JPH1068787A - 時差ぼけ解消装置 - Google Patents

時差ぼけ解消装置

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JPH1068787A
JPH1068787A JP8225685A JP22568596A JPH1068787A JP H1068787 A JPH1068787 A JP H1068787A JP 8225685 A JP8225685 A JP 8225685A JP 22568596 A JP22568596 A JP 22568596A JP H1068787 A JPH1068787 A JP H1068787A
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JP
Japan
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jet lag
positioning
biological rhythm
user
time difference
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Pending
Application number
JP8225685A
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English (en)
Inventor
Norio Nakano
紀夫 中野
Kaname Okuno
要 奥野
Akihiro Michimori
章弘 道盛
Emi Koyama
恵美 小山
Hiroshi Hagiwara
啓 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP8225685A priority Critical patent/JPH1068787A/ja
Publication of JPH1068787A publication Critical patent/JPH1068787A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者による時差の入力が不要であって使い
勝手がよい上に常に適切な処置を行うことができる。 【解決手段】 現在地の測位を行う測位手段1と、前回
測位結果と今回測位結果とから時差を算出する時差検出
手段21と、時差情報に基づいて時差ぼけ解消のための
生体への刺激タイミングを演算する演算手段2と、演算
結果を報知する報知手段4とからなる。測位手段による
測位結果によって移動の前後の地点での時差を時差ぼけ
解消装置側で算出するために、使用者が出発地と到着地
との間の時差を知っている必要がない上に入力する必要
もなく、正確な時差に基づく時差ぼけ解消のための処置
を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は時差ぼけ(ジェット
・ラグ)を解消するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】数時間以上の時差がある地域へジェット
機などで高速に移動した際、一過性または持続性の心身
不調状態、たとえば睡眠障害、日中の眠気、集中力の低
下、疲労感、食欲の低下といった症状に陥るが、時差ぼ
けと称されているこの症状は、仕事における生産性を低
下させたり重要な判断ミスを生じさせたりするばかり
か、日常生活の質も低下させてしまうものであり、海外
旅行者や出張者などでジェット機の利用者が増えている
今日では大きな社会問題となっている。
【0003】ところで時差ぼけとは、主としてほぼ24
時間周期の体内の生体リズムと環境のリズムとの間に生
じた大きなずれを要因とするものであり、また時差のあ
る地域への移動後の現地環境に適応する過程で体内の複
数の生理機能の間で一時的に協調性が乱れることや、旅
行中の睡眠不足及び不規則な生活からくる疲労が時差ぼ
けの症状をさらに悪化させるものとなっている。
【0004】このような時差ぼけは、環境リズムに対し
てずれが生じてしまった生体リズムを環境リズムに再同
調させることで解消することができるとともに、この同
調させるという点に関して高照度光が有効であることが
既に科学的に証明されている。すなわち、高照度光の人
に対する位相反応曲線に基づき、上記ずれの値から導か
れる適切な時刻に高照度光による光刺激を与えることに
より、環境リズムに生体リズムを早期に同調させること
ができ、この結果、時差ぼけを解消することができる。
【0005】ここにおいて、上記環境リズムと生体リズ
ムとのずれの値を出発地と到着地との時差の値で代用
し、高照度光による光刺激を与えるべき時刻を計算して
使用者に知らせるものが提供されている。また特表平3
−502727号公報には、時差に応じて日光を浴びる
べき時間帯を表示するものが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、環境リズムと生体リズムとのずれの値に時差の値が
一致している場合、指示された時刻に光刺激を受けるこ
とによって時差ぼけに対処することができるが、使用者
が時差の値を入力しなければならないという点で問題を
有している。すなわち、出発地と到着地とにおいて時差
がいくらであるかを使用者が認識していなくてはならな
い上に、その値を正確に入力しなくてはならないが、使
用者が時差の値を知っているとは限らない上に、時差の
値を知っていても出発地に対して到着時の時刻が進んで
いるのか遅れているのかを入力し間違えることもあり、
多忙でストレスに囲まれた旅行中の使用者に上記入力を
強いるものは、誤入力に基づく誤動作を招いてしまう可
能性が高いし、使用者にしてみれば使い勝手が良いとは
言えない。
【0007】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところは使用者による時差の入
力が不要であって使い勝手がよい上に常に適切な処置を
行うことができる時差ぼけ解消装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして本発明に係る時
差ぼけ解消装置は、現在地の測位を行う測位手段と、前
回測位結果と今回測位結果とから時差を算出する時差検
出手段と、時差情報に基づいて時差ぼけ解消のための生
体への刺激タイミングを演算する演算手段と、演算結果
を報知する報知手段とからなることに特徴を有してい
る。
【0009】本発明によれば測位手段による測位結果に
よって移動の前後の地点での時差を時差ぼけ解消装置側
で算出するために、使用者が出発地と到着地との間の時
差を知っている必要がない上に入力する必要もなく、正
確な時差に基づく時差ぼけ解消のための処置を行うこと
ができる。ここにおける測位手段はGPS信号を受信し
て測位を行うGPSレシーバーを好適に用いることがで
きる。地球上のどの地点においても測位を行うことがで
きる。この時、GPS信号を直接受けて測位を行うので
はなく、GPS信号を中継する中継手段によって中継さ
れた信号を受信して測位を行うものであってもよい。ジ
ェット機の機内や家屋内においても測位を行うことがで
きるものとなる。
【0010】測位手段による測位動作は、入力手段によ
る指示に応じて行うものであっても、所定時間毎に自動
で行うものであってもよく、いずれの場合も時差検出手
段は測位動作毎に得られる時差の積算値を出力するもの
としておくと、いくつかの地点を中継して最終目的地に
向かう場合などに都合がよい。また演算手段は、測位結
果から得られる移動速度が所定速度以上である時に演算
を行うものであると、無用な演算処理を行うことがなく
なる。
【0011】演算手段は、入力部から入力される目的地
到着後のスケジュールを考慮して演算を行うものである
と、最終目的地に向けての時差ぼけ解消処置をスムーズ
に行うことができる。光環境計測部を備えて、演算手段
は光環境計測部の計測結果を考慮して演算を行うもので
あると、刺激として光を用いる場合、環境光を利用する
ことができる。
【0012】生体への刺激のための高照度光を出力する
高照度光出力手段を備えて演算手段の出力で高照度光出
力手段の動作を制御するならば、別途高照度光出力手段
を用意する必要がないものとなる。生体への刺激のため
の高照度光を出力する高照度光出力手段の動作を制御す
るインターフェース部を備えたものとしておく時には、
高照度光出力手段として目的地にあるものを利用するこ
とができる。
【0013】生体リズムの基準地点の設定のための基準
地点設定手段を備えていることも好ましい。目的地での
長期滞在で生体リズムが現地での環境リズムに適合して
いる場合、次の長距離移動に備えることができる。時差
の発生の有無と経過時間とから生体リズムの基準地点を
変更する基準地点設定手段を備えたものとしておくなら
ば、基準地点の変更を自動で行うことができる。
【0014】演算手段が使用者固有の生体リズムを表現
する生体リズムデータを保有していると、より適切な時
差ぼけ解消処置を行うことができる。この場合、使用者
の生体リズムを推定する推定手段を備えて、演算手段は
この推定手段で推定された生体リズムを参照して演算を
行うものであることが好ましく、ここにおける推定手段
には、光環境の変化から使用者の生体リズムを推定す
る、使用者の身体活動量の計測結果から使用者の生体リ
ズムを推定するもの、使用者の深部体温などの生理計測
結果から使用者の生体リズムを推定するものなどを好適
に用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図2において、図中1はGPSア
ンテナ10及びGPSレシーバー11で構成された測位
手段、図中2はマイクロコンピューターからなる演算制
御部であり、該演算制御部2には測位手段1で得られた
測位結果を記録するメモリ20と、前回測位結果と今回
測位結果とにおける経度差に基づいて時差を演算する時
差検出部21と、時差ぼけ解消のための光刺激を人体に
与える刺激タイミングの演算を行う演算部22とを備え
ている。そして演算制御部2には上記測位手段1が接続
されているほか、測位指示などを行うための入力部3
と、上記演算結果を使用者に報知するための報知手段4
とが接続されているとともに、上記演算に際して参照す
ることになる人体の生体リズム関連のデータを納めた生
体リズム情報部5が接続されている。
【0016】上記生体リズム情報部5は、人体の高照度
光に対する位相反応曲線に関するデータ、あるいは位相
反応曲線に基づいて求めた生体リズムと環境リズムとの
ずれの量に対応する光刺激タイミングや必要な光強度の
データ、あるいは人体の生体リズムに関するパラメータ
と生体リズムを進めたり送らせたりすることに関する関
数等を納めたものであり、報知手段4は液晶ディスプレ
ーからなる表示部40と警告音発生用のブザー41とに
よって構成されている。
【0017】この時差ぼけ解消手段においては、出発地
において入力部3を操作することで測位手段1を作動さ
せてその測位結果をメモリ20に取り込ませる。そして
到着地において再度入力部3を操作することで到着地で
の測位結果を演算制御部2に送る。演算制御部2は得ら
れた到着地の測位結果とメモリ20に記録された出発地
の測位結果とにおける経度の値の差から時差検出部21
において時差を算出決定し、演算部22において生体リ
ズム情報部5に納められたデータを基に時差に応じた処
置、たとえばどのような強さの光刺激をどのようなタイ
ミングで受けるべきかの指示を決定し、報知部4におい
てこれを使用者に報知する。
【0018】この時、環境リズムに対して生体リズムが
進んで場合は時差の値に応じて生体リズムを遅らせて環
境リズムに適合させる光刺激タイミング及び光強度を生
体リズム情報部5のデータを基に演算し、逆に環境リズ
ムに対して生体リズムが遅れている場合は時差の値に応
じて生体リズムを進ませて環境リズムに適合させる光刺
激タイミング及び光強度を生体リズム情報部5のデータ
を基に演算し、演算結果を報知部4において報知するの
である。また、図1に示す例においては、時差が無い場
合、もしくは時差が微小である場合、現在の生体リズム
位相を変化させないものの強化する光刺激タイミング及
び光強度を求めて報知するようにしている。この報知の
ための表示部40には、光刺激タイミングや光強度(照
度)についてだけでなく、光刺激を有効に受けるための
留意点、時差ぼけ症状緩和用の薬物の処方や生活上の留
意点なども併せて表示することも好ましい。
【0019】測位手段2として上記の例では地球上のど
の地点においても測位を確実に行うことができるGPS
レシーバー11を示したが、これに限るものではない。
たとえばFM波のような地域単位の電波から位置に関す
る情報サービスを受けることによって測位を行ってもよ
く、この場合の測位手段3は受信アンテナと位置情報検
出回路により構成することができる。世界時計などを利
用し、標準時とローカルタイムの違いから経度を大雑把
に推定するものであってもよい。
【0020】GPSレシーバー11を用いる場合でも時
差ぼけ解消装置そのものがGPSレシーバー11を備え
ていなくてもよく、GPSレシーバー11の測位結果を
送信する中継手段を設けて、該中継手段から送り出され
た測位結果を受信するものであってもよい。このような
中継手段を設けたならば、ジェット機の機内や家屋内に
おいても測位結果を得ることができるものとなり、後述
の測位動作を定期的に自動で行う場合や、きわめて長距
離な移動であるために、移動中においても到着後の時差
ぼけ解消に備えて生体リズムを進ませたり遅らせたりす
ることを開始する場合に都合がよい。中継手段はGPS
信号そのものを機内や家屋内に再送出するものであって
もよい。
【0021】前記動作説明においては、入力手段3によ
る指示を受けた際に測位動作を行うものを示したが、こ
の場合の入力手段3には、出発地で操作するスイッチと
到着地で操作するスイッチとを別にしたものを用いると
よい。出発地スイッチが押された場合には測位結果を過
去の測位結果と比較せず、到着地スイッチが押された場
合に時差の計算を行うものとしておくわけであり、図3
における目的地か否かの判断は到着地スイッチが操作さ
れたか否かで判定することができる。同じスイッチを複
数回操作する場合に比して、誤った回数の操作で過去の
測位結果を消去してしまうといった操作ミスが生じにく
くなる上に、計算ミスも少なくなる。
【0022】測位手段1が定期的に自動で測位動作を行
うものであってもよい。この場合、出発地を出発したか
否か、あるいは目的地に到着したか否かは測位結果を前
回の測位結果と比較することで判定すればよく、また時
差については、図4に示すように測位動作毎に前回の測
位データとの間で時差を算出するとともに今回測位デー
タをメモリ20に書き込むという動作を繰り返すととも
に、算出した時差はスタートさせた時点からの時差の加
算値に加算していくのである。そして時差加算値がたと
えば2時間を越えたならば、時差ぼけを解消する光刺激
タイミング及び光強度を求める演算部22を作動させる
ようにしておくと、使用者からの入力は最初のスタート
時だけでよいものとなる。
【0023】また、使用者の高速な移動の開始を検出す
ることができれば、時差ぼけを解消するための演算を早
期に開始することができるものとなる。この場合、図5
に示すように時差検出部21は定期的に自動で作動する
測位手段1の測位結果と時間とから移動速度を計算し、
この移動速度がたとえば時速400kmを越えている時
には、時差ぼけを解消する光刺激タイミング及び光強度
を求める演算部22を作動させるようにしておくと、使
用者からの入力がなくとも時差ぼけが生じる危険性を使
用者に知らせることができるものとなる上に、記憶した
過去の測位情報を用いて使用者の移動方向や出発位置の
推定を行っておくこともできるものとなる。
【0024】時差の決定から演算部22を作動させて時
差ぼけ解消の処置を求める前に、図6に示すような移動
先確認ルーチンを実行するようにしてもよい。つまり、
時差が算出された時点で使用者に長距離移動を行ってい
るかどうかを確認し、現在値が目的地であるかどうかの
入力を要求するのである。たとえば「長距離移動を行っ
ていますね。ここは旅行の目的地ですか?」という表示
を表示部40に出して確認をとるとともに、目的地では
ない場合は目的地域選択要求や詳細目的地選択要求を表
示し、最終目的地をその到着前にデータとして得るので
ある。なお、表示する目的地域や詳細目的地についての
経度データは予め演算制御部2にデータとして登録して
おく。このようにすれば、到着地点が最終目的地である
かどうかを判別することができるとともに、最終目的地
に達する前に最終目的地のデータを得ることができるた
めに、現在地での時差に対する時差ぼけ対処ではなく、
最終目的地での時差に対する時差ぼけ対処を早期に開始
することができる。
【0025】図7に示すような滞在日数確認ルーチンを
実行し、滞在日数に応じて異なる時差ぼけ解消処置を行
うことも好ましい。目的地での滞在が長期にわたる場合
には、たとえば「目的地に適応しやすい刺激やガイダン
スを選択します」といった表示を行うとともに、目的地
での環境リズムに生体リズムを合わせる時差ぼけ解消処
置を演算部22において演算して表示する。目的地での
滞在が短期、たとえば2日以内である場合には、「その
まま出発地点へ戻るのですか?」といった表示を行い、
出発地点に戻る場合には生体リズムを目的地での環境リ
ズムに急速に適応させる刺激やガイダンスではなく、出
発地に戻った時に時差ぼけが生じにくくなる刺激やガイ
ダンスを行い、出発地点へ戻るのではない場合は、前記
移動先確認ルーチンを呼び出して次の目的地の入力を促
し、次の目的地において時差ぼけが生じにくくなる刺激
やガイダンスを行うようにするのである。旅行のスケジ
ュールに応じた時差ぼけ解消処置を行うことができる。
【0026】また、近い過去に発生した長距離且つ高速
な移動を示す情報を記憶することができるようにしてお
くとともに、新たに長距離且つ高速な移動が発生した場
合に上記情報を利用できるようにしておくならば、使用
者の状況により適した時差ぼけ解消処置を実行すること
ができるものとなる。すなわち、過去の移動で到着した
地点での滞在がたとえば3日以内であった場合、生体リ
ズムはその地点での環境リズムに完全に同調している可
能性は少ないことから、時差算出の基準地点は過去の移
動での出発地のままとしておくが、過去の移動で到着し
た地点での滞在が長期である時には生体リズムがその地
点での環境リズムに既に同調していると思われることか
ら、時差算出の基準地点を新たな移動の出発地(現在
値)に変更するのである。ただし、個人差があることで
あるために、いずれの場合にも基準地点の変更について
使用者の確認をとるようにしておくことが望ましい。も
っとも上記2つの変更確認においてはそのニュアンスを
変えておき、長期滞在の場合の基準地点変更の確認表示
の方はOKを選ぶことが強く求められるものとしてお
く。いずれにしても基準地点を変更したならば過去の移
動情報は消去する。
【0027】もちろん、基準地点を任意の時点で変更す
ることができるようにしておいてもよい。基準地点確認
ルーチンを呼び出して、現在地を基準地点に変更するこ
とができるようにしておくのである。また、時差(長距
離移動)の発生が所定時間検出できない時には現在地を
基準地点に自動変更するようにしてもよい。時差ぼけ解
消処置のための高照度光は、別途高照度光照射装置によ
って得ることになるが、時差ぼけ解消装置が高照度光照
射装置を内蔵するものであってもよい。この場合、高照
度光による光刺激を受けるべき時刻に高照度光照射装置
を作動させるものとすることができる。もちろん、高照
度光照射装置が別の装置である場合にも、図2に示すよ
うに、時差ぼけ解消装置と高照度光照射装置6とを接続
するインターフェース60を設けて、高照度光照射装置
6の作動時刻を時差ぼけ解消装置側で制御することがで
きるようにしてもよい。つまり、時差ぼけ解消装置を通
じて高照度光照射装置6の電源を供給したり、リモート
コントロール可能な高照度光照射装置6に時差ぼけ解消
装置側からオンオフ信号を送ることで高照度光照射装置
6を作動させるのである。これは家庭や移動先のホテル
に卓上型やスタンド型、あるいは大型の高照度光照射装
置6が常備されている場合においては特に有効である。
なお、バイザー型の高照度光照射装置6を用いると、移
動中での利用も可能となる。
【0028】高照度光照射装置を用いるのではなく、太
陽光などの環境光を用いてもよい。この場合、時差ぼけ
解消装置に環境光の照度や色温度などの光環境を計測す
る光環境計測部を設けておくことで、光環境の利用を使
用者に指示することができる。たとえば演算部22が求
めた光刺激時間帯での光環境の照度が時差ぼけ解消に有
効であるならば、周囲の光環境を利用して光をできるだ
け浴びるように使用者に指示し、光を避けるべき時間帯
であるならば警告を発して光を避けるように使用者に指
示するのである。高照度光照射装置を用いる場合にも、
光環境計測部で計測した環境光を考慮して演算結果を変
更することも可能である。上記警告に際しては、報知手
段4におけるブザー41を作動させて警告音を発するよ
うにしておくと使用者に確実に警告を与えることができ
る。音による報知警告のほか、バイブレータによる振動
で使用者の注意を喚起するようにしてもよい。
【0029】ところで、生体リズム及び刺激に対する位
相反応曲線は個人ごとに異なる可能性がある上に、生活
が不規則になっている場合、生体リズムが標準的な形か
ら大きく異なっている可能性がある。このような場合は
生体への刺激のタイミング及び強度を時差や移動の方向
といった移動内容だけで決めることは不十分であること
から、生体リズム情報部5に予め測定したその個人の生
体リズムデータを入力しておき、時差ぼけ解消処理の演
算にあたって、この生体リズムデータを参照するのも好
ましい。
【0030】また、時差ぼけ解消装置に使用者の生体リ
ズムの推定手段を設けて、上記個人の生体リズムデータ
を時差ぼけ解消装置が収集することができるようにして
おいてもよい。この推定手段としては、「あなたは朝型
ですか?夜型ですか?」、「平均すると何時頃、自然に
起床できますか?」、「昼寝の習慣はありますか?」と
いった使用者のライフスタイルについての質問を提示し
てその回答から基本形として持っている生体リズムの表
現パラメータ(たとえば振幅、起床位相、最低位相)を
変更するものを用いることができるとともに、この時、
上記した光環境計測部の出力も利用することができるほ
か、使用者の身体活動量や深部体温の測定部材を備えて
この測定結果から個人の生体リズムを推定するものを用
いることができる。
【0031】図9は手首に付けたピアゾ圧電型加速度セ
ンサーによって身体活動量を5日間連続的に計測した例
を、図10は腰部に付けたピアゾ圧電型加速度センサー
によって身体活動量を5日間連続的に計測した例を示し
ている。どちらの場合も睡眠時(夜間)はほとんど値が
0に近く、覚醒時(昼間)は一定以上(2〜3分以上)
の間隔をおかずに断続的に高い値を得られる。このよう
に睡眠と覚醒がほぼ一定間隔で繰り返されると身体活動
量は生体リズムの指標となり得ることから、身体活動量
測定部の測定結果から自動的に生体リズムを評価するこ
とができる。この場合、身体活動量のデータに対して平
滑化フィルターや閾値処理を行うことで覚醒時刻や就寝
時刻を推定することができ、この処理を2日間以上繰り
返して得られた覚醒時刻または就寝時刻が一定の時間帯
に入れば、その覚醒時刻または就寝時刻を生体リズムの
指標として利用する。この処理は時差が発生していない
期間に自動的に行うようにしておくのはもちろんであ
る。
【0032】深部体温の場合も、図11に示す直腸温セ
ンサーによって直腸温を5日間以上計測した場合の計測
結果から明らかなように、24時間周期の生体リズムを
明確に示すことから、たとえばコサイナー法によって深
部体温の最低点位相や最高点位相を推定すれば、それら
の時刻を生体リズムの指標とすることができる。この指
標は身体活動量の場合よりも正確に生体リズムを反映す
ることが明らかとなっているために、時差ぼけの解消の
ための刺激タイミングの演算において非常に有用であ
る。なお、深部体温は直腸温以外に鼓膜温やコアテンプ
でも評価することができる。また深部体温に代えて、メ
ラトニンやコルチゾルなどのホルモン計測によっても生
体リズムを正確にまた自動的に評価することができる。
【0033】以上の説明では時差ぼけ解消の処置として
高照度光による光刺激を用いる場合について説明した
が、これに限るものではなく、メラトニンホルモンや睡
眠薬などの薬物を摂取すべき時刻を表示するものであっ
てもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明における時差ぼけ解
消装置は、現在地の測位を行う測位手段と、前回測位結
果と今回測位結果とから時差を算出する時差検出手段
と、時差情報に基づいて時差ぼけ解消のための生体への
刺激タイミングを演算する演算手段と、演算結果を報知
する報知手段とからなり、測位手段による測位結果によ
って移動の前後の地点での時差を時差ぼけ解消装置側で
算出するために、使用者が出発地と到着地との間の時差
を知っている必要がない上に入力する必要もなく、従っ
て使用者を煩わせることのない使い勝手が良いものとす
ることができると同時に、正確な時差情報に基づく時差
ぼけ解消のための処置を行うことができるものである。
【0035】そして上記測位手段として、GPS信号を
受信して測位を行うGPSレシーバーを用いたならば、
地球上のどの地点においても測位を行うことができるた
めに、到着地を選んでしまうことがなく、常に最適な時
差ぼけ解消処置を行うことができる。この時、GPS信
号を直接受けて測位を行うのではなく、GPS信号を中
継する中継手段によって中継された信号を受信して測位
を行うならば、移動中のジェット機の機内や家屋内にお
いても測位を行うことができるために、GPS信号を直
接受信できないために生ずる不都合がなくなる上に、目
的地に到着するまでの移動中の時点から時差ぼけ解消処
置を開始することもできる。
【0036】測位手段による測位動作は、入力手段によ
る指示に応じて行うものであれば、目的地への到着時点
を明確に指示することができる。また測位手段による測
位動作は、所定時間毎に自動で行うものであってもよ
い。この場合は入力手段による指示の必要がなくなるた
めに、使い勝手がさらに良好となる。いずれの場合も時
差検出手段は測位動作毎に得られる時差の積算値を出力
するものとしておくと、移動中においても時差ぼけ解消
処置を開始することができると同時に最終目的地での時
差も得ることができる。
【0037】また演算手段は、測位結果から得られる移
動速度が所定速度以上である時に演算を行うものである
と、無用な演算処理を行うことがなくなる。さらに演算
手段は、入力部から入力される目的地到着後のスケジュ
ールを考慮して演算を行うものであると、途中経由地の
環境リズムの影響をあまり受けることなく、最終目的地
に向けての時差ぼけ解消処置をスムーズに行うことがで
きる。
【0038】光環境計測部を備えて、演算手段は光環境
計測部の計測結果を考慮して演算を行うものであっても
よい。時差ぼけ解消のための刺激として光を用いる場
合、環境光を積極的に利用することができるものとな
る。生体への刺激のための高照度光を出力する高照度光
出力手段を備えたものであれば、別途高照度光出力手段
を用意する必要がなくなると同時に、時差ぼけ解消処置
を適切な時刻に的確に行うことができるものとなる。
【0039】生体への刺激のための高照度光を出力する
高照度光出力手段の動作を制御するインターフェース部
を備えたものとしておいてもよく、この場合、高照度光
出力手段として目的地にあるものを利用することができ
るために、高照度光出力装置を同時に持ち歩く必要がな
くなり、旅行に適したものとなる。生体リズムの基準地
点の設定のための基準地点設定手段を備えていることも
好ましい。目的地での長期滞在で生体リズムが現地での
環境リズムに適合している場合、次の長距離移動に備え
ることができることになり、時差ぼけ解消処置を常に適
切に行うことができるものとなる。時差の発生の有無と
経過時間とから生体リズムの基準地点を変更する基準地
点設定手段を備えたものとしておくならば、上記基準地
点の変更を自動で行うことができて使い勝手が良好とな
る。
【0040】演算手段が使用者個人の生体リズムを表現
する生体リズムデータを保有していると、より適切な時
差ぼけ解消処置を行うことができる。この場合、使用者
の生体リズムを推定する推定手段を備えて、演算手段は
この推定手段で推定された生体リズムを参照して演算を
行うものとして構成しておくことが好ましい。推定手段
として、光環境の変化から使用者の生体リズムを推定す
る、使用者の身体活動量の計測結果から使用者の生体リ
ズムを推定するもの、使用者の深部体温などの生理計測
結果から使用者の生体リズムを推定するものなどを好適
に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例における基本動作の
フローチャートである。
【図2】同上の基本形態のブロック図である。
【図3】同上の時差検出動作の一例のフローチャートで
ある。
【図4】同上の時差検出動作の他例のフローチャートで
ある。
【図5】同上の移動速度検出動作のフローチャートであ
る。
【図6】同上の移動先確認ルーチンのフローチャートで
ある。
【図7】同上の滞在日数確認ルーチンのフローチャート
である。
【図8】同上の基準地点変更ルーチンのフローチャート
である。
【図9】同上の生体活性度の測定例を示すタイムチャー
トである。
【図10】同上の生体活性度の他の測定例を示すタイム
チャートである。
【図11】同上の深部体温の測定例を示すタイムチャー
トである。
【符号の説明】
1 測位手段 2 演算制御部 5 生体リズム情報部 11 GPSエンジン 21 時差検出部 22 演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 恵美 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 萩原 啓 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現在地の測位を行う測位手段と、前回測
    位結果と今回測位結果とから時差を算出する時差検出手
    段と、時差情報に基づいて時差ぼけ解消のための生体へ
    の刺激タイミングを演算する演算手段と、演算結果を報
    知する報知手段とからなる時差ぼけ解消装置。
  2. 【請求項2】 測位手段はGPS信号を受信して測位を
    行うGPSレシーバーであることを特徴とする請求項1
    記載の時差ぼけ解消装置。
  3. 【請求項3】 測位手段はGPS信号を中継する中継手
    段と、中継された信号を受信して測位を行うものである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の時差ぼけ解消
    装置。
  4. 【請求項4】 測位手段はその測位動作を入力手段によ
    る指示に応じて行うものであることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかの項に記載の時差ぼけ解消装置。
  5. 【請求項5】 測位手段はその測位動作を所定時間毎に
    自動で行うものであることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかの項に記載の時差ぼけ解消装置。
  6. 【請求項6】 時差検出手段は測位動作毎に得られる時
    差の積算値を出力するものであることを特徴とする請求
    項4または5記載の時差ぼけ解消装置。
  7. 【請求項7】 演算手段は、測位結果から得られる移動
    速度が所定速度以上である時に時差ぼけ解消のための演
    算を行うものであることを特徴とする請求項1記載の時
    差ぼけ解消装置。
  8. 【請求項8】 演算手段は、入力部から入力される目的
    地到着後のスケジュールを考慮して演算を行うものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の時差ぼけ解消装置。
  9. 【請求項9】 光環境計測部を備えており、演算手段は
    光環境計測部の計測結果を考慮して演算を行うものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の時差ぼけ解消装置。
  10. 【請求項10】 演算部の出力結果に応じて動作が制御
    されるとともに生体への刺激のための高照度光を出力す
    る高照度光出力手段を備えていることを特徴とする請求
    項1記載の時差ぼけ解消装置。
  11. 【請求項11】 生体への刺激のための高照度光を出力
    する高照度光出力手段の動作を制御するインターフェー
    ス部を備えていることを特徴とする請求項1記載の時差
    ぼけ解消装置。
  12. 【請求項12】 生体リズムの基準地点の設定のための
    基準地点設定手段を備えていることを特徴とする請求項
    1記載の時差ぼけ解消装置。
  13. 【請求項13】 時差の発生の有無と経過時間とから生
    体リズムの基準地点を変更する基準地点設定手段を備え
    ていることを特徴とする請求項1記載の時差ぼけ解消装
    置。
  14. 【請求項14】 演算手段は使用者固有の生体リズムを
    表現する生体リズムデータを保有していることを特徴と
    する請求項1記載の時差ぼけ解消装置。
  15. 【請求項15】 使用者の生体リズムを推定する推定手
    段を備えており、演算手段はこの推定手段で推定された
    生体リズムを参照して演算を行うものであることを特徴
    とする請求項14記載の時差ぼけ解消装置。
  16. 【請求項16】 推定手段は光環境の変化から使用者の
    生体リズムを推定するものであることを特徴とする請求
    項15記載の時差ぼけ解消装置。
  17. 【請求項17】 推定手段は使用者の身体活動量の計測
    結果から使用者の生体リズムを推定するものであること
    を特徴とする請求項15記載の時差ぼけ解消装置。
  18. 【請求項18】 推定手段は使用者の深部体温などの生
    理計測結果から使用者の生体リズムを推定するものであ
    ることを特徴とする請求項15記載の時差ぼけ解消装
    置。
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