JPH106526A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JPH106526A
JPH106526A JP18010796A JP18010796A JPH106526A JP H106526 A JPH106526 A JP H106526A JP 18010796 A JP18010796 A JP 18010796A JP 18010796 A JP18010796 A JP 18010796A JP H106526 A JPH106526 A JP H106526A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルプレートの濡れに起因する飛行曲がり
を招くこと無く、ノズル開口の目詰まり防止のためにメ
ニスカスを微小振動させること。 【解決手段】 環境の温度を検出する温度検出手段36
と、温度検出手段36からの信号に基づいて圧電振動子
21による圧力発生室の膨張、収縮の容積を調整してノ
ズル開口の目詰まり防止のためのメニスカスの微小振動
を行わせる圧力変化を調整する制御手段30とを備え、
ノズル開口の目詰まりを防止するメニスカスの微小振動
の振幅を外気温に応じて変更して、高温時におけるノズ
ルプレートの濡れやインク溶媒の蒸発を防止し、また低
温時における高粘度に負けることなくメニスカスを微小
振動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オンデマンド型イ
ンクジェット記録ヘッドを用いた記録装置、より詳細に
は記録ヘッドのノズル開口の目詰まり防止技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オンデマンド型インクジェット記録ヘッ
ドは、複数のノズル開口と、各ノズル開口に連通する圧
力発生室とを備え、印刷信号に対応して圧力発生室を加
圧してインク滴を発生させるように構成されている。こ
のような記録ヘッドは、印刷動作を行っているノズル開
口では新しいインクが順次供給されるため、目詰まりを
ほとんど生じないものの、例えば上下端等のノズル開口
のようにインク滴吐出の機会が極めて低いものや、また
印字信号が停止してキャッピング装置から開放された状
態で停止している場合には目詰まりが生じやすい。
【0003】このため、印刷動作を一定時間継続した場
合には、記録ヘッドを非印刷領域のキャッピング手段ま
で待避させ、ここで圧力発生室の加圧手段、例えば圧電
振動子に駆動信号を印加してキャップに向かってすべて
のノズル開口から印字に関わりなくインク滴を吐出させ
るフラッシング動作を行わせることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような対
策を講じると印刷動作が中断されて印刷速度の低下や、
またインクの消費を招くという問題がある。このような
問題を解消するため、印刷動作中に一定時間毎にインク
滴を発生しないノズル開口に連通する圧力発生室の加圧
手段に、インク滴を吐出させない程度の微小な駆動信号
を印加して、ノズル開口近傍のメニスカスを微小振動さ
せて目詰まりを防止する技術が数多く提案されている
(特開昭55-123476号公報、特開昭57-61576号公報、米
国特許第4350989号明細書)。
【0005】このようなメニスカスを微小振動させる手
法を併用すれば、フラッシング動作の回数を減らして印
刷速度の低下やインクの消費を防止できるものの、微小
なドットの印刷が容易な膜化しやすいインクにあって
は、印刷期間中にインク滴を吐出していないノズル開口
では、そのメニスカスの微小振動により却ってインク溶
媒の揮散が促進されて、目詰まりの時期を早めるという
問題がある。さらに、このような膜化し易いインクは、
その粘度が温度に大きく左右されるため、環境温度が上
昇してインクの粘度が低下した場合には微小振動による
メニスカスの移動量が大きくなり過ぎてノズルプレート
を濡らことになり、印刷のためのインク滴吐出の際にイ
ンク滴の飛行経路に曲がりを生じるなどの問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであっ
て、その目的とするところは、環境温度の変化に関わり
なく、インク滴の飛行曲がりを招くこと無く、ノズル開
口が目詰まりに至るまでの期間を最大限に延長すること
ができるインクジェット式記録装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために、圧力発生手段を備えた圧力発生室と、該圧力
発生室に連通してインク滴を吐出するノズル開口とを備
えたインクジェット記録ヘッドと、環境の温度を検出す
る温度検出手段と、該温度検出手段からの信号に基づい
て前記圧力発生手段に印加する信号を調整して前記ノズ
ル開口の目詰まり防止のためのメニスカスの微小振動を
行わせる圧力を調整する手段とを備えるようにした。
【0007】
【作用】ノズル開口の目詰まりを防止するためのメニス
カスの微小振動の振幅を外気温に応じて変更して、高温
時におけるノズルプレートに濡れを生じさせることな
く、また微小振動によるインク溶媒の蒸発を無用に促進
することなく、さらに低温時における高粘度に負けるこ
となくメニスカスを最適な振幅で微小振動させる。
【0008】
【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明のプリ
ンタの印刷機構周辺の構造を示すものであって、図中符
号1は、キャリッジで、タイミングベルト2を介してパ
ルスモータ3に接続されていて、ガイド部材4に案内さ
れて記録用紙5の紙幅方向に往復動するように構成され
ている。
【0009】キャリッジ1には記録用紙5と対向する
面、この実施例では下面に後述するインクジェット式記
録ヘッド6が取り付けられている。インクジェット式記
録ヘッド6は、キャリッジ1の上部に載置されているイ
ンクカートリッジ7からインクの補給を受けてキャリッ
ジ1の移動に合わせて記録用紙5にインク滴を吐出して
記録用紙に画像や文字を印刷する。
【0010】8は、キャッピング装置で、非印刷領域に
設けられていて、休止中に記録ヘッド6のノズル開口を
封止する一方、印刷動作中に行なわれるフラッシング動
作による記録ヘッド6からのインク滴を受けるものであ
る。なお、図中符号9は、クリーニング手段を示す。
【0011】図2は、記録ヘッド6の一実施例を示すも
ので、図において、符号11は、振動板で、圧電振動子
12の先端に当接して弾性変形する薄板からなり、圧力
発生室13、共通のインク室14、1、インク供給口1
5、15、を区画する流路形成板16を挟んでノズルプ
レート17と液密に一体に固定されて流路ユニット18
を構成している。
【0012】19は基台で、上部に流路ユニット18を
支持する開口部を有する収容室20に、圧電振動子12
の先端を振動板11に当接させるように、流路ユニット
18と圧電振動子12とを固定するものである。
【0013】このように構成された記録ヘッドは、圧電
振動子12が充電を受けて収縮すると、圧力発生室13
が膨張し、共通のインク室14、14のインクがインク
供給口15、15を経由して圧力発生室13に流れ込
む。
【0014】所定時間の経過後に圧電振動子12の電荷
が放電されて元の状態に復帰すると、圧力発生室13が
収縮してここのインクを圧縮してノズル開口21からイ
ンク滴として吐出させて記録用紙にドットを形成する。
【0015】一方、圧電振動子12にインク滴を吐出さ
せない程度に圧電振動子12を微小量収縮させると、圧
力発生室13は少し膨張するから、ノズル開口21近傍
のメニスカスが圧力発生室13側に引き込まれる。つい
で圧電振動子12を元の状態に復帰させると、圧力発生
室13が微小収縮してメニスカスがノズル開口21側に
若干押し戻される。
【0016】このように圧電振動子12を微小量伸縮さ
せると、ノズル開口21近傍のメニスカスがインク滴を
吐出することなく微小な振幅で振動して、ノズル開口近
傍のインクが粘度の低い圧力発生室13のインクと置換
されるから、ノズル開口の目詰まりまでの時間が大幅に
延長される。
【0017】図3は、上述の記録ヘッド6を駆動する制
御装置の一実施例を示すもので、図中符号30は、制御
手段で、ホストからの印刷指令信号や印刷データを受け
て後述する駆動信号発生回路31、ヘッド駆動回路3
2、及びキャリッジ駆動回路33を制御して印刷動作を
実行させるとともに、後述する印刷タイマ34の計時デ
ータにより前述したメニスカスを微小振動させる時期を
決定し、後述する記憶手段37のデータに基づいて現在
の状況に合った駆動周波数、圧力変化、及び継続時間で
メニスカスに微小振動を実行させるようにヘッド駆動回
路から圧電振動子に駆動信号を出力させるものである。
【0018】34は、印刷タイマーで、印刷動作が開始
された時点スタートし、また微小振動が開始した時点で
リセットするものである。35は、インクカートリッジ
装着時間検出手段で、カートリッジ収容部にインクカー
トリッジ7の着脱を検出する手段からの信号を受け、カ
ートリッジ7が新しく装着された時点てスタートし、取
り外された時点でリセットするように構成されている。
36は、外気温や記録ヘッドの温度を検出する温度検出
手段である。
【0019】37は、前述の記憶手段で、図4に示した
ようにインクカートリッジの装着期間に比例して、微小
振動時のメニスカスの振幅を大きくするための比率、例
えば圧力発生室13の膨張量、収縮量を大きくするため
の比率を示すデータ、また図5に示したように温度が高
いほど微小振動を発生させるための圧力発生室13の圧
力変化を小さくするデータ、さらに図6に示したように
温度が高いほど微小振動の駆動周波数を低くするデータ
を格納して構成されている。
【0020】微小振動を行わせるための圧力変化は、微
小振動のために圧力発生手段、例えば圧電振動子に印加
する駆動信号の電圧により調整できるから、図5に示し
たように印字時の駆動電圧に対する比率を気温に応じて
例えば低温領域(10乃至15°C)では印刷時の駆動
電圧の0.3倍、また、常温領域(15乃至25°C)
では気温とともに直線的に0.25倍まで低下するよう
に、さらに第1高温領域(25乃至30°C)では0.
25倍、さらに第2高温領域(30乃至40°C)では
気温とともに直線的に0.2倍まで低下するように例え
ば可変減衰器等の減衰率を調整して制御することができ
る。
【0021】一方、メニスカスの微小振動の周波数は、
図6に示したように低温領域(10乃至15°C)では
印刷時の最高駆動周波数の整数分の1の整数倍、この実
施例では最高駆動周波数の1/16の16倍の7.2K
Hzで、また常温領域(15乃至30°C)では12倍
の5.4KHzで、さらに第1高温領域(30乃至35
°C)では8倍の3.6KHzで、第2高温領域で(3
5乃至40°C)では最高駆動周波数の1/16の4倍
の駆動周波数を選択することにより簡単に制御すること
ができる。このように印刷時の駆動周波数の整数分の1
の整数倍の周波数を用いることにより、微小振動のため
にだけ特別な発振回路が不要となって、構造の簡素化を
図ることができる。
【0022】もとより、構造の複雑化をいとわないので
あれば、気温に対する微小振動の振幅、周波数の値をき
め細かく変化させることができる回路を設けることによ
り、より効果的に目詰まりを防止できることは明らかで
ある。
【0023】この実施例において、ホストから印刷指令
が入力すると、制御手段30は、温度検出手段36から
の信号により記録ヘッド6の温度を検出して、微小振動
に適した振動形態を選択する。
【0024】すなわち、気温が室温よりも高い場合に
は、インクの粘度が低下してメニスカスが振動し易いの
で、微小振動を行わせる圧力変化を小さく、つまり圧電
振動子12に印加する駆動電圧の電圧を低く設定すると
ともに、微小振動の周波数を常温時よりも低く、例えば
第1高温領域(30乃至35°C)では8倍の3.6K
Hzで、第2高温領域で(35乃至40°C)では最高
駆動周波数の1/16の4倍の駆動周波数を選択して、
メニスカスの高速移動に起因して生じるインク溶媒の蒸
発や、ノズル開口からの気体の吸込みを避けながら微小
振動を継続する。
【0025】また、高温時にはインクの粘度が低く、拡
散速度が速いから、1工程分の全振動回数を少なめに抑
えることにより、微小振動により誘起されるノズル開口
からのインク溶媒の揮散を抑制しつつ、速やかにノズル
開口近傍のインクの粘度を低下させることができる。
【0026】そして、メニスカスの微小振動は、開始時
に圧力発生室13を微小膨張させ、次いで元の状態に復
帰させるという形態で行なわれる。これにより、メニス
カスはノズル開口21から圧力発生室側に若干引き込ま
れた位置を振動中心にして振動することになるから、温
度の上昇により粘度が低下しているインクであっても、
メニスカスはノズルプレート17を濡らすに至るまでノ
ズル開口21へ移動することがなく、ノズル開口近傍の
インクを圧力発生室13のインクに拡散させるに足る振
幅でメニスカスが微小振動する。
【0027】このような工程を所定時間継続することに
より、ノズル開口21近傍の増粘したインクは、圧力発
生室13のインクと徐々に置換されてその粘度を低下さ
せ、印刷可能な粘度に回復される。
【0028】一方、気温が室温より低い場合には、イン
クの粘度が上昇していてメニスカスが振動し難いから、
微小振動のための圧力発生室13の圧力変化を大きく
し、つまり圧電振動子12に印加する駆動電圧の電圧を
高く設定し、かつ駆動周波数も高め、例えば印刷時の最
高駆動周波数の1/16の16倍に設定される。
【0029】これにより、外気温度が常温よりも低下し
ていてインクの粘度が上昇している場合にでも、ノズル
開口21のメニスカスが常温時よりも強い圧力を受けて
インクの増粘に関わりなく目詰まり防止に適した振幅で
微小振動し、ノズル開口21近傍の増粘したインクは、
圧力発生室13内のインクに拡散されてその粘度が低下
する。言うまでもなく気温が低いためインク溶媒の蒸発
が低く、また粘度が高いため、微小振動の周波数を高く
してもノズル開口21への気泡の引き込みは生じない。
【0030】一方、カートリッジ7が装着されてからの
経過時間が長い場合には、カートリッジ7を構成してい
る容器からのインク溶媒の蒸発量が多くなっていてカー
トリッジ7のインクそのものも増粘している。したがっ
てインクカートリッジ装着時間検出手段35からのデー
タにより微小振動のための圧力変化の度合を増大させ、
また必要に応じてはメニスカスの振動周波数をも若干高
めるのが望ましい。これにより、インクカートリッジ7
内のインク溶媒の蒸発や、外気温の変化に起因するイン
ク粘度の変化に関わりなく、目詰まり防止に適した振幅
と駆動周波数によりメニスカスを微小振動させることが
できる。
【0031】このようにして目詰まりの不安が無くなっ
て印刷が可能となった段階で、印刷信号が出力され、各
圧電振動子12にインク滴吐出のための駆動信号が出力
される。印刷開始に伴って印刷タイマ34が作動し、印
刷時間が微小振動のタイミングに達した段階で信号が出
力する。制御手段30は、記録ヘッド6が印刷行の端部
近傍に到達してキャリッジ1が減速工程に移った時点を
見計らって、前述のように環境温度が高い場合には微小
振動のための圧力変化を小さく、かつ微小振動の周波数
を常温時よりも低くなるように、また環境温度が低い場
合には微小振動のための圧力変化を大きく、かつ微小振
動の周波数を常温時よりも高くなるように、さらにイン
クカートリッジが装着されてからの時間の経過に対応し
て微小振動を行わせるための圧力を変えるように信号を
出力する。
【0032】これにより、印刷動作が不可能な時間帯に
外気温やインクカートリッジが装着されてからの時間に
対応した駆動周波数、及び圧力により微小振動が実行さ
れる。
【0033】そしてこの微小振動の状態を継続しつつ、
キャリッジ1が所定位置に停止し、ついで反転して次の
印刷行を印刷領域に向けて加速される。そしてキャリッ
ジ1が印刷可能な定速走行に移る直前に継続されていた
メニスカスの微小振動が停止される。
【0034】このように、印刷期間中の目詰まり防止の
ための微小振動の実行時期を、リターン操作のためにキ
ャリッジ1が減速工程に入るまで引き伸ばすことによ
り、印刷動作の中断を必要とすることなく可及的早期に
微小振動を実行させることができて、記録速度の低下を
招くこと無くノズル開口の目詰まりを防止できるばかり
でなく、キャリッジ1のリターン操作のために生じる記
録ヘッド6の空走時のノズル開口21のインクの増粘を
防止することができる。
【0035】所定量の印刷が終了すると、制御手段30
は記録ヘッド1をホームポジションに移動させて待機さ
せる。この待機中においても、定期的にメニスカスを微
小振動させてノズル開口21のインクの増粘を防止す
る。
【0036】待機中での微小振動の継続期間中に印刷指
令が入力すると、制御手段30は微小振動を中断するこ
となく、キャリッジ1を印刷領域に向けて加速を開始さ
せ、定速走行に入る直前に微小振動を中止させて印刷工
程に移る。
【0037】一方、待機状態においてメニスカスの微小
振動が行われていない期間に印刷指令が入力すると、制
御手段30は、印刷動作に備えてキャリッジ1を印刷領
域に向けて加速を開始させ、同時に記録ヘッド1に微小
振動のための信号を供給してメニスカスに微小振動を実
行させる。
【0038】キャリッジ1の加速工程が終了して印刷が
可能な定速走行に移る直前に微小振動を停止して、印刷
体制を整える。この状態で印刷信号が入力すると、記録
ヘッド6は印刷データに合わせてインク滴を吐出する。
【0039】これにより、印刷直前にはノズル開口21
のインクの粘度が印刷に適した粘度にまで低下してい
て、最適な状態で印刷が可能となる。
【0040】上述の実施例においては、微小振動の振幅
を圧電振動子に印加する駆動信号の大きさにより制御す
るようにしているが、図7に示したように圧電振動子2
1に印加する駆動信号の電圧変化率α、βを調整するこ
とにより微小膨張時の圧力発生室13の膨張速度や、収
縮速度を調整して、微小膨張時の圧力を調整することが
できる。
【0041】また、図8に示したように微小収縮時の電
圧変化率βを微小膨張時の電圧変化率αよりも小さく設
定しておくことで、メニスカスを急速に圧力発生室13
に引き込んで、ノズル開口21近傍のインクの圧力発生
室13への拡散を促進でき、また押し戻す時にはメニス
カスの運動エネルギを小さくしてノズル開口21からの
盛り上がりや突出を招くこと無くメニスカスを微小振動
させることが可能となる。
【0042】なお、上述の実施例においては縦振動モー
ドの圧電振動子を使用した記録ヘッドの例を採って説明
したが、たわみ振動モードの圧電振動子を使用した記録
ヘッド、さらには圧力発生室に発熱素子を内蔵させたバ
ブルジェット式記録ヘッドに適用しても適用しても同様
の作用効果を奏することは明らかであり、また記録ヘッ
ドの共通のインク室に微小振動を与える専用の圧力発生
手段を接続した記録ヘッドに適用することもできる。
【0043】また、上述の実施例においてはインクカー
トリッジをキャリッジに搭載する形式の記録装置に例を
採って説明したが、インクカートリッジを函体に設置
し、チューブにより記録ヘッドにインクを送液する形式
の記録装置に適用しても同様の作用を奏することは明ら
かである。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
圧力発生手段を備えた圧力発生室と、圧力発生室に連通
してインク滴を吐出するノズル開口とを備えたインクジ
ェット記録ヘッドと、環境の温度を検出する温度検出手
段と、温度検出手段からの信号に基づいて圧力発生手段
に印加する信号を調整してノズル開口の目詰まり防止の
ためのメニスカスの微小振動を行わせる圧力を調整する
手段とを備えたので、ノズル開口の目詰まりを防止する
メニスカスの振幅を外気温に応じて変更して、高温時に
おけるノズルプレートの濡れやインク溶媒の蒸発を誘発
することなく、また低温時における高粘度に負けること
なくメニスカスを微小振動させて、ノズル開口の目詰ま
りまでの時間を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット記録装置の
一実施例を示す図である。
【図2】インクジェット記録ヘッドの一実施例を示す断
面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す装置のブロック図であ
る。
【図4】インクカートリッジの装着期間に対する微小振
動を発生させるための圧力発生室の圧力変化の相対比を
示す線図である。
【図5】環境温度と微小振動のために圧力発生手段に印
加する駆動電圧との関係を示す線図である。
【図6】環境温度と微小振動の駆動周波数との関係を示
す線図である。
【図7】図(イ)、(ロ)は、それぞれ微小振動の振幅
を調整するための信号を示す波形図である。
【図8】微小振動を発生させるための信号の一実施例を
示す波形図である。
【符号の説明】
6 インクジェット式記録ヘッド 8 キャッピング装置 9 クリーニング装置 12 圧電振動子 13 圧力発生室 21 ノズル開口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力発生室と、該圧力発生室に連通して
    インク滴を吐出するノズル開口と、前記圧力発生室の圧
    力を変化させる圧力発生手段とを備えたインクジェット
    記録ヘッドと、 環境の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段
    からの信号に基づいて前記圧力発生手段に印加する信号
    を調整して前記ノズル開口の目詰まり防止のためのメニ
    スカスの微小振動を行わせる圧力変化を調整する手段と
    を備えてなるインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力発生室が弾性変形可能な弾性変
    形可能領域を備え、また前記圧力発生手段が該弾性変形
    可能領域に設けられた圧電振動子により構成され、さら
    に前記メニスカスの微小振動を発生させる信号が、前記
    圧力発生室を膨張させる信号と、前記膨張時よりも緩や
    かな変化速度で前記圧力発生室を収縮させる信号とで構
    成されている請求項1に記載のインクジェット式記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記微小振動を発生させる信号は、印刷
    時の駆動信号の電圧を調整して生成される請求項1に記
    載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 インクカートリッジ装着時間検出手段を
    備えてインクカートリッジの装着時間に応じて前記微小
    振動を発生させる信号が調整される請求項1に記載のイ
    ンクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記微小振動を発生させる信号は、微小
    振動のための圧力変化が、低温領域では常温領域よりも
    大きくなるように、また高温領域では常温領域よりも小
    さくなるように調整されている請求項1に記載のインク
    ジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記微小振動の振動数は、低温領域では
    常温領域よりも高く、また高温領域では常温領域よりも
    低くなるように設定されている請求項1に記載のインク
    ジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記微小振動の周波数は、印刷時の駆動
    信号の最大駆動周波数の整数分の1の整数倍となるよう
    に前記温度検出手段からの信号により選択される請求項
    1に記載のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 1工程における前記微小振動の回数が、
    高温領域では常温領域よりも少なくなるように設定され
    ている請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 前記メニスカスの微小振動が、前記キャ
    リッジの加減速工程で行なわれる請求項1に記載のイン
    クジェット式記録装置。
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