JPH10715A - 水蒸発防止用シート - Google Patents

水蒸発防止用シート

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JPH10715A
JPH10715A JP17733996A JP17733996A JPH10715A JP H10715 A JPH10715 A JP H10715A JP 17733996 A JP17733996 A JP 17733996A JP 17733996 A JP17733996 A JP 17733996A JP H10715 A JPH10715 A JP H10715A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばダムや貯水池等に溜めた潅漑用水や飲
料水が自然蒸発するのを防止するためにす使用する水蒸
発防止用シートに係り、水蒸発を有効に防止すると共に
水中生態への影響を最小限に留め、かつ対紫外線耐久性
を改善した水蒸発防止用シートを提供する。 【解決手段】 上記のような水蒸発防止用シートであっ
て、通気性、撥水性および耐候性を有する表皮層1a
と、それ自体通気性を有する発泡シートもしくは多数の
貫通孔が設けられたことにより通気性を有するに至った
発泡シートよりなる浮遊層1bとが積層された構造から
なることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えばダムや貯水
池等に溜めた潅漑用水や飲料水が自然蒸発するのを防ぐ
水蒸発防止用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような貯水池、特に南方の島々の
貯水池では、水面からの蒸発による逸水を少しでも防止
したいという要望がある。その対策として従来貯水池の
水面上に水蒸発防止用シートを張ることが提案されてい
る。
【0003】例えば、特開昭50−97130号公報
は、耐劣化性、耐候性、耐熱性等いわゆる耐久性を有す
るシート幕の裏面に浮性骨杆を縦横に又は縦若しくは横
方向に適当な間隔をおいて取付けるか、又は、合成樹脂
発泡体等の比重の軽い材質を裏面全体に張設することに
より、該シート幕を開張して水面を覆うようにして浮設
することを提案している。該シート幕には耐劣化性、耐
候性、耐熱性等の条件に適する強力なものが好適な性状
である旨が開示されており、その具体的な素材の種類に
ついては言及していない。また、該発明は太陽熱や風力
による自然蒸発を最小限に食い止めることに主眼を置い
ており、水中生態系に対する影響についてはまったく言
及していない。
【0004】また、特開平4−131417号公報は、
上記のような水蒸発防止用シートとして発泡ポリエチレ
ンなどのシートを用いて水面を被覆することを提案して
いる。該発明は、具体的なシート幕材として発泡ポリエ
チレンを挙げ、発泡ポリエチレンが、自体軽量で水に浮
くこと、変質しにくく半永久的な耐久性があること、水
・空気を通さないこと、柔軟で取扱いやすいこと、など
の利点があるため水蒸発防止シートとして用いるのに好
適であることを強調している。すなわち、発泡ポリエチ
レンに代表される発泡シート材をそのまま水蒸発防止用
シートとして用いることを提案しており、このような水
蒸発防止シートはそれ自体軽量柔軟であるため、シート
幕展張の際の取扱いが容易である効果を強調している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの先
行技術においていまだ解決されていない技術的課題は以
下の通りである。例えば、発泡ポリエチレンに代表され
る通常の発泡材料の紫外線耐久性や耐候性は、長期間の
屋外使用に耐えるほどに良好とはいえないのが実状であ
る。このため、シート幕自体の耐久性をいかにして向上
するかが水蒸発防止シートにおいて解決されるべき技術
的課題となっていた。また、発泡ポリエチレンをはじめ
とする発泡シート材の多くは一方の面から他方の面に到
る連続孔を有していないので、これらを水蒸発防止シー
トとして用いると、水蒸発が有効に遮断されるものの水
中への酸素供給も遮断されることとなっていた(前記特
開平4−131417号公報明細書にも発泡ポリエチレ
ンシートは水、空気を通さない旨の記載がある。)。そ
の結果、魚類や微生物などの水中生物や植物の生存を困
難にするなど、水中の生態系に悪影響を及ぼすという問
題が新たに発生していた。
【0006】本発明は、このような浮材として用いられ
る発泡シート材の対紫外線耐久性の改善と水蒸発防止シ
ートの通気性の確保という従来技術が有する前記課題を
解決したものである。すなわち、本発明は、水蒸発を有
効に防止するとともに、水中生態系への影響を最小限に
留めるため、同時に通気性のある水蒸発防止シートを提
供するものであり、また、浮材として用いられる発泡シ
ート材の対紫外線耐久性を改善した水蒸発防止シートを
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水蒸発防止シ
ートの耐久性の向上と通気性の確保という、従来技術に
おける2つの技術的課題を同時に解決するものである。
すなわち、本発明は、このような技術課題を解決するた
めに、以下に説明するように、発泡シート材の大気側表
面に表皮層として多孔質フッ素樹脂フイルムを積層固定
することにより発泡シート材を紫外線から保護してその
耐候性を向上したものであり、同時に表皮層における通
気性を確保したものである。一方、浮材として作用する
浮遊層に、それ自身通気性のある発泡シート材を使用す
るか若しくは多数の微小貫通孔を設けた発泡シート材を
使用することにより浮遊層の通気性も確保したものであ
る。かくして、本発明により耐候性が改善され通気性が
確保された水蒸発防止シートが提供される。本発明の水
蒸発防止シートが貯水池等に適用されることにより、水
蒸気透過と空気透過のバランス下において水中の生態系
の保護・維持を図りつつ、水蒸発による水資源の逸散が
実質的に低減される。
【0008】いま少し具体的に述べると、本発明の水蒸
発防止用シートは、通気性と撥水性と耐候性とを兼ね備
えた多孔質フッ素樹脂シートを表皮層として、浮遊層で
ある発泡シート材の大気面側に接着、融着などの手段に
より積層固定したものであり、その発泡シート材として
それ自身通気性のあるものを使用するか、若しくは、非
通気性の発泡シート材であっても微小貫通孔を多数設け
ることにより通気性を持たせたものを使用したものであ
る。
【0009】本発明においては、上記表皮層に用いる多
孔質フッ素樹脂シートは、特にそれに限定するものでは
ないが、例えば延伸ポリテトラフルオロエチレン(eP
TFE。なお単にPTFEというときはポリテトラフル
オロエチレンを意味するものとする。)シートが最も好
適なものとして用いられる。また、上記浮遊層に用いる
発泡シート材は、水と反応(例えば、膨潤)せず、かさ
密度が1以下(すなわち、水面に浮く)ものであればそ
の材質を特に指定するものではないが、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチルなどのポリエステ
ル、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリエーテル、
メラミンなどいずれかの単一重合体の樹脂からなる発泡
シート又はこれら樹脂を構成する単量体と他の単量体と
の2種又は数種の組合わせからなる共重合体の樹脂から
なる発泡シートがその代表的なものとして用いられる。
本発明における上記浮遊層を構成する発泡シートはそれ
自身貫通孔を有し通気性のあるものが最も好適である
が、それ自身非通気性であっても機械的に微細通気孔を
設けられて通気性を有するに至ったものであってもよ
い。
【0010】
【作用】発泡シート等よりなる浮遊層の表面にフッ素樹
脂層等よりなる表皮層を積層することにより発泡シート
材の耐久性を改善することができる。これは、フッ素樹
脂の紫外線遮蔽効果が発泡シートの紫外線劣化を著しく
低減させるためである。特に、ePTFEは後述するよ
うな独特な微細繊維質の構造体であり、その表面積が非
常に大きいため、紫外線を含む光線を全反射させる効果
が大きく、その結果、下層の発泡シート材を紫外線から
保護する効果が特に大きくなる。また本発明は、貯水池
等の水面に張設することにより水蒸発の抵抗となって水
の蒸発による逸散を極力防止する一方で通気性を有する
ことにより水中への酸素の拡散を確保することにより、
水中生態系への影響を極力低減できる。このような機能
を付与するため、浮遊層の発泡シート材の耐久性を向上
するためにその表皮層としてフッ素樹脂シートを積層す
るとよいとするものであるが、そのフッ素樹脂シートと
して多孔質フッ素樹脂シートを使用し、かつ、浮遊層た
る発泡シート材にも通気性のあるものを選択して使用す
ることにより、若しくは、発泡シート材に微細な貫通孔
を機械的に多数設けることにより、水蒸発防止シート全
体の通気性が確保される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明による水蒸発防止用
シートを図に示す実施形態に基づいて具体的に説明す
る。図1は本発明による水蒸発防止用シートを貯水池に
設置した状態の縦断面図、図2は水蒸発防止用シートの
一部の拡大断面図である。
【0012】図において、1は貯水池Aの水面上に設置
した水蒸発防止用シートで、該シート1は大気側に位置
する表皮層1aと水側に位置する浮遊層1bとよりな
る。表皮層1aは、紫外線遮蔽効果を有する耐候性に優
れた多孔質シート状素材であればePTFEフィルムに
特に限定するものではないが、本発明ではePTFEフ
ィルムが最も好適であるとするものである。ePTFE
フィルムは耐候性、紫外線遮蔽性、耐寒性、耐水性、柔
軟性に優れており、しかも軽量で、接着、融着等による
発泡シート材との積層加工も容易にできるため、最も好
ましい素材である。
【0013】上記ePTFEフィルムは、例えば特公昭
53−39719号、特公昭51−18991号等に記
載される製法により製造され、その微細構造も該製法と
ともに公知である。具体的には、該ePTFEフィルム
は、基本的にPTFEファインパウダーと石油ナフサ等
の潤滑助剤の混合物からなるペースト成形体をダイを経
て押し出した後、得られたテープ状押出物を、加熱する
ことによって潤滑助剤を蒸発除去した後、PTFEの融
点以下の高温で1軸若しくは2軸方向以上に延伸するこ
とにより製造される。また、延伸により発生した微細構
造を固定し、寸法安定性を向上するために、延伸後延伸
状態を固定したままPTFEの融点以上の温度に加熱し
てから冷却する焼成処理がなされることもある。しか
し、本発明におけるePTFEフィルムにあっては、最
後の焼成処理は必ずしも必須の処理ではない。
【0014】このようにして製造されるePTFEフィ
ルムは、純白色でマシュマロのような感触があるきわめ
て柔軟な感触のフィルムである。このフィルムを電子顕
微鏡で観察すると、その表面及び内部ともフィブリル
(小繊維)とそれらを繋ぐノード(結節)から形成され
とり、独特の繊維質の多孔質体構造からなることがわか
る。ePTFEは、これらフィブリルとノードとによっ
て仕切られた「孔」と称する空間が構造内部に存在し、
それらの空間(空孔)はフィルムの表面から裏面まで連
続しているために通気性を有することになる。なお、こ
のフィブリル/ノード構造は延伸方向及び延伸倍率によ
ってその構造形態は変化する。例えば、1軸方向に延伸
すると、フィブリルは1方向に配向したすだれ状にな
り、それらフィブリルを繋ぐノードは延伸方向に直角に
細長い島状のものとして観察される。一方、2軸方向に
延伸すると、フィブリルは放射状に広がり、それらを繋
ぐノードは島状というよりむしろ細かい粒子状のものと
して観察される。また、延倍率を大きくすると、フィブ
リルは長くなり、相対的にノード形状は小さくなり、究
極的にはフィブリルのみからなるいわゆるノードレス構
造になる。ePTFEフィルムのかさ密度は純粋なPT
FE充実体の密度より小さく、空孔率にもよるが、多く
は水の密度より小さい。従って、ePTFEフィルムを
本発明の水蒸発防止シートとして用いた場合、浮遊層の
浮力を損なうことがないという利点を有する。
【0015】上記ePTFEは純粋なPTFEからな
り、その構造を特徴づけているフィブリルもノードもい
ずれもPTFEである。PTFEは化学的に極めて安定
な樹脂であり、耐候性、耐紫外線性、耐熱性、耐寒性、
耐水性等に優れた材料として周知である。したがって、
ePTFEは本質的にPTFEそのものであり、その優
れた化学的安定性を備えており、空気によって酸化され
ることもなく、紫外線に対しても耐久性がある。また、
PTFEは自然界では合成されないためバクテリアによ
る侵食も受けない。
【0016】しかも、ePEFEは、際だった純白色を
呈しており、紫外線に対して優れた遮蔽効果を有する。
これは、ePTFEの微細多孔質構造に由来する全反射
現象によるものと考えられる。一方、PTFE充実体フ
ィルムは透明かスリガラス様の乳白色を呈するので紫外
線を透過しやすく、そのために紫外線遮蔽効果において
ePTFEフィルムに比べて劣る。
【0017】また、PTFEは、他の物質との親和性が
なく、一般に接着しにくい材料と考えられているが、e
PTFEは多孔質構造であるためにいわゆるアンカー効
果によって接着、融着等が容易である。
【0018】また、ePTFEフィルムはマシュマロの
ような感触があり、接触する他の物体の形状にいかよう
にも沿わせることができる可塑的性質が強い。PTFE
は一般に剛直なポリマーとされているが、ePTFEの
柔軟な性質はその独特な繊維質構造によるものと考えら
れている。従って、ePTFEフィルムと発泡シート材
と積層しても、発泡シートの伸縮に対しても容易に追随
することができ、カーリングを生じにくい性質を有して
いる。もっとも、その繊維質構造はすべてのノードがフ
ィブリルによって結合された一体構造からなる網目構造
であるため、変形に対してきわめて穏やかな弾性回復力
も有しており、そのことが適度な積層加工しやすさの原
因にもなっている。
【0019】本発明における表皮層1aの厚みは3〜3
00μmの範囲にあることが望ましい。これは、表皮層
にePTFEフィルムを使用した場合を基準として定め
たものであるが、水蒸発防止シートとしての生産性との
コストバランス、及び、紫外線遮蔽性、耐久性等の実効
果を考慮すると、より好ましくは10〜150μm、さ
らに好ましくは20〜100μmの範囲の厚みが望まし
い。なお、この厚みは、特にePTFEフィルムの場合
について定義すると、ダイヤルゲージで測定した平均厚
み(テクノロック社製1/1000mmダイヤルシック
ネスゲージを用い、本体バネ荷重以外の荷重をかけない
状態で測定した場合)をいう。厚みが3μm未満のとき
は、充分な機械的強度や耐久性が得られず、しかも積層
加工も困難になる。逆に、300μmを越えると、生産
性が悪く、材料費も高くなるためコスト面で妥当とは言
えなくなる。
【0020】なお、外観上及び美観上の要求から蒸発防
止用シートに着色が必要な場合は、表皮層1aに着色し
たシートを用いればよい。上記ePTFEフィルムを例
にとると、ePTFEを着色する方法としては、ePT
FE製造のPTFEファインパウダーへの助剤混合時に
予め顔料を混入しておきePTFEの空孔に顔料を埋没
させる方法、フィルムを形成した後に溶剤系の顔料を塗
布することによって溶剤の浸透を利用してePTFEの
空孔に顔料を埋没させる方法、フィルムを形成後にその
フィルムを顔料浴にディップし顔料をフィルムの空孔に
埋没させる方法等が挙げられる。
【0021】表皮層1aの色調は、美的若しくは環境雰
囲気の観点から適宜選択すればよいが、一般に黒色等の
濃い色よりも白色等の明るい色の方が太陽光や紫外線を
よく反射し、蒸発防止用シートの表面温度も夏季でも比
較的低く保つことができるため浮遊層1bの熱劣化を軽
減することができるので好ましいと考えられる。表皮層
1aとしてePTFEフィルムを無着色で使用すると、
このフィルムは真白色であるため太陽光や紫外線をよく
反射し、夏季でも蒸発防止用シートの表面温度を60℃
前後に押さえ、水蒸発を有効に押さえて発泡シート材の
劣化を防止することができる。
【0022】次に、浮遊層1bとしては水に浮く発泡シ
ート材であれば適宜使用できるが、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリ
ル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリウレタン又はメラミ
ンなどの単一重合体からなる樹脂又はこれらの樹脂を構
成する単量体と他の単量体からなる共重合体からなる発
泡シートがその例として挙げられる。なかでも、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどポリオレフィンのフォーム
シートが耐水性に優れ、コストが安価であることから、
最も好ましいものである。
【0023】浮遊層1bの厚みは、ポリエチレンフォー
ムシートを例にとると、1〜50mmの範囲のものが好
ましい。加工性、コスト等を考慮すると、2〜10mm
のものが好ましい。1mm未満であると浮力及び機械強
度的に不十分であり、逆に50mmを越えると可撓性、
可搬性に劣り、コスト及び重量が大きくなるので好まし
くない。
【0024】ポリエチレンフォームシートの発泡倍率は
特に制限されるものではないが、5〜50倍、更には1
0〜40倍のものが必要な浮力の面から適切である。発
泡倍率が小さすぎると固くなり、巻き取りが困難になっ
て連続的な積層加工が難しくなる。発泡倍率が大きくな
ると製造が困難になるほか、機械的強度が不足して取扱
いが困難になる。これらを考慮するとポリエチレンフォ
ームシートの発泡倍率は10〜40倍のものが好ましい
ということになる。
【0025】ところで、水蒸発防止シートの水中の生態
系への影響を極力低減するという本発明の目的からする
と、浮遊層1bの発泡シート材自体に通気性があること
が望ましいが、発泡シート材は、通常、独立気泡若しく
は片面側開口気泡からなるから非通気性であることが多
い。そのような場合、本発明においては浮遊層1bに通
気性を付与するために通気孔が設けられる。すなわち、
通気孔部分で空気透過を可能とする意図にたつ。かくし
て水中に酸素供給が可能になる結果、魚類、微生物等の
生存が可能となる。なお、通気孔は表皮層1aで塞がれ
るが、表皮層1aは通気性のある樹脂フィルム、特にe
PTFEフィルムを用いると、通気孔部分での酸素透過
は維持されることになる。
【0026】発泡シートに設ける通気孔のシート面に対
する開孔率は、蒸発防止用シートの使用環境により適宜
選択すればよいが、現実的には80%以下、更には50
%以下、更に好ましくは30%以下であることが望まし
い。開孔率が80%を越えると機械的強度が不十分とな
り、取扱いや施工が難しくなるとともに、水蒸気の透過
も大きくなって本発明の目的を達成できないことととな
る。要するに開孔率は水中生態系への影響がない範囲
で、表皮層と浮遊層の水蒸気透過速度と空気透過速度の
バランスに立って、水蒸気透過を有効に低減できる範囲
で決定されることになる。表皮層や浮遊層の厚さも、結
局は、開孔率の決定と同様の観点に立って決定されるこ
ととなる。
【0027】表皮層1aと浮遊層1bの積層は、表皮層
1aと浮遊層1bを完全に一体化できる方法であれば接
着加工であれ、融着加工であれ適宜使用できるが、蒸発
防止用シートが水上に浮かべられ、自然環境に暴露され
た極めて厳しい環境で使用されることから、接着剤を使
用しない融着加工がより好ましい。発泡シートであれば
フレームボンディング加工が適用できるため、融着加工
が容易である。また、表皮層1aとして多孔質PTFE
フィルム又はePTFEフィルムを使用すれば、発泡シ
ート材とのフレイムボンディング加工が容易にできる利
点がある。
【0028】このように、一般にフッ素樹脂、特にPT
FE樹脂は、耐候性、耐紫外線性、耐熱性、耐寒性、耐
水性等に優れた素材である反面、接着又は融着加工が非
常に困難であることが知られているが、多孔質PTFE
フィルム又はePTFEフィルムであれば、その多孔質
構造を利用したアンカー効果により接着加工、融着加工
が可能であることはよく知られている通りである。
【0029】ポリエチレンフォームシートとePTFE
フィルムをフレームボンディング加工で融着する場合を
例に挙げると、ポリエチレンフォームシートを炎で炙っ
た直後に、このポリエチレンフォームシートの炎で炙っ
た面とePTFEフィルムを圧着することにより、炎で
溶けたポリエチレン樹脂がePTFEフィルムの微細孔
内に入り込み、ポリエチレン樹脂の一部がePTFEの
構造内に浸透した状態で固化する、いわゆるアンカー効
果によって、強固にかつ長期間安定に密着接合した状態
が維持されることになる。
【0030】次に、本発明に係る水蒸発防止シートの具
体的な使用形態若しくは使用方法の例を述べる。上記表
皮層1aと浮遊層1bとからなる水蒸発防止用シート1
全体の平面形状や大きさ等は適宜であるが、例えば上記
水蒸発防止用シート1を予め所定の大きさの方形状に形
成して貯水池の水面上に縦横に並べて設置する。あるい
は上記水蒸発防止用シート1を予め所定の幅(例えば1
〜10m程度)の長尺帯状に形成して、これを貯水池の
長さ寸法等に合せて所定の長さに切断し、これを幅方向
に複数枚並べて設置して貯水池の略全面を覆うようにす
ればよい。
【0031】表皮層1aと浮遊層1bとを一体的に接合
してなる水蒸発防止用シート1を、図1及び図2に示す
ように貯水池Aの水面上に設置することで、主として発
泡シート材よりなる浮遊層1bの浮力によって水蒸発防
止用シート1が常時水面上に浮いた状態で該水面を覆
い、該水面からの蒸発を低減することができる。また、
浮遊層1bの上面に耐候性を有する表皮層1aを設けた
ことで、該表皮層1aはもとより浮遊層1bが太陽から
の紫外線等で劣化・損傷するのが防止される。特に上記
実施形態のように表皮層1aとしてePTFEフィルム
を用いた場合は、前述のように耐候性はもとより紫外線
遮蔽性、耐熱性、耐寒性、耐水性、柔軟性等の種々の優
れた特性を有するため、設置する地域の天候や気温等の
如何に拘らず耐久性のよい水蒸発防止用シートを提供す
る。
【0032】なお、上記のようにして貯水池の水面上に
設置した水蒸発防止用シート1は、風や波で移動しない
ように適宜固定手段を設けるのが望ましい。図1および
図2はその固定手段として、コンクリートブロック等の
重錘2を用いたもので、その重錘2を貯水池Aの底部の
所望の位置に沈め、その重錘2と水蒸発防止用シート1
とをワイヤロープ等の索条3で連結した構成である。
【0033】その索条3の下端は、図3に示すように重
錘2に埋め込んだ逆U字状の係止杆2aに連結され、索
条3の上端は止め具4を介して水蒸発防止用シート1に
固定されている。その止め具4は図1ないし図3におい
ては上部にフランジ部4aを有する鋲形に形成して軸部
4bを水蒸発防止用シート1に突き刺し、その軸部4b
に形成した係止孔4cに索条3を挿通して連結した構成
である。4dは軸部4bに形成した抜け止め用の凹凸状
である。
【0034】上記の止め具4の形状等は適宜変更可能で
あり、例えば図4に示すようにフランジ部4aに肉抜き
孔4eを形成してもよい。また例えば図5に示すよう
に、上記と略同様に構成した止め具4と共に、一端にフ
ランジ部5a、他端に索条3の係止孔5bを有するアイ
ナット状の受け具5を用いてもよい。その受け具5は、
上部に止め具4の受孔5cが形成され、その受孔5cに
止め具4の軸部4bを差し込むことによってフランジ4
a・5a間に水蒸発防止用シート1を挟持させる構成で
ある。
【0035】さらに例えば図6に示すように止め具4の
軸部4bに雄ねじ4fを形成してフランジ6a付の筒状
のナット6にねじ込むことによって両フランジ4a・6
a間に水蒸発防止用シート1を挟持させると共に、上記
ナット6の下端にアイボルト7をねじ込み、そのアイボ
ルト7の係止孔7aに前記の索条3を連結することもで
きる。
【0036】また水蒸発防止用シート1を現地に搬送す
る場合には、例えば前記の方形のシートにあっては複数
枚積み重ねた状態で搬送すればよく、また長尺帯状に形
成したシートにあっては、例えばロール状に巻き取った
状態で現地に搬入し、そのロール状に巻き取ったシート
1の一端側を水面上に順次繰り出しながら設置すること
ができる。
【0037】さらに水蒸発防止用シート1を貯水池の水
面上を移動させるに当たって、該貯水池の面積が大きく
て陸上からの設置が困難な場合には、例えば図7に示す
ようにボートB等で曳航して設置すればよい。図中、8
は曳航用のロープ、9はそのロープ8を水蒸発防止用シ
ート1に連結するためのブラケットで、該ブラケット9
は図8に示すように上下一対の添板91・92間に水蒸
発防止用シート1を挟んでフランジ付のボルト93・ナ
ット94で締付け固定した構成である。
【0038】また上記のようにして貯水池の水面上に配
置した水蒸発防止用シート1は、その隣り合うシート間
に隙間が生じたり、互いに重なり合ったりしないように
適宜の連結手段で互いに連結固定するのが望ましい。そ
の連結手段は適宜であるが、例えば図9および図10に
示すような、かすがい10等を用いると、シート1に突
き刺すだけで容易に連結することができる。
【0039】〔実施例1〕本発明による水蒸発防止用シ
ートの浮遊層1bとして古河電気工業株式会社製の独立
気泡性ポリエチレンフォームシート(30倍発泡品、厚
み10mm、クリーム色)を使用した。また表皮層1a
としては、未着色で白色のePTFEフィルム(厚み6
0μm、最大孔径0.2μm)を使用した。
【0040】本発明の水蒸発防止用シートを得るため
に、上記浮遊層1bを構成するポリエチレンフォームシ
ートに直径3mmの孔を開孔率7%となるように機械的
に穿孔加工し、次いで該浮遊層1bと表皮層1aを構成
するePTFEフィルムとをフレームボンディング加工
により積層固定した。すなわち、ポリエチレンフォーム
シートを炎で炙り、その炎で炙った面にePTFEフィ
ルムを圧着することにより両層を融着固定した。加工ス
ピードは5m/minとした。
【0041】なお本実施例で用いたePTFEフィルム
の紫外線遮蔽率を紫外線カット素材の加工効果統一評価
方法(日本化学繊維検査協会)により測定したところ8
6%であった。
【0042】〔比較例1〕上記実施例1に対する比較例
1として上記浮遊層1bと同材質の古河電気工業株式会
社製の独立気泡性ポリエチレンフォームシート(30倍
発泡品。厚み10mm、クリーム色)のみを水蒸発防止
用シートとして用いた。
【0043】以下に本発明による実施例1と比較例1の
耐候性を比較評価した結果を示す。試験方法はJIS
Z 2381に基づく屋外暴露試験により、上記実施例
1および比較例1による水蒸発防止用シートの試料を2
年間の屋外に露呈して暴露試験を行った。その結果、2
年後の各シートを観察したところ、比較例1のシート
は、表面が脆化し、樹脂の劣化が著しく、強度の低下が
顕著であったのに対し、実施例1の積層シートは表皮層
1aのePTFEフィルムに劣化は全く認められず、積
層シートとしての強度低下もわずかであり、積層面での
剥がれもなく良好な状態であった。
【0044】以上の結果から、本発明によればePTF
Eフィルムよりなる表皮層1aの紫外線遮蔽効果によ
り、ポリエチレンフォームシートよりなる浮遊層1bの
紫外線による劣化が良好に防止され、浮遊層1bの耐候
性を必要かつ充分なレベルにまで改善されることが確認
できた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水蒸発防
止用シートは、紫外線遮蔽効果と耐候性に優れ、かつ、
通気性を有する多孔質フッ素樹脂シートよりなる表皮層
1aに、発泡シートよりなる浮遊層1bを接着又は融着
により積層固定するものからなる。表皮層1aはそれ自
体耐候性に優れ紫外線を遮蔽するため、下層の浮遊層1
bの発泡シートの紫外線劣化を防止することができ、同
時に長期間の使用に耐えうる水蒸発防止用シートを提供
する。また、表皮層は通気性を有するから、発泡シート
にそれ自体通気性を有するもの若しくは非通気性であっ
ても適度の貫通孔を設けることにより、空気透過性を有
する水蒸発防止用シートを提供することができる。この
ため、本発明の水蒸発発防止シートによれば、水中の生
態系の生存を維持しながら、空気透過と水蒸気透過のバ
ランスの下に、ダム、貯水池等の水資源蒸発による水の
逸失を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水蒸発防止用シートを貯水池に設
置した状態の縦断面図。
【図2】その一部の拡大縦断面図。
【図3】水蒸発防止用シートの移動を防止する固定手段
の一例の斜視図。
【図4】水蒸発防止用シートの固定用索条の止め具の変
更例を示す斜視図。
【図5】上記止め具の他の変更例を示す断面図。
【図6】上記止め具の更に他の変更例を示す分解図。
【図7】水蒸発防止用シートをボート等で曳航している
状態の斜視図。
【図8】その一部の拡大図。
【図9】隣り合う水蒸発防止用シートを連結する手段の
一例を示す斜視図。
【図10】その要部の拡大断面図。
【符号の説明】
1 水蒸発防止用シート 1a 表皮層 1b 浮遊層 2 重錘 3 索条 4 止め具 A 貯水池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 清史 大阪府大阪市北区西天満3丁目2番17号 株式会社ケー・エフ・シー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダムや貯水池等の水面に浮設することに
    より水の自然蒸発を防止するために使用する水蒸発防止
    用シートであって、通気性、撥水性及び耐候性を有する
    表皮層と、それ自体通気性を有する発泡シート若しくは
    多数の貫通孔が設けられたことにより通気性を有するに
    至った発泡シートよりなる浮遊層とが積層された構造か
    らなることを特徴とする水蒸発防止用シート。
  2. 【請求項2】 前記表皮層が多孔質延伸ポリテトラフル
    オロエチレン(ePTFE)シートである請求項1に記
    載の水蒸発防止用シート。
  3. 【請求項3】 前記水蒸発防止用シートに、該シートの
    移動を防止する固定手段を設けてなる請求項1または2
    に記載の水蒸発防止用シート。
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