JPH1063015A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH1063015A
JPH1063015A JP22344296A JP22344296A JPH1063015A JP H1063015 A JPH1063015 A JP H1063015A JP 22344296 A JP22344296 A JP 22344296A JP 22344296 A JP22344296 A JP 22344296A JP H1063015 A JPH1063015 A JP H1063015A
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JP
Japan
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layer
charge
electric charge
undercoat layer
potential
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Application number
JP22344296A
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English (en)
Inventor
Haruo Kawakami
春雄 川上
Kenichi Okura
健一 大倉
Yukihisa Tamura
幸久 田村
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真方式の複写機の帯電電位を安定化さ
せ、最初のコピーが可能となるまでの時間を短縮するこ
とのできる電子写真用感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に感光層を設けてなる電子
写真用有機感光体において、該感光層が、導電性基体上
に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層してな
る積層構造であり、電荷発生層中の電荷発生物質のイオ
ン化ポテンシャルIpG(eV)と、電荷輸送層中の電
荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpT(eV)と
、電荷輸送層の正孔移動度μ(cm/ボルト・秒)
とが下記式、 0≦(IpG−IpT)≦1.2+0.15log
(μ) で表わされる関係を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、詳しくは、電子写真方式のプリンタ、複写機など
に用いられる積層型電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来技術】電子写真用感光体は、導電性基体上に光導
電機能を有する感光層を積層した構造をとる。かかる電
子写真用感光体のうち、電荷の発生や輸送を担う機能成
分として有機化合物を含有する電子写真用有機感光体、
とりわけ電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)
などの機能層を積層してなる積層型電子写真用有機感光
体は、材料の選択性が高く機能設計が容易であり、生産
性が高く、安全性に優れているなどの利点から複写機を
はじめとして各種プリンタへの応用が近年活発に進めら
れている。特に、近年PPC複写機においては、より高
画質の画像を得、かつ、画像の編集を可能とするため、
従来主流であったアナログ方式からデジタル方式への転
換が進んでおり、積層型電子写真用有機感光体の適用が
積極的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
積層型電子写真用有機感光体は、感光体として求められ
るすべての要求性能を必ずしも充分に満足しているわけ
ではなかった。とくに、PPC複写機においては、機械
作動開始時から最初のコピーが可能となるまでの時間の
短縮が望まれているが、これまでの一般の感光体におい
ては、複写プロセスサイクルの初期には帯電電位が変動
する現象があるため(図2参照)、特性が安定するまで
に感光体を数回、空運転させることが必要であった。こ
のため、このことが、最初のコピーが可能となる時間を
短縮する上でのネックとなっていた。
【0004】そこで本発明の目的は、電子写真方式の複
写機の帯電電位を安定化させ、最初のコピーが可能とな
るまでの時間を短縮することのできる電子写真用感光体
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の電子写真用感光体は、導電性基体上に感光
層を設けてなる電子写真用有機感光体において、該感光
層が、導電性基体上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送
層を順次積層してなる積層構造であり、電荷発生層中の
電荷発生物質のイオン化ポテンシャルIpG(eV)と、
電荷輸送層中の電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIp
T(eV)と、電荷輸送層の正孔移動度μ(cm/ボ
ルト・秒)とが下記式、 0≦(IpG−IpT)≦1.2+0.15log(μ) で表わされる関係を満たすことを特徴とするものであ
る。
【0006】本発明の電子写真用感光体、前記下引層の
単位面積当りの厚さ方向の電気抵抗が10〜10Ω
・cmの範囲にあることが好ましく、特には、その主
成分が高分子樹脂または導電性基体の陽極酸化皮膜であ
ることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】代表的な電子写真用有機感光体で
ある所謂負帯電積層型感光体の構成は図3に示すよう
に、導電性基体11、下引層12、電荷発生層13、電
荷輸送層14より構成されてなる。以下これを例とし
て、具体的に説明する。
【0008】複写プロセスサイクルの初期に、帯電電位
が変動する現象の発生機構の詳細は未だ不明な点が多
く、完全な解明はなされていないが、おおよそ、以下の
過程によると考えられる。
【0009】即ち、電荷発生層内部には、帯電プロセス
前の周辺からの微弱な光照射や熱的な励起によりプラス
電荷(正孔)とマイナス電荷(電子)が発生する。発生
した電荷の大部分は再結合により消滅するが、一部の正
孔は電荷発生層と電荷輸送層のイオン化ポテンシャルの
差によって電荷輸送層内へ拡散し、そこに捕獲されると
考えられる。この状態で、帯電プロセスが開始される
と、負荷された電界により、電荷輸送層内に捕獲されて
いた正孔が感光体表面へ拡散し、表面のマイナス電荷を
中和するため帯電電位が低くなる。複写プロセス(帯
電、露光、現像、転写、除電)を繰り返すことにより、
電荷輸送層内に捕獲される正孔量は徐々に平衡値に達
し、帯電電位は安定値に達する。このメカニズムは、予
め感光体に強い光を照射すると、初期の帯電電位変動が
大きくなることからも検証される。即ち、図2に示すよ
うに、複写プロセスサイクルの初期の帯電電位1に対
し、強い光を照射した感光体の同帯電電2は、初期の帯
電電位変動が大きくなっていることからも分かる。な
お、以下、1回転目と2回転目の帯電電位の差のことを
ダブルチャージ量と呼ぶ。
【0010】初期の帯電電位変動を抑制するためには、
正孔の電荷輸送層への拡散を抑制することが有効であ
り、その具体的手段としては、電荷発生層と電荷輸送層
のイオン化ポテンシャルの差(IpG −IpT )値を小さく
することと、下引層により電荷発生層から導電性基体へ
の電子の拡散を抑制して電子を電荷発生層内に留めるこ
とにより、電荷の再結合確率を高めることが有効であ
る。
【0011】上述のことから明らかなように、(IpG −
IpT )値の上限はダブルチャージ量により定まるが、前
述のようにダブルチャージ量は電荷輸送層に注入された
正孔が電荷輸送層内で捕獲されることによるものであ
り、従って、電荷輸送層内の正孔移動度μにも依存す
る。即ち、移動度μが大きい程、正孔が電荷輸送層内で
捕獲される確率は減少し、ダブルチャージ量は低く抑制
される。
【0012】一方、(IpG −IpT )値が小さくなると、
電荷発生層から電荷輸送層への正孔の注入が困難とな
り、前述の帯電電位の安定化には有効となるが、その一
方で、複写プロセス中の露光時に電荷発生層内で発生し
た正孔の注入も困難になり、残留電位が大きくなるとい
う問題が生ずる。従って、(IpG −IpT )値は少なくと
も、ゼロまたは正の値であることが必要である。
【0013】本発明者らは、以上の知見に基づき鋭意検
討した結果、下記式、 0≦(IpG−IpT)≦1.2+0.15log(μ) を満たす電荷発生物質と電荷輸送物質の組み合わせが、
これら個々の材料系に依存せずにダブルチャージ量を低
く抑えることができることを見出した。
【0014】上述の電荷輸送層に対する関係に加えて、
下引層の影響も大きなものがあり、これも考慮する必要
がある。即ち、下引層の抵抗が大きい程、電荷発生層か
らの基板への電子の移動が抑制され、その結果、電荷発
生層から電荷輸送層への正孔の注入が減少し、ダブルチ
ャージ量は減少するが、残留電位は増大する。かかる考
察に基づき検討を重ねた結果、前記下引層の単位面積当
りの厚さ方向の電気抵抗が10〜10Ω・cm
範囲内にあるときに、残留電位は50V以下で、かつダ
ブルチャージ量は40V以下と、ともに低く抑えること
ができることを見出した。かかる下引層を実現する上
で、その主成分を高分子樹脂または陽極酸化皮膜とする
ことが好ましい。
【0015】以下、本発明の電子写真用感光体の各構成
材料について具体的に説明する。導電性基体としては、
アルミニウム製円筒やアルミニウム蒸着のフィルム等を
用いることができる。
【0016】下引層には、高分子分散皮膜の材料として
はカゼイン、ポリビニルアルコール、ナイロン、メラミ
ン、セルロースなどの絶縁性高分子、またはポリチオフ
ェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分
子、あるいはこれら高分子に二酸化チタン、酸化亜鉛等
の金属酸化物粉末を含有せしめたものを用いることがで
きる。あるいはまた、前記導電性基体の表面をアルマイ
ト化して、陽極酸化皮膜を形成せしめたものを用いるこ
とができる。かかる材料を選定する上で、好ましくは、
上述のように下引層の単位面積当りの厚さ方向の電気抵
抗が10〜10Ω・cmの範囲内になるようにす
る。厚さは0.1μm〜20μmの範囲から選択するこ
とができる。
【0017】電荷発生層は、電荷発生物質と樹脂バイン
ダーより構成される。電荷発生物質としては、下記に具
体例I-1〜I-4として示すような各種フタロシアニン化合
物、アゾ化合物、多環キノン化合物、およびこれらの誘
導体を用いることができる。
【0018】
【0019】電荷発生層用のバインダーとしては、ポリ
カーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタ
ン、エポキシ、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセ
タール、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル
樹脂、ホルマール樹脂、セルロース樹脂、またはこれら
の共重合体、およびこれらのハロゲン化物、シアノエチ
ル化合物を用いることができる。電荷発生層の厚さは
0.1〜5μm、好ましくは1μm以下とする。
【0020】電荷輸送層は、電荷輸送物質と樹脂バイン
ダーより構成される。本発明における電荷輸送物質は、
下記に具体例II-1〜II-7として示すような各種ヒドラゾ
ン、スチリル、ジアミン、ブタジエン、インドール化合
物およびこれらの混合物を用いてることができる。
【0021】
【0022】
【0023】電荷輸送層用樹脂バインダーとしては、ポ
リカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテ
ルアクリル樹脂などが公知材料として検討されている
が、膜強度ならびに耐刷性面でポリカーボネートが現状
最も優れた材料系として広く実用に供されている。かか
るポリカーボネートとしては、下記に具体例III-1〜III
-2としてに示すようなビスフェノ−ルA型、ビスフェノ
−ルZ型等および各種共重合体が挙げられる。
【0024】
【0025】かかるポリカーボネート樹脂の最適平均分
子量範囲は1万〜10万である。さらに、電荷輸送層に
添加する酸化防止剤としては、下記に具体例IV-1〜IV-4
として示すような酸化防止剤の単独系または適宜組み合
わせを用いることができる。電荷輸送層の厚さは10〜
50μmの範囲が好ましい。
【0026】
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。 実施例1 電荷発生層の電荷発生物質として前記具体例の式I-2で
示されるチタニルフタロシアニン、樹脂バインダ−とし
て変性塩化ビニル樹脂、電荷輸送層の樹脂バインダ−と
してビスフェノ−ルA型ポリカ−ボネ−ト、下引層とし
てナイロン6系樹脂膜を夫々用い、また電荷輸送物質と
しては前記具体例の式II-1で示される化合物を用いて感
光体を作製した。下引層、電荷発生層、電荷輸送層の厚
さはそれぞれ4μm、0.5μm、25μmであった。
下引層の単位面積当りの厚さ方向の電気抵抗は1×10
Ω・cmであった。
【0028】実施例2 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-2を
用いたこと以外はすべて実施例1と同一材料、同一条件
にて感光体を作製した。
【0029】実施例3 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-3を
用いたこと以外はすべて実施例1と同一材料、同一条件
にて感光体を作製した。
【0030】実施例4 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-4を
用いたこと以外はすべて実施例1と同一材料、同一条件
にて感光体を作製した。
【0031】実施例5 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-2と
具体例II-5の混合物(3:1)を用いたこと以外はすべ
て実施例1と同一材料、同一条件にて感光体を作製し
た。
【0032】比較例1 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-6を
用いたこと以外はすべて実施例1と同一材料、同一条件
にて感光体を作製した。
【0033】比較例2 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-3と
具体例II-5の混合物(3:2)を用いたこと以外はすべ
て実施例1と同一材料、同一条件にて感光体を作製し
た。
【0034】比較例3 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-5を
用いたこと以外はすべて実施例1と同一材料、同一条件
にて感光体を作製した。
【0035】比較例4 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-7を
用いたこと以外はすべて実施例1と同一材料、同一条件
にて感光体を作製した。
【0036】比較例5 電荷輸送物質として具体例II-1の替わりに具体例II-4と
具体例II-5の混合物(3:1)を用いたこと以外はすべ
て実施例1と同一材料、同一条件にて感光体を作製し
た。
【0037】実施例6 下引層として酸化チタン微粉末を分散してなるナイロン
系樹脂膜を用いること以外はすべて実施例1と同一材
料、同一条件にて感光体を作製した。本実施例における
下引層の厚さは1μm、単位面積当りの厚さ方向の電気
抵抗は2.5×10Ω・cmであった。
【0038】実施例7 下引層としてアルマイト層を用いること以外はすべて実
施例1と同一材料、同一条件にて感光体を作製した。本
実施例における下引層の厚さは5μm、単位面積当りの
厚さ方向の電気抵抗は1×10Ω・cmであった。
【0039】実施例8 下引層として酸化チタン微粉末を分散してなるナイロン
系樹脂膜を用いること以外はすべて実施例3と同一材
料、同一条件にて感光体を作製した。本実施例における
下引層の厚さは1μm、単位面積当りの厚さ方向の電気
抵抗は2.5×10Ω・cmであった。
【0040】実施例9 下引層としてアルマイト層を用いること以外はすべて実
施例3と同一材料、同一条件にて感光体を作製した。本
実施例における下引層の厚さは5μm、単位面積当りの
厚さ方向の電気抵抗は1×10Ω・cmであった。
【0041】実施例10 下引層として酸化チタン微粉末を分散してなるナイロン
系樹脂膜を用いること以外はすべて実施例4と同一材
料、同一条件にて感光体を作製した。本実施例における
下引層の厚さは1μm、単位面積当りの厚さ方向の電気
抵抗は2.5×10Ω・cmであった。
【0042】実施例11 下引層としてアルマイト層を用いること以外はすべて実
施例4と同一材料、同一条件にて感光体を作製した。本
実施例における下引層の厚さは5μm、単位面積当りの
厚さ方向の電気抵抗は1×10Ω・cmであった。
【0043】各実施例および比較例で得られた感光体の
電気特性の評価を下記のようにして行った。電荷発生物
質および電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル(eV)
は、理研計器株式会社製の大気中紫外線光電子分析装置
AC−1型により測定した。この時の露光光源のエネル
ギーは50nWとした。ここで、イオン化ポテンシャル
は、チタニルフタロシアニンの測定値5.58eVに対
する差として値を示してある。
【0044】電荷輸送層の輸送層の正孔移動度μの測定
は、Time of flight法(T.O.F法)により行った。
【0045】下引層の単位面積当りの厚さ方向の電気抵
抗の測定は、当該下引層をAl基板上に所定の膜厚で塗
布した後、Au電極を成膜し、Au電極側を正、Al基
板側を負になるよう50Vの直流電圧を附加し、電流値
を測定することにより、面積当たりの電気抵抗を算出し
た。
【0046】感光体特性の評価は、帯電機構・露光機構
・除電機構の出力を固定したレ−ザ−ビ−ムプリンタ−
に感光体を搭載し、常温常湿(20℃,50RH)の雰
囲気下で実施した。露光光源として、波長780nmで
1μJ/cmの単色レーザー光を用いた。初期帯電電
位を600Vに設定した後、かかる単色光を連続露光
し、残留電位を求めた。得られた結果を下記の表1およ
び表2に示す。これら表中のダブルチャージ量は、1回
転目と2回転目の帯電電位の差である帯電電位変動量で
ある。以上の実施例および比較例の結果を表1および2
に示す。また、各表の結果をグラフにまとめたものを、
夫々図1および図2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表1および表2から明らかなように、電荷
発生物質のイオン化ポテンシャルIpGと、電荷輸送物
質のイオン化ポテンシャルIpTと、電荷輸送層の正孔
移動度μとが下記式、 0≦(IpG−IpT)≦1.2+0.15log(μ) の関係を満たす組み合わせのときには、材料系によら
ず、ダブルチャージ量が少なかった。
【0050】また、下引層の単位面積当りの厚さ方向の
電気抵抗は10〜10Ω・cmの範囲にあれば、
残留電位は50V以下、ダブルチャージ量は40V以下
であり、ともに低く抑制された。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の電子
写真用感光体においては、電子写真方式の複写機の帯電
電位を安定化させ、最初のコピーが可能となるまでの時
間を短縮することができるとともに、残留電位を低く抑
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例および比較例における移動度μとイオ
ン化ポテンシャルの差(IpG−IpT)との関係を示
すグラフである。
【図2】帯電電位の安定性を示す、複写プロセスサイク
ル数(感光体回転数)と帯電電位との関係を示すグラフ
である。
【図3】本発明の一例の負帯電積層型電子写真感光体の
要部断面図である。
【図4】下引層の電気抵抗と、残留電位およびダブルチ
ャージ量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 複写プロセスサイクルの初期の帯電電位の変動線。 2 強い光を照射した感光体の、複写プロセスサイクル
の初期の帯電電位の変動線 11 導電性基体 12 下引層 13 電荷発生層 14 電荷輸送層 21 実施例1、6、7のダブルチャージ量を結んだ線 22 実施例1、6、7の残留電位を結んだ線 23 実施例4、10、11のダブルチャージ量を結ん
だ線 24 実施例4、10、11の残留電位を結んだ線 25 実施例3、8、9のダブルチャージ量を結んだ線 26 実施例3、8、9の残留電位を結んだ線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に感光層を設けてなる電子
    写真用有機感光体において、該感光層が、導電性基体上
    に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層してな
    る積層構造であり、電荷発生層中の電荷発生物質のイオ
    ン化ポテンシャルIpG(eV)と、電荷輸送層中の電荷
    輸送物質のイオン化ポテンシャルIpT(eV)と 、電荷
    輸送層の正孔移動度μ(cm/ボルト・秒)とが下記
    式、 0≦(IpG−IpT)≦1.2+0.15log(μ) で表わされる関係を満たすことを特徴とする電子写真用
    感光体。
  2. 【請求項2】 前記下引層の単位面積当りの厚さ方向の
    電気抵抗が10〜10Ω・cmの範囲内にある請
    求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 前記下引層の主成分が、高分子樹脂また
    は導電性基体の陽極酸化皮膜である請求項2記載の電子
    写真用感光体。
JP22344296A 1996-08-26 1996-08-26 電子写真用感光体 Pending JPH1063015A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2078988A2 (en) 2008-01-10 2009-07-15 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus and image forming method
JP2016164587A (ja) * 2015-03-06 2016-09-08 ブラザー工業株式会社 画像形成装置,画像形成方法,およびプログラム

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