JPH1063338A - 施工用移動体の遠隔操作支援システム - Google Patents

施工用移動体の遠隔操作支援システム

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JPH1063338A
JPH1063338A JP8225169A JP22516996A JPH1063338A JP H1063338 A JPH1063338 A JP H1063338A JP 8225169 A JP8225169 A JP 8225169A JP 22516996 A JP22516996 A JP 22516996A JP H1063338 A JPH1063338 A JP H1063338A
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JP
Japan
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remote
operation signal
support system
distance
construction
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Application number
JP8225169A
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English (en)
Inventor
Toshibumi Sato
俊文 佐藤
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Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
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Publication date
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  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】手動操作と自動操作とを組合せた施工用移動体
の遠隔操作支援システムを提供する。 【解決手段】遠隔操作室40に、遠隔操作信号で駆動する
施工用移動体3に対する手動操作信号12の入力手段11、
所定計画線分Qiと該計画線分Qi上の計画操作信号22とが
記憶されたメモリ21を含む演算手段20、入力手段11及び
演算手段20に接続され手動操作信号12又は計画操作信号
22を選択的に移動体3へ遠隔操作信号として伝送する送
信装置14を設ける。移動体3の位置座標Pを座標計測手
段9で計測し、演算手段20で位置座標Pと計画線分Qi
の間の距離LPを算出し、距離LPが所定限界距離LM以下の
時に計画操作信号22を送信装置14へ出力し、距離LPが所
定限界距離LMより大きい時に計画操作信号22の送信装置
14への出力を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は施工用移動体の遠隔操作
支援システムに関し、とくに所定移動計画線分上で駆動
する施工用移動体の遠隔操作を支援するシステムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】人の立入り禁止区域や危険が伴う区域で
ダムの施工等を行なう場合に、施工域内を無人化し、遠
隔操作可能としたブルドーザ、パワーショベル、ダンプ
トラック等の施工用機械(以下、施工用移動体又は単に
移動体という。)を用いた遠隔施工が行われる。例えば
雲仙普賢岳周辺のような大規模な火砕流と土石流により
膨大な被害を受けた区域に砂防ダムを建設する場合に、
工事中の安全を確保するため、遠隔施工が実施されてい
る。
【0003】図7は遠隔施工の一例を示す。同図では、
施工域1内に複数台の施工用移動体3aを配置し、各移動
体3aに撮像機16と画像送信機17を取付け、撮像機16で撮
影した操作用画像を受信局4である遠隔操作室40の画像
受信機13へ伝送し、遠隔操作室40の操作員が操作用画像
に基づいて移動体3aを遠隔操作する。施工域1内には監
視用撮像機6と画像送信機7が取付けられた撮影用移動
体5も配置され、該撮像機6の監視用画像に基づいて遠
隔操作室40で施工域1内の作業状況を監視できる。各移
動体3aには衛星航行システム(以下、GPSという。)
による座標計測装置9が取付けられ、座標計測装置9が
計測する位置に基づいて遠隔操作室40で各移動体3aの施
工域1内の位置を把握できる。図中の符号41はデータ伝
送用タワー、符号43は測量用ヘリコプターを示す。図7
は除石・掘削作業を示すが、コンクリート運搬作業、コ
ンクリート打込み作業等の他の作業も所要の移動体3aを
用いて遠隔施工することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す遠隔施工で
は、通常、各移動体3aの遠隔操作をそれぞれ1名の操作
員が担当する。即ち各操作員は、担当する移動体3aから
の操作用画像、監視用画像、移動体3aの位置座標及び設
計図等を参照しながら、当該移動体3aのリモコン装置を
手動操作する。
【0005】他方、施工作業の中には施工域1内の所定
移動計画線分(線分の集合としての曲線を含む。以下同
じ)上で施工用機械を操作すれば足りるものがある。例
えばコンクリートダムの施工では打設コンクリートの仕
上り品質を確保するため固化前のコンクリート上で締固
め用ローラを有振動又は無振動で転がす作業(以下、転
圧作業という。)が不可欠である。転圧作業は、例えば
図5及び図6に示すローラ30付き締固め機械(以下、振
動ローラという。)3bを用いて行われる。振動ローラ3b
による転圧作業の平面図である図5を参照するに、振動
ローラ3bによる転圧作業では、振動ローラ3bをコンクリ
ート打設後の所定移動計画線分Qi上で所定回数往復させ
て計画線分Qi上のローラ幅Waの帯状域(以下、ローラ加
圧域という。)を転圧し、振動ローラ3bを計画線分Qi
ら計画線分Qi+1まで横方向に移動させ且つ計画線分Qi+1
上で振動ローラ3bを所定回数往復させて計画線分Qi+1
のローラー加圧域を転圧し、前記所定回数の往復移動と
前記横方向の移動とを繰返す。即ち図5の転圧作業は、
所定移動計画線分Qi上で振動ローラ3bを往復させる簡単
な操作の組合せからなる作業である。
【0006】但し実際のコンクリートダムの施工では、
転圧作業がコンクリート品質を確保する上で重要な工程
であるため、所定移動計画線分Qi上での振動ローラ3bの
移動速度、移動時の振動加圧の要否、計画線分Qi上での
往復回数(以下、転圧回数という。)、隣接するローラ
加圧域の重なり幅(以下、ラップ幅という。)Wb等が設
計段階で決められ、施工管理の対象とされている。
【0007】遠隔施工で転圧作業を行う場合は、遠隔操
作可能とした振動ローラ3bを使用することができる。し
かし転圧作業の遠隔施工には、施工管理及び省力化の面
から以下の問題点がある。 転圧作業は簡単な作業であるにも拘らず、従来は複数
の振動ローラ3bを同時に遠隔操作する技術が開発されて
いなかったので、1台の振動ローラ3bの遠隔操作に1名
の操作員が必要となる。 転圧作業時の振動ローラ3bの移動速度は1km/h程度の
極低速である上、ローラ30の所定回数の往復という規則
的操作の繰返しであるため、単調な操作が操作員の疲労
を招く。 遠隔操作は搭乗時の直接操作と異なる熟練を要するこ
と、単調な操作に対して集中力の維持が難しいこと等の
理由により、転圧回数のバラツキや所定ラップ幅の未確
保などの施工管理上の問題が生じ、コンクリートに所定
品質が確保できない虞がある。
【0008】これらの問題点を解決するため、振動ロー
ラ3bの自動運行システムの開発が試みられている。自動
運行システムとは、作業員による手動操作を一切省略
し、振動ローラ3bを操作計画に基づいて自動操作するシ
ステムである。しかし軟らかいコンクリート上での振動
ローラ3bのスリップの発生、振動ローラ3bの自動操作制
御の難しさ等の理由により振動ローラ3bの所定移動計画
線分上の移動を自動操作のみで実現することは困難であ
り、実用化可能な程度の振動ローラ3bの自動運行システ
ムは開発されていない。
【0009】そこで本発明の目的は、手動操作と自動操
作とを組合せた施工用移動体の遠隔操作支援システムを
提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1を参照するに、本発
明の施工用移動体の遠隔操作支援システムは、遠隔操作
信号で駆動する施工用移動体3の位置座標P(図5参
照)を計測する座標計測手段9、遠隔操作室40で移動体
3に対する遠隔手動操作信号12を入力する入力手段11、
該遠隔操作室40で座標計測手段9に接続され且つ施工域
1内の所定移動計画線分Qi(図5参照)と該計画線分Qi
上の計画操作信号22とが記憶されたメモリ21を含む演算
手段20、並びに入力手段11及び演算手段20に接続され手
動操作信号12又は計画操作信号22を選択的に移動体3へ
遠隔操作信号として伝送する送信装置14を備え、演算手
段20で前記計測手段9が計測する位置座標Pと前記計画
線分Qiとの間の距離LP(図5参照)を算出し、距離LP
所定限界距離LM以下の時(LP≦LM)に計画操作信号22を
送信装置14へ出力し、距離LPが所定限界距離LMより大き
い時(LP>LM)に計画操作信号22の送信装置14への出力
を停止してなるものである。
【0011】好ましくは、移動体3に演算手段20へ通信
手段18a、18bにより接続される方位計25を取付け、演算
手段20で方位計25が計測する方位D(図5参照)と前記
所定移動計画線分Qiとの交差角度θD(図5参照)を算
出し、交差角度θDが所定限界角度θM以下の時(θD
θM)に計画操作信号22を送信装置14へ出力し、交差角
度θDが所定限界角度θMより大きい時(θD>θM)に計
画操作信号22の送信装置14への出力を停止する。
【0012】更に好ましくは、移動体3に演算手段20へ
通信手段18a、18bにより接続される傾斜計26を取付け、
該傾斜計26が計測する傾斜角Iが所定限界傾斜角IM以下
の時(I≦IM)に計画操作信号22を送信装置14へ出力
し、傾斜角Iが所定限界傾斜角IMより大きい時(I>
IM)に計画操作信号22の送信装置14への出力を停止す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による遠隔操作支
援システムの一実施例のブロック図を示す。図1の施工
用移動体3には撮像機16及び画像送信機17が取付けられ
る。撮像機16で撮影した操作用画像は画像送信機17及び
画像受信機13経由で遠隔操作室40へ伝送され、モニタ15
に表示される。また施工域1には監視用撮像機6とその
画像送信機7が設けられ、監視用撮像機6で撮影した監
視用画像も遠隔操作室40へ伝送されてモニタ15に表示さ
れる。監視用撮像機6及び画像送信機7は、固定式又は
監視用移動体6(図7参照)等に取り付けて移動式とす
ることができる。撮像機6、16、画像送信機7、17、画
像受信機13及びモニタ15は本発明外の従来技術に属する
ものである。
【0014】遠隔操作室40の操作員は、例えばモニタ15
を参照しながら、入力手段11から移動体3に対する遠隔
手動操作信号12を入力する。入力された手動操作信号12
は遠隔操作室40の送信装置14から移動体3の受信装置10
へ遠隔操作信号として伝送され、移動体3の駆動手段8
に入力される。駆動手段8は遠隔操作信号に応じて移動
体3を駆動する。入力手段11、送信装置14、受信装置10
及び駆動手段8は従来の遠隔施工技術に属するものであ
る。
【0015】本発明によれば、遠隔操作信号の送信装置
14に演算手段20を接続する。演算手段20にはメモリ21を
設け、該メモリ21に、施工域1内における移動体3の所
定移動計画線分Qi(図5参照)と該計画線分Qi上の計画
操作信号22とを記憶する。計画操作信号22は、計画線分
Qi上で移動体3を駆動するための操作信号であって、施
工作業の種類に応じて定められるものである。例えば移
動体3が振動ローラ3b(図6参照)である場合は、計画
操作信号22に振動ローラ3bの往復操作信号、移動速度、
振動加圧の要否、転圧回数、ラップ幅等が含まれる。演
算手段20は例えば演算プログラム内蔵のコンピュータと
することができる。
【0016】演算手段20に座標計測手段9を接続し、座
標計測手段9で計測した移動体3の位置座標Pを演算手
段20へ入力する。図1では座標計測手段9として2台の
GPS座標計測装置9a、9bを用いている。即ち、計測装
置9bで地表既知座標の遠隔操作室40の三次元座標P4を計
測し、同時に計測装置9aで移動体3の三次元座標P3を計
測し、両計測装置9a、9bの計測値P3、P4から相対測位法
で遠隔操作室40から移動体3に至る三次元ベルトルを求
め、遠隔操作室40の既知座標と前記三次元ベクトルとか
ら移動体3の位置座標Pを算出している。但し座標計測
手段9はGPS計測に限定されず、例えば遠隔操作室40
に設けた自動追尾式トータルステーション等の測量機器
で移動体3の位置座標Pを計測してもよい。
【0017】移動体3を振動ローラ3bとした図5の例を
参照するに、演算手段20は位置座標Pと所定移動計画線
分Qiとの間の距離LPを算出し、距離LPにより移動体3の
計画線分Qi上からの逸脱を判断する。即ち、演算手段20
はメモリ21に所定限界距離LMを記憶し、距離LPと所定限
界距離LMとを比較し、距離LPが所定限界距離LM以下の時
は移動体3が計画線分Qi上にあると判断し、計画操作信
号22を送信装置14へ出力する。計画操作信号22は送信装
置14から移動体3の受信装置10へ遠隔操作信号として伝
送され、移動体3の駆動手段8へ入力される。この場合
は、手動操作信号12の入力がない場合でも、移動体3を
計画操作信号22に応じて自動操作することができる。他
方、距離LPが所定限界距離LMより大きい時は移動体3が
計画線分Qi上から外れたと判断し、計画操作信号22の送
信装置14への出力を停止する。従って手動操作信号12の
みが移動体3へ遠隔操作信号として伝送される。
【0018】要するに本発明では、移動体3が計画線分
Qi上にある時のみ計画操作信号22で移動体3の自動操作
をし、移動体3が計画線分Qiから外れた時は自動操作を
停止して手動操作信号12に従う。但し自動操作時も手動
操作信号12の入力を可能とするので、移動体3が計画線
分Qi上にある時でも手動操作信号12の入力により移動体
3の位置や方位の修正又は非常停止が行える。また、計
画操作信号22を前進・後退・停止の操作信号のみとし且
つ方向操作を手動操作信号22とすること等により、操作
員の方向操作への集中を図り、遠隔手動操作の操作要素
の区分け及び組合せによる合理化が図れる。本発明は移
動体3の遠隔操作を半自動化することにより、操作員を
単調な作業から開放し、1名の操作員で同時に複数台の
移動体3の遠隔操作を可能とし、しかも均一な施工品質
が確保できる。
【0019】こうして本発明の目的である「手動操作と
自動操作とを組合せた施工用移動体の遠隔操作支援シス
テム」の提供が達成できる。
【0020】好ましくは、通信手段18a、18bにより演算
手段20へ接続される方位計25を移動体3に取付け、演算
手段20により方位計25の計測方位Dと所定移動計画線分
Qiとの交差角度θD(図5参照)を算出し、交差角度θD
で移動体3の計画線分Qi上からの逸脱を監視する。即
ち、図1及び図5を参照するに、演算手段20のメモリ21
に所定限界角度θMを記憶し、交差角度θDと所定限界角
度θMとを比較し、θD≦θMが成立する場合にのみ計画
操作信号22を送信装置14へ出力する。θD>θMの場合は
移動体3の計画線分Qi上からの逸脱の虞があるからであ
る。通信手段18a、18bの一例は無線送信機及び無線受信
機である。図1では通信手段18a、18bを送信装置14及び
受信装置10と分けているが、通信手段18a、18bを送信装
置14及び受信装置10と一体のものとすることができる。
【0021】更に好ましくは、通信手段18a、18bにより
演算手段20へ接続される傾斜計26を移動体3に取付け、
演算手段20のメモリ21に所定限界傾斜角IMを記憶し、傾
斜計26が計測する傾斜角Iと所定限界傾斜角IMとを比較
し、I≦IMが成立する場合にのみ計画操作信号22を送信
装置14へ出力する。I>IMの場合は移動体3の破損に繋
がる転倒の虞があるからである。
【0022】
【実施例】図2〜4は、コンクリートダムの遠隔施工の
振動ローラ3bの転圧作業に本発明を適用した場合の流れ
図の一例を示す。所定のリフト高さにコンクリートを打
込み、ブルドーザで敷均し作業を行った後、振動ローラ
3bによる転圧作業を開始する。敷均し作業の直後のコン
クリートは軟らかく、振動ローラ3bのローラ30のスリッ
プや傾きが発生し易いので、操作員による手動操作信号
12が不可欠と考えられる。図2〜4の流れ図では、敷均
し作業後の所定転圧回数までは操作員がモニタ15の画像
及び振動ローラ3bの位置・姿勢を監視しながら手動遠隔
操作によって転圧作業を行い、その後に計画操作信号22
による自動操作へ切替える例を示す。なお操作員による
手動遠隔操作時でも振動ローラ3bの位置座標P、方位
D、傾斜角Iを計測し、演算手段20へ入力してメモリ21
に施工履歴として記録することができる。記録された施
工履歴は、転圧作業中及び作業後の施工管理に利用でき
る。
【0023】図2〜4を参照するに、ステップ201で
は、操作員による手動遠隔操作終了時の転圧回数を初期
転圧回数として演算手段20へ入力する。手動遠隔操作に
よる転圧回数が予め決められている場合は、当該転圧回
数を予めメモリ21等に記憶してステップ201を省略でき
る。ステップ202では、所定移動計画線分Qi上の自動操
作開始位置まで振動ローラ3bを移動させる。例えば手動
遠隔操作終了位置をそのまま自動操作開始位置とするこ
とができる。ステップ203で今回転圧作業に振動加圧が
必要か否かを判断し、必要な場合はステップ204で振動
操作信号を送信装置14へ出力する。振動加圧とは、振動
ローラ3bの前進・後退時にローラ30の振動による締固め
を付加することである。振動加圧の要否は、例えば転圧
回数に対応させて1回目は無振動、2〜4回目は有振
動、5回目は無振動等の様に演算装置20のメモリ21に計
画操作信号22として記憶される。
【0024】ステップ205において、計画操作信号22の
移動速度等を含む前進操作信号を出力し、振動ローラ3b
を移動させる。前進中は絶えず振動ローラ3bの位置座標
P、方位D、傾斜角Iの監視サイクル(ステップ206〜3
06)を繰返す。即ち、先ずステップ206では傾斜角Iと
所定限界傾斜角IMとを比較し、傾斜角Iが所定限界傾斜
角IMより大きい時(I>IM)は、転倒破損の危険性があ
るため、直ちに計画操作信号22の出力を停止し、演算手
段20に接続した表示手段19へ異常表示信号を出力する
(ステップ207)。所定限界傾斜角IMは振動ローラ3bの
転倒角度及び作業の安全性を考慮して決定できる。傾斜
角Iが所定限界傾斜角IM以下の時(I≦IM)はステップ
208へ進む。
【0025】ステップ208では、位置座標P−計画線分Q
i間の距離LPと所定限界距離LM以下の所定監視距離LW
を比較し、距離LPが所定監視距離LWより大きい時(LP
LW)には表示手段19に手動操作信号要求を表示するため
の信号を出力する(ステップ301)。距離LPが所定監視
距離LWと所定限界距離LMとの間にある時は、計画操作信
号22の出力を継続しつつ操作員に対して手動操作信号12
の入力を要求し、操作員の手動操作信号12で距離LPが所
定監視距離LW以下に復帰すれば自動操作を継続できる。
なお本発明は自動操作中でも手動操作信号12により振動
ローラ3bの座標位置や方位の修正が可能である。入力の
遅延又は誤りにより距離LPが所定限界距離LMを越えた時
は直ちに計画操作信号12の出力を停止し、表示手段19に
異常表示信号を出力する(ステップ303、305)。所定監
視距離LW及び所定限界距離LMは、図5に示すローラ30の
幅Wa及びラップ幅Wbと転圧作業状況等を考慮して決定で
きる。ステップ208で距離LPが所定監視距離LW以下の時
(LP≦LW)はステップ209へ進む。
【0026】ステップ209では計測方位D−計画線分Qi
間の交差角度θDと所定限界角度θM以下の所定監視角度
θWとを比較し、交差角度θDが所定監視角度θWより大
きい時(θD>θW)にはステップ301へ進む。交差角度
θDが所定監視角度θWと所定限界角度θMとの間にある
時は計画操作信号22の出力を継続しつつ手動操作信号12
の入力を要求し、手動操作信号12で交差角度θDが所定
監視角度θW以下に復帰すれば自動操作を継続できる。
交差角度θDが所定限界角度θMを越えた時は直ちに計画
操作信号12の出力を停止し、異常表示信号を出力する
(ステップ304、305)。所定監視角度θW及び所定限界
角度θMも、ローラ30の幅Wa、ラップ幅Wb、転圧作業状
況等を考慮して決定できる。交差角度θDが所定限界角
度θW以下の時(θD≦θW)はステップ306へ進む。
【0027】ステップ306で所定移動計画線分Qi上の折
り返し位置への到達を判断し、未到着の場合はステップ
206へ戻って監視サイクル(ステップ206〜306)を繰返
す。折り返し位置は、施工図等に基づいて事前にメモリ
21に記憶するか又は操作員の手動遠隔操作中にボタン操
作等で演算手段20に入力することができ、転圧作業状況
に応じて適宜選択できる。折返し位置に到達した場合は
ステップ401で停止操作信号を出力して一旦停止し、そ
ののち後退操作信号を出力して初期位置まで戻る(ステ
ップ402)。後退中も絶えず位置座標P、方位D、傾斜
角Iの監視サイクル(ステップ403〜412)を繰返す。後
退時の監視サイクルは前進時の監視サイクルと同様であ
る。初期位置まで到達した場合はステップ413で停止操
作信号を出力し、ステップ414で転圧回数をカウントア
ップし、ステップ415で該転圧回数を計画操作信号22中
の計画転圧回数と比較する。計画転圧回数に満たない場
合はステップ203へ戻って再度前進する。計画転圧回数
が完了した場合はステップ416へ進み、所要の横方向移
動を行なうか又は終了表示信号を表示手段19へ出力す
る。なお転圧作業時の振動ローラ3bの位置座標P、方位
D、傾斜角Iはメモリ21に施工履歴として記録する。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の施工用移
動体の遠隔操作支援システムは、移動体に対する手動操
作信号の入力手段と移動体の計画操作信号が記憶された
メモリ付き演算手段とを用い、手動操作信号又は計画操
作信号を選択的に移動体へ遠隔操作信号として伝送する
ので、次の顕著な効果を奏する。
【0029】(イ)半自動化システムであるから、1名の
操作員による複数の振動ローラ又は振動ローラと他の施
工用移動体との同時遠隔操作の実施が可能である。 (ロ)単調な手動操作が省略でき、遠隔操作時の操作員の
疲労が低減できる。 (ハ)所定移動計画線分上からの移動体の逸脱を監視する
ので、高い施工品質が確保できる。 (ニ)施工作業中の移動体の位置座標、方位、傾斜角の履
歴を記録すれば、作業中及び作業後に施工作業状況が把
握でき、施工品質の管理・分析が可能となる。 (ホ)計画操作信号による自動操作中にも手動操作信号が
入力でき、自動操作中でも移動体の位置や方位の修正又
は非常停止が行える。 (へ)計画操作信号では移動体の前進・後退・停止のみを
行ない且つ手動操作信号で方向操作を行なう等、遠隔操
作の操作要素の区分け及び組合せによる合理化が図れ
る。 (ト)所定移動計画線分からの逸脱時には計画操作信号の
出力を停止し、計画線分への復帰操作は手動操作の介入
を待つので、いわゆる制御のブラックボックス化がな
く、操作員や監視員が施工作業状態を容易に把握でき
る。 (チ)手動操作と自動操作とを組合せたシステムであるか
ら、全自動システムに比し、安全面でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】は、転圧操作の流れ図の一例の先頭部分であ
る。
【図3】は、図2に続く流れ図の中間部分である。
【図4】は、図3に続く流れ図の最終部分である。
【図5】は、振動ローラによる転圧作業の説明図であ
る。
【図6】は、振動ローラの説明図である。
【図7】は、遠隔施工による施工域の一例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…施工域 3、3a…移動体 3b…振動ローラ 4…受信局 5…撮影用移動体 6…監視用撮像機 7…画像送信機 8…駆動手段 9…座標計測手段 9a、9b…GPS座標計測装置 10…受信装置 11…入力手段 12…手動操作信号 13…画像受信機 14…送信装置 15…モニタ 16…撮像機 17…画像送信機 18…通信手段 19…表示手段 20…演算手段 21…メモリ 22…計画操作信号 25…方位計 26…傾斜計 30…ローラ 40…遠隔操作室 41…データ伝送用タワー 43…測量用ヘリコプター Qi…所定移動計画線分 P…計測位置座標 LP…距離 D…計測方位 θD…交差角度 I…計測傾斜角 IM…所定限界傾斜角 LW…所定監視距離 LM…所定限界距離 θW…所定監視角度 θM…所定限界角度 Wa…ローラ幅 Wb…ラップ幅。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遠隔操作信号で駆動する施工用移動体の位
    置座標を計測する座標計測手段、遠隔操作室で前記移動
    体に対する遠隔手動操作信号を入力する入力手段、該遠
    隔操作室で前記座標計測手段に接続され且つ前記施工域
    内の所定移動計画線分と該計画線分上の計画操作信号と
    が記憶されたメモリを含む演算手段、並びに前記入力手
    段及び演算手段に接続され前記手動操作信号又は計画操
    作信号を選択的に前記移動体へ遠隔操作信号として伝送
    する送信装置を備え、前記演算手段で前記計測手段が計
    測する位置座標と前記計画線分との間の距離を算出し、
    該距離が所定限界距離以下の時に前記計画操作信号を前
    記送信装置へ出力し、前記距離が所定限界距離より大き
    い時に前記計画操作信号の送信装置への出力を停止して
    なる施工用移動体の遠隔操作支援システム。
  2. 【請求項2】請求項1の遠隔操作支援システムにおい
    て、前記移動体に前記演算手段へ通信手段で接続される
    方位計を取付け、前記演算手段で前記方位計が計測する
    方位と前記所定移動計画線分との交差角度を算出し、該
    交差角度が所定限界角度以下の時に前記計画操作信号を
    前記送信装置へ出力し、前記交差角度が所定限界角度よ
    り大きい時に前記計画操作信号の送信装置への出力を停
    止してなる施工用移動体の遠隔操作支援システム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の遠隔操作支援システムに
    おいて、前記移動体に前記演算手段へ通信手段で接続さ
    れる傾斜計を取付け、該傾斜計が計測する傾斜角が所定
    限界傾斜角以下の時に前記計画操作信号を前記送信装置
    へ出力し、前記傾斜角が所定限界傾斜角より大きい時に
    前記計画操作信号の送信装置への出力を停止してなる施
    工用移動体の遠隔操作支援システム。
  4. 【請求項4】請求項1の遠隔操作支援システムにおい
    て、前記遠隔操作室に前記演算手段と接続される表示手
    段を設け、前記距離が所定限界距離以下の所定監視距離
    より大きい時に前記演算手段により前記表示手段に手動
    操作信号要求を表示してなる施工用移動体の遠隔操作支
    援システム。
  5. 【請求項5】請求項2の遠隔操作支援システムにおい
    て、前記遠隔操作室に前記演算手段と接続される表示手
    段を設け、前記交差角度が所定限界角度以下の所定監視
    角度より大きい時に前記演算手段により前記表示手段に
    手動操作信号要求を表示してなる施工用移動体の遠隔操
    作支援システム。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れかの遠隔操作支援シス
    テムにおいて、前記演算手段のメモリに前記計測手段が
    計測する位置座標、前記方位計が計測する方位角及び/
    又は前記傾斜計が計測する傾斜角を記録してなる施工用
    移動体の遠隔操作支援システム。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の何れかの遠隔操作支援シス
    テムにおいて、前記座標計測手段を衛星航行システムに
    よる座標計測装置としてなる施工用移動体の遠隔操作支
    援システム。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の何れかの遠隔操作支援シス
    テムにおいて、前記移動体を振動ローラとし、前記計画
    操作信号に振動ローラの移動速度、転圧回数、振動加圧
    の要否、及びラップ幅を含めてなる施工用移動体の遠隔
    操作支援システム。
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