JPH1063411A - 携帯情報処理端末 - Google Patents

携帯情報処理端末

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JPH1063411A
JPH1063411A JP8213782A JP21378296A JPH1063411A JP H1063411 A JPH1063411 A JP H1063411A JP 8213782 A JP8213782 A JP 8213782A JP 21378296 A JP21378296 A JP 21378296A JP H1063411 A JPH1063411 A JP H1063411A
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JP8213782A
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Inventor
Tetsutada Sakurai
哲真 桜井
Yoshio Nakadai
芳夫 中台
Yutaka Nishino
豊 西野
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便にして効果的なデータ入力あるいは操作
を行うこと可能な携帯情報処理端末を得る。 【解決手段】 無線、光、赤外線、超音波、音声等を用
いて間接的にデータを伝送する手段、記憶媒体に記録さ
れたデータを電気的又は磁気的に伝送する手段、ペン形
状の入力補助具で使用者が直接データやコマンドを伝送
する手段の少なくとも1つの手段と、画像によるデータ
の表示、あるいは発声等によるデータの提示手段を有す
るユニットを備えた携帯情報処理端末であって、該携帯
情報処理端末に対して加えられる物理的な変位量又は当
該変位量の時間微分量が前記携帯情報処理端末のデータ
の入力あるいは操作手段となっており、該入力あるいは
操作手段と当該携帯情報処理端末とが一体構造となって
いるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的な手段で入
力された各種のデータを扱う、携帯情報処理端末に関
し、特に、携帯情報処理端末の凡そ手帳サイズ以下の表
示装置に見られるデータ表示・操作の不便さを解消する
ため、データ表示の形態及び表示速度に人体の動きを連
動させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】凡そ手帳サイズ以下の携帯情報処理端末
の領域において、そのデータ入力形式として様々な形態
の手段が実用に供されている。良く知られているものを
列挙すれば、最近実用化が開始されたPHSシステム等
を用いて無線でデータを伝送する方法、赤外線を用いた
通信でデータを伝送する方法、超音波までを含む音でデ
ータを伝送する方法、PCM-CIAカードやMINI
ディスクのようなカード形状の記憶媒体に記録されたも
のを携帯情報処理端末の本体に差し込み、電気的又は磁
気的にデータ転送を行う方法、及びペン形状の入力補助
具を用いて直接データやコマンドを伝える方法等があ
る。
【0003】一方で、これらの手帳サイズ以下の表示装
置あるいは表示手段(小型液晶ディスプレー等)に見ら
れるデータ表示・操作の不便さは良く知られたところで
ある。データ処理の代表的な端末であるコンピュータや
ワークステーションは、キーボード及びマウスという人
による情報入力操作に適した大きさのインタフェース部
分を持つ。同様なインタフェース部分を小型の装置ある
いは端末にも装着する事例が見受けられる。
【0004】しかし、装置あるいは端末が小型化するに
つれ、これらのインタフェース部分も小型化を余儀なく
され、ある時点で装置あるいは端末の本体の大分を占め
るに至るという、本末転倒の状況が現出する。
【0005】この種の小型の機器の代表的な形状を図6
〔(a)は小型機器を見開いた状態の斜視図、(b)は
別機種の一例を上から見た平面図〕に示す。これらの前
面には、人が読み取れる程度の画素あるいは文字等を表
示する5〜6cm程度以下の表示手段(液晶ディスプレ
ー等)1’が設けられ、その周囲に操作のためのパネル
2’や操作ボタン2”(スイッチ)あるいはトラックボ
ール(図示せず)等を配置する構成が一般的である。
【0006】一部の機種においては、手帳の如き見開き
の右に操作手段3、左に表示手段4を持つもの(図6参
照)、あるいは、画面そのものの中に操作ボタン(いわ
ゆるタッチパネル;図示せず)2”を持つものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0008】最も普及しているいわゆる携帯情報処理端
末(PDA:パーソナルディジタルアシスタント)を例
に取って説明する。なお、以下の説明では、これらの装
置で最も採用実績があるペン入力タイプのもの、及び昨
今導入の期待が高まっている音声入力手段を備えるもの
を想定する。まず、ペン入力タイプの機種に共通する困
難性は以下の通りである。
【0009】(1)操作手段の小型化がボタンの小型化
につながり、押し間違いや二つのボタンの同時押しを引
き起こすなど、人の使い勝手を阻害する。
【0010】(2)ボタン等の操作手段に複数の機能を
割り当てるとその機能の表示に新たなスペースが必要で
ある。
【0011】(3)前記(2)の複数機能割り当てに際
して、機能変更のための新たな操作手段が必要である。
【0012】(4)トラックボールの如き操作性に優れ
る手段は操作する人の姿勢に制限がある(例えば、当該
機器を仰臥した状態で操作することは一般に困難であ
る)。
【0013】(5)操作部の電気的な信号は機械的な接
触で作ることが一般的であり、この種の機器の使用環境
における湿気やほこりが機械的接触部の損耗を早める。
【0014】(6)画面そのものの中に操作ボタンを設
けたものは、画面の有効表示領域が操作部の表示に割か
れてしまい、結果としてデータの表示量に制限が生じて
いた。
【0015】次に、音声入力タイプの機種の問題点を列
挙する。主な問題点は以下の通りである。
【0016】(1)人の声は体調や周囲環境の影響を受
け、その結果として、音声による命令を携帯情報処理端
末が100%の正確性で認識できない。
【0017】(2)音声認識技術の内、事前登録が不要
な不特定話者対応の認識技術は、数十MIPS以上の演
算能力と数MB以上のメモリーを必要とし、入力手段の
代用としては高価である。
【0018】(3)音声認識技術の内、事前登録が必要
な不特定話者対応の認識技術は、安価なハードウエアで
実現できるものの、操作に必要な語彙を使用者に吹き込
んでもらう手間が避けられない。
【0019】(4)入力時に発声が不可欠であり、周囲
に操作内容を聞かれるため、操作できる場面に制約が生
ずる。
【0020】以上、述べたように、携帯情報処理端末
は、エレクトロニクス技術の進展にともない、データを
格納するハードウエア部分や表示装置を駆動するハード
ウエア部分は小型化されてきたものの、人間とのインタ
フェースである操作部分の小型化が人の指サイズの制約
から小さくできないという、本質的な問題を抱えてい
た。これに対する回答の一つとして、左右の指にリング
状の情報入力システムを装着し、加速度センサーが捕ら
えたそれぞれの指の動きを情報入力コマンドあるいはコ
マンドを示す文字列に対応させる技術がある。この種の
技術は、指の動きとコマンドの対応関係を学習する必要
があり、普通の人がすぐに使いこなすのは、かなり困難
であった。
【0021】また、音声認識技術を利用した音声情報入
力手段は、携帯情報処理端末程度の大きさに小型化する
見通しが得られていなのが実情である。この他、幾種類
もの手段が提案されているが、それらの手段はここで述
べた以上の問題を抱えるものであり、これらを従来技術
の代表事例としても特許の本質に及ぼす影響は少ない。
【0022】本発明の目的は、簡便にして効果的なデー
タ入力あるいは操作を行うことが可能な携帯情報処理端
末を提供することにある。
【0023】本発明の他の目的は、画像によるデータの
表示あるいは音声等によるデータの提示手段(以下、両
者を合わせて単に提示手段と称す)を有するユニットに
対して加えられる物理的な変位量(例えば移動距離や傾
き角度等)又はその時間微分量(例えば、加速度)がユ
ニットのデータ提示に関する入力あるいは操作手段とな
っている携帯情報処理端末を提供することにある。
【0024】本発明の目的と新規な特徴は、本明細書の
記述及び添付図面によって明らかにする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0026】(1)無線、光、赤外線、超音波、音声等
を用いて間接的にデータを伝送する手段、記憶媒体に記
録されたデータを電気的あるいは磁気的に伝送する手
段、ペン形状の入力補助具で使用者が直接データやコマ
ンドを伝送する手段のうち少なくとも1つの手段と、画
像によるデータの表示、あるいは音声等によるデータの
提示あるいはそれら双方の手段を有するユニットを備え
た携帯情報処理端末であって、該携帯情報処理端末に対
して加えられる物理的な変位量又は当該変位量の時間微
分量が前記携帯情報処理端末のデータの入力あるいは操
作手段となっており、該入力あるいは操作手段と当該携
帯情報処理端末とが一体構造となっているものである。
【0027】(2)無線、光、赤外線、超音波、音声等
を用いて間接的にデータを伝送する手段、記憶媒体に記
録されたデータを電気的あるいは磁気的に伝送する手
段、ペン形状の入力補助具で使用者が直接データやコマ
ンドを伝送する手段のうち少なくとも1つの手段と、画
像によるデータの表示、あるいは音声等によるデータの
提示あるいはそれら双方の手段を有するユニットを備え
た携帯情報処理端末であって、該携帯情報処理端末に対
して加えられる物理的な変位量又は当該変位量の時間微
分量を検出する3次元センサーと、該3次元センサーに
加えられた変位量あるいはその時間微分量をデータある
いは情報の表示あるいは提示の範囲又は速度又はその双
方に対応させる入力あるいは操作手段とし、該入力ある
いは操作手段と当該携帯情報処理端末とが一体構造とな
っているものである。
【0028】前述の手段によれば、限定された情報の提
示領域を有効に使用するので、操作者の感性を損なわな
い操作感を与えることができる。これによりこの種の小
型機器の長時間の操作や効率的な操作を可能とすること
ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態(実施例)を詳細に説明する。
【0030】(実施形態A)図1は本発明の実施形態A
の携帯情報処理端末(PDA:パーソナルディジタルア
シスタント)の外観概略構成を示す斜視図であり、図2
は図1の一部欠き断面を示す模式図、図3は本実施形態
Aの携帯情報処理端末の概略構成を示すブロック構成図
である。
【0031】本実施形態Aの携帯情報処理端末の概要構
成は、図1及び図2に示すように、データ提示部分(画
像によるデータの表示、あるいは発声等によるデータの
提示部分)1、データ入力手段あるいは操作手段2、携
帯情報処理端末の本体(以下、単に本体という)5、1
次元センサー6、3次元センサー7、電気配線8、電子
回路9、及び電池10で構成されている。
【0032】そして、前記電子回路9を主体とした詳細
構成は、図3に示すように、中央演算処理装置(CP
U)21、記憶装置(メモリー)22、情報入力演算手
段23、RF(無線周波数)インタフェース24、赤外
線インタフェース25、カードインタフェース26、カ
ード27、カードスロット28、本発明の本体に加えら
れる物理的な変位量又はその時間微分量を検出するセン
サー情報を入力するセンサーインタフェース29、及び
バス配線30,31で構成されいている。なお、ここで
はバス配線としたが、データをシリアル形式で伝送する
なら単なる配線でもよい。
【0033】前記中央演算処理装置(CPU)21は、
データの伝送を行うと共に、データの加工、例えば、拡
大、縮小、複製、変換等の処理を行うものである。記憶
装置(メモリー)22は、バス配線31を通して前記C
PU21あるいは外部から直接伝送(このためのバス配
線は図示せず)されるデータを格納するためのものであ
る。
【0034】前記情報入力演算部23は、データの入力
形態として実用に供されている各種の方法で伝送される
データを本体に都合の良い形に変換、あるいはその圧縮
等の処理を行うものである。
【0035】前記RF(無線周波数)インタフェース2
4、赤外線インタフェース25、カードインタフェース
26、カード27、及びカードスロット28は、PHS
システム等を用いて無線でデータを伝送する方法、赤外
線又は光を用いた通信でデータを伝送する方法、超音波
又は可聴周波数範囲の音でデータを伝送する方法、PC
M-CIAカードやMINIディスクのようなカード形
状の記憶媒体に記録されたものを本体に差し込み、電気
的にデータ転送を行う方法、及びペン形状の入力補助具
を用いて直接データやコマンドを伝える方法等に対応す
るものである。
【0036】尚、ペン入力の事例では入力画面上に走ら
せた赤外線を遮断したり、入力画面に加えられた圧力を
電気的あるいは磁気的な信号に変換して行なう方法が通
常であり、先のインタフェースの内、適したものが用い
られる。あまりにも当然のことであり言及するまでもな
いことであるが、ペン形状の入力補助具が本体の表示部
1に加える圧力で物理的な変位を生ぜしめる。この物理
的な変位は、本体の一部に対してのみ生ずるものであ
り、本発明の根幹をなす”本体の全体に加えられる物理
的な変位又はその時間微分量”とは明確に区別できるも
のである。前記センサーインタフェース29は、本発明
の大きな特徴の部分である。
【0037】前記各部間では、必要に応じてデータの転
送が行われるため、データの転送経路であるバス配線3
0が設けられている。これらの各部間に比べて多量のデ
ータを短時間で伝送する必要がある中央演算処理装置
(CPU)21と記憶装置(メモリー)22の間には前
記バス配線30よりデータ伝送容量の大きいバス配線3
1が設けられることが望しい。ただし、これらの配線の
伝送容量を大きくすることはコストや形状の増大をもた
らすため、前記バス配線30を単なる配線に簡単化する
ことなどは実際的な選択である。
【0038】本実施形態Aの携帯情報処理端末は、図1
で示したように、データの画像提示を行う部分が機器の
主面の大分をしめている。これは、以下の理由による。
【0039】本実施形態Aの特徴的な形状の一つは、ボ
タンスイッチ類からなるデータ入力手段あるいは操作手
段2が必要最低限に抑えられていることである。この様
な構造が可能となったのは、図2に示すように、1次元
センサー6を3個組合せた3次元センサー7とその出力
データを処理する電子回路9を例えばLSIで一体化し
たことによる。
【0040】次に、本実施形態Aの携帯情報処理端末の
動作について図1乃至図3を用いて説明する。本実施形
態Aの携帯情報処理端末の動作検証に際しては、シリコ
ン(Si)ウエハの上に作られた半導体容量の変化分を
加速度センサーとして用いた。この種の部品としては、
例えば、「吉川弘之企画・編集、マイクロマシン技術に
よる製品小型化・知能化事典、産業調査会事典出版セン
ター刊、1992.5月」などに詳しく記載されている
一般的な部品を採用することができる。小型で高性能な
3次元センサーの市販はされていないが、1次元センサ
ー6を直交するX-Y-Z平面に配置し、3次元センサー
7とした。試作品では、3次元センサー7としての複合
機能はないが、それぞれの出力を電気配線8でデータ処
理を行うLSI等の電子回路9の入力とした。
【0041】なお、電池10などを用いてセンサーや電
子回路9の部分に電圧(電気的なバイアス)を与えるこ
とも必要である。これらを図2に摸式的に示した。
【0042】さて、前記3つの1次元センサー6、即ち
3次元センサー7が検出すべき対象は、携帯情報処理端
末の本体5の動きであり、これは使用者の身体の動きで
決まることに注意が必要である。人の身体は、本質的に
細かいふるえを避けられず、これが3次元センサー7に
入力される。
【0043】また、携帯情報処理端末の本体5を手に保
持した状態を想定してみれば、明らかなように、手の上
に載せられた携帯情報処理端末の本体5はかなり複雑な
動きを余儀なくされる。例えば、携帯情報処理端末の本
体5を手元に直線的に引き寄せる操作では、手首、肘、
肩がそれぞれ回転運動をして合成された動きベクトルが
目的の動きを実現する。
【0044】この様な動作(操作)では、人は手首、
肘、肩、等に掛った荷重あるいはその変化量を感じて動
きを微調整するため、実際の携帯情報処理端末の本体5
の動きを直線で表すことには無理があった。
【0045】このため、同一匡体に内蔵したLSIから
なる信号処理装置でセンサー信号から得られる動きを最
もよく表す直線のデータに変換する処理を行う。この直
線のデータが、内蔵のデーターあるいは情報を提示する
際の開始/終了座標あるいはその範囲を示す数値(入力
データ)となる。
【0046】次に、本実施形態Aの携帯情報処理端末の
試作機で検証された具体的な特徴について述べる。
【0047】本体5には既に前述の手段で情報が蓄えら
れているものとする。また、操作者は本体の電源をオン
にし、本実施形態Aの携帯情報処理端末を活性状態にし
ているものとする。この状態で本体5は表示部1に提供
可能な情報・データの一覧を提示する。これらの提示手
段はパソコン等で行われる内蔵データの画像表示と同じ
手段でなされる。
【0048】さて、ここで操作者は本体5を傾けて3次
元センサー7のX方向に物理的な変位量を与える。この
変位量はセンサーの容量変化として検知され、与えられ
ている電気的なバイアスのため、電圧変化となる。電圧
変化はいわゆる電気的なパルスであり、センサーインタ
フェース29で内蔵CPUが扱える電圧範囲に変換され
る。
【0049】また、このセンサーインタフェース29で
先の細かい手の動き等を雑音として除去する演算を行
う。これは、センサーインタフェース29の信号感度の
閾値を大きく設定することで実現された。また、センサ
ーインタフェース29はセンサーの微弱な信号変化を増
幅する働き、あるいは人体が持つ静電気による放電等の
異常な電圧に対する保護機能を有する。
【0050】本体5の操作手順に戻って説明を続ける。
センサーインタフェース29から送られた電圧パルスは
電子回路9で先のデータ提示部分(表示部)1のカーソ
ル位置の操作データとして扱われる構成(これはパソコ
ン等に搭載されるいわゆるOSで定義が可能)とした。
この結果、本体5を傾けることで、X方向の変位量がカ
ーソルの上下方向の動きに変換されて表示される。
【0051】操作者は、表示させたい項目の位置にカー
ソルが来た時点で、本体5をZ方向に小さく、早く動か
す。このZ方向の動きを3次元センサー7が捉えて、先
と同様な電圧パルスをセンサーインタフェース29の別
の配線に送り出す。これを本体5の項目選択信号とする
(これもいわゆるOSで定義が可能)ことで、目的の情
報・データの読み出しを可能とした。
【0052】ここで3次元センサー7とCPU21を含
む電子回路9を一体化した効果の一部が明らかとなっ
た。即ち、3次元センサー7の微弱な信号を本体5から
外部に引き回した場合に避けられない他の電子機器から
の誘導雑音を問題にする必要がない。また、外部に露出
する配線がないため、静電気放電等の異常電圧の影響を
受けることが格段に少なくなることは明白である。
【0053】さて、提示された情報・データは小型の情
報処理端末のデータ提示部分(表示部)1に表示できな
い場合が大半である。本発明では、この様な場合、簡易
な操作で情報・データの表示内容を変更することができ
た。例えば、本体5をY方向に傾けることによって、同
じく電圧パルスを発生させ、データや情報の表示内容を
変更するものである。
【0054】これは、表示対象の情報・データ(新聞紙
面を思い浮かべると分かり易い)に対し、物理的に制約
されたデータ提示部分(表示部)1を窓として読みたい
方向に移動させる動きを連想するとよい。XあるいはY
方向の動きを情報やデータの表示内容の変更に対応させ
たのである。
【0055】実際の操作は、先の電圧パルスを受けた電
子回路9が本体5に内蔵されたメモリーのデータを読み
出した後、表示速度を変化させたに過ぎない。しかし、
操作者から見ると表示内容が本体5の傾きに応じて変化
するため、極めて自然な操作感が得られることは自明で
ある。
【0056】また、ここで、情報・データの提示の形態
について言及する。通常、文字はいわゆるテキストデー
タとして格納されている。この文字情報については、文
字の大きさ(いわゆるフォントサイズ)も同様に格納さ
れている。このことを利用して別の効果を生むことがで
きた。先のZ方向の小さく早い動きと区別できる、“ゆ
っくりとした本体5を持ち上げる操作A”と“持ち下げ
る操作B”の二つの動きを3次元センサーで検知するこ
とが可能である。
【0057】これらの動きの内、持ち上げる操作Aを表
示フォントサイズを小さくする操作に、持ち下げる操作
Bを表示フォントサイズを大きくする操作に対応させ
た。これによって簡単な操作で表示内容を細かくした
り、大ざっぱにしたりすることができ、本発明の一つの
特徴となっている。もちろん、文字以外の図形や画像情
報に関しても同様な操作が可能である。図形情報の場
合、位置情報と長さ及び太さ情報の組み合わせで図形が
メモリーに格納されているので、電子回路9の部分で位
置情報の写像や長さ及び太さの拡大・縮小を行うことで
同様な表示内容の拡大・縮小が実現できた。また、映像
情報についても同様に実現できた。
【0058】(実施形態B)図4は本発明の実施形態B
のデータ表示装置を用いた携帯情報処理端末の一部欠き
断面図であり、5’は携帯情報処理端末の本体、7は3
次元センサー、8は電気配線、9は電子回路、10は電
池、11はレンズ系等からなる光学系11、12はスク
リーン、13は文字情報である。
【0059】本実施形態Bの本体5’には、図4に示す
ように、3次元センサー7が内蔵されている。この本体
5’は、映像投射装置の如き機能を現出せしめるもので
ある。即ち、内蔵する電子回路9の持つデータあるいは
情報をそのまま、あるいは他のシステム(図示せず)か
ら前記図3に示すようなインタフェースを介して転送さ
れてくるデータや情報を、あるいは電子回路9でそれら
のデータや情報を提示可能な形に変換した後、光源(図
示せず)及びレンズ系等からなる光学系11を用いてス
クリーン12あるいはこれに代わるものに提示する。
【0060】図4に示す実施形態Bにおいては、文字情
報13が提示されているが、この他、映像情報や音等の
情報でもよい。図2に示す実施形態Aと同じく、3次元
センサー7の入力に応じてデータ提示内容を変えるが、
本体5’の手元部分を下げて先端部分を上げると提示さ
れた情報等の内容が下方向にスクロール(使用者から見
ると相対的に上の情報を見るために動いているように感
じる)し、逆の操作を行うと上方にスクロールし、ある
いは保持した状態から先端を右手方向に振ると情報等の
提示内容が左手方向にスクロール(使用者から見ると相
対的に右手の情報を見るために動いているように感じ
る)するなどの動きを与えることにより、先の例でも述
べた様に、本実施形態Bでは、操作者の手の動きで情報
が変化するため、極めて自然な操作感を得ることができ
る。また、上下、左右の動きに合わせて情報・データの
提示内容を変化させることにより、同一のデータ提示部
分(表示部)の大きさあるいは投射スクリーンの大きさ
でより多くの情報・データを得ることが可能である。
【0061】これにより、狭い限定された情報提示領域
でも効果的な使用者の感覚に合わせたデータや映像等の
確認が可能となる。
【0062】本実施形態Bの携帯情報処理端末の試作品
では、これらのデータや情報の動きを止めるスイッチを
設けたが、このスイッチの代わりに携帯情報処理端末の
本体5’に加えられる動きをそのスイッチ代わりとして
もよい。例えば、”小さな急な動き”をこの種の動きの
開始/停止の選択スイッチとする案が考えられる。
【0063】また、音等聴覚系の器官を通した情報提示
では、スクリーンなどは不要となり、スピーカーやイヤ
ホン等の音を出す部品あるいは装置がこの代わりとな
る。即ち、先のデータ提示における画像データの動きは
音声に代わり、データの前進、後退を本体5’の動きに
対応させることとなる。
【0064】(実施形態C)図5は本発明の実施形態C
の携帯情報処理端末の概略構成を示す模式図であり、1
はデータ提示部、5は携帯情報処理端末の本体、13は
文字情報、14は標準的な倍率の仮想データスクリー
ン、14’は小さな倍率の仮想データスクリーン、1
4”は大きな倍率の仮想データスクリーン、15はX方
向、16はY方向、17はZ方向である。
【0065】図5において、データ提示部1は液晶表示
パネルであり、携帯情報処理端末の本体5に内蔵された
電子回路(図示せず)によってデータあるいは画像情報
を効率的に使用者に提示する。
【0066】以下、その具体例を説明する。説明におい
ては、図4の描かれた紙面に平行で上下方に向かう動き
をY方向16の動き、同じく左右に向かう動きをX方向
15の動き、紙面に垂直な動きをZ方向17の動きと呼
ぶが、本発明の適用例によってはこれらの関係が変わる
ことは有り得ることである。また、説明に際して、仮想
的なデータ提示スクリーン14を用いるが、後述する操
作でこの仮想的なデータ提示スクリーン14は、その表
示倍率や表示内容を変えることに本発明の大きな特徴が
ある。
【0067】図4に示す実施形態Bと同じく、使用者の
意思の発露である携帯情報処理端末の本体5に加えられ
る動きを加速度センサーでシステムへの入力として検知
し、情報提示内容を変えるものである。大倍率の仮想デ
ータースクリーン14”が選択されているとする。ここ
に、図4の標準的な倍率の仮想データスクリーン14、
小さな倍率の仮想データスクリーン14’、あるいは大
きな倍率の仮想データスクリーン14”の上に表示され
た太い線の枠は携帯情報処理端末の本体5のデーター提
示部1を表すものである。
【0068】X方向15(波線矢印で表示)へ携帯情報
処理端末の本体5を動かすと、情報等の提示内容が左手
方向にスクロール(使用者から見ると相対的に右手の情
報を見るために動いているように感じる)する。携帯情
報処理端末の本体5をY方向16(同じく波線矢印で表
示する)に動かすと、提示された情報等の内容が上方向
にスクロール(使用者から見ると仮想データースクリー
ンの下の情報を見るために動いているように感じる)
し、逆の操作を行うと下方にスクロールする。
【0069】このように、面積が限定されたデータ提示
部分(表示部)1ではあるが、使用者の手の動きに合わ
せた情報等の提示を行うことで十分にその機能を果たす
ことが確認された。
【0070】これは、例えば、仮想的な情報スクリーン
を新聞紙とし、その上を観察窓(本発明の提示部1に相
当する)をおいて、使用者が自己の興味に応じて上下左
右に観察窓を動かし、情報の提示内容を読み取っていく
ことに繋がる。この際、画面の大きさを変える手段を付
与することが情報の理解スピードを早めるため、本発明
の特徴を生かした構成となる。試作品ではZ方向に携帯
情報処理端末の本体5を動かし、Z方向の加速度を生じ
させ、情報提示の物理的な寸法を変化させるきっかけと
した。
【0071】この様子を図4に摸式的に示した。本実施
形態Cでは、携帯情報処理端末の本体5のZ方向の動き
に応じてデータ提示内容の物理寸法を変えた。これは、
先の新聞紙の例においては、あたかも視点を紙面から遠
ざけたり、近づけたりする動作を模擬することになり、
前記実施形態Aと同様、使用者の自然な使用感を醸し出
すものである。本実施形態Cでもこれらのデータや情報
の動きを止めるスイッチ(又はボタン、以下、スイッチ
と表記)を設けたが、このスイッチに代えて、携帯情報
処理端末の本体5に加えられる動きをそのスイッチの代
わりとしてもよい。
【0072】本実施形態Cにおいて、仮想のデータース
クリーンの情報提示の物理的な寸法に応じて、スクロー
ル速度を変えることは使用者の利便さを向上させるもの
である。すなわち、小倍率のスクリーン14’において
は、スクロール速度を速くし、大倍率のスクリーン1
4”においては、スクロール速度を遅くすることが使用
者の感覚に良好な結果をもたらした。
【0073】また、手の動く範囲が限定されていること
に留意し、X-Y-Zの3方向の小さな動きを仮想データ
ースクリーンの動きに反映させることが肝要であるが、
手や腕の細かな動きは人体に対して本質的なものであ
り、両者の兼ね合いがポイントであった。このため、試
作品では本体横に小さなスイッチを設け、これを押して
いる間の加速度は仮想データースクリーンの制御に反映
しない構成とした。
【0074】手の動かせる範囲を超えた仮想データース
クリーンの情報の読み取りは、限度一杯のスクロールを
行った後、先のロックボタンを押して手を戻すことで再
度、手を目的の方向に動かせば良い。動きの範囲が不足
すれば、必要な度数を繰り返せばよい。
【0075】本発明の他の実施例について述べる。以上
の説明においては、使用者の意思を携帯情報処理端末の
本体5に加えられた加速度で検出した。これに代えて、
携帯情報処理端末の本体5の傾き(物理的な変位量)を
検出して情報の提示内容を代える構成も有効である。即
ち、図5において、携帯情報処理端末の本体5の右側を
下げたら仮想データースクリーンを左方に(相対的に携
帯情報処理端末の本体5は右に移動した様な表示とな
る)、携帯情報処理端末の本体5の上側を下げたら仮想
データースクリーンを下方に、それぞれスクロールし、
携帯情報処理端末の本体5を水平に保ったらスクリーン
の移動を停止する。このようにすることにより、自然な
情報の引出しが可能となる。
【0076】この場合には、3次元の傾きの角度を検知
するセンサーが先の加速度センサーに代わる。又、傾き
は重力加速度の方向となす角度で求めることが簡単な構
成(例えば、矩形の窪み部に捕獲された導電性固形物の
位置を接触の有無で傾き方向を判定)を与えるが、若
干、大きなものとなる。
【0077】このため、部品的には複雑になるが、地磁
気となす角の変化を捕らえて電子回路的な処理を行い、
加速度センサーの代わりとなす構成が小型化には有利で
ある(図示せず)。また、所定の空間に赤外線を多数投
射しておき、これらを遮る携帯情報処理端末の本体5の
動きを3次元的にセンスする構成を取り得る(図示せ
ず)。
【0078】なお、以上の仮想データースクリーンの操
作時において、同一操作が続くときはスクロール速度を
上げ、他の操作が加わったときは所定のゆっくりしたス
クロール速度に戻る制御とすることがヒューマンインタ
フェースの観点から望ましい結果を与えることが試作機
のモニターで明らかになった。
【0079】また、操作者の姿勢が必ずしも携帯情報処
理端末の本体5を水平に保持した状態を基準と出来ない
ことが多々あった。これに対しては、セットスイッチ
(図示せず)の如きものを設けて、当該スイッチを押し
た状態を初期値(今までの事例でいうところの水平状
態)とし、直行するX-Y-Z面の動きとして操作量を換
算するアルゴリズムが有効であった。これらの演算は、
等角斜像であり、携帯情報処理端末の本体5に内蔵でき
る電子回路で十分対処が可能であった。また、一連の操
作の開始、終了、ポーズ等の簡単な操作はボタンあるい
はスイッチ操作で置き換えることが現実的である。図1
に示す実施形態Aの四隅に設けた大きなボタンはこの種
の操作を想定したものである。
【0080】また、物理的な変位量としては、X,Y,
Zの移動距離を採用してもよい。この場合は、センサの
検知した物理量の時間微分量に当該状態が続いた時間を
掛け合わせることで移動距離を算出することが可能であ
る。この演算は勿論本体2に内蔵されたCPUで行なう
ことが得策である。
【0081】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0082】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すると、以
下のとおりである。
【0083】(1)限定された情報の提示領域を有効に
使って操作者の感性を損なわない操作感を与えることが
できる。
【0084】(2)前記(1)により、この種の小型機
器の長時間の操作や効率的な操作を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態Aの携帯情報処理端末(PD
A:パーソナルディジタルアシスタント)の外観概略構
成を示す斜視図である。
【図2】図1の一部欠き断面を示す模式図である。
【図3】本実施形態Aの携帯情報処理端末の概略構成を
示すブロック構成図である。
【図4】本発明の実施形態Bの携帯情報処理端末の一部
欠き断面図である。
【図5】本発明の実施形態Cの携帯情報処理端末の概略
構成を示す模式図である。
【図6】従来の携帯情報処理端末の概略構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…データ提示部分、1’…表示部(液晶ディスプレー
等)、2…データ入力手段あるいは操作手段、2’…パ
ネルスイッチ,2”…操作ボタン(スイッチ)、3…操
作部、4…表示部、5,5’…携帯情報処理端末の本
体、6…1次元センサー、7…3次元センサー、8…電
気配線、9…電子回路、10…電池、11…レンズ系、
12…スクリーン、13…文字情報、14…標準的な倍
率の仮想データスクリーン、14’…小さな倍率の仮想
データスクリーン、14”…大きな倍率の仮想データス
クリーン、15…X方向、16…Y方向、17…Z方
向、21…中央演算処理装置(CPU)、22…記憶装
置(メモリー)、23…情報入力演算手段、24…RF
(無線周波数)インタフェース、25…赤外線インタフ
ェース、26…カードインタフェース、27…カード、
28…カードスロット、29…センサーインタフェー
ス、30,31…バス配線。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線、光、赤外線、超音波、音声等を用
    いて間接的にデータを伝送する手段、記憶媒体に記録さ
    れたデータを電気的あるいは磁気的に伝送する手段、ペ
    ン形状の入力補助具で使用者が直接データやコマンドを
    伝送する手段のうち少なくとも1つの手段と、画像によ
    るデータの表示、あるいは音声等によるデータの提示あ
    るいはそれら双方の手段を有するユニットを備えた携帯
    情報処理端末であって、該携帯情報処理端末に対して加
    えられる物理的な変位量又は当該変位量の時間微分量が
    前記携帯情報処理端末のデータの入力あるいは操作手段
    となっており、該入力あるいは操作手段と当該携帯情報
    処理端末とが一体構造となっていることを特徴とする携
    帯情報処理端末。
  2. 【請求項2】 無線、光、赤外線、超音波、音声等を用
    いて間接的にデータを伝送する手段、記憶媒体に記録さ
    れたデータを電気的あるいは磁気的に伝送する手段、ペ
    ン形状の入力補助具で使用者が直接データやコマンドを
    伝送する手段のうち少なくとも1つの手段と、画像によ
    るデータの表示、あるいは音声等によるデータの提示あ
    るいはそれら双方の手段を有するユニットを備えた携帯
    情報処理端末であって、該携帯情報処理端末に対して加
    えられる物理的な変位量又は当該変位量の時間微分量を
    検出する3次元センサーと、該3次元センサーに加えら
    れた変位量あるいはその時間微分量を、データあるいは
    情報の表示あるいは提示の範囲又は速度又はそれらの双
    方に対応させる入力あるいは操作手段とし、該入力ある
    いは操作手段と当該携帯情報処理端末とが一体構造とな
    っていることを特徴とする携帯情報処理端末。
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