であるために金属製に比べれば耐久性の点で
はは劣っている。従って、量産の点からは金属製成形型
の使用が好ましい。研磨ゴムロールの硬さは、ロールの
種類によって相違するが、通常、JIS硬さAが5〜5
0、好ましくは15〜40の範囲である。また、ゴムロ
ール表面の摩擦係数(実施例に記載の方法で測定した)
は1以上である。
【0032】本発明方法は、本発明の成形型を用いて製
造できるゴムロールであればいずれのゴムロールも対象
とすることができるが、特に、OA機器等で使用され
る、ロール毎の研磨模様を一定に仕上げることが困難な
比較的小型のゴムロール、例えば、紙送りロール(給紙
ローラ、搬送ローラ、搬送ロール等)、プラテンロー
ル、帯電ロール、現像ロール、定着ロール、加圧ロール
等の製造に好適な方法である。
【0033】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。特に断りのない限り以下の文中の部
及び%は重量基準である。
【0034】実施例1 (マスターローラの作製)成形型を製造するために、下
記の配合処方により製造したゴム組成物を用い原型紙送
り用ゴムローラ(以下ではマスターローラと称する)を
作製した。ゴム組成物は、先ず粉末状のポリノルボルネ
ン(日本ゼオン社製 NORSOREX )とナフテン系オイルと
を混合して油添ゴムを製造する。この油添ゴムを約80
℃に保ったオープンロールに巻き付け、これにEPDM
(三井石油化学社製 EPDM4045、ムーニー粘度
(100℃)45、ヨウ素価22、エチリデンノルボル
ネン含有量10.5%)を投入して均一になるまで混合
する。その後、老化防止剤までの配合剤を添加し十分に
混合分散させる。最後に、硫黄及び加硫促進剤を添加し
十分に混合分散させる。
【0035】 配 合 処 方 配 合 剤 使用量(部) ポリノルボルネン 100 ナフテン系オイル 150 EPDM 30 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 FEFカーボンブラック 1 酸化チタン 40 老化防止剤(*1) 1 硫黄 1 加硫促進剤TMTD (*2) 1 〃 TBTD (*3) 1.5 〃 TeEDC(*4) 0.5 〃 MBT (*5) 1 (注)(*1)チバガイギー社製 IRGANOX 1520D (*2)テトラメチルチウラムジスルフィド (*3)テトラブチルチウラムジスルフィイド (*4)ジエチル・ジチオカルバミン酸テルル (*5)メルカプトベンゾチアゾール
【0036】上記のゴム組成物をシート出しし、これを
160℃に保ったローラ用金型に入れ、加圧下に160
℃で10分間加硫して直径28cm×長さ26cmの紙
送りゴムローラを作製した。次に芯材にこのゴムローラ
を取り付け、研磨装置((株)宮本製作所製円筒研削
盤)を用い砥石((株)テイケン製、GC#46多孔)
で直径27cmに研磨し、表面に研磨模様を有する紙送
りマスターローラを作製した。
【0037】(樹脂製成形型の作製)表面に研磨模様を
有する樹脂製成形型を以下のようにして作製した。上記
の研磨マスターローラに離型剤を塗布し、これを型枠内
の中央部に固定設置した。次いで、この型枠内に、金属
粉含有エポキシ樹脂及び硬化剤(日本ゼオン社製MEZ
主剤及び硬化剤)をそれぞれ所定量混合し、脱気した
後、減圧下にある上記型枠内に注入した。室温(25〜
30度)で12〜15時間一次硬化させ、更に60℃に
加熱して5〜6時間二次硬化を行った。研磨マスターロ
ーラを型枠から取り出し、中央部が円筒状にくり貫かれ
たブロック状の樹脂製成形型を得た。
【0038】上記で得られた樹脂製成形型を金型に取り
付け、上記のゴム組成物を用い、マスターローラを製造
する場合と同じ条件で圧縮成形によって研磨によらずに
表面に研磨模様が形成された紙送りゴムローラ(以下で
は研磨レスローラと称する)を作製した。この研磨レス
ローラの表面を顕微鏡で観察し、写真撮影を行った。こ
の写真と成形型を作製する前に撮影したマスターローラ
の研磨模様の写真とを比較したところ、忠実に研磨模様
が再現されていることが確認できた。樹脂製成形型を用
いて作製した研磨レスローラと、マスターローラと同時
に作製した研磨紙送りローラ(以下では研磨ローラと称
する:比較例1)とを用いて性能の比較を行った。評価
方法は下記のとおりである。
【0039】(1)摩擦係数 ヘイドン摩擦試験機(新東化学社製)を用い、荷重10
0g、速度100mm/secの条件で、紙を通す前
(初期)及び1000枚通紙後のゴムローラ表面の摩擦
係数を測定した。摩擦係数の値は上記試験機から読み取
ったものである。 (2)耐摩耗性 ヘイドン摩耗試験機(新東化学社製)を用い、ゴムロー
ラを荷重100gで1000番耐水ペーパ上を速度60
00mm/secで往復させ、1000サイクル後のゴ
ムローラ表面の摩耗量を測定し、1000サイクル後の
研磨レスローラの耐摩耗性を100とする指数で示し
た。指数が小さいほど耐摩耗性は劣る。 (3)呼び込み力(単位:g) 複写機の紙送り部にそれぞれのゴムローラを取り付け、
実機試験により、ゴムローラを通過する時の紙に加わる
力をロードセルで測定した。測定は、通紙前(初期)及
び1000枚通紙後に行った。値が大きい程呼び込み力
は大きい。以上の結果を表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1と同様にしてEPDMを用いた研磨レスローラ
及び研磨ローラ(比較例2)を作製した。紙送りローラ
を作製するために使用するゴム組成物は、下記の配合処
方に従って作製した。ローラ作製時の加硫条件は160
℃で20分である。 実施例1と同様にして評価した結
果を表1に示す。
【0041】 配 合 処 方 配 合 剤 使用量(部) EPDM 100 パラフィン系オイル 90 活性亜鉛華 3 ステアリン酸 1 シリカ 20 クレー 20 FEFカーボンブラック 1 酸化チタン 8 シランカップリング剤(*6) 1.5 硫黄 1.5 加硫促進剤TMTD (*2) 0.5 〃 MBTS (*7) 1.5 〃 ZnBDC(*8) 0.5 〃 MBT (*5) 0.5 (注)(*6)γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン (*7)ジベンゾチアジル・ジスルフィド (*8)ジ−n−ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛
【0042】
【表1】
【0043】表1より、本発明の研磨レスローラは、従
来の研磨ローラと比較して、摩擦係数及び呼び込み力が
大きく、また、繰り返し使用した後のこれらの特性の低
下は小さい。さらに、耐摩耗性については、従来の研磨
ローラに比べて約2倍の改善効果が得られる。
【0044】実施例3 (ニッケル製成形型の作製)実施例1と同様にして作製
したマスターローラ(直径27cm×長さ26 cm)
を用いて電鋳法によってニッケル製成形型を製造した。
先ずマスターローラに直径18mmのアルミニウム棒を
差し込み、硝酸銀水溶液中に浸漬し、銀鏡反応によって
表面に銀薄膜を形成させた。次いで、このマスターロー
ラを十分に水洗、乾燥させた後、スルファミン酸ニッケ
ルの水溶液(約400g/l濃度)を張った電界槽に入
れて陰極に接続し、陽極の白金電極との間に3〜5V、
電流密度2〜5A/dmの条件で、ニッケルが約4m
mの厚さにメッキされるまで通電した。
【0045】電界槽からニッケルメッキされたマスター
ローラを取り出し、十分に水洗し、乾燥させた後、旋盤
で一定の直径となるように余分のニッケルを切削した
後、マスターローラを剥離してニッケル製成形型を得
た。この成形型をこれと同寸法の円筒が開けられた熱板
に密着挿入しその後、約2μm厚さのハードクロムメッ
キを行った。
【0046】このようにして作製した金属製成形型を用
い、実施例1のゴム組成物を用い、実施例1と同様にし
て紙送りローラを作製した。実施例1と同様に評価した
がほぼ同じ結果が得られた。結果を表2に示す。同一の
金属製の成形型を用いて紙送りローラの作製を10,0
00回繰り返したところ、該成形型は変形することなく
最初と同様に紙送りローラを作製できた。
【0047】実施例4 成形型として実施例3と同様にして作製した金属製成形
型を用いること以外は実施例3と同様にしてEPDMを
用いた研磨レスローラを製造し、同様にして評価した
が、実施例3とほぼ同じ結果が得られた。結果を表2に
示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】以上の本発明によれば、研磨模様を忠実
に転写した樹脂製及び金属製の成形型を用いることによ
って、研磨によらずに研磨模様が形成されたゴムロール
が提供される。本発明では、上記の成形型を使用して製
造されるから、得られるゴムロールはいずれも同じ研磨
模様を有し、又、研磨を行わないために、ロール製造の
時間が大幅に短縮でき、コストダウンが可能である。更
に、ロール表面は研磨されていないので、安定であり、
例えば、紙送りローラにおいては紙送りによる摩耗が少
なく、高寸法精度が確保できるので紙送り性能も向上す
る。
【0050】本発明の好ましい実施態様を以下に示す。 (1)成形型が、金属粉含有エポキシ樹脂製又はニッケ
ル製である請求項1に記載のゴムロール。 (2)樹脂製成形型が、研磨により研磨模様を形成した
ゴムロールを原型ゴムロールとし、この研磨模様を金属
粉含有エポキシ樹脂に転写した樹脂製成形型である請求
項1に記載のゴムロール。 (3)金属製成形型が上記の原型ロールを用いて電鋳法
によって製造されたニッケル製成形型である請求項1に
記載のゴムロール。 (4)(1)〜(3)のいずれか1項のゴムロールがポ
リノルボルネン製ゴムロールである請求項1に記載のゴ
ムロール。 (5)(1)〜(3)のいずれか1項に記載のゴムロー
ルが、紙送りゴムロールである請求項1に記載のゴムロ
ール。
【0051】(6)研磨により研磨模様を形成したゴム
ロールを原型ゴムロールとし、この研磨模様を転写した
樹脂製成形型又は金属製成形型を使用する請求項2に記
載のゴムロールの製造方法。 (7)(6)に記載の樹脂成形型が、金属粉含有エポキ
シ樹脂製であり、金属製成形型がニッケル製である請求
項2に記載のゴムロールの製造方法。 (8)(6)又は(7)のゴムロールがポリノルボルネ
ン製ゴムロールである請求項2に記載のゴムロールの製
造方法。 (9)(6)又は(7)のゴムロールが紙送りロールで
ある請求項2に記載のゴムロールの製造方法。
【0052】(10)金属粉含有エポキシ樹脂製又はニ
ッケル製である請求項3に記載のゴムロール製造用成形
型。 (11)研磨により研磨模様を形成したゴムロールを原
形ゴムロールとし、この研磨模様を樹脂に転写してなる
請求項3に記載の成形型。 (12)金属粉がアルミニウム粉である請求項3に記載
の成形型。 (13)(9)〜(12)のいずれか1項に記載のゴム
ロールがポリノルボルネン製である請求項3に記載の成
形型。 (14)(9)〜(12)のいずれか1項に記載のゴム
ロールが紙送りロールである請求項3に記載の成形型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 21:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨模様を有する成形型を用いて形成さ
    れたことを特徴とする研磨模様を有するゴムロール。
  2. 【請求項2】 成形型が樹脂製型又は金属製型である請
    求項1に記載のゴムロール。
  3. 【請求項3】 ゴムロール用組成物を請求項2に記載の
    成形型を用いて成形することを特徴とする研磨模様を有
    するゴムロールの製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂製又は金属製であって、研磨模様を
    表面に有することを特徴とする研磨模様を表面に有する
    ゴムロール製造用成形型。
JP35579196A 1996-07-05 1996-12-25 研磨模様を有するゴムロール、その製造方法及び該ゴムロール製造用成形型 Pending JPH1071655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35579196A JPH1071655A (ja) 1996-07-05 1996-12-25 研磨模様を有するゴムロール、その製造方法及び該ゴムロール製造用成形型

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19412896 1996-07-05
JP8-194128 1996-07-05
JP35579196A JPH1071655A (ja) 1996-07-05 1996-12-25 研磨模様を有するゴムロール、その製造方法及び該ゴムロール製造用成形型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1071655A true JPH1071655A (ja) 1998-03-17

Family

ID=26508325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35579196A Pending JPH1071655A (ja) 1996-07-05 1996-12-25 研磨模様を有するゴムロール、その製造方法及び該ゴムロール製造用成形型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1071655A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4868324B2 (ja) * 2006-10-27 2012-02-01 エルジー ケム. エルティーディ. 繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法及びこれにより製造されたシリコンロール

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4868324B2 (ja) * 2006-10-27 2012-02-01 エルジー ケム. エルティーディ. 繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法及びこれにより製造されたシリコンロール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0322099B1 (en) Organic polymeric material having antistatic property, and its use in an elastic revolution body and fixing device using the same
WO1989002833A1 (en) Inking device and production thereof
EP1842879A1 (en) Polyamide resin composition and conductive shaft-shaped molded article
CN100559296C (zh) 充电辊及其制备方法
EP1425760A1 (en) Preparation of a conductive liquid silicone rubber composition
CN100535786C (zh) 显影辊及其制备方法
JPH1071655A (ja) 研磨模様を有するゴムロール、その製造方法及び該ゴムロール製造用成形型
CN1135445C (zh) 定影件和含定影件的定影装置
JP2007086498A (ja) 電子写真式画像形成用ゴム部材及び電子写真式画像形成装置
JP4062850B2 (ja) 半導電性ロールおよびその製法
JPH1039666A (ja) 定着器用ローラ
JP4200625B2 (ja) 半導電性ロールの製法
JP2886923B2 (ja) 定着ロール及び定着ロール用シリコンゴム組成物並びにその製造方法
CN105058250B (zh) 一种导电柔性磨具及其制备方法
JP4257765B2 (ja) 半導電性ゴム原料組成物の製造方法及び半導電性シームレスベルトの製造方法
JP2003098852A (ja) 転写ベルトの製造方法
JP3765431B2 (ja) 半導電性シリコーンゴムロール
JP2001132730A (ja) 半導電性ロール及び画像形成装置
JP3049612B2 (ja) 紙送りローラー
JP2006090454A (ja) 弾性ローラの製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2580005B2 (ja) 離型剤
JP2005061480A (ja) ゴムローラ及びその製造方法
JP3664768B2 (ja) ゴムロールの製造方法
JP2017134277A (ja) 加圧ローラ及び画像形成装置
JPH09302132A (ja) 多孔性水素化ニトリルブタジエンゴム