JPH1068339A - 筒内噴射式2サイクルエンジン - Google Patents

筒内噴射式2サイクルエンジン

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JPH1068339A
JPH1068339A JP8227067A JP22706796A JPH1068339A JP H1068339 A JPH1068339 A JP H1068339A JP 8227067 A JP8227067 A JP 8227067A JP 22706796 A JP22706796 A JP 22706796A JP H1068339 A JPH1068339 A JP H1068339A
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exhaust pressure
exhaust
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気通路内圧力の変動に起因する空燃比の目
標値からのずれを防止又は抑制でき、排気ガス性状,燃
費の悪化を防止できる筒内噴射式2サイクルエンジンを
提供する。 【解決手段】 シリンダ側壁にクランク室に連通する掃
気ポート35及び排気通路に連通する排気ポート41を
形成し、シリンダヘッドに点火プラグを取り付け、シリ
ンダヘッド,シリンダボディ,及びピストンにより形成
される燃焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁49を
備えた筒内噴射式2サイクルエンジン6において、上記
排気通路内圧力を検出する排気圧検知手段55を設け、
該排気圧検知手段55により検出された検出排気圧値P
Eが運転状態に対応して設定された基準排気圧値PEo
より大きいときは上記燃料噴射弁49からの燃料噴射量
FDを運転状態に対応して設定された基準燃料噴射量F
Doより減量し、上記検出排気圧値PEが上記基準排気
圧値PEoより小さいときは上記燃料噴射量FDを上記
基準燃料噴射量FDoより増量する燃料噴射量制御手段
(ECU)50を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室内に燃料を
噴射供給するようにした筒内噴射式2サイクルエンジン
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、新気をスロットル弁を配置した吸
気通路を経てクランク室内に導いて一次圧縮し、該圧縮
された新気により筒内を掃気する一方、燃焼室壁に配置
された燃料噴射弁から燃料を、掃気,排気行程の途中,
さらには圧縮行程中に噴射するとともに、圧縮行程を経
て点火プラグにより着火し燃焼させ、次の掃気行程に先
行して燃焼室から既燃ガスを排気通路に排出するように
した筒内噴射式2サイクルエンジンが提案されている。
【0003】上記筒内噴射式2サイクルエンジンでは、
燃料の噴射開始時期を、例えば噴射流の先端が排気ポー
トに到達する前に排気ポートが閉じるタイミングに設定
する等により2サイクルエンジン特有の吹き抜けをなく
し、又は抑制でき、未燃焼成分(HC)を抑制して排気
ガス性状を改善できるとともに燃費を向上できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記燃焼室内
に噴射される燃料は、燃焼室内に導入された新気(空
気)の量に対応した量に制御される。その方法として、
エンジン回転数及びアクセル開度(スロットル弁開度)
に対応した燃料噴射量マップを備え、該マップから求め
た量の燃料を噴射供給する従来からある方法が考えられ
る。
【0005】ことろが2サイクルエンジンの場合、その
構造上、上記掃気行程において掃気ポートと排気ポート
とが連通することから、同じスロットル弁開度の場合で
も、排気通路内の圧力の如何によって掃気される新気量
が変化し、空燃比が目標値かずれ、その結果、運転不良
に陥ったり、排気ガス性状及び燃費が悪化したりする問
題が懸念される。特に、船外機や小型船舶用船内機の場
合、排気ガスを水中に排出することから、船の姿勢や積
み荷の量等によって排気通路内の圧力が大きく変動し、
上述の傾向が著しくなると考えられる。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、排気通路内圧力の変動に起因する空燃比の目標値か
らのずれを防止又は抑制でき、排気ガス性状,燃費の悪
化を防止できる筒内噴射式2サイクルエンジンを提供す
ることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シリ
ンダ側壁にクランク室に連通する掃気ポート及び排気通
路に連通する排気ポートを形成し、シリンダヘッドに点
火プラグを取り付け、シリンダヘッド,シリンダボデ
ィ,及びピストンにより形成される燃焼室内に燃料を噴
射供給する燃料噴射弁を備えた筒内噴射式2サイクルエ
ンジンにおいて、上記排気通路内圧力を検出する排気圧
検知手段を設け、該排気圧検知手段により検出された検
出排気圧値が運転状態に対応して設定された基準排気圧
値より大きいときは上記燃料噴射弁からの燃料噴射量を
運転状態に対応して設定された基準燃料噴射量より減量
し、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいと
きは上記燃料噴射量を上記基準燃料噴射量より増量する
燃料噴射量制御手段を備えたことを特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、上
記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは上
記燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期を運転状態に対応
して設定された基準燃料噴射開始時期より遅角し、上記
検出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは上記
燃料噴射開始時期を上記基準燃料噴射開始時期より進角
する燃料噴射時期制御手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0009】請求項3の発明は、シリンダ側壁にクラン
ク室に連通する掃気ポート及び排気通路に連通する排気
ポートを形成し、シリンダヘッドに点火プラグを取り付
け、シリンダヘッド,シリンダボディ,及びピストンに
より形成される燃焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射
弁を備えた筒内噴射式2サイクルエンジンにおいて、上
記排気通路内圧力を検出する排気圧検知手段を設け、吸
気量を制御するスロットル弁の開度を、エンジン負荷が
大きいほど大きくする一方、上記排気圧検知手段により
検出された検出排気圧値が運転状態に対応して設定され
た基準排気圧値より大きいときは運転状態に対応して設
定された基準スロットル開度より大きくし、上記検出排
気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは上記基準ス
ロットル開度より小さくするスロットル開度制御手段を
備えたことを特徴としている。
【0010】請求項4の発明は、請求項3において、上
記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは上
記燃料噴射弁からの燃料噴射量を運転状態に対応して設
定された基準燃料噴射量より減量し、上記検出排気圧値
が上記基準排気圧値より小さいときは上記燃料噴射量を
上記基準燃料噴射量より増量する燃料噴射量制御手段を
備えたことを特徴としている。
【0011】請求項5の発明は、請求項3において、上
記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは上
記燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期を運転状態に対応
して設定された基準燃料噴射開始時期より遅角し、上記
検出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは上記
燃料噴射開始時期を上記基準燃料噴射開始時期より進角
する燃料噴射時期制御手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0012】請求項6の発明は、請求項3において、上
記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは上
記燃料噴射弁からの燃料噴射量を上記基準燃料噴射量よ
り減量し、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より小
さいときは上記燃料噴射量を上記基準燃料噴射量より増
量する燃料噴射量制御手段と、上記検出排気圧値が上記
基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁からの燃
料噴射開始時期を上記基準燃料噴射開始時期より遅角
し、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいと
きは燃料噴射開始時期を上記基準燃料噴射開始時期より
進角する燃料噴射時期制御手段とを備えたことを特徴と
している。
【0013】請求項7の発明は、シリンダ側壁にクラン
ク室に連通する掃気ポート及び排気通路に連通する排気
ポートを形成し、シリンダヘッドに点火プラグを取り付
け、シリンダヘッド,シリンダボディ,及びピストンに
より形成される燃焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射
弁を備えた筒内噴射式2サイクルエンジンにおいて、上
記排気通路に通路断面積を可変とする排気制御弁を設
け、上記排気通路の排気制御弁より下流側の圧力を検出
する排気圧検知手段を設け、上記排気制御弁の開度を、
上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは
エンジン負荷に対応して設定された基準排気弁開度より
大きくし、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より小
さいときは上記基準排気弁開度より小さくする排気制御
弁開度制御手段を備えたことを特徴としている。
【0014】請求項8の発明は、請求項7において、上
記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは上
記燃料噴射弁からの燃料噴射量を運転状態に対応して設
定された基準燃料噴射量より減量し、上記検出排気圧値
が上記基準排気圧値より小さいときは燃料噴射量を基準
燃料噴射量より増量する燃料噴射量制御手段を備えたこ
とを特徴としている。
【0015】請求項9の発明は、請求項7において、上
記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは上
記燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期を基準燃料噴射開
始時期より遅角し、上記検出排気圧値が上記基準排気圧
値より小さいときは上記燃料噴射開始時期を上記基準燃
料噴射開始時期より進角する燃料噴射時期制御手段を備
えたことを特徴としている。
【0016】請求項10の発明は、請求項7において、
上記排気通路内圧力を検出する排気圧検知手段を設け、
吸気量を制御するスロットル弁の開度を、エンジン負荷
が大きいほど大きくする一方、上記検出排気圧値が上記
基準排気圧値より大きいときは基準スロットル開度より
大きくし、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より小
さいときは上記基準スロットル開度より小さくするスロ
ットル開度制御手段を備えたことを特徴としている。
【0017】請求項11の発明は、請求項7において、
上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは
上記燃料噴射弁からの燃料噴射量を上記基準燃料噴射量
より減量し、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より
小さいときは上記燃料噴射量を基準燃料噴射量より増量
する燃料噴射量制御手段と、上記検出排気圧値が上記基
準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁からの燃料
噴射開始時期を上記基準燃料噴射開始時期より遅角し、
上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは
上記燃料噴射開始時期を上記目標燃料噴射開始時期より
進角する燃料噴射時期制御手段と、吸気量を制御するス
ロットルの開度を、エンジン負荷が大きいほど大きくす
る一方、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大き
いときは上記基準スロットル開度より大きくし、上記検
出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは上記基
準スロットル開度より小さくするスロットル開度制御手
段とを備えたことを特徴としている。
【0018】
【発明の作用効果】請求項1の発明の筒内噴射式2サイ
クルエンジンによれば、検出排気圧値が基準排気圧値よ
り大きいときは燃料噴射量を基準燃料噴射量より減量
し、検出排気圧値が小さいときは燃料噴射量を増量する
ようにしたので、背圧(排気通路内圧力)の変動による
空燃比のずれを抑制することができ、エンジンの燃焼状
態を良好にすることができ、排気ガス性状,燃費を向上
できる効果がある。
【0019】即ち、排気通路内圧力(検出排気圧値)が
高くなるほど燃焼室内に導入される新気量が減少し、エ
ンジン回転数,アクセル開度等のエンジン運転状態に基
づいて設定された基準燃料噴射量のままであれば空燃比
は目標値よりもリッチ側にずれ、逆に排気通路内圧力が
低くなるほど新気量が増大し、基準燃料噴射量のままで
あれば空燃比は目標値よりもリーン側にずれる。本発明
では、排気通路内圧力が高くなると燃料噴射量を減量
し、低くなると増量するようにしたので、排気通路内圧
力の増加,減少に起因する新気量の減少,増大に応じて
燃料噴射量が減少,増大し、その結果、空燃比の目標値
からのずれが抑制される。
【0020】請求項2の発明によれば、上記検出排気圧
値が上記基準排気圧値より大きいときは、燃料噴射量を
減量するとともに燃料噴射開始時期を基準燃料噴射開始
時期より遅角し、検出排気圧値が小さいときは燃料噴射
量を増量するとともに燃料噴射開始時期を進角するよう
にしたので、排気通路内圧力の変動に起因する空燃比の
ずれを抑制できるとともに、吹き抜け量を減少でき、排
気ガス中の未燃焼成分(HC)を減少できるとともに燃
費を改善できる効果がある。
【0021】即ち、燃料噴射開始時期を遅らせた場合に
は排気ポートが開いている状態での燃料噴射量の割合が
減少し又はなくなり、それだけ吹き抜け量が減少する。
この場合、燃料噴射量を減量しているので、燃料噴射開
始時期を遅らせても噴射された燃料は充分に霧化され、
燃焼に必要な混合気の形成が可能であり、燃焼状態が不
良になることはない。
【0022】請求項3の発明によれば、検出排気圧値が
基準排気圧値より大きいときは、スロットル弁開度を基
準スロットル弁開度より大きくし、検出排気圧値が小さ
いときはスロットル弁開度を小さくするようにしたの
で、排気通路内圧力の変動に起因する空燃比のずれを抑
制することができ、エンジンの燃焼状態を良好にするこ
とができ、排気ガス性状,燃費を向上できる効果があ
る。
【0023】即ち、排気通路内圧力が高くなるほど燃焼
室内に導入される新気量が減少し、基準燃料噴射量のま
まであれば空燃比は目標値よりリッチとなり、また排気
通路内圧力が低くなるほど新気量が増大し、基準燃料噴
射量のままであれば空燃比は目標値よりリーンとなり、
空燃比は目標値からずれる。本発明では、排気通路内圧
力が高くなるとスロットル弁開度を大きくし、低くなる
と小さくするようにしたので、排気通路内圧力の増加,
減少による新気量の減少,増大がスロットル弁開度の
大,小により補正され、その結果、空燃比の目標値から
のずれが抑制される。
【0024】請求項4の発明によれば、上記検出排気圧
値が上記基準排気圧値より大きいときは、スロットル弁
開度を基準開度より大きくするとともに燃料噴射量を基
準燃料噴射量より減量し、検出排気圧値が小さいときは
スロットル弁開度を小さくするとともに燃料噴射量を増
量するようにしたので、排気通路内圧力の増加,減少に
よる新気量の減少,増大がスロットル弁開度の大,小に
より補正され、かつ燃料噴射量が新気量の減少,増大に
対応して減少,増大され、その結果、空燃比の目標値か
らのずれがより一層確実に抑制される。
【0025】請求項5の発明によれば、上記検出排気圧
値が上記基準排気圧値より大きいときは、スロットル弁
開度を基準開度より大きくするとともに燃料噴射開始時
期を基準燃料噴射開始時期より遅角し、上記検出排気圧
値が小さいときはスロットル弁開度を基準開度より小さ
くするとともに燃料噴射開始時期を基準燃料噴射開始時
期より進角するようにしたので、スロットル弁開度の調
整により背圧変動による空燃比のずれが抑制されるとと
もに、燃料噴射開始時期の調整により吹き抜け量が減少
する。
【0026】請求項6の発明によれば、上記検出排気圧
値が上記基準排気圧値より大きいときは、スロットル弁
開度を基準開度より大きくし、燃料噴射量を基準燃料噴
射量より減量し、さらに燃料噴射開始時期を上記基準燃
料噴射開始時期より遅角し、上記検出排気圧値が小さい
ときは、スロットル弁開度を小さくし、燃料噴射量を増
量し、さらに燃料噴射開始時期を進角するようにしたの
で、スロットル弁開度及び燃料噴射量の調整により背圧
変動による空燃比のずれがより一層確実に抑制されると
ともに、燃料噴射開始時期の調整により吹き抜け量が減
少する。
【0027】請求項7の発明によれば、排気制御弁の開
度を、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大きい
ときは基準排気弁開度より大きくし、上記検出排気圧値
が小さいときは上記基準排気弁開度より小さくするよう
にしたので、背圧の変動による空燃比のずれを抑制する
ことができ、エンジンの燃焼状態を良好にすることがで
きる。
【0028】即ち、排気通路内圧力が高くなるほど燃焼
室内に導入される新気量が減少し、基準燃料噴射量のま
まであれば空燃比は目標値よりリッチとなり、また排気
通路内圧力が低くなるほど新気量が増大し、基準燃料噴
射量のままであれば空燃比は目標値よりリーンとなり、
空燃比は目標値からずれる。本発明では、排気制御弁開
度を排気通路内圧力が高くなると大きくし、低くなると
小さくするようにしたので、排気通路内圧力の増加,減
少による新気量の減少,増大を、排気制御弁の開度の増
加,減少による排気通路抵抗の減少,増加によって補正
でき、その結果空燃比のずれを抑制できる。
【0029】請求項8の発明によれば、上記検出排気圧
値が上記基準排気圧値より大きいときは、排気制御弁開
度を大きくするとともに燃料噴射量を基準燃料噴射量よ
り減量し、上記検出排気圧値が小さいときは燃料噴射量
を増量するようにしたので、燃焼室に導入される新気量
及び燃料噴射量の両方が調整され、より一層確実に空燃
比のずれが抑制される。
【0030】請求項9の発明によれば、上記検出排気圧
値が上記基準排気圧値より大きいときは、排気制御弁開
度を基準開度により大きくするとともに燃料噴射開始時
期を基準燃料噴射開始時期より遅角し、上記検出排気圧
値が小さいときは、排気制御弁開度を小さくするととも
に上記燃料噴射開始時期を進角するようにしたので、排
気制御弁開度の調整により背圧変動による空燃比のずれ
が抑制されるとともに、燃料噴射開始時期の調整により
吹き抜け量が減少する。
【0031】請求項10の発明によれば、上記検出排気
圧値が上記基準排気圧値より大きいときは、排気制御弁
開度を基準開度より大きくするとともにスロットル弁開
度を基準スロットル弁開度より大きくし、上記検出排気
圧値が小さいときは、排気制御弁開度を基準開度より小
さくするとともにスロットル弁開度を基準スロットル弁
開度より小さくしたので、排気制御弁開度及びスロット
ル弁開度の調整により排気通路内圧力の増加,減少によ
る新気量の減少,増大をより一層確実に補正でき、その
結果空燃比のずれをより一層確実に抑制できる。
【0032】請求項11の発明によれば、上記検出排気
圧値が上記基準排気圧値より大きいときは、排気制御弁
開度,及びスロットル弁開度を基準開度より大きくする
とともに燃料噴射量を上記基準燃料噴射量より減量し、
上記検出排気圧値が小さいときは、排気制御弁開度,ス
ロットル弁開度を基準開度より小さくするとともに燃料
噴射量を基準燃料噴射量より増量するようにしたので、
排気制御弁開度及びスロットル弁開度の両方の調整によ
り排気通路内圧力の増加,減少による新気量の減少,増
大をより一層確実に補正でき、さらに燃料噴射量が新気
量に対応して補正され、その結果空燃比のずれをより一
層確実に抑制できる。
【0033】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて説明する。図1ないし図8は、本発明の一実施
形態による筒内噴射式2サイクルエンジンを説明するた
めの図であり、図1,図2は本実施形態エンジンが採用
された船外機の左側面図,断面平面図、図3は該エンジ
ンの断面背面図、図4は排気制御弁を示す図、図5は運
転制御装置のブロック構成図、図6,図7は制御用マッ
プデータの概念図、図8は制御動作を説明するためのフ
ローチャート図である。
【0034】図において、1は本実施形態エンジンが採
用された船外機であり、スイベルアーム9及びクランプ
ブラケット8を介して船体2の船尾2aに上下揺動可能
に枢支されており、航走時にはクランク軸20が略垂直
をなすよう縦置きに位置決めされる。
【0035】上記船外機1は、推進用プロペラ3が配設
されたロアケース4の上部にアッパケース5を接続し、
該アッパーケース5の上部にエンジン6を搭載し、該エ
ンジン6の周囲をトップカウル7で囲んだ概略構造のも
のである。上記エンジン6のの回転はクランク軸20に
接続された出力軸6a,垂直方向に延びる駆動シャフト
12,かさ歯車10,及び水平に延びる推進軸11を介
して上記プロペラ3に伝達される。
【0036】上記エンジン6は、水冷式V型6気筒筒内
噴射式2サイクルエンジンであり、上記クランク軸20
を収容するクランクケース22に、6つの気筒(シリン
ダボア)21がVバンクをなすように配置形成されたシ
リンダボディ23を結合し、該シリンダボディ23にシ
リンダヘッド24を装着し、上記シリンダボディ23の
各気筒21内に摺動自在に挿入されたピストン25をコ
ンロッド26を介して上記クランク軸20に連結した概
略構造のものである。
【0037】また上記シリンダヘッド24には点火プラ
グ27が螺挿されており、該点火プラグ27の電極はシ
リンダヘッド24,シリンダボディ23の気筒21,ピ
ストン25で囲まれた燃焼室内に臨んでいる。この点火
プラグ27は点火回路63(図5参照)により駆動さ
れ、所定タイミングで上記燃焼室内にスパークを発生さ
せる。
【0038】上記エンジン6の吸気系は以下のように構
成されている。上記クランクケース22にクランク室2
2a内に連通するよう開口22bを形成し、該開口22
bにリード弁32を介在させて吸気通路30を接続し、
該吸気通路30の上流側にスロットル弁31を内蔵する
スロットルボディ33を接続する。このスロットル弁3
1はスロットルアクチュエータ61(図5参照)によっ
て開閉駆動され、スロットルボディ33には不図示の吸
気サイレンサあるいはエアクリーナが接続される。
【0039】また上記シリンダボディ23にクランク室
22aと各気筒21とを連通する1つの対向掃気通路3
5aと2つの主掃気通路35b,35cを形成し、該各
掃気通路35a〜35cの掃気ポート35を気筒21内
に開口させる。
【0040】そして上記シリンダボディ23の側壁には
各気筒21毎に燃料噴射弁49が装着されている。図示
していないが、該燃料噴射弁49には燃料供給レールが
接続されており、該燃料供給レールには燃料ポンプから
高圧の燃料が供給されている。上記燃料噴射弁49は内
蔵する電磁コイル62(図5参照)により弁体を移動さ
せて噴射ノズルを開くと、該ノズルが開いている期間、
上記高圧の燃料が気筒21内に噴射供給される。
【0041】上記エンジン6の排気系は以下のように構
成されている。上記シリンダボディ23に各気筒21に
開口する排気ポート41に連通する排気分岐通路42を
形成し、該各排気分岐通路42をクランク軸20と略平
行に上下方向に延びるように形成された各バンク毎の排
気合流通路40に合流させ、該各排気合流通路40の下
端排気口6bをシリンダボディ23の下面に開口させ
る。
【0042】そして上記シリンダボディ23の下面にエ
キゾーストガイド13を接続し、該エキゾーストガイド
13に上記各下端排気口6bに連通する一対の排気孔1
3a,13aを形成し、該各排気孔13aに連通し下方
に延びる排気管14を接続し、さらに該排気管14を囲
むマフラ16を上記エキゾーストガイド13に接続し、
該マフラ16の下端を上記ロアケース4内に開口させ
る。
【0043】上記エキゾーストガイド13に排気管14
の軸線と直交するように形成された弁孔13b内に排気
通路断面積を可変制御する排気制御弁43が配設されて
いる。この排気制御弁43は、図4に示すように、ステ
ンレス鋼からなる丸棒の一部を切り欠くことにより形成
され上記両排気孔13aを開閉する弁部43b,43b
を有し、該両弁部43bは同軸をなしている。また上記
弁部43bの一端には駆動軸43aが、他端には支持軸
43cが一体形成されている。
【0044】そして上記排気制御弁43は、各弁部43
bが排気孔13aの内面と面一となる全開位置と、該弁
部43bが排気孔13a内に起立して該排気孔13aを
絞り込む全閉位置との間で回動するようになっている。
【0045】なお、上記エキゾーストガイド13の弁孔
13bの周囲には冷却ジャケット13cが形成されてお
り、該ジャケット13cにより上記排気制御弁43を冷
却するようになっている。また上記弁孔13bの開口部
には排気制御弁43を回転自在に支持し、かつ該弁孔1
3bの開口を閉塞する蓋部材45が挿着されている。
【0046】上記排気制御弁43は、上記エキゾースト
ガイド13の外部に突出した駆動軸43aに固定された
プーリ46,図示しない駆動ケーブルを介して駆動アク
チュエータ64(図5参照)により開閉駆動される。
【0047】また上記マフラ16には排気通路内圧力を
検出するための排気圧センサ55が装着されている。該
排気圧センサ55は上記アッパケース5の外側からマフ
ラ16内に貫通するように配設されており、該センサ5
5の検知部は上記マフラ16内の上記排気管14の下流
端開口近傍に位置している。
【0048】50は上記エンジン6の運転制御を行うE
CUであり、該ECU50には各種のセンサからエンジ
ン運転状態等を表す検出信号が入力される。例えば、回
転数センサ51からのエンジン回転数信号REV、アク
セル開度センサ52からのアクセル開度(エンジン負
荷)信号ACC、水温センサ53からのエンジン冷却水
温度信号TW、クランク角センサ54からのクランク角
(ピストン位置)信号CA、上記排気圧センサ55から
の排気管内圧力(背圧)PE、クランク室圧力センサ5
6からのクランク室圧力信号、大気圧力センサ57から
の大気圧力信号、大気温度センサ58からの大気温度信
号等が入力される。さらに、吸気通路30の圧力を検知
する吸気圧力センサの検出信号をECU50に入力する
ようにしても良い。
【0049】そして上記各センサから入力されたエンジ
ン運転状態を表す各検出信号に基づいて、予め設定され
たプログラムに従って各種の演算を行い、各種の制御信
号を各種のアクチュエータに出力する。例えば、スロッ
トル弁31を開閉駆動するスロットルアクチュエータ6
1へのスロットル弁開度信号TH、燃料噴射弁49を開
閉駆動する電磁コイル62への燃料噴射期間(量)信号
FD,及び燃料噴射開始時期信号INJ、点火プラグ2
7に高圧電流を供給する点火回路63への点火信号IG
N、排気制御弁43を開閉駆動するアクチュエータ64
への排気制御弁開度信号EXV等を出力する。
【0050】なお、上記スロットル弁31の開度,排気
制御弁43の開度は図示しないスロットル開度センサ,
排気制御弁開度センサにより検出され、該検出開度は上
記ECU50にフィードバックされる。
【0051】ここで上記ECU50は以下の機能を有し
ている。 上記排気圧センサ(排気圧検知手段)55により検出
された排気通路内の圧力(背圧・検出排気圧値)PE
が、運転状態(エンジン回転数及びアクセル開度)に対
応して設定された基準排気圧値PEo(図6参照)より
大きいときは、上記燃料噴射弁49からの燃料噴射量F
Dを運転状態(エンジン回転数及びアクセル開度)に対
応して設定された基準燃料噴射量FDoより減量し、逆
に小さいときは増量する燃料噴射量制御機能(図7
(a)参照)。具体的には上記電磁コイル62への通電
時間を可変制御する。
【0052】上記検出排気圧値PEが上記基準排気圧
値PEoより大きいときは燃料噴射開始時期INJを運
転状態に対応して設定された基準燃料噴射開始時期IN
Joより遅角し、逆に小さいときは進角する燃料噴射時
期制御機能(図7(b)参照)。具体的には上記電磁コ
イル62への通電開始時間を可変制御する。
【0053】上記スロットル弁31の開度THを、エ
ンジン負荷が大きいほど大きくする一方、上記検出排気
圧値PEが上記基準排気圧値PEoより大きいときは運
転状態に対応して設定された基準スロットル開度THo
より大きくし、逆に小さいときは小さくするスロットル
開度制御機能(図7(c)参照)。
【0054】上記排気制御弁43の開度EXVを、上
記検出排気圧値PEが上記基準排気圧値PEoより大き
いときはアクセル開度(エンジン負荷)ACCに対応し
て設定された基準排気制御弁開度EXVoより大きく
し、逆に小さいときは小さくする排気制御弁開度制御機
能(図7(d)参照)。
【0055】次に上記ECU50の制御動作を図8のフ
ローチャートに沿って説明する。制御が開始されると、
回転数センサ51,アクセル開度センサ52,排気圧セ
ンサ55により検出されたエンジン回転数REV,アク
セル開度ACC,及び排気通路内圧力(背圧)PEが読
み込まれ(ステップS1)、内蔵する各種マップからエ
ンジン回転数,アクセル開度に対応した各種の基準値、
例えば基準排気圧値PEo,基準燃料噴射量FDo,及
び基準燃料噴射開始時期INJo、基準スロットル弁開
度THo、基準排気制御弁開度EXVo、及び基準点火
時期IGNo等が求められる(ステップS2)。
【0056】次に上記背圧(検出排気圧値)PEと上記
基準背圧(基準排気圧値)PEoとの差ΔPE=PEo
−PEが求められ(ステップS3)、該ΔPEを図7
(a)〜図7(d)に当てはめることにより、燃料噴射
量補正値ΔFD、燃料噴射開始時期補正値ΔINJ、ス
ロットル弁開度補正値ΔTH,及び排気制御弁開度補正
値ΔEXVが求められる(ステップS4)。
【0057】続いて上記燃料噴射量FE,燃料噴射開始
時期INJ,スロットル弁開度TH,及び排気制御弁開
度EXVが、上記各基準値FDo,INJo,THo,
及びEXVoから上記各補正値ΔFD,ΔINJ,ΔT
H,ΔEXVを差し引くことにより算出され(ステップ
S5)、そしてこれらの値が得られるように各アクチュ
エータが制御される(ステップS6)。
【0058】例えば、図7(a)の左側領域に示すよう
に、上記ΔPEが負(背圧が高い)の場合は燃料噴射量
補正値ΔFDが正となり、燃料噴射量FDは基準値FD
oよりΔFDだけ減量される。その結果、背圧が基準よ
り高いことに起因して燃焼室内に導入される新気量が減
少した場合はこの新気量の減少に応じて燃料噴射量が減
少され、新気量の減少に起因する空燃比の目標値からリ
ッチ側へのずれが抑制される。
【0059】また図7(a)の右側領域に示すように、
逆に上記ΔPEが正(背圧が低い)の場合は燃料噴射量
補正値ΔFDが負となり、燃料噴射量FDは基準値FD
oよりΔFDだけ増量される。その結果、背圧が基準よ
り低いことに起因して燃焼室内に導入される新気量が増
加した場合はこの新気量の増加に応じて燃料量が増加さ
れるので、この場合も空燃比のずれが抑制される。
【0060】図7(b)の左側領域に示すように、上記
ΔPEが負(背圧が高い)の場合は燃料噴射開始時期補
正値ΔINJが正となり、燃料噴射開始時期INJは基
準値INJoよりΔINJだけ遅角される。このように
燃料噴射開始時期が遅角された結果、燃料の吹き抜け量
が減少し、排気ガス中の未燃焼成分(HC)が減少して
排気ガス性状が良好になるとともに、燃費が向上する。
【0061】この場合、図7(a)で説明したように、
背圧が基準より高いことから燃料噴射量が減量されてい
るので、燃料噴射開始時期を遅角しても燃焼に必要な混
合気の形成は可能である。
【0062】図7(b)の右側領域に示すように、上記
ΔPEが正(背圧が低い)の場合は燃料噴射開始時期補
正値ΔINJが負となり、燃料噴射開始時期INJは基
準値INJoよりΔINJだけ進角される。その結果、
図7(a)で説明したように、背圧が基準より低いこと
から燃料噴射量が増量された場合、該増量された燃料に
必要な霧化時間を確保できる。
【0063】図7(c)の左側領域に示すように、上記
ΔPEが負(背圧が高い)の場合はスロットル弁開度補
正値ΔTHが負となり、スロットル弁開度THは基準値
THoよりΔTHだけ大きくなる。その結果、背圧が基
準より高いことに起因して燃焼室内に導入される新気量
が減少するのがスロットル弁開度の増加により抑制さ
れ、新気量の減少に起因する空燃比の目標値からのずれ
が抑制される。
【0064】また図7(c)の右側領域に示すように、
逆に上記ΔPEが正(背圧が低い)の場合はスロットル
弁開度補正値ΔTHが正となり、スロットル弁開度TH
は基準値THoよりΔTHだけ小さくなる。その結果、
背圧が基準より低いことに起因して燃焼室内に導入され
る新気量が増加するのがスロットル弁開度の減少により
抑制され、新気量の増加に起因する空燃比の目標値から
のずれが抑制される。
【0065】図7(d)の左側領域に示すように、上記
ΔPEが負(背圧が高い)の場合は排気制御弁開度補正
値ΔEXVが負となり、排気制御弁開度EXVは基準値
EXVoよりΔEXVだけ大きくなる。その結果、背圧
が基準より高いことに起因して燃焼室内に導入される新
気量が減少するのがこの排気制御弁開度の増加により抑
制され、新気量の減少に起因する空燃比の目標値からの
ずれが抑制される。
【0066】また図7(d)の右側領域に示すように、
逆に上記ΔPEが正(背圧が低い)の場合は排気制御弁
開度補正値ΔEXVが正となり、排気制御弁開度EXV
は基準値EXVoよりΔEXVだけ小さくなる。その結
果、背圧が基準より低いことに起因して燃焼室内に導入
される新気量が増加するのがこの排気制御弁開度の減少
により抑制され、新気量の増加に起因する空燃比の目標
値からのずれが抑制される。
【0067】なお、上記実施形態では、検出排気圧値P
Eの変動に応じて、燃料噴射量FD,燃料噴射開始時期
INJ,スロットル弁開度TH,及び排気制御弁開度E
XVを同時に補正制御するようにしたが、必ずしも全て
の項目について補正制御する必要はなく、何れか1つ又
は複数の項目について補正制御するようにしてもよい。
【0068】さらに、基準燃料噴射量FDoは、エンジ
ン回転数及びスロットル弁開度に対応して設定しても良
い。これは、アクセル操作により直接スロットル弁31
を開閉するエンジンにおいて有効である。このエンジン
においては、排気圧センサ55による排気圧検知値に基
づいたスロットル弁31の開度補正はしないので、アク
セル開度センサ52は配置しない。同様に、基準燃料噴
射開始時期INJoをエンジン回転数及びスロットル弁
開度に対応して設定し、基準排気制御弁開度EXVoを
スロットル弁開度に対応して設定しても良い。同様に、
基準燃料噴射量FDo及び基準燃料噴射開始時期INJ
oを、エンジン回転数及び吸気圧力(負圧の大きさ)に
より、基準排気制御弁開度EXVoを吸気圧力(負圧の
大きさ)によりそれぞれ設定しても良い。
【0069】吸入空気量を検知あるいは算出(例えば、
ピストン下降行程中、掃気ポート35が開始となる前の
第1の所定クランク角におけるクランク室22圧力と、
該第1の所定クランク角におけるクランク室22と所定
係数との積から、ピストン上昇行程中、掃気ポート35
が閉終了後上死点に到達するまでの第2の所定クランク
角におけるクランク室22圧力と、該第2の所定クラン
ク角におけるクランク室22圧力と、該第2の所定クラ
ンク角におけるクランク室22と所定係数との積を引い
て算出)するものでは、排気制御弁43の開度をエンジ
ン回転及びエンジン負荷(アクセル開度、スロットル開
度あるいは吸気通路圧)に対応して設定する一方、燃料
噴射量、燃料噴射開始時期及び点火時期を、エンジン回
転数及び吸入空気量に対応して設定しても良い。これに
より、より精度の高い制御が可能となる。上記所定係数
は、大気圧、大気温度、クランク室温度(水温センサで
代用も可)から算出可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による筒内噴射式2サイク
ルエンジンを備えた船外機の左側面図である。
【図2】上記実施形態船外機の断面平面図である。
【図3】上記実施形態エンジンの断面背面図である。
【図4】上記実施形態エンジンの排気制御弁を示す図で
ある。
【図5】上記実施形態エンジンの制御装置のブロック構
成図である。
【図6】上記実施形態制御装置の基準背圧PEoを概念
的に示す図である。
【図7】上記実施形態制御装置の制御データを概念的に
示す図である。
【図8】上記実施形態制御装置の制御動作を説明するた
めのフローチャート図である。
【符号の説明】
6 筒内噴射式2サイクルエンジン 22a クランク室 23 シリンダボディ 24 シリンダヘッド 25 ピストン 27 点火プラグ 31 スロットル弁 35 掃気ポート 40,42 排気通路 41 排気ポート 43 排気制御弁 49 燃料噴射弁 50 ECU(燃料噴射量制御手段,燃料噴射時期
制御手段,スロットル開度制御手段,排気制御弁開度制
御手段,) 55 背圧センサ(排気圧検知手段) EP 検出背圧(検出排気圧値) EPo 基準背圧(基準排気圧値) EXV 排気制御弁開度 EXVo 基準排気制御弁開度 FD 燃料噴射量 FDo 基準燃料噴射量 INJ 燃料噴射開始時期 INJo 基準燃料噴射開始時期 TH スロットル弁開度 THo 基準スロットル開度
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/04 330 F02D 41/04 330Z 335 335Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ側壁にクランク室に連通する掃
    気ポート及び排気通路に連通する排気ポートを形成し、
    シリンダヘッドに点火プラグを取り付け、シリンダヘッ
    ド,シリンダボディ,及びピストンにより形成される燃
    焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁を備えた筒内噴
    射式2サイクルエンジンにおいて、上記排気通路内圧力
    を検出する排気圧検知手段を設け、該排気圧検知手段に
    より検出された検出排気圧値が運転状態に対応して設定
    された基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁か
    らの燃料噴射量を運転状態に対応して設定された基準燃
    料噴射量より減量し、上記検出排気圧値が上記基準排気
    圧値より小さいときは上記燃料噴射量を上記基準燃料噴
    射量より増量する燃料噴射量制御手段を備えたことを特
    徴とする筒内噴射式2サイクルエンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記検出排気圧値が
    上記基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁から
    の燃料噴射開始時期を運転状態に対応して設定された基
    準燃料噴射開始時期より遅角し、上記検出排気圧値が上
    記基準排気圧値より小さいときは上記燃料噴射開始時期
    を上記基準燃料噴射開始時期より進角する燃料噴射時期
    制御手段を備えたことを特徴とする筒内噴射式2サイク
    ルエンジン。
  3. 【請求項3】 シリンダ側壁にクランク室に連通する掃
    気ポート及び排気通路に連通する排気ポートを形成し、
    シリンダヘッドに点火プラグを取り付け、シリンダヘッ
    ド,シリンダボディ,及びピストンにより形成される燃
    焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁を備えた筒内噴
    射式2サイクルエンジンにおいて、上記排気通路内圧力
    を検出する排気圧検知手段を設け、吸気量を制御するス
    ロットル弁の開度を、エンジン負荷が大きいほど大きく
    する一方、上記排気圧検知手段により検出された検出排
    気圧値が運転状態に対応して設定された基準排気圧値よ
    り大きいときは運転状態に対応して設定された基準スロ
    ットル開度より大きくし、上記検出排気圧値が上記基準
    排気圧値より小さいときは上記基準スロットル開度より
    小さくするスロットル開度制御手段を備えたことを特徴
    とする筒内噴射式2サイクルエンジン。
  4. 【請求項4】 請求項3において、上記検出排気圧値が
    上記基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁から
    の燃料噴射量を運転状態に対応して設定された基準燃料
    噴射量より減量し、上記検出排気圧値が上記基準排気圧
    値より小さいときは上記燃料噴射量を上記基準燃料噴射
    量より増量する燃料噴射量制御手段を備えたことを特徴
    とする筒内噴射式2サイクルエンジン。
  5. 【請求項5】 請求項3において、上記検出排気圧値が
    上記基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁から
    の燃料噴射開始時期を運転状態に対応して設定された基
    準燃料噴射開始時期より遅角し、上記検出排気圧値が上
    記基準排気圧値より小さいときは上記燃料噴射開始時期
    を上記基準燃料噴射開始時期より進角する燃料噴射時期
    制御手段を備えたことを特徴とする筒内噴射式2サイク
    ルエンジン。
  6. 【請求項6】 請求項3において、上記検出排気圧値が
    上記基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁から
    の燃料噴射量を上記基準燃料噴射量より減量し、上記検
    出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは上記燃
    料噴射量を上記基準燃料噴射量より増量する燃料噴射量
    制御手段と、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より
    大きいときは上記燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期を
    上記基準燃料噴射開始時期より遅角し、上記検出排気圧
    値が上記基準排気圧値より小さいときは燃料噴射開始時
    期を上記基準燃料噴射開始時期より進角する燃料噴射時
    期制御手段とを備えたことを特徴とする筒内噴射式2サ
    イクルエンジン。
  7. 【請求項7】 シリンダ側壁にクランク室に連通する掃
    気ポート及び排気通路に連通する排気ポートを形成し、
    シリンダヘッドに点火プラグを取り付け、シリンダヘッ
    ド,シリンダボディ,及びピストンにより形成される燃
    焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁を備えた筒内噴
    射式2サイクルエンジンにおいて、上記排気通路に通路
    断面積を可変とする排気制御弁を設け、上記排気通路の
    排気制御弁より下流側の圧力を検出する排気圧検知手段
    を設け、上記排気制御弁の開度を、上記検出排気圧値が
    上記基準排気圧値より大きいときはエンジン負荷に対応
    して設定された基準排気弁開度より大きくし、上記検出
    排気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは上記基準
    排気弁開度より小さくする排気制御弁開度制御手段を備
    えたことを特徴とする筒内噴射式2サイクルエンジン。
  8. 【請求項8】 請求項7において、上記検出排気圧値が
    上記基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁から
    の燃料噴射量を運転状態に対応して設定された基準燃料
    噴射量より減量し、上記検出排気圧値が上記基準排気圧
    値より小さいときは燃料噴射量を基準燃料噴射量より増
    量する燃料噴射量制御手段を備えたことを特徴とする筒
    内噴射式2サイクルエンジン。
  9. 【請求項9】 請求項7において、上記検出排気圧値が
    上記基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁から
    の燃料噴射開始時期を基準燃料噴射開始時期より遅角
    し、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいと
    きは上記燃料噴射開始時期を上記基準燃料噴射開始時期
    より進角する燃料噴射時期制御手段を備えたことを特徴
    とする筒内噴射式2サイクルエンジン。
  10. 【請求項10】 請求項7において、上記排気通路内圧
    力を検出する排気圧検知手段を設け、吸気量を制御する
    スロットル弁の開度を、エンジン負荷が大きいほど大き
    くする一方、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より
    大きいときは基準スロットル開度より大きくし、上記検
    出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは上記基
    準スロットル開度より小さくするスロットル開度制御手
    段を備えたことを特徴とする筒内噴射式2サイクルエン
    ジン。
  11. 【請求項11】 請求項7において、上記検出排気圧値
    が上記基準排気圧値より大きいときは上記燃料噴射弁か
    らの燃料噴射量を上記基準燃料噴射量より減量し、上記
    検出排気圧値が上記基準排気圧値より小さいときは上記
    燃料噴射量を基準燃料噴射量より増量する燃料噴射量制
    御手段と、上記検出排気圧値が上記基準排気圧値より大
    きいときは上記燃料噴射弁からの燃料噴射開始時期を上
    記基準燃料噴射開始時期より遅角し、上記検出排気圧値
    が上記基準排気圧値より小さいときは上記燃料噴射開始
    時期を上記目標燃料噴射開始時期より進角する燃料噴射
    時期制御手段と、吸気量を制御するスロットルの開度
    を、エンジン負荷が大きいほど大きくする一方、上記検
    出排気圧値が上記基準排気圧値より大きいときは上記基
    準スロットル開度より大きくし、上記検出排気圧値が上
    記基準排気圧値より小さいときは上記基準スロットル開
    度より小さくするスロットル開度制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする筒内噴射式2サイクルエンジン。
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CN113202648A (zh) * 2021-04-30 2021-08-03 广西玉柴机器股份有限公司 一种能实现柴油机排气背压闭环控制的策略

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