JPH1068680A - 薄切片作製装置及びその薄切補助部材の電極への電圧印加方法 - Google Patents

薄切片作製装置及びその薄切補助部材の電極への電圧印加方法

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JPH1068680A
JPH1068680A JP22629996A JP22629996A JPH1068680A JP H1068680 A JPH1068680 A JP H1068680A JP 22629996 A JP22629996 A JP 22629996A JP 22629996 A JP22629996 A JP 22629996A JP H1068680 A JPH1068680 A JP H1068680A
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祥慎 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形試料を電気的導体、あるいは半導体に改
善する必要がなく、また、帯電器を用いなくても、静電
気力によって固形試料面に薄切補助部材を貼り付け、薄
切後、薄切された薄切片を貼り付けることができる薄切
片作製装置及びその薄切補助部材の電極への電圧印加方
法を提供する。 【解決手段】 固形試料と、薄切補助部材と、この薄切
補助部材を固形試料面に接近させる機構と、前記固形試
料の薄切を行うカッタナイフと、前記固形試料面に薄切
補助部材を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製装置
において、前記薄切補助部材101は、絶縁体の上に対
向する導体電極又は半導体電極102,103を配置
し、静電気力により前記薄切補助部材101に固形試料
を貼り付け、前記カッタナイフにより、固形試料をカッ
トして薄切片を形成し、該薄切片を前記薄切補助部材1
01に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、理科学試験分析や
生体試料の顕微鏡観察などの医療分析において用いられ
るミクロトーム(固形試料またはカッタナイフを希望切
断厚さに対応する量だけ移動させた後、カッタナイフに
よって固形試料を切断し、薄切片を作製する装置)に係
り、切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助
部材(テープ・フィルム)を貼り付けた後、薄切を行
い、薄切補助部材に貼り付いた薄切片を作製する装置
(薄切片作製装置)において、特に、静電気力によって
固形試料面に薄切補助部材を貼り付け、薄切後、薄切さ
れた薄切片を貼り付ける薄切片作製装置及びその薄切補
助部材の電極への電圧印加方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静電気力によって固定試料面に薄
切補助部材を貼り付け、薄切後、薄切された薄切片を薄
切補助部材に貼り付ける薄切片作製装置では、薄切補助
部材上の電極は基本的には1つであり、直流電源によっ
て、固形試料と薄切補助部材の間に電位差を生じること
によって、固形試料面と薄切補助部材上の電極に電荷を
発生させ、これらの電荷の静電気力によって固定試料面
に薄切補助部材を貼り付けている。この場合には、その
貼り付けは機械力と協働して行わせている。薄切後は、
薄切された薄切片に残っている電荷と、薄切補助部材の
電極に残っている電荷の静電気力で薄切された薄切片が
薄切補助部材に貼り付いている。
【0003】また、このような方法の他に、薄切補助部
材に電極を設けず、固形試料面および薄切補助部材に、
帯電器により電荷を散布し、これらの電荷の静電気力で
固定試料面に薄切補助部材を貼り付け、薄切後、薄切片
を薄切補助部材に貼り付ける薄切片作製装置もある(例
えば、本願発明者らによって、既に特願平8−9118
6号として提案されている)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の静電気力によって固形試料面に薄切補助部材を
貼り付け、薄切後、薄切された薄切片を薄切補助部材に
貼り付ける薄切片作製装置では、次に示すような問題が
あった。まず、図17に示す、静電気力による貼り付け
方法では、薄切補助部材1上に1つの電極2を設けてお
り、直流電源3により固形試料4と薄切補助部材1の間
に電圧を印加している。
【0005】この電圧の印加により、薄切補助部材1の
電極2と固形試料4面に電荷が現れ、これらの電荷の静
電気力を用いるが、この方法では固形試料4が電気的導
体あるいは電気的半導体である必要がある。一般的に固
形試料4は、生体組織などの試料をパラフィンに包埋、
ブロック状に固めたものであり、パラフィンは絶縁体で
ある。このため、従来はパラフィンにカーボンブラック
や帯電防止剤を混ぜて、固形試料を作製している。
【0006】しかし、このカーボンブラックや帯電防止
剤が薄切片を取り出したあとの処理(例えば薄切片の染
色、観察など)に悪影響を与えていた。なお、5はカッ
タナイフである。なお、上記薄切補助部材1は上方向か
ら機械力Pを補助的に加えることにより、固形試料4を
貼りつけるようにしていた。
【0007】また、図18に示す貼り付け方法は、薄切
補助部材に電極を設けず、固形試料面及び薄切補助部材
に帯電器により電荷を散布しこれらの電荷の静電気力を
用いたものである。この方法によれば、基本的に固形試
料14が絶縁体でも問題なく貼り付けることができる。
しかし、帯電器12による物体の帯電電位は環境条件
(特に湿度)に影響を受け、静電気力の制御が困難であ
る。また、帯電器12より散布した電荷が、固形試料1
4面や薄切補助部材11以外のものにも付着し、帯電さ
せてしまうという問題があった。なお、15はカッタナ
イフである。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するために、
固形試料を電気的導体、あるいは半導体に改善する必要
がなく、また、帯電器を用いなくても、静電気力によっ
て固形試料面に薄切補助部材を貼り付け、薄切後、薄切
された薄切片を貼り付けることができる薄切片作製装置
及びその薄切補助部材の電極への電圧印加方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕固形試料と、薄切補助部材と、この薄切補助部材
を固形試料面に接近させる機構と、前記固形試料の薄切
を行うカッタナイフと、前記固形試料面に薄切補助部材
を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製装置におい
て、前記薄切補助部材は、絶縁体の上に対向する導体電
極又は半導体電極を配置し、静電気力により前記薄切補
助部材に固形試料を貼り付け、前記カッタナイフによ
り、固形試料をカットして薄切片を形成し、この薄切片
を前記薄切補助部材に保持するようにしたものである。
【0010】〔2〕固形試料と、薄切補助部材と、この
薄切補助部材を固形試料面に接近させる機構と、前記固
形試料の薄切を行うカッタナイフと、前記固形試料面に
薄切補助部材を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製
装置において、前記薄切補助部材は、絶縁層間に、対向
する導体電極又は半導体電極を配置し、静電気力により
前記薄切補助部材に固形試料を貼り付け、前記カッタナ
イフにより、固形試料をカットして薄切片を形成し、こ
の薄切片を前記薄切補助部材に保持するようにしたもの
である。
【0011】〔3〕固形試料と、薄切補助部材と、この
薄切補助部材を固形試料面に接近させる機構と、前記固
形試料の薄切を行うカッタナイフと、前記固形試料面に
薄切補助部材を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製
装置において、前記薄切補助部材は、絶縁体上に、半導
体層を介した対向する導体電極又は半導体電極を配置
し、静電気力により前記薄切補助部材に固形試料を貼り
付け、前記カッタナイフにより、固形試料をカットして
薄切片を形成し、この薄切片を前記薄切補助部材に保持
するようにしたものである。
【0012】〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載
の薄切片作製装置において、前記薄切補助部材は、絶縁
体上に界面活性剤又は帯電防止剤を塗り乾燥させて、導
体電極又は半導体電極を形成するようにしたものであ
る。 〔5〕固形試料と、薄切補助部材と、この薄切補助部材
を固形試料面に接近させる機構と、前記固形試料の薄切
を行うカッタナイフと、前記固形試料面に薄切補助部材
を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製装置におけ
る、前記薄切補助部材の電極への電圧印加方法におい
て、前記薄切補助部材の対向する導体電極又は半導体電
極間に電位差を生じる電圧を印加するようにしたもので
ある。
【0013】〔6〕上記〔5〕記載の薄切補助部材の電
極への電圧印加方法において、前記薄切補助部材上の対
向する導体電極又は半導体電極間に生じる電位差が時間
的に変化しないようにしたものである。 〔7〕上記〔5〕記載の薄切補助部材の電極への電圧印
加方法において、前記薄切補助部材上の対向する導体電
極又は半導体電極間に生じる電位差を能動的に、時間的
に変化させるようにしたものである。
【0014】上記のように構成したので、 (A)固形試料を電気的導体、あるいは半導体に改善す
る必要がなく、静電気力によって固形試料面に薄切試料
部材を貼り付け、薄切後、薄切された薄切片を薄切補助
部材に貼り付けることができる。 (B)帯電器を用いる必要がなく、静電気力の制御が容
易となり、また、固形試料面や薄切補助部材以外のもの
を帯電させることなく静電気力によって固形試料面に薄
切補助部材を貼り付け、薄切後、薄切された薄切片を薄
切補助部材に貼り付けることができる。
【0015】(C)薄切され、薄切補助部材に貼り付い
た、固形試料の薄切片を、薄切補助部材上で静電気力に
よって移動・搬送することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
第1実施例を示す薄切補助部材上の電極の構成例を示す
図であり、図1(a)はその電極の平面図、図1(b)
はその電極の断面図である。これらの図に示すように、
薄切片補助部材としての絶縁性のフィルム101上に、
導体または半導体の矩形状の電極102,103が形成
され、この電極102,103に配線104,105が
接続されている。
【0017】この絶縁性のフィルム101の材質として
は、例えばポリイミドフィルムがある。電極102,1
03には、通常の金属箔や金属導線の他に、例えば、銀
ペーストや銅ペースト、カーボンペーストのような導電
塗料を用いたり、界面活性剤や帯電防止剤を塗布し、乾
燥させて用いることもできる。なお、以降、特に、断り
書きをした場合を除き、電極は導体または半導体からな
るものである。
【0018】図2は本発明の第2実施例を示す薄切補助
部材上の電極の平面図である。この図に示すように、こ
の実施例では、薄切片補助部材としての絶縁性のフィル
ム111上に、第1の櫛形状の電極112と第2の櫛形
状の電極113とが組み合わされており、これらの櫛形
状の電極112,113には、共通配線114,115
が接続されている。
【0019】図3は本発明の第3実施例を示す薄切補助
部材上の電極の平面図である。この図に示すように、こ
の実施例では、薄切片補助部材としての絶縁性のフィル
ム121上に、放射状に配置された第1の扇状の電極1
22と放射状に配置された第2の扇状の電極123とが
交互に配置され、これらの扇状の電極122,123に
は、電極間接続配線124,126及び共通配線12
5,127が接続されている。
【0020】図4は本発明の第4実施例を示す薄切補助
部材上の電極の平面図である。この図に示すように、こ
の実施例では、3個の電極が1組となっている。すなわ
ち、薄切片補助部材としての絶縁性のフィルム131上
に、第1の櫛形状電極132とそれに接続される共通配
線133と、波状電極134とそれに接続される共通配
線135と、第2の櫛形状電極136とそれに接続され
る共通配線137とがぞれぞれ配置されている。
【0021】図5は本発明の第5実施例を示す薄切補助
部材上の電極の平面図である。この図に示すように、こ
の実施例では、対向した2組の電極が配置されている。
すなわち、第1の組は、薄切片補助部材としての絶縁性
のフィルム141上に、矩形状の電極142と143が
対向配置され、第2の組は、矩形状の電極146と14
7が対向配置されている。ここで、144,145,1
48,149は電極接続配線である。
【0022】また、薄切補助部材の構造も、上記した絶
縁フィルム上に導体電極または半導体電極が配置された
だけのものの他に、以下に示すような構造のものでもよ
い。図6は本発明の第6実施例を示す薄切補助部材の電
極の構成例を示す図であり、図6(a)はその電極の平
面図、図6(b)はその電極の断面図である。これらの
図において、201は薄切片補助部材としての下部絶縁
性フィルム、202,203は対向する電極、204,
205は配線、206は薄切片補助部材としての上部絶
縁性フィルムである。
【0023】これらの図に示すように、電極202,2
03を下部絶縁性フィルム201と上部絶縁性フィルム
206とで挟み込むようにしている。このように構成す
ることにより、感電を防止することができる。図7は本
発明の第7実施例を示す薄切補助部材の電極の断面図で
ある。この図に示すように、薄切片補助部材としての絶
縁性フィルム301上に半導体層302,303が、そ
の上に導体電極304を形成するようにしている。この
ように構成することにより、絶縁フィルムの損傷時の短
絡を防止することができる。
【0024】図8は本発明の第1実施例を示す薄切補助
部材の電極への電圧印加方法の説明図であり、図8
(a)はその全体構成を示す図、図8(b)はその断面
図、図9はその薄切片が薄切補助部材に貼り付く原理を
説明図である。これらの図において、薄切片補助部材と
しての絶縁性のフィルム401上に、第1の櫛形状の電
極402と第2の櫛形状の電極403とが組み合わされ
ており、これらの櫛形状の電極402,403には共通
配線404,405が接続されている。
【0025】図8(a)に示すように、絶縁性のフィル
ム(薄切補助部材)401上の櫛形電極402、403
には直流電源407が接続されている。以下、図9を参
照して薄切片の固定について説明する。まず、図9
(a)において、固形試料406面に薄切補助部材40
1を接近させ、直流電源407のスイッチ408〔図8
(a)参照〕をオンすると、薄切補助部材401上の櫛
形電極402,403に電圧が印加され、それぞれの電
極に電荷411,412が供給される。その結果、電極
間に電界413が生じる。固形試料406の誘電性によ
り、図9(b)に示すように、固形試料406面に電界
413の誘起で分極414が生じる。この分極414に
よる電荷と櫛形電極402,403の電荷の静電気力に
より、薄切補助部材401が固形試料面406に貼り付
く。
【0026】図9(c)において、カッタナイフ415
により、固形試料406を薄切しても、薄切片416の
分極による電荷と櫛形電極の電荷は残るので、これらの
電荷の静電気力により、薄切片416が薄切補助部材4
01に貼り付く。この原理によれば、固形試料が誘電体
であれば、それが電気的に導電体あるいは半導体でなく
ても貼り付くことになる。よって、固形試料の材質がパ
ラフィンであっても、従来のように、そのパラフィンに
カーボンブラックや帯電防止剤を混ぜて固形試料を作製
する必要がなく、その薄切片を貼り付けることが可能と
なる(パラフィンは比誘電率2.2程度の誘電体であ
る)。もちろん、帯電器を用いる必要もない。
【0027】図10は本発明の第2実施例を示す薄切補
助部材の電極への電圧印加方法の説明図であり、図10
(a)はその全体構成を示す図、図10(b)はその供
給電圧の説明図、図10(c)はその薄切片が薄切補助
部材に貼り付く原理を説明図である。これらの図におい
て、絶縁性のフィルム(薄切片補助部材)501上に、
第1の櫛形状の電極502と第2の櫛形状の電極503
とが組み合わされており、これらの櫛形状の電極50
2,503には共通配線504,505が接続されてい
る。これらの図に示すように、この実施例では、電極に
直流電圧506を印加するようにしている。
【0028】この電圧の印加により、図9でも説明した
ように、薄切補助部材501上の電極502,503間
に電界508が生じ、固形試料に分極による電荷を発生
させる。この電荷と、薄切補助部材501上の櫛形状の
電極502,503に発生する電荷の静電気力が固形試
料507面と薄切補助部材501の吸引力となる。図1
1は本発明の第3実施例を示す薄切補助部材の電極への
電圧印加方法の説明図であり、図11(a)はその全体
構成を示す図、図11(b)はその薄切補助部材の断面
図、図12は薄切補助部材の電極への供給電圧の波形例
を示す図、図13〜図16は図12に示す供給電圧が薄
切補助部材に印加される場合、薄切片が薄切補助部材へ
貼り付く原理を説明図である。
【0029】これらの図において、薄切片補助部材とし
ての絶縁性のフィルム(薄切補助部材)601上に、第
1の櫛形状の電極602と第2の櫛形状の電極603と
第3の櫛形状の電極604が組み合わされており、これ
らの櫛形状の電極602,603,604には共通配線
605,606,607が接続されている。この実施例
では、薄切補助部材601上の電極602,603,6
04に直流電圧ではないパルス状電圧(時間的に各電極
の電位が変化するような電圧)を印加するようにしてい
る。そして、薄切補助部材601の電極を3組の櫛形電
極602,603,604とし、電源611,612,
613より、それぞれの電極に、図12に示すようなパ
ルス状の電圧(611,612,613)を印加したと
き、薄切補助部材601に貼り付いた固形試料の薄切片
615は、薄切補助部材601の電極602,603,
604に生じる電荷の変化に応じて、吸引され固定され
る。
【0030】以下、薄切片の固定動作について説明す
る。図12(a),(b),(c)に示すようなパルス
電圧701,702,703が印加される場合、図14
(a)、図15(a)、図16(a)に示すような吸引
力801が働き、次の瞬間には固形試料の薄切片が移動
する。このように、薄切補助部材の電極を適当に構成
し、それぞれの電極に印加する電圧を適当に変化してや
れば、薄切され、薄切補助部材に貼り付いた、固形試料
の薄切片を、薄切補助部材上で静電気力によって移動
(微調整等)させることができる。更には、その移動を
利用して固形試料の薄切片の薄切補助部材上を搬送する
こともできる。
【0031】なお、上記実施例では、主に薄切補助部材
への薄切片の固定について述べたが、その薄切片を顕微
鏡用スライドガラスに転写し、そのスライドガラスに密
着固定した薄切片を作製することができることは言うま
でもない(詳細な転写手段としては、本願発明者等によ
って既に提案された、例えば、特開平8−91187号
を挙げることができる)。
【0032】また、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0033】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。 (A)従来のように、固形試料を電気的導体、あるいは
半導体にする必要がなく、静電気力によって固形試料面
に薄切補助部材を貼り付け、薄切後、薄切された薄切片
を薄切補助部材に貼り付けることができる。
【0034】(B)従来のように、固形試料を電気的導
体あるいは半導体に改めることなく薄切補助部材を貼り
付けるために用いていた帯電器が不要となり、静電気力
の制御が容易となる。また、固形試料面や薄切補助部材
以外のものを帯電させることなく、静電気力によって固
形試料面に薄切補助部材を貼り付け、薄切後、薄切され
た薄切片を薄切補助部材に貼り付けることができる。
【0035】(C)さらに、薄切され、薄切補助部材に
貼り付いた、固形試料の薄切片を、薄切補助部材上で静
電気力によって移動・搬送させるとができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す薄切補助部材上の電
極の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す薄切補助部材上の電
極の平面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す薄切補助部材上の電
極の平面図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す薄切補助部材上の電
極の平面図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す薄切補助部材上の電
極の平面図である。
【図6】本発明の第6実施例を示す薄切補助部材の電極
の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第7実施例を示す薄切補助部材の電極
の断面図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す薄切補助部材の電極
への電圧印加方法の説明図である。
【図9】本発明の第1実施例を示す薄切片が薄切補助部
材に貼り付く原理を説明図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す薄切補助部材の電
極への電圧印加方法の説明図である。
【図11】本発明の第3実施例を示す薄切補助部材の電
極への電圧印加方法の説明図である。
【図12】本発明の第3実施例を示す薄切補助部材の電
極への供給電圧の波形図である。
【図13】本発明の第4実施例を示す薄切片が薄切補助
部材へ貼り付く原理の説明図である。
【図14】本発明の第4実施例を示す薄切片が薄切補助
部材へ貼り付き、薄切片が移動する原理の説明図(その
1)である。
【図15】本発明の第4実施例を示す薄切片が薄切補助
部材へ貼り付き、薄切片が移動する原理の説明図(その
2)である。
【図16】本発明の第5実施例を示す薄切片が薄切補助
部材へ貼り付き、薄切片が移動する原理の説明図(その
3)である。
【図17】従来の薄切片作製装置の構成図である。
【図18】従来の他の薄切片作製装置の構成図である。
【符号の説明】
101,111,121,131,141,301,4
01,501,601絶縁性のフィルム(薄切片補助部
材) 102,103,142,143,146,147
導体または半導体の矩形状の電極 104,105,204,205 配線 112,132,402,502,602 第1の櫛
形状の電極 113,403,503,603 第2の櫛形状の電
極 114,115,125,127,133,135,1
37,404,405,504,505,605,60
6,607 共通配線 122 第1の扇状の電極 123 第2の扇状の電極 124,126,144,145,148,149
電極間接続配線 134 波状電極 136 第2の櫛形状電極 201 下部絶縁フィルム(薄切片補助部材) 202,203 電極 204,205 配線 206 上部絶縁フィルム(薄切片補助部材) 302,303 半導体層 304 導体電極 402,403 櫛形状の電極 406,507 固形試料 407 直流電源 408 スイッチ 411,412 電荷 413,508 電界 414 分極 415 カッタナイフ 416,615 薄切片 506 直流電圧 604 第3の櫛形状の電極 611,612,613 電源 701,702,703 パルス電圧 801 吸引力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小久保 光典 静岡県三島市清住町8−22 東芝アパート 233

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形試料と、薄切補助部材と、該薄切補
    助部材を固形試料面に接近させる機構と、前記固形試料
    の薄切を行うカッタナイフと、前記固形試料面に前記薄
    切補助部材を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製装
    置において、 前記薄切補助部材は、絶縁体の上に対向する導体電極又
    は半導体電極を配置し、静電気力により前記薄切補助部
    材に固形試料を貼り付け、前記カッタナイフにより、固
    形試料をカットして薄切片を形成し、該薄切片を前記薄
    切補助部材に保持することを特徴とする薄切片作製装
    置。
  2. 【請求項2】 固形試料と、薄切補助部材と、該薄切補
    助部材を固形試料面に接近させる機構と、前記固形試料
    の薄切を行うカッタナイフと、前記固形試料面に前記薄
    切補助部材を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製装
    置において、 前記薄切補助部材は、絶縁層間に、対向する導体電極又
    は半導体電極を配置し、静電気力により前記薄切補助部
    材に固形試料を貼り付け、前記カッタナイフにより、固
    形試料をカットして薄切片を形成し、該薄切片を前記薄
    切補助部材に保持することを特徴とする薄切片作製装
    置。
  3. 【請求項3】 固形試料と、薄切補助部材と、該薄切補
    助部材を固形試料面に接近させる機構と、前記固形試料
    の薄切を行うカッタナイフと、前記固形試料面に前記薄
    切補助部材を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製装
    置において、 前記薄切補助部材は、絶縁体上に、半導体層を介した対
    向する導体電極又は半導体電極を配置し、静電気力によ
    り前記薄切補助部材に固形試料を貼り付け、前記カッタ
    ナイフにより、固形試料をカットして薄切片を形成し、
    該薄切片を前記薄切補助部材に保持することを特徴とす
    る薄切片作製装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の薄切片作製装
    置において、前記薄切補助部材は、絶縁体上に界面活性
    剤又は帯電防止剤を塗り乾燥させて、導体電極又は半導
    体電極を形成することを特徴とする薄切片作製装置。
  5. 【請求項5】 固形試料と、薄切補助部材と、該薄切補
    助部材を固形試料面に接近させる機構と、前記固形試料
    の薄切を行うカッタナイフと、前記固形試料面に薄切補
    助部材を貼り付ける手段とを具備する薄切片作製装置に
    おける、薄切補助部材の電極への電圧印加方法におい
    て、 前記薄切補助部材の対向する導体電極又は半導体電極間
    に電位差を生じる電圧を印加することを特徴とする薄切
    補助部材の電極への電圧印加方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の薄切補助部材の電極への
    電圧印加方法において、前記薄切補助部材上の対向する
    導体電極又は半導体電極間に生じる電位差が時間的に変
    化しないことを特徴とする薄切補助部材の電極への電圧
    印加方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の薄切補助部材の電極への
    電圧印加方法において、前記薄切補助部材上の対向する
    導体電極又は半導体電極間に生じる電位差を能動的に、
    時間的に変化させることを特徴とする薄切補助部材の電
    極への電圧印加方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108036979A (zh) * 2017-11-15 2018-05-15 中国科学院地质与地球物理研究所 基于静电力的矿物样品靶及其制作方法

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