JPH1068302A - 自己潤滑ベーンエアモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ベーン空気モータの動作中に一定の潤滑を行う
必要のない自己潤滑型のベーンエアモータを提供するこ
とである。 【解決手段】真空含浸多孔性シリンダをベーン形エアモ
ータに用いてシリンダ内で回転するベーンチップに対す
る潤滑の連続的源を与えて、給気内に潤滑剤を分散させ
る必要をなくす。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一般的にはベーンエ
アモータに関し、さらに具体的には動作時に一定の潤滑
を必要としない自己潤滑ベーンエアモータに関する。

【０００２】

【従来の技術】普通のエアモータにおいては、モータの
機能に非常に重要な空気シールがベーンとシリンダの間
の摺動接触によってできる。この接触によって生じる摩
擦は、動力を消費すると共にベーンのへりを迅速に摩耗
させる。ベーンの摩耗はエアモータにおいて最も普通の
故障モードである。摩耗を軽減するために、これらのモ
ータは潤滑されなければならない。これは、普通には油
を給気に導入することによってなされる。しかし、潤滑
剤を給気に加へることは、オイルミストを工具の排気で
スプレーさせるというやっかいな副作用を持っている。
しかしなんの潤滑剤も用いないことは、９５％ほどモー
タの寿命を短くする可能性がある。代表的なベーンモー
タはバーストック又は鋳物などの非多孔性材料でできた
シリンダを用いている。

【０００３】

【発明の解決しようとする課題】前述のことは現在の装
置と方法にあると知られている限界を例示している。従
って、上述の限界の一つ以上を克服するための代替品を
提供することが有益であることは明らかである。それ
故、あとでさらに詳しく説明する特徴を備える適当な代
替品を提供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の一つの面によれ
ば、これはモータハウジングと、モータハウジング内に
配置されたベーン形エアモータと、エアモータ内に配置
されたモータシリンダと、回転の間シリンダに接触して
シリンダとシールを形成する伸縮自在なベーンを有する
ロータとを備え、さらにモータシリンダが潤滑流体を含
浸された多孔性構造材料で作られていることを特徴とす
る自己潤滑ベーンエアモータを提供することによって達
成される。なお、好ましい実施形態においては、モータ
シリンダはさらに追加の油貯蔵能力を備えている。

【０００５】前述及びその他の面は、添付図面と併せて
考慮するとき、発明の以下の詳細な説明から明らかにな
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１を参照すると、本発明による
軌道サンダーが示され、参照数字１によって総括的に表
わされている。サンダーは、ハンドルスタブ３を取付け
られているハウジング２を備えている。ハンドルスタブ
３は、圧力流体又は空気の源（図示なし）からの圧力流
体、例えば空気、を受ける入口５に入る流れを制御する
作動レバ−４を装備している。ハウジング内にはスピン
ドル１２と共に回転するように配置された軌道運動装置
６が配置され、スピンドル１２は、スピンドルが半月形
キー１３を用いてキー止めされているベーンロータ７に
よって回転するように動力を与えられる。

【０００７】ベーンロータ７は、シリンダ１０の内部で
回転し、シリンダ１０は、ハウジング２の中に位置決め
ピン１１を用いて固定されている。シリンダ１０は、さ
らに上側端キャップ１４と下側端キャップ１５を備え
て、シリンダ室３０を形成している（図２参照）。ベー
ンローン７は、ベーン１８を受ける複数のベーンスロッ
ト２８を備え、ベーン１８はベーンスロット２８の内部
で自由に往復運動する。作動レバー４が一たん押される
と、入口５からの空気が種々の内部通路（図示なし）に
よってシリンダ入口１９の方へ向けられる。シリンダ室
に入る空気が伸縮自在なベーンにぶつかって膨張させら
れ、ベーンは回転してベーンロータに動力を与える。膨
張した空気は、排気スロット２９を通して大気へ排出さ
れる。この動作は、ベーンモータ産業において周知であ
る。

【０００８】本発明によれば、モータシリンダ１０は、
例えば、粉末金属などの多孔性構造材料で作られてい
る。さらに、本発明の一つの実施形態によれば、シリン
ダ１０は、油などの潤滑流体を真空含浸させられる。本
発明は、空気モータのシリンダ内に潤滑剤を保持するた
めに多孔性材料を用いる。毛細管作用によって、潤滑剤
は、材料の相互接続された孔を通して分散することにな
る。工具が動作しているとき、シリンダとベーンの間の
界面を横切る圧力降下は、ベーンの近くの多孔性シリン
ダ材料に作用して潤滑剤を半径方向に内側に移動させて
潤滑剤を摩耗面にもってくる。これは一般的に潤滑剤を
給気に加えることなくシリンダの摩擦面における摩擦を
小さくする。

【０００９】図３及び図４に示された本発明の第２の実
施形態においては、多孔性シリンダは、追加の多量の潤
滑流体が真空含浸又は補足の充填手段のいずれかによっ
て中に挿入されてもよい複数の穴２０をシリンダの周辺
に設けられている。図４に示されているように、穴２０
を圧入ボール２２によって閉じてもよい。図５及び６に
示されている実施形態においては、二つの使用者が再充
填できる穴２０′が二つの圧入ボール２３を用いて閉じ
られているのが示されているが、穴は多孔性シリンダ１
０の周辺にあるねじ付穴２４を介して接近できる。ねじ
付穴２４は、内部に又はハウジング２にあるアクセス
（図示なし）を通してのいずれかで多孔性シリンダから
除去される栓２１を用いて閉じられる。取外し可能な栓
２１は、使用者が穴２０′を再充填できるようにして有
効潤滑サイクルを長くする。

【００１０】本発明における多孔性シリンダ１０は、潤
滑剤用の貯蔵媒体として作用すると共に潤滑剤を摩耗面
に送る作用をする。潤滑剤を貯蔵するための多孔性シリ
ンダの容量は、その細孔の体積によって限定される。細
孔の中に貯蔵される潤滑剤の量は、潤滑油の真空含浸に
よって非常に大きくされる。本発明は、さらにこの容量
を増やすための貯蔵室を備えている。これらの貯蔵室
は、シリンダ内にあるめくら穴によって形成されるか又
は代りに、使用者が再充填できるようにする取外し可能
なアクセスクラグを穴に設けてもよい。

【００１１】本発明は、多孔性を達成するために粉末金
属だけを用いるに限定されない。任意の適当な多孔性構
造材料が予想され、本発明は、石油ベースの潤滑剤を用
いることに限定されない。

【００１２】本発明を一つ以上の好ましい実施形態につ
いて説明したが、特許請求の範囲以外の本発明の範囲に
限定されることを望まない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるベーンエアモータを組込んでいる
軌道サンダーの断面図である。

【図２】モータシリンダとベーンロータの端面図であ
る。

【図３】本発明によるモータシリンダの端面図で複数の
潤滑流体貯蔵穴を示している。

【図４】図３によるモータシリンダの側面図である。

【図５】本発明によるモータシリンダの端面図で、貯蔵
穴が潤滑流体を再充填する手段をさらに備えている。

【図６】図５によるモータシリンダの側面図である。

【符号の説明】

１ 軌道サンダー ７ ベーンロータ １０ シリンダ １８ ベーン １９ シリンダ入口 ２０ 穴 ２１ 栓 ２２ ボール ２８ ベーンスロット ３０ シリンダ室

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】モータハウジングと前記ハウジング内に配
   置されたベーン形エアモータと、 前記エアモータ内に配置されたモータシリンダと、 回転の間前記シリンダと接触してシリンダとの間にシー
   ルを形成する伸縮自在なベーンを有するロータとを備
   え、 さらに前記モータシリンダが潤滑流体を含浸された多孔
   性構造材料で製作されていることを特徴とする自己潤滑
   ベーンモータ。
2. 【請求項２】前記モータシリンダが潤滑油を含浸された
   多孔性粉末金属で作られている請求項１に記載の自己潤
   滑ベーンモータ。
3. 【請求項３】前記モータシリンダがさらに追加量の潤滑
   流体を貯蔵する手段を備えている請求項１に記載の自己
   潤滑ベーンモータ。
4. 【請求項４】追加の潤滑流体を貯蔵する前記手段が前記
   モータシリンダ間にある穴からなり、前記穴と別の多孔
   性材料の容量を超える量の潤滑流体で満たされる請求項
   ３に記載の自己潤滑ベーンモータ。
5. 【請求項５】追加の潤滑流体を貯蔵する前記手段が前記
   モータシリンダの周辺に配置された複数の穴から成る請
   求項４に記載の自己潤滑ベーンモータ。
6. 【請求項６】前記穴が前記モータシリンダ内に納められ
   ている請求項４に記載の自己潤滑ベーンモータ。
7. 【請求項７】前記穴がさらに使用者が潤滑剤を入れ直し
   できるようにするために取外し可能な栓をさらに備えて
   いる請求項４に記載の自己潤滑ベーンモータ。
8. 【請求項８】前記モータシリンダが潤滑流体を真空含浸
   されている請求項１に記載の自己潤滑ベーンモータ。