JPH1068830A - 光導波路型偏光子及びその製造方法 - Google Patents

光導波路型偏光子及びその製造方法

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JPH1068830A
JPH1068830A JP22833096A JP22833096A JPH1068830A JP H1068830 A JPH1068830 A JP H1068830A JP 22833096 A JP22833096 A JP 22833096A JP 22833096 A JP22833096 A JP 22833096A JP H1068830 A JPH1068830 A JP H1068830A
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潤一郎 市川
Toru Sugamata
徹 菅又
Yasuyuki Miyama
靖之 深山
Kaoru Hikuma
薫 日隈
Hirotoshi Nagata
裕俊 永田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導波路型光変調器などに利用される光導波路
に偏光依存性をもたせた光導波路型偏光子及びその製造
方法に関する。 【解決手段】 表面に光波が導波される光導波路を形成
した基板と、少なくとも光導波路の一部を覆うように配
設した1個以上の光誘引部材とを具えた光導波路型偏光
子において、光誘引部材を、基板には含まれない元素を
少なくとも1種類以上含む基板と同じ結晶構造を有する
部材で構成し、かつ基板結晶方位と整合するように基板
に接合したものである。光誘引部材を基板と同じ結晶構
造を有する材料とすることにより、構造の安定化を図
り、信頼性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に形成された
光導波路を利用した光導波路型偏光子及びその製造方法
に関するものである。特に、導波路型光変調器などに利
用される光導波路に偏光依存性をもたせた光導波路型偏
光子及びその製造方法に関するものである。
【0002】本発明は、光導波路型偏光子において、基
板に形成された光導波路に、偏光作用を持たせるための
技術に関する。光学異方性の特徴を持つ結晶基板表面に
作られた光導波路上に、基板の持つ屈折率異方性と比較
して、一方向の屈折率が、基板のそれよりも高く、かつ
他方の屈折率が、基板と同じか低い値を持つように化学
組成を調整した基板と同じ結晶構造を有する別体の部材
(以下、「光誘引部材」と言う。)を設置、接合した光
導波路型偏光子に関するものである。光誘引部材を基板
と同じ結晶構造を有する材料とすることにより、構造の
安定化を図り、信頼性を向上することができる。また、
同じ結晶構造を有する材料とすることにより、エピタキ
シャル膜成長技術等を応用して、基板と光誘引部材の完
全な一体化を図ることができる。
【0003】
【従来の技術】近年、光ファイバーを伝送媒体にした、
長距離超高速通信の開発、実用化が盛んに行われてお
り、この中で導波路型光デバイスがシステムのキーデバ
イスとして重要な働きを担っている。特に、電気光学効
果の大きなニオブ酸リチウム(LiNbO3 )(以下、
LNと言う。)などの強誘電体基板表面にTi等の異種
元素を熱拡散して、屈折率を局所的に上昇させ導波路を
形成し、これに信号波電極を組み合わせて構成した高速
変調器は、超高速通信システムの中核を成すデバイスで
ある。
【0004】ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )等の強
誘電体結晶は、一般的に大きな光学異方性(屈折率の結
晶軸依存性)を有するため、特定の結晶軸方向に沿って
形成された導波路を伝搬する光波の偏光方向に依存し
て、伝搬光が感じる屈折率が異なりその伝搬速度が変わ
るため、結果的に、変調器の駆動電圧や消光比などの特
性が大きく変化する。このため変調器の特性を安定さ
せ、かつより高性能なものとするため、変調器の導波路
に入射する光波の偏光は、一方向に揃えられていること
が好ましい。
【0005】入射光を偏光させて導波路素子に導く簡便
な方法として、導波路の入射端面に、間に偏光子を介し
て光ファイバーを結合させる方法が、実用化されてい
る。特に、薄膜型の偏光子を挟んで光ファイバーを導波
路端面に紫外線硬化型の光学接着剤を用いて接着する実
装方法は、筐体の封止技術とあいまって、高信頼型の導
波路型変調器を実現できる。しかし、より高性能の導波
路型変調器を構成するには、光路に偏光子が挿入される
ことにより発生する伝搬光強度の損失が無視できなくな
る。
【0006】そこで、外部偏光子を用いない方法とし
て、導波路表面に別体の部材を設置し、この部材に、必
要でない方向の偏波を導波路中から導き出すか或いは吸
収させて除去するといった方法が従来とられていた。例
えば、図1に示すように、Ti拡散導波路を形成したz
−カットLN基板表面に、酸化ニオブ(Nb2 5)膜を
堆積した光導波路型偏光子が用いられていた。この時、
LNの異常光屈折率ne (z軸方向)、常光屈折率no
(x−y面内)、と酸化ニオブ膜の屈折率nc は、no
>nc >ne の関係にあるので、入射光の偏波のうち基
板面に垂直なTM偏波は、酸化ニオブ膜下を通過する際
に、屈折率ne 及びnc を感じ、屈折率の大きな酸化ニ
オブ側に漏洩していく。一方、基板面に平行なTE偏波
は、屈折率no を感じ、酸化ニオブ膜下を通過しても、
導波路側の屈折率の方が大きいため、導波路に閉じこめ
られたまま伝搬する。結果として、出力側にはTE偏波
のみが導波する。このような導波路偏光子部分を、例え
ば、変調器素子の入射側付近に形成することで、偏光子
・変調器集積導波路を作成する。
【0007】また、図2に示すように、導波路表面に金
属膜を堆積することにより、伝搬光のTM偏波の電界が
金属膜中に深く浸透し大きな吸収を受けることを利用し
た、TE偏波を通過させる導波路型偏光子も用いられて
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】外部偏光子を用いるこ
とにより伝搬光強度の損失を抑制するために提案されて
いる従来法、つまり、基板と全く別体の部材を導波路表
面に装荷する方法には、次のような欠点がある。
【0009】金属膜によりTM偏波を吸収させる方法で
は、僅かではあるがTE偏波の電界も金属膜中に浸透し
吸収されるため、伝搬光強度の損失につながる。
【0010】基板の屈折率異方性を利用して、屈折率を
調整した誘電体膜或いはバルク体を導波路表面に装荷す
る方法では、基板と装荷部材の材質が違うために、弾性
定数、熱膨張係数に著しいずれが発生し、基板および導
波路に内部応力、歪みが導入されてしまう。LNのよう
な強誘電体基板に応力、歪みが負荷されると、弾性光学
効果により屈折率が変化し、伝搬光の速度が乱されるた
め、素子特性が変化してしまう。
【0011】また、基板と装荷部材の材質の違いは、同
様な理由から、高い接合強度を得難く、構成素子の機械
的信頼性の点で問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】従来法の、基板と異質の
材料からなる別体の部材を基板に接合して、光導波路型
偏光子を構成するという根本的な問題点を解決するため
に、基板導波路表面に接合する別体の部材を、基板と全
く異質な材料とすることなく、基板材質に異種元素を僅
か添加することで屈折率を変化、調整した、或いは伝導
キャリアーが導入され電界吸収作用が付与された、しか
しその結晶構造、格子定数、機械・弾性特性等は、基板
材料とほぼ同等の材料を用いることとした。
【0013】光導波路型偏光子において、表面に光波が
導波される光導波路が形成された基板と、前記基板には
含まれない元素を少なくとも1種以上含む前記基板と同
じ結晶構造を有する光誘引部材から成り、少なくとも1
個以上の光誘引部材が、前記基板の光導波路上に接合さ
れていることを特徴とする。
【0014】導波路上に接合する光誘引部材の屈折率、
電気伝導度を調整でき、かつ該光誘引部材に置換ドープ
が容易なサイズ(イオン半径)の添加元素として、特
に、遷移金属3A,4A,5A,6A,7A,8,1
B,2B族から選定される。
【0015】また、特に、光誘引部材の屈折率を調整す
る原理の一つとして、光誘引部材の原子の結合構造に異
種元素添加による歪みを与え屈折率変化を引き出すた
め、前記添加元素の中でも比較的イオン半径の大きいも
のを選定する。特に、前記元素が、Zn或いはNiが好
適である。
【0016】基板と光誘引部材の原子レベルで完全な接
合、一体化を実現し、本発明の効果を有効に引き出すた
めに、前記基板と前記光誘引部材との接合が、前記基板
部上で前記光誘引部材の融液を固化させる液相成長法に
よってなされることが望ましい。
【0017】上記目的を達成する別の方法として、基板
と前記光誘引部材の接合が、前記基板部上に前記光誘引
部材をゾルゲル法により成長させることによってなされ
てもよい。
【0018】前記基板と前記光誘引部材の接合が、基板
と光誘引部材を高温で張り合わせ、一体化することもで
きる。本方法が達成できるのは、基板と光誘引部材の結
晶構造がほとんど同一であることによる。
【0019】また、構成素子の接合強度等の信頼性を格
別高くする必要がなく、つまり完全な一体化を得る必要
がない場合は、より簡便な接合手法として、前記基板と
前記光誘引部材との接合が、前記基板と前記光誘引部材
との間に接着性を有する接合部材を挟んで構成してもよ
い。この場合において、両部材が同質であるため、素子
に熱サイクルが加った場合等においても、両部材の熱膨
張量の違いによる接着界面の剥離は発生し難い。
【0020】接合部材、つまり接着剤により接合する場
合、前記接合部材の屈性率は、前記基板の表面の光導波
路を導波する光波が、接合部材を通して光誘引部材中に
誘引されるように調整されている。
【0021】本発明を適用する素子として、前記基板が
LiNbO3 が好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、表面に光波が導波され
る光導波路を形成した基板と、少なくとも前記光導波路
の一部を覆うように配設した1個以上の光誘引部材とを
具えた光導波路型偏光子において、前記光誘引部材を、
前記基板には含まれない元素を少なくとも1種類以上含
む前記基板と同じ結晶構造を有する部材で構成し、かつ
前記基板結晶方位と整合するように前記基板に接合した
ことを特徴とする。
【0023】本発明は、前記光誘引部材に含まれる元素
が、遷移金属から選定された元素であることを特徴とす
る。本発明は、前記元素が、Zn或いはNiであること
を特徴とする。本発明は、前記基板と前記光誘引部材と
の間に、接合部材を具えることを特徴とする。
【0024】本発明は、前記基板が、LiNbO3 であ
ることを特徴とする。本発明は、表面に光波が導波され
る光導波路を形成した基板と、少なくとも前記光導波路
の一部を覆うように配設した1個以上の光誘引部材とを
具えた光導波路型偏光子の製造方法において、前記光誘
引部材を、前記基板には含まれない元素を少なくとも1
種類以上添加した前記基板と同じ結晶構造を有する部材
で構成し、結晶方位を前記基板結晶方位と整合するよう
に前記基板に接合したことを特徴とする。
【0025】本発明は、前記基板と前記光誘引部材との
接合を、前記基板上で、前記光誘引部材の融液を固化さ
せる液相成長法によって行うことを特徴とする。本発明
は、前記基板と前記光誘引部材との接合を、前記基板上
に前記光誘引部材をゾルゲル法により成長させることに
よって行うことを特徴とする。本発明は、前記基板と前
記光誘引部材との接合を、前記基板と前記光誘引部材と
を高温で張り合わせ、一体化したことを特徴とする。本
発明は、前記基板と前記光誘引部材との接合が、基板と
光誘引部材の間に、接着性を有する接合部材を挟んで行
うことを特徴とする。
【0026】
【実施例】図3は、本発明の一実施例を示す。ニオブ酸
リチウム(LiNbO3)の基板1の表面に、Ti熱拡散
により、光導波路2を形成する。光導波路2の一部及び
基板の表面の一部を覆うように、液相成長法により光誘
引部材3を接合する。
【0027】ここで、光誘引部材3は、基板1と同じニ
オブ酸リチウム結晶に、Znを添加したものであり、そ
の添加量に応じて、表1に示されるような屈折率を示
す。
【0028】
【表1】
【0029】Znを添加したニオブ酸リチウム(LN)
では、無添加の調和組成ニオブ酸リチウムに比べ、常光
屈折率が大きくなり、逆に異常光屈折率が小さくなる。
Ti拡散導波路では、拡散量に対応して、常光、異常光
いずれの屈折率も上昇する。よって、Ti拡散導波路の
拡散条件(Tiの拡散量、つまり、拡散温度、拡散時間
等)と、光誘引部材へのZnの添加量を選定することに
より、 no (LN)<no (Ti:LN)<no (Zn:L
N) かつ ne (Zn:LN)<ne (LN)<ne (Ti:L
N) あるいは no (LN)<no (Ti:LN)〜no (Zn:L
N) かつ ne (Zn:LN)<ne (LN)<ne (Ti:L
N) の屈折率関係を作り出すことができる。
【0030】上記いずれの場合も、異常光屈折率
(ne )の大小関係より、Ti拡散導波路を伝搬する光
波のうち異常光屈折率を感じる偏波成分は、導波路より
も異常光屈折率の小さいLN基板及びZn:LN光誘引
部材には誘引されず、導波路に強く閉じ込められて伝搬
する。
【0031】一方、常光を感じる偏波成分は、導波路よ
りも小さな常光屈折率をもつLN基板側には誘引されな
いが、導波路よりも大きな或いは同程度の常光屈折率を
もつZn:LN光誘引部材中に誘引され易くなり、結果
的に異常光を感じる偏波成分のみが選択的に導波路中を
伝搬する。
【0032】上記のような構造を、z面カットLN基板
に応用すると、図7に示すように、z軸に平行な屈折率
成分である異常光屈折率(ne )を感じる、つまりz軸
に平行な(定義上は、表面に垂直な)偏波成分であるT
M偏波のみを導波させることができる。LNでは、z軸
に平行な電気光学定数が最大値であるため、このような
構成をとることで、最大の電気光学定数と相互作用する
偏波成分(この場合TM)を伝搬させ、不要な偏波成分
をカットすることで素子出力光強度のSN(消光比)を
よくすることができる。
【0033】光誘引部材であるZn添加LNの、基板表
面への接合は、次のような条件で、光誘引部材を液相か
ら膜成長させることで行うことができる。原料をより低
温で均一に溶融させるために、Li2 O−V2 5 系フ
ラックスを用い、Li2 O:V2 5 :N2 5 =5
0:40:10の組成比に調整した融液にZnO(Li
NbO3 組成に対し0.56 mol) を添加、溶融させる。こ
の融液にLN基板の所定部分を、温度条件850℃で、
15分間、浸漬させた後、引き上げ、融液を基板上に固
化、結晶化させる。この時、基本成分が基板と同等であ
る光誘引部材の融液は、基板の結晶方位と整合関係にな
るように、エピタキシャル結晶成長する(z面カットL
N基板表面には、光誘引部材結晶のz面が成長する)。
【0034】この時、光誘引部材は、単結晶である必要
はなく、所望の結晶軸が優先配向した多結晶体(膜)で
あってもよい。よって、ゾルゲル法のような、単結晶膜
の育成は難しいが、低温での優先配向結晶膜の育成を特
徴とする技術を用いて、基板上に光誘引部材を成長させ
てもよい。LNの場合、ゾルゲル法では、最低600℃
で結晶膜の成長が可能である。
【0035】光誘引部材の添加元素としては、Zn以外
にも例えば、Niを用いることができる。LN結晶にN
iを添加した場合も、Zn添加と同様に、基板に比べて
常光屈折率が上昇し、異常光屈折率が減少するため、Z
n:LNを光誘引部材に用いた時と同様な効果を得るこ
とができる。光誘引部材のLN結晶にNi金属を500
nm蒸着し、酸素中で、10時間、熱拡散させた場合の結
晶表面の屈折率と拡散温度の関係を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】図3に示される実施例においては、光誘引
部材3を一端部に設けたが、図4に示されるように、端
部以外の任意の場所に配置することができる。また図5
に示されるように 光誘引部材を複数個設ける場合に
は、他端を含め任意の場所に配置することができる。
【0038】液相成長法で光誘引部材をX−カットLN
基板に接合し作製した光導波路型偏光子の特性例を説明
する。波長1.5μmの光をシングルモ─ドで導波させ
ることのできるTi拡散導波路を予め形成したX−カッ
トLN基板(導波路は、Y軸方向)の一部を、ZnO、
10mol%を添加したLN融液中(850℃)に、3
0分間浸漬させた後、引き上げ、その融液を基板上で急
冷固化させ、結晶化させた。この場合、Li2 OーV2
5 系のLiVO3 をフラックスに用いた(フラックス
量は、80wt%)。
【0039】Zn:LN光誘引部材の厚さは、約20μ
mで、基板にエピタキシャル成長させた。次に、基板の
両端を切断し、研磨し、図3に示されるような形状にし
た。導波路方向の基板の長さは、40mm 、このうち
光誘引部材部分の長さは、10mmである。この導波路
に、波長1.5μmの光波を光誘引部材のない側から導
波させて測定したTE/TM消光比は、33dBであ
り、異常光屈折率ne を感じるTE偏波成分透過型の光
導波路型偏光子を得ることができた。
【0040】図6は、本発明の他の実施例を示す。LN
結晶に、上記のような方法でNiを添加し屈折率を調整
した光誘引部材3を用いて、光導波路型偏光子を構成す
る方法として、図6に示すように、光導波路2を有する
基板1の所望表面部分に、光誘引部材3を接着層を有す
る接合部材4を介して接合した。この時、接合部材4を
介して、導波路を伝搬する光波が光誘引部材3中に十分
誘引され、常光屈折率を感じる偏波成分を導波路から光
誘引部材3中に効率よく誘引させるために、接着層の厚
さを、0.5μm に選定した。この場合、0.5μm 以
下にすることが望ましい。
【0041】さらに、接着層の屈折率が調整されている
ことが望ましい。一般に、接着材料の屈折率は等方的で
あることが多く、所望の偏波成分に対してのみ作用させ
ることが困難なため、導波路を伝搬する光波に大きな損
失を与えない程度に導波路の屈折率より低い範囲で、屈
折率が高められていることが好ましい。但し、導波光の
損失量は接着層と導波路の接着面積にも依存するため、
接着面積が小さい場合はこの限りではない。
【0042】光誘引部材を調整するための添加元素とし
て、Zn,Ni以外に、イオン半径が同等か或いは小さ
い遷移金属元素を用いることができる。例えば、V(4
価)のような酸化物状態で未結合電子を自由電子として
もつ元素を添加した場合、光誘引部材に金属に近い電気
伝導性が付与されるため、図2に示される従来の電界吸
収型偏光作用に対応する一体型の導波路型偏光子を構成
することができる。
【0043】また、結晶構造が同一の物質同志では、両
者を面内の結晶方位を合わせるように密着させて加熱す
ることで、密着界面での固相熱拡散により、結晶を接合
させることが可能である。LN結晶では、約800℃
で、接合できるので、この技術を利用して基板上に別途
用意した同質の光誘引部材を直接接合することもでき
る。
【0044】
【発明の効果】導波路表面に基板材料と同質の光誘引部
材を接合し光導波路型偏光子を構成することにより、導
波路表面に全くの異質の別体の部材を接合させる従来技
術で構成されていた光導波路型偏光子に比べ、機械的信
頼性を向上させることができ、かつエピタキシャル接合
技術のような完全な一体化接合を応用して、集積素子を
構成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】異方性光学結晶を用いた光導波路型偏光子(従
来例)を示す。
【図2】金属クラッディングを利用した光導波路型偏光
子の(従来例)を示す。
【図3】本願の発明に係る光導波路型偏光子の一実施例
を示す。
【図4】本願の発明に係る光導波路型偏光子の他の実施
例を示す。
【図5】本願の発明に係る光導波路型偏光子の他の実施
例を示す。
【図6】本願の発明に係る光導波路型偏光子の更に他の
実施例を示す。
【図7】光屈折率と偏波成分との関係説明図を示す。
【符号の説明】
1 基板 2 光導波路 3 光誘引部材 4 接合部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日隈 薫 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新規技術研究所内 (72)発明者 永田 裕俊 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新規技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に光波が導波される光導波路を形成
    した基板と、少なくとも前記光導波路の一部を覆うよう
    に配設した1個以上の光誘引部材とを具えた光導波路型
    偏光子において、 前記光誘引部材を、前記基板には含まれない元素を少な
    くとも1種類以上含む前記基板と同じ結晶構造を有する
    部材で構成し、かつ前記基板結晶方位と整合するように
    前記基板に接合したことを特徴とする光導波路型偏光
    子。
  2. 【請求項2】 前記光誘引部材に含まれる元素が、遷移
    金属から選定された元素であることを特徴とする前記請
    求項1記載の光導波路型偏光子。
  3. 【請求項3】 前記元素が、Zn或いはNiであること
    を特徴とする前記請求項1記載の光導波路型偏光子。
  4. 【請求項4】 前記基板と前記光誘引部材との間に、接
    合部材を具えることを特徴とする前記請求項1記載の光
    導波路型偏光子。
  5. 【請求項5】 前記基板が、LiNbO3 であることを
    特徴とする前記請求項1記載の光導波路型偏光子。
  6. 【請求項6】 表面に光波が導波される光導波路を形成
    した基板と、少なくとも前記光導波路の一部を覆うよう
    に配設した1個以上の光誘引部材とを具えた光導波路型
    偏光子の製造方法において、 前記光誘引部材を、前記基板には含まれない元素を少な
    くとも1種類以上添加した前記基板と同じ結晶構造を有
    する部材で構成し、結晶方位を前記基板結晶方位と整合
    するように前記基板に接合したことを特徴とする光導波
    路型偏光子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板と前記光誘引部材との接合を、
    前記基板上で、前記光誘引部材の融液を固化させる液相
    成長法によって行うことを特徴とする前記請求項6記載
    の光導波路型偏光子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基板と前記光誘引部材との接合を、
    前記基板上に前記光誘引部材をゾルゲル法により成長さ
    せることによって行うことを特徴とする前記請求項6記
    載の光導波路型偏光子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基板と前記光誘引部材との接合を、
    前記基板と前記光誘引部材とを高温で張り合わせ、一体
    化したことを特徴とする前記請求項6記載の光導波路型
    偏光子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記基板と前記光誘引部材との接合
    を、前記基板と前記光誘引部材との間に、接着性を有す
    る接合部材を挟んで行うことを特徴とする前記請求項6
    記載の光導波路型偏光子の製造方法。
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WO2010134178A1 (ja) * 2009-05-21 2010-11-25 三菱電機株式会社 光導波路型偏光子、それを用いた光スイッチング装置及びqスイッチレーザ装置

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