JPH1067070A - 潤滑被覆処理された亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 - Google Patents

潤滑被覆処理された亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板

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JPH1067070A
JPH1067070A JP22883996A JP22883996A JPH1067070A JP H1067070 A JPH1067070 A JP H1067070A JP 22883996 A JP22883996 A JP 22883996A JP 22883996 A JP22883996 A JP 22883996A JP H1067070 A JPH1067070 A JP H1067070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上塗り塗料との密着性に優れる他、成形加工
性(潤滑性)や耐黒変性、耐食性などの製品特性にも優
れる潤滑被覆処理された亜鉛−アルミニウム合金めっき
鋼板を提供すること。 【解決手段】 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の少
なくとも一方の表面に、固形分換算で30〜95重量%のア
クリル−スチレン系樹脂と5〜70重量%のポリウレタン
系樹脂を含む混合樹脂の層が、 0.5〜4μmの厚みで被
覆形成されてなるめっき鋼板であって、前記混合樹脂の
層はクロム化合物を含有し、前記アクリル−スチレン系
樹脂は、酸価が10未満でかつガラス転移点が30〜60℃の
範囲にあることを特徴とする潤滑被覆処理された亜鉛−
アルミニウム合金めっき鋼板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、潤滑被覆処理さ
れた亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に関し、とく
に、上塗り塗料との密着性に優れる他、亜鉛−アルミニ
ウム合金めっき鋼板に要求される諸性能、例えば、ロー
ル成形性、耐黒変性、耐食性にも優れる亜鉛−アルミニ
ウム合金めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、
特に耐食性に優れることから、最近、屋根材や壁材など
の建築部材、防音壁などの土木部材、自動車や家電製
品、産業機器などの材料として、幅広い分野において普
及しつつある。しかしながら、亜鉛−アルミニウム合金
めっき鋼板は、そのめっき層にアルミニウムが配合され
ているために、溶融亜鉛めっき鋼板などに比べて硬度が
高い。そのため、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板
は、ロール成形やプレス成形などの加工を行うと、めっ
き鋼板と成形ロールやプレス金型との間の潤滑性が悪
く、めっき層が破壊されることがある。こうしてめっき
層が破壊されると、破壊によって生じためっき粉が成形
ロールやプレス金型に付着し、成形品に疵を与えて外観
を損なうばかりか、該疵部分から発錆し、製品の耐久性
を著しく低下させることになった。
【0003】そこで従来はこのような現象を避けるため
に、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板を成形加工する
に当たって、めっき層表面、あるいはめっき層と接触す
る成形ロールやプレス金型の表面に、潤滑油を塗布する
ことにより、めっき鋼板と成形ロールやプレス金型との
間に潤滑性を付与するようにしていた。しかしながら、
めっき鋼板表面に潤滑油を塗布すると、例えば、屋根材
などとして使用する場合には施工時に作業者が潤滑油で
足を滑らせる危険性があり、さらに、成形加工後に上塗
り塗装を施す場合には潤滑油をめっき鋼板表面から完全
に除去する必要があるなど、多くの不都合があった。そ
のため現在では、めっき鋼板表面に潤滑油を塗布する代
わりに、めっき鋼板表面に潤滑性を有する樹脂被膜を被
成する潤滑処理が主流となりつつある。
【0004】一方で、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼
板は、大気中や湿潤環境下で保管されると、錆が発生
し、金属光沢が失われて灰黒色の外観となり、商品価値
を著しく低下させるという特有の欠点があった。そのた
め、耐食性を改善する目的で、亜鉛−アルミニウム合金
めっき鋼板の表面には、溶融亜鉛めっき鋼板の場合と同
様に、クロメート処理が施されることが多い。しかしな
がら、クロメート処理された上記めっき鋼板は、成形加
工時に水溶性の潤滑油で潤滑処理されると、クロメート
の溶出による汚染を招くという問題があった。
【0005】そこで最近では、めっき鋼板表面に、クロ
メート処理することなく、潤滑性がありかつ耐食性に優
れ、さらには塗装下地ともなる樹脂層を被覆形成してな
る亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板が強く求められる
ようになった。これに対し従来、成形加工時の潤滑性の
付与および発錆の抑制を目的とした潤滑被覆処理技術と
して、潤滑性を有する樹脂中にクロム化合物を配合した
樹脂被膜をめっき鋼板表面に被成する方法が提案されて
いる。
【0006】例えば、 .特公平1−53353 号公報には、めっき鋼板の表面
に、クロム酸および/またはクロム酸塩と水溶性樹脂お
よび/またはエマルジョン樹脂を含有する水溶液を塗布
し乾燥して、皮膜中のクロム含有量が5〜50mg/cm3
樹脂皮膜を形成する後処理法が提案されている。 .特公平4−2672号公報には、めっき鋼板の表面に、
酸価が10〜200 の水分散性あるいは水溶性の樹脂に樹脂
固形分に対して重量比で1/500 〜1/10の6価クロム
を配合した樹脂組成物を塗布する表面処理方法が提案さ
れている。 .特開平6−146001号公報には、ガラス転移点の異な
る1種または2種以上の水分散性もしくは水溶性のポリ
エステル系樹脂またはポリウレタン系樹脂に、クロム化
合物を酸化クロム換算で 0.1〜5%配合した樹脂組成物
と、この樹脂組成物によって処理されためっき鋼板が提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの先行技術によ
れば、確かに、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板をロ
ール成形などによって加工する際の潤滑性能や耐黒変
性、耐食性などについて改善することができる。しかし
ながら、上述した先行技術はいずれも、亜鉛−アルミニ
ウム合金めっき鋼板と上塗り塗料との密着性が、依然と
して満足できる水準に達しておらず、潤滑処理剤の組成
に起因する上塗り塗料の剥離という問題があった。
【0008】この発明の目的は、上塗り塗料との密着性
に優れる他、成形加工性(潤滑性)や耐黒変性、耐食性
などの製品特性にも優れる潤滑被覆処理された亜鉛−ア
ルミニウム合金めっき鋼板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の目的
実現に向け鋭意研究を行った。その結果、潤滑被覆樹脂
として長期安定性を考慮した低酸価のアクリル−スチレ
ン系樹脂を用い、このアクリル−スチレン系樹脂のガラ
ス転移点を所定の範囲に規定し、さらに、特定のポリウ
レタン系樹脂を混合することによって、上塗り塗料との
密着性を大きく改善でき、同時に成形加工性にも良好
な、潤滑被覆処理された亜鉛−アルミニウム合金めっき
鋼板が得られることを新たに知見した。また、比較的少
ないクロム配合量によって、耐食性などの製品特性をも
満足できることがわかった。
【0010】この発明の潤滑被覆処理された亜鉛−アル
ミニウム合金めっき鋼板は、上述した知見に基づいてな
されたものであり、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板
の少なくとも一方の表面に、固形分換算で30〜95重量%
のアクリル−スチレン系樹脂と5〜70重量%のポリウレ
タン系樹脂を含む混合樹脂の層が、 0.5〜4μmの厚み
で被覆形成されてなるめっき鋼板であって、前記混合樹
脂の層はクロム化合物を含有し、前記アクリル−スチレ
ン系樹脂は、酸価が10未満でかつガラス転移点が30〜60
℃の範囲にあることを特徴とする。なお、前記クロム化
合物は、前記混合樹脂に対して、クロム換算で0.05〜3
重量%含有することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の潤滑被覆処理された亜
鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、めっき鋼板の表面
に被覆形成する潤滑被覆樹脂層に関し、その潤滑被覆樹
脂層を構成する樹脂の種類とその配合割合を規定した点
と、クロム化合物の配合をコントロールした点に特徴が
ある。これにより、上塗り塗料との密着性を十分に高め
ることができる他、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板
に要求される諸性能、例えばロール成形性(潤滑性)や
耐黒変性、耐食性も大きく向上させることができる。
【0012】このように、この発明に従った潤滑被覆樹
脂層の構成によれば、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼
板は、上塗り塗料との密着性に優れる他、成形加工性
(潤滑性)や耐食性などにも優れるものとなる。この理
由は、明らかではないが、発明者らは、低酸価で特定範
囲のガラス転移点をもったアクリル−スチレン系樹脂
と、上塗り塗料との密着性の良好なウレタン結合を有す
るポリウレタン系樹脂とを組合せた混合樹脂を適正量で
配合することにより、両者の特長であるロール成形性と
上塗り塗料密着性が好適に作用したものと考えている。
【0013】以下、この発明にかかる亜鉛−アルミニウ
ム合金めっき鋼板の構成を詳細に説明する。この発明に
おいて、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板には、めっ
き層が、亜鉛をベースとする5%Al−Zn系や8%Al−Zn
系、15%Al−Zn系などのAl−Zn合金系のものと、アルミ
ニウムをベースとする55%Al−Zn系や75%Al−Zn系など
のAl−Zn合金系のものが例示される。しかし、この発明
を構成する亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、これ
らの合金系のめっき層に限定されず、めっき層が亜鉛と
アルミニウムを主成分としている合金めっき鋼板のすべ
てが該当する。例えば、亜鉛−アルミニウム合金中に、
MgやMn,Si,Ti,Ni,Co,Mo,Pb, Sn, Cr,La, Ce, Y,
Nb などを添加したものでも適用可能である。また、該
めっき鋼板の形状は、コイル状、切り板シート状のいず
れであってもよい。
【0014】この発明において、潤滑被覆樹脂を構成す
る主成分樹脂としてアクリル−スチレン系樹脂を用い
る。この理由は、アクリル−スチレン系樹脂は、耐候
性、耐水性に優れるので長期安定性に有利だからであ
る。ここで、アクリル−スチレン系樹脂とは、アクリル
系単量体とスチレン系単量体を分子中に含有する共重合
体の樹脂を意味する。これらの単量体うち、アクリル系
単量体としては、ブチルアクリレートやエチルアクリ
レート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタアクリ
ロニトリル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、カ
ルビトールアクリレートなどの1官能のアクリル単量
体、アクリル酸エステルや 1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート、 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、エチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ペンタエリストールジアクリレートなどの2官能の
アクリル酸エステル、トリメチロ一ルプロパントリア
クリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ベンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロール
メタンテトラアクリレートなどの3官能のアクリル酸エ
ステルなどが例示される。一方、スチレン系単量体とし
ては、α−メチルスチレンやスチレン、p−メトキシス
チレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレンなど
が例示される。
【0015】なお、このようなアクリル−スチレン系樹
脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであっても
よい。また、アクリル−スチレン系樹脂は、水あるいは
有機溶剤を媒体とした塗料としてめっき鋼板表面に塗布
することができ、なかでもエマルジョン型のアクリル−
スチレン系樹脂が好適に用いられる。
【0016】この発明において、潤滑被覆樹脂を構成す
る上記アクリル−スチレン系樹脂は、酸価が10未満、よ
り好ましくは2以下であることが必要である。アクリル
−スチレン系樹脂の酸価が10以上であると、アクリル−
スチレン系樹脂の長期安定性が低下するおそれがあるか
らである。
【0017】この発明において、潤滑被覆樹脂を構成す
る上記アクリル−スチレン系樹脂は、そのガラス転移点
が30〜60℃の範囲内にあることが必要である。一般に、
ロール成形やプレス成形によって樹脂層が磨耗や摩擦を
受けると、樹脂層の温度は上昇し、特に、成形時の鋼板
の引込速度が高いほど樹脂層の温度は上昇する。この発
明にかかる潤滑被覆処理された亜鉛−アルミニウム合金
めっき鋼板は、屋根材などのように成形加工の形状が比
較的緩やかな用途に多く用いられるために、成形加工時
の引込速度が比較的遅く、樹脂層の温度上昇は小さい。
その結果、成形加工時の樹脂層の温度は、気温の変化を
考慮すると概ね25〜45℃の範囲となる。そこで、めっき
鋼板の成形加工性(潤滑性)に大きく影響を与える潤滑
被覆樹脂のガラス転移点を考慮し、この発明では、成形
加工時に樹脂層が最も滑り、かつ磨耗や摩擦によって樹
脂層が損傷を受けないようにするために、樹脂がゴム状
に転移する温度、即ち、ガラス転移点を、成形加工時の
樹脂層の温度よりも5〜15℃程度高い温度に設定した。
つまり、潤滑被覆樹脂を構成する上記アクリル−スチレ
ン系樹脂のガラス転移点を30〜60℃の範囲内に限定する
ことで、極めて優れた成形加工性を実現したのである。
【0018】要するに、潤滑被覆樹脂を構成する上記ア
クリル−スチレン系樹脂のガラス転移点が30℃未満であ
ると、比較的良好な成形加工性を有するものの、成形時
に樹脂層が押し潰され、めっき面に疵が発生することが
ある。また、被覆鋼板どうしを積層するとブロッキング
が生じることがある。一方、ガラス転移点が60℃を超え
ると、めっき面の損傷は抑制されるものの、成形加工に
よる鋼板の変形や伸びに樹脂層が追随できず、樹脂層に
微細な割れや剥離などが生じることがある。いずれの場
合においても、めっき面の露出や損傷によって、亜鉛−
アルミニウム合金めっき鋼板の耐食性などの低下を招く
ことから、この発明にかかる上記アクリル−スチレン系
樹脂のガラス転移点は30〜60℃の範囲内にあることが必
要である。
【0019】この発明において、潤滑被覆樹脂として
は、上記アクリル−スチレン系樹脂に対してポリウレタ
ン系樹脂を添加配合した混合樹脂を用いる。この理由
は、潤滑被覆樹脂と上塗り塗料との密着性向上にポリウ
レタン樹脂が補強効果を発揮するからである。この混合
樹脂は、固形分換算で30〜95重量%、好ましくは40〜80
重量%のアクリル−スチレン系樹脂と5〜70重量%、好
ましくは20〜60重量%のポリウレタン系樹脂を含む。こ
の理由は、ポリウレタン系樹脂の配合量が5%に満たな
いと、上塗り塗料との密着性や耐食性、耐黒変性などの
改善効果に乏しく、一方、ポリウレタン系樹脂の配合量
が70%を超えると、加工性の低下を招くからである。
【0020】ここで、上記ポリウレタン系樹脂とは、多
イソシアネートと多アルコール(以下、ポリオールとい
う)とがウレタン結合を繰り返すことによって得られる
高分子化合物を意味し、架橋構造体のウレタンエラスト
マーを水中に分散させた水系ウレタン樹脂である。上記
多イソシアネートとしては、p−フェニレンジイソシ
アネートや 2,4−トルイレンジイソシアネート、 4,4−
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリイソシアネー
ト、キリレンジイソシアネート、ナフタリン 1,5−ジイ
ソシアネート、ポリメチレンフェニルイソシアネートな
どの芳香族多イソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネートやリジン・ジイソシアネート、キリレンジイ
ソシアネート、水素添加トルイレンジイソシアネート、
水素添加メチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
・ジメチルメタンp,p′−ジイソシアネート、ジエチ
ルフマレートジイソシアネートなどの非黄変性多イソシ
アネートなどが例示される。特に、耐候性への効果を考
慮すると非黄変性の多イソシアネートが好適である。一
方、上記ポリオールとしては、エチレングリコールや
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコールなどのジオール類、グリセリンやト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、 1,2,6
−ヘキサントリオールなどの単一ポリオール型、アジ
ピン酸やセバチン酸、マレイン酸、ダイマー酸などのジ
カルボン酸にエチレングリコールやプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリメチロールプロパンなど
多価アルコールを縮合し末瑞を水酸基としもの、重合
ラクトングリコールエステルやヒマシ油などのポリエス
テル型、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイ
ド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキサイドを
開環重合するか、またはグリセリンやトリメチロールプ
ロパンなどの多価アルコールに付加したポリエーテル
型、上記のポリエステル型とポリエーテル型の複合型
などが例示される。特に、上塗り塗料との密着性への効
果を考慮するとエーテル型が好適である。
【0021】このような水系ウレタン樹脂は、アクリル
ースチレン系樹脂との相溶性、ならびに高い成形加工性
を発現させるという観点から、そのガラス転移点を30〜
60℃の範囲内に設定することが望ましい。
【0022】この発明において、アクリル−スチレン系
樹脂とポリウレタン系樹脂を含む混合樹脂の層は、その
被覆厚みを 0.5〜4μmの範囲内とする。この理由は、
被覆厚みが 0.5μm未満では、亜鉛−アルミニウム合金
めっき鋼板表面の凹凸に起因して、均一な膜厚で被覆す
ることが困難となり、薄膜部において、潤滑性や耐食性
などが低い水準となり、一方、被覆厚みが4μmを超え
ると、溶接性やはんだ付け性などが低下することがある
からである。
【0023】この発明において、潤滑被覆樹脂を構成す
るアクリル−スチレン系樹脂とポリウレタン系樹脂を含
む上記混合樹脂は、クロム化合物を含有する。上記混合
樹脂中に配合するクロム化合物は特に規定はしないが、
六価クロム化合物として配合する場合には、無水クロム
酸やストロンチウムクロメート、ジンククロメート、ク
ロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム、重クロム酸カリ
ウム、クロム酸カルシウム、クロム酸ストロンチウム、
クロム酸アンモニウム、重クロム酸アンモニウムなどが
例示される。
【0024】クロム化合物の含有量は、上記混合樹脂に
対してクロム換算で0.05〜3重量%より好ましくは 0.1
〜1.5 重量%の範囲内とすることが好ましい。この理由
は、クロム化合物の含有量が3重量%を超えると、混合
液が不安定で長期安定性に欠けると共に、製品を長期間
使用する上で、クロムの溶出による環境汚染を招くおそ
れがある。一方、この発明では、アクリル−スチレン系
樹脂とポリウレタン系樹脂からなる混合樹脂を潤滑被覆
用樹脂に採用しているので、0.05重量%以上という比較
的少量のクロム配合量で耐食性を満足することができる
からである。
【0025】次に、この発明の潤滑被覆処理された亜鉛
−アルミニウム合金めっき鋼板を得るための一製造方法
を具体的に例示する。すなわち、まず、必須成分である
アクリル−スチレン系樹脂とポリウレタン系樹脂の混合
樹脂のエマルジョン塗料中に、6価クロム塩を予め配合
した水系塗料を調製する。次に、この水系塗料を、表面
の油脂やほこりなどの汚れを除去した亜鉛−アルミニウ
ム合金めっき鋼板の少なくとも一方の表面に塗布し、乾
燥し、焼き付けを施すことにより、造膜させ、前記亜鉛
−アルミニウム合金めっき鋼板表面に潤滑被覆樹脂層を
被覆形成する。なお、めっき鋼板表面への塗料の塗布
は、浸漬やスプレー、はけ塗り、ロールコーター、エア
ーナイフ、静電塗布などの従来既知の方法が使用でき
る。この塗布は、めっき鋼板の片面と両面のいずれに施
してもよい。また、塗布した塗料の乾燥、焼き付けは、
熱風乾燥装置や遠赤外加熱装置、誘導加熱装置などを用
いて加熱することができる。
【0026】このようにして得られる上記潤滑被覆樹脂
層には、発明の目的を損なわない範囲内で、他の樹脂や
フィラー、界面活性剤、消泡剤、ワックス粒子などを配
合することができる。また、従来、塗料用の添加剤とし
て慣用されている添加成分、例えば、チタン白や酸化
鉄、カーボンブラックなどの着色顔料、炭酸カルシウム
などの体質顔料、紫外線吸収剤、擦り傷防止剤、防かび
剤、抗菌剤、酸化防止剤、帯電防止剤などを添加するこ
とができる。また、上記潤滑被覆樹脂層を得るための塗
料には、公知の添加剤として、レベリング剤や消泡剤、
分散剤、はじき防止剤、色分かれ防止剤、沈降防止剤、
界面活性剤などを必要に応じて配合することもできる。
【0027】
【実施例】55%Al−Zn合金めっき鋼板の表面に、表
1に示す成分組成を有する潤滑被覆樹脂を含む塗料を塗
布、乾操して各種の潤滑披覆処埋された亜鉛−アルミニ
ウム合金めっき鋼板を得た。このようにして潤滑被覆処
理された鋼板に関し、各種性能試験を行い、その結果を
表1に併せて示す。
【0028】潤滑被覆処理された鋼板について、まず以
下の試験を行った。 [上塗り塗料との密着性試験]一次評価として、試験片
にアクリル系常温乾燥型塗料 (アクライトNo.500, 日本
油脂製) を膜厚が50μmになるように塗布し、室温で48
時間乾燥させた後に、碁盤目セロテープ剥離試験を行っ
た。碁盤目セロテープ剥離試験は、試験片の塗布面にカ
ッターナイフを用いて1mm角の傷を100 個与え、セロハ
ンテープを圧着し、剥離した場合に残存する塗膜の数で
評価した。また、二次評価として、アクリル系常温乾燥
型塗料を塗布し、乾燥したのち、沸騰水中に2時間浸漬
させた後の碁盤目セロテープ剥離試験を同様に行った。 ◎:全く異常なし ○:碁盤目剥離後の残存個数が90個以上 △:碁盤目剥離後の残存個数が60個〜89個 ×:碁盤目剥離後の残存個数が60個以下 *:塗膜にブリスターが見られる
【0029】潤滑被覆処理された鋼板を加工速度毎分30
m相当でロール成形し、直角に折り曲げられた部分につ
いて以下の試験を行った。 [ロール成形試験]ロール成形後の折り曲げ部分のメタ
ルマークの有無を以下の基準で評価した。 ○:全く異常なし △:折り曲げ部の一部にメタルマーク発生 ×:折り曲げ部の全域にメタルマーク発生 [耐黒変性試験]深絞り試験機にて直径5cmで深さ5mm
の円筒絞りをした試験片を、蒸留水を張ったデシケータ
ー中に重ね合わせ、20℃で7日間暴露浸漬し、塗布表面
の変色の度合いを以下の基準で評価した。 ○:全く異常なし △:円筒部の一部に黒点が見られる ×:円筒部の全面に黒点が見られる [耐食性試験]JIS Z 2371に準拠して、5%食塩水、温
度35℃で 240時間の塩水噴霧試験をおこない、試験後の
白錆発生状態を以下の基準で評価した。 ○:全く異常なし △:折り曲げ部の一部に白錆発生 ×:折り曲げ部の全域に白錆発生
【0030】
【表1】
【0031】表1に示す結果から明らかなように、この
発明の潤滑被覆処理された亜鉛−アルミニウム合金めっ
き鋼板は、潤滑被覆樹脂層において、アクリルースチレ
ン系樹脂とポリウレタン系樹脂を適正量で配合している
ので、上塗り塗料との密着性に優れ、かつ少ないクロム
配合量でロール成形性(潤滑性)や耐黒変性、耐食性な
どの諸性能をも満足する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
従来技術に比較して、上塗り塗料との密着性に優れるの
はもちろんのこと、成形加工性(潤滑性)や耐黒変性、
耐食性にも優れる潤滑被覆処理された亜鉛−アルミニウ
ム合金めっき鋼板を提供することができる。これによ
り、複雑な成形加工も可能になることから、亜鉛−アル
ミニウム合金めっき鋼板独特の外観意匠を生かした建材
内外装分野に有利に適用することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 22/28 C23C 22/28

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の少
    なくとも一方の表面に、固形分換算で30〜95重量%のア
    クリル−スチレン系樹脂と5〜70重量%のポリウレタン
    系樹脂を含む混合樹脂の層が、 0.5〜4μmの厚みで被
    覆形成されてなるめっき鋼板であって、前記混合樹脂の
    層はクロム化合物を含有し、前記アクリル−スチレン系
    樹脂は、酸価が10未満でかつガラス転移点が30〜60℃の
    範囲にあることを特徴とする潤滑被覆処理された亜鉛−
    アルミニウム合金めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 前記クロム化合物は、前記混合樹脂に対
    して、クロム換算で0.05〜3重量%含有することを特徴
    とする請求項1記載の亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼
    板。
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