JPH1068729A - 反応容器 - Google Patents
反応容器Info
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- JPH1068729A JPH1068729A JP24404296A JP24404296A JPH1068729A JP H1068729 A JPH1068729 A JP H1068729A JP 24404296 A JP24404296 A JP 24404296A JP 24404296 A JP24404296 A JP 24404296A JP H1068729 A JPH1068729 A JP H1068729A
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- Japan
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- filtering material
- filter
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、測定対象物質を結合した微細な粒
子等を効率よく濾過できるようにした金属メッシュ
(網)を具備する反応容器に関する。 【解決手段】(1)電鋳法によって製造された金属メッ
シュ(金網)を濾過材として具備することを特徴とする
反応容器。 (2)直径又は一辺の長さが、20μm〜500μmの
均一な細孔を有する、電鋳法によって製造された金属メ
ッシュ(金網)を濾過材として具備することを特徴とす
る反応容器。
子等を効率よく濾過できるようにした金属メッシュ
(網)を具備する反応容器に関する。 【解決手段】(1)電鋳法によって製造された金属メッ
シュ(金網)を濾過材として具備することを特徴とする
反応容器。 (2)直径又は一辺の長さが、20μm〜500μmの
均一な細孔を有する、電鋳法によって製造された金属メ
ッシュ(金網)を濾過材として具備することを特徴とす
る反応容器。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属メッシュ(網)
を具備する反応容器に関する。更に詳しくは、反応容器
に電鋳法によって製造された金属メッシュ(網)を濾過
材として具備させることにより、反応容器内の微粒子の
濾別(捕捉)を的確に行うことができるようにして、前
記微粒子に結合している測定対象物質を、この反応容器
内で正確に測定することができるようにした反応容器に
関するものである。
を具備する反応容器に関する。更に詳しくは、反応容器
に電鋳法によって製造された金属メッシュ(網)を濾過
材として具備させることにより、反応容器内の微粒子の
濾別(捕捉)を的確に行うことができるようにして、前
記微粒子に結合している測定対象物質を、この反応容器
内で正確に測定することができるようにした反応容器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療や環境測定の現場等では、抗原抗体
反応を利用して試料中の目的物質を機械的、自動的に測
定する技術が繁用されてきている。例えば、目的物質の
免疫学的パートナーを結合した微細な粒子(合成高分子
からなるラテツクス粒子等)と被検試料(血液、血清、
血漿、尿、糞便懸濁液、咽頭拭い液、髄液、細胞抽出液
等あるいはこれらの処理液)とを、ガラスや高分子の容
器内で混合・接触させて反応(第一の反応)させた後、
これに検出可能な信号を発現する物質(酵素、発光物
質、蛍光物質等)を結合したもう一方の免疫学的パート
ナーを加えて反応(第二の反応)させ、その標識物質由
来の信号を検出して目的物質を定性・定量的に測定する
方法がある。
反応を利用して試料中の目的物質を機械的、自動的に測
定する技術が繁用されてきている。例えば、目的物質の
免疫学的パートナーを結合した微細な粒子(合成高分子
からなるラテツクス粒子等)と被検試料(血液、血清、
血漿、尿、糞便懸濁液、咽頭拭い液、髄液、細胞抽出液
等あるいはこれらの処理液)とを、ガラスや高分子の容
器内で混合・接触させて反応(第一の反応)させた後、
これに検出可能な信号を発現する物質(酵素、発光物
質、蛍光物質等)を結合したもう一方の免疫学的パート
ナーを加えて反応(第二の反応)させ、その標識物質由
来の信号を検出して目的物質を定性・定量的に測定する
方法がある。
【0003】上記の反応は通常同一反応容器内で行われ
るが、この際第一の反応終了後の、目的物質が結合した
微細粒子を、被検液(試料)から分離し、反応容器内に
収得して(残存させて)おく必要がある。また更に、残
存する干渉物質を洗浄除去する必要があるが、この場合
にも目的物質が結合した微細粒子を反応容器内に収得し
て(残存させて)おく必要がある。その手段としては、
容器の開口部より液体を吸引して廃棄したり、他端に微
細粒子が通過しない細孔を有する濾過材を配設し、閉口
部より加圧あるいは濾過材の下部より吸引して液体を廃
棄したりする。その後次の反応行程に進むが、必要に応
じて検出可能な信号を発現させるために、再度同様の廃
棄・洗浄工程が行われる。
るが、この際第一の反応終了後の、目的物質が結合した
微細粒子を、被検液(試料)から分離し、反応容器内に
収得して(残存させて)おく必要がある。また更に、残
存する干渉物質を洗浄除去する必要があるが、この場合
にも目的物質が結合した微細粒子を反応容器内に収得し
て(残存させて)おく必要がある。その手段としては、
容器の開口部より液体を吸引して廃棄したり、他端に微
細粒子が通過しない細孔を有する濾過材を配設し、閉口
部より加圧あるいは濾過材の下部より吸引して液体を廃
棄したりする。その後次の反応行程に進むが、必要に応
じて検出可能な信号を発現させるために、再度同様の廃
棄・洗浄工程が行われる。
【0004】ところで吸引廃棄の場合には、微細粒子も
吸引されないように、予め遠心して粒子を沈殿させてお
いたり、また磁性の粒子を用いて磁石で固定しておく必
要があるが、そのために付帯機械の機構が複雑になった
り、特殊な粒子が必要となる等の問題がある。一方、濾
過材を設けた反応容器を用いる方法は、付帯機械の機構
は若干複雑になるが、特殊な粒子を用いる必要がなく、
そのための機構も省略できるため都合が良い場合もあ
る。本願は、以上の点を考慮して濾過材を設けた反応容
器の改良を試みたものである。
吸引されないように、予め遠心して粒子を沈殿させてお
いたり、また磁性の粒子を用いて磁石で固定しておく必
要があるが、そのために付帯機械の機構が複雑になった
り、特殊な粒子が必要となる等の問題がある。一方、濾
過材を設けた反応容器を用いる方法は、付帯機械の機構
は若干複雑になるが、特殊な粒子を用いる必要がなく、
そのための機構も省略できるため都合が良い場合もあ
る。本願は、以上の点を考慮して濾過材を設けた反応容
器の改良を試みたものである。
【0005】
【解決すべき課題】さて、上記反応容器の濾過材として
は、従来より多岐に渡るものが用いられてきた。すなわ
ち、紙からなる濾紙、脱脂綿、粉末状の濾紙、繊維や金
属をメッシュ状に編んだフィルター、天然あるいは合成
高分子の多孔質体、または無機・有機物賃の焼結体等で
ある。しかしながら、近年は特に精密分析に適用できる
均一な細孔を有し、強度の優れたフィルターの需要が高
まっている。その理由は、抗原抗体反応のような微量生
体成分の分析に際しては、微生物や生体液中に含まれる
物質(赤血球、ウイルス等)のように、極めて微細な物
質を正確に濾別する必要があるためである(例えば、赤
血球を取り除くにはΦ=20μm程度の精度の高い孔が
必要)。このような場合においては、濾別機能を優先し
ても、液相あるいは気相自体の通過が困難では実用的で
なく、更に、濾過材自体の耐性も高くなくてはならな
い。
は、従来より多岐に渡るものが用いられてきた。すなわ
ち、紙からなる濾紙、脱脂綿、粉末状の濾紙、繊維や金
属をメッシュ状に編んだフィルター、天然あるいは合成
高分子の多孔質体、または無機・有機物賃の焼結体等で
ある。しかしながら、近年は特に精密分析に適用できる
均一な細孔を有し、強度の優れたフィルターの需要が高
まっている。その理由は、抗原抗体反応のような微量生
体成分の分析に際しては、微生物や生体液中に含まれる
物質(赤血球、ウイルス等)のように、極めて微細な物
質を正確に濾別する必要があるためである(例えば、赤
血球を取り除くにはΦ=20μm程度の精度の高い孔が
必要)。このような場合においては、濾別機能を優先し
ても、液相あるいは気相自体の通過が困難では実用的で
なく、更に、濾過材自体の耐性も高くなくてはならな
い。
【0006】また、上記精密分析に用いられる濾過材の
場合には、濾過材中に廃液や不純物が滞留したり、目的
物質が結合した粒子が細孔内に埋没してしまうと、測定
結果の誤差要因となってしまう。そのため、反応容器の
濾過材には、その厚みが可能な限り薄く、且つ紬孔の口
径が均一なものが要求される。しかしながら、従来の濾
過材では、このような機能を全て満たすことは不可能で
あった。
場合には、濾過材中に廃液や不純物が滞留したり、目的
物質が結合した粒子が細孔内に埋没してしまうと、測定
結果の誤差要因となってしまう。そのため、反応容器の
濾過材には、その厚みが可能な限り薄く、且つ紬孔の口
径が均一なものが要求される。しかしながら、従来の濾
過材では、このような機能を全て満たすことは不可能で
あった。
【0007】そこで発明者等は、均一な細孔を有し、使
用時における耐性が優れ、目的の反応系に干渉しない濾
過材を具備する反応容器の提供を目的とし、鋭意検討し
た結果本発明を完成させた。
用時における耐性が優れ、目的の反応系に干渉しない濾
過材を具備する反応容器の提供を目的とし、鋭意検討し
た結果本発明を完成させた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明は以上の問題点
を解決するためになされたもので、下記の請求項1及び
請求項2により構成されている。 請求項1:電鋳法によって製造された金属メッシュ(金
網)を濾過材として具備することを特徴とする反応容
器。 請求項2:直径又は一辺の長さが20μm〜500μm
の均一な細孔を有する、電鋳法によって製造された金属
メッシュ(金網)を濾過材として具備することを特徴と
する反応容器。
を解決するためになされたもので、下記の請求項1及び
請求項2により構成されている。 請求項1:電鋳法によって製造された金属メッシュ(金
網)を濾過材として具備することを特徴とする反応容
器。 請求項2:直径又は一辺の長さが20μm〜500μm
の均一な細孔を有する、電鋳法によって製造された金属
メッシュ(金網)を濾過材として具備することを特徴と
する反応容器。
【0009】ここでいう電鋳(electrotyping) 法とは、
電気分解による電着を利用して、鋳型で鋳物をつくるよ
うに原型と同じものを精密に複製する周知の方法であ
る。この技術は、既に多くの分野で応用されており、特
に近年は、精密電子部品を製造する分野、例えばプリン
ト配線板の製造方法(特開平2‐159789号、特開
平6ー152105号等)に適用されている。本願は、
この方法によって、特定の厚みと特定の口径からなる細
孔を有する金属加工品を製し、これを濾過材として具備
する反応容器に関するものである。発明者が種々試行錯
誤して検討したところ、電鋳(electrotyping) 法により
製作した金属メッシュ(金網)を濾過材として使用すれ
ば、他の濾過材と比較して反応容器内の微粒子の濾別
(捕捉)を的確に行うことができることが判明した。
又、電鋳法で製作される金属メッシュ(金網)は、直径
又は一辺の長さが、20μm〜500μmの範囲が、均
一なものとして得られやすい。
電気分解による電着を利用して、鋳型で鋳物をつくるよ
うに原型と同じものを精密に複製する周知の方法であ
る。この技術は、既に多くの分野で応用されており、特
に近年は、精密電子部品を製造する分野、例えばプリン
ト配線板の製造方法(特開平2‐159789号、特開
平6ー152105号等)に適用されている。本願は、
この方法によって、特定の厚みと特定の口径からなる細
孔を有する金属加工品を製し、これを濾過材として具備
する反応容器に関するものである。発明者が種々試行錯
誤して検討したところ、電鋳(electrotyping) 法により
製作した金属メッシュ(金網)を濾過材として使用すれ
ば、他の濾過材と比較して反応容器内の微粒子の濾別
(捕捉)を的確に行うことができることが判明した。
又、電鋳法で製作される金属メッシュ(金網)は、直径
又は一辺の長さが、20μm〜500μmの範囲が、均
一なものとして得られやすい。
【0010】次に、この濾過材の製造方法について簡単
に説明する。 まず、要求される濾過材の形状(全体のサイズ、細孔
のサイズ等)をドライフィルムタイプのフォトレジスト
に、例えばコンピューターによって精度良く、精密に作
図する。 このフオトレジストを例えば表面平均粗度合が0.0
8〜0.10μmに調製された適当な厚みのステンレス
板(具体的にはSUS 304等)の陰極表面にラミネ
ートする。 次いで、ネガフイルムを用いて感光・現像し、レジス
トパターンを該表面に形成する。 公知の界面活性剤で洗浄後、更に純水で仕上げる(洗
浄する)。 これを例えばワット浴タイプに浸漬し、レジストパタ
ーンの無い部分のステンレス板表面を活性化し、陰極電
源を接続する。所定の電流密度を印荷し、規定の膜厚に
なるまで電鋳を継続する。 所定の膜厚が形成されたら電源を切り、ステンレス板
を浴槽から取り出す。 このステンレス板を充分水洗し、ステンレス板に形成
されたニッケル電銭メッシュを物理的に引き剥がし、必
要な加工(例えば目的とする大きさに打ち抜く等)をし
て目的とする濾過材を製造する。
に説明する。 まず、要求される濾過材の形状(全体のサイズ、細孔
のサイズ等)をドライフィルムタイプのフォトレジスト
に、例えばコンピューターによって精度良く、精密に作
図する。 このフオトレジストを例えば表面平均粗度合が0.0
8〜0.10μmに調製された適当な厚みのステンレス
板(具体的にはSUS 304等)の陰極表面にラミネ
ートする。 次いで、ネガフイルムを用いて感光・現像し、レジス
トパターンを該表面に形成する。 公知の界面活性剤で洗浄後、更に純水で仕上げる(洗
浄する)。 これを例えばワット浴タイプに浸漬し、レジストパタ
ーンの無い部分のステンレス板表面を活性化し、陰極電
源を接続する。所定の電流密度を印荷し、規定の膜厚に
なるまで電鋳を継続する。 所定の膜厚が形成されたら電源を切り、ステンレス板
を浴槽から取り出す。 このステンレス板を充分水洗し、ステンレス板に形成
されたニッケル電銭メッシュを物理的に引き剥がし、必
要な加工(例えば目的とする大きさに打ち抜く等)をし
て目的とする濾過材を製造する。
【0011】前記ワット浴とは、硫酸ニッケル、塩化ニ
ッケル、ホウ酸、各種添加剤、ピット防止剤、pH3.
0〜3.5からなるもので、電鋳の条件は、電極が電解
ニッケル、温度が50〜55℃、電流密度を2.5〜
4.5A/dm2 に設定し、攪拌下にて行う。
ッケル、ホウ酸、各種添加剤、ピット防止剤、pH3.
0〜3.5からなるもので、電鋳の条件は、電極が電解
ニッケル、温度が50〜55℃、電流密度を2.5〜
4.5A/dm2 に設定し、攪拌下にて行う。
【0012】前記ワット浴に換え、スルファミン酸ニツ
ケルタイプでも行うことができる。これは、スルファミ
ン酸ニッケル、ホウ酸、各種添加剤、ピット防止剤、p
H4.0〜4.8からなるもので、電鋳の条件は、電極
がデポライズド(複極)ニッケル、温度が48〜50
℃、電流密度を2.0〜4.8A/dm2 に設定し、攪
拌下にて行うこともできる。
ケルタイプでも行うことができる。これは、スルファミ
ン酸ニッケル、ホウ酸、各種添加剤、ピット防止剤、p
H4.0〜4.8からなるもので、電鋳の条件は、電極
がデポライズド(複極)ニッケル、温度が48〜50
℃、電流密度を2.0〜4.8A/dm2 に設定し、攪
拌下にて行うこともできる。
【0013】このようにして製造された濾過材は、最小
径で20μm程度のものまで製造することができる。特
に25μm〜500μmまでの範囲内で適宜製造でき、
また、濾過材の上面と下面でも上記の範囲内で均一な孔
を有する濾過材を形成することが可能である。その厚み
も1μm以上、特に2μm〜500μmまで適宜製造す
ることができる。材質については、電鋳法に適用できる
金属であれば良く、ニッケル、銅、亜鉛、アルミ、チタ
ン、コバルト、金、銀等といった金属からなる濾過材を
得ることができる。
径で20μm程度のものまで製造することができる。特
に25μm〜500μmまでの範囲内で適宜製造でき、
また、濾過材の上面と下面でも上記の範囲内で均一な孔
を有する濾過材を形成することが可能である。その厚み
も1μm以上、特に2μm〜500μmまで適宜製造す
ることができる。材質については、電鋳法に適用できる
金属であれば良く、ニッケル、銅、亜鉛、アルミ、チタ
ン、コバルト、金、銀等といった金属からなる濾過材を
得ることができる。
【0014】前記濾過材を更に白金、金、銀等の非電解
及び電解メッキを通常の手段によって施すこともでき
る。特に、本願の濾過材は金属であるため、厚みが数μ
mと極めて薄くとも、使用時の耐性は、従来の合成高分
子のような材質とは比較にならないほど強度的に優れて
いる。また、厚みが薄いので、焼結体フィルターのよう
に、廃液が濾適材に残存することがないので、汚染防止
にも優れている。
及び電解メッキを通常の手段によって施すこともでき
る。特に、本願の濾過材は金属であるため、厚みが数μ
mと極めて薄くとも、使用時の耐性は、従来の合成高分
子のような材質とは比較にならないほど強度的に優れて
いる。また、厚みが薄いので、焼結体フィルターのよう
に、廃液が濾適材に残存することがないので、汚染防止
にも優れている。
【0015】また、細孔の口径はコンピューターによる
作図によって規定・作成できるため、全ての孔が均一の
孔径を有し、目的とする物質を的確に濾別でき、且つ粒
子の埋没も防止できるので、測定結果の信頼性を高める
ことができる。
作図によって規定・作成できるため、全ての孔が均一の
孔径を有し、目的とする物質を的確に濾別でき、且つ粒
子の埋没も防止できるので、測定結果の信頼性を高める
ことができる。
【0016】更に、電銭法に適用できる金属が広範囲で
あるので、特に免疫学的反応に影響を与えることのない
適切な金属を選択しうるものである。
あるので、特に免疫学的反応に影響を与えることのない
適切な金属を選択しうるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】このようにして製造された濾過材
を、従来公知の反応容器の濾過材に適用する。反応容器
は、ガラスまたは高分子からなる液体を収容し得る容器
であり、少なくとも廃液が通過する部位に前記濾過材を
適当な手段(圧着、嵌合等)で固定する。本願反応容器
(本体の材質は合成樹脂)のー例を図1に示す。
を、従来公知の反応容器の濾過材に適用する。反応容器
は、ガラスまたは高分子からなる液体を収容し得る容器
であり、少なくとも廃液が通過する部位に前記濾過材を
適当な手段(圧着、嵌合等)で固定する。本願反応容器
(本体の材質は合成樹脂)のー例を図1に示す。
【0018】その使用例としては、例えば、第一の反応
後容器上部より空気により加圧し、反応終了後の液を廃
液通過孔より排出する。必要に応じて洗浄液が添加さ
れ、洗浄液も同様に排出される。引き続き第二の反応が
実施される。目的物質が結合した粒子は、濾過材により
捕捉され、十分な洗浄、夾雑物のない状況下で第二の反
応、信号発現反応が実施される。
後容器上部より空気により加圧し、反応終了後の液を廃
液通過孔より排出する。必要に応じて洗浄液が添加さ
れ、洗浄液も同様に排出される。引き続き第二の反応が
実施される。目的物質が結合した粒子は、濾過材により
捕捉され、十分な洗浄、夾雑物のない状況下で第二の反
応、信号発現反応が実施される。
【0019】
<実施例1> 濾過材具備反応容器の製造 (1)細孔の口径が50μmとなるように格子図をドラ
イフイルムタイプのフォトレジストに作図した。このフ
ォトレジストを表面平均粗度合が0.09μmに調製さ
れたステンレス板(SUS 304)の陰極表面にラミ
ネートした。次いで、ネガフィルムを用いて感光・現像
しレジストパターンを該表面に形成した。界面活性剤で
表面を洗浄後、更に純水で洗浄した。これを硫酸ニッケ
ル(350g/l)、塩化ニッケル(45g/l)、ホ
ウ酸(35g/l)、添加剤としてのサッカリン(7g
/l)、ピット防止剤としてのラウリル硫酸ナトリウム
(1g/l)を含むpH3.3のワット浴に浸漬し、レ
ジストパターンの無い部分のステンレス板表面を活性化
し、陰極電源を接続した。次いで、電鋳の条件として、
電極が電解ニッケル、温度が50〜55℃、電流密度を
2.8A/dm2 に設定し、攪拌下にて電鋳を行った。
膜厚が10μmになるまで電鋳を継続した後電源を切
り、ステンレス板を浴槽から取り出し、このステンレス
板を充分水洗し、ステンレス板に形成されたニッケル電
鋳メッシュを引き剥がし、直径7.5mmの円形に打ち
抜き、細孔口径が50μm、厚さ10μmの濾過材(写
真参照)を得た。引き続き図に示したサイズの反応容器
に、開口部側から上記濾過材を挿入して圧着し、濾過材
具備反応容器とした。
イフイルムタイプのフォトレジストに作図した。このフ
ォトレジストを表面平均粗度合が0.09μmに調製さ
れたステンレス板(SUS 304)の陰極表面にラミ
ネートした。次いで、ネガフィルムを用いて感光・現像
しレジストパターンを該表面に形成した。界面活性剤で
表面を洗浄後、更に純水で洗浄した。これを硫酸ニッケ
ル(350g/l)、塩化ニッケル(45g/l)、ホ
ウ酸(35g/l)、添加剤としてのサッカリン(7g
/l)、ピット防止剤としてのラウリル硫酸ナトリウム
(1g/l)を含むpH3.3のワット浴に浸漬し、レ
ジストパターンの無い部分のステンレス板表面を活性化
し、陰極電源を接続した。次いで、電鋳の条件として、
電極が電解ニッケル、温度が50〜55℃、電流密度を
2.8A/dm2 に設定し、攪拌下にて電鋳を行った。
膜厚が10μmになるまで電鋳を継続した後電源を切
り、ステンレス板を浴槽から取り出し、このステンレス
板を充分水洗し、ステンレス板に形成されたニッケル電
鋳メッシュを引き剥がし、直径7.5mmの円形に打ち
抜き、細孔口径が50μm、厚さ10μmの濾過材(写
真参照)を得た。引き続き図に示したサイズの反応容器
に、開口部側から上記濾過材を挿入して圧着し、濾過材
具備反応容器とした。
【0020】<実施例2> 該フィルター使用による濾過性能比較試験 へマトクリツト値50%のヒト血液100μlを当該フ
ィルター具備反応容器に添加した後、容器上部より加圧
空気で血液をフィルターを通して系外に排出した。次に
生理食塩水500μlを反応容器上部より入れ、また加
圧空気でフィルターを通して流し出した。さらに生理食
塩水で同様の操作を2回繰り返し、最後に蒸留水1ml
を容器に入れ、軽く攪拌を10分間実施した。この容器
内の1mlを取り出し、分光光度計で波長420nmに
おける吸光度を測定しフィルター上に残ったヘモグロビ
ン(赤血球より溶出したもの)量を算出した。10重測
定で0.2士0.1mg/dl(Mean±1SD)と
いう結果を得た。対象として前記反応容器に従来の軟質
濾過材(ポリエチレン製、厚さ2mm、平均細孔径50
μm)を装着したものを用い、上記と同様の操作を行い
反応容器中のヘモグロビン残量を算出した。10重測定
で10.4±3.2mg/dl(Mean士1SD)と
いう結果を得た。上記の結果から、本願のフィルター
は、従来の軟質フィルターと比べ平均細孔径がほぼ同じ
にもかかわらず、赤血球を完全に通過させることが可能
であることが確認された。
ィルター具備反応容器に添加した後、容器上部より加圧
空気で血液をフィルターを通して系外に排出した。次に
生理食塩水500μlを反応容器上部より入れ、また加
圧空気でフィルターを通して流し出した。さらに生理食
塩水で同様の操作を2回繰り返し、最後に蒸留水1ml
を容器に入れ、軽く攪拌を10分間実施した。この容器
内の1mlを取り出し、分光光度計で波長420nmに
おける吸光度を測定しフィルター上に残ったヘモグロビ
ン(赤血球より溶出したもの)量を算出した。10重測
定で0.2士0.1mg/dl(Mean±1SD)と
いう結果を得た。対象として前記反応容器に従来の軟質
濾過材(ポリエチレン製、厚さ2mm、平均細孔径50
μm)を装着したものを用い、上記と同様の操作を行い
反応容器中のヘモグロビン残量を算出した。10重測定
で10.4±3.2mg/dl(Mean士1SD)と
いう結果を得た。上記の結果から、本願のフィルター
は、従来の軟質フィルターと比べ平均細孔径がほぼ同じ
にもかかわらず、赤血球を完全に通過させることが可能
であることが確認された。
【0021】<実施例3> 該フィルター使用によるHBs抗原量測定における性能
比較試験 平均粒径100μmのポリスチレンピーズ(積水化学工
業製)の10%懸濁液に抗HBs抗体を添加、2時間攪
拌後濾過して抗HBs抗体コートビーズを得た。このビ
ーズ5mgを上述の当該フィルター装着反応容器に入れ
上開口部をアルミシールで封をした。これとは別に抗H
Bs抗体に発光物質であるアクリジニウムエステルを標
識物質として結合させ標識抗HBs抗体を作製した。こ
の標識物はpH7.5のリン酸緩衝液に希釈し、二次抗
体とした。被検液としてHBs抗原陰性及び陽性のヒト
血液を用い、測定装置としては全自動発光免疫測定装置
(商品名:ルミクイックJIA−FS150、日本電子
製)を使用し、以下の操作を行った。なおこの2検体の
血中のHBs抗原量はアポツト社オースザイムロで測定
したところ、検体1では0.0U/ml、検体2では
3.0U/mlであった。機械上で使う試薬としては上
記のビーズ、ニ次抗体以外に界面活性剤を含んだ洗浄
液、発光させるに必要な過酸化水素水を含んだアルカリ
水溶液である発光試薬を調製、使用した。
比較試験 平均粒径100μmのポリスチレンピーズ(積水化学工
業製)の10%懸濁液に抗HBs抗体を添加、2時間攪
拌後濾過して抗HBs抗体コートビーズを得た。このビ
ーズ5mgを上述の当該フィルター装着反応容器に入れ
上開口部をアルミシールで封をした。これとは別に抗H
Bs抗体に発光物質であるアクリジニウムエステルを標
識物質として結合させ標識抗HBs抗体を作製した。こ
の標識物はpH7.5のリン酸緩衝液に希釈し、二次抗
体とした。被検液としてHBs抗原陰性及び陽性のヒト
血液を用い、測定装置としては全自動発光免疫測定装置
(商品名:ルミクイックJIA−FS150、日本電子
製)を使用し、以下の操作を行った。なおこの2検体の
血中のHBs抗原量はアポツト社オースザイムロで測定
したところ、検体1では0.0U/ml、検体2では
3.0U/mlであった。機械上で使う試薬としては上
記のビーズ、ニ次抗体以外に界面活性剤を含んだ洗浄
液、発光させるに必要な過酸化水素水を含んだアルカリ
水溶液である発光試薬を調製、使用した。
【0022】ルミクイック機械上にセットされた該フィ
ルター具備反応容器の上部アルミシールを破った後、上
記ヒト血清100μlを注入し、37℃で3分間ビーズ
と反応させ、その後洗浄液で4回洗浄排水を行い、次に
ニ次抗体100μlを容器に注いだ。37℃、5分間の
攪拌の後4回の洗浄排水を実施した。引き続き発光測定
部に反応容器は自動的に搬送され発光試薬400μlが
注入され発光反応が始まる。この発光量をフォトンカウ
ンターで測定し、別に既知量のHBs抗原を含んだ血液
を検体として測定した発光量より、当該ヒト血液中のH
Bs抗原量を定量した。2検体の血液についてそれぞれ
10回ずつ測定し表1の結果を得た。
ルター具備反応容器の上部アルミシールを破った後、上
記ヒト血清100μlを注入し、37℃で3分間ビーズ
と反応させ、その後洗浄液で4回洗浄排水を行い、次に
ニ次抗体100μlを容器に注いだ。37℃、5分間の
攪拌の後4回の洗浄排水を実施した。引き続き発光測定
部に反応容器は自動的に搬送され発光試薬400μlが
注入され発光反応が始まる。この発光量をフォトンカウ
ンターで測定し、別に既知量のHBs抗原を含んだ血液
を検体として測定した発光量より、当該ヒト血液中のH
Bs抗原量を定量した。2検体の血液についてそれぞれ
10回ずつ測定し表1の結果を得た。
【0023】
【表1】
【0024】また、対象として前記反応容器に軟質フィ
ルター(ポリエチレン製、平均細孔径50μm、厚さ2
mm)を組み込んだものを用い上記と同様の操作を実施
し、表2の結果を得た。
ルター(ポリエチレン製、平均細孔径50μm、厚さ2
mm)を組み込んだものを用い上記と同様の操作を実施
し、表2の結果を得た。
【0025】
【表2】
【0026】以上から、当該フィルターを具備した容器
で測定した結果は従来の軟質フィルターと比べて、測定
値そのものはほとんど変わらず(測定系への影響はな
い)、そのうえ再現性が大幅に上昇していることが確認
された。
で測定した結果は従来の軟質フィルターと比べて、測定
値そのものはほとんど変わらず(測定系への影響はな
い)、そのうえ再現性が大幅に上昇していることが確認
された。
【0027】
【発明の効果】本願発明の反応容器は以上のように構成
したから、濾過材中に廃液や不純物が滞留したり、目的
物質が結合した粒子が細孔内に埋没してしまい、測定結
果の誤差を生じさせるという従来の問題点をー挙に解決
することができる。また、電鋳法によって製造した濾過
材は、製造方法自体簡便であり、従来品と比較して強度
に優れ、性能を均一にすることができる。更に、目的と
する物質の濾別(捕捉)を的確に行うことができるた
め、広い分野での応用が可能となる。
したから、濾過材中に廃液や不純物が滞留したり、目的
物質が結合した粒子が細孔内に埋没してしまい、測定結
果の誤差を生じさせるという従来の問題点をー挙に解決
することができる。また、電鋳法によって製造した濾過
材は、製造方法自体簡便であり、従来品と比較して強度
に優れ、性能を均一にすることができる。更に、目的と
する物質の濾別(捕捉)を的確に行うことができるた
め、広い分野での応用が可能となる。
【図1】反応容器の断面図(拡大)である。
【図2】フィルター平面図(全体図、顕微鏡写真)であ
る。
る。
【図3】フィルターの拡大図(顕微鏡写真、倍率約21
0倍)である。
0倍)である。
【符号の説明】 1 反応容器 2 金属メッシュ 3 廃液通過孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 祖父江 晋 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株 式会社ヤトロン内 (72)発明者 中塚 陽子 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株 式会社ヤトロン内 (72)発明者 工藤 勝弘 東京都中野区荒井1−1−5−902 (72)発明者 和田 辰男 神奈川県海老名市柏ヶ谷600−5 ニュー ハイツ東建ハイツ406
Claims (2)
- 【請求項1】 電鋳法によって製造された金属メッシュ
(金網)を濾過材として具備することを特徴とする反応
容器。 - 【請求項2】 直径又は一辺の長さが20μm〜500
μmの均一な細孔を有する、電鋳法によって製造された
金属メッシュ(金網)を濾過材として具備することを特
徴とする反応容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24404296A JPH1068729A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 反応容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24404296A JPH1068729A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 反応容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1068729A true JPH1068729A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=17112860
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24404296A Pending JPH1068729A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 反応容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1068729A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6794056B1 (en) * | 1999-09-22 | 2004-09-21 | Nord Impianti S.R.L. | Laminar structure |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP24404296A patent/JPH1068729A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6794056B1 (en) * | 1999-09-22 | 2004-09-21 | Nord Impianti S.R.L. | Laminar structure |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040706 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041124 |