JPH1066737A - 固定式防煙壁 - Google Patents

固定式防煙壁

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JPH1066737A
JPH1066737A JP22708496A JP22708496A JPH1066737A JP H1066737 A JPH1066737 A JP H1066737A JP 22708496 A JP22708496 A JP 22708496A JP 22708496 A JP22708496 A JP 22708496A JP H1066737 A JPH1066737 A JP H1066737A
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Hiroshi Kojima
浩士 小島
Satoshi Wakui
智 和久井
Noburo Tsubouchi
信朗 坪内
Yuji Shinobu
裕司 忍
Hiroshi Takahashi
拡 高橋
Shinya Igarashi
信哉 五十嵐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】板ガラスの面外方向の地震に対して耐震性に優
れた固定式防煙壁の提供。 【解決手段】固定式防煙壁の板ガラス1が壁面8と接す
る端部を、端部吊り金具3を用いてフレーム4に吊り下
げ、端部吊り金具3を中空部72と発泡部73とを有す
る端部ガスケット7でカバーして、板ガラス1と壁面8
との縁を切る。板ガラス1と端部吊り金具3とが接する
部分には敷きゴム22、側端部保護ゴム23、側部保護
ゴム24を介在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物内に設置さ
れる固定式防煙壁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築基準法で規定される劇場
やホテルなどの特定建築物では、延べ床面積500m2
毎に防煙区画を設け、排煙口を設けなければならない。
室内を間仕切りなどの壁面で区画できる場合には必要な
いが、室内を連続した大空間とする場合には、一般的に
は、天井壁面より下方に50cm以上突き出した防煙壁
(防煙垂れ壁ともいう)で区画する必要がある。
【0003】防煙壁としては、空間の連続性及び不燃材
である必要性の観点からガラス製の固定式防煙壁(以
下、単に防煙壁ともいう)が多用されている。現在は、
煙感知器と連動した可動式防煙壁も商品化されている
が、経済性の点から敬遠され、特殊な用途以外は用いら
れていないのが実状である。
【0004】ガラス製の固定式防煙壁の一般的な構成
は、天井下地工事直後に、天井下地をなす野縁に金属製
のハンガーを用いて金属製のフレームを取り付けるもの
である。金属製のフレームにはアルミニウム合金製押出
し品又は金属製曲げ加工品を用いることが多い。金属製
のフレームの取り付け後、天井ボード工事が行われ、パ
ネル材としての板ガラスの取り付け工事となる。
【0005】板ガラスの取り付け工事は、まず、金属製
のフレームに吊り金具をセットすることから始まる。取
り付け方法はメーカーによって若干の差が認められる。
タップ加工された部品をフレーム内の溝にセットし、そ
の部品のネジ加工された吊り金物を装着する方法や、上
部の吊り元を施工時に90度回転することで固定する方
法も知られている。
【0006】板ガラスは、こうして取り付けられた吊り
金具に自重で支持される。例えば、吊り金具の下端部は
板ガラスを保持するための溝部を有する略U字形状をし
ており、板ガラスは、上枠と下枠に溝を有する枠を用
い、板ガラスなどのパネル材の上側をまず上枠の溝に嵌
め込み、次にパネル材の下側を下枠の溝に嵌め落として
建て込むケンドン方式で取り付けられている。
【0007】上部のフレームと板ガラスとの隙間には、
煙が逃げないように、防煙ゴム又はシーリング材が施工
される。同様に板ガラスと板ガラスの間の目地部にもシ
ーリング材が施工される。
【0008】こうした防煙壁は端部では必ず建築壁面と
接することになるが、一般部と同様に吊り金具を設け、
板ガラスと吊り金具の間隙部及び吊り金具と壁面との隙
間部にはシーリングをすることが一般的であった。
【0009】図9〜13は従来例を示す。断面略コ字状
の野縁10と呼ばれる部材が格子状に組み合わされて天
井下地が構成されている。野縁10に対して、ハンガー
92と蝶ネジ93で吊りボルト9を固定する。この吊り
ボルト9と固定ナット91でフレーム4を取り付ける。
フレーム4の寸法が不足する場合は、フレーム繋ぎ材4
1と繋ぎ用ビス42でフレームを連結する。次に、吊り
金具2をフレーム4の下部から挿入し、90度反転させ
ることで吊り金具2をフレーム4に固定する。
【0010】パネル材としての板ガラス1を吊る吊り金
具2は、フレーム4に取り付けられる吊り元25と、板
ガラス1を保持するために断面が略U字形状をしている
受け金具としてのガラス受け金具21と、両者をつなぐ
金属製の棒状連結部27の3部品で構成されている。棒
状連結部27は下端部に雄ネジ部29を有し、また雄ネ
ジ部29にネジ止めされている袋ナット状部材28を有
する。ガラス受け金具21は袋ナット状部材28に取り
付けられている。
【0011】ケンドン方式で、板ガラス1を吊り金具2
の下部のガラス受け金具21に乗せてセットする。フレ
ーム4と板ガラス1との間には、防煙ゴム5又はシーリ
ング材が施工される。同様に、板ガラス1と板ガラス1
との間の目地も弾性のシーリング材11が施工される。
板ガラスがセットされた後、化粧カバー6をはめ込み工
事完了となる。
【0012】壁面端部には、一方向のみにガラス受け金
具を有する端部吊り金具3がセットされ、板ガラス1と
端部吊り金具3との間隙及び端部吊り金具3と壁面(図
示を省略)との目地部にも弾性のシーリング材(図示を
省略)が施工される。
【0013】図14に示すように、壁面端部においては
施工を容易にするためにガラス自重を支持するための吊
り金具を用いず、壁面取り付け型であるL字型金物12
を壁8の壁面側にビスなどを用いて取り付けて、L字型
金物12により板ガラス1の下部を支持し、間隙部を弾
性のシーリング材で施工する構法が採用されている。
【0014】かかる固定式防煙壁は、火災時の煙の流れ
を一時的に遮り避難するための時間を作るためのもので
あり、その地震時の耐震性に関してはあまり検討されて
いなかった。
【0015】阪神大震災を契機としてその耐震性の見直
しを実施したところ、地震時に最も破損しやすいのは壁
面と接する防煙壁の端部であることがわかったが、その
理由は、板ガラスが壁面と接する部分では、地震時に建
築物が変形して生じる層間変位の影響が顕著であるため
と推測される。
【0016】防煙壁を設置するにあたり、従来は面外方
向の地震力に対しては全く配慮していなかったが、防煙
壁は、天井面のフレームを取り付けフレームから吊り金
具でガラスを支持するものなので、面外方向の地震力を
受けると板ガラスは吊り金具の吊り元を中心として振り
子状の回転運動を起こす。
【0017】壁面と接する部分では、壁面側に固定され
た略L字型のガラス取り付け部品にガラスを支持する場
合もあるが、この場合は、通常の部分は天井から吊り下
げられているため天井と同じ動きとなり、一方、略L字
部品は、壁面に固定されているので壁面と同じ動きとな
る。天井は床スラブから吊り下げられた構造であるた
め、壁面部との動きは当然異なる。したがって、端部の
ガラスパネルでは、天井の動きと壁面の動きの違いを直
接受け、かつ、振り子状運動を拘束されるので、応力が
発生し、ガラスの許容応力を超えた場合、ガラスパネル
が破損する危険性が大きかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前述のガラスパネルが
破損しやすい問題を回避するためには、壁面端部のディ
テールの修正が必要であり、壁面端部においても必ず天
井側から吊り下げる施工方法をとり、弾性緩衝材を介し
て端部と壁面との縁を切ることが重要となる。
【0019】壁面とガラスパネル端面との界面を直接シ
ーリング材で施工することは、壁面の影響を少なからず
受けることになり、振り子状運動を拘束することにもな
るので、避ける方がよい。
【0020】面外方向に地震力・加速度によりガラスパ
ネルにどの程度の応力が発生するのかについては、建築
物の固有特性、地盤特性や、支持方法などの影響もあり
明確ではないが、ガラスパネルと壁面とが接する部分に
強い力が加わることが想定されるので、受け金具部も面
外力に対して機能するように弾性体を設置し、ガラスに
与える応力の低減を図ることが必要である。
【0021】以上述べたように、本発明は、耐震性能に
優れた固定式防煙壁の提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数枚のパネ
ル材が天井面の下方に連続して突出するようにして取り
付けられて防煙壁が形成されてなる固定式防煙壁におい
て、壁面の側端部側に配されたパネル材は、建築物の壁
面に固定せずに前記パネル材と建築物の壁面との間隙に
弾性緩衝材を介在させて前記パネル材と建築物の壁面と
を当接状態となしたことを特徴とする固定式防煙壁を提
供する。
【0023】
【発明の実施の形態】パネル材はパネル材の上端部に設
けられたフレームにより支持されていて、かつ、側端部
に配されたパネル材は、パネル材の側端面部と壁面との
間の目地部に位置しフレームに固定されている略L字型
の端部吊り金具によりパネル材の下端部が支持され、中
央部に配されたパネル材は隣り合うパネル材の目地部に
位置しフレームに固定されている略T字型の吊り金具に
よりパネル材の下端部が支持されていることが好まし
い。パネル材としては、線入り板ガラスや網入り板ガラ
スなどの板ガラスが好適に用いられる。以下、パネル材
として板ガラスを例にとって説明する。
【0024】弾性緩衝材は、例えば、単なるゴム成形
体、発泡部を有するゴム成形体、芯部もしくは周辺内部
に中空部を有するゴム成形体、又はこれらを組合せてな
るゴム成形体が最適である。
【0025】前記吊り金具は、例えば、吊り元と棒状連
結部と受け金具よりなっていて、受け金具にはパネル材
を支持するための溝部を有しており、溝部がパネル材と
接する部分には敷きゴムと側端部保護ゴムとが設けら
れ、袋ナット状部材がパネル材と接する部分には側部保
護ゴムが設けられている。
【0026】固定式防煙壁がその平面形状において、略
L字型、略T字型、又は十字型のコーナー部を形成する
とき、該コーナー部をなす板ガラスとこれに隣接する板
ガラスとの間に設けられた吊り金具は、片側吊り支持方
式の吊り金具による左右一対の二股構造吊り金具が適当
であり、さらにこれら吊り金具はそれぞれ面外方向への
回転を可能とする構造のものが好ましい。
【0027】前述の面外方向の加速度の影響により生じ
る板ガラスの発生応力を軽減するために、前記吊り金具
は、その板ガラス受け金具に板ガラスを支持するための
溝部分を有しており、板ガラスと接する前記溝部分には
下部及び両側面部に弾性ゴム部を有していることがより
好ましい。
【0028】壁面の側端部側に配された板ガラスは、直
接建築物の壁面に固定せずに前記板ガラスと建築物の壁
面との間隙に弾性緩衝材を介在させ、前記板ガラスと建
築物の壁面とを弾性緩衝材を介し当接状態とされている
ので、壁面と当接する板ガラスの端部に設けられた弾性
緩衝材は、層間変位を吸収するとともに、壁面に生じた
面外力が板ガラスに伝達されるのを防止できる。
【0029】板ガラス間に設けられた吊り金具の板ガラ
スを支持する略U字型の溝内部側面に設けられる弾性緩
衝材は、面外力によって板ガラスが振り子状の回転運動
をした際、受け金具と板ガラスが直接的に接触すること
を防止し、板ガラスが破損することを防ぐ。
【0030】また、板ガラスが連続して防煙壁を構成す
る場合、建築物の平面計画に応じて、防煙壁が平面形状
で略L字型、略T字型、略十字型を形成する場合もある
が、こうしたコーナー部では、それぞれの方向からの板
ガラスの面外方向の振り子状運動を可能とはできない。
【0031】本発明では、コーナー部の板ガラスは振り
子状回転運動を起こさないが、コーナー部と隣接する板
ガラスとの目地部で、それぞれの板ガラスを別々に吊
り、かつ、両者を弾性ゴム成形体又は非接着の弾性シー
リング材等の弾性緩衝材で施工することで、直線状の防
煙壁部分は振り子状運動を可能としている。
【0032】
【実施例】
[第1実施例]図1、図2及び図4により、本発明の固
定式防煙壁の第1実施例の側端部を説明する。天井下地
の部分の施工から吊りボルトの部分の施工までの構成は
従来技術と同様である。
【0033】本実施例においては端部吊り金具3に、弾
性緩衝材としての端部ガスケット7を嵌合させて壁面と
縁を切る構成となっている。ガラス受け金具21の内部
には敷きゴム22と側端部保護ゴム23とを、袋ナット
状部材28には側部保護ゴム24を、設けている。
【0034】端部ガスケット7の幅寸法Dは、設計条件
の層間変位量によるが、大きければ、性能上好ましいが
意匠性が低下するので、10〜30cm程度が好適に使
用される。
【0035】端部ガスケット7は、壁面の不陸や地震に
よる層間変位を容易に吸収するため、壁面側に発泡体部
73を、中央部に中空部72を、板ガラス側にソリッド
部71を有する構造のゴム成形体となっている。
【0036】ソリッド部71には、ソリッド部の端面に
板ガラス1の側部を挟持するための断面略コ字形状部7
5が、ソリッド部71の中央部には棒状連結部27が貫
通する貫通孔形成部77が、また断面略コ字形状部75
と貫通孔形成部77の間にはスリット76が施され、端
部吊り金具3が嵌合されている。中空部72の下端部は
シーリング材74で塞がれている。
【0037】端部吊り金具3は、ガラス受け金具21の
端部に棒状連結部27の下端が接続されていて、棒状連
結部27の片側で板ガラス1を吊り支持しており、片側
吊り支持方式である。
【0038】図3及び図4により、本発明の固定式防煙
壁の第1実施例の中央部を説明する。天井下地の部分の
施工から吊りボルトの部分の施工までの構成は従来技術
と同様である。
【0039】本実施例においては、ガラス受け金具21
の内部には、板ガラス1とガラス受け金具21とが直接
ぶつかることを防止するための敷きゴム22と、板ガラ
ス1の面内方向に板ガラス1と袋ナット状部材28とが
直接ぶつかることを防止するために、棒状連結部27の
袋ナット状部材28を巻いている側端部保護ゴム23
と、板ガラス1の面外方向に板ガラス1とガラス受け金
具21とが直接ぶつかることを防止するための側部保護
ゴム24とを設けている。
【0040】吊り金具2は、ガラス受け金具21の中央
に棒状連結部27の下端が接続されていて、棒状連結部
27の両側で板ガラス1、1を吊り支持しており、両側
吊り支持方式である。
【0041】[第2実施例]図5〜図8により、本発明
の固定式防煙壁をコーナー部に用いてある第2実施例を
説明する。天井下地の部分の施工から吊りボルトの部分
の施工までの構成は、第1実施例と同じく従来技術と同
様である。
【0042】建築物の平面計画によっては、防煙壁が一
直線状になるとは限らず、略L字型に折れ曲がったり、
略T字型、略十字型に交差したりする場合も多い。こう
した部分は、一般にコーナー部と呼ばれている。
【0043】コーナー部では、板ガラスが、それぞれの
面外方向に動きが異なるため、振り子状運動を可能とす
れば、相互がぶつかって破損する心配もある。逆に、板
ガラスを全て拘束してしまえば、拘束による応力が発生
する心配がある。
【0044】本発明では、こうした点を考慮し、コーナ
ー部の板ガラス1と隣接する板ガラス1との間を二股構
造吊り金具14で施工することとしている。図7、8で
地震時の動きを概念的に示してある。
【0045】二股構造吊り金具14は、左右一対の吊り
金具13、13よりなる。吊り金具13は、ガラス受け
金具21の端部に棒状連結部27の下端が接続されてい
て、棒状連結部27の片側で板ガラス1を吊り支持して
おり、片側吊り支持方式である。棒状連結部26のほぼ
全長部分を被覆するように中間ガスケット26が設けら
れている。中間ガスケット26は、その断面のほぼ中央
に棒状連結部27が貫通する貫通孔形成部26と、棒状
連結部27を嵌め込むためのスリット262とを有す
る。
【0046】地震力を受けた際、二股構造吊り金具14
は、左右の吊り金具13、13が独立して回転が可能で
ある。ガラス目地部は、それぞれ別々のゴム製の中間ガ
スケット26、26からなる弾性緩衝材でカバーしてい
るが、非接着の弾性シーリング材からなる弾性緩衝材を
棒状連結部にそれぞれ被覆するようにしてもよい。
【0047】また、左右の吊り金具13、13の周囲を
一体的に弾性シーリング材で施工して、弾性シーリング
材が硬化後に、左右の吊り金具13、13の中央部で弾
性シーリング材を切断することにより、左右の吊り金具
13、13が独立して回転可能なようにしてもよい。
【0048】二股構造吊り金具14を用いることで、コ
ーナー部16と一般直線部17との縁を切ることが可能
となる。
【0049】コーナー部16の板ガラス1と隣接する板
ガラス1との間を二股構造吊り金具14を用い、壁面部
に端部ガスケット7を用いることにより、一般直線部1
7については、両端部の拘束がないので面外力を受けた
際振り子状の運動を起こす。一方、コーナー部16は独
立しているので、一般直線部17の影響は受けない。コ
ーナー部16の板ガラス1だけでは複雑な変形モードは
生じないので、板ガラス1が破損することはない。
【0050】実大での層間変形の実験を行ったところ、
従来の構成では、層間変形角1/150での板ガラス下
端発生応力は96kg/cm2 の許容応力が測定され、
層間変形角1/100での板ガラス下端発生応力は18
6kg/cm2 であり、線入りガラスのエッジ許容応力
100kg/cm2 を大きく上回る応力が測定されてい
る。
【0051】一方、幅25cmの端部ガスケットを用い
た実験では、層間変形角1/150で最大発生応力5k
g/cm2 であり、層間変形角1/100においても最
大発生応力10kg/cm2 であった。
【0052】面外変形の試験に関しては、幅1200m
m×高さ500mmの板ガラス4枚を施工し、中央部の
吊り金具をロープを用いて面外方向に強制的に変形させ
た。
【0053】従来のガラスパネル端部をシーリングとし
た仕様では、250mm程度変形させた時点で板ガラス
にクラックが発生した。一方、本発明のガスケットを用
いたものでは、約400mmまで変形させても板ガラス
のクラックなどは生じなかった。
【0054】コンピュータを用いた過渡応答解析では、
本発明の効果は顕著であった。まず、固有振動数に関し
ては、従来技術が3.54Hz、本発明による場合1.
81Hzであり、周期が長くなっている。
【0055】また、本発明では、面外方向への振り子状
運動による変位は、従来技術と比較して大きいが、板ガ
ラスに発生する応力は小さいことが確認されている。
【0056】鉄筋コンクリート構造7階建てのビルに防
煙壁が施工されている状態をモデル化し、米国のカリフ
ォルニアで発生した”EL CENTRO”の地震波を
水平方向に入力した解析を行った。入力地震波は255
ガルであるが、7階部の防煙壁が施工される屋上階床の
応答加速度は731ガルとなっている。
【0057】この加速度を、従来仕様と本発明仕様とに
それぞれ入力して、過渡応答解析を実施した。最大変位
は、従来仕様で19cm、本発明の仕様で21cmであ
った。最大発生応力は、従来仕様で580kg/cm
2 、本発明の仕様で35kg/cm2 であった。このよ
うに本発明の効果は顕著である。
【0058】また、二股構造吊り金具により、平面形状
が様々な場合においても耐震性を大幅に向上させること
が可能となった。
【0059】
【発明の効果】本発明の構成によれば、固定式防煙壁の
耐震性を大幅に向上させうる。特に、壁面と接する端部
には端部ガスケットからなる弾性緩衝材を用いることに
より、壁面の不陸を吸収するとともに、地震時の層間変
位を吸収して板ガラスの破損を防止できる。
【0060】また、固定式防煙壁がコーナー部を有する
場合においても、二股構造吊り金具を用いることによ
り、地震時の層間変位を吸収して板ガラスの破損を防止
できる。
【0061】また、ガラス受け金具に敷きゴムと側端部
保護ゴムと側部保護ゴムとを用いることにより、地震時
に板ガラスとそれを吊り支持する吊り金具とのぶつかり
による板ガラスの破損をより大きく防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固定式防煙壁の第1実施例において側
端部の正面図。
【図2】図1の固定式防煙壁の断面図であって、(a)
はA−A線に沿った断面図、(b)はB−B線に沿った
断面図。
【図3】本発明の固定式防煙壁の第1実施例において一
部を切り欠いた中央部の正面図。
【図4】本発明の固定式防煙壁の第1実施例に用いられ
る主要部品の分解斜視図。
【図5】図7の固定式防煙壁の一部を切り欠いた要部正
面図。
【図6】図5の固定式防煙壁においてC−C線に沿った
断面図。
【図7】本発明の固定式防煙壁の第2実施例の斜視図。
【図8】図7の固定式防煙壁の平面図。
【図9】固定式防煙壁の第1従来例の一部を切り欠いた
斜視図。
【図10】図9の固定式防煙壁の化粧カバーを省略した
要部断面図。
【図11】図9の固定式防煙壁の要部断面図。
【図12】図9の固定式防煙壁の主要部の斜視図。
【図13】図9の固定式防煙壁の一部を切り欠いた中央
部の正面図。
【図14】固定式防煙壁の第2従来例の一部を切り欠い
た側壁部の正面図。
【符号の説明】
1:板ガラス(パネル材) 2、13、15:吊り金具 3:端部吊り金具 4:フレーム 5:防煙ゴム 6:化粧カバー 7:端部ガスケット(弾性緩衝材) 8:壁 9:吊りボルト 10:野縁 11、74:シーリング材 12:端部L字型金物 14:二股構造吊り金具 16:コーナー部 17:直線部 18:天井面 21:ガラス受け金具(受け金具) 22:敷きゴム 23:側端部保護ゴム 24:側部保護ゴム 25:吊り元 26:中間ガスケット 27:棒状連結部 28:袋ナット状部材 29:雄ネジ部 41:フレーム繋ぎ材 42:繋ぎ用ビス 61:化粧カバー繋ぎ材 62:繋ぎ用ビス 71:ソリッド部 72:中空部 73:発泡部 75:断面略コ字形状部 76、262:スリット 77、251:貫通孔形成部 91:固定ナット 92:ハンガー 93:蝶ネジ D:端部ガスケットの幅寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪内 信朗 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 忍 裕司 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 高橋 拡 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 五十嵐 信哉 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数枚のパネル材が天井面の下方に連続し
    て突出するようにして取り付けられて防煙壁が形成され
    てなる固定式防煙壁において、壁面の側端部側に配され
    たパネル材は、建築物の壁面に固定せずに前記パネル材
    と建築物の壁面との間隙に弾性緩衝材を介在させて前記
    パネル材と建築物の壁面とを当接状態となしたことを特
    徴とする固定式防煙壁。
  2. 【請求項2】パネル材はパネル材の上端部に設けられた
    フレームにより支持されていて、かつ、側端部に配され
    たパネル材はパネル材の側端面部と壁面との間の目地部
    に位置しフレームに固定されている略L字型の端部吊り
    金具によりパネル材の下端部が支持され、中央部に配さ
    れたパネル材は隣り合うパネル材の目地部に位置しフレ
    ームに固定されている略T字型の吊り金具によりパネル
    材の下端部が支持されてなる請求項1の固定式防煙壁。
  3. 【請求項3】弾性緩衝材は、中空部及び/又は発泡部を
    有するゴム成形体である請求項1又は2の固定式防煙
    壁。
  4. 【請求項4】前記吊り金具は吊り元と棒状連結部と受け
    金具よりなっていて、受け金具はパネル材を支持するた
    めの溝部を有しており、溝部がパネル材と接する部分に
    は敷きゴムが設けられ、袋ナット状部材がパネル材と接
    する部分には側部保護ゴムが設けられてなる請求項1、
    2又は3の固定式防煙壁。
  5. 【請求項5】前記溝部がパネル材と接する部分には敷き
    ゴムと側端部保護ゴムとが設けられてなる請求項4の固
    定式防煙壁。
  6. 【請求項6】固定式防煙壁がその平面形状において、略
    L字型、略T字型、又は十字型のコーナー部を形成する
    とき、該コーナー部をなす板ガラスとこれに隣接する板
    ガラスとの間に設けられた吊り金具が片側吊り支持方式
    の吊り金具による左右一対の二股構造吊り金具であり、
    これら吊り金具はそれぞれ面外方向への回転が可能であ
    る請求項1、2、3、4又は5の固定式防煙壁。
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